JP2008256123A - 運動変換機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な機構で不等速に回動する歯車の回転運動を揺動運動に変換する運動変換機構を提供を提供する。
【解決手段】運動変換装機構は、揺動自在に支持された可動板30と、可動板30を所定の角度範囲内で往復するように揺動させる伝達機構とを備え、伝達機構は、等速回動する駆動歯車10と、駆動歯車10と噛合して不等速回動すると共に可動板30に設けられた長溝32に遊嵌挿入し回転軸22より偏心した位置に設けられた駆動ピン24を備えた従動歯車20とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、運動変換機構に関する。
従来から、回動を揺動に変換する運動変換機構が知られている。このような機構は、例えばからくり時計の装飾体を駆動させるために用いられる。特許文献1にはこのような機構が開示されており、等速に回動する歯車の回動中心から偏心した位置に駆動ピンを設け、この駆動ピンに、揺動自在に支持された可動部材に形成された係合溝に遊嵌挿入させる構成となっている。このような構成により、可動部材は、移動方向によってその速度差が生じる。
特開2000−126471号公報
しかしながら、このような運動変換機構では、可動部材の速度差を小さくし、略一定の速度で揺動させたいと欲しても、そのような動作をさせることは機構上不可能であり、そうした動作をさせるためには、モータ等の駆動制御方法を工夫したり、何らかの機構を追加する必要があった。また、速度差を更に大きくするためには、歯車の大きさを大きくし、駆動ピンの回転中心に対する偏心量を大きくする必要がある。
従って、従来の運動変換機構を採用した場合、意外性に欠け、面白みのある揺動駆動を行うことが困難であった。また、歯車を駆動するためのモータ等を制御して、歯車の回動速度を変化させることにより、面白みのある揺動を実現することも可能ではあるが、モータの駆動制御が複雑であり、コストの増大につながる。
そこで、本発明は、簡易な機構で不等速に回動する歯車の回転運動を揺動運動に変換する運動変換機構を提供することを目的とする。
上記目的は、揺動自在に支持された可動部材と、前記可動部材を所定の角度範囲内で往復するように揺動させる伝達機構とを備え、前記伝達機構は、等速回動する駆動歯車と、前記駆動歯車と噛合して不等速回動すると共に前記可動部材に設けられた係合溝に遊嵌挿入し回転中心より偏心した位置に設けられた駆動ピンを備えた従動歯車とを含む、ことを特徴とする運動変換機構によって達成できる。
このような構成により、不等速に回動する従動歯車の回動を揺動に変換することができる。
上記構成において、前記駆動歯車及び従動歯車は、それぞれ偏心円形歯車であり、前記駆動ピンは、前記従動歯車の偏心方向に直交し前記従動歯車の回転中心を通過する直線により隔てられる領域の前記従動歯車の中心が含まれる領域側に形成され、前記可動部材の揺動支点の位置は、前記駆動歯車及び従動歯車の回転中心を結ぶ直線上にある、構成を採用できる。
このような構成により、可動部材の揺動の上死点から下死点に至るまでの時間と、下死点から上死点に至るまでの時間との差を抑制できる。
また、上記構成において、前記駆動歯車及び従動歯車は、それぞれ偏心円形歯車であり、前記駆動ピンは、前記従動歯車の偏心方向に直交し前記従動歯車の回転中心を通過する直線により隔てられる領域の前記従動歯車の中心が含まれる領域側に形成され、前記可動部材の揺動支点の位置は、前記駆動歯車及び従動歯車の回転中心を結ぶ直線に直交し、前記従動歯車の回転中心を通る直線により隔てられる領域における前記駆動歯車の回転中心が含まれる領域側であって、且つ前記直線を中心として、前記可動部材が所定の角度範囲内で往復する際の往路の時間と復路の時間との時間差が、所定の許容範囲内に収まる領域内にある、構成を採用できる。
このような構成によっても、可動部材の揺動の上死点から下死点に至るまでの時間と、下死点から上死点に至るまでの時間との差を抑制できる。
