JP2008237961A - 膜エレメント、膜分離装置および膜分離装置のメンテナンス方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 下廃水を処理する膜分離装置の膜エレメントで支持板の側面から通水路まで通じる外通孔を有する膜エレメントと、それを用いた膜分離装置及びそのメンテナンス方法を提供する。
【解決手段】 チューブレスタイプの膜エレメントにおいて、分離膜張着面24と集水管用孔32をつなぐ通水路29を、エレメントブロックに組み上げた後からでも塞げるように、外通孔34を支持板20の側面に設ける。
【選択図】図1
【解決手段】 チューブレスタイプの膜エレメントにおいて、分離膜張着面24と集水管用孔32をつなぐ通水路29を、エレメントブロックに組み上げた後からでも塞げるように、外通孔34を支持板20の側面に設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、下水や生産工場、レストラン、水産加工工場、食品工場から生じる廃水を処理槽内で浄化する際に用いられる膜エレメントおよびそれを用いた膜分離装置、さらには、そのような膜分離装置のメンテナンス方法に関する。
生活廃水や産業廃水(以下「下廃水」という。)は、そのまま環境に放流してしまっては、環境汚染につながる。そのため一定のレベルまで浄化した後に放流する。従来は下廃水を処理槽(活性汚泥槽)に入れ、空気を通しながら微生物によって下廃水中の汚濁物質を分解して活性汚泥液にし、次いで、活性汚泥液を、別途設けた沈殿池にて汚濁分を沈降分離させた後、上澄み液を放流する。これは活性汚泥法と呼ばれる。
近年、高分子膜技術や膜分離技術の向上によって、膜分離活性汚泥法という方法が使われている。この方法では、処理槽(膜浸漬槽)内の被処理水中に膜分離装置を沈め、微生物による分解と、膜ろ過による活性汚泥液からの浄化水の取り出しとを同時に行う。膜ろ過されて取り出された水はそのまま放流できるため、沈降分離用の沈殿池を設置しなくてよいという利点がある。
ここで、膜浸漬槽内には、下廃水と共に、それを微生物処理するための微生物及び微生物処理により生成された活性汚泥液が貯留しており、この処理槽内に存在する液体を被処理水という。
ここで、膜浸漬槽内には、下廃水と共に、それを微生物処理するための微生物及び微生物処理により生成された活性汚泥液が貯留しており、この処理槽内に存在する液体を被処理水という。
ここで用いられる膜分離装置は、図11に示すように、主として、支持板の表裏両面に分離膜を貼り合わせた膜エレメント10を多数並べたエレメントブロック3から構成される。このエレメントブロックの下方には散気装置4が配設されている。膜エレメントにはろ過水を取り出す吸水管38が配設されていて、この吸水管38にはチューブ5を介して集水管8が接続され、その下流側に吸引ポンプ6が接続され、膜エレメント10内部に陰圧をかけ、ろ過水を取り出す。
散気装置4はブロワ7に連結されている。膜浸漬槽2内の被処理水中に沈められた膜分離装置に向けて下方の散気装置4から空気が噴出される。これを曝気と称する。曝気は微生物に酸素を供給して活性化させ、汚濁物質の分解を促進させる。
散気装置4からの曝気はまた、各膜エレメント10の両面に配置された分離膜の外表面に付着しようとする汚泥を剥ぎ取って、膜への汚泥の付着堆積を抑制すると共に、槽内の被処理水を膜エレメント間に循環させる流れをも作る。すなわち、膜エレメント間には、曝気による被処理水の上昇流が生じていて、この上昇流が膜の表面に衝突することで、膜表面が洗浄されて膜の目詰まりが抑制され、固液分離性能の経時的低下が抑制される。
このように、曝気による上昇流は、微生物の活性化や掃流といった役割を担うため、膜分離装置の性能上極めて重要である。ところが、チューブ5や集水管8といった部品が上昇流の途中に配置されていると、この上昇流を乱す要因となる。そこで、膜エレメント構造内に集水管の機能を果たす部材を組み込んで、ろ過水を取出すためのチューブや集束管を取り付けないタイプ、いわゆるチューブレスタイプの膜分離装置も開発されている(特許文献1参照)。なお、従来の膜分離装置は、チューブ接続タイプと呼ぶ。
