続いて、この発明に係る光情報処理システム、端末装置、光情報処理方法、プログラム及び記録媒体の実施の形態について、図面を参照しながら説明をする。
図1は、本発明に係る実施形態としての可視光データ提供システム1の構成例を示す図である。
この実施形態では、有用情報を光に変換し、変換後の光を受光して情報処理する場合、光情報提供源と光情報受信機能付きの端末装置とを備え、光情報提供源から発せられる有用情報に基づく光を受光して電気信号に変換し、変換後の電気信号から有用情報を復元すると共に、当該光情報提供源が設けられた情報提供場所の映像を撮影して得られる画像情報と受光及び復元によって得られた有用情報とを対応付けて保存するようにしたものである。
図1に示す可視光データ提供システム1は光情報処理システムの一例を構成し、店舗、劇場、興行場、交通機関等に関連する有用情報が光に変換され、変換後の光を受光して有用情報を処理するシステムである。可視光データ提供システム1では、光情報提供用の送信装置100と可視光データ受信機能付きのデジタルカメラ200とが備えられる。
送信装置100は光情報提供源の機能を構成し、例えば、情報提供場所の電光表示板に設けられ、有用情報を光に変換して発するように動作する。ここに有用情報とは、情報提供者にとって集客に有用となる電子情報内容や、情報利用者にとって情報収集に有用となる電子情報内容をいい、これらをコンテンツデータD1という。コンテンツデータD1には動画情報、静止画情報、文字情報、音情報が含まれる。以下の例では電子情報内容が宣伝広告内容で、これらの内容が宣伝広告用のコンテンツデータD1となる場合について説明をする。
この例で、宣伝広告用のコンテンツデータD1を送信する送信装置100は、メモリ部14を有してLED看板を構成する。送信装置100は、図10に示した送信機300に類似する装置である。メモリ部14には送信装置100が送信するコンテンツデータD1が格納され保存されている。
コンテンツデータD1は、対象が飲食店や百貨店等の店舗に関する情報である場合、安売り販売日や安売り商品、店名、割引期間等を内容とする商品販売データD11である。また、対象が演芸場や、歌舞伎、定期演奏会、映画館等の劇場に関する情報である場合、実演者や、実演日、演目、場所等を内容とする劇場開催データD12である。更に、対象が野球や、サッカー等の興行場に関する情報である場合、対戦カードや、興行日時、場所等を内容とする劇場開催データD12である。また、対象が鉄道会社や、旅行会社等の交通機関である場合、旅行先目的地案内、募集人数、交通手段、催行日を内容とする旅行催行データD13である。
なお、情報提供場所は、該当する店舗、劇場、興行場、交通機関等であっても、もちろん、これらから離れた駅、そのコンコースや、ビル、空港ロビー、市街地、地下道、歩行道路等であってもよい。好ましくは、人が多く出入りする場所が良い。
メモリ部14にはRAM(揮発メモリ)や、EEPROM、ハードディスク装置等の不揮発メモリが使用される。送信装置100は、メモリ部14の他に、通信制御部11、変調部12及び発光部13を有して構成される。メモリ部14には通信制御部11が接続され、コンテンツデータD1から、所定の伝送方式のデータストリーム(以下送信データDoutという)を生成して変調部12に出力される。
通信制御部11には変調部12が接続され、送信データDoutに基づいて発光部13の周波数をシフトし、あるいは、発光部13の光源の点滅周期を変調するための変調信号Soutを送出する。変調部12には発光部13が接続され、変調信号Soutに基づいて発光部13の光源が目視では分からないような高速で、例えば、ON/OFF点滅される。発光部13の光源が高速にON/OFF点滅されることで、コンテンツデータD1が可視光データとなって送信装置100から発するようになる。発光部13には蛍光灯あるいはLED(Light Emitting Diode)素子等の可視光源が使用される。これにより、送信装置内蔵のLED看板が構成される。
この例で、送信装置内蔵のLED看板が被写体となされ、この被写体に向けて操作される可視光データ受信機能付きのデジタルカメラ200は、光情報受信機能付きの端末装置の機能を構成し、送信装置100から発せられる広告宣伝情報に基づく光を受光して電気信号に変換し、変換後の電気信号から可視光データ(以下コンテンツデータD1という)を復元すると共に、当該送信装置100が設けられた情報提供場所の映像を撮影して得られる画像データD2と、受光及び復元によって得られたコンテンツデータD1とを対応付けて処理するように動作する。デジタルカメラ200は情報利用者が所持し、端末装置にはデジタルカメラ200の他に、携帯電話機内蔵の小型カメラや、ビデオカメラも含まれる。もちろん、光情報受信機能付きの端末装置を換言するカメラ機能付きの光通信装置であってもよい。
