JP2008255021A - 混合酸無水物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カルボン酸類及びアミンを含む第1溶液と、ハロゲン化物を含む第2溶液とを反応させて混合酸無水物を製造する方法において、反応を容器に制御できる手段を提供する。
【解決手段】本混合酸無水物の製造方法は、第1溶液を第1微小流路に流通させる第1ステップと、第2溶液を第2微小流路に流通させる第2ステップと、第1微小流路から流出された第1溶液と第2微小流路から流出された第2溶液とを接触させて第3微小流路に流通させて混合酸無水物を生成する第3ステップと、を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボン酸類及びアミンを含む第1溶液と、ハロゲン化物を含む第2溶液とを反応させて混合酸無水物を製造する方法に関する。
カルボン酸類とハロゲン化物を反応させて混合酸無水物を得る方法は、反応性が高くかつ激しい発熱を伴うため、−20℃以下の環境で行う必要があり、また、反応の制御が難しい(例えば、特許文献1から特許文献3)。
一方、キャピラリーなどで実現される微小流路(マイクロチャネル)を利用して、化学的操作や電気的操作、機械的操作が行われている。例えば、物質の分析や、物質の合成、微生物の培養、電気泳動、電気浸透などにおいて微小流路が利用されており、少量の試料に基づいて所望の結果が得られるという利点がある。
特開平6−65138号公報 特開平9−104642号公報 特開2006−104130号公報
ペプチド合成などのアシル化反応において、酸無水物を用いる手法は、その反応性の高さから利用価値が高い。しかし、前述されたように、反応の制御が難しいことから、近年では、水溶性カルボジイミドなどの脱水縮合剤が多用されている。また、酸無水物の反応性が高いことから、アシル化反応においても収率を向上させることが困難であった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、カルボン酸類及びアミンを含む第1溶液と、ハロゲン化物を含む第2溶液とを反応させて混合酸無水物を製造する方法において、反応を容器に制御できる手段を提供することを目的とする。
(1) 本発明は、カルボン酸類及びアミンを含む第1溶液と、ハロゲン化物を含む第2溶液とを反応させて混合酸無水物を製造する方法であって、第1溶液を第1微小流路に流通させる第1ステップと、第2溶液を第2微小流路に流通させる第2ステップと、第1微小流路から流出された第1溶液と第2微小流路から流出された第2溶液とを接触させながら第3微小流路に流通させて混合酸無水物を生成する第3ステップと、を含む。
第1ステップにおいて第1微小流路を流出された第1溶液と、第2ステップにおいて第2微小流路を流出された第2溶液とが、第3微小流路において接触されることにより混合酸無水物の生成が穏やかに進行する。また、第3微小流路において、溶液の体積に対する接触面積を上げることができるので、放熱性が高められる。
(2) 上記第3微小流路において、第1溶液と第2溶液とを層流としてもよい。これにより、第1溶液と第2溶液との界面において混合酸無水物が生成されるので、反応の制御が一層容易となる。
(3) 上記第3微小流路において、第1溶液と第2溶液との界面を第3微小流路の壁面と非接触としてもよい。これにより、混合酸無水物の生成過程における副産物が第3微小流路の壁面に付着することを抑制できる。
(4) 上記第1微小流路、上記第2微小流路、及び上記第3微小流路における流路方向と直交する断面の最大寸法は、それぞれ10μm〜2mmであることが好ましい。
(5) 上記第1流路における第1溶液の流量、及び上記第2流路における第2溶液の流量は、それぞれ毎分10μL〜10mLであることが好ましい。
(6) 上記第1溶液におけるカルボン酸類の濃度、及び上記第2溶液におけるハロゲン化物の濃度は、それぞれ0.05〜2mol/Lであることが好ましい。
(7) 本発明にかかるアシル化方法は、上記混合酸無水物の製造方法により得られた混合酸無水物とアミン類とを第4微小流路に流通させてアシル化反応を行うものである。これにより、混合酸無水物の反応の制御が容易となり、また、アシル化物の収率を高めることができる。
本発明に係る混合酸無水物の製造方法によれば、第1ステップにおいて第1微小流路を流出された第1溶液と、第2ステップにおいて第2微小流路を流出された第2溶液とが、第3微小流路において接触することにより混合酸無水物の生成が穏やかに進行するので、混合酸無水物の反応の制御が容易である。さらに、第3微小流路において、溶液の体積に対する接触面積を上げることができるので、放熱性が高められ、環境温度を高くすることができる。
