JP2008263956A - 形質転換酵母、それを用いた動物核内受容体リガンドの分析方法および分析キット - Google Patents

形質転換酵母、それを用いた動物核内受容体リガンドの分析方法および分析キット Download PDF

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幸史 西本
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孝司 八木
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Kazuhiro Shiizaki
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Abstract

【課題】 高検出感度で動物核内受容体のリガンドの分析が可能な形質転換酵母を提供する。
【解決手段】 本発明の形質転換酵母は、動物核内受容体遺伝子およびレポーター遺伝子が発現可能に導入されており、かつ動物核内受容体リガンドと動物核内受容体との複合体を認識して前記レポーター遺伝子を発現し得る形質転換酵母であって、さらに、前記動物核内受容体に直接結合して前記レポーター遺伝子の転写を活性化する動物転写共役因子遺伝子を発現可能に含む形質転換酵母である。図1のグラフに示すように、本発明の形質転換酵母を使用すれば、動物核内受容体のリガンドを高感度で分析可能である。前記転写共役因子としては、例えば、ヒトSRC1が使用でき、前記レポーター遺伝子としては、β−ガラクトシダーゼ遺伝子を使用できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、形質転換酵母、それを用いた動物核内受容体リガンドの分析方法および分析キットに関する。
環境中の化学物質の分析において、従来は機器分析が主流であったが、生物的な影響をも評価できる分析手法として核内受容体遺伝子を宿主細胞に組み込み、その発現の程度で化学物質の分析を行う手法が開発されている。宿主細胞としては、ヒト等の動物細胞および酵母が使用されている。動物細胞を用いた分析方法としては、例えば、アンドロゲンレセプター(AR)遺伝子をヒト由来細胞株に組み込み、テストステロン(T)等を分析する方法がある(非特許文献1)。一方、雌化現象等で注目された環境ホルモン(内分泌撹乱物質)のエストロゲン様活性の分析手法として、ブルーギル由来のエストロゲン受容体遺伝子(特許文献1)、オオマキトカゲ由来エストロゲン受容体遺伝子、(特許文献2)、ワニ由来エストロゲン受容体遺伝子(特許文献3)、ファットヘッドミノー由来エストロゲン受容体遺伝子(特許文献4)等の各種野生動物のエストロゲン受容体遺伝子を酵母に組み込み、その発現を測定するという手法が開発されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。この他、ヒト由来エストロゲン受容体遺伝子を組み込んだ形質転換酵母を用いてアルキルフェノール化合物のエストロゲン様活性を測定する手法が開発されている(非特許文献2)。また、例えば、ダイオキシン等のアリールハイドロカーボン類を測定するために、モルモット由来のアリールハイドロカーボン受容体遺伝子を組み込んだ形質転換酵母を用いた手法が開発されている(特許文献5)。これらの酵母を用いた手法では、各種核内受容体遺伝子が発現し、測定対象となるリガンド(化学物質等)が前記核内受容体に結合して複合体を形成し、この複合体がレポーター遺伝子を発現させる。前記レポーター遺伝子としては、β−ガラクトシダーゼ遺伝子が使用されており、β−ガラクトシダーゼの酵素活性を測定することで、遺伝子の発現を測定している。酵母を用いた分析は、動物細胞を用いた分析方法に比べて、短時間分析が可能であり、操作の簡便性および低コスト等の利点を有する。しかしながら、酵母を用いた分析方法では、動物細胞を用いた分析手法に比べ、分析感度が低いという問題がある。
特開2001−197890号公報 特開2003−274号公報 特開2002−360273号公報 特開2001−352992号公報 特開2005−87077号公報 Toxicology 220(2006)90−103 The Journal Of Biological Chemistry Vol.272,No.6,Feb.7 pp.3280−3288
そこで、本発明の目的は、動物核内受容体リガンドを高感度で分析可能な形質転換酵母、それを用いた動物核内受容体リガンドの分析方法および分析キットを提供することである。
前記目的を達成するために、本発明の形質転換酵母は、動物核内受容体遺伝子およびレポーター遺伝子が発現可能に導入されており、かつ動物核内受容体リガンドと動物核内受容体との複合体を認識して前記レポーター遺伝子を発現し得る形質転換酵母であって、さらに、前記動物核内受容体に直接結合して前記レポーター遺伝子の転写を活性化する動物転写共役因子遺伝子を発現可能に含む形質転換酵母である。
本発明の分析方法は、検体に含まれる動物核内受容体リガンドを分析するための方法であって、
検体を含む培地中で、動物核内受容体遺伝子およびレポーター遺伝子が発現可能に導入されており、かつ動物核内受容体リガンドと動物核内受容体との複合体を認識して前記レポーター遺伝子を発現し得る形質転換酵母を培養する培養工程と、
前記培養工程の後、前記培地中に産生された前記レポーター遺伝子の発現産物を測定する測定工程とを包含し、
前記形質転換酵母として、前記本発明の形質転換酵母を使用することを特徴とする。
本発明の分析キットは、検体に含まれる核内受容体リガンドを分析するためのキットであって、
(a)培地と、
(b)本発明の形質転換酵母と、
(c)発色基質と
を備える。
本発明者等は、形質転換酵母を用いた核内受容体リガンドの分析方法の感度向上を目的として、一連の研究を行った。その過程で、形質転換酵母でのレポーター遺伝子の発現に着目し、その転写活性を向上させるという着想を得た。すなわち、レポーター遺伝子の転写は、核内受容体を含む複数のタンパク質で形成される複合体によって開始される。従来の形質転換酵母では、レポーター遺伝子の転写開始のための複合体形成には、導入された動物核内受容体以外は、すべて酵母由来のタンパク質で補われていると考えられる。そこで、本発明者等は、前記複合体を構成するタンパク質のなかで、転写共役因子(コアクチベーター)に着目し、動物転写共役因子遺伝子を形質転換酵母に組み込んだ。その結果、動物転写共役因子遺伝子を組み込んだ形質転換酵母を使用すれば、動物核内受容体リガンドを高感度で分析できることを見出し、本発明に到達した。したがって、本発明の形質転換酵母を用いれば、動物核内受容体リガンドを、簡単な操作により、低コスト、短時間かつ高感度で分析可能である。また、本発明の分析キットを用いれば、さらに、簡便に動物核内受容体リガンドの分析を実施可能である。
本発明の形質転換酵母において、前記動物核内受容体は、ヒト核内受容体であり、前記動物転写共役因子がヒト転写共役因子であることが好ましい。前記ヒト転写共役因子遺伝子は、ヒトSRC1遺伝子であることが好ましい。
本発明の形質転換酵母において、前記動物核内受容体遺伝子を常染色体上に有し、前記レポーター遺伝子を第1のプラスミドに有し、前記動物転写共役因子遺伝子を第2のプラスミドに有し、前記第1のプラスミドは、前記レポーター遺伝子と作動的に組み込まれた動物核内受容体応答配列を含むことが好ましい。
本発明の形質転換酵母において、前記レポーター遺伝子は、β−ガラクトシダーゼ遺伝子であることが好ましい。
本発明において、前記形質転換酵母は、特に制限されないが、例えば、出芽酵母、分裂酵母、糸状酵母等があるが、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)が好ましい。
本発明の形質転換酵母は、例えば、検体に含まれる動物核内受容体リガンドの分析に使用される。
