JP2008245474A - リニアモータ - Google Patents

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Toshiyuki Asao
利之 浅生
Shuhei Yamanaka
修平 山中
Takemasa Ishikawa
武正 石川
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Abstract

【課題】コイルから発生する熱を効率よく吸収して大気に逃がすことができるリニアモータを提供する。
【解決手段】リニアモータは、マグネット2が設けられる固定部材1と、マグネット2に向かい合うコイルが設けられる可動部材4と、を有し、電流が流れるコイル3とマグネット2の磁界の作用により生じた力を利用して、可動部材4を固定部材1に対して直線又は曲線的に運動させる。コイル3の内側には、磁性体からなるコア11が設けられる。コイル3の内側には、コア11よりも熱伝導率が高い熱伝導部14が設けられる。放熱部12は、熱伝導部14に接触すると共に大気に接触し、コイル3から発生する熱を大気に放熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネットの磁界とコイルに流す電流によって、直線又は曲線運動するための推力を得るリニアモータに関する。
リニアモータは、回転型のモータの固定子側と回転子側を直線状に引き伸ばしたもので、電気エネルギを直線運動するための推力に変換する。直線的な推力が得られるリニアモータは、移動体を直線運動させる一軸のアクチュエータとして用いられる。
リニアモータにおいては、固定子が軌道になり、可動子は固定子に沿って運動する。固定子には、長さ方向にN極及びS極の磁極を持つ平板状のマグネットが交互に配列される。可動子には、マグネットに向かい合う複数のコイルが可動子の進行方向に複数並べられる。コイルの内部には、コイルが生じさせる磁力を強くするためのコアが設けられる。U・V・W相の三相に分けた複数のコイルに120°ずつ位相が異なる三相交流電流を流すと、可動子の進行方向に移動する移動磁界が発生する。電流が流れるコイルとマグネットの磁界の作用により生じた推力によって、可動子が固定子に対して相対的に運動する。
回転型モータ及びリニアモータのいずれにあっても、コイルに電流を流すと熱が発生する。大きな推力を得ようとして、コイルに大きな電流を流すと、発生する熱量も大きくなる。しかし、熱によってコイルの温度が高くなると、コイルが生じさせる磁力が弱くなり、リニアモータの効率が落ちる。この問題を解決するために、図13に示されるように、コイルから発生する熱を放熱させる放熱部材を設けたリニアモータが開示されている(特許文献1、段落[0033]参照)。このリニアモータにおいて、固定子51には、上下方向に間隔を開けて一組のマグネット52が配置される。可動子56には、上側のマグネット52に向かい合う上段側のコイル53aと、下側のマグネット52に向かい合う下段側のコイル53bとが設けられる。上段側のコイル53a及び下段側のコイル53bの内側には、共通のコア55が設けられる。放熱部材54は、熱伝導が良好なアルミニウムからなり、コア55を貫通する。コイル53a,53bから発生する熱はコア55、放熱部材54を伝導し、放熱部材54の冷却フィン54aから放熱される。
特開2002-112525号公報
しかし、従来のリニアモータにあっては、磁力を強くするために、コイルの内側の全体空間はコアによって占められる。コイルから発生する熱は磁性体であるコアを経由してコイルの外側の放熱部材に伝わる。コアには、一般的に透磁率が大きいケイ素鋼が用いられる。ケイ素鋼の熱伝導率は、アルミニウムの約1/5であるから、放熱部材に熱伝導率が高いアルミニウムを用いたとしても、熱伝導率が低いコアを経由することで、コイルから発生する熱が放熱部材に伝わりにくくなる。
そこで、本発明は、コイルから発生する熱を効率よく吸収して大気に逃がすことができるリニアモータを提供することを目的とする。
ところで、熱の伝わり方は、熱伝導、熱対流及び熱放射の三種類に大別できる。熱伝導は、熱が物体の高温部から低温部へ物体中を伝わって移動する現象である。熱対流は、熱対流は空気の流れによって熱が運ばれる現象である。熱放射は、物体から熱エネルギが電磁波として放射される現象である。