また、上記構成において、前記駆動歯車及び従動歯車は、それぞれ偏心円形歯車であり、前記駆動ピンは、前記従動歯車の偏心方向に直交し前記従動歯車の回転中心を通過する直線により隔てられる領域の前記従動歯車の中心が含まれる領域側に形成され、前記可動部材の揺動支点の位置は、前記駆動歯車及び従動歯車の回転中心を結ぶ直線の延長線上であり、前記駆動歯車の回転中心よりも、前記従動歯車の回転中心に近い位置にある、構成を採用できる。
このような構成により、可動部材の揺動の上死点から下死点に至るまでの時間と、下死点から上死点に至るまでの時間との差を、大きくすることができる。
また、上記構成において、前記駆動歯車及び従動歯車は、それぞれ偏心円形歯車であり、前記駆動ピンは、前記従動歯車の偏心方向に直交し前記従動歯車の回転中心を通過する直線により隔てられる領域の前記従動歯車の中心が含まれる領域側に形成され、前記可動部材の揺動支点の位置は、前記駆動歯車及び従動歯車の回転中心を結ぶ直線に直交し、前記従動歯車の回転中心を通る直線によって隔てられた領域の前記駆動歯車の中心が含まれない領域側であって、且つ前記直線を中心として、前記可動部材が所定の範囲内で往復する際の往路の時間と復路の時間との時間差が、所定の許容範囲内に収まる領域内にある、構成を採用できる。
このような構成によっても、可動部材の揺動の上死点から下死点に至るまでの時間と、下死点から上死点に至るまでの時間との差を、大きくすることができる。
本発明によれば、簡易な機構で不等速に回動する歯車の回転運動を揺動運動に変換する運動変換機構を提供できる。
以下、本発明に係る運動変換機構の複数の実施例について図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係る運動変換機構の説明図である。
図1に示すように、運動変換機構は、駆動歯車10、従動歯車20、可動板30などから構成される。
駆動歯車10及び従動歯車20は、円形に形成された偏心歯車である。なお、本実施例において駆動歯車10のピッチ円直径PCD1と従動歯車20のピッチ円直径PCD2とは同一の値である。
駆動歯車10は、歯部11、回転軸12などを有している。回転軸12は、歯車中心13aから偏心した位置に形成されている。回転軸12は、不図示のモータから駆動が伝達される。駆動歯車10は、等速で回動する。
従動歯車20は、歯部21、回転軸22、駆動ピン24などを有している。回転軸22は、歯車中心23aから偏心した位置に形成されている。歯部11と歯部21とが噛合することによって、駆動歯車10の回動が従動歯車20へ伝達される。従動歯車20は、駆動歯車10と異なり、不等速に回動する。尚、回転軸12及び回転軸22の偏心量は、偏心量eで表され、同一の値である。
駆動ピン24は、回転軸22に対して軸間距離L4だけ偏心した位置に突設されている。詳細には、駆動ピン24は、従動歯車20の偏心方向に直交し回転軸22の中心を通過する直線により隔てられる領域の、歯車中心23aが含まれる領域側に形成され、歯車中心23aと回転軸22との間の距離L4aよりも歯車中心23aと駆動ピン24との間の距離L4bの方が遠くなる位置に形成されている。なお軸間距離L4は、図1におけるL4aとL4bとを合計した値である。
尚、回転軸12及び回転軸22との間の距離L1は、駆動歯車10及び従動歯車20の回転によらずに一定であるが、歯車中心13a及び歯車中心23aとの間の距離L5は、駆動歯車10及び従動歯車20の回転により変化する。
可動板30は、係合孔31、長溝32を有している。係合孔31は、可動板30の一端側に形成されており、不図示の固定ピンと係合し揺動自在に支持されている。また、長溝32は、係合孔31が形成された側と反対側の位置に形成されている。長溝32には、駆動ピン24が遊嵌挿入されている。また、係合孔31の中心、即ち、可動板30の揺動支点は、回転軸12及び回転軸22を結ぶ直線上にあり、且つ回転軸12と揺動支点との間の距離L3の方が、揺動支点と回転軸22との間の距離L2よりも近くなる位置に形成されている。
次に、運動変換機構の動作について説明する。