本発明の分析方法において、前記レポーター遺伝子が、β−ガラクトシダーゼ遺伝子である場合、前記培地は、ガラクトースおよびグルコースを含むことが好ましい。グルコースを含む培地で前記形質転換酵母を培養すれば、例えば、18時間の短時間で分析可能なレベルまで増殖させることができる。本発明の分析方法において、前記ガラクトースおよび前記グルコースの合計に対する前記グルコースの重量割合は、特に制限されないが、例えば、0を超え60重量%以下の範囲、好ましくは、0を超え40重量%以下の範囲、より好ましくは、10〜30重量%の範囲である。
本発明の分析方法において、前記形質転換酵母が、グリセロール存在下で保存されていた酵母であることが好ましい。前記のグリセロール存在下で保存されていた形質転換酵母は、予め、グルコース単独を炭素源とする培地で培養された酵母であることが好ましい。
本発明の分析方法は、例えば、検出、定性分析または定量分析である。また、本発明において、分析は、検出、定性分析および定量分析を含む。
本発明の分析キットにおいて、前記培地は、ガラクトースとグルコースとを含む培地であることが好ましい。前記グルコースの重量割合は、前述のとおりである。
つぎに、本発明について詳しく説明する。
本発明において、前記動物核内受容体および前記動物核内受容体リガンドは、特に制限されず、例えば、下記に示す核内受容体および前記受容体に結合可能なリガンドがあげられる。
(1)TRα:Thyroid Hormone Receptor alpha
(2)TRβ:Thyroid Hormone Receptor beta
(3)RARα:Retinoic Acid Receptor alpha
(4)RARβ:Retinoic Acid Receptor beta
(5)RARγ:Retinoic Acid Receptor gamma
(6)PPARα:Peroxisome proliferator activated receptor alpha(PPAR−alpha)
(7)PPARδ:Peroxisome proliferator activated receptor delta(PPAR−delta、PPAR−beta、Nuclear hormone receptor 1、NUC1)
(8)PPARγ1:Peroxisome proliferator activated receptor gamma 1(PPAR−gamma1)
(9)PPARγ2:Peroxisome proliferator activated receptor gamma 2(PPAR−gamma2)
(10)Rev−erbα:Orphan nuclear receptor NR1D1(V−erbA related protein EAR−1、Rev−erbA−alpha)
(11)Rev−erbβ:Orphan nuclear receptor NR1D2(Rev−erb−beta、EAR−1R、Orphan nuclear hormone receptor BD73)
(12)RORα:Nuclear receptor ROR−alpha(Nuclear receptor RZR−alpha)
(13)RORβ:Nuclear receptor ROR−beta(Nuclear receptor RZR−beta)
(14)RORγ:Nuclear receptor ROR−gamma(Nuclear receptor RZR−gamma)
(15)LXRβ:Oxysterols receptor LXR−beta (Liver X receptor beta、Nuclear orphan receptor LXR−beta、Ubiquitously−expressed nuclear receptor、Nuclear receptor NER)
(16)LXRα:Oxysterols receptor LXR−alpha(Liver X receptor alpha、Nuclear orphan receptor LXR−alpha)
(16)FXR:Bile acid receptor(Farnesoid X−activated receptor、Farnesol receptor HRR−1、Retinoid X receptor−interacting protein 14、RXR−interacting protein 14)
(17)VDR:Vitamin D3 receptor(VDR、1,25−dihydroxyvitamin D3 receptor)
(18)PXR−1:Orphan nuclear receptor PXR−1(Pregnane X receptor−1、Orphan nuclear receptor PAR−1、Steroid and xenobiotic receptor−1、SXR−1)
(19)PXR−2:Orphan nuclear receptor PXR−2(Pregnane X receptor−2、Orphan nuclear receptor PAR−2、Steroid and xenobiotic receptor−2、SXR−2)
(20)CAR:Orphan nuclear receptor NR1I3(Constitutive androstane receptor、CAR、Orphan nuclear receptor MB67)
(21)HNF4α:Hepatocyte nuclear factor 4−alpha(HNF−4−alpha、Transcription factor 14)
(22)HNF4γ:Hepatocyte nuclear factor 4−gamma(HNF−4−gamma)
(23)RXRα:Retinoic acid receptor RXR−alpha
(24)RXRβ:Retinoic acid receptor RXR−beta
(25)RXRγ:Retinoic acid receptor RXR−gamma
(26)TR2:Nuclear Hormone Receptor TR2(Orphan nuclear receptor TR2)
(27)TR4:Orphan nuclear receptor TR4(Orphan nuclear receptor TAK1)
(28)TLX:Orphan nuclear receptor NR2E1(Nuclear receptor TLX、Tailless homolog、Tll、hTll)
(29)PNR:Photoreceptor−specific nuclear receptor(Retina−specific nuclear receptor)
(30)COUP−TF I:COUP transcription factor 1(COUP−TF1、COUP−TFα、V−erbA related protein EAR−3)
(31)COUP−TF II:COUP transcription factor 2(COUP−TF2、COUP−TFβ、Apolipoprotein AI regulatory protein−1、ARP−1)
(32)EAR−2:Orphan nuclear receptor EAR−2(V−erbA related protein EAR−2、COUP−TFγ)
(33)ERα:Estrogen receptor(ER、Estradiol receptor、ER−alpha)
(34)ERβ:Estrogen receptor beta(ER−beta)
(35)ERRα:Steroid hormone receptor ERR1(Estrogen−related receptor, alpha、ERR−alpha、Estrogen receptor−like 1)
(36)ERRβ:Steroid hormone receptor ERR2(Estrogen−related receptor,beta、ERR−beta、Estrogen receptor−like 2、ERR beta−2)
