JP2008249336A - 酵素電極及び酵素電極の製造方法 - Google Patents

酵素電極及び酵素電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】合成が容易で、且つ、低コストな有機化合物からなる電子メディエータを備えると共に、電極性能に優れた酵素電極、並びに簡易的なプロセスで電子メディエータを導電性基材表面に結合させる方法を提供する。
【解決手段】外部回路に接続された導電性基材と、該導電性基材との間で電子伝達が可能な酸化還元酵素と、前記導電性基材と前記酸化還元酵素との間の電子伝達を媒介可能な電子メディエータと、を備える酵素電極であって、前記電子メディエータは、含窒素複素環化合物であって、前記導電性基材表面に固定化されていることを特徴とする酵素電極、並びに、電子メディエータとして、アミノ基を有する含窒素複素環化合物を、電解酸化により、前記アミノ基を介して導電性基材表面に結合させることを特徴とする酵素電極の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、酵素電極及び酵素電極の製造方法に関する。
酵素は、その高い基質特異性から種々の物質の存在量を測定する分析、例えば、酵素センサー等に利用されている。酵素を利用した酵素センサーとしては、例えば、分析の対象である対象物質(基質)と酵素(酸化還元酵素)との酸化還元反応により生じる電流を測定し、対象物質の定量を行うセンサーがある。具体的には、グルコースを酸化する酵素とグルコースとの間における酸化還元反応に伴って発生する電流が、グルコース濃度に比例することを利用したグルコースセンサーがある。
さらに、最近では、白金等の金属触媒に代わる燃料電池用新規触媒としても、酵素の研究開発が進められている。酵素と基質との酸化還元反応に伴い発生する電流を利用した酵素電極は、酵素センサーや燃料電池の他にも広範囲な分野においてその利用が期待されている。
一般的に、酵素は導電性基材より構成される電極表面で直接酸化還元されにくいため、酵素と電極間の電子伝達を媒介する電子メディエータを用いることによって電極反応の効率化が行われている。電子メディエータは、基質を酸化した酵素から受け取った電子を電極へ輸送、又は、電極から受け取った電子を、基質を還元する酵素へ輸送するものである。酵素−電子メディエータ−電極間のスムーズな電子輸送によって、酵素電極の電流値が増加し、充分な電流を取り出すことが可能な生物燃料電池が得られる。
電子メディエータとしては、金属錯体、有機小分子等の種々の酸化還元物質が用いられている(例えば、特許文献1〜4参照)。金属錯体は酸化還元電位、電極表面への固定等の観点においては優れているが、錯形成におけるプロセスの複雑さや、中心金属として貴金属を含む錯体の場合には貴金属使用によるコストアップの問題がある。また、金属錯体は、安定性が低いという問題もある。
酵素電極において、電子メディエータは、使用目的や研究目的等に応じて、電解液中に混合、分散したり、或いは、電極表面に固定することができるが、電極構成の簡易化や電極性能等の点から、電極表面に固定化されることが多い。
電子メディエータを電極(導電性基材)表面に固定化する方法としては、例えば、導電性基材上で、有機高分子材料を固化させ、有機高分子材料の固化により形成されるポア内に電子メディエータを保持させることにより固定化する方法や、使用するpHにおいて電子メディエータと反対の電荷を持つイオン性の有機高分子材料等を用いて静電相互作用により導電性基材上に固定化する方法、電子メディエータを導電性基材に物理吸着させ固定化する方法、有機高分子材料等の官能基と電子メディエータの官能基とを共有結合させることにより固定化する方法、有機高分子材料と電子メディエータとの間に共有結合を形成する架橋試薬を用いて有機高分子材料と電子メディエータとを共有結合させることにより固定化する方法、等が挙げられる。
特開2006−84183号公報 特表2006−525502号公報 特表2005−501253号公報 特開2004−156928号公報
特許文献4では、実施例において、電子メディエータを電解液中に分散させた形態の電気化学センサー及び電子メディエータをセンサー支持体表面に結合させた電気化学センサーが開示されている。特許文献4には、電子メディエータをセンサー支持体に結合させる方法として、炭素基材を海島状に被覆する貴金属層を具備するセンサー支持体の貴金属層の表面に選択的に結合分子を吸着させ、該結合分子に電子メディエータを結合させる方法が記載されている。
