JP2008271068A - 動画像符号化方法,動画像並列符号化用符号化器,動画像並列符号化方法,動画像並列符号化装置,それらのプログラム,およびそれらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

動画像符号化方法,動画像並列符号化用符号化器,動画像並列符号化方法,動画像並列符号化装置,それらのプログラム,およびそれらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】ループフィルタ機能を有効としたまま,動画像並列符号化処理における並列度を容易に上げることができるようにする。
【解決手段】入力フレームを水平方向の短冊状領域に分割し,複数の符号化器がそれぞれ各短冊状領域の符号化処理とループフィルタ処理を担当する。このとき,符号化処理については,各短冊状領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,水平ラスタスキャン順に符号化を行い,ループフィルタ処理については,ローカルデコード画像の短冊状領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行う。上下に隣接する短冊状領域の符号化を担当する符号化器間では,隣接する矩形小領域のフィルタ処理後の画像を転送し,フィルタ処理に用いる。
【選択図】図7

Description

本発明は,動画像の符号化を複数の符号化器を用いて並列に実行する動画像並列符号化方法に関するものである。
MPEG−2規格(ISO/IEC 13818−2)[非特許文献1参照]に準拠して並列符号化処理を行う場合において,入力された動画像の各フレームを水平方向に領域分割してN個の短冊状分割領域を生成し,N個の符号化器がそれぞれ一つの短冊状分割領域を担当して符号化する方法が提案されている[非特許文献2参照]。
図9は,従来のMPEG−2規格に準拠した並列符号化処理の例を示すブロック図である。また,図10は,入力フレームを短冊状領域に分割する例を示している。図9では,入力フレームを図10に示すように4つの短冊状領域に分割し,4つの符号化器102〜105にて並列符号化動作を行う例を記載している。
入力フレームは,画面分割処理部101に入力され,N個(この例ではN=4)の短冊状領域(1〜4)に分割される。生成された各短冊状領域は,それぞれ符号化器102〜105に入力され,並列して同時に符号化され,各符号化器102〜105からそれぞれ分割符号化データが出力される。これらの分割符号化データは,ストリーム連結部106に入力される。各分割符号化データはそれぞれバイトアライメントがとれた状態であるため,ストリーム連結部106にて単純に連結することで,MPEG−2規格に準拠した符号化データが出力される。
このMPEG−2規格に準拠した符号化器102〜105は,同一の構成からなる。符号化器102〜105の構成例を図11に示す。
各符号化器102〜105は,短冊状領域を処理対象の入力画像とする。入力された短冊状領域は,マクロブロック分割部110に入力される。マクロブロック分割部110は,短冊状領域をマクロブロックと呼ばれる16×16画素(輝度信号の場合)の符号化処理単位に分割し,処理対象マクロブロックとして減算器111に出力する。
減算器111には,処理対象マクロブロックの入力と同時に,イントラインター選択部112によりインターが選択された場合にはインター予測画像マクロブロックが入力され,イントラが選択された場合には無効画像(画素値がすべて0のマクロブロック)が予測マクロブロックとして入力される。減算器111は,これらをマクロブロック内の画素単位で減算した結果をDCT部113に出力する。
DCT部113は,減算器111の出力に対してDCT変換を行い,DCT変換係数を量子化部114に出力する。量子化部114は,指定された量子化ステップにて量子化処理を行い,量子化係数を情報源符号化部115に出力する。情報源符号化部115は,ハフマン符号を用いた二次元可変長符号化を行い,分割符号化データを出力する。
量子化部114から出力される量子化係数は,逆量子化部116にも入力され,逆量子化処理が行われ,逆量子化部116から逆量子化後DCT変換係数が出力される。逆量子化後DCT変換係数は,逆DCT部117に入力され,逆DCT部117により逆DCT変換された変換後マクロブロックが加算器118に出力される。加算器118には,予測マクロブロックが併せて入力され,画素ごとに加算処理が行われ,加算結果のローカルデコードマクロブロックがフレームメモリ119に出力される。
フレームメモリ119では,マクロブロックを水平ラスタスキャン順に再構成を行い,短冊状領域ローカルデコード画像として記録する。なお,隣接する符号化器102〜105間でそれぞれ短冊状領域ローカルデコード画像を互いに転送することで,隣接する符号化器の所有する短冊状領域ローカルデコード画像を取得し,上隣接・下隣接の短冊状領域ローカルデコード画像を合わせて入力フレーム全体のローカルデコード画像を生成し,フレームメモリ119に記録してもよい。
動き予測部120には,処理対象マクロブロックとローカルデコード画像が入力され,動き推定処理が行われ,推定された動きベクトルが動き補償部121に出力される。動き補償部121は,動きベクトルがローカルデコード画像内で示す位置のマクロブロックを抽出し,インター予測画像マクロブロックとしてイントラインター選択部112に出力する。
同様に,H.264規格(ISO/IEC 14496−10)[非特許文献3参照]に準拠して並列符号化処理を行う場合についても,H.264規格の特徴であるループフィルタ処理(デブロッキングフィルタ処理)の機能をオフとした場合には,図9と同様な構成にて動画像並列符号化処理を実現することが可能である。
すなわち,図9における符号化器において,MPEG−2規格に準拠して符号化処理を行うときと同様に,入力フレームは画面分割処理部101に入力され,図10に示すようにN個の短冊状領域に分割される。生成された各短冊状領域は,それぞれ符号化器102〜105に入力され,並列して同時にH.264規格に準拠して符号化され,各符号化器102〜105からそれぞれ分割符号化データが出力される。符号化器102〜105から出力された分割符号化データは,ストリーム連結部106に入力される。各分割符号化データはそれぞれバイトアライメントがとれた状態であるため,ストリーム連結部106にて単純に連結することで,H.264規格に準拠した符号化データが出力される。H.264規格(ループフィルタ設定はOFF)に準拠して並列符号化する場合の符号化器102〜105の構成例を図12に示す。
各H.264規格に準拠して短冊状領域を符号化する符号化器102〜105は,短冊状領域を処理対象の入力画像とする。この短冊状領域は,マクロブロック分割部210に入力される。マクロブロック分割部210は,短冊状領域をマクロブロックと呼ばれる符号化処理単位に分割し,処理対象マクロブロックとして減算器211に出力する。
減算器211には,処理対象マクロブロックと同時に,イントラインター選択部212によりインターが選択された場合にはインター予測画像マクロブロックが入力され,イントラが選択された場合にはイントラ予測画像マクロブロックが予測マクロブロックとして入力される。減算器211は,これらをマクロブロック内の画素単位で減算した結果を整数DCT部213に出力する。
整数DCT部213は,減算器211の出力に対してDCT変換を行い,DCT変換係数を量子化部214に出力する。量子化部214は,指定された量子化ステップにて量子化処理を行い,量子化係数を情報源符号化部215に出力する。情報源符号化部215では,CAVLCと呼ばれるコンテキスト適応型可変長符号あるいはCABACと呼ばれるコンテキスト適応型算術符号を用いた情報源符号化処理が行われ,分割符号化データが出力される。