以下に、本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
本発明に係る混合酸無水物の製造方法は、主に3つのステップからなるが、これら以外のステップが含まれることを除くものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で、さらに他のステップが後述される各ステップの前後に実施されてもよい。以下、本混合酸無水物の製造方法の主要な3つのステップについて説明する。
第1ステップでは、カルボン酸類及びアミンを含む第1溶液が第1微小流路に流通される。第1溶液に含まれるカルボン酸類として、例えば、N−保護アミノ酸、末端のカルボキシル基のみが遊離された保護ペプチド、酢酸、脂肪酸などがあげられる。第1溶液に含まれるアミンとして、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリメチルアミン、その他の3級アミンがあげられる。第1溶液に含まれる溶媒として、例えば、無水テトラヒドロフランがあげられるが、無水溶媒であれば、その他の不活性溶媒を使用することができる。
第1溶液におけるカルボン酸類の濃度は、0.05〜2.0mol/Lであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0mol/Lであり、特に好ましくは0.5〜1.0mol/Lである。カルボン酸類の濃度が上記範囲より高ければ、反応の際に副生される塩によって第3微小流路の閉塞が生じるおそれがあり、カルボン酸類の濃度が上記範囲より低ければ、反応速度が極端に低下する。
第1溶液におけるアミンの濃度は、カルボン酸類に対してモル比で1等量が好ましい。絶対濃度でいえば、第1溶液におけるアミンの濃度は、0.05〜2.0mol/Lであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0mol/Lであり、特に好ましくは0.3〜0.8mol/Lである。アミンの濃度が上記範囲を逸脱するとラセミ化の危険が生じうる。
第1微小流路として、例えば、所定の長さのキャピラリーを用いることができる。キャピラリーの中空形状は特に限定されず、その断面が円、楕円、多角形などであってもよい。キャピラリーの中空は、その断面、つまりキャピラリー内を溶液が流通する方向(流路方向)と直交する断面の形状において最大となる寸法(最大寸法)が、10μm〜2mmであることが好ましく、より好ましくは500μm〜1.5mmであり、特に好ましくは約1.0mmである。ここで、最大寸法とは、キャピラリーの断面形状が円であれば直径をさし、多角形であれば最大長さとなる対角線をさす。最大寸法が上記範囲より小さければ、第1溶液の流量が十分に確保できず、混合酸無水物の生成量が少なくなり、実用性に欠ける。また、第1溶液中の析出物などによって第1微小流路がつまって流通性が悪くなるなどの不具合が生じやすい。最大寸法が上記範囲より大きければ、混合酸無水物の反応を制御しにくくなる。キャピラリーの長さは、特に限定されない。なお、キャピラリーに代えて、ガラス板やシリコン板などに形成された微小溝を第1微小流路として用いることができる。
第1流路における第1溶液の流量は、毎分10μL〜10mLであることが好ましく、さらに好ましくは毎分100μL〜5mLであり、特に好ましくは毎分1〜2mLである。第1溶液の流量が上記範囲より小さければ、混合酸無水物の生成量が少なくなり、実用性に欠ける。第1溶液の流量が上記範囲より大きければ、混合酸無水物の反応を制御しにくくなる。第1溶液の流量は、第1流路となるキャピラリーをシリンジポンプやギヤポンプに連結することにより制御することができる。
第2ステップでは、ハロゲン化物を含む第2溶液が第2微小流路に流通される。第2溶液に含まれるハロゲン化物として、例えば、ハロゲン化炭酸物、ハロゲン化リン酸物などがあげられる。第2溶液に含まれる溶媒として、例えば、無水テトラヒドロフランがあげられるが、無水溶媒であれば、その他の不活性溶媒を使用することができる。
第2溶液におけるハロゲン化物の濃度は、カルボン酸類に対してモル比で1等量が好ましい。絶対濃度でいえば、0.05〜2.0mol/Lであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0mol/Lであり、特に好ましくは0.3〜0.8mol/Lである。ハロゲン化物の濃度が上記範囲より高ければ、反応の際に副生される塩によって第3微小流路の閉塞が生じるおそれがあり、上記範囲より低ければ、反応速度が極端に低下する。