(37)ERRγ:Estrogen−related receptor gamma(Estrogen receptor related protein 3、ERR gamma−2)
(38)GRα:Glucocorticoid receptor alpha
(39)GRβ:Glucocorticoid Receptor beta
(40)MR:Mineralocorticoid receptor(MR)
(41)PRα:Progesterone receptor alpha
(42)PRβ:Progesterone receptor beta
(43)AR:Androgen receptor(Dihydrotestosterone receptor)
(44)NGFI−Bα:Orphan nuclear receptor HMR(Early response protein NAK1、TR3 orphan receptor)
(45)NGFI−Bβ:Orphan nuclear receptor NURR1(Immediate−early response protein NOT、Transcriptionally inducible nuclear receptor)
(46)NGFI−Bγ:Nuclear hormone receptor NOR−1(Neuron−derived orphan receptor 1、Mitogen induced nuclear orphan receptor)
(47)SF−1:Steroidogenic factor 1(STF−1、SF−1、Steroid hormone receptor AD4BP、Fushi tarazu factor homolog 1、FTZ−FIα)
(48)LRH−1:Orphan nuclear receptor NR5A2(Alpha−1−fetoprotein transcription factor、Hepatocytic transcription factor、B1−binding factor、hB1F、CYP7A promoter binding factor、FTZ−FIβ)
(49)GCNF:Germ cell nuclear factor(Orphan nuclear receptor NR6A1、Retinoid receptor−related testis specific receptor、RTR)
(50)DAX1:Orphan nuclear receptor DAX−1
(51)SHP:Small heterodimer partner(Orphan nuclear receptor SHP)
これらの動物核内受容体は、分析対象となるリガンドに応じて、適宜選択すればよい。
つぎに、本発明において、動物転写共役因子は特に制限されない。動物転写共役因子としては、例えば、下記表1に示す8種類の転写共役因子が使用可能である。
Figure 2008263956
本発明の形質転換酵母において、導入する核内受容体および転写共役因子は、分析の対象となるリガンド(化学物質)の種類により適宜決定できる。例えば、本発明の形質転換酵母は、アンドロゲン受容体(AR)、グルココルチコイド受容体(GR)、若しくはレチノイン酸X受容体α(RXRα)、エストロゲン受容体β(ERβ)、甲状腺ホルモン受容体α(TRα)を導入した態様がある。
まず、AR遺伝子を導入した形質転換酵母について説明する。ARとしては、特に制限されないが、例えば、ヒトARがある。ARは、リガンド(アンドロゲン若しくはアンドロゲン様化学物質)および転写共役因子と複合体を形成し、これがグルココルチコイド応答配列(GRE配列)を認識して結合し、これにより、応答配列の下流に存在するレポーター遺伝子(例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子)が発現する。レポーター遺伝子の転写は、前記転写共役因子により活性化される。
前記ヒトARを酵母で発現させるためには、例えば、ヒトAR遺伝子を前記酵母の染色体遺伝子内に導入すればよい。
前記ヒトAR遺伝子としては、例えば、下記(a)または(b)のポリヌクレオチドを含むことが好ましい。下記(b)のポリヌクレオチドは、下記(a)のポリヌクレオチドとの相同性が、例えば、90%以上であって、好ましくは、93%以上であり、より好ましくは、95%以上であり、さらに好ましくは、98%以上である。また、下記(b)のポリヌクレオチドにおいて、置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基の数は、前記相同性に対応した数である。
(a)配列番号1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(b)配列番号1に記載の塩基配列の少なくとも1つの塩基が置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、ヒトARとして機能するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
前記AR遺伝子は、配列番号1の塩基配列に基づいて、ヒトのトータルRNA等を使用してクローニングしてもよく、また、ホスホルアミダイト(phosphoramidite)法を利用して化学的にDNA合成してもよい。前記クローニングの方法は、特に制限されず、例えば、市販のクローニングキット等を利用して実施できる。
ARに対する転写共役因子としては、特に制限されないが、例えば、SRC1、CBP、P300およびTIF2がある。したがって、これらの転写共役因子の遺伝子を形質転換酵母に組み込めばよい。これらの中で、好ましいのは、SRC1である。転写共役因子遺伝子は、第2のプラスミドに組み込んで形質転換酵母に導入することが好ましい。前記第2のプラスミドは、高コピー型プラスミドであることが好ましい。
前記GRE配列およびレポーター遺伝子は、作動的に連結して、第1のプラスミドに組み込み、この第1のプラスミドを形質転換細胞に導入することが好ましい。前記GRE配列は、繰り返し配列として組み込むことが好ましい。また、第1のプラスミドは、高コピー型プラスミドであることが好ましい。
つぎに、GR遺伝子を導入した形質転換酵母について説明する。GRとしては、特に制限されないが、例えば、ヒトGRがある。GRは、リガンド(グルココルチコイド若しくはグルココルチコイド様化学物質)および転写共役因子と複合体を形成し、これがグルココルチコイド応答配列(GRE配列)を認識して結合し、これにより、応答配列の下流に存在するレポーター遺伝子(例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子)が発現する。レポーター遺伝子の転写は、前記転写共役因子により活性化される。
前記ヒトGRを酵母で発現させるためには、例えば、ヒトGR遺伝子を前記酵母の染色体遺伝子内に導入すればよい。
前記ヒトGR遺伝子としては、例えば、下記(c)または(d)のポリヌクレオチドを含むことが好ましい。下記(d)のポリヌクレオチドは、下記(c)のポリヌクレオチドとの相同性が、例えば、90%以上であって、好ましくは、93%以上であり、より好ましくは、95%以上であり、さらに好ましくは、98%以上である。また、下記(d)のポリヌクレオチドにおいて、置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基の数は、前記相同性に対応した数である。
(c)配列番号2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(d)配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも1つの塩基が置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、ヒトGRとして機能するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