この特許文献1に開示されている膜分離装置では、膜エレメントの上部側面にろ過水取り出し口を設けてある。エレメントブロックでは上部側面に各ろ過水取り出し口が並ぶことになるので、このろ過水取り出し口を覆うように集水管となるカバーを取り付けるものである。
さて、膜分離装置の分離膜は、曝気による掃流で目詰まり発生が抑制されているが、被処理水中に硬い夾雑物が混入していると、その硬い夾雑物によって、分離膜が破れたり、剥がれるといった破損をおこす場合がある。分離膜の分離機能層が破損すると、下廃水中の汚濁物質が分離膜によって阻止できずにろ過水中に混入してくる。分離膜の破損が大きい場合には被処理水がろ過されずにそのまま排出されることにもなる。
このような場合は、破損した膜エレメントだけを取り出して交換するといったメンテナンスが必要となる。またエレメントブロックは通常多数の膜エレメントからなるので、破損し、ろ過力のなくなった膜エレメントの数が少ない場合は、膜エレメントから集水管へのつなぎのチューブ5の部分を切断若しくは圧搾して、ろ過が不完全なろ過水がそのまま取り出されないようにすることもできる。
膜エレメントは半永久的に使用できるものではなく、再生処理を途中で行なっても、その寿命は数年といわれている。そこで、膜エレメントにおける膜の破損や目詰まりの具合によって、最適なメンテナンスを行なうために、透過水量や駆動圧力などをモニターできる手段を備え、これらの計測データの変化でメンテナンスを行なう方法が提案されている(特許文献2参照)。
膜分離装置においては、曝気による上昇流の流路にチューブや集水管を配置しないチューブレスタイプの構造にすると、曝気による上昇流が阻害されず望ましいと考えられる。
しかし、チューブレスタイプの膜分離装置では、個々の膜エレメントには、チューブや集水管の機能を果たす部材が、膜エレメントの一部として設けられている。そのため、分離膜が破損し、ろ過機能のなくなった膜エレメントが一部に発生したときでも、その破損エレメントのみを交換することが難しく、エレメントブロック毎交換する必要がある。エレメントブロック全体を取り出し、エレメントブロックを分解すれば、エレメントブロック中の破損した膜エレメントだけを取り外して交換することも可能であるが、作業が繁雑で実用的ではない。
また、ろ過水取り出し口と集水管を繋ぐチューブに相当する部分がエレメントブロックの外側に露出していないので、膜エレメント毎にチューブを閉塞させることができず、破損した膜エレメントからの集水だけを止めることもできない。
従って、チューブレスタイプの膜分離装置において、エレメントブロック中の一部の膜エレメントに故障が生じたときのメンテナンスが容易でないという課題があった。
本発明は、かかる課題を解決するために想到されたものである。より具体的には、
分離膜と、
支持板とからなり、
前記支持板は、
前記分離膜が張着される分離膜張着面と、
表面から裏面まで貫通する集水管用孔と、
前記分離膜張着面と前記集水管用孔を結合する通水路と、
前記支持板の側面から前記通水路まで通じる外通孔を有する
膜エレメントと、それを用いた膜分離装置を提供する。
分離膜と、
支持板とからなり、
前記支持板は、
前記分離膜が張着される分離膜張着面と、
表面から裏面まで貫通する集水管用孔と、
前記分離膜張着面と前記集水管用孔を結合する通水路と、
前記支持板の側面から前記通水路まで通じる外通孔を有する
膜エレメントと、それを用いた膜分離装置を提供する。
また、エレメントブロックの中で少なくとも1つの膜エレメントは通水路が塞がれている膜分離装置を提供する。
またエレメントブロック中で、被処理水がろ過液中に混入してきている膜エレメントを特定する工程と、特定した膜エレメントの外通孔から通水路に障害物を詰める工程を含むメンテナンス方法を提供するものである。
支持板に集水管用孔を有する膜エレメントの、通水路を塞ぐための外通孔を設けたので、この膜エレメントからなる膜分離装置内の一部の膜エレメントが破損しても、容易にこの膜エレメントからの集水を止めることができる。従ってチューブレスタイプの膜分離装置であっても、メンテナンスが容易になるという効果がある。
(実施の形態1)