第2微小流路として、例えば、第1微小流路で示されたような所定の長さのキャピラリーを用いることができる。このキャピラリーの詳細についての説明は、第1微小流路と同様であるので省略される。
第2流路における第2溶液の流量は、毎分10μL〜10mLであることが好ましく、さらに好ましくは、毎分100μL〜1.0mLであり、特に好ましくは、毎分300〜800μLである。第2溶液の流量が上記範囲より小さければ、混合酸無水物の生成量が少なくなり、実用性に欠ける。第2溶液の流量が上記範囲より大きければ、混合酸無水物の反応を制御しにくくなる。第2溶液の流量は、第2流路となるキャピラリーをシリンジポンプやギヤポンプに連結することにより制御することができる。
第3ステップでは、第1微小流路から流出された第1溶液と第2微小流路から流出された第2溶液とを接触させて第3微小流路に流通される。
第3微小流路として、例えば、第1微小流路で示されたような所定の長さのキャピラリーを用いることができる。このキャピラリーの詳細についての説明は、第1微小流路と同様であるので省略される。第3微小流路としてのキャピラリーは、第1微小流路としてのキャピラリー及び第2微小流路としてのキャピラリーと連結される。この連結は、後述されるジョイントによって行われてもよい。
第3流路における第1溶液及び第2溶液の流量は、毎分10μL〜10mLであることが好ましく、さらに好ましくは、毎分100μL〜1.0mLであり、特に好ましくは、毎分300〜800μLである。なお、第1溶液及び第2溶液は、第3流路において混合酸無水物を生成するので、第1流路における第1溶液及び第2溶液と混合酸無水物とが明確に区別されなくてもよい。つまり、第3流路における第1溶液及び第2溶液の流量は、第3流路における混合酸無水物の流量として把握されてもよい。第1溶液及び第2溶液の流量が上記範囲より小さければ、混合酸無水物の生成量が少なくなり、実用性に欠ける。第1溶液及び第2溶液の流量が上記範囲より大きければ、混合酸無水物の反応を制御しにくくなる。第1溶液及び第2溶液の流量は、第1流路及び第2流路において第1溶液の流量及び第2溶液の流量がそれぞれ制御されることによって制御される。
第3微小流路において、第1溶液と第2溶液とが層流として流通されることが好ましい。これにより、第1溶液と第2溶液との界面において混合酸無水物が生成されるので、反応の制御が一層容易となる。このような層流は、第3微小流路としてのキャピラリーを、第1微小流路としてのキャピラリー及び第2微小流路としてのキャピラリーと連結するジョイントによって実現することができる。
図1は、前述された層流を実現するジョイント10の一例を示す図である。図1に示されるように、ジョイント10は、概ねT字形状をなすジョイント本体11と、第1微小流路としてのキャピラリーが接続される第1コネクタ部12と、第2微小流路としてのキャピラリーが接続される第2コネクタ部13と、第3微小流路としてのキャピラリーが接続される第3コネクタ部14とからなる。なお、第1コネクタ部12、第2コネクタ部13、及び第3コネクタ部14は、各微小流路を形成するキャピラリーの一部であってもよい。
第1コネクタ部12は、キャピラリーが接続可能な径の管体であり、ジョイント本体11において流路と直交する方向(図1における上側)に設けられている。第2コネクタ部13は、ジョイント本体11から外部へ露出する端部が、キャピラリーが接続可能な径の管体であり、ジョイント本体11の内側へ挿入される端部が小径とされている。この小径部15は、ジョイント本体11において第1コネクタ部12から液体が流出される交差位置付近から、ジョイント本体11において第3コネクタ部14が設けられる側(図1における右側)へ延出されている。小径部15は、第3コネクタ部14内における中心付近に位置されている。
第3コネクタ部14は、キャピラリーが接続可能な径の管体であり、ジョイント本体11において、第2コネクタ部13との関係で流路が直線的に連続する位置(図1における右側)に設けられている。第3コネクタ部14には、第2コネクタ部13の小径部15が内挿されている。第3コネクタ部14と小径部15との間には液体が流通可能な隙間が形成されている。
このように構成されたジョイント10において、第1溶液は、第1コネクタ部12からジョイント本体11の内部へ流入し、さらに第3コネクタ部14へ流入する。なお、第2コネクタ部13の小径部15の開口が第3コネクタ部14内にあるので、ジョイント本体11の内部へ流入した第1溶液が第2コネクタ部13へ流入することはない。