デジタルカメラ200は、受光部21a、撮影部21b、信号処理部22、操作/表示部23、USB・I/Oインターフェース部24及びメモリ部25を備えている。受光部21aは、情報提供場所の送信装置100から発せられる宣伝広告情報に基づく光を受光して電気信号に変換する。受光部21aには、例えば、1画素を構成する一又は二以上のフォトダイオード(PD)が使用される。
受光部21aに隣接した所定の位置には、撮影部21bが配置され、光情報提供用の送信装置100が設けられた情報提供場所の映像を撮影するように操作される。受光部21aは、撮影部21bが設けられた同一パネル面に備えられる。撮影部21bにはCCD撮像素子アレイが使用される。CCD撮像素子アレイは、マトリクス状に配置された複数の受光素子を有している。
上述の撮影部21bの受光素子の一部又は全部が受光部21aの受光素子として兼用される。撮影部21bの受光素子の全部を受光部21aの受光素子として使用する場合は、図中破線で示すように受光部21が一体化される。この例では、可視光データ受信機能付きのデジタルカメラ200の構成を分かりやすく説明するために、受光部21aと撮影部21bとが区分され、個々に制御される場合について説明する。
受光部21a及び撮影部21bには信号処理部22(図6参照)が接続され、受光部21aによって変換された電気信号から復元されたコンテンツデータD1と、撮影部21bによって撮影された情報提供場所の映像を再生するための画像データD2とを対応付けるように処理する。この処理にはデータ加工処理やそのデータ保存処理が含まれる。例えば、有用情報が映画封切り予告等である場合、映画シーンの一部を示す動画情報の伸張処理や、データ格納時の圧縮処理等が含まれる。このような処理は、情報利用者が後日、撮影画像とコンテンツデータD1(付加情報)とを連動させて利用し易くするためである。
操作/表示部23は設定部の機能を構成する。操作/表示部23には、液晶表示パネルとタッチパネルとを組み合わせたものが使用される。この例で撮影部21bに電源を供給して映像を撮影する動作を撮影モードとしたとき、操作/表示部23は、撮影モードを設定及び解除するように操作される。制御部203は、操作/表示部23が操作されて撮影モードが設定された場合に、撮影部21b、受光部21a及びデータ復調部201に電源を供給する。操作/表示部23が操作されて撮影モードが解除された場合は、撮影部21b、受光部21a及びデータ復調部201への電源供給を停止する。
このような電源制御を実行することよって、撮影モードに設定されている間、可視光受信を行い、その他の処理モード(例えば、再生モード)には、可視光受信機能を停止できるようになる。従って、可視光受信処理にかかる消費電力を低減できるようになる。
信号処理部22にはUSB・I/Oインターフェース部24が接続される。USB・I/Oインターフェース部24は、USB規格のインターフェース機能を有しており、外部機器からメモリ部25に保存された各種データを読み書きできるようになっている。なお、USB・インターフェース24は、それに代わる他のI/Oインターフェースでもよく、また、無線/有線方式を問わないものである。
信号処理部22には接続されたメモリ部25には、送信装置100が設けられた情報提供場所の映像を撮影して得られる画像データD2と、受光及び復元によって得られたコンテンツデータD1とを対応付けて格納及び保存するようになされる。メモリ部25には、EEPROMやハードディスク装置等の不揮発性メモリが使用される。このような光情報提供用の送信装置100と、可視光データ受信機能付きのデジタルカメラ200とで、可視光データ提供システム1を構成することにより、新しいコンテンツ配信サービスを提供できるようになった。
図2は、送信装置100のメモリ部14におけるメモリマップ例を示す構成図である。図2に示すメモリマップ例によれば、メモリ部14を構成するメモリ領域が複数に分割され、その第1のメモリ領域41にはコンテンツデータD1に係る先頭アドレスの記述領域が割り当てられ、先頭アドレスには、例えば、ファイルの番号が格納(記述)される。
第2のメモリ領域42には、属性コードの記述領域が割り当てられ、当該ファイルの属性コードが格納(記述)される。メモリ領域42に格納される属性コードについては、例えば、テキストファイルは「#1」、MP3ファイルは「#2」、というように定義され、送信装置100とカメラ200の間で一意に約束するように取り扱われる。
第3のメモリ領域43には、ファイルの長さ(length)の記述領域が割り当てられ、当該ファイルのファイルの長さが格納(記述)される。第4のメモリ領域44には、データ記述領域が割り当てられ、メモリ領域43で明示されたファイルの長さと同じ長さのデータが格納(記述)される。メモリ部14に複数のファイルが保存される場合は、以後、同様にしてファイル番号、属性コード、ファイル長さ、データが順次格納される。