従来のリニアモータにおいて、放熱部材として使用されるアルミニウムは、熱伝導率は高いが熱放射率が低い。熱放射率が低い分だけ、冷却フィンから効率よく熱を逃がすことができない。アルミニウムの表面に、アルマイト処理と呼ばれる陽極酸化皮膜を形成すると、熱放射率が格段に向上する。ただし、アルマイト処理すると、今度は陽極酸化皮膜の部分で熱伝導率が低下し、コイルから発生する熱を熱伝導しにくくなる。
そこで本発明の他の目的は、熱伝導率及び熱放射率の両方を高くすることができ、コイルの冷却に適した冷却手段を備えるリニアモータを提供することにある。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、マグネット(2)又はマグネット(2)に向かい合うコイル(3)の一方が設けられる固定部材(1)と、前記マグネット(2)又は前記コイル(3)の他方が設けられる可動部材(4)と、を有し、電流が流れるコイル(3)とマグネット(2)の磁界の作用により生じた力を利用して、可動部材(4)を固定部材(1)に対して直線又は曲線的に運動させるリニアモータにおいて、前記コイル(3)の内側に設けられ、磁性体からなるコア(11,26)と、前記コイル(3)の内側に、かつ前記コア(11,26)の内側若しくは外側に設けられ、前記コア(11,26)よりも熱伝導率が高い熱伝導部(14,27)と、前記熱伝導部(14,27)に接触すると共に大気に接触し、前記コイル(3)から発生する熱を大気に放熱する放熱部(12)と、を備えるリニアモータである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリニアモータにおいて、前記熱伝導部(27)は、前記コア(26)の外側に前記コア(26)を囲むように設けられることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のリニアモータにおいて、前記コイル(3)は、前記可動部材(4)の進行方向に複数並べて配列され、前記熱伝導部(14,27)は、前記複数のコイル(3)の前記マグネット(2)に対向する側とは反対側に設けられ、前記複数のコイル(3)を跨るように前記複数のコイル(3)が配列される方向に伸びると共に、前記放熱部(12)に接触する基部プレート(14a,27a)と、前記基部プレート(14a,27a)から前記複数のコイル(3)それぞれの内側に向かって突出する複数の櫛歯部(14b,27b)と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のリニアモータにおいて、前記熱伝導部(14)が前記コア(11)の内側に配置される場合、前記熱伝導部(14)が前記マグネット(2)に向かい合う前記コア(11)の端面(11b-1)から露出しないように、前記熱伝導部(14)が前記コア(11)の内部に埋め込まれ、前記熱伝導部(27)が前記コア(26)の外側に配置される場合、前記マグネット(2)に向かい合う前記熱伝導部(27)の端面が、前記マグネット(2)に向かい合う前記コア(26)の端面よりも前記マグネット(2)から離間し、前記コア(26)が前記熱伝導部(27)から露出することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、コアよりも熱伝導率が高い熱伝導部がコイルの内側に設けられるので、コアから発生する熱を熱伝導部で効率良く吸い上げることができる。
請求項2に記載の発明によれば、コイルから発生する熱は直近の熱伝導部に直接的に伝導するので、コアから発生する熱を熱伝導部で効率良く吸い上げることができる。また、コアには熱が伝わりにくくなるので、コアの温度上昇も抑えることができる。このため、温度上昇に伴って磁性体であるコアの磁化特性が落ちるのを防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、可動子の進行方向に並べられる複数のコイルから熱を吸い上げることができる。
請求項4に記載の発明によれば、マグネットに対向するコアの端面に磁束を集めることができる。このため、コイルの内側に磁束が通りにくい熱伝導部を設けたとしても、モータの推力が低下するのを防止できる。
