JP2008238661A - 光造形装置、露光装置、および露光方法 - Google Patents

光造形装置、露光装置、および露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置構成を複雑化することなく、要求される造形精度に応じた造形を行うことができる光造形装置を提供する。
【解決手段】DMD(デジタルミラーデバイス)によって変調された光が露光位置において結像する像の歪み分布を基に、ある露光解像度で露光する際に変調対象とするミラーの範囲である露光使用領域を設定する。各断面について所定サイズの部分領域を単位に露光解像度を設定する。各断面での露光対象領域を、同一の露光解像度が設定された部分領域群ごとに仮想的に分割する。露光は、同じ露光解像度が設定されてなる部分領域群ごとに、該部分領域群に対応付けられてなる露光使用領域を使用して行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、レーザー光などの光を所定の光硬化性樹脂に照射することによって三次元物体を造形する光造形装置、特にミクロンオーダーのサイズを有する物体の造形に好適な光造形装置に関する。
ある三次元物体を表現する立体形状データ(例えばCADデータなど)に基づき、所定間隔にてその最下端から最上端までの複数のスライス断面の形状を表現する断面形状データを生成しておき、該断面形状データに基づいて各スライス断面を表現する平板状の樹脂層を光硬化性樹脂を硬化させることによって順次に形成しつつ、該樹脂層が形成されるごとにこれを順次に積層することで、該三次元物体に相当する造形物を造形する光造形装置が、すでに公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−240045号公報
光造形装置のなかには、DMD(デジタルミラーデバイス)などのような空間光変調素子を使用して2次元の平面露光を繰り返すことで造形を行うものがある。係る光造形装置においては、例えば、微小なミラーが2次元的に配列されてなるとともに、各ミラーに対応した駆動用メモリーセルが備わっており、造形データ(スライスデータ)に基づく該駆動用メモリーセルへのON/OFF書き込み状態に応じて各ミラーの姿勢を変更することにより、投影光学系への露光用光の入射のON/OFFの切り替えが各ミラー単位で可能とされてなる。微小領域における露光用光の照射の有無を各々のミラーに対応させて設定することができるので、造形部においては、それぞれのミラーからの反射光の照射範囲を露光単位とする露光が行われることになる。
しかしながら、このような平面露光の場合、露光位置が露光用光の光軸から遠いほど、像の歪み(像の本来のサイズからのずれ)が発生することが、原理的に避けられない。係る歪みの存在は、結像する像の形を崩すことになるので、造形物の精度に影響を与えてしまうことになる。
このような歪みを光学的に減少させるために、あらかじめ光学的な設計を行い必要な光学素子を設けることも考えられるが、この場合には、装置調整が複雑になり、調整精度を維持することが難しくなるという別の問題が生じてしまう。また、係る場合は光学系の構成や調整機構を複雑化することになるので、装置価格を上昇させることになる点も問題である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、装置構成を複雑化することなく、要求される造形精度に応じた造形を行うことができる光造形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、光源から発せられた露光用光を複数の単位変調素子を配列させてなる変調手段によって変調させたうえで照射することによる平板状樹脂の露光と、前記露光により前記平板状樹脂の少なくとも一部が硬化することによって形成された樹脂層の積層とを行うことによって、所定の三次元造形物を造形する光造形装置であって、あらかじめ取得した、前記光源から発せられ前記変調手段によって変調された光が露光位置において結像する像の歪み分布を表す歪み特性データを基に、露光の際に適用しうる複数の露光解像度のそれぞれに対応させて、前記複数の単位変調素子のうち当該露光解像度での露光を行う際に変調対象とする単位変調素子の範囲である露光使用領域を設定し、当該設定内容を記述した露光使用領域データを生成する露光使用領域設定手段と、造形対象物の所定間隔ごとの断面の形状を表す断面形状データを基に、各断面について所定サイズの部分領域を設定単位として露光の際に必要となる露光解像度を前記複数の露光解像度の中から設定し、当該設定内容を記述した解像度設定データを生成する解像度設定手段と、前記断面形状データに記述されてなる各断面についての露光対象領域を、前記解像度設定手段において同一の露光解像度が設定された部分領域群ごとに仮想的に分割し、分割されたそれぞれの領域に属する前記部分領域を特定する情報を記述してなる分割データを生成する分割データ生成手段と、前記断面形状データと前記分割データと前記解像度設定データとに基づき、同じ露光解像度が設定されてなる前記部分領域群ごとに露光を行う露光処理手段と、を備え、前記露光処理手段は、前記部分領域群について設定されてなる前記露光解像度と対応付けられてなる前記露光使用領域を使用した露光を行う、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光造形装置であって、前記露光使用領域設定手段は、前記複数の露光解像度のそれぞれに対応する前記露光使用領域の設定を、当該露光解像度と前記単位変調素子のサイズと前記造形対象物において許容される造形誤差とに基づいて定まる、前記単位変調素子が結像する像の歪みの上限値に基づいて行う、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の光造形装置であって、前記歪み分布は前記変調手段に備わる前記複数の単位変調素子それぞれについての光軸中心に位置する単位変調素子からの距離と、当該単位変調素子が結像する像の歪みとの関係を示しており、前記露光使用領域は、前記光軸中心に位置する単位変調素子を中心とし、前記歪み分布において前記歪みの上限値に相当する単位変調素子を超えない範囲で設定される、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光造形装置であって、前記部分領域が前記単位変調素子のそれぞれによって像形成される範囲である露光画素と合致するように定められてなる、ことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光造形装置であって、前記光源から発せられ前記変調手段によって変調された光が前記露光位置において結像する像を撮像する撮像手段、をさらに備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、光源から発せられた露光用光を複数の単位変調素子を配列させてなる変調手段によって変調させたうえで所定の露光位置に設けられた被露光物に照射することにより、前記被露光物の表面に対し所定の露光パターンでの露光を行う露光装置であって、あらかじめ取得した、前記光源から発せられ前記変調手段によって変調された光が露光位置において結像する像の歪み分布を表す歪み特性データを基に、露光の際に適用しうる複数の露光解像度のそれぞれに対応させて、前記複数の単位変調素子のうち当該露光解像度での露光を行う際に変調対象とする単位変調素子の範囲である露光使用領域を設定し、当該設定内容を記述した露光使用領域データを生成する露光使用領域設定手段と、前記所定の露光パターンを表す露光パターンデータを基に、所定サイズの部分領域を設定単位として露光の際に必要となる露光解像度を前記複数の露光解像度の中から設定し、当該設定内容を記述した解像度設定データを生成する解像度設定手段と、前記露光パターンデータに記述されてなる露光パターンを、前記解像度設定手段において同一の露光解像度が設定された部分領域群ごとに仮想的に分割し、分割されたそれぞれの領域に属する前記部分領域を特定する情報を記述してなる分割データを生成する分割データ生成手段と、前記断面形状データと前記分割データと前記解像度設定データとに基づき、同じ露光解像度が設定されてなる前記部分領域群ごとに露光を行う露光処理手段と、を備え、前記露光処理手段は、前記部分領域群について設定されてなる前記露光解像度と対応付けられてなる前記露光使用領域を使用した露光を行う、ことを特徴とする。
