JP2008246308A - 有機物の分解処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機物分解処理後に分解処理槽内の気体を排気路から排出する際に、気体中の低分子量アルコールを回収して装置外に放出しない有機物の分解処理装置が望まれていた。
【解決手段】有機物分解処理装置1は、低分子量アルコールを超臨界状態にして有機物を分解処理する分解処理槽2と、有機物分解処理後に分解処理槽2内の気体を分解処理槽2から排出する排気路3とを有する装置において、排気路3に配備されて気体中の低分子量アルコールを回収するアルコール回収部4と、排気路3から排出される気体の排気量を調整する排気量調整弁5と、分解処理槽2内の温度を検出する温度センサ15と、温度センサ15により検出された槽内温度に基づいて排気量調整弁5による排気量を制御する制御装置6の排気量制御手段とを具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、メタノールなどの低分子量アルコールを超臨界状態にして有機物を分解処理する分解処理装置に関するものである。
近年、大量のバイオマス系廃棄物が廃棄されている。これら廃棄物を分解すると共に、有価物を回収する手法として超臨界流体による手法が注目されている。特に、超臨界流体として、超臨界水が古くから注目されている。超臨界水を用いると、バイオマス系廃棄物等の有機物が効率よく分解されるのであるが、分解性生物として炭酸ガスや水等の低分子化合物にまで分解されるため、有価物を回収することが困難である。
そこで、超臨界状態の水に代えて、低分子量アルコールを超臨界状態にして、有機物を分解する方法が既に提案されている(下記の特許文献1、2参照)。
すなわち、超臨界状態にした低分子量アルコールは、超臨界水と比べ、きわめて温和な条件ながら、有機物を分解し、減容化できる能力を持つ。しかも、有機物中のデンプンやセルロース等の多糖類系物質から、効率よく有価物であるグルコース誘導体を得ることができる。
さらに、低分子量アルコールと少しの水との混合溶媒を用いる手法によれば、超臨界状態の低分子量アルコールと亜臨界状態の水による反応を実現できる。亜臨界状態の水は、超臨界状態の水よりも温和な反応性を示すため、有機物を炭酸ガスや水等の低分子化合物にまで分解しない程度の反応性で留めておくことができる。前記多糖類系物質の分解においては、低分子量アルコールのみでは分解しづらいセルロースの分解反応を補助する役割を担うため、より効率よく有価物であるグルコース誘導体を回収できるようになる。
特開2001−170601号公報 特開2005−296906号公報
ところで、上記した低分子量アルコールと水との混合溶媒を用いた有機物の分解処理においては、被処理物であるバイオマス系廃棄物等の有機物と、この有機物に対して過剰量のアルコールと水の混合溶媒とを分解処理槽中に入れたのち、加熱加圧して混合溶媒を超臨界状態にして分解処理を行うようになっている。この場合、超臨界反応後に分解処理槽内に存在する気体中には、空気中の窒素や酸素などのほか、反応工程で使用されて残ったメタノールおよび水や、分解反応で生じたメタノールおよび水が存在している。このような分解処理槽内の気体をそのまま大気中に放出すると、反応に寄与することなく残った低分子量アルコールがガスの状態で大気中に放散されてしまい、高価な低分子量アルコールを無用に消費することとなる。しかも、低分子量アルコールとしてメタノールが好適に使用されるが、メタノールは人体に有害であるため、公害を招く恐れがある。
そこで、本発明の発明者らは、分解処理槽内の気体を大気中にそのまま放出せず、排気路の途中で、低分子量アルコールの沸点より低い温度まで冷却して低分子量アルコールを液化して回収し、再利用しようと考えた。