しかしながら、この固定方法は、結合分子を炭素基材に吸着させる工程、及び該結合分子に電子メディエータを結合させる工程の少なくとも2段階を必要とするため、手間がかかり、生産性が低い。また、電解液内に電子メディエータを分散させた形態では、酵素−メディエータ−電極間の電子移動の効率が低く、十分な電極性能を有する酵素電極が得られにくい。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、合成が容易で、且つ、低コストな有機化合物からなる電子メディエータを備えると共に、電極性能に優れた酵素電極、並びに簡易的なプロセスで電子メディエータを導電性基材表面に結合させる方法を提供することを目的とする。
本発明の酵素電極は、外部回路に接続された導電性基材と、該導電性基材との間で電子伝達が可能な酸化還元酵素と、前記導電性基材と前記酸化還元酵素との間の電子伝達を媒介可能な電子メディエータと、を備える酵素電極であって、前記電子メディエータは、含窒素複素環化合物であって、前記導電性基材表面に固定化されていることを特徴とするものである。
本発明の酵素電極は、金属錯体からなる電子メディエータと比べて、その合成プロセス及びコストにおいて優れた含窒素複素環化合物からなる電子メディエータを備え、且つ、該電子メディエータが導電性基材上に固定されている。含窒素複素環化合物からなる電子メディエータは、導電性基材表面における固定安定性が高いことから、本発明により提供される酵素電極は、低コストであると共に、酸化還元酵素−電極間の電子伝達性が高く、優れた電極性能を発現しうるものである。
前記電子メディエータとして、具体的には、アミノ基を有し、該アミノ基を介して導電性炭素基材表面に直接結合しているものが挙げられる。アミノ基を有する電子メディエータとして、具体的には、メラミン又はメラミン誘導体等が挙げられる。
本発明により提供される酵素電極の製造方法は、電子メディエータとして、アミノ基を有する含窒素複素環化合物を、電解酸化により、前記アミノ基を介して導電性基材表面に結合させることを特徴とするものである。以上のような本発明の酵素電極の製造方法は、非常に簡易的であり、上記したような従来の金属錯体を導電性基材表面に固定する方法と比較して、大幅なプロセスの短縮が可能である。
本発明によれば、合成が容易で、且つ、低コストな有機化合物からなる電子メディエータを備えると共に、電極性能に優れた酵素電極、並びに簡易的なプロセスで電子メディエータを導電性基材表面に結合させる方法を提供することが可能である。
本発明の酵素電極は、外部回路に接続された導電性基材と、該導電性基材との間で電子伝達が可能な酸化還元酵素と、前記導電性基材と前記酸化還元酵素との間の電子伝達を媒介可能な電子メディエータと、を備える酵素電極であって、前記電子メディエータは、含窒素複素環化合物であって、前記導電性基材表面に固定化されていることを特徴とするものである。
ここで、図1を用いて、本発明により得られる酵素電極(基質酸化型)を備えた生物燃料電池の一実施形態例を説明する。尚、図1において、1−Bは部分拡大図である。
まず、GDH等の基質酸化酵素が燃料であるグルコース等の基質を酸化し、電子を受け取る。次に、電子を受け取った基質酸化酵素は、通常、該基質酸化酵素と電極(導電性基材)との間の電子伝達を仲介する電子メディエータに電子を受け渡し、該電子メディエータによって導電性基材(アノード電極)へと電子が受け渡される。そして、アノード電極である導電性基材から外部回路を通ってカソード電極に電子が到達することで、電流が発生する。
上記過程において発生するプロトン(H)は、電解液内をカソード電極まで移動する。そして、カソード電極では、電解液内を移動してきて到達したプロトンと、外部回路を経てアノード側から移動してきた電子と、酸素や過酸化水素等の酸化剤(カソード側基質)とが反応して水が生成される。
酵素電極において、充分な電流値を得るためには、酸化還元酵素−電子メディエータ−電極間の円滑な電子伝達が重要であり、酸化還元酵素−電子メディエータ−電極の相互的な位置関係によって酵素電極の電極性能は大きく左右される。電解液中に電子メディエータを分散させる場合、電子メディエータ−電極間の電子伝達は、電子メディエータの拡散性に依存するため、充分且つ安定した電流を得ることが難しい。これに対して、電子メディエータを電極表面(導電性基材表面)へ固定する場合、電極と電子メディエータ間の距離が一定に保持されるため、電極−電子メディエータ間での電子伝達を円滑に進行させることができる。