本発明の実施形態を図面により説明する。図1は本発明の膜エレメントの斜視図を示す。膜エレメント10は、支持板20が主たる構成体となる。支持板20の表面側21の中央部と裏面側22の中央部には、分離膜を貼り付けたときにろ過水流路が形成されるようにへこみが形成されており、このへこみ部分が、分離膜張着面24となる。なお、図では裏面側の分離膜張着面は見えていない。また、分離膜を貼り付けることを張着ともいう。この分離膜張着面24の外側に、表裏両面から分離膜41および42を配置し、分離膜の周囲を支持板に張着し固定する。なお、分離膜42は裏面側の分離膜張着面の外側に配置して張着するのは言うまでもない。分離膜張着面24と分離膜との間にはろ過水が通過できる空間が形成されている。
本発明の実施形態を図面により説明する。図1は本発明の膜エレメントの斜視図を示す。膜エレメント10は、支持板20が主たる構成体となる。支持板20の表面側21の中央部と裏面側22の中央部には、分離膜を貼り付けたときにろ過水流路が形成されるようにへこみが形成されており、このへこみ部分が、分離膜張着面24となる。なお、図では裏面側の分離膜張着面は見えていない。また、分離膜を貼り付けることを張着ともいう。この分離膜張着面24の外側に、表裏両面から分離膜41および42を配置し、分離膜の周囲を支持板に張着し固定する。なお、分離膜42は裏面側の分離膜張着面の外側に配置して張着するのは言うまでもない。分離膜張着面24と分離膜との間にはろ過水が通過できる空間が形成されている。
支持板20は、ASTM試験法のD638における引張り強さが15MPa程度以上の剛性を持つ材質で構成されるのが好ましい。ステンレスなどの金属類、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの樹脂、繊維強化樹脂(FRP)などの複合材料、その他の材質などを好ましく使用することができる。また、集水管部30にも支持板と同等の材質を使用すればよい。支持板20及び集水管部30等をABS樹脂等の同じ材質で構成する場合には、それらを一体成型により製造すればよい。
分離膜41、42には、下廃水や活性汚泥液をろ過することができる平膜状の分離膜が用いられる。分離膜は、多孔質樹脂材によって構成される平膜である場合が多い。その材料樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリスルホン樹脂などを用いたり、主成分とすることができる。ただし、これらに限定されるものではない。この分離膜は、分離機能を有する分離機能層と基材層とから構成されていてもよい。
分離膜張着面24には分離膜を通過したろ過水が出口方向に誘導されるように支持板内通水路26が施されている。支持板内通水路26はろ過水取り出し口28に繋がっており、分離膜を通過したろ過水は、このろ過水取り出し口28に集まる。ろ過水取り出し口28は、表面、裏面それぞれ上部の左右に設けられている。
支持体20の上部の左右には集水管部30が形成されている。集水管部30は、膜エレメントが複数連結されたときに集水管となる部分である集水管用孔32が設けられている。集水管用孔32は、支持板20の表面21から裏面22へ開いた貫通孔である。集水管部30は、膜エレメントの上部の左右に対称に設けられており、このような配置にすることで、曝気による上昇流を乱さない。なお、支持板20が表裏対称に作製されている場合は、表面21と裏面22の区別はない。
ろ過水取り出し口28と集水管用孔32の間には、通水路29が設けられている。通水路29から集水管用孔32の出口は通水路集水口31である。つまり、通水路29は支持板20の部材内部に内設されている。分離膜を通過したろ過水は、支持板内通水路26を通って、ろ過水取り出し口28に至り、通水路29を通って通水路集水口31から集水管用孔32へ流れ出す。
集水管部30には、さらに、集水管部の外面と集水管用孔の内面とを連通するように開孔された外通孔34が形成されている。外通孔34は、少なくとも集水管用孔32を通して通水路29の出口である通水路集水口31が見える位置に設けられる。望ましくは外通孔34の中心軸は、通水路29の中心軸上にあるのが好適である。
通水路部30は、隣り合う膜エレメントとの連結を保持するために固定用孔36も設けられている。膜エレメントは重ねあわされて、この固定用孔36にシャフトなどの固定具を通し連結され固定される。固定用孔は通水路部30だけでなく、支持体の横部に設けられていても良い。符号37は支持板の横部に設けられた固定用孔を示す。