図2は、可動板30が下死点付近に位置するときの運動変換機構の説明図である。
図1に示した状態から、駆動歯車10が反時計方向へ、従動歯車20が時計方向へ回動することにより、可動板30は、下方向に揺動して下死点に至る。尚、係合孔31の中心と駆動ピン24の中心を結ぶ直線と、回転軸22の中心と駆動ピン24の中心とを結ぶ直線とが、直交するときに、可動板30は、下死点または上死点に位置する。
図3は、可動板30が下死点から再び中間点に位置するときの運動変化機構の説明図である。図2に示した状態から、さらに駆動歯車10及び従動歯車20が回動することにより、可動板30は下死点から上方向に揺動して中間点に至る。
図4は、可動板30が上死点付近に位置するときの運動変換機構の説明図である。
図3に示した状態から、さらに駆動歯車10及び従動歯車20が回動することにより、可動板30は、中間点から上方向に揺動して上死点に至る。
その後は、駆動歯車10及び従動歯車20がさらに回動することにより、上死点から再び図1に示した状態へと移行する。
以上のように、駆動歯車10及び従動歯車20は、可動板30を所定の角度範囲内で往復するように揺動させる伝達機構として機能する。
次に、等速に回動する歯車を用いた従来の運動変換機構について説明する。
図5は、従来の運動変換機構の説明図である。従来の運動変換機構は、駆動歯車10x、従動歯車20x、及び可動板30xなどから構成される。
駆動歯車10x及び従動歯車20xは、歯部11x及び歯部21xが噛合することにより、互いに等速に回動する。また、従動歯車20xには、本実施例に係る運動変換機構と同様に、回転軸22xの中心から偏心した位置に駆動ピン24xが形成されており、駆動ピン24xは、可動板30xに形成された長溝32xに遊嵌挿入されている。また、回転軸12x、係合孔31x、回転軸22xのそれぞれの中心は、同一直線上に並ぶように形成されている。従動歯車20xが回動することにより、可動板30xは、上死点及び下死点間を揺動する。
尚、本実施例に係る運動変換機構と、従来の運動変換機構とは、駆動ピン24、駆動ピン24xの偏心量や、歯車の大きさ、歯数、歯車中心13a及び歯車中心23a間の距離と回転軸12xの中心及び回転軸22xの中心間の距離とが同一に形成されている。
また、図5において、上死点及び下死点での可動板30xを想像線で示している。
図6は、本実施例に係る運動変換機構と従来の運動変換機構との、駆動状態を比較したグラフである。図6に示したグラフは、縦軸は、可動板30及び可動板30xの振幅を、横軸は、駆動歯車10及び駆動歯車10xの回転量を示している。また、本実施例に係る運動変換機構を曲線Aとして示し、従来の運動変換機構を曲線Xとして示している。
図6に示すように、回転量0°から見ていくと、曲線Aの方が、曲線Xよりも早く上死点(振幅の最大値)に到達することがわかる。曲線Aは、90°付近で上死点に到達するのに対し、曲線Xは、それよりも遅れて到達している。
一方、下死点には、曲線Xの方が、曲線Aよりも早く到達している。曲線Aは、270°付近で下死点に到達するのに対し、曲線Xは、それよりも早く到達している。
曲線A及び曲線Xの、上死点から下死点に至るまでの駆動歯車10及び駆動歯車10xの回転量それぞれを、A1、X1とすると、回転量X1よりも回転量A1のほうが大きいことがわかる。また、回転量A1は、180°程度であるのに対し、回転量X1は、それよりも少ない値である。
この結果は、回転量A1は180°程度であるので、上死点から下死点に至るまでの駆動歯車10の回転量と、下死点から上死点に至るまでの駆動歯車10の回転量とが略一致することを示している。従って、駆動歯車10が等速で回動している場合、上死点から下死点に至るまでの時間と、下死点から上死点に至るまでの時間とは略同一である。即ち、下死点から上死点に至るまでの従動歯車20の角速度が比較的小さく、上死点から下死点に至るまでの従動歯車20の角速度が比較的大きくなる。従って、本実施例に係る運動変換機構は、上死点及び下死点間の移動の時間差が少ない機構といえる。
