実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機およびスロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体を用いて遊技者が所定の遊技を行なうことが可能である遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、ガラス扉枠を取外した状態のパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、ガラス扉枠の前面を示す正面図である。図3は、遊技盤の前面を示す正面図である。図4は、可動部材としてのトロッコの動作を示す説明図である。図5は、可動部材としての梁の動作を示す説明図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図1および図2において図示せず、図6に示す外枠200を参照)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠11とで構成される。遊技枠11は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠2aと、機構部品等が取付けられる機構板(図1および図2において図示せず、図6に示す機構板105を参照)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。前面枠2aの前面側の上部には、図2に示すような額縁状に形成されたガラス扉枠2が開閉可能に設けられている。図2に示すガラス扉枠2は、後述する遊技盤6の遊技領域7をほぼ透視し得る開口部としての円形透視窓が開設され、該円形透視窓の裏面から複層ガラス板が装着されるようになっている。図1においては、図2のようなガラス扉枠2が取外された状態のパチンコ遊技機1が示されている。
前面枠2aの前面側の下部には、ガラス扉枠2の下部に位置する態様で、打球供給皿(上皿)3が設けられている。図1において、打球供給皿3の上部に図2に示すガラス扉枠2が開閉可能に取付けられ、ガラス扉枠2が閉じられた状態で遊技が行なわれる。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
前面枠2aの背面には、図3に示すように、遊技枠11の一部を構成するプラ枠がある。プラ枠は、機構板を含み、機構板に電源回路(図示せず)およびスピーカ27等の部品が取付けられている。また、遊技枠11のプラ枠には、遊技枠11と遊技盤6との間の配線を中継する中継基板(図示せず)が設けられている。また、遊技枠11においては、前面枠2aの裏面側に形成される遊技盤収納枠部に収容固定される態様で、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカード(磁気カードよりなる)を受付け(挿入口に挿入される)、そのプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技用価値としての残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸球としての遊技球を遊技者に貸出す(貸与する)ための処理を行なう記録媒体処理装置であるプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」という。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図1では図示を省略し、図6等に示す)。そして、パチンコ遊技機1においては、打球供給皿3に貯留された遊技媒体である遊技球を弾発発射し、その遊技球を遊技盤6に形成された遊技領域7に打込んで、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。そして、遊技において遊技領域7に設けられた入賞領域へ遊技球が受入れられて入賞が生じれば、払出条件が成立し、その払出条件が成立したことにもとづいて景品として、景品遊技媒体である賞球(遊技球)が払い出される。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示(可変表示)する複数の変動表示部を含む可変表示装置(演出表示装置あるいは画像表示装置ともいう)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の変動表示を行なう。飾り図柄の変動表示を行なう可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下方には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば00〜99の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、2桁の数字を表示するものに限らず、0〜9等他の桁数の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって各々が識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。
特別図柄表示器8の右側には、始動入賞口13,14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、左右一対の可動片の動作にもとづいて遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16を励磁状態にすることによって可動片が開動作されることにより開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15は、ソレノイド16を消磁状態にすることによって可動片が閉状態にされることにより閉状態とされる。可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。このような第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには、可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は可変表示装置9の直下に設けられているが、可変表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球が第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
可変表示装置9の右側には、遊技演出に用いられる可動部材としてのトロッコ151が設けられている。トロッコ151は、遊技演出において、演出制御手段の制御に従って、図4に示すように、可変表示装置9の右側から左側方向に飛び出すような演出を行なうことができる。