しかし、電極表面における電子メディエータの固定状態は、その固定方法や電子メディエータの種類によって、長期間にわたって維持されない場合がある。すなわち、電極表面における電子メディエータの固定状態を保持することが、安定した電極性能を示す酵素電極を得るために重要である。
本発明者らは、含窒素複素環化合物からなる電子メディエータが固定安定性に優れ、該含窒素複素環化合物をその表面に固定化した酵素電極が長期間にわたって安定した電極性能を示すことを見出した。すなわち、本発明の酵素電極によれば、安定した電力を供給することが可能な生物燃料電池や、安定性の高い精度を有する化学センサー等を提供することが可能である。
本発明の酵素電極を構成する導電性基材としては、特に限定されず、一般的なものを用いることができる。例えば、グラファイト、カーボンブラック、活性炭等の導電性炭素質からなる導電性炭素基材や、金、チタン等の金属からなる導電性金属基材等を用いることができる。
含窒素複素環化合物としては、含窒素複素環構造を有し、電子メディエータとして機能しうるものであれば特に限定されず、単環構造であってもよいし、多環構造であってもよいし、これら環状構造が置換基を有していてもよい。導電性基材表面への固定化の観点からは、単環構造であることが好ましく、特に、5〜6員環の単環構造であることが好ましい。具体的には、メラミン及びその誘導体等が挙げられる。
上記のような含窒素複素環化合物は、従来、酵素電極の電子メディエータとして用いられている金属錯体と比較して、その合成プロセスが簡易的、且つ、低コストな材料であることから、生産性に優れるという利点をもつ。
上記含窒素複素環化合物がアミノ基を有する場合、電解酸化により該アミノ基を介して導電性炭素基材表面に直接結合させることができるため、電子メディエータを導電性基材表面に固定化するプロセスを簡易化することができる。尚、アミノ基の電解酸化による電子メディエータの固定化については、後で説明する。
中でも、固定安定性及び固定容易性の観点から、含窒素複素環化合物として、メラミン又はメラミン誘導体を好適に用いることができる。メラミン誘導体としては、少なくとも1つの非置換アミノ基を有し、且つ、アミノ基の少なくとも1つの水素原子が原子又は原子団で置換されたものが挙げられる。具体的には、オルソリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン等が挙げられる。
含窒素複素環化合物は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明の酵素電極は、電子メディエータとして機能しうる少なくとも1種の含窒素複素環化合物が導電性基材表面に固定化されていれば、該導電性基材表面に固定化された含窒素複素環化合物と同種の含窒素複素環化合物或いはその他電子メディエータとして機能しうる化合物が電解液に分散されていてもよい。
メラミンやメラミン誘導体のように、アミノ基を有する含窒素複素環化合物は、アミノ基の電解酸化により、該アミノ基を介して導電性炭素基材の表面に直接結合することができる(図1の1−B参照)。ここで、直接結合とは、アミノ基がリンカー等を介さずに、直接導電性炭素基材表面に結合している状態である。すなわち、電子メディエータである含窒素複素環化合物を、リンカー鎖等を介さずに、共有結合により直接、導電性基材表面に固定することができる。
従って、特許文献4のような導電性基材表面へのリンカー鎖の導入又は電子メディエータである含窒素複素環化合物へのリンカー鎖の導入等を必要とせず、電子メディエータの導電性基材表面への固定工程を短縮することができる。しかも、電解酸化という手法は、アミノ基を有する含窒素複素環化合物を含む電解液中に、導電性炭素基材を浸漬した状態で、該導電性炭素基材の電位を掃引し所定範囲内で変動させるという非常に簡易的なものである。さらに、この電解酸化における電位変動のサイクルを調節することによって、固定する電子メディエータ量を制御することも可能である。
尚、電解酸化における電子メディエータの固定化のメカニズムは、電解液中に分散している含窒素複素環化合物のアミノ基が酸化されて水素が脱離し、アミノ残基の窒素が導電性炭素基材の炭素と直接、共有結合を形成し、導電性炭素基材表面に固定化されるというものである。