これに対し、回転量X1は、180°よりも小さい値であるので、上死点から下死点に至るまでの回転量と、下死点から上死点に至るまでの回転量とは一致しない。このため、駆動歯車10xが等速で回動している場合、上死点から下死点に至るまで時間の方が、下死点から上死点に至るまでの時間よりも速く到達し、上死点及び下死点間の移動時間の差が生じる。
この時間差は、可動板30xの揺動振幅が大きいほど顕著なものとなる。
従って、本実施例に係る運動変換機構では、可動板30の上死点及び下死点間の移動時間差が抑制される。これにより、従来の運動変換機構では達成し得なかった揺動を行うことができる。
以下に本実施例の寸法関係の条件について述べる。駆動歯車10のピッチ円直径PCD1を1とした場合に偏心量eは、およそ0.086×PCD1となる関係にある。次に、揺動支点と回転軸22との間の距離L2は、回転軸12及び回転軸22との間の距離L1を1とした場合、およそ0.688×L1となる関係にある。また、回転軸22と駆動ピン24との軸間距離L4は、揺動支点と回転軸22との間の距離L2を1とした場合、およそ0.348×L2という関係を持つ。
駆動歯車と従動歯車の歯形は、動作に支障をきたさないように互いに適正に調整されており、上記の条件で動作させると可動板30が上死点から下死点へ移動する際に駆動歯車10が回転する角度と、下死点から上死点へ移動する際に駆動歯車10が回転する角度との比は概ね1.02:1となり、ほぼ1:1とみなすことができる。一方、従来の運動変換機構の場合は1.58:1となる。従って本実施例の方が可動板30の上死点及び下死点間の移動時間差を抑制できる。
ところで、可動板30の揺動支点が、回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線上に配置されていない場合、例えば図1において回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線を中心として、図1に示す揺動支点の上側または下側に揺動支点が配置された場合、可動板30の上死点から下死点への移動時間(往路の時間)と、下死点から上死点への移動時間(復路の時間)との差(移動時間差)は、可動板30の揺動支点が、回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線上に配置された場合に比べて大きくなる。
これまで、本実施例における可動板30の上死点と下死点との間の移動時間の差をできるだけ小さくする手段について述べてきたが、移動時間に求められる時間差の小ささの程度は様々な実施形態において運動変換機構に求められる仕様によって異なるものである。つまり仕様によっては、可動板30の上死点、下死点間の移動時間の差は、その運動変換機構に成しうる最小の値ではなくてもよい場合がある。このような場合、可動板30の揺動支点は、回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線上であって、且つその運動変換機構に成しうる最小の時間差を得ることができる位置に無くてもよく、また回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線上に配置されていなくてもよい。
すなわち、可動板30の揺動支点は、可動板30の上死点、下死点間の移動時間差の小ささが許容できる範囲内であれば、回転軸12及び回転軸22を結ぶ直線を中心として上側、または下側に配置されていてもよい。
次に、従来の運動変換機構の他の例について説明する。図7は、従来の運動変換機構の他の例の説明図である。
この運動変換機構は、駆動歯車10y、従動歯車20y、可動板(不図示)、補助板40y、ガイドローラ50yなどから構成される。尚、可動板については省略している。
駆動歯車10y及び従動歯車20yは、歯部11y及び歯部21yが噛合することにより、互いに等速に回動する。また、従動歯車20yは、回転軸23y、偏心軸24yを有している。