前記GR遺伝子は、配列番号2の塩基配列に基づいて、ヒトのトータルRNA等を使用してクローニングしてもよく、また、ホスホルアミダイト(phosphoramidite)法を利用して化学的にDNA合成してもよい。前記クローニングの方法は、特に制限されず、例えば、市販のクローニングキット等を利用して実施できる。
GRに対する転写共役因子としては、特に制限されないが、例えば、SRC1、CBP、P300およびTIF2がある。したがって、これらの転写共役因子の遺伝子を形質転換酵母に組み込めばよい。これらの中で、好ましいのは、SRC1である。転写共役因子遺伝子は、第2のプラスミドに組み込んで形質転換酵母に導入することが好ましい。前記第2のプラスミドは、高コピー型プラスミドであることが好ましい。
前記応答配列およびレポーター遺伝子は、作動的に連結して、第1のプラスミドに組み込み、この第1のプラスミドを形質転換細胞に導入することが好ましい。前記GRE配列は、繰り返し配列として組み込むことが好ましい。また、第1のプラスミドは、低コピー型プラスミドであることが好ましい。
つぎに、RXRα遺伝子を導入した形質転換酵母について説明する。RXRαとしては、特に制限されないが、例えば、ヒトRXRαがある。RXRαは、リガンド(レチノイン酸若しくはレチノイン酸様化学物質)および転写共役因子と複合体を形成し、これが薬物応答配列(DR1配列)を認識して結合し、これにより、応答配列の下流に存在するレポーター遺伝子(例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子)が発現する。レポーター遺伝子の転写は、前記転写共役因子により活性化される。
前記ヒトRXRαを酵母で発現させるためには、例えば、ヒトRXRα遺伝子を前記酵母の染色体遺伝子内に導入すればよい。
前記ヒトRXRα遺伝子としては、例えば、下記(e)または(f)のポリヌクレオチドを含むことが好ましい。下記(f)のポリヌクレオチドは、下記(e)のポリヌクレオチドとの相同性が、例えば、90%以上であって、好ましくは、93%以上であり、より好ましくは、95%以上であり、さらに好ましくは、98%以上である。また、下記(f)のポリヌクレオチドにおいて、置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基の数は、前記相同性に対応した数である。
(e)配列番号3に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(f)配列番号3に記載の塩基配列の少なくとも1つの塩基が置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、ヒトRXRαとして機能するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
前記RXRα遺伝子は、配列番号3の塩基配列に基づいて、ヒトのトータルRNA等を使用してクローニングしてもよく、また、ホスホルアミダイト(phosphoramidite)法を利用して化学的にDNA合成してもよい。前記クローニングの方法は、特に制限されず、例えば、市販のクローニングキット等を利用して実施できる。
RXRαに対する転写共役因子としては、特に制限されないが、例えば、SRC1、CBP、P300およびARA70がある。したがって、これらの転写共役因子の遺伝子を形質転換酵母に組み込めばよい。これらの中で、好ましいのは、ヒトSRC1である。転写共役因子遺伝子は、第2のプラスミドに組み込んで形質転換酵母に導入することが好ましい。第2のプラスミドは、高コピー型プラスミドであることが好ましい。
前記DR1配列およびレポーター遺伝子は、作動的に連結して、第1のプラスミドに組み込み、この第1のプラスミドを形質転換細胞に導入することが好ましい。前記DR1配列は、繰り返し配列として組み込むことが好ましい。また、第1のプラスミドは、低コピー型プラスミドであることが好ましい。
つぎに、ERβ遺伝子を導入した形質転換酵母について説明する。ERβとしては、特に制限されないが、例えば、ヒトERβがある。ERβは、リガンド(エストロゲン若しくはエストロゲン様化学物質)および転写共役因子と複合体を形成し、これがエストロゲン応答配列(ERE配列)を認識して結合し、これにより、応答配列の下流に存在するレポーター遺伝子(例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子)が発現する。レポーター遺伝子の転写は、前記転写共役因子により活性化される。
前記ヒトERβを酵母で発現させるためには、例えば、ヒトERβ遺伝子を前記酵母の染色体遺伝子内に導入すればよい。
前記ヒトERβ遺伝子としては、例えば、下記(g)または(h)のポリヌクレオチドを含むことが好ましい。下記(h)のポリヌクレオチドは、下記(g)のポリヌクレオチドとの相同性が、例えば、90%以上であって、好ましくは、93%以上であり、より好ましくは、95%以上であり、さらに好ましくは、98%以上である。また、下記(h)のポリヌクレオチドにおいて、置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基の数は、前記相同性に対応した数である。
(g)配列番号4に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(h)配列番号4に記載の塩基配列の少なくとも1つの塩基が置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、ヒトERβとして機能するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
前記ERβ遺伝子は、配列番号4の塩基配列に基づいて、ヒトのトータルRNA等を使用してクローニングしてもよく、また、ホスホルアミダイト(phosphoramidite)法を利用して化学的にDNA合成してもよい。前記クローニングの方法は、特に制限されず、例えば、市販のクローニングキット等を利用して実施できる。
ERβに対する転写共役因子としては、特に制限されないが、例えば、SRC1、CBP、P300、ASC2およびERAP140がある。したがって、これらの転写共役因子の遺伝子を形質転換酵母に組み込めばよい。これらの中で、好ましいのは、SRC1である。転写共役因子遺伝子は、第2のプラスミドに組み込んで形質転換酵母に導入することが好ましい。前記第2のプラスミドは、高コピー型プラスミドであることが好ましい。
前記応答配列およびレポーター遺伝子は、作動的に連結して、第1のプラスミドに組み込み、この第1のプラスミドを形質転換細胞に導入することが好ましい。前記ERE配列は、繰り返し配列として組み込むことが好ましい。また、第1のプラスミドは、低コピー型プラスミドであることが好ましい。
つぎに、TRα遺伝子を導入した形質転換酵母について説明する。TRαとしては、特に制限されないが、例えば、ヒトTRαがある。TRαは、リガンド(甲状腺ホルモン若しくは甲状腺ホルモン様化学物質)および転写共役因子と複合体を形成し、これが薬物応答配列(IR0配列)を認識して結合し、これにより、応答配列の下流に存在するレポーター遺伝子(例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子)が発現する。レポーター遺伝子の転写は、前記転写共役因子により活性化される。
前記ヒトTRαを酵母で発現させるためには、例えば、ヒトTRα遺伝子を前記酵母の染色体遺伝子内に導入すればよい。