請求項7の発明は、光源から発せられた露光用光を複数の単位変調素子を配列させてなる変調手段によって変調させたうえで所定の露光位置に設けられた被露光物に照射することにより、前記被露光物の表面に対し所定の露光パターンでの露光を行う方法であって、前記光源から発せられ前記変調手段によって変調された光が前記露光位置において結像する像の歪み分布を表す歪み特性データを取得する歪み特性取得工程と、前記歪み特性データを基に、露光の際に適用しうる複数の露光解像度のそれぞれに対応させて、前記複数の単位変調素子のうち当該露光解像度での露光を行う際に変調対象とする単位変調素子の範囲である露光使用領域を設定し、当該設定内容を記述した露光使用領域データを生成する露光使用領域設定工程と、前記所定の露光パターンを表す露光パターンデータを基に、所定サイズの部分領域を設定単位として露光の際に必要となる露光解像度を前記複数の露光解像度の中から設定し、当該設定内容を記述した解像度設定データを生成する解像度指定工程と、前記露光パターンデータに記述されてなる露光パターンを、前記解像度設定工程において同一の露光解像度が設定された部分領域群ごとに仮想的に分割し、分割されたそれぞれの領域に属する前記部分領域を特定する情報を記述してなる分割データを生成する分割データ生成工程と、前記断面形状データと前記分割データと前記解像度設定データとに基づき、同じ露光解像度が設定されてなる前記部分領域群ごとに露光を行う露光処理工程と、を備え、前記露光処理工程においては、前記部分領域群について設定されてなる前記露光解像度と対応付けられてなる前記露光使用領域を使用した露光を行う、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項7の発明によれば、露光結像位置における像の歪みを抑制するための光学素子を付加するなどして装置構成を複雑化せずとも、要求される造形精度に応じた造形を実現することができる。しかも、精度が求められる部位についての造形のみ、露光使用領域を絞り込み、造形精度が求められない部位については、変調手段全体を用いて露光を行うので、露光処理全体において露光使用領域を絞る場合に比して、露光に要する時間の増加は限定的である。
<装置概要>
図1は、本実施の形態に係る光造形装置100の構成を概略的に示す断面模式図である。光造形装置100は、所定の塗布領域に一定厚みに塗布した光硬化性樹脂(以下、単に「樹脂」とも称する)に対して形状データに基づく露光を施すことを樹脂の積層と共に繰り返すことにより、三次元物体を得ることが出来る、いわゆる積層造形法によって造形を行う装置である。光造形装置100は、光源部10と、照明光学系20と、投影光学系30と、像面観察系40と、造形部50と、供給部60と、平滑化部70と、ビーム観測部80と、真空固定部90と、制御用コンピュータPCとを、主として備える。なお、図1は、あくまで各部の構成を概略的に示すに留まるものであり、各構成要素の大小関係などは必ずしも実際の状態を反映したものではない。
<機械的構成要素>
光源部10は、所定の光源11から、熱線カットフィルタ12を介して露光用光を発する。光源11の種類は特に限定されず、例えばレーザーやランプ、LEDなど、造形に用いる樹脂を硬化させることが出来る範囲において、適宜のものを用いることが出来る。すなわち、露光用光には、UV光や可視光、赤外光など、適宜の波長を有する光を用いることが出来る。また、複数種の光源が切り替え可能に設けられてなる態様であってもよい。光源11から発せられた露光用光は、光ファイバー13にて照明光学系20へ導かれる。
照明光学系20は、詳細な図示は省略するが、光源11からの露光用光を適宜に反射等してこれを変調手段21に照射し、その反射光を図示しない所定のレンズ群で調整しつつ投影光学系30へと入射させる。
変調手段21は、より具体的にはDMD(デジタルミラーデバイス)である。係る変調手段21においては、微小なミラー(単位変調素子)が2次元的に配列されてなるとともに、各ミラーに対応した駆動用メモリーセルが備わっており、該駆動用メモリーセルへのON/OFF書き込み状態に応じて各ミラーの姿勢を変更することにより、投影光学系30への露光用光の入射のON/OFFの切り替えが各ミラー単位で可能されてなる。微小領域における露光用光の照射の有無を各々のミラーに対応させて設定することができるので、後述する造形部50において、それぞれのミラーからの反射光の照射範囲を露光単位(画素)とする露光を行うことが出来る。露光単位ごとに露光対象とするかしないかを定めることで造形物の各スライス断面を表現する断面形状データDS(図7)の内容に応じて、各ミラーに対応する駆動用メモリーセルへの書き込みのON/OFFを設定することで、露光用光の照射領域を、当該断面の形状に応じて定めるとすることが出来る。
このような露光を、造形部50の造形基材51上に形成された樹脂層に対する変調手段21の相対的な配置位置を違えつつ行うことで、造形物の断面を構成する部分だけを露光することが可能となる。
なお、本実施の形態に係る光造形装置100は、ステップ露光とスキャン露光のいずれの露光方式で露光を行うように構成されていてもよいし、両方の方式を切替可能に構成されていてもよい。ここで、ステップ露光とは、樹脂層に対して変調手段21が相対的に停止している状態である樹脂層の位置に対する露光を行い、該露光が終了すると、所定ステップだけ変調手段21の相対的位置をシフトさせて次の露光を行うという露光方式である。一方、スキャン露光とは、変調手段21を連続的に樹脂層に対して相対移動させつつ露光を行う露光方式である。
同一の断面形状データDSについての露光であっても、いずれの露光方式で露光を行うかによって、各ミラーに対応する駆動用メモリーセルへの書き込みのON/OFFの設定の内容は異なることになる。ステップ露光の場合であれば、各停止位置と対応させて各ミラーについてのON/OFFデータが記述されていればよい。これに対してスキャン露光の場合は、ある位置に対して光を照射するミラーが連続的に変わることになるので、変調手段21が通過する間に所定の露光が完了するように、各ミラーについてのON/OFFデータが記述されていればよい。
DMDを変調手段21として用いる場合、2次元的に配列してなる多数のミラーのうち光軸中心から遠い位置にあるミラーで反射した光によって結像した像ほど、歪みが大きくなる。図4および図5(a)は、これを例示する図である。図4と図5(a)においては、光軸中心からの距離と歪みとの関係(歪み分布)を模式的に示している。図4においては、歪みの状況を1次元的に、図5(a)においては2次元的に示している。これらの図からわかるように、要求される造形精度が高い場合、解像度の値を小さく設定したとしても、光軸中心から離れたところでは断面形状データDS通りの正確な露光ができないことが起こりうる。
なお、本実施の形態においては、解像度を要求される分解能に相当する値で表現するものとする。例えば、5μmの分解能が要求される場合、「解像度が5μmである」などと表現されることになる。従って、解像度の値が大きいほど画像が粗く、値が小さいほど画像が精細であるということになる。