ここで、支持板の側面23について説明する。支持板の側面23は、支持板の表面側21と裏面側22をつなぐ、エレメント厚み部分の表面であり、特に外側の面を示す。例えば、集水管部30の上面や側面は支持板の側面23の一部を構成する。また、固定用孔37のある部分の側面も支持板の側面23の一部を構成する。また、左右の集水管部30の間にある膜エレメント上部の上面も支持板の側面23の一部を構成する。外通孔34は支持板の側面23に通じるように設けられる。
図2は、図1で示した膜エレメント10を複数枚連結したエレメントブロック3を示す。集水管用孔32は、シールドなどを介して液密に連結され、集水管8を形成する。これらの膜エレメントは固定用孔36や37を利用して、それぞれお互いに固定される。
支持板20で分離膜を保持している部分の厚さは、集水管部30の厚みより薄く形成してあるので、隣接する膜エレメントの膜面同士が間隔51だけ離れるように固定される。曝気による上昇流はこの間隔51の空間内を通過する。
図3は、膜エレメントの正面図である。固定用孔37は、図2で示した孔状だけでなく、図3に示すような溝状になっていてもよい。
図4には、集水管部30の部分の正面からの拡大図を示す。図4では説明のため分離膜はない状態で示している。ここでは、外通孔34の中心軸が、通水路29の中心軸と同じ場合を示している。外通孔34が施されている集水管部30の辺は、面取り加工が施されテーパー面35になっている。
外通孔34はこのテーパー面35から集水管用孔32に向けて開けられた貫通孔である。そして、その中心軸は通水路29の中心軸と一致するように形成されているので、テーパー加工面の外通孔34を通して通水路集水口31が見える。
膜分離装置が通常運転される状態では、この外通孔34は気密栓55によって塞がれている。気密栓55は気密性が確保される必要がある。集水管用孔32は、膜分離装置の運転中は陰圧になり、ろ過水を吸いだしている。従って、外通孔34から空気が入ると、ろ過水の吸出力が低下するからである。なお、テーパー面35は気密栓55を取り付けるために設けられたものである。
気密栓55は、例えば、コルク、ゴムといった弾性材料や、樹脂などの充填材を用いることができ、特に限定はない。しかし、脱着可能にでき、また気密性も高く、容易に外れることもないといった点から、例えば外通孔34の内径にネジを切り、ボルトで留めて気密栓55とするのが好適である。
図5は、膜エレメントから集水管用孔32へと流入するろ過水の流れを止めるため、封止棒56を通水路29に差し込んだ状態を示す。膜エレメントに張着された分離膜がなんらかの原因で破損し、ろ過されずに被処理水が膜を通過してろ過水中に混入する場合は、その膜エレメントからのろ過水の集水管への流入を止めなければならない。チューブレスタイプの膜エレメントの場合は、ろ過水取り出し口28と集水管用孔32の間にある通水路29は、支持体20の部材の中に液密状態に形成されている。従って、チューブ接続タイプの膜分離装置のように、膜エレメントの外側のチューブを圧搾して集水を止めることができない。そこで、外通孔34から封止棒56を、通水路29まで差し込むことで、膜エレメントからの集水を止める。
封止棒56は、通水路29からの集水を止めるためのものであるので、少なくとも通水路集水口31が塞がるまで挿入されることが必要である。ただし、通水路29全長に渡って挿入される必要はない。損傷した膜エレメントからのろ過水が集水管内に流入しなければ、通水路29若しくは通水路集水口31の一部が塞がった状態でもよい。
封止棒56は、その先端部分で通水路を塞ぐと共に、外通孔34を気密性良く塞ぐことが必要であるのは言うまでもない。従って封止棒56としては長いボルト等が好適である。
図6は、封止棒56の代わりに、充填材60で通水路29を塞ぐ場合の様子を示す。図5の封止棒56は、集水管の断面に置かれた障害物であるともいえ、膜分離装置全体の処理能力を低下させる要因になる。そこで、集水管路29を閉鎖した後に、集水管の断面を塞がないようにすることが好ましい。
図6は、インジェクター58を外通孔34から入れ、通水路29の内部にノズル59を差し込む。インジェクター58には硬化性の樹脂などの充填材が用意されており、充填材60を通水路に注入する。