量子化部214から出力される量子化係数は,逆量子化部216にも入力され,逆量子化部216で逆量子化処理が行われ,逆量子化後DCT変換係数が出力される。逆量子化後DCT変換係数は,逆整数DCT部217に入力され,逆整数DCT処理が行われ,変換後マクロブロックが加算器218に出力される。加算器218には,予測マクロブロックが併せて入力され,画素ごとに加算処理が行われ,フィルタ前フレームメモリ219にローカルデコードマクロブロックが出力される。フィルタ前フレームメモリ219では,マクロブロックがラスタスキャン順に再構成され,フィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像として記録される。
フィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像は,ループフィルタがONの場合にはループフィルタ部220に入力される。ループフィルタ部220は,入力画像についてマクロブロック境界のブロックノイズを除去して,フィルタ後短冊状領域ローカルデコード画像としてフィルタ後フレームメモリ221に出力し,フィルタ後フレームメモリ221に蓄積する。また,ループフィルタがOFFの動作としては,フィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像とフィルタ後短冊状領域ローカルデコード画像は同一のものであり,フィルタ前フレームメモリ219に蓄積された画像がそのままフィルタ後フレームメモリ221に転送され蓄積される。
図9および図12に示すような構成で画面を水平短冊状に分割して並列符号化処理を行うことができるのは,ループフィルタがOFFに選択された場合に限られる。ループフィルタがONの場合には,後述する問題があるため,図9および図12に示す構成ではH.264規格に準拠した符号化の実現は不可能である。
図9で示した構成と同様に,隣接する符号化器102〜105間でそれぞれフィルタ後短冊状領域ローカルデコード画像を互いに転送することにより,隣接する符号化器の所有するフィルタ後短冊状領域ローカルデコード画像を取得し,上隣接・下隣接の短冊状領域ローカルデコード画像を合わせて入力フレーム全体のフィルタ後ローカルデコード画像を生成し,フィルタ後フレームメモリ221に記録してもよい。上隣接・下隣接の短冊状領域ローカルデコード画像も合わせてフィルタ後フレームメモリ221に記録することにより,後述する動き予測・動き補償処理の探索範囲を当該短冊状領域外まで広げることが可能となり,符号化効率が改善される。
動き予測部222には,処理対象マクロブロックとフィルタ後ローカルデコード画像が入力され,動き推定処理が行われ,推定された動きベクトルが動き補償部223に出力される。動き補償部223は,動きベクトルがフィルタ後ローカルデコード画像内で示す位置のマクロブロックを抽出し,インター予測画像マクロブロックとしてイントラインター選択部212に出力する。
一方,イントラ予測モード評価部224およびイントラ予測値生成部225には,フィルタ前フレームメモリ219からフィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像が入力される。H.264規格では,イントラ予測はループフィルタ部220での処理が行われる前のローカルデコード画像に対して行われることになっているため,このような構成となる。イントラ予測モード評価部224では,選択可能な各種イントラ予測モードから適切な予測モードが選択され,イントラ予測モード符号がイントラ予測値生成部225に出力される。イントラ予測値生成部225は,フィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像およびイントラ予測モード符号からイントラ予測画像マクロブロックを生成し,イントラインター選択部212に出力する。
なお,H.264規格では,スライスヘッダに存在するdisable _deblocking_filter_idc というフラグを用いることで,ループフィルタの有効化・無効化の設定が可能である。
ITU-T Recommendation H.262(2000)|ISO/IEC 13818-2:2000,"Information technology−Generic coding of moving pictures and associated audio information:Video",International Standard,second edition,December 2000 . 中村他,"複数SDTVエンコーダLSIによるMPEG−2 HDTVエンコーダシステム",電子情報通信学会,信学技報,ICD2001-78(2001-08), pp.91-96 . ITU-T Recommendation H.264 :"Advanced Video Coding for generic audiovisual services"(2003)|ISO/IEC 14496-10: "Coding of audiovisual objects - Part 10: Advanced Video Coding"(2003).
H.264規格では,ローカルデコード画像にフィルタ処理を行った画像を以降のインター予測画像生成に用いる規定となっている。また,ループフィルタ処理では,図13に示すように,少なくても復号器においてはフレームの左上のマクロブロックから右下のマクロブロックに向けて水平ラスタスキャン順に各マクロブロックごとのフィルタ処理を行うことが規定されている。したがって,フィルタ処理対象マクロブロックの左隣接および上隣接の両マクロブロックは,フィルタ処理が終えている必要があり,フィルタ処理が既に行われた両マクロブロックと符号化対象マクロブロックとの間でフィルタ処理が行われる必要がある。
ループフィルタ部220の構成例を,図14に示す。ループフィルタ部220に入力されたフィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像は,マクロブロック分割部301に入力される。マクロブロック分割部301は,短冊状領域をマクロブロックと呼ばれる符号化処理単位に分割し,水平ラスタスキャン順に各マクロブロックを処理対象マクロブロックとして対垂直エッジ水平フィルタ部302に出力する。対垂直エッジ水平フィルタ部302では,マクロブロック内の4画素おきの垂直方向のエッジに対して,順に水平方向にフィルタ処理を行う。
図15の左側に対垂直エッジ水平フィルタ部302の処理概要を示す。対垂直エッジ水平フィルタ部a303では,垂直エッジaを構成する各画素を中心として水平8画素×垂直1画素のフィルタ処理を行う。ここでは,当該マクロブロックの画素値と,左隣フィルタ処理済みマクロブロックの画素値を入力画素値としてフィルタ処理を行う。垂直エッジaへのフィルタ処理が行われた結果の画素値に対し,対垂直エッジ水平フィルタ部b304において垂直エッジbへのフィルタ処理が行われる。以降も同様に,図16に示すように,垂直エッジbに対する水平フィルタ処理結果に対し,対垂直エッジ水平フィルタ部c305において,垂直エッジcに対する水平フィルタ処理が行われ,その出力結果に対して,対垂直エッジ水平フィルタ部d306において垂直エッジdに対する水平フィルタ処理が行われる。
以上により水平フィルタ処理を終えたフィルタ途中マクロブロックは,対水平エッジ垂直フィルタ部307に入力される。対水平エッジ垂直フィルタ部307では,マクロブロック内の4画素おきの水平方向のエッジに対して,順に垂直方向にフィルタ処理を行う。図15の右側に対水平エッジ垂直フィルタ部307の処理概要を示す。
対水平エッジ垂直フィルタ部e308では,水平エッジeを構成する各画素を中心として水平1画素×垂直8画素のフィルタ処理を行う。ここでは,当該マクロブロックの画素値と,上隣フィルタ処理済みマクロブロックの画素値の双方を入力信号値として処理を行う。水平エッジeへのフィルタ処理が行われた結果の画素値に対し,対水平エッジ垂直フィルタ部f309において水平エッジfへのフィルタ処理が行われる。以降も同様に,図16に示すように水平エッジfに対する垂直フィルタ処理結果に対し,対水平エッジ垂直フィルタ部g310において,水平エッジgに対する垂直フィルタ処理が行われ,その出力結果に対して,対水平エッジ垂直フィルタ部h311において,水平エッジhに対する垂直フィルタ処理が行われる。