上述のような不具合を避けるため、本実施の形態に係る光造形装置100においては、断面形状データDSを対象とする露光処理に際し、造形物の部位ごとに要求される造形精度(換言すれば、許容される造形誤差)と露光の解像度とに応じて、あらかじめ露光使用領域(つまりはDMDにおいて該部位の露光に用いるミラーの範囲)を適切に設定し、当該部位に係る露光を、設定された露光使用領域に属するミラーのみを使用して行うことで、造形誤差を抑制した造形が行えるようになっている。図5(b)は、これを例示する図である。すなわち、変調手段21に備わるミラー全部を用いた場合には実現されないような造形精度を必要とする場合、光軸中心C1を重心とし、像の歪みが所定の範囲内にある画素のみが含まれる露光使用領域RE1を特定し、ある部位の造形に係る露光に際しては、該露光使用領域RE1の内部にあるミラーのみを変調の対象とし、該露光使用領域RE1よりも外側のミラーは露光に用いないようにすることが、出来るようになっている。
例えば、DMDが1024個×768個のミラーで構成されている場合であれば、造形精度があまり要求されない部位については全てのミラーで露光を行い、高い造形精度が要求される部位では500画素×300画素の露光使用領域で断面形状データDSの内容に応じた露光(ON/OFFの制御)を行う、といった態様での露光が行えるようになっている。
また、図5(c)に示すように、光軸中心C2が変調手段21のミラー配列の中心位置にない場合でも同様に、露光使用領域RE2を特定し、その内部にあるミラーのみを露光に用いることも可能である。
このように露光使用領域を設定して露光処理する態様についての詳細は後述する。
投影光学系30は、変調手段21から入射した露光用光による露光処理を担う。投影光学系30は、露光用光を所定のレンズ群31やミラー群32で調整しつつ、対物レンズ34から造形部50の造形基材51上へとフォーカス状態で照射させる。なお、造形部50からの反射光は対物レンズ34で受光され、投影光学系30の光路上に設けられたビームスプリッタ33にて分岐されて、像面観察系40へと導かれる。
本実施の形態に係る光造形装置100においては、対物レンズ34は基体1に固定され、鉛直下方に向けて露光用光を照射するように配置されてなる。すなわち、直接の照射源を固定した状態で露光が行われることになる。この態様は、照射源を移動または走査させる方式にて露光を行う場合に比して、光路長が固定されることによりフォーカス状態が安定することや、移動等に伴う光量の揺らぎや光ビームの振動が少ないことなどの利点を有している。すなわち、本実施の形態に係る投影光学系30の配置態様は、造形の際の露光解像度の向上に資する態様である。
さらに、光造形装置100は、後述するように別の場所にて造形基材51に対し樹脂が平滑に塗布されてなる造形部50を、水平駆動機構54によって対物レンズ34の直下に配置させたうえで露光を行うよう構成されている。すなわち、対物レンズ34と造形基材51との間に他の構成要素が介在しないので、対物レンズ34に対して造形基材51上の露光対象面を十分に近接させた状態での露光が実現される。好ましくは、両者の間隔は20μm以下とされる。
像面観察系40は、ビームスプリッタ33からの光、つまりは造形部50からの反射光を所定のレンズ群41で調整しつつCCDカメラ42で受像して、その受像画像をモニタ43に表示させる。なお、CCDカメラ42は、露光用光の波長に対して十分な感度を持つものを用いる。これにより、露光用光にて露光を行っている際に、その反射光を受光することで、露光時の状態(造形状態)を直接に観察することが可能となる。
本実施の形態に係る光造形装置100においては、このような像面観察系40を用いて、フォーカス位置の調整を行うことができる。フォーカスの微調整に際しては、特許文献1に開示されているような手法を適用することが出来る。
造形部50は、三次元物体の造形がなされる箇所である。造形部50においては、造形の際のベース部材となる造形基材51を固定可能なステージ52を内部に有する造形槽53が設けられてなる。造形基材51としては、ガラス基板その他の適宜の平板状部材を用いることが出来る。樹脂の種類や造形物の構造、サイズなどによって適宜に選択して用いられてよい。造形基材51における造形可能エリアは、変調手段21や投影光学系30の構成等によっても異なるが、1024画素×768画素の露光エリアを有するDMDを変調手段21に用いる場合であれば、例えば、15cm×15cmの領域で造形が可能である。
図2は、光造形装置100における造形の様子について例示する図である。造形に際しては、造形基材51上において樹脂層の塗布と露光とを繰り返し行うことで、造形槽53には露光により硬化した樹脂層の積層体である造形物Mが、非硬化部分の樹脂Pともども段階的に蓄積されていくことになる。樹脂の粘度が低い場合は、造形槽53に溜まった樹脂液の中に硬化部分が浸ったような状態となっている。いずれにせよ、全ての断面についての処理が終了した時点で造形物Mが造形基材51ごと造形槽53より引き上げられることで、造形基材51上に形成された三次元物体が得られることになる。なお、その際に、該三次元物体の周囲に非硬化の樹脂が付着することがあるが、これらは、所定の洗浄手段等によって除去される。
また、造形槽53は、水平駆動機構54にて水平方向(好ましくはXY2軸方向)に移動可能とされてなる。本実施の形態に係る光造形装置100においては、造形部50に対して樹脂の供給を担う供給部60と、供給された樹脂の平滑化を担う平滑化部70と、平滑化された樹脂への露光を担う対物レンズ34とがそれぞれ別個の位置に設けられてなり、造形部50をこの水平駆動機構54によって順次に移動させることで、それぞれの処理を行う態様となっている。従って、造形部50はこれらの各部の間を水平駆動機構54によって移動可能に構成されてなる。露光の際には、水平駆動機構54は設定された露光方式に応じて造形部50を移動させることで、樹脂層に対する変調手段21の相対移動を実現する。係る水平駆動機構54は、例えばボールネジなどの公知の駆動機構によって実現可能である。好ましくは、水平駆動機構54による駆動精度は±0.5μm以下である。また、ステージ52は垂直駆動機構(エレベータ)55にて造形槽53内を垂直方向(Z軸方向)に移動可能とされてなる。垂直駆動機構55は、駆動精度が±0.2μmの精密な位置決めが実現できることが好ましい。これは例えば、公知のリニアスケールを用いることで可能である。
造形部50においては、後述する供給部60と平滑化部70の作用によって該造形基材51上に所定厚みで塗布された光硬化性樹脂に対して、設定された露光方式に従いながら断面形状データDSと分割データDPとによって照射範囲が定められた露光用光を対物レンズ34から照射することにより、該樹脂のうちその照射範囲のみを硬化させることで、造形対象となっている三次元物体のある部分断面を具現化した樹脂層の形成がなされる。なお、厳密に言えば、すでに樹脂層が形成されている場合には、新たな樹脂の塗布はその樹脂層の上になされることになる。しかし、本実施の形態においては表現の簡単のため、既述の場合も含めてこうした態様に対しても「造形基材51上に」あるいは「造形基材51の上に」樹脂層が形成されてなる、あるいは露光用光を照射する、などといった表現を用いることがある。
係る露光がなされると、垂直駆動機構55によってステージ52をその上に形成された樹脂の積層体ともども所定距離だけ下降させ、次の断面について同様の処理が行われる。これを三次元物体の最下部から最上端部まで所定ステップだけ繰り返すことで、三次元物体が得られることになる。