添付図面に基づいて本発明の一実施形態のリニアモータを詳細に説明する。図1及び図2は本発明の一実施形態におけるリニアモータを示す。図1は斜視図を示し、図2は正面図を示す。この実施形態のリニアモータは、一軸のアクチュエータで、テーブル等に移動体を一軸方向に移動させるのに用いられる。固定部材1には、N極及びS極の複数のマグネット2が交互に配列される。可動部材4は、マグネット2に向かい合う複数の例えば三つのコイル3を有する。電流が流れるコイル3とマグネット2の磁界の作用により生じた推力によって、可動部材4が固定部材1に対して直線運動する。
固定部材1は、可動部材4の移動方向に細長く伸びている。固定部材1は、矩形状の底部プレート1aと、底部プレート1aの幅方向の両端部に設けられる一対の側壁部1bとを有する。一対の側壁部1bの上面それぞれには、リニアガイドのレール5が取り付けられる。レール5は、側壁部1bの長さ方向のほぼ全長に渡って細長く伸びる。レール5の外周面には、リニアガイドのブロック6のボール、ローラ等の転動体が転がり運動する転動体転走溝がレール5に沿って形成される。固定部材1の底部プレート1aの上面には、N極及びS極の複数のマグネット2が交互に配列される。マグネット2は幅方向に細長い板状の永久磁石からなる。複数のマグネット2は固定部材1の長さ方向に一定のピッチで配列される。
可動部材4は、左右一対のレール5それぞれにスライド可能に組み付けられるリニアガイドのブロック6と、左右のブロック6に跨る結合天板7と、結合天板7の下面に設けられる可動子9と、から構成される。
結合天板7は、幅方向に細長く伸びる天井部7aと、天井部7aの幅方向の両端に設けられ、下方に垂れ下がる一対の脚部7bと、を有する。脚部7bの下端には、リニアガイドのブロック6が取り付けられる。天井部7aの下面には、可動子9が取り付けられる。天井部7aの上面には、テーブル等の移動体を取り付けるための取付けねじが加工される。
ブロック6は、レール5を跨る鞍形状に形成される。一つのレール5に対して二つのブロック6が組み付けられる。ブロック6には、レール5の転動体転走溝に対向する負荷転動体転走溝が形成されると共に、転動体を循環させるためのサーキット状の転動体循環経路が設けられる。ブロック6の転動体循環経路には複数の転動体が配列・収容される。レール5に対してブロック6がスライドすると、レール5の転動体転走溝とブロック6の負荷転動体転走溝との間に介在された転動体が転がり運動する。これと同時に転動体はサーキット状の転動体循環経路を循環する。転動体の転がり運動によって、レール5に対してブロック6がスライドするときの摩擦抵抗が低減される。
可動子9は、マグネット2に向かい合う複数の、例えば三つのコイル3と、コイル3が発生する磁界を強めるコア11と、コイル3から発生する熱を大気に逃がす放熱部であるヒートシンク12と、を備える。
コイル3は、コア11の周囲にエナメル線を巻いたものであり、可動子9の幅方向に細長い四角形の環状に形成される。三つのコイル3は可動部材4の移動方向に隣接して並べられる。U・V・W相の三相に分けた三つのコイル3に120°ずつ位相が異なる三相交流電流を流すと、可動子9の進行方向に移動する移動磁界が発生する。電流が流れるコイル3とマグネット2の磁界の作用により生じた推力によって、可動子9が固定部材1に対して相対的に運動する。
コイル3に流れる電流は、制御装置によって制御される。固定部材1には可動部材4の位置を検出するリニアスケールが取り付けられる。制御装置は、リニアスケールが検出した可動部材4の位置情報及び速度情報をフィードバックし、目標値との差分を算出し、可動部材4の位置及び速度が目標値に近づくようにコイル3に電流を流す。
図3及び図4は、可動子9の詳細図を示す。コア11は、複数のコイル3のマグネット2に対向する側とは反対側に設けられ、複数のコイル3を跨るように複数のコイル3の配列方向に伸びる基部プレート11aと、基部プレート11aから複数のコイル3それぞれの内側に向かって突出する複数の櫛歯部11bと、を有する。基部プレート11aは可動子9の進行方向に細長い矩形状に形成される。コア11の基部プレート11aの上面は、ヒートシンク12の下面に接触する。複数の櫛歯部11bは、基部プレート11aに直交する板形状に形成されると共に、基部プレート11aの幅方向に全長に渡って伸びる(図5参照)。コア11の内部空間は、コア11の櫛歯部11bによって占められる。コア11の櫛歯部11bは、コイル3よりもマグネット2側に突出する。コア11の材質は、ケイ素鋼等の磁性体である。