また、可変表示装置9の上部および右側には、遊技演出に用いられる可動部材としての梁152が設けられている。梁152は、遊技演出において、演出制御手段の制御に従って、図5に示すように、可変表示装置9の上部および右側から崩れ落ちるような演出を行なうことができる。
さらに、可変表示装置9の下部には、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開口したときに遊技球が入賞可能となる入賞領域としての大入賞口を開閉する開閉板20aを有し、遊技者にとって有利な開放状態(開状態)と、遊技者にとって不利な閉状態とのいずれかに制御される。特定遊技状態(大当り遊技状態)においては、ソレノイド21によって特別可変入賞球装置20が開放状態に制御されることによって大入賞口が閉状態から開放状態になる。大入賞口に入賞した入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
また、図1に示すように、打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作部81が設けられている。操作部81の詳細な構成および動作については後述する(図11〜図17等参照)。
図1を参照して、ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示(可変表示)が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。普通図柄表示器10の下部には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口(普通入賞口)29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口13,14や大入賞口も、遊技球を受入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。また、それぞれの入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球を1つのスイッチで検出するようにしてもよい。
遊技領域7の中央部には、可変表示装置9を囲むように飾り部材154が取付けられており、飾り部材154の上部には、遊技中に点灯表示または点滅表示される装飾ランプ(センター飾り用ランプ)が設けられている。なお、この実施の形態では、図3に示すように、センター飾り用ランプとして6個のLED125a〜125fが設けられている。また、飾り部材154には、可変表示装置9を囲むように、遊技中に点灯表示または点滅表示される装飾ランプ(ステージランプ)が設けられている。なお、この実施の形態では、図3に示すように、ステージランプとして6個のLED126a〜126fが設けられている。
また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。
図2を参照すると、遊技領域7の外周には、天枠ランプ、左枠ランプおよび右枠ランプが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。この実施の形態では、天枠ランプとして12個のLED281a〜281lが設けられている。また、左枠ランプとして6個のLED282a〜282fが設けられている。また、右枠ランプとして6個のLED283a〜283fが設けられている。また、図1を参照すると、構造物の周囲の装飾LEDとして、可変入賞球装置15に1個のLED127aが、特別可変入賞球装置20周辺に2個のLED127b,127cが設けられている。また、操作部81の押圧操作部811に8個の単色LED(図16等に示す第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82h)と1個のマルチカラーLED(図16等に示す操作部中央ランプ82A)が設けられ、操作部81の回転操作部812に4個の単色LED(図16等に示す第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l)が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レール(発射レール(図1では図示せず)、外レール441、内レール442)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、または遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示(変動)を始めるとともに、可変表示装置9において飾り図柄が変動表示(変動)を始める。図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示、および可変表示装置9における飾り図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果としての大当り表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、大入賞口が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が変動表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開放状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められるようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図6を参照して説明する。図6は、パチンコ遊技機の背面からみた背面図である。なお、図6では、カードユニット50についても示している。
図6に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側では、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1の裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板(発射制御基板ともいう)91Aが設けられている。電源基板910は、一部が払出制御基板37と重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板159が設置されている。ターミナル基板159には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)34が設置されている。