供給部60は、このような造形に際して造形部50に対し所定の量の光硬化性樹脂を供給する処理を担う。具体的には、水平駆動機構54を駆動させて造形部50をディスペンサノズル61の直下の位置に配置させた状態で、加圧タンク62に貯留された造形用の樹脂を所定量、供給管63を通じて基体1に固定されたディスペンサノズル61から造形部50の造形基材51上へ供給する。1回の供給に係る樹脂の供給量は、加圧タンク62における加圧状態とディスペンサバルブ64の開閉とをディスペンサコントローラ65によって制御制御することで調整自在とされてなる。また、加圧タンク62は好ましくは攪拌機能を有しており、所定の操作指示に応答して攪拌動作を実行可能とされてなる。これにより、加圧タンク62内の樹脂の状態をより均一に保つことが出来る。なお、樹脂の供給に際してはディスペンサノズル61と造形基材51との間に他の構成要素が介在することがないので、ディスペンサノズル61と造形基材51とを十分に近接させた状態での樹脂の供給が実現される。また、1つの断面についての造形を行うにあたっての樹脂の供給態様は、樹脂の種類や造形しようとしている断面の形状などに応じて適宜に定めることができる。それに応じて、供給量も適宜に定められることになる。
平滑化部70は、供給部60にて供給された樹脂を基体1に設けられたリコータ71によって平滑化する処理を担う。リコータ71は、スキージやナイフエッジなどとも称され、例えば、少なくとも先端部分が略平板状をなす部材である。
平滑化部70における樹脂の平滑化は、供給部60にて造形基材51上に樹脂が供給された後の造形部50を水平駆動機構54によって平滑化部70の直下の位置にまで移動させたうえ行われる。係る配置関係が実現された上で、図示しない所定の駆動手段の作用によって、進退自在に設けられてなるリコータ71を造形基材51の上方の一方端から他方端まで移動させると、造形基材51上に塗布された樹脂がリコータ71によって掻き取られるなどして均一化される。なお、掻き取られた余剰の樹脂は、図示しない排出部へと排出される。
このとき、リコータ71が移動する際のリコータ71と造形基材51(もしくは直前に硬化された樹脂層)との距離が、塗布された樹脂が露光に供される際の厚みを規定することになるが、本実施の形態に係る光造形装置100においては、上述のように垂直駆動機構55によってステージ52(つまりは造形基材51)の精密な位置精度が可能であり、かつ平滑化に際してリコータ71と造形基材51との間に他の構成要素が介在することがないので、リコータ71と造形基材51とを十分に近接させた状態での平滑化が実現される。好ましくは両者の距離が10μm程度となる状態が実現される。そして、係る樹脂層についての露光後は、次の樹脂の塗布に先立って垂直駆動機構55が当該厚みに対応する距離だけステージ52(つまりは造形基材51)を下降させる。この樹脂の塗布、露光、ステージ52の下降の繰り返しにより、結局のところ、本実施の形態に係る光造形装置100においては、10μm程度の厚みにて樹脂層を形成することが出来るようになる。
ここで、上述した対物レンズ34(投影光学系30)、造形部50、供給部60、および平滑化部70の配置関係の持つ意味について説明する。一般に、光造形装置における造形精度の向上の観点からは、露光用光のフォーカスを正確に樹脂表面と一致させることが必要であり、そのためには、対物レンズ34と照射位置との距離をできるだけ短くする方が好ましい。また、樹脂の塗布厚み精度の向上を実現するには、樹脂を供給する供給手段と供給された樹脂を平滑化する平滑化手段とをそれぞれ、出来るだけ造形面に近接させることが好ましい。
仮に、造形部を固定して露光用光の投影光学系が移動する機構を採用すると、樹脂の供給と平滑化に際しては、造形部と投影光学系の間にて供給手段や平滑化手段を動作させる必要が生じる。その場合、これら供給手段や平滑化手段の配置は大きく制約を受けることになってしまう。供給手段や平滑化手段の動作時に投影光学系を退避させ、露光時には逆に供給手段や平滑化手段を退避させるような機構を採用することも可能ではあるが、その場合、装置構造も複雑なものとなってしまうことはもちろんだが、投影光学系を固定する態様に比してその露光用光の照射精度が劣ってしまうことになり、造形精度向上の観点からは好ましくない。
これに対して、図1に示す光造形装置100においては、樹脂を供給するための供給部60と、供給された樹脂を平滑化する平滑化部70と、平滑化された樹脂への露光を行う対物レンズ34とが、略同一水平面内にてそれぞれ別個の位置に設けられてなり、これら各部の下方において、造形が施される造形部50が、水平駆動機構54によって移動可能に構成されてなる。そして、各部における処理に際しては、造形部50をこの水平駆動機構54によって順次に各部の直下へと移動させ、それぞれに対向配置させて行う態様となっている。これにより、光造形装置100においては、上述したように、樹脂の供給、平滑化、露光のそれぞれの処理に際して、造形部50とそれぞれの処理を担う各部の間に他の処理を担う構成要素が介在することはなく、造形部50を各部それぞれに出来るだけ近接させた状態で、それぞれの処理が行われていることになる。これは、係る光造形装置100において高い造形精度が実現される理由の1つである。
また、光造形装置100においては、造形部50を水平移動可能に設け、その上方において対物レンズ34(投影光学系30)と供給部60と平滑化部70とをそれぞれ独立に略同一水平面内に配置してなることから、各部のメンテナンスが必要になった場合には、造形部50をその位置から退避させるだけで対象となる部分へと容易にアクセスすることが可能となる。装置構成が単純であることを含め、本実施の形態に係る光造形装置においては、メンテナンス性の向上が実現されてなる。
ビーム観測部80は、対物レンズ34から照射される露光用光の状態を観察するために備わる。ビーム観測部80は、露光用光の光路上の所定の観測位置(例えば対物レンズ直下の露光結像位置)にて、図示しない所定の観測手段によって露光用光のパワーや形状、光量分布などを観測する。観測手段は、例えばCCDカメラなどの撮像素子である。
後述するように、本実施の形態に係る光造形装置100においては、良好な造形精度を得るべく、露光結像位置における像の歪みの分布があらかじめ測定され、歪み特性データDDとして記憶部4(図6参照)に記憶されてなるが、この歪み分布の測定に、ビーム観測部80に備わる観測手段によって取得された観測データが用いられる。
なお、ビーム観測部80は、図1に例示するように造形部50に付設され、水平駆動機構54を駆動させることで観測位置へと配置されるように構成されていてもよいし、独立の駆動手段によって移動可能とされる態様であってもよい。あるいは、造形部50に対して着脱自在とされ、必要なときにのみ付設され、それ以外のときは除去することが出来る態様であってもよい。この場合、不使用中のビーム観測部80を汚染から保護することが出来る。いずれの態様をとる場合であっても、実際に露光に使用される露光用光を露光を行う位置で直接に観測するので、造形を行うに際して、用いる露光用光の状態を正確に把握することが出来る。
真空固定部90は、ステージ52に造形基材51を吸着固定させるために備わる。図3は、係る吸着固定について説明する概念図である。本実施の形態に係る光造形装置100においては、真空ポンプ91が、途中にソレノイドバルブ92を備えた排気管93によって、ステージ52に設けられた図1においては図示を省略する複数の吸着穴94と連通してなる(図3(a))。ステージ52に造形基材51を載置した状態で真空ポンプ91を作動させソレノイドバルブ92を開状態とすると、吸着穴94における負圧によってステージ52に造形基材51が固定されることになる。
また、造形基材51の造形面51sの面積がステージ52の載置面52sの面積よりも小さく、造形基材51によってはステージ52上の全ての吸着穴をふさぐことが出来ない場合は、図3(a)のようにただ造形基材51をステージ52上に載置したのみでは係る固定が実現できない。この場合には、図3(b)に示すように、造形基材51のサイズに応じて中央部分をくり抜いた(あるいは組み合わせることで同じ状態を出来る)マスク95を用意し、造形基材51の周囲に該マスク95を載置して、造形基材51によってはカバーしきれない吸着穴94を該マスク95にて塞ぐことで、造形基材51の固定を行う。