補助板40yは、駆動歯車10y及び従動歯車20yよりも上面(図7において紙面手前)に配置されている。補助板40yには、駆動ピン41y、係合孔42yが形成されている。係合孔42yは、偏心軸24yと係合する。駆動ピン41yは、補助板40yよりも上面に配置された可動板(不図示)に設けられた長溝と係合する。回転軸12yの中心と、揺動支点31yと、回転軸23yの中心が直線上に並ぶように設けられている。
また、補助板40yは、その両端と当接するガイドローラ50yによって、上下方向に移動自在に支持されている。従動歯車20yが等速回動することにより、偏心軸24yがカムとして作用し、補助板40yは上下動する。これに伴い、可動板は駆動ピン41yにより揺動する。尚、図7において、上死点及び下死点における駆動ピン41yを想像線で示している。
このような運動変換機構の場合、補助板40yの上死点から下死点に至るまで時間と、下死点から上死点に至るまでの時間とは一致する。従って、駆動ピン41yについても同様である。これにより、可動板についても、上死点から下死点に至るまで時間と、下死点から上死点に至るまでの時間とは一致する。しかしながら、このような運動変換機構では、補助板40yを新たに設ける必要があり、部品点数が増える。
一方、本実施例に係る運動変換機構では、部品点数を増大させる必要がない。従って、簡易な機構で可動板30の上死点及び下死点間の移動時間差を抑制できる。
本実施例に係る運動変換機を、例えばからくり時計の装飾体を駆動するために用いた場合、可動板30の揺動端に装飾体を取り付けることにより、装飾体が略一定の速度で揺動する。
次に、実施例2に係る運動変換機構について説明する。
図8乃至図11は、実施例2に係る運動変換機構の説明図である。
尚、実施例1に係る運動変換機構と同一の構成を示した部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、実施例2に係る運動変換機構は、実施例1に係る運動変換機構と異なり、可動板30の揺動支点が、回転軸12と回転軸22との間から外れた位置に形成されている。詳細には、可動板30の揺動支点は、回転軸12及び回転軸22を結ぶ直線上に位置し、回転軸12と回転軸22との間から外れた位置であって且つ駆動ピン24が回転する領域よりも外側に位置する。従って実施例1とは異なり回転軸22と揺動支点との間の距離L2の方が、回転軸12と揺動支点との間の距離L3より小さく、且つ回転軸22に近い位置に位置する。図8は上死点と下死点の中間に位置するときの実施例2に係る運動変換機構を示している。
次に、実施例2に係る運動変換機構の動作について説明する。
図9は、可動板30が下死点に位置するときの実施例2に係る運動変換機構の説明図である。
図8に示した状態から、駆動歯車10が反時計方向へ、従動歯車20が時計方向へ回動することにより、可動板30は、下方向に揺動して下死点に至る。尚、係合孔31の中心と駆動ピン24の中心を結ぶ直線と、回転軸22の中心と駆動ピン24の中心とを結ぶ直線とが、直交するときに、可動板30は、下死点及び上死点に位置する。
図10は、可動板30が下死点から再び中間点に位置するときの実施例2に係る運動変化機構の説明図である。図9に示した状態から、さらに駆動歯車10及び従動歯車20が回動することにより、可動板30は下死点から上方向に揺動して中間点に至る。
図11は、可動板30が上死点に位置するときの実施例2に係る運動変換機構の説明図である。
図10に示した状態から、さらに駆動歯車10及び従動歯車20が回動することにより、可動板30は、中間点から上方向に揺動して上死点に至る。
その後は、駆動歯車10及び従動歯車20がさらに回動することにより、上死点から再び図8に示した状態へと移行する。
図12は、実施例2に係る運動変換機構と従来の運動変換機構との、駆動状態を比較したグラフである。曲線Bが、実施例2に係る運動変換機構のものを示している。尚、従来の運動変換機構は、図5に示したものと同様である。