しかしながら、反応後の分解処理槽内は高圧であるため、或る程度槽内温度を下げて槽内圧力を低下させたとしても、気体が排気路を勢いよく流れて液化回収されることなく放出されてしまうことが考えられる。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、有機物分解処理後に分解処理槽内の気体を排気路から排出する際に、気体中の低分子量アルコールを回収して装置外に放出しない有機物の分解処理装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る有機物の分解処理装置は、有機物と低分子量アルコールとが供給され、低分子量アルコールを超臨界状態にして有機物を分解処理する分解処理槽と、有機物分解処理後に分解処理槽内の気体を分解処理槽から排出する排気路と、を有する有機物の分解処理装置において、排気路に配備されて気体中の低分子量アルコールを回収するアルコール回収部と、排気路から排出される気体の排気量を調整する排気量調整手段と、分解処理槽内の温度を検出する槽内温度検出手段と、槽内温度検出手段により検出された槽内温度に基づいて排気量調整手段による排気量を制御する排気量制御手段とを具備する構成にしてある。
また、前記構成において、アルコール回収部を含む排気路内で低分子量アルコールを所定得率以上で回収可能な排気量と、分解処理槽の槽内温度との関係を表わす回収条件データを入力する回収条件データ入力手段を備えてなり、排気量制御手段は、槽内温度検出手段により検出された槽内温度と、回収条件データ入力手段により入力された低分子量アルコールの回収条件データとに基づいて、排気量調整手段による排気量を制御する構成にされているものである。
そして、前記した各構成において、槽内温度検出手段により検出された槽内温度と、回収条件データ入力手段により入力された低分子量アルコールの回収条件データとに基づいて、アルコール回収部を含む排気路内で気体中の低分子量アルコールを所定得率以上で回収可能か否かを判断するアルコール回収判断手段を備えてなり、排気量制御手段は、アルコール回収判断手段がアルコール回収部を含む排気路内で気体中の低分子量アルコールを所定得率以上で回収できないと判断した場合に、排気量調整手段による排気を実行しない構成にされているものである。
本発明に係る有機物の分解処理装置によれば、分解処理槽の槽内温度が高い場合、排気量制御手段は排気量調整手段による気体の排気量を少なくする。一方、槽内温度が低い場合、排気量調整手段による気体の排気量を多くしてアルコール回収部で低分子量アルコールを回収する。従って、高温の気体を排気路へ多量に流入させることを防止できるから、気体中の低分子量アルコールをアルコール回収部で回収しきれず外部に放出させることの防止につながる。
また、回収条件データ入力手段を備えているものでは、回収条件データ入力手段が、検出された槽内温度を回収条件データに照らし合わせて、排気量調整手段による気体の排気量を制御するので、気体中の低分子量アルコールを所定得率以上で回収することができる。従って、アルコール回収部を含む排気路で気体中の低分子量アルコールを回収しきれず外部に放出させることを防止できる。
そして、アルコール回収判断手段を備えているものでは、アルコール回収判断手段が、検出された槽内温度を回収条件データに照らし合わせて、気体中の低分子量アルコールを所定得率以上で回収可能か否かを判断し、回収可能でないと判断した場合に、排気量調整手段による排気を実行しない。従って、アルコール回収部を含む排気路で気体中の低分子量アルコールを回収しきれず外部に放出させることを、よりいっそう防止できる。
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係る有機物分解処理装置の一部断面を含む概略構成図である。
図において、この実施形態に係る有機物分解処理装置1は、セルロース系廃棄物(有機物の一例)を分解処理する分解処理槽2と、分解処理槽2内の気体を排出する排気路3と、排気路3の気体中のメタノールと水を回収するアルコール回収部4とを備えている。
