JP2008272420A - 乳房形状を考慮した小型マンモグラフィー - Google Patents

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Abstract

【課題】女性の乳房の個体差を考慮し、受診者と撮像要員の放射線被爆量を減じる小型マンモグラフィーを提供する。
【解決手段】女性受診者の乳房の自重により、放射線不透過性ドラム内に拘束された放射線照射領域に容易に導入し、真空装置に接続した吸引カップに負圧を加えて乳房を扁平に潰し、受診者と撮像要員の放射線被爆量を減じる。ドラムの回転により撮像装置は360度の可動範囲を確保し、吸引カップも所望の角度に回転させ、上下および左右の2方向のみならず、乳房全周囲の2次元画像を得る。ウオータークーラー程度の寸法の本体部内に撮像装置を収めたドラムを組入れた構成により小型化し、巡回型健康診断バスなどの車両型簡易医療施設に搭載する。より多くの女性受診者がマンモグラフィーによる乳癌の早期発見の機会を得ることができるようになる。
【選択図】図3

Description

本願は、女性の乳癌を早期発見するためにマンモグラフィーに関するものであり、特に、乳房が扁平な女性、乳房を形成する乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞とが脇下と鎖骨下の比較的広い領域に広がって存在する女性の乳癌を早期発見するためのマンモグラフィーに関連する。
X線マンモグラフィーは、女性の乳房のX線透過画像を2次元的に生成する装置である。その原理は、人体の前後にX線を放射するX線源とX線フィルムやデジタル画像変換器などのX線受信装置を設置した通常の胸部X線撮像装置と概ね同じであるが、マンモグラフィーが胸部X線撮像装置と異なる点は、2枚の放射線透過性の圧迫用プレートの間に乳房を置き、上下から、または、左右から乳房を挟んで乳房をぎりぎりまで平らにつぶし、2方向からの2次元画像により乳房の各組織の病変部を看破するよう図っていることである乳房を極力扁平にすることで、撮像電圧を低くして被爆量を減らし、内部の構造を上手く写せるようにしたことが最大の利点である。
PETをマンモグラフィーに適用し、乳房を偏平にせずにより立体的に病巣部を画像化しようとの試みもあるが、PETに設備投資できる病医院および医療ビジネス機関は国内でも数が限られており、また、半年から1年に1度の健康診断にPETを利用するのは受診者負担が大きすぎる。更に頻繁に病巣部の画像化を必要とする乳癌患者にとって、PETを使った検査費用を含む医療費は現実離れしたものとなる。
医療をビジネス化し、最先端テクノロジー偏重にはしる状況のなか、乳癌の早期発見を目的とした小型マンモグラフィーの地道な開発も進んでいる。X線源とX線受信装置の両方を小型化する趨勢は日進月歩のものがあり、放射線受信装置については、カセット式X線フィルムの開発がその一例といえる。
特開平5−173266号公報 特開2006−149790
女性の乳房の形状は、女性の顔が人それぞれ異なっているぐらいの個人差がある。日本猿の授乳中のメスに見られるように、乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞とが胸部の中心から左右対称の2点付近から集中して前に張出している、いわゆる「釣鐘型乳房」の場合、従来のマンモグラフィーの圧迫用プレートで挟んで偏平に潰すのは比較的容易である。
ところが、このような実用的な乳房を有している猿とは異なり、人間の女性の乳房は太古より多産と豊穣の象徴であり、また、中世以降は性の象徴となり、実用以外の宗教的・風俗的必要から巨大化する方向に進化しつつあるのが認められる。そのせいで、人間の女性の乳房を従来のマンモグラフィーの圧迫用プレートで挟んで扁平に潰すのは容易ではなかった。図1Aおよび図1Bに従来のマンモグラフィーの全体図とその使用例を見ることができる。
乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞とが広く浅く前に張出している、いわゆる「お椀型乳房」の場合、或いは、生得的に乳房が非常に大きく発達し、骨格上の胸部幅よりも乳房が左右に張出しているような、いわゆる「巨乳」の場合、乳房を2枚の圧迫用プレートの間に挟んで扁平になるまでつぶすのはかなり困難であり、撮像中の女性が胸の痛みを訴えることが多かった。
また、「お椀型乳房」の広く、浅く、小さい乳房の女性の場合、脇下と鎖骨下の比較的広い領域の体組織を2枚の圧迫用プレートの間に押込むために、女性受診者が上体全体をプレートに強く押し当てざるを得ず、乳房のみならず、乳房を支える胸筋と胸壁がX線ビームで被爆することが多かった。これにより、受診者の被爆線量が上昇するのみならず、放射線散乱による画質の劣化、付添いの撮像要員のX線被爆という潜在的な不都合が起こることが予測される。
また、周期的に乳腺に痛みを感じる生理前の時期には、受診者は予定していたマンモグラフィーによる検診を諦めざるを得なかった。
更に、2枚の圧迫用プレートの間に挟んで扁平にするのが容易な、いわゆる「釣鐘型乳房」の受診者が、マンモグラフィーの診断結果で「異常なし」と判定されたにも関わらず、乳房の付け根付近に萌芽していた乳癌を見過ごされていたという不幸な事例も無くはない。
上述のような従来のマンモグラフィーの欠点を克服するために、本発明は、女性の乳房の形状を考慮し、脇下と鎖骨下の広い領域に発達した乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞をX線照射領域に容易に導入することができるようにするとともに、女性受診者の眼前で2枚の圧迫用プレートの間に乳房を挟んで扁平にするという機械的な扱いの結果として女性受診者が経験してきた心身両面の苦痛を軽減した、改良型のマンモグラフィーを提供することを目的とする。
更に、本発明は、巡回型健康診断バスなどの車両型簡易医療施設に搭載することができる、より小型のマンモグラフィーを提供することを目的とする。
本発明のマンモグラフィーは、X線などの放射線を照射する放射線源と、放射線フィルムやデジタル画像変換器などの放射線受信装置と、女性受診者の少なくとも上体をうつ伏せに支える本体部と、吸引カップと、吸引カップに接続された真空装置を備えている。女性受診者が本体部に正しい姿勢で上体を載せると、受診者の乳房の乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞が自重により、胸筋および胸壁から自発的に離れて乳頭に向かって下に懸垂する。マンモグラフィーは片方の乳房全体を受容するのに十分な容積の吸引カップを備えており、下に懸垂した乳房の先端に最も近い吸引カップの先端部から延びる蛇腹状の伸縮自在な管を介して接続された真空装置を作動させて吸引カップ内を真空引きすることにより、受診者の乳房の乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞を胸筋および胸壁から更に乳頭に向かって下に懸垂させる。吸引カップは全体が放射線透過性で可塑性に富む柔軟な素材でできている。吸引カップは一部が略円筒形状を呈しており、円筒状部分の対向する2直線上の帯状部分のみが吸引カップの他の部分よりも硬質に作られており、真空装置による吸引時にカップ内に負圧が付与された場合にのみ、上記硬質の帯状部分以外の残余の部分が吸引力と負圧により潰れることにより受診者の乳房を扁平にし、放射線源からの照射により乳房の撮像を行う。
放射線源と放射線受診装置は放射線不透過性の素材でできたドラムの内側に拘束され、ドラムの内部で同一直線上に対向して固定され、マンモグラフィーの本体部の内側に設けられたレールの内側をドラムがスライドすることにより、相対位置を維持したまま、360度の可動範囲を確保している。
ドラムには、女性受診者が乳房を挿入するための上部開口部と、撮像要員が受診者の乳房に吸引カップを装着する目的でドラムに手をいれるための扉付きの開閉自在な開口部が設けられている。