この例で送信装置100は、送信タイミングが到来すると、メモリ部14からコンテンツデータD1(有用情報)を読み出し、通信制御部11でフレーム化するようになされる。送信タイミングは時限管理される。例えば、LED看板が駅舎や、道路等の屋外に配置され、日照時間と関連する場合は、日没後から夜明けに至るまでの期間、定期的に送信フレームFx(x=1,2,3,・・・)を作成するようになされる。LED看板が地下道や建物等の屋内に配置され、日照時間と関連しない場合は、人の出入り時間をタイマー設定して、定期的に送信フレームFxを作成するようにするとよい。
図3は、送信装置100における送信フレームFxの構成例を示す図である。図4は、ヘッダ部53の構成例を補足する図である。図3に示す送信フレームFxは通信制御装置11によって作成され、その内容は、プリアンブル51、ユニークワード52、ヘッダ部53、ヘッダ誤り検出符号54、データ部55及びデータ誤り検出符号56から構成される。プリアンブル51及びユニークワード52は、受信装置200が送信フレームFxの検出を行うために用いられる。データ部55には可視光データとなるコンテンツデータD1が記述される。
ヘッダ部53は、図4に示すように送信装置ID31、送信シーケンス番号32、フラグメントON/OFFビット33、フラグメント番号34、フラグメント終了フラグ35、送信フレームFx長36、属性コード37から構成される。送信装置ID31は送信装置100に割り当てられた固有のIDであり、送信シーケンス番号32は送信装置100がメモリ部14に保有するファイル毎に付加されたファイル番号である。
フラグメントon/offビット33は、1つのファイルを複数の送信フレームFxに断片的に分割して送信するか、又は、当該送信フレームFxを分割しないで送信するかを表すビットである。例えば、送信フレームFxを分割する場合は「1」、送信フレームFxを分割しない場合は「0」にセット(記述)する。フラグメント番号34はフラグメント(fragmentation) を行う場合に使用され、フラグメント番号34は送信フレームFx毎にインクリメントするようになされる。
また、送信フレームFxがフラグメント(分割)されたコンテンツデータD1を格納した最後のフレームである場合には、フラグメントの終了を示すフラグメント終了フラグを「1」にセットするようになされる。送信フレーム長36は図3に示した送信するデータ部55の長さを表す。属性コード37には図2に示したメモリ部14の第2のメモリ領域42に格納されている属性コードが使用される。
図5は、送信装置100による送信フレームFxの送出例を示すタイムチャートである。図5に示す送信フレームFxの送出例によれば、その一例として、メモリ部14に2つのファイル(1)、ファイル(2)が格納されている場合を挙げている。送信装置100は最初の送信タイミング、この例では、時刻t1からt2の期間で、メモリ部14からファイル(1)を読み出し、前述のように送信フレームF1(x=1)を構成し、送信フレームF1に基づいて発光部13の光源を変調して可視光データD1を送出する。
次の送信タイミング、この例では、時刻t3からt4の期間で、メモリ部14からファイル(2)を読み出す。時刻t2からt3の期間はデータ処理のためのフレーム非送出期間である。このファイル(2)をフラグメントして、2つのフレーム(2−1)と、フレーム(2−2)とに分けて送信する場合、ファイル(2)の1つ目のフレーム(2−1)は、フラグメントon/offビットを「1」、フラグメント番号を「1」、フラグメント終了フラグを「0」として送信フレームF21を構成し、光源を変調して可視光データを送出する。
ファイル(2)の2つ目のフレーム(2−2)は、フラグメントon/offビットを「1」、フラグメント番号を「2」、フラグメント終了フラグを「1」として送信フレームF22を構成し、光源を変調して可視光データを送出する。以後、送信装置100では、送信タイミングが到来すると、再度、ファイル(1)及びファイル(2)の送出処理を順次繰り返すようになされる。
図6は、可視光データ受信機能付きのデジタルカメラ200の内部構成例を示すブロック図である。図6に示すデジタルカメラ200は、可視光データを受信する機能を有しており、情報提供場所の送信装置100から光で提供される可視光データ(コンテンツデータD1)を情報処理するものである。デジタルカメラ200は信号処理部22を有しており、受光部21aによって変換された電気信号Sinから復元された受信データDinに含まれるコンテンツデータD1と、撮影部21bによって撮影された情報提供場所の映像を再生するための画像データD2とを対応付けて保存するように処理する。
例えば、信号処理部22は、データバス204、データ復調部201、画像処理部202、制御部203及びシステムバス204を有して構成される。システムバス204にはUSB・I/Oインターフェース24、メモリ部25、画像処理部202及び制御部203が接続される。USB・I/Oインターフェース24には操作/表示部23や、USB端子26、スピーカー24a等が接続される。