前記ヒトTRα遺伝子としては、例えば、下記(i)または(j)のポリヌクレオチドを含むことが好ましい。下記(j)のポリヌクレオチドは、下記(i)のポリヌクレオチドとの相同性が、例えば、90%以上であって、好ましくは、93%以上であり、より好ましくは、95%以上であり、さらに好ましくは、98%以上である。また、下記(j)のポリヌクレオチドにおいて、置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基の数は、前記相同性に対応した数である。
(i)配列番号5に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(j)配列番号5に記載の塩基配列の少なくとも1つの塩基が置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、ヒトTRαとして機能するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
前記TRα遺伝子は、配列番号5の塩基配列に基づいて、ヒトのトータルRNA等を使用してクローニングしてもよく、また、ホスホルアミダイト(phosphoramidite)法を利用して化学的にDNA合成してもよい。前記クローニングの方法は、特に制限されず、例えば、市販のクローニングキット等を利用して実施できる。
TRαに対する転写共役因子としては、特に制限されないが、例えば、SRC1、CBP、P300、AIB、ARA70およびASC2がある。したがって、これらの転写共役因子の遺伝子を形質転換酵母に組み込めばよい。これらの中で、好ましいのは、SRC1である。転写共役因子遺伝子は、第2のプラスミドに組み込んで形質転換酵母に導入することが好ましい。前記第2のプラスミドは、高コピー型プラスミドであることが好ましい。
前記応答配列およびレポーター遺伝子は、作動的に連結して、第1のプラスミドに組み込み、この第1のプラスミドを形質転換細胞に導入することが好ましい。前記IR0配列は、繰り返し配列として組み込むことが好ましい。また、第1のプラスミドは、低コピー型プラスミドであることが好ましい。
前記ヒトSRC1遺伝子としては、例えば、下記(k)または(l)のポリヌクレオチドを含むことが好ましい。下記(l)のポリヌクレオチドは、下記(k)のポリヌクレオチドとの相同性が、例えば、90%以上であって、好ましくは、93%以上であり、より好ましくは、95%以上であり、さらに好ましくは、98%以上である。また、下記(l)のポリヌクレオチドにおいて、置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基の数は、前記相同性に対応した数である。
(k)配列番号6に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(l)配列番号6に記載の塩基配列の少なくとも1つの塩基が置換、付加、挿入もしくは欠失した塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、ヒトSRC1として機能するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
本発明の遺伝子組換え細胞の宿主細胞は、酵母であり、好ましいのは、出芽酵母であることは、前述のとおりである。
前記酵母内に、前記動物核内受容体遺伝子を導入する方法としては、特に制限されず、従来公知の遺伝子導入方法により行うことができる。前記遺伝子導入方法としては、例えば、酢酸リチウム法、リン酸カルシウム法、リポソームを用いた方法、エレクトロポレーション、ウイルスベクターを用いる方法、マイクロピペットインジェクション法等があげられる。本発明における核内受容体遺伝子の導入は、そのリガンドの分析に用いることが可能であれば、一過性型の導入でもよく、または、宿主染色体への組込み型もしくは自律複製・分配可能な人工染色体もしくはプラスミド型の導入でもよい。取扱いや保存の容易性およびリガンドの分析の迅速性、正確性、簡便性からは、前述のように、宿主(酵母)染色体への遺伝子導入方法が好ましい。
前記酵母内に導入する前記動物核内受容体遺伝子は、酵母内で恒常的または任意に発現するように、必要な調節配列と作動的に連結されていることが好ましい。前記調節配列とは、宿主細胞(酵母)内において、作動的に連結された前記遺伝子の発現に必要な塩基配列であって、例えば、真核細胞に適した調節配列としては、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、エンハンサー等があげられる。本発明において、作動的に連結とは、各構成要素が機能を果たすことができるように並置していることを意味する。
前述のように、本発明において、前記核内受容体とリガンドの複合体を検出するためのレポーター遺伝子として、例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子を使用することが好ましい。前記β−ガラクトシダーゼ遺伝子は、その上流に、前記複合体が認識して結合する応答配列(転写調節配列)と動作的に結合している。前記応答配列(転写調節配列)は、動物核内受容体遺伝子の種類により適宜決定される。前述のように、ARおよびGRの場合の応答配列は、GREであり、RXRαの場合は、DR1であり、ERβの場合は、EREであり、TRαの場合は、IR0である。これらの応答配列(転写調節配列)およびβ−ガラクトシダーゼ遺伝子は、第1のプラスミドに組み込まれて形質転換酵母に導入されていることが好ましい。前記レポーター遺伝子としては、β−ガラクトシダーゼに限定されず、その他、ルシフェラーゼ遺伝子、蛍光タンパク質遺伝子、β−グルクロニダーゼ遺伝子が使用できる。
前述のように、本発明において、転写共役因子遺伝子は、前記レポーター遺伝子を組み込んだプラスミド(第1のプラスミド)とは別のプラスミド(第2のプラスミド)に組み込んで酵母に導入することが好ましい。
つぎに、本発明の分析方法の一例を示す。
まず、所定の動物核内受容体遺伝子、動物転写共役因子遺伝子、前記動物核内受容体応答配列およびβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を導入した形質転換酵母を準備する。そして、この形質転換酵母のグリセロールストックを調製することが好ましい。グリセロールストックを調製するために使用する培地は、特に制限されず、例えば、窒素源、炭素源、アミノ酸、核酸、ビタミン類等を含む培地があげられる。グリセロールストックを調製する培地組成の例を、下記表2に示す。
(表2)
成分 配合量
ドロップアウトパウダー (注1) 1.3g
窒素源(Yeast nitrogen base、注2) 1.7g
(NHSO 5.0g
炭素源(グルコースまたはガラクトース) 20.0g
水 1000mL
(注1)ドロップアウトパウダー組成
成分 配合量 成分 配合量
アデニン 2.5g L−メチオニン 1.2g
L−アルギニン 1.2g L−フェニルアラニン 3.0g
L−アスパラギン酸 6.0g L−セリン 22.5g
L−グルタミン酸 6.0g L−スレオニン 12.0g
L−ヒスチジン 1.2g L−チロシン 1.8g
L−リジン 1.8g L−バリン 9.0g
ウラシル 1.2g
(注2)窒素源
Yeast Nitrogen W/O Amino Acid & Ammonium Sulfate (Difco社製)
前記グリセロールストックを調製するための培養は、前記のような培地で継続的に培養された状態のものを利用する場合には、例えば、前記継続培養後の培養液を50μL分取し、前記表2の培地5000μL中に加え、30℃で12〜24時間程度振とう培養することによって実施する。一方、形質転換酵母として凍結乾燥菌体を利用してグリセロールストックを調製するための培養を行う場合には、例えば、YPD培地等の栄養培地を加え、30℃で24時間培養した培養液を50μL分取し、前記と同様に前記表2に示す培地5000μLに加え、30℃で12〜24時間程度振とう培養する。