以上示したように,H.264規格におけるループフィルタ処理は,フィルタ済み画素を再利用しながら順にフィルタ処理を行う構成となっているため,フィルタ処理の順を適切に行う必要がある。また,あるマクロブロックのフィルタ処理を行うためには,上隣および左隣のマクロブロックは,既にフィルタ処理が完了している必要がある。
対水平エッジ垂直フィルタ部h311でフィルタ処理が行われて得られるフィルタ後マクロブロックは,フィルタ後マクロブロックメモリ312に入力され,水平ラスタスキャン順に再構成が行われ,フィルタ後短冊状領域ローカルデコード画像として記録される。
図17は,H.264並列符号化処理での問題点を説明する図である。図9および図12に示した動画像並列符号化処理構成を用いて,かつループフィルタ処理を有効にした場合について考える。符号化器102〜105の中の各ループフィルタ部220は,各短冊状領域内において,図17に示すように左上のマクロブロックから右下のマクロブロックに対して水平ラスタスキャン順にフィルタ処理を行うこととなる。
図17中の短冊状領域2,3,4の並列処理中マクロブロックについて考えた場合,対水平エッジ垂直フィルタ部e308の処理を行うにあたり,上隣接のマクロブロックはフィルタ未処理の状態であることがわかる。このため,対水平エッジ垂直フィルタ部e308で行われる垂直フィルタ処理は,H.264規格に準拠しないフィルタ処理となり,結果としてH.264に準拠した復号器で得られる復号画像とは異なるフィルタ後短冊状領域ローカルデコード画像が生成される。これはドリフトと呼ばれる符号化器と復号器の復号映像の不一致に起因した映像に尾が引く現象を生じさせるため,許容されがたい歪みを発生させる。
先に述べたように,ループフィルタはOFFに設定する(disable _deblocking_filter_idc =1)ことも可能である。しかし,この場合,著しく符号化効率が劣化し,とりわけ低レート符号化時にブロック歪み等の画質の低下が起こる。また,図9および図12に示すような構成を用いた動画像並列符号化構成でもループフィルタ処理の機能を利用できるように,短冊状矩形領域の境界のみループフィルタをOFFとし,それ以外の隣接するマクロブロックの境界にのみループフィルタ処理の機能を利用できるようなモード設定(disable _deblocking_filter_idc =2)も,H.264規格には用意されているが,短冊状領域の上下隣接の境界のみ継ぎ目の目立つ復号画像が生成され,視覚的な妨害となる。
以上述べたように,H.264規格に準拠して,かつループフィルタ機能を有効にして,画面水平短冊状領域に分割して並列符号化を行った場合,符号化器と復号器との間で復号画像間の不一致が生じ,ドリフト等の歪みが発生する。また,これらを回避するため,ループフィルタ機能を無効にするか,短冊状領域間のみ無効にすることも可能であるが,いずれにしても本来のH.264に比べ符号化効率が劣化する。
本発明は上記問題点の解決を図り,H.264規格(実質的に同等な規格を含む)に規定されるループフィルタ機能を有効としたまま,完全にH.264規格に準拠した符号化データを生成することができるようにすることを目的とする。
上記の問題を解決するため,本発明では,例えばH.264規格に準拠して,かつループフィルタ機能を有効にして,画面水平短冊状領域に分割して並列符号化を行う方式を規定する。
本発明の動画像符号化方法は,入力された動画像の各フレームを格子状に矩形小領域に分割して各矩形小領域を水平方向にラスタスキャン順で順に符号化する動画像符号化方法であって,既に符号化済みのフレームについて復号器側で得られる復号画像と同一画像であるローカルデコード画像を符号化器側で生成し,該ローカルデコード画像にフィルタ処理を施した画像を参照画像として利用して後続フレームのフレーム間予測符号化を行う動画像符号化方法において,入力動画像フレームを格子状に分割して得られる矩形小領域について,左上の矩形小領域から右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに水平ラスタスキャン順に符号化を行うステップと,前記ローカルデコード画像を格子状に分割して得られる矩形小領域について,左上の矩形小領域から右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行うステップとを実行することを特徴とする。
また,前記動画像符号化方法において,ローカルデコード画像を格子状に分割して得られる矩形小領域について,左上の矩形小領域から右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行うにあたり,該矩形小領域に対応するフィルタ処理の一番最後のフィルタ処理ステップとして,該矩形小領域と該矩形小領域の右に隣接する矩形小領域との隣接境界画素にフィルタ処理を行うことで,H.264規格(ITU−T H.264)に準拠した符号化データを生成することを特徴とする。
また,前記動画像符号化方法において,入力動画像フレームを格子状に分割して得られる全ての矩形小領域の水平ラスタスキャン順の符号化が完了した後に,ローカルデコード画像を格子状に分割して得られる全ての矩形小領域について,垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を開始することを特徴とする。
本発明の動画像並列符号化用符号化器は,入力された動画像の各フレームを水平方向に領域分割して複数の短冊状分割領域を生成し,複数の符号化器がそれぞれ各短冊状分割領域を格子状に矩形小領域に分割して短冊状分割領域内の矩形小領域を並列に符号化する動画像並列符号化装置において用いられる前記短冊状分割領域を符号化するための符号化器であって,前記短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに水平ラスタスキャン順に符号化を行う手段と,前記符号化された短冊状分割領域の符号化データを復号したローカルデコード画像の短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行う手段と,該短冊状分割領域の上側に隣接する短冊状分割領域の符号化を担当する符号化器が存在する場合に,その符号化器から,少なくとも該短冊状分割領域の最も上の矩形小領域に隣接する矩形小領域のフィルタ処理後の画像を受信しメモリに記録する手段と,該短冊状分割領域の下側に隣接する短冊状分割領域の符号化を担当する符号化器が存在する場合に,その符号化器に向けて,少なくとも該短冊状分割領域の最も下の矩形小領域のフィルタ処理後の画像を転送する手段とを備え,前記フィルタ処理を行う手段は,該短冊状分割領域の最も上の矩形小領域に対してフィルタ処理を行うにあたって,前記メモリに記録したフィルタ処理後の画像を用いてフィルタ処理を行い,前記符号化を行う手段は,前記フィルタ処理後のローカルデコード画像を参照画像として利用して後続フレームのフレーム間予測符号化を行うことを特徴とする。
また,前記動画像並列符号化用符号化器において,前記フィルタ処理を行う手段は,前記短冊状分割領域内の一つの矩形小領域のフィルタ処理において,該矩形小領域内の画素を対象とした垂直方向のエッジに対する水平方向のフィルタ処理と,水平方向のエッジに対する垂直方向のフィルタ処理を行った後,該矩形小領域と該矩形小領域の右に隣接する矩形小領域との隣接境界画素を対象とした垂直方向のエッジに対する水平方向のフィルタ処理を行うことを特徴とする。