なお、ステージ52に対する造形基材51の固定の態様としては、ステージ上に固定爪や挟み込み部材等といった固定具や固定用枠を設けて固定する態様や、磁石の磁力によって固定する態様なども考えられる。しかしながら、前者の場合は造形基材がシート上である場合などに特に中央部分における平面度が十分に出ないことや、リコータ71の動作時に固定具や固定用枠がリコータ71の動作と干渉するおそれがあることや、造形基材のサイズに応じて固定具や固定用枠を移動させる必要が生じるので操作も面倒でまた十分な位置精度が出ない、などといった問題があって好ましくない。さらに、後者の場合、造形基材が磁性体であることが必要であったり、造形に用いる光硬化性樹脂が磁性材料を含有していると、磁力の存在で該磁性材料の分散状態や配向性が偏ってしまうなどといった問題があり、コスト高にもなるので好ましくない。
これに対して、本実施の形態に係る光造形装置100においては、平坦であって造形基材51よりも薄く、かつステージ52をカバー出来るものであれば、どのような材質のマスク95であってもリコータ71との干渉を生じることなく造形基材51を確実に固定することが出来る。すなわち、造形基材51のサイズがステージ52より小さい場合であっても、簡便かつ廉価に該造形基材51を確実にステージ52に固定することが出来る。
<制御用コンピュータと機能的構成要素>
制御用コンピュータPCは、光造形装置100の各部の動作を制御するために備わる。制御用コンピュータPCには、汎用のパーソナルコンピュータを用いることが可能である。図6は、係る制御用コンピュータPCのハードウェア的構成要素を示す図である。制御用コンピュータPCは、マウスやキーボードなどからなる操作部2と、ディスプレイからなる表示部3と、ハードディスクや不揮発性メモリなどからなり、光造形の実行に必要なプログラム4pや種々のデータを記憶する記憶部4と、外部の装置との間で種々のデータの送受信を担う、例えばLANやUSB接続などが可能なインターフェース部5と、さらには、DVD−RAMやRVD−RW、あるいはマイクロドライブなどといった可搬性の記録媒体との間でデータのリード/ライトを行うリード/ライト部6と、CPU7a、ROM7b、RAM7cなどからなる制御部7とを主として備える。
制御用コンピュータPCにおいては、プログラム4pがCPU7aによって実行されることによって後述する機能的構成要素が実現される。光造形装置100においては、係る機能的構成要素の作用によって生成される造形データに基づいて、上述の各部の動作が制御されることにより、造形処理が実現される。
例えば、当該制御用コンピュータPCあるいは図示しない他のコンピュータによってあらかじめ作成された、造形対象となる三次元物体のスライス断面を表現する断面形状データDSを取得し、各断面についての記述内容に基づいて変調手段21における露光用光のON/OFF状態を設定して、断面形状に応じた露光を行わせる、といった処理を初めとする種々の動作制御を、制御用コンピュータPCは担っている。
特に、本実施の形態に係る光造形装置100においては、断面形状データDSに基づく露光処理に際し、造形物の部位ごとに要求される造形精度に応じてあらかじめ露光使用領域(つまりは、DMDにおいて該部位の露光に用いるミラーの範囲)を適切に設定し、それぞれの露光使用領域内のみでの露光を行うことができるようになっている。これに係る一連の処理についても、制御用コンピュータPCは担っている。
図7は、制御用コンピュータPCにおいて実現される機能的構成について示す図である。図7においては、制御用コンピュータPCにおける種々のデータの流れを併せて示している。制御用コンピュータPCにおいては、記憶部4に記憶されているプログラム4pが実行されることにより、制御部7およびその他の各部の作用によって、機能的構成要素として、露光使用領域設定手段8aと、解像度設定手段8bと、分割データ生成手段8cと、造形実行手段8dと、動作制御手段9とが主として実現される。好ましくは、制御用コンピュータPCにおける種々の操作は、GUIを介して行われる。すなわち、操作部2を介して種々の処理用のメニューが表示部3に呼び出され、その表示内容に基づいて種々の条件設定や実行指示が行えるようになっている。
露光使用領域設定手段8aは、ビーム観測部80における歪み測定により得られ、あらかじめ記憶部4に記憶されてなる歪み特性データDDに基づいて、露光使用領域設定処理を行う。露光使用領域設定手段8aは、係る露光使用領域設定処理の結果を記述した、露光使用領域データDAを生成する。
解像度設定手段8bは、断面形状データDSを基に、各断面の露光対象領域について、露光の際に必要となる露光解像度を所定サイズの部分領域ごとに設定する、解像度設定処理を担う。解像度設定手段8bは、係る解像度設定処理の結果を記述した、解像度設定データDRを生成する。
分割データ生成手段8cは、断面形状データDSに記述されてなる各断面についての露光対象領域を、同一の露光解像度が設定されてなる部分領域群(当該断面において該当する部分領域で占められる領域全体)ごとに仮想的に分割して、その内容を記述した分割データDPを生成する処理を担う。
造形実行手段8dは、造形処理の実行を担う。操作部2を通じて所定の造形実行指示が与えられると、造形実行手段8dはこれに応答して、断面形状データDSと、分割データDPと、造形データDMの記述内容を解釈し、該記述内容に沿って各部を動作させるように、動作制御手段9に対し制御指示を与える。動作制御手段9が造形実行手段8dからの制御指示に従って制御対象である各部を動作させることによって、所望する造形物の形成が実現される。
ここで、造形データDMは、例えば光源11から出射する露光用光の強度や、造形部50の水平駆動機構54や垂直駆動機構55の駆動条件、供給部60からの樹脂の供給条件などが記述されてなるデータである。造形データDMは、あらかじめ所定の内容で記憶部4に記憶されてなるデータである。
動作制御手段9は、光源部10と、照明光学系20と、投影光学系30と、像面観察系40と、造形部50と、供給部60と、平滑化部70と、ビーム観測部80と、真空固定部90の各部についての動作の制御を担う。各部に備わる制御対象要素に対し所定の動作信号を与えるとともに、当該各部からの応答信号を受け取ることにより、各部における種々の動作を実現させる。
<歪み特性データの取得>
次に、本実施の形態に係る光造形装置100における露光処理に先だってあらかじめ行われる、歪み特性データの取得について説明する。
まず、ビーム観測部80の撮像素子を露光結像位置に配置しておく。そして、露光結像位置においてラインパターンやあるいはチェック(市松模様)パターンなどといった特性測定用のパターンの像が結像されるように、変調手段21を構成するDMDの各ミラーの姿勢を定める。例えば、ラインパターンを投影しようとする場合には、縦横いずれかの方向にのみON/OFF状態が繰り返されるように各ミラーの姿勢を定めればよく、チェックパターンを投影しようとする場合には、二次元的にON/OFF状態が繰り返されるように各ミラーの姿勢を定めればよい。このようにDMDを設定した状態で光源11から光を照射し、露光結像位置に得られる像を撮像素子によって撮像する。
得られた撮像画像においては通常、光源11から照射され変調手段21を構成するDMDによって反射された光の光軸中心に対応する位置ではラインや格子に歪みはなく、この位置から離れるほどが大きくなっている(図4や図5(a)参照)。そこで、DMDを構成する各ミラーの位置に対応する撮像画像上の位置での歪みの大きさ(像の本来のサイズからのずれ)を測定し、その値の本来のサイズに対する割合(%)を当該ミラーについての歪み量とすることで、ミラー位置と歪み量とが関連づけられた歪み分布が特定される。このDMDの各ミラーの位置と当該位置における歪み量との関係を2次元データの形式で記述することで、歪み特性データDDが生成される。このようにして生成された歪み特性データDDは、露光処理に先立ってあらかじめ記憶部4に記憶される。