ドラムの内部にはカメラが設置され、吸引カップにより受診者の乳房が十分に扁平になったことを、ドラムの外側に搭載されているモニターで撮像要員が外から確認することができるようになっている。
吸引カップは可塑性と放射線透過性のほかに、耐放射線性を備えた素材でできている。
吸引カップと真空装置の接続部にはラチェット機構が設けられて、吸引カップの円筒状の硬質の部分を目安に90度などの所望の角度だけ回転させて固定することができる。これにより、吸引カップを所望の角度で扁平に潰すことができるようになり、従来では上下から、または、左右から乳房を扁平につぶすことで2方向からの2次元画像しか得られなかったが、所望の角度で扁平に潰した乳房の各組織の病変部を看破することができるようになる。
本体部は受診者の身長に合わせて、高さを調節することができるようになっている。
本発明の改良されたマンモグラフィーにより、女性の乳房の形状を考慮し、脇下と鎖骨下の広い領域に発達した乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞を放射線照射領域に容易に導入することができるようにすることで、受診者と撮像要員の放射線被爆量を減じるとともに、女性受診者の眼前で2枚の圧迫用プレートの間に乳房を挟んで扁平にするという機械的な扱いの結果として女性受診者が経験してきた心身両方の苦痛を軽減することができる。
従来のマンモグラフィーはX線源とX線受信装置を同一直線上のアームで支持し、可動範囲が90度から180に限られていたが、本発明の改良されたマンモグラフィーでは、ドラム内の対向位置に固定された放射線源と放射線受診装置は、ドラムの回転により360度の可動範囲を許容される。
従来のマンモグラフィーは受診者が装置に接近し易いように開放型の形状を呈しているため、受診者はX線源とX線受信装置の両方に、ほぼ無防備に過剰接近していた。本発明の改良されたマンモグラフィーでは、放射線源と放射線受診装置が放射線不透過性のドラムの中に拘束されているため、受診者と撮像要員の双方が放射線散乱などで被曝する放射線量がより少なくて済むようになる。
更に、従来ならば、マンモグラフィーは最新の技術を誇る一部の大規模医療施設にしか設置できず、乳癌患者の増大にも関わらず、マンモグラフィーによる乳癌受診者の数は限られていたが、本発明の改良されたマンモグラフィーは巡回型健康診断バスなどの車両型簡易医療施設に搭載することができ、より多くの女性受診者がマンモグラフィーによる乳癌の早期発見の機会を得ることができるようになる。
添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明してゆく。図面はいずれも等尺図ではない。
図2は、本発明のマンモグラフィーの全体を概略的に例示し、その使用例を示した図である。図2は使用時のマンモグラフィーの内部を透視した図である。本発明のマンモグラフィー1は、公共の場に設置してあるウオータークーラーと同程度の大きさの本体部2を備えており、スライド式支柱とストッパを本体部の脚部に設けることにより、本体部2の高さは手動または自動で調節可能であり、女性受診者Fが自らの上体を本体部の上にうつ伏せ状に胸を下にして楽に載せることができる高さに調節することができる。
本発明のマンモグラフィー1は、本体部2のほかに、X線などの放射線の線源3とX線フィルムやデジタル画像変換器などの放射線受信装置4を備えている。放射線源3と放射線受診装置4は放射線不透過性の素材でできたドラム5の中に拘束されており、撮像時に受診者Fおよび撮像要員Pが放射線散乱で微量でも放射線被爆すること防いでいる。このれは、放射線撮像装置に大いに依存した治療を専門に行う医師や恒常的に放射線に曝される作業現場にいるX線検査技師にとっては有意義な改良である。
ドラム5には、受診者Fの乳房を挿入するための上部開口と、撮像要員Pが受診者Fの乳房に吸引カップを装着する時にドラムの中に手を入れるための扉付きの開閉自在の開口部が設けられており、また、放射線源3の放射線種の交換やX線フィルムまたは画像記憶媒体の交換などの他、様々なメンテナンスのためにドラム内部にアクセスするための開口部(図示せず)が設けられている。