分解処理槽2は、メタノールが超臨界状態となる圧力(8.09MPa以上)および温度(239℃以上)に耐える耐熱耐圧密閉容器として形成されている。分解処理槽2の上面にはセルロース系廃棄物を受け取る供給配管12が接続され、供給配管12は電磁開閉弁13を介して有機物槽14と接続されている。分解処理槽2の上部にはメタノール水溶液を受け取る供給配管17が接続され、供給配管17は電磁開閉弁25およびポンプ18を介してアルコール水溶液槽19と接続されている。分解処理槽2の底部にはセルロース系廃棄物の分解処理により生じたグルコース誘導体、副産物、および水を分解処理槽2から払い出す抜出配管29が接続され、抜出配管29は電磁開閉弁30を介して後続の蒸留工程31と接続されている。
分解処理槽2の外周面を被うジャケット内には、分解処理槽2内を所定温度に加熱する加熱器33および槽内温度を下げる冷却器34が収容されている。加熱器33は例えば電気ヒータなどで実現され、冷却器34は冷却油流通管などで実現される。これらの加熱器33による加熱動作および冷却器34による冷却動作は温調装置32により制御される。また、分解処理槽2には、槽内温度を検出する温度センサ15(槽内温度検出手段の一例)と、槽内圧力を検出する圧力センサ16が配備されている。アルコール水溶液槽19は、高純度メタノールを貯留したアルコール槽21と電磁開閉弁20を介して接続され、また電磁開閉弁22を介して水23の供給源と接続され、また槽内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出する濃度センサ24が配備されている。
そして、分解処理槽2の上面には排気路3の末端が接続されている。この排気路3には排気量調整弁5(排気量調整手段の一例)および流量センサ35が配備されている。排気路3の途中にはアルコール回収部4が配備されている。排気路3におけるアルコール回収部4の下流側には活性炭などを内蔵したメタノール除去装置53が配備され、排気路3の先端には微小正圧(例えば100mmH2O(水柱)程度)で自動的に開く大気放出弁54が配備されている。前記した排気量調整弁5は例えば逆止弁付きのニードル弁で構成されている。かかるニードル弁を用いると高圧の気体であっても精度よく流量制御を行なうことができ、更に逆止弁の存在により制御精度はいっそう高くなる。但し、本発明の排気量調整手段は前記のニードル弁に限らない。流量センサ35は例えばオリフィスメータなどで構成されている。
アルコール回収部4は、上流側に配備された第1回収部4Aと、第1回収部4Aの下流側に配備された第2回収部4Bとから主に構成されている。
第1回収部4Aは、内部に例えば熱媒体が収容された密閉容器の熱交換器60Aと、熱交換器60A内に配備された冷水管などから成る冷却器36と、熱交換器60A内に配備された水蒸気管などから成る加熱器39とを備えている。冷却器36は途中の流量制御弁38の開閉によりチラー37Aからの冷水の流量が調整されるようになっている。加熱器39は途中の流量制御弁41の開閉によりボイラ40からの加熱用蒸気の流量が調整されるようになっている。
熱交換器60A内において、排気路3は気体を冷却する回収部管路44Aとなっている。回収部管路44Aには凝縮液を取り出すための分岐部59Aが形成されている。回収部管路44Aには、管路内の圧力を検出する圧力センサ45Aと、回収部管路44A内の温度を検出する温度センサ46Aが設置されている。これらの加熱器39、流量制御弁41、ボイラ40から成る構成、および冷却器36、流量制御弁38、チラー37Aから成る構成の組み合わせによって、第1温調手段57が構成される。
同様に、第2回収部4Bは、内部に例えば熱媒体が収容された密閉容器の熱交換器60Bと、熱交換器60B内に配備された冷媒管などから成る冷却器42とを備えている。冷却器42は途中の流量制御弁43の開閉によりチラー37Bからの冷媒の流量が調整されるようになっている。