前記グリセロールストックを調製するための培養により、菌体が十分増殖したら、得られた培養液から10倍濃縮グリセロールストック液を作製する。このグリセロールストック液の組成は、例えば培養液80%、グリセロール20%から成り、−80℃での保存も可能である。そして、このグリセロールストック液から本培養を実施する。前記本培養に使用する培地としては、例えば、前記表2に示す培地において、炭素源として、ガラクトースおよびグルコースを含むものを使用する。ガラクトースとグルコースの比率は、前述のとおりである。また、本培養においては、培地中に、化学物質等の被験物質を添加して行う。前記本培養の温度は、例えば、28〜30℃であり、前記本培養時間は、例えば、10〜48時間、好ましくは、15〜36時間、より好ましくは18〜24時間である。すなわち、前記培地にガラクトースとグルコースを添加することにより、本培養における前記形質転換酵母の増殖を促進させることができるので、短時間の本培養で、被験物質を高感度かつ高信頼性で分析可能である。また、本培養は、振とう培養でもよいし、静置培養でもよい。なお、前記被験物質が固体の場合には、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の形質転換酵母に対して毒性を示さない溶媒を用いて前記被験物質を溶解してから前記培地と混合することが好ましい。
つぎに、本培養後の前記形質転換酵母を、公知の手法により溶菌させる。この溶菌には、例えば、下記に示すような、Zバッファーに界面活性剤(サルコシル)を添加した溶菌液等が使用できる。
(溶菌液:Zバッファー)
成分 配合量(最終濃度)
NaHPO 60mM
NaHSO 40mM
MgCl 1mM
KCl 10mM
ジチオスレイトール(Dithiothreitol) 2mM
サルコシル(注3) 0.20%
(注3)N−Lauroylsarcosine sodium salt
そして、前記溶菌後の溶菌液を適量採取し、産生されたβ−ガラクトシダーゼの酵素活性を測定する。β−ガラクトシダーゼの活性は、例えば、ONPG(オルソニトロフェニルガラクトピラノシド)やCPRG(クロロフェノールレッドガラクトピラノシド)等の発色試薬を作用させ、その吸光度を測定すればよい。この測定において、予め、標準物質を用いて検量線を作成しておくことが好ましく、前記検量線は、被験物質の測定と同時に作成することが好ましい。さらに、測定に際しては、用量作用関係の範囲内に納まるように被験物質を適宜希釈することが好ましい。このような分析方法であれば、吸光度を測定するだけでよく、簡便かつ迅速に分析できる。
本発明の分析用キットは、本発明の分析方法を簡単に実施するためのキットであって、前述のように、培地、本発明の前記形質転換酵母および発色基質(発色試薬)を含むキットである。前記発色基質(発色試薬)としては、例えば、ONPGやCPRG等があげられる。さらに、本発明の分析キットは、検量線作成のための標準物質等を含んでいても良い。前記形質転換酵母は、凍結乾燥させて粉末状にしてもよい。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例および比較例に限定されるものではない。
本実施例では、下記の手順によりヒトAR遺伝子、ヒトGR遺伝子、ヒトRXRα、ヒトERβ遺伝子およびヒトTRα遺伝子を組み込んだ五種類の形質転換酵母を作製した。
(1) レポータープラスミドの作製
酵母チトクロームC遺伝子のプロモーターおよびβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を有するプラスミド(pYT−β;BioTechniques(1996)20、568−574)を準備した。GRおよびARに応答する配列としてGREを使用し、RXRαに応答する配列としてDR1を使用し、ERβに応答する配列としてEREを使用し、TRαに応答する配列としてIR0を使用した。GRE、DR1、EREもしくはIR0を含む下記のリン酸化合成オリゴDNA(配列番号7、9、11および13)およびその相補鎖DNA(配列番号8、10、12および14)を作製した。これらのオリゴDNAをアニーリングした。アニーリングは、94℃で1分間を1サイクルで実施した。アニーリング後、GREは、pYT−βのBgl IIサイトに挿入した。DR1は、pYT−βのSpeIサイトに挿入した。EREは、pYT−βのSpeI−SalIサイトに挿入した。IR0は、pYT−βのSpeIサイトに挿入した。GREが連続して8個アニーリングしたものを精製して、pRW95−3のBgl IIサイトに挿入した。同様に、DR1が連続して4個アニーリングしたものを精製して、pRW95−3のSpeIサイトに挿入した。EREが1個アニーリングしたものを精製して、pRW95−3のSpeI−SalIサイトに挿入した。IR0が連続して5個アニーリングしたものを精製して、pRW95−3のSpeIサイトに挿入した。そして、GREが連続して8個挿入されたプラスミドをpYT−βGREcs8とし、DR1が4個挿入されたプラスミドをpYT−βDR1×4とし、EREが1個挿入されたプラスミドをpYT−βERE×1とし、IR0が5個挿入されたプラスミドをpYT−βIR0×5とした。
(GRE)
GREcsfBg:5´−gatctttgagaacaaactgttcttaaat−3´(配列番号7)
GREcsrBc:3´−aaactcttgtttgacaagaatttactag−5´(配列番号8)
(DR1)
RXRE−DR1Nh:5´−ctagcaggtcagaggtcagatgct−3´(配列番号9)
RXRE−DR1Xb:3´−gtccagtctccagtctacgagatc−5´(配列番号10)
(ERE)
ERE−SpeI:5´−ctagttagcaggtcacagtgacctacgcg−3´(配列番号11)
ERE−SalI:3´−aatcgtccagtgtcactggatgcgcagct−5´(配列番号12)
(IR0)
IR0XbaF:5´−ctagatctcaggtcatgacctttcatcca−3´(配列番号13)
IR0SpeR:3´−tagagtccagtactggaaagtaggtgatc−5´(配列番号14)
(2) 動物核内受容体発現プラスミドの作製
GR、AR、RXRα、ERβ、TRαの各cDNAのオープンリーディングフレーム(ORF)をヒト精巣cDNA(クロンテック社製)よりpolymerase chain reaction法(PCR法)にて増幅した。用いたプライマー(配列番号15〜24)及びPCRの条件を以下に示す。
(GR)
GRfRbBm:5´−tcgaggatccaacaaaatggactccaaagaatcattaact−3´(配列番号15)
GRrXh:5´−attcttctcgaggcagtcacttttgatgaaac−3´(配列番号16)
(AR)
ARfRbBm:5´−tcgaggatccaacaaaatggaagtgcagttagggctggg−3´(配列番号17)
ARrXh:5´−agggggctcgagctggggtggggaaatagg−3´(配列番号18)
(RXRα)
RXRaRbKpnF:5´−aaaggggtacctcaaaaatggacaccaaacatttcctgcc−3´(配列番号19)
RXRaEcr:5´−cttaagaattctaagtcatttggtgcggc−3´(配列番号20)
(ERβ)
ERbetafXb:5´−gcctcttctagaaaggtgttttctcagc−3´(配列番号21)
ERbetarHd:5´−acgcttaagcttgtgacctctgtgggcc−3´(配列番号22)
(TRα)
TRaRbSpF:5´−gggcactagtaacaaaatggaacagaagccaagca−3´(配列番号23)
TRaHdR:5´−ggccaagcttgctttagacttcctgatcctcaaag−3´(配列番号24)
(PCR条件:1×反応バッファー)
