JP2008241302A - ポータブル型脈動計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポータブル型脈動計は、手で握って保持可能な大きさとされたケーシングを具え、このケーシング内には、駆動用電源である一本の柱状の電池が受容される電池室およびガス流路が形成されていると共に、当該ガス流路に供給されるガスの圧力を検知する圧力センサーが設けられており、供給されるガス流の脈動が当該圧力センサーによって取得される電気的信号に基づいて測定可能に構成されている。
【選択図】 図3
Description
一般に、ガス流等における脈動を低減させる方法としては、例えばガス供給量をオリフィスで絞ることにより脈動を低減させる方法(例えば特許文献1参照)や、例えばバッファ(緩衝部)を形成することにより脈動を低減させる方法(例えば特許文献2参照)などが知られている。
また、上述したようなダイヤフラム式ポンプを具備した吸引型ガス警報器に限らず、ガスセンサーの上流側の位置に、脈動を発生させる、あるいは脈動を発生させ得る機器が接続された製品についても同様に、ガス流の脈動が小さく低減されるよう対策が採られている。
しかしながら、ガス警報器が設置されている現場において、ガス流の脈動測定を実施可能な測定機器は知られていないのが実情である。
供給されるガス流の脈動が当該圧力センサーによって取得される電気的信号に基づいて測定可能に構成されていることを特徴とする。
また、装置それ自体が小型のものとして構成されていることにより、実際に稼動状態にある(使用されている)例えばガス警報器などの製品における、ガスセンサーに供給されるガス流の脈動を、例えばガス警報器本体におけるガス流路にバイパス接続する、という簡単な操作を行うのみで、測定することができ、高い利便性を有するものとして構成することができる。
図1は、本発明のポータブル型脈動計の一構成例を示す正面図、図2は、図1に示すポータブル型脈動計の左側面図、図3は、図1におけるA−A線断面図、図4は、図1におけるB−B線断面図である。
このポータブル型脈動計(以下、単に、「脈動計」という。)10は、手で握って保持可能な大きさとされた細長い形態を有するケーシング11を具えてなり、このケーシング11内には、平板状の制御用回路基板18がケーシング11の正面側の周壁に沿って長手方向に伸びるよう配設されていると共に、この制御用回路基板18の背面側における一方の側壁側領域に、駆動用電源である1本の柱状の電池、例えば単三形(AAサイズ)の電池13がケーシング11の端壁に開口する電池挿入口を介して長手方向に挿入されて受容される電池室12が形成されている。符号14は、ケーシング11における電池挿入口の開口縁部に取り外し自在に装着された電池室キャップであり、これにより、電池13が交換可能とされている。
ケーシング11における他方の側壁側部分には、ケーシング11の長手方向内方側に伸びるよう凹部15が形成されており、この凹部15の端壁には、電池挿入口と同方向に開口するガス導入口21が形成されていると共に接続用端子であるガス導入用プラグ(ニップル)30がガス導入口21に装着されてケーシング11の外縁より外方に突出しない状態で配置されている。
ケーシング11内における電池室12と並んだ他方の側壁側領域には、ガス導入口21に連続して内方に伸びるガス流路部分22を有するガス導入部20が形成されており、このガス導入部20は、ケーシング11の外表面に開口するガス導入口21の開口径より小さいガス吐出口を有する、いわゆるキャピラリー構造とされている。
この金属帯16は、樹脂よりなるために静電気を帯びやすいケーシング11の表面を、連続する樹脂表面部分の表面積が100cm2 以下の大きさとなるよう、分割し、これにより、脈動計10それ自体が着火源とならない構成、すなわち、防爆仕様(本質安全防爆)の規格を満足する構成とされている。
このガス流路形成部材25における貫通孔27には、制御用回路基板18に実装された圧力センサー35のガス導入管部が例えばOリングなどのシール部材(図示せず)を介して気密に接続されている。
ガス流路形成部材25におけるガス流路26は、内径が例えばφ4mmであり、ガス導入口21から圧力センサー35に至るガス流路(ガス導入部20のガス流路部分22を含む)26の長さが例えば40mmである。
また、バイパス管56がガス流路55に対して接続される位置は、例えばガスセンサー52に近い位置で配管内径が同一の状態であることが好ましい。
圧力センサー35から検知信号は、例えば図6に示すような、制御用回路基板18に形成された信号処理回路、具体的には増幅器38によって増幅されて、例えば表示器60などの外部機器に出力される。