操作/表示部23は、機能設定モード、撮影モード、再生モードを切り替えるように操作される。機能設定モードとはデジタルカメラ200の機能を設定する動作をいい、設定を変更するモードも含まれる。撮影モードとは被写体を撮影する動作をいう。再生モードとは、メモリ部25に格納されたコンテンツデータD1や画像データD2を再生する動作をいう。
画像処理部202は撮影部21bに接続され、当該撮影部21bの出力信号Pinを画像処理して情報提供場所の映像をモニタ又は再生するための画像データD2(画像ファイルとなる)を出力する。撮影部21bから得られた映像は、操作/表示部23にモニタ表示される。画像処理部202には図示しない画像バッファが設けられ、シャッター操作に基づく画像データD2を1画面(静止画)単位に一時格納するようになされる。
画像処理部202には、情報復元部の機能を構成するデータ復調部201が接続され、受光部21aによって変換された電気信号Sinから受信データDin(コンテンツデータD1)を復元するようになされる。データ復調部201にはデコーダが使用される。データ復調部201には図示しないフレームバッファが設けられ、受信した受信データDin=コンテンツデータD1を1フレーム単位に一時格納するようになされる。また、データ復調部201は受信データDinの中にコンテンツデータD1が有るか無いかを操作/表示部23に表示する機能を有している。
この例で、データ復調部201のフレームバッファに一時的に格納されているコンテンツデータD1において、可視光受信ファイルとして成立しているものが複数ある場合は、その全てをメモリ部25に保存するようになされる。例えば、図5に示した送信フレームF22を受信した後、すなわち、データ復調部201にファイル(1)とファイル(2)とがバッファされた状態で、撮影ボタンの一例を構成するシャッターボタン23aが押下された場合が想定される。この場合、ファイル(1)の属性コード37がテキスト、ファイル(2)の属性コード37がMP3であったとすると、「DSC0001−1.txt」、「DSC0001−2.mp3」というようにファイル名が決定される。
一方、図5に示した送信レームF21を受信した後、すなわち、データ復調部201にファイル(1)とファイル(2)の途中までが、フレームバッファに格納された状態で、シャッターボタン23aが押下された場合が想定される。この場合は、ファイル(1)については、上述と同様の手順で命名されてメモリ部25に保存されるが、ファイル(2)には未転送のデータがあり、ファイルとして不完全であるため、データ復調部201は、引き続き可視光受信を行う。そして、ユーザが受光部21aの向きを送信装置100から、外さないように、操作/表示部23を介して、あるいは、スピーカー24aを介して音声等で注意を喚起するようになされる。
制御部203は操作/表示部23からモード設定の情報を受けて画像処理部202やデータ復調部201、撮像部21b、受光部21aの入出力を制御する機能を有する。例えば、制御部203は、画像処理部202から出力される画像データD2とデータ復調部201によって復元されたコンテンツデータD1とを対応付けるようにデータ復調部201及び画像処理部202を制御する。
制御部203には図示しないCPUや、RAM及びROMが使用される。撮影モードにおいて、制御部203は、操作/表示部23のシャッターボタン23aが押下されると、ボタン押下時に撮影部21bで取得されている画像データD2を画像処理部202に画像処理させ、画像ファイルとしてメモリ部25に保存する。このとき、画像ファイルのファイル名は、例えば、「DSC0001.jpg」となされ、以後、シャッターボタン23aの押下によって保存が行われる毎に「DSC0002.jpg」、「DSC0003.jpg」・・・というように、同一名称のファイルが生成されないようにファイル名が決定される。
また、撮影モード時に、制御部203は、受光部21a及びデータ復調部201がコンテンツデータD1を1フレーム単位に取得する処理を完了したか否かを監視する。例えば、制御部203は、受光部21aがコンテンツデータD1を受信している状態か、受光部21aによる受信が完了した状態か否かを示すステータス情報を操作/表示部23に通知するようになされる。
この例で、データ復調部201はコンテンツデータD1をフレーム単位に受信して処理する。データ復調部201は、受信したコンテンツデータD1を一時的にフレームバッファに格納し、また、受信データDinの有無を操作/表示部23に表示する機能を有している。例えば、データ復調部201が1フレーム分のコンテンツデータD1を取得したとき、制御部203は光情報取得完了に関する通知処理を実行する。