1μM MgSO、0.2μM dNTP、プライマー各0.3μM、cDNA 1μL、5% DMSO、KOD−Plus−(東洋紡社製)1unitを反応液50μL中に含む。
(PCR条件:サイクル)
94℃で40秒、58℃で20秒、68℃で3分のサイクルを40サイクル実施した。
つぎに、核内受容体cDNAを増幅後、制限酵素にて切断した。この切断したcDNAを、両方向プロモーター領域Gal1、10を持つプラスミドYEpLacGal1、10(GenBank、pMC262)の前記両プロモーターの下流に位置する部位に挿入し、核内受容体遺伝子を有し、その上流にプロモーターが介在したプラスミドYEpLacを得た。なお、クローニングには大腸菌HB101株を使用した。cDNAおよびYEpLacの切断に用いた制限酵素を以下に示す。作製したプラスミドをそれぞれYepLacGR、YepLacAR、YepLacRXRα、YepLacERβ、YepLacTRαとした。
(制限酵素)
挿入したcDNA cDNA切断用制限酵素 YEpLac切断用制限酵素
GR BamHI、XhoI BamHI、SalI
AR BamHI、XhoI BamHI、SalI
RXRα KpnI、EcoRI KpnI、EcoRI
ERβ XbaI、HindIII XbaI、HindIII
TRα SpeI、HindIII XbaI、HindIII
つぎに、これらのプラスミドからgal1およびgal10プロモーター領域および受容体cDNAを含むDNAフラグメントを、HindIIIおよびEcoRIにて切り出し、pAUR101のHindIIIおよびEcoRIサイトの間に挿入した。作製したプラスミドを、それぞれpAUR101GR、pAUR101AR、pAUR101RXRα、pAUR101ERβ、pAUR101TRαとした。
(3) SRC1プラスミドの作製
SRC1cDNAのオープンリーディングフレーム(ORF)を、ヒト精巣cDNA(クロンテック社製)よりPCR法を用いて増幅した。用いたプライマー(配列番号25および26)及びPCRの条件を以下に示す。
hSRC1bgF:5´−tggaactcaagatttgaccatatc−3´(配列番号25)
hSRC1xhR:5´−gagcattcctctagtctgtagtc−3´(配列番号26)
(PCR条件:1×反応バッファー)
1μM MgSO、0.2μM dNTP、プライマー各0.3μM、cDNA 1μL、5% DMSO、KOD−Plus−(東洋紡社製)1unitを反応液50μL中に含む。
(PCR条件:サイクル)
94℃で40秒、56℃で20秒、68℃で5分のサイクルを40サイクル実施した。
増幅したSRC−1 cDNAを精製し、さらに以下のプライマー(配列番号27および28)を用いたPCR法にてcDNAに制限酵素サイトを付加した。増幅したcDNAを、BglIIおよびXhoIで切断後、pESC−Leuベクターのgal1プロモーター下流に挿入した。本プラスミドDNAをpESC−Leu−hSRC1とした。
SRC−1eFbg2:5´−caaagaagatctcccaggtgtgaag−3´(配列番号27)
SRC−1eRxh2:5´−agggccctcgagactctagtctgtag−3´(配列番号28)
(PCR条件:1×反応バッファー)
1μM MgSO、0.2μM dNTP、プライマー各0.3μM、PCR産物(cDNA) 1μL、5% DMSO、KOD−Plus−(東洋紡社製)1unitを反応液50μL中に含む。
(PCR条件:サイクル)
94℃で40秒、56℃で20秒、68℃で5分のサイクルを20サイクル実施した。
(4) 形質転換酵母の作製
前記pAUR101GR、pAUR101AR、pAUR101RXRα、pAUR101ERβ、pAUR101TRαを、制限酵素EcoO65Iで処理して直鎖状とし、以下のように酢酸リチウム法にて宿主となる酵母へ導入し、さらに、染色体への組込みを行った。宿主株として、酵母(Saccharomyces cerevisiae)W303a株を使用した。
まず、前記宿主となる酵母を、30℃でOD660が1〜2になるまでYPD培地中で培養し、ソリューションA(0.1M Lithium acetate, 10mM Tris−HCl(pH 7.5), 1mM EDTA いずれも最終濃度)で洗浄後、OD660=150となるようにソリューションAに再懸濁し、1.5mLマイクロチューブに100μLずつ分注して、30℃で1時間インキュベートした。その後、直鎖状の前記の各pAUR101ベクター 5μgと、キャリアーDNA(商品名:SALMON TESTES DNA for hybridization、SIGMA社製)150μg(合計20μL)を加え、さらに、ソリューションB(ソリューションA100mLにポリエチレングリコール4000を溶解したもの)を850μL添加し、緩やかに混合した。
つぎに、前記混合液を30℃で30分インキュベートして42℃で15分熱処理した後、さらに、10分室温に放置してから、5000rpm、1分間の遠心分離で集菌し、それらを5〜10mLのYPD培地に懸濁し、30℃で一晩培養した。そして、培養後集菌して洗浄した酵母を、0.9%NaCl溶液に懸濁し、AureobasidinA(0.5g/mL)を含むYPD選択プレートに100μLずつ塗布して培養した。そして、AureobasidinA耐性株をGal1プロモーターとARなどのcDNA領域が染色体上に組込まれた形質転換酵母として選択した。
つぎに、前記形質転換酵母に、pESC−Leu−hSRC1プラスミド DNAを導入した。このときの形質転換酵母選択培地は、後述する前培養培地にトリプトファンを100mg添加したものである。
つぎに、前記形質転換酵母に、酢酸リチウム法にてpYTβGREcs8、pYTβDR1×4、pYTβERE×1もしくはpYTβIR0×5プラスミドDNAを導入した。このときの形質転換酵母選択培地は、後述する前培養培地である。以上の操作により、レポーター遺伝子としてpYTβGREcs8、pYTβDR1×4、pYTβERE×1もしくはpYTβIR0×5、およびpESC−Leu−hSRC1DNAをプラスミドとして保持し、ゲノム中よりヒトGR、AR、RXRα、ERβ、TRαを発現する酵母菌株を作製した。
本実施例では、前記実施例1で作製した形質転換酵母を用いて、リガンドの分析を行った。なお、比較例として、SRC1遺伝子を導入しなかった他は、実施例1と同様にして作製した形質転換酵母を用いて、同様にリガンドの分析を行った。
(形質転換酵母の前培養)
前記形質転換酵母を、下記に示す前培養用の培地にて24時間前培養を行った。培養の結果、濁度(Abs595nm)が1.0程度に形質転換酵母が増殖した。
(前培養の培地)
成分 配合量
ドロップアウトパウダー(前記注1) 1.3g
窒素源(Yeast nitrogen base、前記注2) 1.7g
(NHSO 5.0g
ウラシル 0.02g
グルコース 20.0g
水 1L
(形質転換酵母の本培養)
96穴プレートを用い、1ウエルあたり以下の構成で、リガンド溶液、前培養した菌体液および本培養培地を混合し、30℃で18時間、静置培養を行った。
リガンド溶液:1μL(GR:デキサメサゾン、AR:テストステロン、RXRα:9−cisレチノイン酸、ERβ:17−β−エストラジオール、TRα:チロキシン、それぞれDMSOに溶解)
菌体液(O.D.1〜1.5):5μL
本培養培地:下記組成の培地100μL
(本培養培地組成)
成分 配合量
ドロップアウトパウダー(前記注1) 1.3g
窒素源(Yeast nitrogen base、前記注2) 1.7g
(NHSO 5.0g
ウラシル 0.02g
グルコース 2.0g
ガラクトース 18.0g
水 1L
(β−ガラクトシダーゼ活性の測定)