図4に示す、歪み量の最大値dmaxがどの程度であるのかは、光学設計によっても異なるものの、代表的な場合でおおよそ20%程度である。すなわち、DMDを構成する全てのミラーを露光に寄与させて露光を行う場合、DMDの端部にあるミラーによって反射された光による像は、20%程度の誤差を含んでいることになる。もちろん、図5(c)にしめすように、光軸中心がDMDの中心からずれているような場合は、光軸中心から最も遠いミラー位置における歪み量は、光軸中心がDMDの中心と一致する場合よりもさらに大きくなっている可能性がある。
なお、撮像画像に基づく歪み特性データDDの生成は、必ずしも光造形装置100の内部で(たとえば制御用コンピュータPCにおいて)行う必要はなく、別の画像処理装置などで行われてもよい。また、係る歪み特性データDDの生成は、毎回の露光処理に先立って行う必要はなく、基本的には、光軸調整等など、露光に関わる光学系についての調整がなされた後に行いさえすればよい。すなわち、光軸調整等が不要な定常時の露光処理に際しては、記憶部4に記憶されている歪み特性データDDをそのまま用いればよい。
<露光使用領域の設定>
引き続いて、断面形状データDSを対象とする露光処理に至るまでの処理を順に説明する。なお、以下においては、歪み特性データDD、断面形状データDS、造形データDMは、あらかじめ記憶部4に記憶されているものとする。
初めに、露光使用領域設定手段8aの作用によって、露光使用領域設定処理が行われる。具体的には、まず、ある露光解像度である造形精度の露光を行おうとする場合に許容される歪み量の上限値(単位:%)を次の演算式にて算出する。
[歪み量上限値]=[造形精度]×([設定解像度]/[1画素の大きさ]) (式1)
ここで、[設定解像度]は露光を行おうとする際の露光解像度(単位:μm)である。[1画素の大きさ]はDMDの1つのミラーによって露光される領域のサイズ(単位:μm)であり、通常は固定値である。[造形精度]は[設定解像度]に設定された露光解像度で露光を行おうとする部位で許容される造形誤差(単位:%)である。[造形精度]は、0.5%〜5%の範囲で設定されるのが好ましい。5%を超える造形精度を許容するのは、精密かつ微細な造形物を作製するという光造形装置100の使用目的にそぐわないために好ましくない。一方で、0.5%以下の造形精度を実現することは、必ずしも現実的ではないからである。
(式1)で値が算出されると、歪み特性データDDにおいて、算出された上限値以下の歪み量が関連づけられているミラーの位置範囲を特定し、これをその露光解像度および造形精度で露光を行う場合の露光使用領域と設定する。
ただし、次述する露光解像度の設定との関係から、実用上は、設定解像度としてあらかじめいくつかの値を固定的に設定しておき、それらの値に対応する造形精度を個別に入力可能とし、それぞれの設定解像度の値に応じた露光使用領域を、同時に設定するものとする。
露光使用領域設定手段8aは、この露光使用領域の設定内容を記述した露光使用領域データDAを生成する。露光使用領域データDAはRAM7cもしくは記憶部4に保持される。
簡単のため1次元の例で説明すれば、[1画素の大きさ]が1.7μmと定められており、[設定解像度]が5.1μmと与えられ、[造形精度]が1%と与えられる場合、歪み量の上限値は3%となる。図4に示す歪み分布が歪み特性データDDに相当すると、該分布において3%よりも歪み量の値が小さいミラーの範囲(図4で矢印にて示す範囲)が露光使用領域となる。
なお、(式1)によって算出される歪み量の上限値が、実際の歪み分布における歪み量の最大値dmax(つまりはDMDの端部での歪み量)を上回ることがあり得る。この場合は、おのづからDMD全体が露光使用領域として設定されることになる。なお、dmaxがどの程度の値であるのかは、光学設計によっても異なるものの、代表的な場合でおおよそ20%程度である。
2次元の場合についても、同様の処理をミラーの配列方向である直交する2方向のそれぞれについて行うことで、2次元領域としての露光使用領域が定められる。なお、歪み分布が直交する2方向について等価である場合は、基本的には露光使用領域も該2方向について等価となる(つまりは正方領域となる)が、図5(b)、(c)に示す露光使用領域RE1やRE2は、変調手段21を構成するDMDの形状と略相似の矩形となっている。これは、長手方向について一次元の場合と同じように処理して露光に適用可能なミラーの範囲を定めたうえで、DMDの形状と略相似となるように露光使用領域を設定することで実現される態様である。係る場合、短手方向については、長手方向よりも許容される歪み量の範囲が狭まることになる。
図8は、露光使用領域を模式的に例示する図である。図8(a)は、変調手段21であるDMDを構成するミラーの配列範囲全体と一致するように設定された露光使用領域Raを例示する。図8(b)は、DMDを構成するミラーの配列範囲の一部のみに対応するように設定された露光使用領域Rbを例示する。図8(c)は、DMDを構成するミラーの配列範囲のうち、ほぼ光軸中心位置近傍ミラーのみに対応するように設定された露光使用領域Rcを例示する。当然ながら、露光使用領域Raは、歪み量の上限値が比較的大きい場合に相当し、露光使用領域Rcは歪み量の上限値が相当に小さい場合に相当する。すなわち、露光使用領域Rcによる露光は、像の歪みがほとんど生じない非常に精度の良い結果が期待されることになる。
このような露光使用領域の設定は、露光使用領域設定手段8aの作用によって表示部3に表示される所定の入力項目欄に、光造形装置100のオペレータが、操作部2を用いて設定解像度や造形精度の値を直接に入力するとともに、所定の設定指示を与えることに応答して実行される。
<解像度の設定>
次に、解像度設定手段8bによる解像度設定処理について説明する。
露光単位ごとに露光対象とするか(ON状態)露光対象としないか(OFF状態)を記述した断面形状データDSを対象とする露光に際しては、このON/OFF状態の繰り返しが像として正確に再現されることが必要となる。すなわち、ON/OFF状態の繰り返し間隔よりも小さい解像度が必要とされる。従って、断面形状データDSに基づき、各断面の各部分領域およびその近傍おけるこの繰り返し間隔を特定することで、各部分領域について必要な露光解像度を設定することが出来る。
ただし、特定される繰り返し間隔は種々の値を取りうるので、それらの値を直接に露光解像度として用いようとすると、全ての値に対応する露光使用領域を露光使用領域設定手段8aによって設定することが必要となって実用的ではない。実用上は、上述したようにあらかじめ露光解像度として適用可能な値を露光の精密さの程度に応じていくつか固定的に設定しておき、そのうちの繰り返し間隔を超えない値の中から、その部分領域についての露光解像度として設定する。処理効率の観点から、通常は、その範囲の中で最大の値を露光解像度として設定すればよい。
また、部分領域は、理想的には、変調手段21を構成するDMDの各ミラーからの反射光の照射範囲と合致するように定められるのが望ましいが、係る場合、処理演算量が膨大になることから、設定された露光解像度の妥当性に実質的な問題が生じない範囲で、適宜のサイズに定められてよい。
あるいは、解像度設定手段8bの作用によって表示部3に表示される所定の指定メニューに従って、光造形装置100のオペレータが、操作部2を用いてそれぞれの部分領域についての露光解像度を設定できる態様であってもよい。あるいは、解像度設定手段8bが上述のような処理を行うことで設定した露光解像度を、オペレータが所定の修正メニューに従って適宜に修正できる態様であってもよい。