電解酸化による電子メディエータの固定化条件は、アミノ基の電解酸化によって導電性基材表面に共有結合させる含窒素複素環化合物の種類、該含窒素複素環化合物の電解液における濃度等によって異なる。例えば、メラミンの場合には、メラミン濃度5mMの3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)溶液(pH7.0)内において、導電性炭素基材の電位を掃引速度5〜100mV/sで0〜1.4V(vs.Ag/AgCl)の電位範囲内で掃引する。電位変動のサイクル数を増やすことで、導電性炭素基材表面に結合される含窒素複素環化合物量は増加する。
尚、本発明において、電子メディエータである含窒素複素環化合物を導電性基材表面に固定する方法は、上記アミノ基の電解酸化に限定されず、例えば、末端にアミノ基を有するリンカー鎖を含窒素複素環化合物に導入し、該リンカー鎖のアミノ基を電解酸化することで、該リンカー鎖を介して含窒素複素環化合物を導電性基材表面に結合させてもよいし、或いは、酸基を有する含窒素複素環化合物を用い、予め導電性基材表面に末端にアミノ基を有するリンカー鎖を結合させ、該リンカー鎖の末端のアミノ基と含窒素複素環化合物の酸基とをアミド縮合させることにより結合させ、該リンカー鎖を介して含窒素複素環化合物を導電性基材表面に結合させてもよい。また、既述したような、従来用いられている有機高分子材料の固化や静電相互作用の利用した方法、物理吸着による方法等でもよい。
酸化還元酵素としては、特に限定されず、基質に応じて適宜選択すればよい。例えば、基質酸化型酵素としては、デヒドロゲナーゼや、オキシダーゼ等を用いることができる。具体的には、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ(GOD)、アルコールオキシダーゼ(AOD)、アルデヒドオキシダーゼ等が挙げられる。管理の容易さや安全性の観点からGDH、ADH、GOD、AODが好ましく用いられる。
また、GDH、ADH、GOD、AOD等は、本発明にかかる酵素電極を生物燃料電池に用いる場合、燃料である基質が入手しやすいという利点もある。また、基質還元型酵素としては、例えば、ラッカーゼ、ビリルビンオキシターゼ等が挙げられる。
酸化還元酵素は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、酸化還元酵素は、電解液中に分散させても、或いは、導電性基材表面に固定化してもよい。導電性基材表面に酸化還元酵素を固定する方法は特に限定されず、一般的な方法に準じることができる。
本発明により得られる酵素電極の用途は特に限定されず、生物燃料電池の他、バイオセンサー等に用いることができる。例えば、本発明により得られる酵素電極を基質酸化型酵素電極として生物燃料電池に組み込む場合、燃料(基質)としては、一般的なものを広く利用することができ、例えば、アルコール類、アルデヒド類、糖類、ケトン類よりなる炭化水素系化合物の他、水素等が挙げられる。中でも、取り扱いの容易さ等の観点から、アルコール類、アルデヒド類、糖類及びケトン類よりなる炭化水素系化合物から選ばれる少なくとも1種が好適である。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、グリセリン等のアルコール類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類;グルコース、フルクトース、ソルボース等の糖類;ケトン類等が挙げられる。その他にも、脂肪類、タンパク質、糖等の代謝中間生成物、これら混合物などを用いることができる。
基質である燃料や酸化剤が分散又は溶解される電解液は、電極反応である酸化反応又は還元反応が効率よく定常的に進行するように、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)等の緩衝液によって、最適なpH、例えば、pH7付近に維持されることが好ましい。また、電極反応が効率よく定常的に進行するようにするためには、例えば、20〜30℃程度に維持されていることが好ましい。
上記のようなアノード(基質酸化型酵素電極)と対をなすカソードとしては、例えば、酸化剤の還元反応に有効な触媒である白金や白金合金等、燃料電池において一般的に用いられている電極触媒を、グラファイト、カーボンブラック、活性炭のような炭素質材料、又は金、チタン等からなる導電体に担持させたものや、白金や白金合金等の電極触媒そのものからなる導電体をカソード電極として用い、酸化剤を電極触媒に供給するような形態とすることができる。