本発明の動画像並列符号化方法は,入力された動画像の各フレームを水平方向に領域分割して複数の短冊状分割領域を生成し,複数の符号化器がそれぞれ各短冊状分割領域を格子状に矩形小領域に分割して短冊状分割領域内の矩形小領域を水平方向にラスタスキャン順で順に符号化する動画像並列符号化方法であって,既に符号化済みの短冊状分割領域について復号器側で得られる復号画像と同一画像であるローカルデコード画像を各符号化器側で生成し,該ローカルデコード画像内で同位置の短冊状分割領域にフィルタ処理を施した画像を参照画像として利用して後続フレームのフレーム間予測符号化を行う動画像並列符号化方法において,該短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,各符号化器が,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに水平ラスタスキャン順に符号化を行うステップと,ローカルデコード画像内で同位置の短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,各符号化器が,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行うステップとを実行することを特徴とする。
また,前記動画像並列符号化方法において,ローカルデコード画像内の短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,各符号化器が,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行うにあたり,該矩形小領域に対応するフィルタ処理の一番最後のフィルタ処理ステップとして,該矩形小領域と該矩形小領域の右に隣接する矩形小領域との隣接境界画素にフィルタ処理を行うことで,H.264規格(ITU−T H.264)に準拠した符号化データを生成することを特徴とする。
また,前記動画像並列符号化方法において,各符号化器が,入力動画像フレームの各短冊状分割領域を格子状に分割して得られる全ての矩形小領域の水平ラスタスキャン順の符号化が完了した後に,ローカルデコード画像内で同位置の短冊状分割領域を格子状に分割して得られる全ての矩形小領域について,垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を開始することを特徴とする。
また,前記動画像並列符号化方法において,ある符号化器が上からA番目の短冊状分割領域の左からB番目の列の矩形小領域群の上からC番目の矩形小領域のフィルタ処理を行うのと並列して,別の符号化器が上からW番目の短冊状分割領域の左から(A+B−W)番目の矩形小領域群の上からC番目の矩形小領域のフィルタ処理を行うことを特徴とする。
また,前記動画像並列符号化方法において,上からX番目の短冊状分割領域を担当する符号化器が,X番目の短冊状分割領域の左からY番目の列の矩形小領域群の垂直ラスタスキャン順のフィルタ処理を行うステップと,該X番目の短冊状分割領域を担当する符号化器から,(X+1)番目の短冊状分割領域を担当する符号化器に向けて,X番目の短冊状分割領域の左からY番目の列の最も下の矩形小領域のフィルタ処理後の画像を転送するステップと,該(X+1)番目の短冊状分割領域を担当する符号化器が,該X番目の短冊状分割領域の左からY番目の列の最も下の矩形小領域のフィルタ処理後の画像を受信し,メモリに記録するステップと,該(X+1)番目の短冊状分割領域を担当する符号化器が,該受信した矩形小領域のフィルタ処理後の画像を用いて,(X+1)番目の短冊状分割領域の左からY番目の列の最も上の矩形小領域のフィルタ処理を行うステップとを実行することを特徴とする。
本発明の動画像並列符号化装置は,複数の前記動画像並列符号化用符号化器を用いて,各動画像並列符号化用符号化器がそれぞれ入力フレームを分割した各短冊状分割領域を格子状に矩形小領域に分割して短冊状分割領域内の矩形小領域を水平方向にラスタスキャン順で順に符号化することを特徴とする。
〔作用〕
本発明を用いて,入力フレームを水平短冊状分割領域(以下,短冊状領域という)に分割してH.264並列符号化を行うことで,符号化器と復号器との間で復号画像間の不一致が生じることなく完全にH.264規格に準拠した符号化データを生成することができる。さらに画面水平短冊状分割数を増やすことで並列度を容易に上げることが可能であり,より低規模なLSIを複数個用いた大画面符号化装置の開発が可能となる。
また,H.264規格に規定されるループフィルタ機能を有効としたまま並列符号化処理が可能となることから,並列符号化処理を行うためにループフィルタ処理を無効化することに起因する画質の低下は発生しない。
以上説明したように,本発明を用いて入力フレームを水平短冊状領域に分割してH.264並列符号化(H.264規格と実質的に同等な規格を含む)を行うことで,符号化器と復号器との間で復号画像間の不一致が生じることなく完全にH.264規格に準拠した符号化データを生成することができる。
また,H.264規格に規定されるループフィルタ機能を有効としたまま並列符号化処理が可能となることから,並列符号化処理を行うためにループフィルタ処理を無効化することに起因する画質の低下は発生しない。
以下,本発明の実施例を説明する。本発明を含む動画像並列符号化装置の全体の構成を図1に示す。図1に示す全体構成図では,入力フレームを4つの短冊状領域に分割し,4つのH.264符号化器にて並列符号化動作を行う例を記載している。
図1において,入力フレームは,画面分割処理部21に入力され,N個(この例ではN=4)の短冊状領域に分割される。入力フレームを短冊状領域に分割する例については,図10と同様である。生成された各短冊状領域は,それぞれH.264符号化器22〜25に入力され,並列して同時に符号化され,各H.264符号化器22〜25からそれぞれ分割符号化データが出力される。これらの分割符号化データは,ストリーム連結部26に入力される。各分割符号化データは,それぞれバイトアライメントがとれた状態であるため,ストリーム連結部26にて単純に連結することで,H.264規格に準拠した符号化データが出力される。なお,以下ではマクロブロックを“MB”と略記することもある。
このH.264符号化器22〜25において,H.264符号化におけるループフィルタ処理を行うにあたり,H.264符号化器22は,下側に隣接する短冊状領域を担当するH.264符号化器23に向けて,最下MBフィルタ後画像を転送する。H.264符号化器23は,上側に隣接する短冊状領域の最下MBフィルタ後画像を受信し,メモリに蓄積すると同時に,当該H.264符号化器23が担当する短冊状領域の最下MBフィルタ後画像をH.264符号化器24に転送する。同様に,H.264符号化器24は,H.264符号化器23から,上側に隣接する短冊状領域の最下MBフィルタ後画像を受信し,メモリに蓄積すると同時に,当該H.264符号化器24が担当する短冊状領域の最下MBフィルタ後画像をH.264符号化器25に転送する。同様に,H.264符号化器25は,H.264符号化器24から,上側に隣接する短冊状領域の最下MBフィルタ後画像を受信し,メモリに蓄積する。H.264符号化器23〜25においてメモリに蓄積された最下MBフィルタ後画像は,後述する処理により,各短冊状領域の最上端のマクロブロックへのループフィルタ処理に利用される。
図1のH.264符号化器22〜25の構成は,図12に示した従来のH.264符号化器の構成とは一部異なる。本発明の実施例に係るH.264符号化器22〜25のそれぞれの構成例を,図2に示す。
各H.264規格に準拠して短冊状領域を符号化するH.264符号化器22〜25は,それぞれ短冊状領域を処理対象の入力画像とする。入力された短冊状領域は,マクロブロック分割部40に入力される。マクロブロック分割部40は,短冊状領域をマクロブロックと呼ばれる符号化処理単位に分割し,処理対象マクロブロックとして減算器41に出力する。