ドラム5内では、放射線源3と放射線受信装置4は同一直線上に対向して固定されており、マンモグラフィー1の本体部2の内側に設けられたレールの内側をドラム5がスライドすることにより、放射線源3と放射線受信装置4は相対位置を維持したまま、360度の可動範囲で移動する。ドラム5の内部にはカメラが設置されており、後段でより詳細に説明するが、吸引カップ6Aにより受診者の乳房が十分に扁平になったことを、ドラム5の外側に搭載されている監視用モニター9で撮像要員Pが外から確認することができるようになっている。
図2に例示されているように、本体部3の外部形状は、少なくとも受診者が装置に接近する側は、壁が設けられている。壁は平坦でもよいし、或いは、受診者の下半身の形状に合わせて、ゆるく内側に湾曲していてもよい。また、受診者が装置に接近する側の壁は、床面から内向きに傾斜して、受診者がよりリラックスして上体を本体部2に寄りかからせることができるようにしてもよい。残りの三面は特に壁面を設ける必要はない。これは特に、撮像要員Pが放射線源3と放射線受診装置4を回転させ易いようにするために必要であり、また、ドラム5の外側に設けたモニター9を見て、乳房の扁平具合を確認するためにも必要である。
本体部2の最下位部分には電気モーター式の簡易真空装置7が設置されている。蛇腹式の伸縮性のある管6Bがその一端で真空装置に接続されており、この管6Bの他方端は片乳房全体を受容するのに十分な容積の吸引カップ6Aが接続されている。真空装置は吸込仕事率が100ワットから1200ワットまで、3〜5段階程度に切り替えできるようになっているのが好ましい。
本発明の一実施形態のマンモグラフィーの撮像装置を収納したドラムの内部を透視した図である図3を参照しながら、実際の使用例を説明してゆく。女性受診者Fは、マンモグラフィーに接近して自らの上体をマンモグラフィー1の本体部2の正しい受診位置に載せると、乳房が下に懸垂する。この時の状態を詳しく説明すると、受診者Fの乳房の乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞は、自重により、胸筋および胸壁から自発的に離れて乳頭に向かって下に懸垂する。撮像要員Pはドラム脇の開口部から手を入れ、ドラム内に懸垂している受診者Fの乳房に吸引カップ6Aを被せる。吸引カップ6Aを被せる前に、吸引カップの吸い付き粘性を高めるためのジェルを吸引カップ6Aの内側面に塗布してもよい。このようなジェルは、吸引カップ6Aの内側面に塗布する代わりに、受診者Fの乳房に塗布してもよい。吸引カップ6Aで乳房を覆ったのを手の感触とモニター9で確認してから、撮像要員Pは真空装置7のスイッチを入れ、100ワット程度の吸込仕事率で予備吸引して、瞬間的に吸引カップ6Aを受診者Fの乳房に強く吸着させ、真空装置のスイッチを一旦切る。吸引カップ6Aと乳房の間の空気が完全に抜けて密着状態になったことを、再度、手の感触とモニター9で確認してから、撮像要員Pは500ワットから1300ワットの吸込仕事率で乳房を引張る。
吸引カップ6Aと真空装置7を接続している蛇腹式の管6Bは伸縮性を有しており、また、自重で下に向かうため、受診者の乳房に吸い付いたまま、乳房を下へ引張る。下に懸垂した乳房の先端に最も近い吸引カップ6Aの先端部に接続された真空装置を作動させて吸引カップ内に負圧を加えて真空引きすることにより、受診者Fの乳房の乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞を胸筋および胸壁から引き離すように、更に乳頭に向かって下に懸垂させる吸込仕事率は500ワットから700ワットへ、700ワットから900ワットへ、更に、900ワットから1100ワットへ、1100ワットから1300ワットへと段階的にスイッチで切換えていけるようにするとよい。