図12に示すように、実施例2に係る運動変換機構の上死点から下死点に至るまでの駆動歯車10の回転量B1は、回転量X1よりも小さい。従って、実施例2に係る運動変換機構は、従来のものよりも、上死点及び下死点間の移動の時間差が大きいことを示している。即ち、上死点から下死点に至るまでは比較的短い時間で到達するが、下死点から上死点に至るまでの時間は長くなる。
従って、実施例2に係る運動変換機構は、可動板30の上死点及び下死点間の移動の時間差が大きくなる。従来の運動変換機構のように、等速回転する円形歯車に駆動ピンを設けて揺動させる場合、駆動ピンを歯車の回転中心からできる限り離すことにより、可動板の上死点及び下死点間の移動の時間差を大きくすることができるが、歯車が大型化するという問題があった。実施例2に係る運動変換機構では、歯車を大型化することなく、時間差を大きくすることができる。
本実施例の寸法関係の条件は、実施例1における寸法関係の条件と同一である。ただし揺動支点の配置してある位置が実施例1とは異なるため、それに伴い軸間距離L3が実施例1とは異なる。
駆動歯車と従動歯車の歯形は、動作に支障をきたさないように互いに適正に調整されており、上記の条件で動作させると可動板30が上死点から下死点へ移動する際に駆動歯車10が回転する角度と、下死点から上死点へ移動する際に駆動歯車10が回転する角度との比は、概ね2.35:1となる。一方、従来の運動変換機構の場合は1.58:1となる。従って本実施例の方が可動板30の上死点及び下死点間の移動時間差を大きくできる。
ところで、可動板30の揺動支点が、回転軸12より回転軸22に近い位置に配置されているが、回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線上には配置されていない場合、例えば図8において回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線を中心として、図8に示す揺動支点の上側または下側に揺動支点が配置された場合、可動板30の上支点から下死点への移動時間(往路の時間)と、下死点から上死点への移動時間(復路の時間)との差(移動時間差)は、可動板30の揺動支点が、回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線上に位置し、且つ回転軸12より回転軸22に近い位置に配置されている場合に比べて小さくなる。
これまで、本実施例における可動板30の上死点、下死点間の移動時間の差を大きくする方向の条件について述べてきたが、移動時間に求められる差の大きさの程度は様々な実施形態において運動変換機構に求められる仕様によって異なるものである。つまり仕様によっては、可動板30の上死点、下死点間の移動時間の差は、その運動変換機構に成しうる最大の値ではなくてもよい場合がある。このような場合、可動板30の揺動支点は、回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線上であって、且つその運動変換機構に成しうる最大の時間差を得ることができる位置に無くてもよく、また回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線上に無くてもよい。
すなわち、可動板30の揺動支点は、可動板30の上死点、下死点間の移動時間の差の大きさが許容できる範囲内であれば、可動板30の揺動支点が回転軸12より回転軸22に近い位置に位置し、且つ回転軸12と回転軸22とを結ぶ直線を中心として上側、または下側にあってもよい。
また、実施例1及び2に示したように、可動板30の揺動支点の位置を変えるだけで、可動板30の揺動の仕方を大きく変えることができる。
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
上記実施例において、偏心歯車を用いたが、楕円歯車などの非円形歯車を用いてもよい。