減算器41には,処理対象マクロブロックの入力と同時に,イントラインター選択部42によりインターが選択された場合にはインター予測画像マクロブロックが予測マクロブロックとして入力され,イントラが選択された場合にはイントラ予測マクロブロックが予測マクロブロックとして入力される。減算器41は,これらをマクロブロック内の画素単位で減算し,その結果を整数DCT部43に出力する。
整数DCT部43は,減算器41の出力に対してDCT変換を行い,DCT変換係数を量子化部44に出力する。量子化部44は,指定された量子化ステップにて量子化処理を行い,量子化係数を情報源符号化部45に出力する。情報源符号化部45では,CAVLCと呼ばれるコンテキスト適応型可変長符号あるいはCABACと呼ばれるコンテキスト適応型算術符号を用いた情報源符号化処理が行われ,分割符号化データが出力される。
量子化部44から出力される量子化係数は,逆量子化部46にも入力され,逆量子化部46で逆量子化処理が行われ,逆量子化後DCT変換係数が出力される。逆量子化後DCT変換係数は,逆整数DCT部47に入力され,逆整数DCT処理が行われ,変換後マクロブロックが加算器48に出力される。加算器48には,予測マクロブロックが併せて入力され,画素ごとに加算処理が行われ,フィルタ前フレームメモリ49にローカルデコードマクロブロックが出力される。フィルタ前フレームメモリ49では,マクロブロックがラスタスキャン順に再構成され,フィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像として記録される。
フィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像は,ループフィルタがONの場合にはループフィルタ部50に入力される。ループフィルタ部50は,入力画像についてマクロブロック境界のブロックノイズを除去して,フィルタ後短冊状領域ローカルデコード画像としてフィルタ後フレームメモリ51に出力し,フィルタ後フレームメモリ51に蓄積する。
ループフィルタ部50において,各短冊状領域の最上端のマクロブロックに対してループフィルタ処理を行う際には,直上の短冊状領域の最下マクロブロックのループフィルタ後の画像である最下MBフィルタ後画像(入力)が,直上に隣接する短冊状領域を担当する他の符号化器より上隣接短冊状領域最下MB用メモリ56を介して,ループフィルタ部50に入力される。
この処理により,各短冊状領域の最上端の各マクロブロックのループフィルタ処理を行うにあたって,該マクロブロックの上隣接ならびに左隣接のマクロブロックのフィルタ処理後の画像がループフィルタ部50にて取得可能なため,規格に準拠した正しいループフィルタ処理が可能となる。また,直下の短冊状領域を担当する他の符号化器のループフィルタ処理のため,ループフィルタ後の最下MBフィルタ後画像(出力)を下側に隣接する短冊状領域を担当する符号化器に転送する。
また,ループフィルタがOFFの動作としては,フィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像とフィルタ後短冊状領域ローカルデコード画像は同一のものであり,フィルタ前フレームメモリ49に蓄積された画像がそのままフィルタ後フレームメモリ51に転送され蓄積される。
図1で示した構成と同様に,隣接するH.264符号化器22〜25間でそれぞれフィルタ後短冊状領域ローカルデコード画像を互いに転送することにより,隣接する符号化器の所有するフィルタ後短冊状ローカルデコード画像を取得し,上隣接・下隣接の短冊状領域ローカルデコード画像を合わせて入力フレーム全体のフィルタ後ローカルデコード画像を生成し,フィルタ後フレームメモリ51に記録してもよい。上隣接・下隣接の短冊状領域ローカルデコード画像も合わせてフィルタ後フレームメモリ51に記録することにより,後述する動き予測・動き補償処理の探索範囲を当該短冊状領域外にまで広げることが可能となり,符号化効率が改善される。
動き予測部52には,処理対象マクロブロックとフィルタ後ローカルデコード画像が入力され,動き推定処理が行われる。動き予測部52は,推定した動きベクトルを動き補償部53に出力する。動き補償部53は,動きベクトルがフィルタ後ローカルデコード画像内で示す位置のマクロブロックを抽出し,インター予測画像マクロブロックとしてイントラインター選択部42に出力する。
一方,イントラ予測モード評価部54およびイントラ予測値生成部55には,フィルタ前フレームメモリ49からフィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像が入力される。H.264規格では,イントラ予測はループフィルタ部50での処理が行われる前のローカルデコード画像に対して行われることになっているため,このような構成となる。イントラ予測モード評価部54では,選択可能な各種イントラ予測モードから適切な予測モードが選択され,イントラ予測モード符号がイントラ予測値生成部55に出力される。イントラ予測値生成部55は,フィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像およびイントラ予測モード符号からイントラ予測画像マクロブロックを生成し,イントラインター選択部42に出力する。
図3において,ループフィルタ部50に入力されたフィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像は,マクロブロック分割部1に入力される。マクロブロック分割部1では,短冊状領域をマクロブロックと呼ばれる符号化処理単位に分割する。ただし,従来構成の対応する回路ブロック(マクロブロック分割部301)とは異なり,分割されて得られたマクロブロックを垂直ラスタスキャン順に処理対象マクロブロックとして対垂直エッジ水平フィルタ部2に出力する。マクロブロックの垂直ラスタスキャン順に処理することについて,その例を図4に示す。
このとき図3に示す方式におけるループフィルタ部50では,マクロブロック位置計算部15が,処理対象マクロブロックの位置を,図4に示す垂直ラスタスキャン順になるように算出する。これにより,ループフィルタ部50は,ループフィルタ処理を垂直ラスタスキャン順で行うが,マクロブロックの符号化処理については,図12に示す構成図と同様に,H.264規格に準拠して,水平ラスタスキャン順に行うことに留意されたい。
対垂直エッジ水平フィルタ部2では,マクロブロック内の4画素おきの垂直方向のエッジに対して,順に水平方向にフィルタ処理を行う。図5に対垂直エッジ水平フィルタ部2の処理概要を示す。従来構成の対応する回路ブロック(対垂直エッジ水平フィルタ部302)とは異なり,処理対象マクロブロックの左隣のマクロブロックとの間の垂直エッジaに対しては,水平フィルタ処理を行わないことに留意されたい。
対垂直エッジ水平フィルタ部b3では,垂直エッジbを構成する各画素を中心として水平8画素×垂直1画素のフィルタ処理を行う。垂直エッジbへのフィルタ処理が行われた結果の画素値に対し,対垂直エッジ水平フィルタ部c4において垂直エッジcへのフィルタ処理が行われる。以降も同様に,図6に示すように垂直エッジcに対する水平フィルタ処理結果に対し,対垂直エッジ水平フィルタ部d5において,垂直エッジdに対する水平フィルタ処理が行われる。
対水平エッジ垂直フィルタ部6については,従来構成における対水平エッジ垂直フィルタ部307と同一の構成となる。すなわち,対水平エッジ垂直フィルタ部6では,図15右側図に示すようなマクロブロック内の4画素おきの水平方向のエッジに対して,順に垂直方向にフィルタ処理を行う。
対水平エッジ垂直フィルタ部e7では,水平エッジeを構成する各画素を中心として,水平1画素×垂直8画素のフィルタ処理を行う。この処理は,当該マクロブロックの画素値と,上隣フィルタ処理済みマクロブロックの画素値の双方を入力信号値として行われる。このとき,当該マクロブロックの上隣接のマクロブロックのループフィルタ後の画像は,フィルタ後マクロブロックメモリ13より上隣フィルタ処理済みマクロブロックとして供給される。なお,当該フィルタ対象マクロブロックが短冊状領域の最上端であった場合には,上隣接短冊状領域最下MB用メモリ56によりフィルタ後マクロブロックメモリ13に入力されている直上に隣接する短冊状領域の最下マクロブロックのフィルタ後画像が,同様にフィルタ後マクロブロックメモリ13より上隣フィルタ処理済みマクロブロックとして,対水平エッジ垂直フィルタ部e7に入力される。