熱交換器60B内において、排気路3は気体を冷却する回収部管路44Bとなっている。回収部管路44Bには凝縮液を取り出すための分岐部59Bが形成されている。回収部管路44Bには、管路内の圧力を検出する圧力センサ45Bと、管路内の温度を検出する温度センサ46Bが設置されている。これらの冷却器42、流量制御弁43、チラー37Bから成る構成によって、第2温調手段58が構成される。
尚、上記では、図示と説明を容易にするため、排気路3の回収部管路44A,44BをU字状に表示し、それぞれの最下部に分岐部59A,59Bを形成した例を示したが、本発明のアルコール回収部における排気路は、路内の気体から水、低分子量アルコールを凝縮させて取り出せるものであれば、その構造、形状は問われない。
前記した熱交換器60Aの分岐部59Aは電磁開閉弁47を介して抜出配管8と接続され、抜出配管8は水受槽10と接続されている。水受槽10には払出配管49が接続され、払出配管49は電磁開閉弁50およびポンプ51を介して貯槽52と接続されている。また、熱交換器60Bの分岐部59Bは電磁開閉弁48を介して抜出配管9と接続され、抜出配管9はアルコール受槽11と接続されている。アルコール受槽11には回収配管28が接続され、回収配管28は電磁開閉弁26およびポンプ27を介してアルコール水溶液槽19と接続されている。
この有機物分解装置1の制御を行なう制御装置6は、図2のブロック図に示すように、汎用の中央演算処理装置CPU、メモリM、データバスBDなどを有する例えばマイコンで構成されている。マイコンの入力側には、キーボード、マウスなどの外部入力装置7、温度センサ15,46A,46B、圧力センサ16,45A,45B、流量センサ35、および濃度センサ24が信号入力可能に接続されている。マイコンの出力側には、排気量調整弁5、流量制御弁38,41,43、電磁開閉弁13,20,22,25,26,30,47,48,50,62、およびポンプ18,27,51が指令出力可能に接続されている。このマイコンは、後で詳述する排気量制御手段55、回収条件データ入力手段56、および回収条件データ入力手段61の機能をプログラムデータとしてメモリMに予め保有しており、中央演算処理装置CPUが排気量制御手段55、回収条件データ入力手段56、および回収条件データ入力手段61の機能を実行するようになっている。
そして、図3のグラフに示すような、分解処理槽2の槽内温度と、低分子量アルコールを所定得率以上で回収可能な排気量との関係を表わす回収条件データ(曲線Cで示される)が、外部入力手段7から制御装置6に入力されて予めメモリMに格納されている。この回収条件データにおいて、Dで示す部分は、メタノールが分解処理槽2内で液体であるためにガスとして排気路3から排出できない状態であることを示している。Eで示す部分における曲線Cの曲がり具合および傾きは、排気路3の長さ、風路断面積、風路抵抗、およびアルコール回収部4における回収条件(回収温度、回収圧力など)によって決まるものであり、予め試験を通して得られている。Fで示す部分の温度は、分解処理槽2の槽内温度がメタノールの沸点以下になっていないが排気を開始する温度である。すなわち、槽内温度と排気量とが曲線Cに沿うように、排気量調整弁5の弁開度を制御して排気量を調整すれば、気体中のメタノールを排気路3およびアルコール回収部4で最終的に99.5%以上回収できるようになっている。
そこで、上記のように構成された有機物分解処理装置1の作用を説明する。まず、電磁開閉弁20が開かれてアルコール槽21の98%メタノールがアルコール水溶液槽19に所定量供給され、電磁開閉弁22が開かれて水23がアルコール水溶液槽19に所定量供給される。この例において、メタノールと水との混合比率は例えば4:1であり、80vol%濃度のメタノール水溶液を調製するように設定されている。アルコール水溶液槽19におけるメタノール水溶液の濃度は濃度センサ24で検出され、制御装置6はメタノール水溶液を80vol%とするように電磁開閉弁20,22を開閉制御する。