図9は、ある断面の露光対象領域に対して、部分領域単位に解像度が設定された場合を例示する図である。図9においては、仮想的に矩形の露光対象領域Sを考え、この露光対象領域Sについて、部分領域Uを設定単位として解像度が設定された場合を例示している。なお、図中、各部分領域Uに付されている記号「A」、「B」、「C」は、露光解像度を表している。ここでは、記号「A」がもっとも解像度が大きく、記号「C」がもっとも解像度が小さく、記号「B」がその中間程度の解像度であるものとする。すなわち、もっとも精度が要求される部分領域については最小の露光解像度「C」が設定され、精度がさほど要求されない部分領域については、露光解像度「A」が設定される。なお、図8で示した露光使用領域Raを与える解像度が「A」であり、露光使用領域Rbを与える解像度が「B」であり、露光使用領域Rcを与える解像度が「C」であるものとする。
解像度設定手段8bは、係る露光解像度の設定内容を記述した解像度設定データDRを生成する。解像度設定データDRはRAM7cもしくは記憶部4に保持される。
<分割データの生成>
露光使用領域設定手段8aによる露光使用領域データDAの生成と、解像度設定手段8bによる解像度設定データDRの生成とが行われると、これらのデータに基づいて、分割データ生成手段8cによる分割データの生成が行われる。
分割データ生成手段8cは、まず、断面形状データDSと解像度設定データDRの記述内容に基づいて、同一の露光解像度が設定されてなる部分領域群を特定する情報(各部分領域に属する部分領域についての位置情報)を取得する。さらに、分割データ生成手段8cは、露光使用領域データDAを参照することにより、各部分領域群に対する露光を行う際の変調手段21の露光使用領域を各部分領域群と関連付け、この関連づけ内容を、分割データDPとして生成する。生成された分割データDPは、RAM7cもしくは記憶部4に保持される。
図10は、図9において例示した部分領域単位の解像度設定の内容に対応する、部分領域群を例示する図である。図9において解像度が「A」、「B」、「C」とされた部分領域がそれぞれ、図10において、部分領域群Ga、Gb、Gcを形成していることになる。
分割データDPは、露光解像度の設定単位である部分領域のそれぞれについての露光が、当該部分領域について設定されている露光解像度と露光使用領域データDAにおいて対応付けられてなる露光使用領域を単位として行われるようにするために生成されるデータであるといえる。
<露光処理>
露光処理は、造形処理の一環として行われるが、本実施の形態に係る光造形装置100においては、設定された露光解像度に応じて、DMDを構成するミラーの使用範囲である露光使用領域が定められてなることから、各断面について、露光解像度が同じ領域ごとに露光処理を行うようにする。例えば、当該断面について最も大きな露光解像度が設定されている部分領域群から順次に行うようにする。あるいは最も小さな露光解像度が設定されている部分領域群から順次に行ってもよい。
いずれの場合においても、ある露光解像度が設定されている部分領域群についての露光は、該露光解像度と対応付けられてなる露光使用領域に属するミラーを使用して行う。
ここでは、ステップ露光を行う場合について説明する。図11、図12、および図13は、それぞれ、図10に例示した部分領域群Ga、Gb、Gcについてのステップ露光による露光処理を説明するための図である。これらの部分領域群については、露光解像度との関係から、部分領域群Ga、Gb、Gcの順に露光が行われることになる。
まず、図11に示す、部分領域群Gaを対象とする露光は、図9において解像度が「A」と設定された部分領域に対する露光となる。上述のように、この場合は露光使用領域Raを適用した露光が行われる。ここでは、区分Ra’(図11において二重線で示す)を単位とする露光が順次に行われるものとする。
この場合、図11では、区分のサイズが部分領域のサイズよりも大きくなっている。すなわち、区分Ra’の中に、部分領域群Gaを構成せず、当該露光解像度での露光の対象とはならない(他の露光解像度での露光の対象となっている)部分領域Zが存在することがある。係る部分領域Zについては、当該露光解像度「A」での露光に際しては、一様にOFF状態として露光が行われることになる。
ただし、部分領域群Gaを構成する領域については、必ずしもその全体が一様に露光されるわけではなく、断面形状データDSにおける該領域についての記述内容に従って、ON/OFF状態が特定され、これに基づいて露光が行われることになる。
次に、図12に示す、部分領域群Gbを対象とする露光は、図9において解像度が「B」と設定された部分領域に対する露光となる。上述のように、この場合は露光使用領域Rbを適用した露光が行われる。ここでは、区分Rb’(図12において二重線で示す)を単位とする露光が行われるものとする。
いまこの例では、区分Rb’のサイズが露光使用領域Rbのサイズと一致するようにしているとともに、区分Rb’の中に、部分領域群Gbを構成せず、当該露光解像度での露光の対象とはならない部分領域は存在しないようにしている。係る場合、部分領域群Gb以外の領域は露光対象とはならないので、露光解像度「B」での露光に際しては、部分領域群Gbを構成している部分領域のみが区分され、それぞれの区分について順次に露光が行われることになる。
最後に、図13に示す、部分領域群Gcを対象とする露光は、図9において解像度が「C」と設定された部分領域に対する露光となる。上述のように、この場合は露光使用領域Rcを適用した露光が行われる。ここでは、区分Rc’(図13において二重線で示す)を単位とする露光が行われるものとする。
この例では、区分Rc’のサイズが部分領域群Gcは構成する部分領域よりも小さく、区分Rc’の中に、部分領域群Gcを構成せず、当該露光解像度での露光の対象とはならない部分領域は存在しないようにしている。係る場合、部分領域群Gc以外の領域は露光対象とはならないので、露光解像度「C」での露光に際しては、部分領域群Gcを構成している部分領域のみが区分され、それぞれの区分について順次に露光が行われることになる。
全ての露光解像度に対応する露光が行われたことによって、該断面についての露光処理がなされたことになる。すなわち、1つの樹脂層の形成がなされたことになる。
このような態様での樹脂層の形成を造形物全体に渡って同様に行うことにより、精度が要求される部位については小さい解像度で露光使用領域を絞って造形し、さほど精度が要求されない部位については、大きな解像度で変調手段21を構成するDMD全体を変調に使用して造形する、という態様で造形物が作製されることになる。
すなわち、本実施の形態によれば、露光結像位置における像の歪みを抑制するための光学素子を付加するなどして装置構成を複雑化せずとも、要求される造形精度に応じた造形を実現することができる。
しかも、露光使用領域を絞るのは精度が求められる部位の造形のみであり、造形精度が求められない部位については、DMD全体を用いるので、造形全体について露光使用領域を絞る場合に比して、造形に要する時間の増加は限定的である。
<変形例>
上述の実施の形態においては、露光処理に関して、ステップ露光を行う場合を対象に説明を行っているが、本発明はスキャン露光を行う場合についても同様の効果を得ることが出来る。すなわち、スキャン露光の場合は、部分領域群Gaに対しては、露光使用領域Raをスキャンの単位として、部分領域群Gbに対しては、露光使用領域Rbをスキャンの単位として、部分領域群Gcに対しては、露光使用領域Rcをスキャンの単位として、樹脂層に対し相対的に移動させつつ、ON/OFF状態に応じた露光を行うようにすればよい。
光造形装置100の構成を概略的に示す断面模式図である。 光造形装置100における造形の様子について例示する図である。 吸着固定について説明する概念図である。 光軸中心からの距離と歪みとの関係(歪み分布)を模式的に示す図である。 光軸中心からの距離と歪みとの関係(歪み分布)と、露光使用領域の設定について模式的に示す図である。 制御用コンピュータPCのハードウェア的構成要素を示す図である。 制御用コンピュータPCにおいて実現される機能的構成について示す図である。 露光使用領域を模式的に例示する図である。 露光対象領域に対して、部分領域単位に解像度が設定された場合を例示する図である。 部分領域群を例示する図である。 部分領域群Gaについての露光処理を説明するための図である。 部分領域群Gbについての露光処理を説明するための図である。 部分領域群Gcについての露光処理を説明するための図である。