図5は、コア11及び熱伝導部14の斜視図を示す。コア11の内部には、熱伝導部14が挿入される。熱伝導部14は、複数のコイル3のマグネット2と対向する側とは反対側に設けられ、複数のコイル3を跨るように複数のコイル3が配列される方向に伸びる基部プレート14aと、基部プレート14aから複数のコイル3それぞれの内側に突出する櫛歯部14bと、を有する。熱伝導部14の形状は、コア11の形状と相似形である。図6に示されるように、コア11には、熱伝導部14の櫛歯部14bの形状に合わせた櫛歯部挿入溝11cが形成される。コア11の上面の中央部には、熱伝導部14の基部プレート14aに接触する基部プレート接触面11dが形成される。基部プレート接触面11dは、周囲の枠部11eよりも熱伝導部14の厚さ分だけ低く形成される。熱伝導部14をコア11に装着したとき、熱伝導部14の基部プレート14aの上面とコア11の枠部11eの上面とが同一平面になる。そして、熱伝導部14を埋め込んだコア11をヒートシンク12の下面に装着したとき、熱伝導部14及びコア11の双方が、ヒートシンク12の下面に接触する。
図6に示されるように、櫛歯部挿入溝11cは、コア11の櫛歯部11bの底面まで貫通していない。すなわち、図3に示されるように、熱伝導部14の櫛歯部14bは、マグネット2に向かい合うコア11の端面11b−1から露出しないように、コア11の内部に埋め込まれている。マグネット2に向かい合うコア11の端面11b−1は、磁束が集中するところである。熱伝導部14をコア11の端面から露出させないことで、磁力の低下量を抑えることができる。コア11の内部に埋め込まれているといっても、熱伝導部14の櫛歯部14bはコア11の内側に突出し、熱伝導部14の櫛歯部14bの下端はマグネット2に向かい合うコイル3の端面3aと同じ平面まで伸びる。
熱伝導部14の材質は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる。アルミニウム合金としては、Al−Cu系合金、Al−Mn系合金、Al−Si系合金、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Mn系合金を用いることができる。熱伝導部14の表面には、陽極酸化皮膜が形成されると共に、陽極酸化皮膜中にアルミニウム以外の金属、例えば銀が含浸される。
陽極酸化とは、金属を陽極とし、電解質水溶液の電気分解によって金属の表面に耐食性の酸化皮膜を生成することである。例えば、図7に示されるように、電解槽21に電解質溶液として、250gr/l以上350gr/l以下の硫酸と、15gr/l以上25gr/l以下の硫酸ニッケルとを含む水溶液22を溜める。電解槽21の内部にカーボン、グラファイト等の非消耗性電極23を配置し、熱伝導部14を保持する治具24を配置する。そして、非消耗性電極23を直流電源の陰極に接続し、治具24を陽極に接続する。溶液温度:−10℃以上+25℃以下、電圧:DC100V以上200V以下、電流密度:0.5A/dm2以上20.0A/dm2以下という条件で陽極酸化を行うと、熱伝導部14の表面に陽極酸化皮膜が形成される。
熱伝導部14の表面に陽極酸化皮膜を形成した後、10gr/l以上30gr/l以下の硫酸銀又は硝酸銀と、15gr/l以上20gr/l以下のホウ酸と、1gr/l以上2gr/l以下の硫酸ニッケルとを含む水溶液からなる電解質溶液を用い、溶液温度:+10℃以上+20℃以下、交流電圧:AC10V以上15V以下、電流密度:1A/dm2以上2A/dm2以下、通電時間2分以上3分以下という条件で陽極酸化を行うと、陽極酸化皮膜中に銀を含浸させることができる。銀のほかに、金、プラチナ、銅、チタン、タングステン、マグネシウム、ロジューム、パラジューム、コバルト、ニッケル等の金属を含浸させてもよい。
熱伝導部14の表面に陽極酸化皮膜を形成すると、表1に示されるように、熱伝導部14の熱放射率を格段に向上させることができる。
Figure 2008245474