以降も同様に,図6に示すように,水平エッジeへのフィルタ処理が行われた結果の画素値に対し,対水平エッジ垂直フィルタ部f8において,水平エッジfへの垂直フィルタ処理が行われ,水平エッジfに対する垂直フィルタ処理結果に対し,対水平エッジ垂直フィルタ部g9において,水平エッジgに対するフィルタ処理が行われ,その出力結果に対して,対水平エッジ垂直フィルタ部h10において,水平エッジhに対する垂直フィルタ処理が行われる。得られたフィルタ途中画像(マクロブロック)は対垂直エッジ水平フィルタ部11に出力される。
対垂直エッジ水平フィルタ部11の中にある対垂直エッジ水平フィルタ部A12では,図5および図6に示すように,処理対象マクロブロックの右隣のマクロブロックとの間の垂直エッジである垂直エッジAに対し,水平方向にフィルタ処理を行う。対垂直エッジ水平フィルタ部A12でフィルタ処理が行われて得られるフィルタ後マクロブロックは,フィルタ後マクロブロックメモリ13に入力され,マクロブロック分割部1での並びと同様にマクロブロックごとの垂直ラスタスキャン順に再構成が行われ,フィルタ後短冊状領域ローカルデコード画像として記録される。
なお,上隣接短冊状領域最下MB用メモリ56より入力される直上に隣接する短冊状領域の最下MBのフィルタ後画像は,フィルタ後マクロブロックメモリ13に入力され,当該短冊状領域の最上MB水平エッジeへのループフィルタ処理に利用される。
図1および図2に示した動画像並列符号化処理構成を用いて,かつ図3に示す方式によるループフィルタ処理構成を採用した場合の並列符号化処理について考える。H.264符号化器22〜25の中の本方式による各ループフィルタ部50は,各短冊状領域内において,図7に示すように左上のマクロブロックから右下のマクロブロックに対して垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行うこととなる。
短冊状領域間でループフィルタをH.264規格に準拠してフィルタ処理を行うためには,水平エッジeに対する垂直フィルタを行うにあたり,上隣接マクロブロックが既にフィルタ処理済である必要がある。このため,図7に示す通り,各短冊状領域間で並列処理中のマクロブロックの列をずらしてフィルタ処理を行う。すなわち,上からX番目の短冊状分割領域の左からY番目の列の矩形小領域群の垂直ラスタスキャン順のフィルタ処理が完了した後に,上から(X+1)番目の短冊状分割領域の左からY番目の列の矩形小領域の垂直ラスタスキャン順のフィルタ処理を開始する。
以上のべた動作を並列的に継続して動作させることにより,下記のような並列フィルタ処理動作を行うことで動画像並列符号化を実現する。
(1) 短冊状領域1の1列目のマクロブロック群の垂直ラスタスキャン順フィルタ処理開始・完了
(2) 短冊状領域1の2列目と,短冊状領域2の1列目のマクロブロック群を並列して処理開始・完了
(3) 短冊状領域1の3列目と,短冊状領域2の2列目と,短冊状領域3の1列目のマクロブロック群を並列して処理開始・完了
(4) 短冊状領域1の4列目と,短冊状領域2の3列目と,短冊状領域3の2列目と,短冊状領域4の1列目のマクロブロック群を並列して処理開始・完了
(5) 以降,短冊状領域1のB列目と,短冊状領域2の(B−1)列目と,短冊状領域3の(B−2)列目と,短冊状領域4の(B−3)列目のマクロブロック群を並列して処理を行う。
すなわち,これを一般化して説明するのであれば,上からA番目の短冊状分割領域の左からB番目の列の矩形小領域群の上からC番目の矩形小領域のフィルタ処理を行うのと並列して,別の符号化器が上からW番目の短冊状分割領域の左から(A+B−W)番目の矩形小領域群の上からC番目の矩形小領域のフィルタ処理を行うことで,動画像並列符号化を実現する。
さらに,短冊状領域間でループフィルタをH.264規格に準拠してフィルタ処理を行うためには,各短冊状領域の境界である水平エッジeへの垂直フィルタ処理に関しても,同様に上隣接マクロブロックが既にフィルタ処理済みであって,上隣接マクロブロックのフィルタ後画像が入手済みである必要がある。このため,各短冊状領域の最上端マクロブロックへの水平エッジeへの垂直フィルタ処理を行う前に,上隣接短冊状領域の最下端マクロブロックのフィルタ処理が完了した後に,そのフィルタ後画像を上隣接短冊状領域を担当する符号化器より当該符号化器に転送・受信して,メモリに蓄積し,当該短冊状領域の最上端マクロブロックのフィルタ処理に利用する。
図2に示すH.264符号化器22〜25は,それぞれLSI化して符号化チップとして構成することができる。また,それぞれをコンピュータとソフトウェアプログラムとによっても実現することもできる。
図8は,本発明の実施例に係る動画像符号化方法におけるフィルタ処理のフローチャートである。図8では,上からA番目の短冊状領域に対するループフィルタ処理の流れを説明する。関連する他の符号化に関する処理の流れは,従来技術と同様であるので,フローチャートを用いた説明は省略する。
ステップS1では,マクロブロック位置計算部15が処理対象マクロブロックの位置を初期化する。ここでは,処理対象マクロブロックを,A番目の短冊状領域における左からB列目,上からC行目の位置のマクロブロックとして処理するにあたり,B=0,C=0に初期化する。
ステップS2では,マクロブロック分割部1が,フィルタ前短冊状領域ローカルデコード画像から,B列目・C行目のマクロブロックを処理対象マクロブロックとして取り出す。以降,マクロブロック位置計算部15の指示により,垂直ラスタスキャン順に処理対象マクロブロックを取り出していく。
ステップS3では,対垂直エッジ水平フィルタ部2が,垂直エッジbを構成する各画素を中心として水平8画素×垂直1画素のフィルタ処理を行う。また,垂直エッジbへのフィルタ処理が行われた結果の画素値に対し,垂直エッジcに対するフィルタ処理を行う。同様に,垂直エッジcに対する水平フィルタ処理結果に対し,垂直エッジdに対する水平フィルタ処理を行う。
ステップS4では,対水平エッジ垂直フィルタ部6が,マクロブロック内の4画素おきの水平方向のエッジに対して,順に垂直方向にフィルタ処理を行う。まず,水平エッジeを構成する各画素を中心として,水平1画素×垂直8画素のフィルタ処理を行う。また,水平エッジeに対するフィルタ処理が行われた結果の画素値に対し,水平エッジfに対する垂直フィルタ処理を行う。順次同様に,水平エッジgに対するフィルタ処理,水平エッジhに対する垂直フィルタ処理を行う。
ステップS5では,対垂直エッジ水平フィルタ部11が,最後のフィルタ処理ステップとして,処理対象マクロブロックと右隣のマクロブロックとの間の隣接境界である垂直エッジAに対し,水平方向にフィルタ処理を行う。
ステップS6では,フィルタ処理後のマクロブロックをフィルタ後マクロブロックメモリ13内のB列目・C行目のマクロブロックの位置に記録し蓄積する。
次に,ステップS7では,A番目の短冊状領域における左からB番目の列のすべてのマクロブロックに対するフィルタ処理が完了したかどうかを判定し,完了していない場合には,ステップS8へ進む。完了した場合には,ステップS9へ進む。
ステップS8では,マクロブロック位置計算部15が,Cに1を加算して一つ下のマクロブロックを処理対象マクロブロックとする。その後,この処理対象マクロブロックに対して,ステップS2〜S6の処理を同様に繰り返す。
ステップS9では,処理対象である上からA番目の短冊状領域内のすべてのマクロブロックに対するフィルタ処理が完了したかどうかを判定し,完了していない場合には,ステップS10へ進む。完了した場合には,現在の上からA番目の短冊状領域に対するループフィルタ処理を終了する。