制御部203からステータス情報の通知を受けた操作/表示部23は、コンテンツデータD1受信中、赤色点滅を表示したり、その完了後に緑色点灯に移行するような表示を実行する。このようにすると、カメラ操作者(ユーザ)に対して可視光受信におけるステータス情報を知らせることができ、この情報に基づいて、デジタルカメラ200を対象物に向け続ける必要があるか否かをユーザに判断させることができる。
この例で、撮影モード時、ユーザが被写体を変えた場合、データ復調部201にバッファされている既に受信したコンテンツデータD1と、ユーザがこれから得ようとする画像データD2との関係性が無くなる。従って、この場合、制御部203はデータ復調部201にバッファされている既に受信したコンテンツデータD1をクリア(破棄)するようになされる。そして、被写体が変化したことによってコンテンツデータD1がクリアされたことを、操作/表示部23を介してあるいは音声などの手段を用いてユーザに通知するようになされる。
この例で操作/表示部23にはシャッターボタン23a(撮影ボタン)が備えられ、所定の操作に基づいて制御部203に対して映像取り込み用のシャッター指示情報を出力するようになされる。例えば、撮影モード設定時に、シャッターボタン23aを操作してシャッター指示情報を制御部203に出力すると、制御部203は、送信装置100が設けられた情報提供場所の映像を撮影して得られた画像データD2と、データ復調部201から得られたコンテンツデータD1とを対応付けてメモリ部25に保存する。このようにすると、撮影画像とコンテンツデータD1とを同時に収集でき、後日、メモリ部25に保存された電子情報内容を繰り返し視聴できるようになる。
制御部203にはROM213が設けられ、情報提供場所の送信装置100から光で提供されるコンテンツデータD1を処理するコンピュータが読取り可能なプログラムが記述されている。その記述内容は、情報提供場所の送信装置100から発せられる宣伝広告情報に基づく光を受光して電気信号に変換するステップと、変換後の電気信号からコンテンツデータD1を復元するステップと、送信装置100が設けられた情報提供場所の映像を撮影するステップと、撮影により得られた映像を再生するための画像データD2と、受光及び復元により得られたコンテンツデータD1とを対応付けて保存するステップとを有している。
この制御部203のROM213に記述されたプログラムによれば、光に変換されたコンテンツデータD1を処理する場合に、当該プログラムを本発明に係る可視光データ受信機能付きのデジタルカメラ200に適用することで、店舗、劇場、興行場、交通機関等に関するコンテンツデータD1をキーにして当該コンテンツデータD1を取得した場所の映像を再現性良く再生したり、コンテンツデータD1を取得した場所の映像をキーにして、コンテンツデータD1の内容を再現性良く音や文字に再生できるようになる。上述のプログラムはROM213に限られることはなく、外部からメモリ部25へインストールする形態であってもよい。このようにすると、プログラムの書き換えが自在にできるようになる。
なお、音声や音楽(音情報)は、USB・I/Oインターフェース24に接続されたスピーカー24aから出力され、映像は操作/表示部23に表示される。もちろん、USB端子に外部装置を接続して、外部装置でコンテンツデータD1及び画像データD2を再生するようにしてもよい。
図7は、デジタルカメラ200におけるリストファイル例を示す概念図である。図7に示すメモリ部25にはリストファイルが保存される。リストファイルは、受光部21aからデータ復調部201を介して得られたコンテンツデータD1と、撮影部21bにより得られた映像を再生するための画像データD2とを対応付けたものである。
この例では、撮影モードにおいて、シャッターボタン23aが押下され、画像ファイルと、可視光受信ファイルとがメモリ部25に保存されるタイミングで、画像ファイル名と可視光受信ファイル名がリストファイルに書き込まれる。これにより、画像ファイルとそれに関連する可視光受信ファイルとをリスト化したリストファイルを作成できるようになる。
再生モードでは、画像ファイルが操作/表示部23に表示されると同時に、制御部203は、このリストファイルを参照し、表示中の画像ファイルに関連するファイルがあるかを検索され、関連ファイルの有無を操作/表示部23に表示してユーザに知らせるようになされる。
メモリ部25に表示中の画像ファイルに関連する可視光受信ファイルがあるか否かを検索する手段としては、例えば、再生モードがデジタルカメラ200に設定されると、制御部203は、メモリ部25に保存されている画像ファイルを読み出し、画像処理部202に画像処理させ、操作/表示部23に画像データD2に基づく映像を表示するようになされる。
このとき、メモリ部25に、表示中の画像ファイルに関連する可視光受信ファイル(コンテンツデータD1)があるか検索する。例えば、表示中の画像ファイルが「DSC0001.jpg」である場合、「DSC0001*.*(*はワイルドカード)」という名称の可視光受信ファイルがあるか否を検索し、可視光受信ファイルが存在する場合は、表示中の画像ファイルに関連するコンテンツデータD1が存在することを操作/表示部23でユーザに知らせることができる。