第2溶液は、第2コネクタ部13の小径部15から第3コネクタ部14の内部へ直接に流入する。第3コネクタ部14において、小径部15の開口より上流側で第1溶液が流入しているので、その第1溶液の流れの中心に第2溶液が流れ込む。これにより、第1溶液と第2溶液とが層流として接触する。また、第1溶液と第2溶液との界面が、第3微小流路の壁面と非接触となる。これにより、混合酸無水物の生成過程における副産物が第3微小流路の壁面に付着することを抑制できる。この副産物として、例えば、N−メチルモルホリン塩酸塩や、アミンの塩酸塩があげらえる。
第3微小流路における混合酸無水物の生成は、−10〜15℃の範囲で行うことが好ましい。より好ましくは−5〜10℃であり、特に好ましくは約5℃である。反応温度が上記範囲を逸脱した場合、反応の暴走により過剰な発熱が生じ、保護基の脱離等の副反応が生じる。
第3微小流路を、さらにジョイントを介して第4微小流路と接続し、第3微小流路から流出される混合酸無水物に対してアミノ酸等の溶液を加えてアシル化反応を連続して行うようにしてもよい。これにより、混合酸無水物の反応の制御が容易となり、また、アシル化物の収率を高めることができる。第4微小流路として、例えば、第1微小流路で示されたような所定の長さのキャピラリーを用いることができる。このキャピラリーの詳細についての説明は、第1微小流路と同様であるので省略される。アシル化に用いるアミン類として、例えば、アンモニア、1級アミン、2級アミン、N−無保護のアミノ酸、N−無保護のペプチド、ガングリオシドなどがあげられる。なお、第4微小流路において、アシル化に代えてアミド化を行うようにしてもよい。
第4微小流路におけるアシル化反応は、−5〜10℃の範囲で行うことが好ましい。より好ましくは−5〜5℃であり、特に好ましくは約5℃である。反応温度が上記範囲を逸脱した場合、不均化による目的外のアシル化物、例えばIBCF等が反応した生成物などが生成するおそれがある。
このように、本発明に係る混合酸無水物の製造方法によれば、第1ステップにおいて第1微小流路を流出された第1溶液と、第2ステップにおいて第2微小流路を流出された第2溶液とが、第3微小流路において接触することにより混合酸無水物の生成が穏やかに進行するので、混合酸無水物の反応の制御が容易である。また、第3微小流路において、溶液の体積に対する接触面積を上げることができるので、放熱性が高められ、環境温度を高くすることができる。
以下に、本発明の実施例が説明される。実施例は、本発明の一実施形態であり、本発明が実施例に記載されたものに限定されないことは言うまでもない。
〔実施例1〕
N末端側がBoc化された4−ベンジルヒドロキシプロリン(Boc-Hyp(Bzl)-OH、MW=321.37、ペプチド研究所)7.5mmol(2.4g)を、N−メチルモルホリン(NMM、東京化成工業)7.5mmol(825μL)を加えたTHF(和光純薬、脱水、安定剤不含)溶液5mLに溶解させ、マイクロシリンジ(HAMILTON、10mL)に入れた。次に、クロロギ酸イソブチル(IBCF、東京化成工業)973μLを溶解させたTHF溶液5mLを別のマイクロシリンジ(HAMILTON、10mL)に入れた。
Boc-Hyp(Bzl)-OH溶液の入ったマイクロシリンジと550mmのテフロン(登録商標)チューブ(1/16”×0.5 mm、ジーエルサイエンス)とを繋ぎ、そのテフロン(登録商標)チューブをジョイントと連結した。IBCF溶液の入ったマイクロシリンジを、430mmのキャピラリー(シリカキャピラリーチューブ、内径0.320mm、外径0.450mm、ジーエルサイエンス)が先端に付けられた400mmのテフロン(登録商標)チューブ(1/16”×0.5 mm)に繋ぎ、キャピラリー側をジョイントに接続した。ジョイントには、長さを調節したテフロン(登録商標)チューブ(1/16”×1.0 mm、ジーエルサイエンス)をさらに接続し、末端をナスフラスコに繋いだ。このナスフラスコにC末端側がBzl化されたグリシン(H-Gly-OBzl・Tos-OH、MW=337.39、ペプチド研究所)7.5mmol(2.53g)と、NMM7.5mmol(825μL)を溶解させたTHF溶液5mLとを加えた。
ナスフラスコ内の溶液を氷冷下で撹拌しながら、500μL/分の流速に設定されたシリンジポンプ(kdScientific)を用いて、Boc-Hyp(Bzl)-OH溶液及びIBCF溶液を5℃の環境温度で、それぞれテフロン(登録商標)チューブ内を流通させた。1時間後にナスフラスコを氷浴から外して室温に戻し、さらにナスフラスコ内の溶液を1時間撹拌した。