図7は、充填材60で通水路29が塞がった状態を示す。このようにする場合は、集水管内の一部を塞ぐことがないので、特定の膜エレメントの集水を停止させた後にも、必要以上にろ過処理量が低減することがない。なお、充填材は金属や固形樹脂製の小片であってもよい。また、充填材60で通水路29を塞いだ後は外通孔34に気密栓55を差し込んで蓋をする。
図8は、外通孔34を設ける位置が異なる場合を例示する。外通孔は、分離膜に問題が生じた膜エレメントからの集水を止めるのが目的であるので、必ずしも図4で示す位置に設置しなくてもよい。例えば図8では、集水管部30の上面に外通孔34を設けた場合を示す。なお、集水管部30の上面は、支持板の側面23であるのは、すでに説明した通りである。
封止棒56は、通水路29を斜めから塞ぐ。このような位置に外通孔34を設けると、封止棒56を使って、通水路29を塞いでも、集水管用孔32内の一部を塞ぐことはない。
なお、図8では通水路29に封止棒56が突き当たっている場合を示しているが、通水路29を突き抜けていてもよい。また、封止棒56の直径は通水路の直径よりも大きければ好適であるが、ろ過水が集水管に流入しなければ、通水路の直径以下であってもよい。
図9は外通孔34の他の設置位置を例示する。図9では支持板の上面に設置マウント62を設け、そこに外通孔34を設けた場合を示す。封止棒56は、通水路29を略直角に塞ぐ。この場合も通水路を塞いだ後、集水管用孔32を塞がない。なお、設置マウント64の外通孔34の設置面も支持板の側面である。
以上のように、外通孔34は、支持板20の側面23であれば、取り付け位置は特に限定しない。但し、通水路内の流れを塞げるための部材を挿入できるように設置しなければならない。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示した膜エレメントを用いた膜分離装置のメンテナンス方法を示す。本発明の膜分離装置は図2で示したエレメントブロックの下方に散気装置を配置した構成である。使用方法は図11で示した従来の膜分離装置と同じように、被処理水(下廃水等)が貯留された処理槽2内に沈めて使用する。
本実施の形態では、実施の形態1で示した膜エレメントを用いた膜分離装置のメンテナンス方法を示す。本発明の膜分離装置は図2で示したエレメントブロックの下方に散気装置を配置した構成である。使用方法は図11で示した従来の膜分離装置と同じように、被処理水(下廃水等)が貯留された処理槽2内に沈めて使用する。
膜分離装置の運転に際しては、取り出されるろ過水の量(処理量)、ろ過水の水質、といったいくつかのパラメーターがある。これらのパラメーターを定期的にチェックすることで、正常な運転が継続されているか否かを判断する。
図10には本発明のメンテナンス方法の手順を例示する。まず、メンテナンスをスタートすると(S1000)、取り出されるろ過水の量(集水量)の低下の有無を確認する(S1010)。集水量の低下がない場合は、ろ過水の水質の悪化をチェックする(S1020)。水質の悪化は、取り出されたろ過水中の濁質などの量を測定するなど、公知の方法を用いることができる。水質の悪化もない場合は、そのまま継続運転し(S1060)、メンテナンスは終了する。
水質の悪化が判明した場合は、膜エレメントの分離膜に破損が生じ、ろ過能力が低下していることが考えられる。そこで、破損している膜エレメントを特定する(S1030)。これは各膜エレメントの通水路内を流れるろ過水をサンプリングし、その水質をチェックすることで行う。この際、外通孔からサンプリング用のノズルなどを挿入して通水路からろ過水をサンプリングする。
エレメントブロック中の全てのエレメントの集水をチェックし、破損しているおそれのあるエレメントを特定する。なお、破損しているおそれのある膜エレメントの特定方法はここで示した方法に限定するものではない。
次に破損していると判断した膜エレメント数を数え上げる。そして、その数が一定数以下であるかどうかを確認する(S1040)。1枚の膜エレメントの処理量は限界がある。破損している膜エレメントの集水を止めると、膜分離装置全体としての処理量が低下する。つまり、集水を継続させる膜エレメントの数と予定処理量との関係で、破損した膜エレメントだけの集水を止めるか、エレメントブロック全体を交換するかを判断する。