吸引カップ6Aと真空装置7の組合せは、医療装置技術以外の分野で従来公知である。例えば、人の母乳の電動式搾乳装置は既に市販されており、特公平3−62106号公報、実開昭64−54555号公報、実公昭62−45710号公報、特開2007−89904公報などにも様々な具体例を見ることができる。より詳しく述べると、ラッパ状の搾乳カップを一体に連接した吸乳部をボトルの口栓部に着脱自在に取付けるとともに、電動モーター等によって駆動する電動式負圧源を収納した吸引部を前記吸乳部の上部に連結したもの、即ち、ボトルの上方に前記電動式負圧源を設置したものが一般に知られている。これら具体例は搾乳目的で考案されたものであって、医療目的の放射線撮影に及ぼす効果については何らの考慮もなされていないことは言うまでもない。
家畜の搾乳を目的とした同様の装置もある。例えば、乳牛の搾乳に用いられるティートカップの具体例が実公平7−37487号公報、特開平7−203791号公報、実公平7−37487号公報、特開平7−203791号公報に開示されている。これら具体例も医療目的の放射線撮影を意図していないため、本発明の応用例には明らかに不適な素材で製造することを推奨しているものもあるが、乳牛の個体差に応じてティートカップを最適な重量に調節する点に特別な利益を認め、インナーウエイトや外付けリング状ウエイトを利用することが提案されている。かかる提案のみ、本発明にも大いに適用価値があり、ウエイトを利用する代わりに、吸引カップ6Aの寸法と重量、カップに接続される蛇腹状の管6Bの重量を初期的に最適化することが考えられる。すなわち、吸引カップ6Aを受診者の乳房の大きさによって複数の異なる寸法に選択的に取替えることができるようにすることで、自ずと最適重量を選択したことになるように事前調節すればよい。
図4および図5に吸引カップ6Aが例示されている。図4は、真空装置7を作動させていない時の吸引カップを描いた拡大図である。図5は、真空装置7を作動させたことで負圧が付与された吸引カップを描いた拡大図である。吸引カップ6Aは全体が放射線透過性の柔軟な素材でできている。吸引カップは一部が略円筒状を呈しており、円筒状部分の空の容積部分を挟んで対向する位置に縦長の帯状部分8が設けられており、この帯状部分8のみが吸引カップの他の部分よりも硬質に作られている。硬質の帯状部分8は、図3から図5では識別のために陰が付されているが、真空装置7による吸引時のみ、上記硬質の帯状部分を除くカップの残余の部分が吸引力により潰れることにより、受診者Fの乳房を潰して扁平にする。乳房が十分なだけ潰れて扁平になったことをモニター9で確認したら、撮像要員Pはその間に放射線源からの照射により乳房の撮像を行う。
吸引カップ6Aは放射線不透過性の各種高分子重合体およびそれらの混合物でできていればよいが、真空装置7の100ワット程度の吸引力で従順に変形する可塑性、柔軟性と、1300ワットもの吸引力を加えた後でも元の円筒状の形状に自己回復することができる、すなわち、完全に変形してしまわない適度な剛性と復元力を備えている必要がある。高分子重合体の組成とカップの厚みを様々に組合わせることで、上記のような諸条件を満たす素材が容易に手に入る。このような汎用合成樹脂の具体例として、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂などがあるが、肌触りの良さを向上させ、吸引カップの乳房への粘性の吸い付きを高めるために、豊胸手術などの美容整形分野で使用されるシリコーンとの積層構造にしてもよい。
吸引カップ6Aが放射線透過性に富み、尚且つ、乳房を潰して扁平にする強度を兼備するようにするために、X線透過性に優れた金属ベリリウムの線条で吸引カップ6Aを補強し、特に、帯状部分8のベリリウム含有率を高くするという方法が考えられる。吸引カップ6Aの補強には、金属ベリリウム以外に炭素繊維を利用することも考えられる。炭素繊維も線条にしたものを樹脂に混ぜ込むことにより、X線透過性と所要の強度を吸引カップ6Aに兼備させることができる。