ステップS10では,マクロブロック位置計算部15が,Cを0に初期化し,Bに1を加算して,現在のマクロブロックの右隣接マクロブロックの列における最も上のマクロブロックを処理対象マクロブロックとする。
ステップS11では,直上(A−1番目)の短冊状領域内のB+1番目の全マクロブロックのフィルタ処理が完了したかどうかを判定し,まだ完了していなければ,処理完了を待つ。直上(A−1番目)の短冊状領域内のB+1番目の全マクロブロックのフィルタ処理が完了した場合には,ステップS2以降の処理を同様に繰り返す。
以上の実施例の説明では,H.264規格に準拠した並列符号化への本発明の適用例を説明したが,本発明はもちろんH.264符号化に限定されるわけではなく,H.264規格を改良したような新しい規格であっても,本発明の適用上,H.264規格と同様な技術内容を有する規格であれば,まったく同様に本発明を適用できることは説明するまでもない。
以上の動画像符号化の処理は,コンピュータとソフトウェアプログラムとによっても実現することができ,そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することも,ネットワークを通して提供することも可能である。
MPEG−2においては,複数のSD(標準テレビ)規模のCODEC−LSIを用いて,HD(ハイビジョン)対応のCODECを実現する手法は提案されている(非特許文献2参照)。上記技術をそのままH.264に拡張することで,HD対応のH.264−CODECは実現可能ではあるが,単純なH.264への適用では,H.264の特徴である規格にて規定されたループフィルタ処理を実現することができない。本発明は,H.264規格に準拠したループフィルタ処理に対応したH.264−HD−CODECを,複数の小規模なH.264−LSIを利用して並列処理で実現することを可能とする。
本発明を含む動画像並列符号化装置の全体の構成例を示す図である。 本発明の実施例に係るH.264符号化器の構成例を示す図である。 本発明の実施例に係るループフィルタ構成図である。 本発明の実施例におけるループフィルタ垂直ラスタスキャン方式を説明する図である。 本発明の実施例における対垂直エッジ水平フィルタ部の処理概要を示す図である。 本発明の実施例における水平ループフィルタ処理および垂直ループフィルタ処理順序を示す図である。 本発明の実施例における垂直ラスタスキャン順ループフィルタを採用した並列フィルタ処理タイミングを示す図である。 本発明の実施例に係る動画像符号化方法におけるフィルタ処理のフローチャートである。 従来のMPEG−2規格に準拠した並列符号化処理構成を示す図である。 入力フレームの短冊状領域分割例を示す図である。 従来のMPEG−2符号化器構成例を示す図である。 従来のH.264符号化器構成例を示す図である。 一般的なH.264ループフィルタ処理順序を示す図である。 一般的なH.264ループフィルタ構成例を示す図である。 従来のH.264水平ループフィルタ処理および垂直ループフィルタ処理概要を説明する図である。 従来のH.264水平ループフィルタ処理および垂直ループフィルタ処理順序を示す図である。 従来のH.264並列符号化処理での問題点を説明する図である。
符号の説明
1 マクロブロック分割部
2,11 対垂直エッジ水平フィルタ部
3〜5,12 対垂直エッジ水平フィルタ部b〜d,A
6 対水平エッジ垂直フィルタ部
7〜10 対水平エッジ垂直フィルタ部e〜h
13 フィルタ後マクロブロックメモリ
15 マクロブロック位置計算部
20 動画像並列符号化装置
21 画面分割処理部
22〜25 H.264符号化器
26 ストリーム連結部
40 マクロブロック分割部
41 減算器
42 イントラインター選択部
43 整数DCT部
44 量子化部
45 情報源符号化部
46 逆量子化部
47 逆整数DCT部
48 加算器
49 フィルタ前フレームメモリ
50 ループフィルタ部
51 フィルタ後フレームメモリ
52 動き予測部
53 動き補償部
54 イントラ予測モード評価部
55 イントラ予測値生成部
56 上隣接短冊状領域最下MB用メモリ

Claims (15)

  1. 入力された動画像の各フレームを水平方向に領域分割して複数の短冊状分割領域を生成し,複数の符号化器がそれぞれ各短冊状分割領域を格子状に矩形小領域に分割して短冊状分割領域内の矩形小領域を並列に符号化する動画像並列符号化装置において用いられる前記短冊状分割領域を符号化するための前記各符号化器が実行する動画像符号化方法であって,
    前記短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに水平ラスタスキャン順に符号化を行うステップと,
    前記符号化された短冊状分割領域の符号化データを復号したローカルデコード画像の短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行うステップと,
    該短冊状分割領域の上側に隣接する短冊状分割領域の符号化を担当する符号化器が存在する場合に,その符号化器から,少なくとも該短冊状分割領域の最も上の矩形小領域に隣接する矩形小領域のフィルタ処理後の画像を受信しメモリに記録するステップと,
    該短冊状分割領域の下側に隣接する短冊状分割領域の符号化を担当する符号化器が存在する場合に,その符号化器に向けて,少なくとも該短冊状分割領域の最も下の矩形小領域のフィルタ処理後の画像を転送するステップとを有し,
    前記フィルタ処理を行うステップでは,該短冊状分割領域の最も上の矩形小領域に対してフィルタ処理を行うにあたって,前記メモリに記録したフィルタ処理後の画像を用いてフィルタ処理を行い,
    前記符号化を行うステップでは,前記フィルタ処理後のローカルデコード画像を参照画像として利用して後続フレームのフレーム間予測符号化を行う
    ことを特徴とする動画像符号化方法。
  2. 請求項1に記載の動画像符号化方法において,
    前記フィルタ処理を行うステップでは,前記短冊状分割領域内の一つの矩形小領域のフィルタ処理において,該矩形小領域内の画素を対象とした垂直方向のエッジに対する水平方向のフィルタ処理と,水平方向のエッジに対する垂直方向のフィルタ処理を行った後,該矩形小領域と該矩形小領域の右に隣接する矩形小領域との隣接境界画素を対象とした垂直方向のエッジに対する水平方向のフィルタ処理を行う
    ことを特徴とする動画像符号化方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の動画像符号化方法において,
    前記符号化を行うステップにより,前記短冊状分割領域を格子状に分割して得られる全ての矩形小領域の水平ラスタスキャン順の符号化が完了した後に,
    前記フィルタ処理を行うステップによるフィルタ処理を開始する
    ことを特徴とする動画像符号化方法。
  4. 入力された動画像の各フレームを水平方向に領域分割して複数の短冊状分割領域を生成し,複数の符号化器がそれぞれ各短冊状分割領域を格子状に矩形小領域に分割して短冊状分割領域内の矩形小領域を並列に符号化する動画像並列符号化装置において用いられる前記短冊状分割領域を符号化するための符号化器であって,
    前記短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに水平ラスタスキャン順に符号化を行う手段と,
    前記符号化された短冊状分割領域の符号化データを復号したローカルデコード画像の短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行う手段と,
    該短冊状分割領域の上側に隣接する短冊状分割領域の符号化を担当する符号化器が存在する場合に,その符号化器から,少なくとも該短冊状分割領域の最も上の矩形小領域に隣接する矩形小領域のフィルタ処理後の画像を受信しメモリに記録する手段と,