或いは、上記のような基質酸化型酵素電極からなるアノードと対をなすカソードを、基質還元型酵素電極としてもよい。酸化剤を還元する酸化還元酵素としては、ラッカーゼやビリルビンオキシターゼ等の公知のものが挙げられる。酸化剤を還元する触媒として酸化還元酵素を用いる場合には、必要に応じて、公知の電子メディエータを用いてもよい。
酸化剤としては、酸素、過酸化水素等が挙げられる。カソードにおける電極反応を妨害する不純物による影響を回避するために、ジメチルポリシロキサン等の酸素選択性の膜をカソード電極の周囲に配置してもよい。
[参考実験例1〜4]
(電極の作製)
カーボンペーパー(10mmΦ)を、メラミンを5mM含有するMOPS溶液(pH7.0)中に浸漬し、50mV/sの掃引速度で0〜1.4Vの電位範囲を電位掃引することで、メラミンをカーボンペーパーの表面に固定させた。このとき、電位掃引のサイクル数(0V→1.4V→0Vを1サイクルと数える)を変更(参考例1:2回、参考例2:13回、参考例3:26回、参考例4:40回)した。
図2に示すようにして、上記にて作製したメラミン固定カーボンペーパーを、各々、外部回路と接続されたカーボン芯を有する部材の先端に、ナイロン製ネット及びOリングで固定し、参考例1〜4の電極(試料極)とした。
(電極の評価)
上記電極を試料極として、下記条件下、サイクリックボルタンメトリーによる発電試験(3電極式電気化学評価。図3参照)を行った。尚、参照極としてAg/AgCl、対極としてPtワイヤーを用いた。結果を図4に示す。
<試験条件>
・電解液:メラミン 5mM含有MOPS溶液(pH7.0)
・掃引速度:50mV/s
・掃引範囲:0〜1.4V
<結果>
図4に示すように、電解酸化のサイクル数の増加に伴い、メラミンに由来する酸化還元ピーク(図2中の矢印部分)も増大した。すなわち、電解酸化のサイクル数を増加させることによって、導電性基材表面に固定化されるメラミンの量が増加することが示された。
[実施例1]
(電極の作製)
上記参考例1と同様にして、実施例1の電極(試料極)を作製した。
(酵素電極の評価)
上記電極を試料極とし、電解液として(1)下記電解液にグルコースを100mMとなるように添加したもの又は(2)下記電解液そのものを用い、下記条件下、サイクリックボルタンメトリーによる発電試験(3電極式電気化学評価。図3参照)を行った。尚、参照極としてAg/AgCl、対極としてPtワイヤーを用いた。(1)及び(2)について、結果を図5に示す。
<試験条件>
・温度:室温(約27℃)
・電解液:ピロロキノリンキノン(PQQ)依存性GDH5mg/cc含有MOPS溶液(pH7.0)
・掃引速度:5mV/s
・掃引範囲:0〜0.6V
<結果>
図5に示すように、グルコースを含まない電解液を用いた場合(2)に対して、グルコースを100mM含有する電解液を用いた場合(1)の電流値が、0.3V付近より増加していることが確認できた。これは、グルコース酸化に伴う電流増加であり、カーボンペーパーに固定されたメラミンが、電子メディエータとして機能していることを示している。
本発明の酵素電極を備えた生物燃料電池の一形態例を示す概念図である。 実施例における酵素電極の作製方法を示す図である。 実施例における発電試験(三電極式電気化学評価)の評価系を示す図である。 参考例における評価結果を示すグラフである。 実施例における評価結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 外部回路に接続された導電性基材と、該導電性基材との間で電子伝達が可能な酸化還元酵素と、前記導電性基材と前記酸化還元酵素との間の電子伝達を媒介可能な電子メディエータと、を備える酵素電極であって、
    前記電子メディエータは、含窒素複素環化合物であって、前記導電性基材表面に固定化されていることを特徴とする酵素電極。
  2. 前記電子メディエータは、アミノ基を有し、該アミノ基を介して導電性炭素基材表面に直接結合している、請求項1に記載の酵素電極。
  3. 前記電子メディエータは、メラミン又はメラミン誘導体である、請求項1又は2に記載の酵素電極。
  4. 電子メディエータとして、アミノ基を有する含窒素複素環化合物を、電解酸化により、前記アミノ基を介して導電性基材表面に結合させることを特徴とする、酵素電極の製造方法。
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