そして、制御装置6は、電磁開閉弁25,30,62、排気量調整弁5を閉止した状態で、電磁開閉弁13を開放し有機物槽14のセルロース系廃棄物を分解処理槽2内に供給する。次に、制御装置6は、ポンプ18を起動し電磁開閉弁25を開いて、アルコール水溶液槽19のメタノール水溶液を供給配管17から分解処理槽2内に供給する。この例において、セルロース系廃棄物とメタノール水溶液との供給比率は、概ね0.2〜0.4:1(重量比)である。
そして、制御装置6は、電磁開閉弁13,25を閉止したのち、温調装置32の加熱器33を作動させて分解処理槽2内を加熱する。そのうち、温度センサ15により検出された槽内温度が239℃以上となり、圧力センサ16により検出された圧力が8.09MPa以上となったのち、セルロース系廃棄物からグルコース誘導体を得る分解反応が終わるまで、前記の温度・圧力条件を維持する。分解反応中は、分解処理槽2内のメタノール水溶液およびセルロース系廃棄物を撹拌手段(不図示)により緩やかに撹拌するとよい。
前記した分解反応が終了すると、制御装置6は、温調装置32の冷却器34を作動させて分解処理槽2内を徐々に冷却する。但し、冷却器34の作動を止めて分解処理槽2の自然放冷により槽内温度を下げるようにしてもよい。これと並行して、制御装置6は第1温調手段57および第2温調手段58を作動させて、第1回収部4Aの回収部管路44Aを80℃に保持し、第2回収部4Bの回収部管路44Bを5℃に保持する。そのうち、槽内温度が約120℃(図3中のFで示す温度)まで低下したとき、排気路3の電磁開閉弁62を開く。この場合、電磁開閉弁62の開放に先立って、制御装置6は予め排気量調整弁5の弁開度を微小に開いておく。この微小開度は、分解処理槽2の高温高圧の気体が排気路3から排出されても排気路3およびアルコール回収部4で気体中のメタノールを最終的に99.5%(所定得率)以上捕捉して回収し得る開度である。
続いて、制御装置6は、図4のフローチャートに示したルーチンに従って作動する。まず、温度センサ15により検出された槽内温度が入力される(ステップS1)。メモリMに回収条件データが予め格納されていて入力可能な状態か、あるいは現時点で外部入力装置7から回収条件データが入力されたかが判断される(ステップS2)。回収条件データの入力が可能であれば(ステップS2のY)、回収条件データがメモリMまたは外部入力装置7から入力されて中央演算処理装置CPUに設定される(ステップS3A:回収条件データ入力手段のステップ)。
続く、ステップS4では、検出された槽内温度を回収条件データに照らし合わせて、そのときの槽内温度の気体から最終的に99.5%以上のメタノールを回収可能な弁開度に排気量調整弁5を制御できるかが判断される(ステップS4:アルコール回収判断手段のステップ)。排気量調整弁5を99.5%以上のメタノール回収可能な弁開度にできるならば(ステップS4のY)、槽内温度および回収条件データに基づいて排気量調整弁5の弁開度を決定する(ステップS5A)。そして、排気量調整弁5は決定された弁開度に制御される(ステップS6)。一方、ステップS4において、排気量調整弁5を99.5%以上のメタノール回収可能な弁開度にできなければ(ステップS4のN)、排気量調整弁5の弁開度は全閉に決定され(ステップS5B)、排気量調整弁5が全閉にされて排気量調整弁5からの排気は実行されない(ステップS6)。また一方、ステップS2において、回収条件データの入力がなければ(ステップS2のN)、中央演算処理装置CPUの排気量制御手段55は、温度センサ15により検出された分解処理槽2の槽内温度のみに基づいて排気量調整弁5による排気量を制御するのである。
このように、制御装置6は、槽内温度の低下に伴って排気量調整弁5の弁開度を開いていく。それによって、排気量調整弁5を通過する気体の排気量が増加するように調整される(図3の曲線CにおけるEの部分)。排気路3を流通する気体の排気量は流量センサ35により検出されて制御装置6に送信される。そこで、制御装置6の中央演算処理装置CPUは、流量センサ35により検出された排気量を、温度センサ15で検出された槽内温度に対応する曲線C上の排気量に近づけるように排気量調整弁5の弁開度を開閉制御する。