    該短冊状分割領域の下側に隣接する短冊状分割領域の符号化を担当する符号化器が存在する場合に,その符号化器に向けて,少なくとも該短冊状分割領域の最も下の矩形小領域のフィルタ処理後の画像を転送する手段とを備え,
    前記フィルタ処理を行う手段は,該短冊状分割領域の最も上の矩形小領域に対してフィルタ処理を行うにあたって,前記メモリに記録したフィルタ処理後の画像を用いてフィルタ処理を行い,
    前記符号化を行う手段は,前記フィルタ処理後のローカルデコード画像を参照画像として利用して後続フレームのフレーム間予測符号化を行う
    ことを特徴とする動画像並列符号化用符号化器。
  5. 請求項4に記載の動画像並列符号化用符号化器において,
    前記フィルタ処理を行う手段は,前記短冊状分割領域内の一つの矩形小領域のフィルタ処理において,該矩形小領域内の画素を対象とした垂直方向のエッジに対する水平方向のフィルタ処理と,水平方向のエッジに対する垂直方向のフィルタ処理を行った後,該矩形小領域と該矩形小領域の右に隣接する矩形小領域との隣接境界画素を対象とした垂直方向のエッジに対する水平方向のフィルタ処理を行う
    ことを特徴とする動画像並列符号化用符号化器。
  6. 入力された動画像の各フレームを水平方向に領域分割して複数の短冊状分割領域を生成し,複数の符号化器がそれぞれ各短冊状分割領域を格子状に矩形小領域に分割して短冊状分割領域内の矩形小領域を並列に符号化する動画像並列符号化方法であって,
    前記各符号化器が,前記短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに水平ラスタスキャン順に符号化を行うステップと,
    前記各符号化器が,前記符号化された短冊状分割領域の符号化データを復号したローカルデコード画像の短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行うステップと,
    前記各符号化器が,該短冊状分割領域の上側に隣接する短冊状分割領域の符号化を担当する符号化器が存在する場合に,その符号化器から,少なくとも該短冊状分割領域の最も上の矩形小領域に隣接する矩形小領域のフィルタ処理後の画像を受信しメモリに記録するステップと,
    前記各符号化器が,該短冊状分割領域の下側に隣接する短冊状分割領域の符号化を担当する符号化器が存在する場合に,その符号化器に向けて,少なくとも該短冊状分割領域の最も下の矩形小領域のフィルタ処理後の画像を転送するステップとを有し,
    前記フィルタ処理を行うステップでは,該短冊状分割領域の最も上の矩形小領域に対してフィルタ処理を行うにあたって,前記メモリに記録したフィルタ処理後の画像を用いてフィルタ処理を行い,
    前記符号化を行うステップでは,前記フィルタ処理後のローカルデコード画像を参照画像として利用して後続フレームのフレーム間予測符号化を行う
    ことを特徴とする動画像並列符号化方法。
  7. 請求項6に記載の動画像並列符号化方法において,
    前記各符号化器が前記フィルタ処理を行うステップでは,前記短冊状分割領域内の一つの矩形小領域のフィルタ処理において,該矩形小領域内の画素を対象とした垂直方向のエッジに対する水平方向のフィルタ処理と,水平方向のエッジに対する垂直方向のフィルタ処理を行った後,該矩形小領域と該矩形小領域の右に隣接する矩形小領域との隣接境界画素を対象とした垂直方向のエッジに対する水平方向のフィルタ処理を行う
    ことを特徴とする動画像並列符号化方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載の動画像並列符号化方法において,
    前記各符号化器が,
    前記符号化を行うステップにより,前記短冊状分割領域を格子状に分割して得られる全ての矩形小領域の水平ラスタスキャン順の符号化が完了した後に,
    前記フィルタ処理を行うステップによるフィルタ処理を開始する
    ことを特徴とする動画像並列符号化方法。
  9. 請求項6,請求項7または請求項8に記載の動画像並列符号化方法において,
    前記符号化器の一つが,上からA番目の前記短冊状分割領域の左からB番目の列の矩形小領域群の上からC番目の矩形小領域のフィルタ処理を行うのと並列して,別の前記符号化器が,上からW番目の前記短冊状分割領域の左から(A+B−W)番目の矩形小領域群の上からC番目の矩形小領域のフィルタ処理を行う
    ことを特徴とする動画像並列符号化方法。
  10. 入力された動画像の各フレームを水平方向に領域分割して複数の短冊状分割領域を生成し,複数の符号化器がそれぞれ各短冊状分割領域を格子状に矩形小領域に分割して短冊状分割領域内の矩形小領域を並列に符号化する動画像並列符号化装置であって,
    前記各符号化器が,
    前記短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに水平ラスタスキャン順に符号化を行う手段と,
    前記符号化された短冊状分割領域の符号化データを復号したローカルデコード画像の短冊状分割領域を格子状に分割して得られる矩形小領域について,該短冊状分割領域内で左上の矩形小領域から該短冊状分割領域内で右下の矩形小領域に向けて各矩形小領域ごとに垂直ラスタスキャン順にフィルタ処理を行う手段と,
    該短冊状分割領域の上側に隣接する短冊状分割領域の符号化を担当する符号化器が存在する場合に,その符号化器から,少なくとも該短冊状分割領域の最も上の矩形小領域に隣接する矩形小領域のフィルタ処理後の画像を受信しメモリに記録する手段と,
    該短冊状分割領域の下側に隣接する短冊状分割領域の符号化を担当する符号化器が存在する場合に,その符号化器に向けて,少なくとも該短冊状分割領域の最も下の矩形小領域のフィルタ処理後の画像を転送する手段とを備え,
    前記フィルタ処理を行う手段は,該短冊状分割領域の最も上の矩形小領域に対してフィルタ処理を行うにあたって,前記メモリに記録したフィルタ処理後の画像を用いてフィルタ処理を行い,
    前記符号化を行う手段は,前記フィルタ処理後のローカルデコード画像を参照画像として利用して後続フレームのフレーム間予測符号化を行う
    ことを特徴とする動画像並列符号化装置。
  11. 請求項10に記載の動画像並列符号化装置において,
    前記各符号化器の前記フィルタ処理を行う手段は,前記短冊状分割領域内の一つの矩形小領域のフィルタ処理において,該矩形小領域内の画素を対象とした垂直方向のエッジに対する水平方向のフィルタ処理と,水平方向のエッジに対する垂直方向のフィルタ処理を行った後,該矩形小領域と該矩形小領域の右に隣接する矩形小領域との隣接境界画素を対象とした垂直方向のエッジに対する水平方向のフィルタ処理を行う
    ことを特徴とする動画像並列符号化装置。
  12. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された動画像符号化方法を,コンピュータに実行させるための動画像符号化プログラム。
  13. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された動画像符号化方法を,コンピュータに実行させるための動画像符号化プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. 請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載された動画像並列符号化方法を,コンピュータに実行させるための動画像並列符号化プログラム。
  15. 請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載された動画像並列符号化方法を,コンピュータに実行させるための動画像並列符号化プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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