吸引カップ6Aは、更に、耐放射線性能に優れている必要がある。耐放射線性ポリエーテルエーテルケトンが近年、産業用に開発されつつある。また、上述の合成樹脂またはシリコン膜との積層体をガスバリア性のシリカ薄膜で皮膜することにより、被爆環境下での長期使用に耐える製品にすることができる。耐放射線性能と放射線透過性の兼備は矛盾を引き起こすことになるかもしれないが、耐放射線性物質の含有率を性能上の有効範囲の低い方の極限付近に抑え、受診者の乳房の撮像前に被写体を含まない画像を作成し、画像の陰が耐性放射線性物質の影響によるものなのか、それとも、癌性細胞の作る陰なのかを識別できるようにするとよい。
この実施形態では、吸引カップ6Aは、真空装置7が非作動時の円筒状に形状を維持している状態で、直径、すなわち、対向する硬質の帯状部分8の間の距離が15cm程度あり、カップの縁から蛇腹状の管6Bとの接続部までの長さが15/2cm程度である。女性受診者Fの乳房の形状と大きさ次第では、吸引カップ6Aの寸法は上記寸法に限定されるものではないが、直径は日本人女性用下着のアンダーバストの約18%程度、長さはトップバストの2分の1程度が適当であると思われる。
吸引カップ6Aと真空装置7から延びている蛇腹状の管6Bとの接続部にはラチェット機構が設けられており、吸引カップの硬質の帯状部分8を目安にして、カップを90度などの所望の角度だけ回転させて固定することができる。これにより、吸引カップを所望の角度で扁平に潰すことができるようになり、また、撮像装置を内臓するドラムをレール沿いに360度の範囲で所望する角度だけ回転させることができるため、従来では2枚の圧迫用プレートで上下から、または、左右から乳房を扁平につぶすことで2方向からの2次元画像しか得られなかったのとは異なり、所望の角度で扁平に潰した乳房を最適角度から画像化し、複数の医療プロフェッショナルにより画像を吟味することにより、乳房の病変部をより高精度に看破することができるようになる。
本発明の改良されたマンモグラフィーにより、女性の乳房の形状を考慮し、脇下と鎖骨下の広い領域に発達した乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞を放射線照射領域に容易に導入することができるようにすることで、受診者と撮像要員の放射線被爆量を減じるとともに、女性受診者の眼前で2枚の圧迫用プレートの間に乳房を挟んで扁平にするという機械的な扱いの結果として女性受診者が経験してきた心身両方の苦痛を軽減することができる。
本発明の改良されたマンモグラフィーでは、ドラム内の対向位置に固定された放射線源と放射線受診装置は、ドラムの回転により360度の可動範囲を許容される。
本発明の改良されたマンモグラフィーでは、放射線源と放射線受診装置が放射線不透過性のドラムの中に拘束されているため、受診者と撮像要員の双方が放射線散乱などで被曝する放射線量がより少なくて済むようになる。
更に、従来ならば、マンモグラフィーは最新の技術を誇る一部の大規模医療施設にしか設置できず、乳癌患者の増大にも関わらず、マンモグラフィーによる乳癌受診者の数は限られていたが、本発明の改良されたマンモグラフィーは巡回型健康診断バスなどの車両型簡易医療施設に搭載することができ、より多くの女性受診者がマンモグラフィーによる乳癌の早期発見の機会を得ることができるようになる。
先行技術のマンモグラフィーの概略全体図である。 先行技術のマンモグラフィーの使用例を概略的に示した図である。 本発明のマンモグラフィーの一実施形態の全体を概略的に例示し、その使用例を示した図である。 図2のドラムの内部を透視した部分図である。 本発明のマンモグラフィーの、真空装置非作動時の吸引カップを描いた拡大図である。 本発明のマンモグラフィーの、真空装置作動時の負圧が付与された吸引カップを描いた拡大図である。
符号の説明
1 マンモグラフィー
2 本体部
3 放射線源
4 放射線受信装置
5 放射線不透過性ドラム
6A 放射線透過性吸引カップ
6B 蛇腹状の管
7 電気モーター式真空装置
8 硬質の帯状部分
9 ドラム内監視用モニター

Claims (8)