一般に、常圧下(1atm)におけるメタノールの沸点は64.7℃であるが、置かれた環境の圧力が常圧よりも高くなると沸点は64.7℃よりも高くなり、常圧よりも低くなると沸点が64.7℃よりも低くなることが知られている。
そして、第1回収部4Aの回収部管路44Aに流入した気体は80℃に冷却される。このとき、気体中のメタノールはガスのままであり、水蒸気はその多くが凝縮して水となり、分岐部59Aに流下する。この場合、メタノールと水は共沸物であるので、分岐部59Aには極微量のメタノールを含む凝縮水が溜まる。分岐部59Aに溜まった凝縮水は電磁開閉弁47の開放により抜出配管8から水受槽10へ払い出される。すなわち、第1回収部4Aは、排気路3内の圧力(大気圧よりもわずかに高い正圧)におけるメタノールの沸点(65℃強)以上で水の沸点(100℃強)未満の温度(80℃)で水を回収するようになっている。尚、分解処理槽2の降温に伴って、熱交換器60A内が80℃を下回る場合は、加熱器39を作動させて加熱し80℃に保持させる。
第1回収部4Aを通過した気体は、第2回収部4Bの回収部管路44Bにおいて5℃に冷却される。これにより、気体中の多くを占めるメタノール蒸気が凝縮して液体メタノールとなり、微量の水蒸気も凝縮して水となり、最下部の分岐部59Bに流下する。分岐部59Bには、極微量の水を含むメタノールが溜まる。分岐部59Bに溜まったメタノールは電磁開閉弁48の開放により抜出配管9からアルコール受槽11へ払い出される。
第2回収部4Bを出た時点で気体中のメタノールは、排気路3入側の気体中のメタノールに対し99.5%以上が除去されている。すなわち、第2回収部4Bは、排気路3内の圧力におけるメタノールの沸点以下、且つ、低分子量アルコールを所定得率(99.5%)以上で回収可能な温度でメタノールを回収する構成にされている。そして、排気路3およびアルコール回収部4で捕捉されなかったメタノールは、メタノール除去装置53の活性炭で吸着除去される。このようにメタノールを除去した気体が大気放出弁54から大気中へ放出されるのである。
一方、アルコール受槽11へ払い出されたメタノールは電磁開閉弁26の開放およびポンプ27の起動により回収配管49からアルコール水溶液装置19に送られ、メタノール供給源の一部として再利用される。
他方、水受槽10へ払い出された水は、電磁開閉弁47の開放およびポンプ51の起動により払出配管49から貯槽52に送られる。貯槽52の水は、ろ過処理などを行なった後にアルコール水溶液装置19に供給される水23の一部として利用することも可能である。
そうして、槽内温度が30〜40℃程度まで下がった分解処理槽2では、電磁開閉弁30が開かれて、分解処理槽2内で生じたグルコース誘導体、副産物、および水が抜出配管29から蒸留工程31へ払い出される。蒸留工程31では、グルコース誘導体から副産物や水などが溜去される。
上記したように、この実施形態の有機物分解処理装置1は、排気量制御手段55、回収条件データ入力手段56、アルコール回収判断手段61を備えているので、検出された槽内温度を回収条件データに照らし合わせて、排気量調整弁5による気体の排気量を制御する。これにより、気体中の低分子量アルコールを所定得率以上で回収することができる。また、気体中の低分子量アルコールを所定得率以上で回収可能か否かを判断し、回収可能でないと判断した場合に、排気量調整弁5による排気を実行しない。従って、気体中の低分子量アルコールを回収しきれず、装置外に放出させるといったことを防止できる。