特定の膜エレメントだけの集水を停止させると判断した場合は、破損した膜エレメントの集水を停止させる(S1050)。停止させる方法は、実施の形態1で示したように、外通孔から通水路を塞ぐ方法を用いればよい。なお、膜エレメントにある左右の集水管部の両方について、通水路を封鎖するのは言うまでもない。このように、特定の膜エレメントの集水を止めた膜分離装置では、少なくとも1つ以上の膜エレメントについて、実施の形態1で示したように通水路が塞がれている。その後は継続して運転を行う(S1060)。
S1040に戻って、破損している膜エレメントの数が多く、残りの膜エレメントだけでは予定処理量に足りないと判断した場合は、エレメントブロック全体を交換するか、破損している膜エレメントを交換する(S1090)。
エレメントブロックの交換は、使用していたエレメントブロックを引き上げ、代わりに、新しいエレメントブロックを取り付ける。一部の膜エレメントの交換となると、一度エレメントブロックを取り出し、各膜エレメントの接続をはずし、破損した膜エレメントを新品に交換し、また全膜エレメントを結合しなおす。交換したエレメントブロックを装着した後は、継続運転に戻る(S1060)。
S1010に戻って、集水量が低下していた場合は、分離膜の表面に汚泥が一定以上付着して閉塞し、ろ過能力が低下していると考えられるので、分離膜面の洗浄を行う(S1070)。洗浄は、水を流して汚泥などの汚れを落し、次亜鉛素酸ソーダや蓚酸の溶液を流すことにより行われる。この洗浄は、エレメントブロックを処理槽内から引き上げて行ってもよいし、また、処理槽内に設置したまま行ってもよい。引き上げた際には、分離膜と同じ材料で、分離膜を補修などしてもよい。
そして洗浄したエレメントブロックを戻し、ろ過能力の回復を確認する(S1080)。これは集水量のチェックなどで行えばよい。ろ過能力が回復していればそのまま継続運転(S1060)とし、メンテナンスを終了する(S1100)。
洗浄を行ってもろ過能力が所定水準まで回復しない場合は、エレメントブロック毎交換する(S1090)。膜エレメントは永久的に使用できるものではなく、寿命もあるから、洗浄だけでは回復しない場合もある。
以上のような手順に従うことでチューブレスタイプの膜分離装置を効率的にメンテナンスすることができる。なお、以上のメンテナンス作業は一定期間毎に行っても良いし、集水量や水質を常時監視しておき、異常があったときに、続けて行なってもよい。また上記の手順は適宜手順を入れ替えても良い。
3 エレメントブロック
10 膜エレメント
20 支持板
30 集水管部
34 外通孔
56 封止棒
10 膜エレメント
20 支持板
30 集水管部
34 外通孔
56 封止棒
Claims (7)
- 分離膜と、
支持板とからなり、
前記支持板は、
前記分離膜が張着される分離膜張着面と、
表面から裏面まで貫通する集水管用孔と、
前記分離膜張着面と前記集水管用孔を結合する通水路と、
前記支持板の側面から前記通水路まで通じる外通孔を有する
膜エレメント。 - 前記外通孔を塞ぐ脱着可能な気密栓を有する請求項1記載の膜エレメント。
- 請求項2記載の膜エレメントを複数枚重ね、各膜エレメントの前記集水管用孔を連結したエレメントブロックを有する膜分離装置。
- 前記複数の膜エレメントのうちの少なくとも1枚は、前記外通孔から差し込まれ、前記通水路の少なくとも一部と前記外通孔を共に塞ぐ封止棒を有する請求項3記載の膜分離装置。
- 前記複数の膜エレメントのうち少なくとも1枚は前記通水路を充填材で塞がれた請求項3記載の膜分離装置。
- 請求項3記載の膜分離装置の破損した膜エレメントを特定する工程と、
前記破損した膜エレメントの前記外通孔から前記通水路に封止棒を差し込む工程とを含む膜分離装置のメンテナンス方法。 - 請求項3記載の膜分離装置の破損した膜エレメントを特定する工程と、
前記破損した膜エレメントの前記通水路に前記外通孔から充填材を注入する工程を含む膜分離装置のメンテナンス方法。
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