  1. 人の女性乳房の放射線撮像に利用されるマンモグラフィーはX線などの放射線を照射する放射線源と、放射線フィルムやデジタル画像変換器などの放射線受信装置と、女性受診者の少なくとも上体をうつ伏せに支える本体部と、吸引カップと、吸引カップに接続された電動式真空装置を備えており、
    女性受診者が本体部に正しい姿勢で上体を載せると、受診者の乳房の乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞が自重により、胸筋および胸壁から自発的に離れて乳頭に向かって下に懸垂するよう構成し、
    吸引カップは片方の乳房全体を受容するのに十分な容積があり、吸引カップの中で下に懸垂した乳房の先端に最も近い吸引カップの先端部から延びる蛇腹状の伸縮自在な管を介して接続された真空装置を作動させて吸引カップ内を真空引きすることにより、受診者の乳房の乳腺とそれを取り巻く乳腺小葉および脂肪細胞を胸筋および胸壁から更に乳頭に向かって下に懸垂させ、
    吸引カップは全体が放射線透過性で可塑性に富む柔軟な素材でできているとともに、一部が略円筒形状を呈しており、
    吸引カップの円筒状部分の対向する2直線上の帯状部分のみが吸引カップの他の部分よりも硬質に作られており、真空装置による吸引時にカップ内に負圧が付与された場合にのみ、上記硬質の帯状部分以外の残余の部分が吸引力と負圧により潰れることにより受診者の乳房を扁平になるように潰し、乳房が十分に扁平になったことを放射線撮像要員が目で確認してから放射線源からの照射により乳房の撮像を行うようにしたことを特徴とする、マンモグラフィー。
  2. 前記放射線源と前記放射線受診装置は放射線不透過性の素材でできたドラムの内側に拘束され、ドラムの内部で同一直線上に対向して固定され、マンモグラフィーの本体部の内側に設けられたレールの内側をドラムがスライドすることにより、相対位置を維持したまま、360度の可動範囲を確保することを特徴とする、請求項1に記載のマンモグラフィー。
  3. 前記ドラムには、女性受診者が乳房を挿入するための上部開口部と、撮像要員が受診者の乳房に吸引カップを装着する目的でドラムに手をいれるための扉付きの開閉自在な開口部が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のマンモグラフィー。
  4. 前記ドラムの内部にはカメラが設置され、前記吸引カップにより受診者の乳房が十分に扁平になったことを、ドラムの外側に搭載されているモニターで撮像要員が外から確認することができるようになっていることを特徴とする、請求項2に記載のマンモグラフィー。
  5. 前記吸引カップは耐放射線性を備えた素材で皮膜されていることを特徴とする、請求項1に記載のマンモグラフィー。
  6. 前記耐性放射線性は、ガスバリア性のシリカ薄膜による皮膜処理によって得られることを特徴とする、請求項5に記載のマンモグラフィー。
  7. 前記吸引カップと前記真空装置の接続部にはラチェット機構が設けられて、吸引カップの円筒状の硬質の部分を目安にして90度などの所望の角度だけ回転させて固定することができるようにすることで、吸引カップを所望の角度で扁平に潰すことができるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載のマンモグラフィー。
  8. 前記本体部は受診者の身長に合わせて高さを調節することができることを特徴とする、請求項1に記載のマンモグラフィー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011129292A1 (ja) 2010-04-16 2011-10-20 ナブテスコ株式会社 風車用駆動装置
KR101128820B1 (ko) 2010-07-29 2012-03-23 주식회사 엔바이로코리아 레늄-188 용액을 이용한 유방암 방사선 근접치료 장치

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