続いて、本発明に係る光情報処理方法についてデジタルカメラ200の動作例を説明する。図8及び図9は、デジタルカメラ200の動作例(その1、2)を示すフローチャートである。
この例では、情報提供場所に設けられた送信装置100から光で提供されるコンテンツデータD1を処理する場合を前提とし、機能設定モード及び再生モードは、撮影モード以外のモードに含まれ、撮影モードと撮影モード以外のモードを設定する場合について説明する。ステップST3〜ステップST7の受信処理に並行してステップST8で映像を取り込み、操作/表示部23に送信装置100が設けられた情報提供場所の映像を表示する。
万一、ユーザが撮影部21bの向きを送信装置100から外してしまい、可視光受信ファイルを正常に格納完了できなかった場合は、操作/表示部23を介して、あるいは、音声などの手段を用いてコンテンツデータD1の受信処理に失敗した旨をユーザに知らせ、一時的にバッファしていた受信データDinをクリアするようになされる。
これらを動作条件にして、図8に示すフローチャートのステップST1でモードを設定する。モードは操作/表示部23を操作して設定される。例えば、操作/表示部23を操作して、撮影モード又は撮影モード以外のモードを切り替えるように操作される。撮影モード以外のモードには、機能設定モードや再生モード等が含まれる。その後、ユーザは、デジタルカメラ200を持って、送信装置100が設けられた情報提供場所に向けて映像を撮影する。
ステップST2で制御部203はモード設定処理に基づいて制御を分岐する。先のステップST1で撮影モードが設定されている場合は、ステップST3に制御を分岐して可視光データの受信処理を実行する。このとき、制御部203は受光部21a及び画像処理部202をアクティブにすると同時に、データ復調部201もアクティブにして可視光データ(受信データDin→コンテンツデータD1)の受信を開始する。受光部21aでは情報提供場所に設けられた送信装置100から発せられる宣伝広告情報に基づく可視光500を受光して、可視光500を電気信号Sinに変換する。変換後の電気信号Sinは、データ復調部201に出力される(可視光受信処理)。
この可視光受信処理に並行して、ステップST8で制御部203は撮影部21bをアクティブにして画像データD2の取得を開始し、送信装置100が設けられた情報提供場所の映像を取り込み、操作/表示部23に情報提供場所の映像を表示する。このとき、マトリクス状の撮像素子アレイを有した撮影部21bでは送信装置100が設けられた情報提供場所の映像を撮影して、映像を再生するための画像信号Pinに変換する。変換後の出力信号Pinは画像処理部202に出力される。画像処理部202は撮影部21bから出力される画像信号Pinを画像処理し、画像データD2を操作/表示部23に転送する。
次に、ステップST4でデータ復調部201は受信データDinの中からコンテンツデータD1を検出する。コンテンツデータD1が検出された場合は、操作/表示部23でコンテンツデータD1の有無を表すマークを点灯する。コンテンツデータD1が検出されない場合は、ステップST3に戻って可視光受信処理を継続する。受光した光を電気信号Sinに変換してコンテンツデータD1を復元する。コンテンツデータD1が検出された場合は、ステップST5に移行して1フレーム分のコンテンツデータD1を受信するまで可視光受信処理を続ける。
次に、ステップST6に移行して、受信データDin=コンテンツデータD1のフレームが既に受信済みのフレームか、又は、新規フレームかを判定する。受信データDin=コンテンツデータD1のフレームが新規フレームでない場合は、その受信データDin=コンテンツデータD1のフレームを破棄する。その後、再び、ステップST3に戻って可視光受信処理を継続し、ステップST4で受信データDinの中からコンテンツデータD1を検出する。
受信データDin=コンテンツデータD1のフレームが新規フレームである場合は、ステップST7に移行してデータ復調部201は、受信データDin=コンテンツデータD1の1フレームを可視光受信ファイルとしてフレームバッファに一時格納する。このとき、可視光受信ファイルが格納完了したことを操作/表示部23を介して、あるいは、音声などをスピーカー24aに出力してユーザに知らせるようになされる。
その後、図9に示すステップST9で被写体に撮影する画枠が変化したかを判別する。このとき、ユーザが受光部21aの向きを変え、撮影対象を変化させた場合、データ復調部201は画枠変を検知して制御部203に通知する。この際のユーザが被写体を変えたかどうかを判断する手段としては、制御部203でΔt時刻前に撮影していた画像データD2と、現在撮影(受光)している画像データD2の相関性を演算したり、あるいは、ジャイロスコープを用いてデジタルカメラ200の動きを計測するなどの手段を用いるとよい。