尚、上記の実施形態では、有機物入口を分解処理槽2の上面に設け、メタノール水溶液入口を分解処理槽2の側面に設けたが、それに限定されない。例えば、有機物入口を分解処理槽2の側面に設け、メタノール水溶液入口を分解処理槽2の上面に設けたり、あるいは有機物入口およびメタノール水溶液入口の双方を分解処理槽2の側面に設けても構わない。また、有機物の供給構造としては、電磁開閉弁13に替えて、フランジ付きの供給口を分解処理槽に形成し、この供給口を耐圧蓋でボルト止めして封止するようにしてもよい。
そして、大気放出弁54に替えて、大気放出弁54よりも高い作動圧力で開く電磁開閉弁を放出弁として用いる場合、この電磁開閉弁を圧力センサ45A,45Bの検出圧力に基づいて開閉するようにすればよい。
また、本発明に用いる有機物としては、上記のセルロース系廃棄物を含む、木材、紙、紙パルプ、農産物、都市ゴミ中の多糖類などといったバイオマス系廃棄物が挙げられる。
本発明に使用可能な低分子量アルコールとしては特に限定されず、エタノールやプロパノールなども使用可能であるが、グルコース誘導体を選択的に高収率で得られる点でメタノールが最も好ましい。有機物の分解に使用される低分子量アルコール水溶液のアルコール濃度としては、有機物の過度の分解を抑えてグルコース誘導体を選択的に生成するために、75〜95vol%とするのがよい。
本発明の一実施形態に係る有機物分解処理装置の一部断面を含む構成図である。 前記有機物分解処理装置の制御系統を示すブロック図である。 前記有機物分解処理装置の分解処理槽からの排気量と分解処理槽の槽内温度との関係を示すグラフである。 前記有機物分解処理装置に係る制御動作の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 有機物分解処理装置
2 分解処理槽
3 排気路
4 アルコール回収部
5 排気量調整弁(排気量調整手段)
6 制御装置
14 有機物槽
15 温度センサ(槽内温度検出手段)
19 アルコール水溶液槽
55 排気量制御手段
56 回収条件データ入力手段
61 アルコール回収判断手段
C 曲線
CPU 中央演算装置
M メモリ

Claims (3)

  1. 有機物と低分子量アルコールとが供給され、低分子量アルコールを超臨界状態にして有機物を分解処理する分解処理槽と、有機物分解処理後に分解処理槽内の気体を分解処理槽から排出する排気路と、を有する有機物の分解処理装置において、
    排気路に配備されて気体中の低分子量アルコールを回収するアルコール回収部と、
    排気路から排出される気体の排気量を調整する排気量調整手段と、
    分解処理槽内の温度を検出する槽内温度検出手段と、
    槽内温度検出手段により検出された槽内温度に基づいて排気量調整手段による排気量を制御する排気量制御手段とを具備してなることを特徴とする有機物の分解処理装置。
  2. アルコール回収部を含む排気路内で低分子量アルコールを所定得率以上で回収可能な排気量と、分解処理槽の槽内温度との関係を表わす回収条件データを入力する回収条件データ入力手段を備えてなり、
    排気量制御手段は、槽内温度検出手段により検出された槽内温度と、回収条件データ入力手段により入力された低分子量アルコールの回収条件データとに基づいて、排気量調整手段による排気量を制御する構成にされていることを特徴とする請求項1に記載の有機物の分解処理装置。
  3. 槽内温度検出手段により検出された槽内温度と、回収条件データ入力手段により入力された低分子量アルコールの回収条件データとに基づいて、アルコール回収部を含む排気路内で気体中の低分子量アルコールを所定得率以上で回収可能か否かを判断するアルコール回収判断手段を備えてなり、
    排気量制御手段は、アルコール回収判断手段がアルコール回収部を含む排気路内で気体中の低分子量アルコールを所定得率以上で回収できないと判断した場合に、排気量調整手段による排気を実行しない構成にされていることを特徴とする請求項2に記載の有機物の分解処理装置。
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