符号の説明
1 基体
2 操作部
3 表示部
4 記憶部
4p プログラム
5 インターフェース部
6 リード/ライト部
7 制御部
7a CPU
7a、ROM7b、RAM7c CPU
7c RAM
8a 露光使用領域設定手段
8b 解像度設定手段
8c 分割データ生成手段
8d 造形実行手段
9 動作制御手段
10 光源部
20 照明光学系
21 変調手段
30 投影光学系
40 像面観察系
50 造形部
60 供給部
70 平滑化部
80 ビーム観測部
90 真空固定部
100 光造形装置
C1、C2 光軸中心
Ga、Gb、Gc 部分領域群
PC 制御用コンピュータ
RE1、RE2、Ra、Rb、Rc 露光使用領域

Claims (7)

  1. 光源から発せられた露光用光を複数の単位変調素子を配列させてなる変調手段によって変調させたうえで照射することによる平板状樹脂の露光と、前記露光により前記平板状樹脂の少なくとも一部が硬化することによって形成された樹脂層の積層とを行うことによって、所定の三次元造形物を造形する光造形装置であって、
    あらかじめ取得した、前記光源から発せられ前記変調手段によって変調された光が露光位置において結像する像の歪み分布を表す歪み特性データを基に、露光の際に適用しうる複数の露光解像度のそれぞれに対応させて、前記複数の単位変調素子のうち当該露光解像度での露光を行う際に変調対象とする単位変調素子の範囲である露光使用領域を設定し、当該設定内容を記述した露光使用領域データを生成する露光使用領域設定手段と、
    造形対象物の所定間隔ごとの断面の形状を表す断面形状データを基に、各断面について所定サイズの部分領域を設定単位として露光の際に必要となる露光解像度を前記複数の露光解像度の中から設定し、当該設定内容を記述した解像度設定データを生成する解像度設定手段と、
    前記断面形状データに記述されてなる各断面についての露光対象領域を、前記解像度設定手段において同一の露光解像度が設定された部分領域群ごとに仮想的に分割し、分割されたそれぞれの領域に属する前記部分領域を特定する情報を記述してなる分割データを生成する分割データ生成手段と、
    前記断面形状データと前記分割データと前記解像度設定データとに基づき、同じ露光解像度が設定されてなる前記部分領域群ごとに露光を行う露光処理手段と、
    を備え、
    前記露光処理手段は、前記部分領域群について設定されてなる前記露光解像度と対応付けられてなる前記露光使用領域を使用した露光を行う、
    ことを特徴とする光造形装置。
  2. 請求項1に記載の光造形装置であって、
    前記露光使用領域設定手段は、前記複数の露光解像度のそれぞれに対応する前記露光使用領域の設定を、当該露光解像度と前記単位変調素子のサイズと前記造形対象物において許容される造形誤差とに基づいて定まる、前記単位変調素子が結像する像の歪みの上限値に基づいて行う、
    ことを特徴とする光造形装置。
  3. 請求項2に記載の光造形装置であって、
    前記歪み分布は前記変調手段に備わる前記複数の単位変調素子それぞれについての光軸中心に位置する単位変調素子からの距離と、当該単位変調素子が結像する像の歪みとの関係を示しており、
    前記露光使用領域は、前記光軸中心に位置する単位変調素子を中心とし、前記歪み分布において前記歪みの上限値に相当する単位変調素子を超えない範囲で設定される、
    ことを特徴とする光造形装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光造形装置であって、
    前記部分領域が前記単位変調素子のそれぞれによって像形成される範囲である露光画素と合致するように定められてなる、
    ことを特徴とする光造形装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光造形装置であって、
    前記光源から発せられ前記変調手段によって変調された光が前記露光位置において結像する像を撮像する撮像手段、
    をさらに備えることを特徴とする光造形装置。
  6. 光源から発せられた露光用光を複数の単位変調素子を配列させてなる変調手段によって変調させたうえで所定の露光位置に設けられた被露光物に照射することにより、前記被露光物の表面に対し所定の露光パターンでの露光を行う露光装置であって、
    あらかじめ取得した、前記光源から発せられ前記変調手段によって変調された光が露光位置において結像する像の歪み分布を表す歪み特性データを基に、露光の際に適用しうる複数の露光解像度のそれぞれに対応させて、前記複数の単位変調素子のうち当該露光解像度での露光を行う際に変調対象とする単位変調素子の範囲である露光使用領域を設定し、当該設定内容を記述した露光使用領域データを生成する露光使用領域設定手段と、
    前記所定の露光パターンを表す露光パターンデータを基に、所定サイズの部分領域を設定単位として露光の際に必要となる露光解像度を前記複数の露光解像度の中から設定し、当該設定内容を記述した解像度設定データを生成する解像度設定手段と、
    前記露光パターンデータに記述されてなる露光パターンを、前記解像度設定手段において同一の露光解像度が設定された部分領域群ごとに仮想的に分割し、分割されたそれぞれの領域に属する前記部分領域を特定する情報を記述してなる分割データを生成する分割データ生成手段と、
    前記断面形状データと前記分割データと前記解像度設定データとに基づき、同じ露光解像度が設定されてなる前記部分領域群ごとに露光を行う露光処理手段と、
    を備え、
    前記露光処理手段は、前記部分領域群について設定されてなる前記露光解像度と対応付けられてなる前記露光使用領域を使用した露光を行う、
    ことを特徴とする露光装置。
  7. 光源から発せられた露光用光を複数の単位変調素子を配列させてなる変調手段によって変調させたうえで所定の露光位置に設けられた被露光物に照射することにより、前記被露光物の表面に対し所定の露光パターンでの露光を行う方法であって、
    前記光源から発せられ前記変調手段によって変調された光が前記露光位置において結像する像の歪み分布を表す歪み特性データを取得する歪み特性取得工程と、
    前記歪み特性データを基に、露光の際に適用しうる複数の露光解像度のそれぞれに対応させて、前記複数の単位変調素子のうち当該露光解像度での露光を行う際に変調対象とする単位変調素子の範囲である露光使用領域を設定し、当該設定内容を記述した露光使用領域データを生成する露光使用領域設定工程と、
    前記所定の露光パターンを表す露光パターンデータを基に、所定サイズの部分領域を設定単位として露光の際に必要となる露光解像度を前記複数の露光解像度の中から設定し、当該設定内容を記述した解像度設定データを生成する解像度指定工程と、
    前記露光パターンデータに記述されてなる露光パターンを、前記解像度設定工程において同一の露光解像度が設定された部分領域群ごとに仮想的に分割し、分割されたそれぞれの領域に属する前記部分領域を特定する情報を記述してなる分割データを生成する分割データ生成工程と、
    前記断面形状データと前記分割データと前記解像度設定データとに基づき、同じ露光解像度が設定されてなる前記部分領域群ごとに露光を行う露光処理工程と、
    を備え、
    前記露光処理工程においては、前記部分領域群について設定されてなる前記露光解像度と対応付けられてなる前記露光使用領域を使用した露光を行う、
    ことを特徴とする露光方法。
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