陽極酸化皮膜の熱伝導率は、アルミニウムよりも低くなる。陽極酸化皮膜の厚みは薄いけれども、熱伝導率が低くなる分、熱伝導も悪くなる。陽極酸化皮膜に銀を含浸させることで、陽極酸化皮膜の欠点である熱伝導率が低くなるという問題を解消することができる。すなわち、熱放射率及び熱伝導率を共に高くすることができる。
図3及び図4に示されるように、ヒートシンク12は、ほぼ立方体形状に形成されると共に、その上面に可動部材4の進行方向に細長く伸びる複数の溝12aが形成される。複数の溝12aを形成することによって、ヒートシンク12の上面には表面積を大きくする冷却フィン12bが形成される。
熱伝導部14と同様に、ヒートシンク12にも表面に陽極酸化皮膜が形成されるアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。陽極酸化皮膜中には、アルミニウム以外の金属が含浸される。ヒートシンク12も熱放射率、熱伝導率が共に高くなる。ヒートシンク12は、熱伝導や熱対流だけでなく、熱放射、すなわち熱を電磁波として大気に放出する。
エナメル銅線からなるコイル3に電流を流すと、コイル3に熱が発生する。コイル3から発生する熱は、コア11の内部に埋め込まれた熱伝導部14に効率よく吸収される。熱伝導部14に吸収された熱は、ヒートシンク12に伝わり、ヒートシンク12から大気に効率よく放出される。
図8及び図9は、可動子の他の例を示す。図3及び図4に示される可動子9は、熱伝導部14がコア11に挿入され、熱伝導部14の櫛歯部14bがコア11の内側に配置されていた。これに対し、この例の可動子25においては、熱伝導部27とコア26とを入れ替えている。すなわち、コア26が熱伝導部27に挿入され、熱伝導部27の櫛歯部27bがコア26の櫛歯部26bを囲むように櫛歯部26bの外側に配置される。
図10に示されるように、コア26は、複数のコイル3のマグネット2に対向する側とは反対側に設けられ、複数のコイル3を跨るように複数のコイル3の配列方向に伸びる基部プレート26aと、基部プレート26aから複数のコイル3それぞれの内側に向かって突出する複数の櫛歯部26bと、を有する。基部プレート26aは可動子25の進行方向に細長い矩形状に形成される。コア26の基部プレート26aの上面は、ヒートシンク12の下面に接触する。コア26の複数の櫛歯部26bは、基部プレート26aに直交する板形状に形成されると共に、基部プレート26aの幅方向に全長に渡って伸びる。
熱伝導部27は、複数のコイル3のマグネット2と対向する側とは反対側に設けられ、複数のコイル3を跨るように複数のコイル3が配列される方向に伸びる基部プレート27aと、基部プレート27aから複数のコイル3それぞれの内側に突出する櫛歯部27bと、を有する。熱伝導部27の形状は、コア26の形状の相似形である。熱伝導部27の櫛歯部27bには、コア26の櫛歯部26bの形状に合わせた櫛歯部挿入溝27cが形成される。この櫛歯部挿入溝27cは、熱伝導部27の櫛歯部27bの下端面27dを貫通する。
図11及び図12に示されるように、コア26を熱伝導部27に装着したとき、コア26の上面と、熱伝導部27の基部プレート27aの上面とが同一平面になる。コア26を装着した熱伝導部27をヒートシンク12の下面に装着したとき、コア26及び熱伝導部27の双方がヒートシンク12に接触する。また、コア26の櫛歯部26bは、コイル3の中心に位置し、熱伝導部27の櫛歯部27bから露出する。
図8及び図9に示されるように、コア26の櫛歯部26bは、コイル3よりもマグネット2側に突出する。マグネット2に向かい合う熱伝導部27の櫛歯部27bの端面は、コイル3のマグネット2と向かい合う端面3aと同一平面内にあり、マグネット2に向かい合うコア26の櫛歯部26bの端面よりもマグネット2から離間する。
熱伝導部27は、表面に陽極酸化皮膜が形成されると共に、陽極酸化皮膜中にアルミニウム以外の金属が含浸されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。ヒートシンク12も、上記図3及び図4に示されるヒートシンク12と同一である。
この例の可動子25によれば、熱伝導率及び熱放射率の高い熱伝導部の櫛歯部がコイル3の直近に位置する。エナメル銅線からなるコイル3は熱放射率が高い。コイル3の直近に熱放射率の高い熱伝導部を配置することで、直接的に熱伝導できるだけでなく、熱放射の観点からも熱交換する熱量を大きくすることができる。