前記本培養の後、各ウエルから培養液を5μLずつ採取し、新たな96穴プレートの各ウエルに移し、下記の測定試薬を100μL加えた後、37℃で30分間反応させた。反応後、マイクロプレートリーダーを用いて、前記反応液のβ−ガラクトシダーゼ活性および菌体量を測定した。前記β−ガラクトシダーゼ活性は、o−ニトロフェノールの生成量から算出するため、405nmにおける反応液の吸光度を測定した。また、前記菌体量は、595nmにおける吸光度を測定した。分析結果は、405nmの吸光度/595nmの吸光度の比を算出し、リガンド非添加(溶媒であるDMSOのみを添加)での値を1とした誘導率で示した。これらの結果を、下記の表3、図1および図2に示す。図1において、(A)が、GR導入形質転換酵母の結果を示すグラフであり、(B)が、AR導入形質転換酵母の結果を示すグラフであり、(C)が、RXRα導入形質転換酵母の結果を示すグラフである。また、図2において、(D)が、ERβ導入形質転換酵母の結果を示すグラフであり、(E)が、TRα導入形質転換酵母の結果を示すグラフである。各グラフにおいて、横軸は、各リガンド濃度(log M)であり、縦軸は、前記誘導率である。また、各グラフにおいて、実線で示したSRC+は、SRC導入酵母の結果であり、点線で示したSRC−は、SRC非導入酵母の結果である。
(測定試薬組成)
成分 配合量(最終濃度)
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5、注4) 100mM
MgCl 1mM
KCl 10mM
ジチオスレイトール(Dithiothreitol) 2mM
サルコシル(前記注3) 0.4%
ONPG 1mg/mL
(注4)60mM NaHPOおよび40mM NaHSOを用いて調製
Figure 2008263956
前記表3および図1に示すように、まず、GR導入酵母において、SRC−1導入前の酵母では検出が可能なデキサメサゾン濃度は100nM以上であるが、SRC−1を導入した酵母ではデキサメサゾン濃度10nMでβ−ガラクトシダーゼの誘導が認められた。EC50は、SRC−1導入前の酵母では3.5μM、導入後に1.8μMであり、SRC−1の導入により、1/2に低下した。1μM以上の濃度では、SRC−1導入酵母は、SRC−1非導入酵母に比べて3〜4倍程度高いβ−ガラクトシダーゼ活性が認められた。
AR挿入酵母では、SRC−1導入前の酵母では検出が可能なテストステロン濃度は100nMであるが、SRC−1を導入した酵母ではテストステロン濃度1nMでβ−ガラクトシダーゼの誘導が認められた。EC50については、SRC−1の導入により、1/20程度の低下が認められた。
RXRα導入酵母においては検出が可能な9−cisレチノイン酸濃度は100nMであるが、SRC−1を導入した酵母では9−cisレチノイン濃度10nMでβ−ガラクトシダーゼの誘導が認められた。EC50は、SRC−1導入前の酵母では145.4nM、導入後には78.2nMとなり、SRC−1の導入により約1/2に低下した。
また、前記表3および図2に示すように、ERβ導入酵母では、SRC−1導入前の酵母には、リガンド応答性が認められなかった。SRC−1を導入した酵母では17−β−エストラジオール濃度1nMでβ−ガラクトシダーゼの誘導が認められた。ERβ導入酵母においては、SRC−1の導入により始めて、リガンド添加による誘導が認められた。
TRα導入酵母では、SRC−1導入前の酵母には、リガンド応答性が認められなかった。SRC−1を導入した酵母ではチロキシン濃度10nMでβ−ガラクトシダーゼの誘導が認められた。TRα導入酵母においては、ERβ導入酵母と同様に、SRC−1の導入により始めて、リガンド添加による誘導が認められた。
以上の結果は、本発明の形質転換酵母を用いることにより、リガンドを高感度で分析できることを実証しているといえる。さらに、例えば、前記非特許文献1のTable2においてもARをヒト由来細胞に導入してテストステロン(T)を分析しているが、EC50の値は、本発明の前記実施例2(表1)の値より大きい。このことから、本発明の形質転換酵母を用いた分析方法は、動物細胞を用いた分析方法と同等もしくはそれ以上の感度を有するといえる。しかも、本発明の形質転換酵母を用いた分析方法は、操作が簡単であり、短時間で分析ができ、低コストであるという利点もある。
以上のように、本発明の形質転換酵母を用いれば、高検出感度で動物核内受容体のリガンドの分析が可能となる。したがって、本発明の分析方法は、化学物質やタンパク質等のリガンドの分析の分野において有用な方法であり、その用途は制限されず広い。
図1の(A)、(B)および(C)は、本発明の一実施例におけるβ−ガラクトシダーゼ活性の測定結果を示すグラフである。 図2の(D)および(E)は、本発明の一実施例におけるβ−ガラクトシダーゼ活性の測定結果を示すグラフである。

Claims (14)

  1. 動物核内受容体遺伝子およびレポーター遺伝子が発現可能に導入されており、かつ動物核内受容体リガンドと動物核内受容体との複合体を認識して前記レポーター遺伝子を発現し得る形質転換酵母であって、さらに、前記動物核内受容体に直接結合して前記レポーター遺伝子の転写を活性化する動物転写共役因子遺伝子を発現可能に含む形質転換酵母。
  2. 前記動物核内受容体が、ヒト核内受容体であり、前記動物転写共役因子がヒト転写共役因子である請求項1記載の形質転換酵母。
  3. 前記ヒト転写共役因子遺伝子が、ヒトSRC1遺伝子である請求項2記載の形質転換酵母。
  4. 前記動物核内受容体遺伝子を常染色体上に有し、
    前記レポーター遺伝子を第1のプラスミドに有し、
    前記動物転写共役因子遺伝子を第2のプラスミドに有し、
    前記第1のプラスミドは、前記レポーター遺伝子と作動的に組み込まれた動物核内受容体応答配列を含む請求項1から3のいずれか一項に記載の形質転換酵母。
  5. 前記レポーター遺伝子が、β−ガラクトシダーゼ遺伝子である請求項1から4のいずれか一項に記載の形質転換酵母。
  6. 前記形質転換酵母が、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)である請求項1から5のいずれか一項に記載の形質転換酵母。
  7. 検体に含まれる動物核内受容体リガンドの分析に使用される請求項1から6のいずれか一項に記載の形質転換酵母。
  8. 検体に含まれる動物核内受容体リガンドを分析するための方法であって、
    検体を含む培地中で、動物核内受容体遺伝子およびレポーター遺伝子が発現可能に導入されており、かつ動物核内受容体リガンドと動物核内受容体との複合体を認識して前記レポーター遺伝子を発現し得る形質転換酵母を培養する培養工程と、
    前記培養工程の後、前記培地中に産生された前記レポーター遺伝子の発現産物を測定する測定工程とを包含し、
    前記形質転換酵母として、請求項1から7のいずれか一項に記載の形質転換酵母を使用することを特徴とする方法。
  9. 前記レポーター遺伝子が、β−ガラクトシダーゼ遺伝子であり、前記培地が、炭素源としてガラクトースおよびグルコースを含有する請求項8記載の方法。
  10. 前記ガラクトースおよび前記グルコースの合計に対する前記グルコースの重量割合が、0を超え60重量%以下の範囲である請求項9記載の方法。
  11. 前記形質転換酵母が、予め、グリセロール存在下で保存されていた酵母である請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記形質転換酵母が、予め、グルコース単独を炭素源とする培地で培養された酵母である請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 検体に含まれる動物核内受容体リガンドを分析するための分析キットであって、
    (a)培地と、
    (b)請求項1から7のいずれか一項に記載の形質転換酵母と、
    (c)発色基質と
    を備える分析キット。
  14. 前記培地が、グルコースおよびガラクトースを含む培地である請求項13記載の分析キット。
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