実施例1に係る運動変換機構の説明図である。 可動板が下死点付近に位置するときの運動変換機構の説明図である。 可動板が下死点から再び中間点に位置するときの運動変化機構の説明図である。 可動板が上死点付近に位置するときの運動変換機構の説明図である。 従来の運動変換機構の説明図である。 本実施例に係る運動変換機構と従来の運動変換機構との、駆動状態を比較したグラフである。 従来の運動変換機構の他の例の説明図である。 実施例2に係る運動変換機構について説明図である。 可動板が下死点に位置するときの実施例2に係る運動変換機構の説明図である。 可動板が下死点から再び中間点に位置するときの実施例2に係る運動変化機構の説明図である。 可動板が上死点に位置するときの実施例2に係る運動変換機構の説明図である。 実施例2に係る運動変換機構と従来の運動変換機構との、駆動状態を比較したグラフである。
符号の説明
10 駆動歯車
11、21 歯部
12、22 回転軸
13a、23a 歯車中心
20 従動歯車
24 駆動ピン
30 可動板
31 係合孔
32 長溝

Claims (5)

  1. 揺動自在に支持された可動部材と、前記可動部材を所定の角度範囲内で往復するように揺動させる伝達機構とを備え、
    前記伝達機構は、等速回動する駆動歯車と、前記駆動歯車と噛合して不等速回動すると共に前記可動部材に設けられた係合溝に遊嵌挿入し、前記不等速回動の回転中心より偏心した位置に設けられた駆動ピンを備えた従動歯車とを含む、ことを特徴とする運動変換機構。
  2. 前記駆動歯車及び従動歯車は、それぞれ偏心円形歯車であり、
    前記駆動ピンは、前記従動歯車の偏心方向に直交し前記従動歯車の回転中心を通過する直線により隔てられる領域の前記従動歯車の中心が含まれる領域側に形成され、
    前記可動部材の揺動支点の位置は、前記駆動歯車及び従動歯車の回転中心を結ぶ直線上にある、ことを特徴とする請求項1に記載の運動変換機構。
  3. 前記駆動歯車及び従動歯車は、それぞれ偏心円形歯車であり、
    前記駆動ピンは、前記従動歯車の偏心方向に直交し前記従動歯車の回転中心を通過する直線により隔てられる領域の前記従動歯車の中心が含まれる領域側に形成され、
    前記可動部材の揺動支点の位置は、前記駆動歯車及び従動歯車の回転中心を結ぶ直線に直交し、前記従動歯車の回転中心を通る直線により隔てられる領域における前記駆動歯車の回転中心が含まれる領域側であって、且つ前記直線を中心として、前記可動部材が所定の角度範囲内で往復する際の往路の時間と復路の時間との時間差が、所定の許容範囲内に収まる領域内にある、ことを特徴とする請求項1に記載の運動変換機構。
  4. 前記駆動歯車及び従動歯車は、それぞれ偏心円形歯車であり、
    前記駆動ピンは、前記従動歯車の偏心方向に直交し前記従動歯車の回転中心を通過する直線により隔てられる領域の前記従動歯車の中心が含まれる領域側に形成され、
    前記可動部材の揺動支点の位置は、前記駆動歯車及び従動歯車の回転中心を結ぶ直線の延長線上であり、前記駆動歯車の回転中心よりも、前記従動歯車の回転中心に近い位置にある、ことを特徴とする請求項1に記載の運動変換機構。
  5. 前記駆動歯車及び従動歯車は、それぞれ偏心円形歯車であり、
    前記駆動ピンは、前記従動歯車の偏心方向に直交し前記従動歯車の回転中心を通過する直線により隔てられる領域の前記従動歯車の中心が含まれる領域側に形成され、
    前記可動部材の揺動支点の位置は、前記駆動歯車及び従動歯車の回転中心を結ぶ直線に直交し、前記従動歯車の回転中心を通る直線によって隔てられた領域の前記駆動歯車の中心が含まれない領域側であって、且つ前記直線を中心として、前記可動部材が所定の範囲内で往復する際の往路の時間と復路の時間との時間差が、所定の許容範囲内に収まる領域内にある、ことを特徴とする請求項1に記載の運動変換機構。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102278450A (zh) * 2010-12-30 2011-12-14 王祥章 机械节力器
CN104913019A (zh) * 2015-06-02 2015-09-16 深圳市兆威机电有限公司 直线往复运动机构

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