一方、例えばポンプ動作性能の経年的な劣化やガス流路の劣化等の原因によって、図7(ロ)に示すように、例えば、ガス流の脈動が圧力変動幅Aが許容範囲aを逸脱する状態が所定時間以上の間継続するような状態である場合には、現状のガス警報器50においては、供給されるガス流の脈動の、ガスセンサー52に対する影響が大きく、信頼性の高いガス検知を行うことができない状態にあるものと判断することができる。ここに、ガス流の脈動についての判断は、例えば圧力値(瞬時値)が許容範囲aを逸脱したことが検知されることにより、または、瞬時的な圧力変化量(圧力変動量)が一定の大きさ以上であることが検知されることにより、あるいは、圧力変動の周期Tが短くなったことが検知されることにより、行うこともできる。
しかも、脈動計10それ自体が小型のものとして構成されていることにより、実際に使用されているガス警報器50における、ガスセンサー52に供給されるガス流の脈動を、例えばガス警報器50におけるガス流路55にバイパス接続する、という簡単な操作を行うことのみで、測定することができ、高い利便性を有するものとして構成することができる。
例えば、ケーシング内において形成されるガス流路の内径寸法および長さ、ガス導入部におけるガス吐出口の開口径、並びにその他の構成は、目的に応じて適宜変更することができる。
また、上述したようにガス警報器におけるガス流の脈動を測定するために用いられる場合においては、脈動計はガス警報器におけるガス流路に直接接続して当該ガス流路の一部が脈動計によって形成されるよう配管接続されてもよい。
さらに、ガス流がガスセンサーの種類に応じて設定された閾値を超える圧力状態であることが検知された場合に、ブザー音あるいは発光による警報を発する警報報知機構を具備した構成とすることができる。このような構成によれば、例えば検知結果を表示器等に出力することなしに、現状の脈動(圧力指示値)がガスセンサーに対して影響があるかないかを判別することができる。
(1)例えば、ガス警報器の開発初期段階において、ガスセンサーに供給されるガス流の脈動を小さく低減し、ガスセンサーに与える影響をなくすことを目的として、各種のガスセンサーについて、脈動をセンサー出力に対する影響のない程度に低減させるための例えばバッファ(緩衝部)の構成あるいは機器選定等のガス警報器等の装置設計を行うために用いることができる。
具体的には、容積が可変できるバッファを脈動計10のガス導入用プラグ(ニップル)30に接続し、バッファの容量を変更しながら脈動を測定することにより、十分な脈動低減効果が得られる最小容量のバッファを選定することができ、これにより、製品の小型化を図ることができると共に、圧力変動(脈動)を数値化して絶対値で評価することができることにより、製品開発に貢献することができる。
(2)ガス警報器等の実際の製品だけでなく、例えばポータブル型ガス検知器に係るガス校正用キャップの設計の際にも応用できる。具体的には、ポータブル型ガス検知器に係る校正キャップにおいては、ガスをポンプで押し込み校正を行う構成のものと、ガスボンベから直接ガスを供給して校正を行う構成のものとがあるが、このような校正ガス供給方法の違いによるガス流の脈動の影響が考慮された、適正な大きさの校正値に設定されるものを提供することができる。
11 ケーシング
11A,11B ケーシング部材
12 電池室
13 電池
14 電池室キャップ
15 凹部
16 金属帯
18 制御用回路基板
20 ガス導入部
21 ガス導入口
22 ガス流路部分
25 ガス流路形成部材
26 ガス流路
27 貫通孔
30 ガス導入用プラグ(ニップル)
31 信号出力端子
32 駆動用スイッチ
35 圧力センサー
38 増幅器
50 ガス警報器
51 ダイヤフラム式ポンプ
52 ガスセンサー
55 ガス流路
56 バイパス管
60 表示器
Claims (4)
- 手で握って保持可能な大きさとされたケーシングを具え、このケーシング内には、駆動用電源である一本の柱状の電池が受容される電池室およびガス流路が形成されていると共に、当該ガス流路に供給されるガスの圧力を検知する圧力センサーが設けられており、
供給されるガス流の脈動が当該圧力センサーによって取得される電気的信号に基づいて測定可能に構成されていることを特徴とするポータブル型脈動計。 - ケーシングの外表面部分に凹部が形成されており、当該凹部の壁において前記ガス流路に係るガス導入口が開口すると共にガス導入用プラグが凹部内に配置された状態でガス導入口に装着されていることを特徴とする請求項1に記載のポータブル型脈動計。
- ケーシングが樹脂よりなり、連続する樹脂表面部分の大きさを規制する金属帯が装着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポータブル型脈動計。
- ダイヤフラム式ポンプを具備する吸引型ガス警報器における、当該ダイヤフラム式ポンプとガスセンサーとの間のガス流路に接続され、ガスセンサーに供給されるガス流の脈動を測定するために用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のポータブル型脈動計。
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2007
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