被写体を撮影する画枠が変化した場合は、ステップST14に移行してデータ復調部201はフレームバッファ内に可視光受信ファイルとして一時格納していた受信データDinをクリアする。その後、ステップST15に移行してモード解除判別処理を実行する。モード設定が解除されていない場合は、ステップST3に戻って可視光受信処理を継続し、再び、ステップST4で受信データDinの中からコンテンツデータD1を検出する。
ステップST9で画枠が変化しない場合は、ステップST10に移行して操作/表示部23のシャッターボタン23aを押下されたか否かを判別する。この際の判別は、シャッターボタン23aに係合されたスイッチのオン/オフによる電圧を検出することで行われる。シャッターボタン23aが押下された場合は、ステップST11に移行して、送信装置100が設けられた情報提供場所の映像を再生するための画像データD2を画像ファイルとして画像バッファに格納する。例えば、制御部203は、シャッターボタン23a押下時に撮影部21から出力されていた画像信号Pinを画像処理部202に画像処理させ、画像ファイルとして画像処理部202の図示しない画像バッファ内に、又は、画像バッファ領域として割り当てられたメモリ部25のバッファ領域に保存する。
その後、ステップST12に移行してデータ復調部201のフレームバッファに一時格納された受信データDin=コンテンツデータD1が有るか否かを判別する。この際の判別は、図3及び図4に示した送信フレームFxのヘッダ部53の記述内容をチェックすることで行われる。
フレームバッファに受信データDin=コンテンツデータD1が有る場合は、ステップST13に移行して、これらのコンテンツデータD1と画像データD2とを対応付けてメモリ部25に転送し保存する。このとき、フレームバッファに一時的に格納されているコンテンツデータD1で、ファイルとして成立しているものがある場合は、これもメモリ部25に保存するようになされる。
メモリ部25に保存される可視光受信ファイルは、先の画像ファイルのファイル名の拡張子jpgを変更したもので、可視光受信フレームの属性コード37からファイルの拡張子を決定するようになされる。例えば、シャッターボタン押下時に保存した画像ファイルのファイル名が「DSC0001.jpg」で可視光受信ファイルの属性コード37がテキストファイルを表す場合、可視光受信ファイルは「DSC0001.txt」となる(図7参照)。これにより、撮影部21bにより得られた映像を再生するための画像データD2と受光部21aからデータ復調部201を介して得られたコンテンツデータD1とを対応付けてメモリ部25に保存できるようになる。
そして、再び、上述のステップST15のモード解除判別処理に移行して、モードが解除されない場合は、ステップST3に戻って、上述の可視光受信処理を継続し、再び、ステップST4で受信データDinの中からコンテンツデータD1を検出する。
また、ステップST12でフレームバッファに受信データDin=コンテンツデータD1が無い場合は、ステップST16に移行して、画像バッファに一時格納されている撮影対象の画像データD2のみをメモリ部25へ転送し保存する。その後、上述のステップST15のモード解除判別処理に移行して、モードが解除されない場合は、ステップST3に戻って、上述の可視光受信処理を継続し、再び、ステップST4で受信データDinの中からコンテンツデータD1を検出する処理を繰り返すようになされる。
なお、一時的にバッファしている受信データDin=コンテンツデータD1がある状態で、デジタルカメラ200が撮影モードから当該撮影モード以外の他のモードへ切り替えられる場合が想定され、ステップST10でシャッターボタン23aが押下されることなく、他のモードが設定される場合がある。
この場合は、ステップST17に移行して他のモードが設定されたかを判別する。他のモードが設定されない場合は、ステップST15に移行する。ステップST17で他のモードが設定された場合は、ステップST18に移行して、データ復調部201は一時的に記憶しているフレームバッファ内の受信データDinをクリア(廃棄)する。そして、モード切り替えによって受信データDinがクリアされたことを、操作/表示部23を介して、あるいは、音声などの手段を用いてユーザに通知する。
また、上述のステップST1で他の処理モードが設定され、ステップST2で制御を他の処理モードに分岐した場合や、ステップST18でデータ復調部201によってフレームバッファ内の受信データDinがクリアされた後は、ステップST19に移行して撮影モード以外の他の処理モードを実行する。例えば、再生モードが制御部203に設定された場合である。この場合、制御部203は、画像ファイルを操作/表示部23に表示するように制御する。このとき、制御部203はメモリ部25に保存されている画像ファイルを読み出し、画像処理部202に画像処理させ、操作/表示部23に画像データD2を転送する。