また、この例の可動子25においては、熱伝導部27の櫛歯部27bの端面がマグネット2に対向している。可動子25がマグネット2に対して移動すると、アルミ製の熱伝導部27の櫛歯部27bに渦電流が発生するおそれがある。熱伝導部27の厚みは、渦電流の発生を考慮して決定される。
なお、本発明は上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々変更できる。例えば、熱伝導部は、コアよりも熱伝導率が高ければよく、アルミニウムに陽極酸化皮膜したものに限られない。コアの外側に設けられる熱伝導部は、コアの周囲を囲まなくても、コアの周囲の一部に設けられてもよい。さらに、熱伝導部とヒートシンクとを一体にしてもよい。さらに、熱伝導部とヒートシンクの材質を異ならせ、熱伝導部を熱伝導率が高い材質とし、ヒートシンクを熱放射率の高い材質としてもよい。
本発明の一実施形態におけるリニアモータの斜視図 リニアモータの正面図 リニアモータの可動子の詳細斜視図 図3とは異なる角度からみた可動子の斜視図 コア及び熱伝導部の分解斜視図 熱伝導部の斜視図 陽極酸化処理用の電解槽を示す概念図。 可動子の他の例を示す斜視図 異なる角度からみた可動子の他の例を示す斜視図 熱伝導部及びコイルの分解斜視図 コアを熱伝導部に装着した状態を示す斜視図(下方からみた斜視図) コアを熱伝導部に装着した状態を示す斜視図(上方からみた斜視図) 従来のリニアモータの放熱構造を示す断面図
符号の説明
1…固定部材
2…マグネット
3…コイル
3a…端面
4…可動部材
9,25…可動子
11…コア
11a…コアの基部プレート
11b…コアの櫛歯部
11b−1…コアの端面
12…ヒートシンク(放熱部)
14…熱伝導部
14a…熱伝導部の基部プレート
14b…熱伝導部の櫛歯部
26…コア
26a…コアの基部プレート
26b…コアの櫛歯部
27…熱伝導部
27a…熱伝導部の基部プレート
27b…熱伝導部の櫛歯部

Claims (4)

  1. マグネット又はマグネットに向かい合うコイルの一方が設けられる固定部材と、前記マグネット又は前記コイルの他方が設けられる可動部材と、を有し、電流が流れるコイルとマグネットの磁界の作用により生じた力を利用して、可動部材を固定部材に対して直線又は曲線的に運動させるリニアモータにおいて、
    前記コイルの内側に設けられ、磁性体からなるコアと、
    前記コイルの内側に、かつ前記コアの内側若しくは外側に設けられ、前記コアよりも熱伝導率が高い熱伝導部と、
    前記熱伝導部に接触すると共に大気に接触し、前記コイルから発生する熱を大気に放熱する放熱部と、を備えるリニアモータ。
  2. 前記熱伝導部は、前記コアの外側に前記コアを囲むように設けられることを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
  3. 前記コイルは、前記可動部材の進行方向に複数並べて配列され、
    前記熱伝導部は、前記複数のコイルの前記マグネットに対向する側とは反対側に設けられ、前記複数のコイルを跨るように前記複数のコイルが配列される方向に伸びると共に、前記放熱部に接触する基部プレートと、
    前記基部プレートから前記複数のコイルそれぞれの内側に向かって突出する複数の櫛歯部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアモータ。
  4. 前記熱伝導部が前記コアの内側に配置される場合、
    前記熱伝導部が前記マグネットに向かい合う前記コアの端面から露出しないように、前記熱伝導部が前記コアの内部に埋め込まれ、
    前記熱伝導部が前記コアの外側に配置される場合、
    前記マグネットに向かい合う前記熱伝導部の端面が、前記マグネットに向かい合う前記コアの端面よりも前記マグネットから離間し、前記コアが前記熱伝導部から露出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のリニアモータ。
JP2007085457A 2007-03-28 2007-03-28 リニアモータ Withdrawn JP2008245474A (ja)

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