得られたTHF溶液をエバポレータで減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル(和光純薬)に再溶解させ、蒸留水で1回洗浄を行った。酢酸エチル層に硫酸マグネシウム(和光純薬、無水硫酸マグネシウム)3gを添加して、1時間乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過にて取り除き、酢酸エチル溶液をエバポレータで減圧濃縮してから、真空ポンプで真空乾燥を行い、ヒドロキシプロリン・グリシンペプチド(Boc-Hyp(Bzl)-Gly-OBzl、MW=468.54)を3.3gを得た。収率は94%であった。
〔実施例2〕
混合酸無水物調製にN末端側がBoc化されたプロリン(Boc-Pro、MW=215.2)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、プロリン・グリシンのジペプチド(Boc-Pro-Gly-OBzl、MW=362.4)を2.5g得た。収率は92%であった。
〔実施例3〕
アシル化を受ける試薬としてカルボキシル基をベンジル化したプロリンのトルエンスルホン酸塩(H-Pro-OBzl・Tos、MW=360.5)を使用した以外は実施例1と同様の試薬を用いて、同様の操作を行い、Boc-Pro-Pro-OBzl(MW=402.5)を2.7g得た。収率は91%であった。
〔実施例4〕
アシル化を受ける試薬としてベンジルアルコール(MW=108.1)を使用した以外は実施例1と同様の試薬を用いて、同様の操作を行い、Boc-Pro-OBzl(MW=305.4)を2.1g得た。収率は91%であった。
〔実施例5〕
実施例1で使用した反応系に、更にジョイントを連結し、そのジョイントに10mのPTFE製マイクロキャピラリー(1/16”×1.0 mm)を連結した。つまり、2つのジョイントにより2段に連結された反応系を作製した。この反応系を用いて、実施例1で用いた試薬を、各導入孔から実施例1で用いたシリンジポンプを用い送液し、0℃にて反応を行った。その結果、Boc-Hyp(Bzl)-Gly-OBzlを3.2g得た。収率は90%であった。
いずれの実施例においても、従来における反応の環境温度である−20℃より高い環境温度で混合酸無水物の生成を行うことができた。また、フラスコ内で混合酸無水物を生成してペプチド合成する従来の手法における収率が約70%程度であることから、いずれの実施例においても、従来より高い収率で目的物を得ることができた。
図1は、ジョイント10の構成を示す概略図である。
符号の説明
10・・・ジョイント

Claims (7)

  1. カルボン酸類及びアミンを含む第1溶液と、ハロゲン化物を含む第2溶液とを反応させて混合酸無水物を製造する方法であって、
    第1溶液を第1微小流路に流通させる第1ステップと、
    第2溶液を第2微小流路に流通させる第2ステップと、
    第1微小流路から流出された第1溶液と第2微小流路から流出された第2溶液とを接触させながら第3微小流路に流通させて混合酸無水物を生成する第3ステップと、を含む混合酸無水物の製造方法。
  2. 上記第3微小流路において、第1溶液と第2溶液とを層流とする請求項1に記載の混合酸無水物の製造方法。
  3. 上記第3微小流路において、第1溶液と第2溶液との界面を第3微小流路の壁面と非接触とする請求項2に記載の混合酸無水物の製造方法。
  4. 上記第1微小流路、上記第2微小流路、及び上記第3微小流路における流路方向と直交する断面の最大寸法が、それぞれ10μm〜2mmである請求項1から3のいずれかに記載の混合酸無水物の製造方法。
  5. 上記第1流路における第1溶液の流量、及び上記第2流路における第2溶液の流量が、それぞれ毎分10μL〜10mLである請求項1から4のいずれかに記載の混合酸無水物の製造方法。
  6. 上記第1溶液におけるカルボン酸類の濃度、及び上記第2溶液におけるハロゲン化物の濃度が、それぞれ0.05〜2mol/Lである請求項1から5のいずれかに記載の混合酸無水物の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の混合酸無水物の製造方法により得られた混合酸無水物とアミン類とを第4微小流路に流通させてアシル化反応を行うアシル化方法。
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