これと同時に、このリストファイルを参照し、表示中の画像ファイルに関連するファイルがあるか否かを検索し、関連ファイルの有無を操作/表示部23に表示する。ユーザはこの表示に基づいて関連ファイルの有無を確認できるようになる。なお、他の処理モードを実行するときは、制御部203は可視光受信機能を停止する。これは、可視光受信処理にかかる消費電力を低減するためである。その後、ステップST20に移行する。
上述のステップST15でモードが解除された場合や、他の処理モードを実行した後は、ステップST20に移行して終了を判別する。例えば、制御部203は当該デジタルカメラ200の電源オフ情報を検出する。電源オフ情報が検出された場合は、可視光受信処理を含む撮影処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップST1に戻って上述した可視光受信処理を含む撮影処理を継続するようになされる。
このように実施形態としての可視光データ提供システム1及び光情報提供方法によれば、光に変換されたコンテンツデータD1を処理する場合、光情報提供用の送信装置100及び可視光データ受信機能付きのデジタルカメラ200を備え、当該デジタルカメラ200は、情報提供場所の送信装置100から発せられる宣伝広告情報に基づく光を受光して電気信号Sinに変換し、変換後の電気信号Sinから受信データDin=コンテンツデータD1を復元すると共に、当該送信装置100が設けられた情報提供場所の映像を撮影して得られる画像データD2と受光及び復元によって得られたコンテンツデータD1とを対応付けてメモリ部25に保存するようになされる。
従って、店舗、劇場、興行場、交通機関等に関するコンテンツデータD1をキーにして当該コンテンツデータD1を取得した情報提供場所の映像を再生したり、コンテンツデータD1を取得した情報提供場所の映像をキーにして、コンテンツデータD1の内容を音や文字に再生できるようになる。これにより、出先にて取得した店舗、劇場、興行場、交通機関等に関連するコンテンツデータD1を自宅等で目と耳で同時に繰り返し視聴できるようになる。
この例ではメモリ部25に関して、カメラ内蔵形態について説明したが、これに限られることはなく、デジタルカメラ200から着脱可能なメモリカード形式(形態)のものであってもよい。
更に、画像データD2とコンテンツデータD1とを対応付け処理に関しては、デジタルカメラ200内に保存されたコンテンツデータD1と画像データD2とを所望のアプリケーションプログラムによって関連付けるデータ加工処理機能を付加しても良い。例えば、取得したコンテンツデータD1がWEBアドレスhttp://www.○○○であった場合である。この場合のアプリケーションプログラムには、HTMLのハイパーリンクを利用して画像データD2のリンク先をhttp://www.○○○に指定するようなデータを含めるとよい。
また、デジタルカメラ200がインターネットへの接続機能を有するならば、ユーザが画像データD2をクリックしたことをきっかけにして、インターネットへ接続し、リンク先の付加情報を取得できるようにしてもよい。
なお、アプリケーションプログラムはパーソナルコンピュータ(PC)等の外部機器上で動作させてもよく、デジタルカメラ200に保存されたコンテンツデータD1、画像データD2は、USB・I/Oインターフェース24やUSB端子26等を介してPC等の外部機器へコピーあるいは移動するように使用してもよい。また、他の処理モードを実行するときは、制御部203が可視光受信機能を停止するようにしたので、可視光受信処理にかかる消費電力を低減できるようになった。
撮影モード時に、受信データDin=コンテンツデータD1の受信中か、又はDin=D1完了か否かを通知する機能を備えたので、ユーザに可視光受信処理のステータス情報を通知できるようになった。ユーザはこの通知に基づいてデジタルカメラ200を対象物に向け続ける必要があるか否かを容易に判断できるようになった。更に、撮影モード時、シャッターボタン23aを押下すると、画像データD2と共にその前後で受信したコンテンツデータD1を保存する機能を備えたので、撮影映像とその付加情報を同時かつ容易に収集しメモリ部25に保存できるようになった。
1・・・可視光データ提供システム(光情報処理システム)、11・・・通信制御装置、12・・・変調部、13・・・発光部、14,25・・・メモリ部、21,21a・・・受光部、21b・・・撮影部、22・・・信号処理部、23・・・操作/表示部(設定部)、23a・・・シャッターボタン、24・・・USB・I/Oインターフェース、26・・・USB端子、100・・・送信装置(光情報提供源)、200・・・デジタルカメラ(端末装置)、201・・・データ復調部(情報復元部)、202・・・画像処理部、203・・・制御部、204・・・システムバス、213・・・ROM(記録媒体)