遊技機設置島(図116参照)から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留された遊技球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバー731で覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ197が設けられている。球切れスイッチ197が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ197は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、球タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(球タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が球払出装置97から払い出されると、誘導樋430を通って打球供給皿3に導かれる。多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置97内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。尚、満タンスイッチがオンした状態において、球払出装置97の動作および打球発射装置の駆動は必ずしも停止させなくてもよいし、あるいはオンした時点から所定時間経過後に停止させるようにしてもよい。
次に、球タンク38およびスピーカ27の取付構造を図7および図8にもとづいて説明する。図7は、機構板が組み付けられた前面枠の上部を背面側から見た状態を示す要部斜視図であり、図8は、図7のB−B断面図である。
前面枠2aの背面上部左右側には、スピーカ取付穴115が内部に形成されている、前面が開口する膨出部121が、背面側に向けて膨出するように形成されている。膨出部121の背面側には、後述する垂直面122が形成されており、スピーカ取付穴115内に前面側から嵌合されるスピーカユニット27aの後面の一部が該垂直面122の前面側にて当接規制される。また、垂直面122の側方には開口123(図8参照)が形成されており、スピーカ取付穴115が背面側に開放されるようになっており、スピーカユニット27aの後部の一部が開口123を介して垂直面122よりも背面側に向けて突出されるようになっている(図8参照)。
膨出部121の内面上部には、スピーカユニット27aの上面に形成された上下方向を向く位置決め溝27bに嵌合可能な位置決め片(図示せず)が突設されており、スピーカ取付穴115内でのスピーカユニット27aのガタツキが防止されるようになっている。
球タンク38は、図7および図8に示されるように、機構板105の背面上部に背面側からネジにより取り付けられる。球タンク38は、上面が開口する所定深さを有する平面視略長方形状の箱体からなり、図8に示されるように、平面視で略横長長方形状に形成されているとともに、前面枠2aと対向する前側板38bの右側角部(図中向かって左側角部)には、前方および側方に開放する切欠凹部38aが内向きに凹むように形成されている。また、底面側方には、供給球誘導通路160を構成するタンクレールに連通する流出口38cが形成されており、底面は該流出口38cに向けて下方に傾斜するように配置されている。
一方、機構板105の球タンク取付部720における右側角部には、球タンク38と同様の機構板切欠凹部720aが内向きに凹むように形成されている。この機構板切欠凹部720aにおける前側面は垂直面122および内側面124に当接し、後側面は切欠凹部38aの前側面(外面)が当接するようになっている。
このように、球タンク38における前面枠2aの背面と対向する前側板38bの角部に形成した切欠凹部38a内に右側のスピーカユニット27aの一部を収容するように配設することができる。すなわち、球タンク38の前側板38bにおける切欠凹部38aの形成箇所以外の部分が、左右に配設されるスピーカユニット27aの背面よりも前方に配置されるため、スピーカ27が大型化されてスピーカユニット27aの前後幅が長寸となり、球タンク38の側部と干渉する虞がある場合でも、球の貯留量を低減することなく、かつ、前面枠2aの裏面側に大きく張り出すことなく球タンク38を配設することができ、これにより遊技機設置島(図示略)内に設けられる各種装置との干渉等を回避することができる。
また、スピーカユニット27a,27aが前面枠2aの左右側に離間配置されている場合において、該スピーカユニット27a,27aの配設位置と同高さ位置に配設することができるとともに、左右のスピーカユニット27a,27aの間のスペースを利用して球の貯留スペースを効率的に形成できるばかりか、左右方向の幅寸法を全体的に短寸とすることなく、スピーカユニット27a,27aの背面側にも貯留スペースを形成することができるため、球の貯留量が著しく低減されることがない。
つまり、球タンク38は、前側板38bの角部に切欠凹部38aが形成されていることで、球の貯留領域は、左右のスピーカユニット27a,27a間に形成される前後幅L1の第1の貯留領域と、切欠凹部38aの背面側に形成されるL1よりも短寸の前後幅L2を有する第2の貯留領域と、から構成されている。
また、球タンク38の切欠凹部38aの外側面が、前面枠2aの背面側に突出するスピーカユニット27aの本体外面に直接接触することはなく、スピーカユニット27aの本体外面に直接当接する垂直面122および該垂直面122に当接する機構板105の本体板(球タンク取付部720)を介して間接的に当接するようになっているため、スピーカ27が音を出力することにより生じる振動が球タンク38に伝達されやすくなり、この振動により、球タンク38内に貯留される遊技球が均されて、偏りなく貯留されるようになるため、球詰まり等の発生を効果的に防止できる。
なお、本実施例では、球タンク38の左右の切欠凹部38a,38aの前側面(外面)が、機構板105の球タンク取付部720背面に当接した状態で設けられていたが、少なくともスピーカユニット27aの背面または側面の一部に近接した状態で設けられていれば、必ずしも直接当接した状態で設けられていなくてもよいし、球タンク取付部720背面やスピーカユニット27aの背面または側面から離間した状態で配設されていてもよい。また、スピーカユニット27aの背面または側面の少なくとも一部に直接当接した状態で設けられていてもよい。
また、スピーカ27およびスピーカユニット27aが大型化し、前面枠2aの背面から背面側に向けて大きく膨出するように取り付けられた場合、球タンク38の左右幅を左右のスピーカユニット27a,27a間に納まるように短寸にすると、球の貯留量が制限されるが、上記のように球タンク38の一部に内側に凹む凹部38aを形成し、該凹部38a内にスピーカユニット27aの一部を嵌合させた状態で球タンク38を取り付けることで、左右幅全体を短寸にしなくても済むため、貯留量の低減を回避できるばかりか、球タンク38を左右のスピーカユニット27a,27aよりも背面側に大きく突出させなくて済み、パチンコ機1の前後幅が大寸となることがないので、スペース効率よく配設することができる。
次に、打球供給皿(上皿)および余剰球受皿(下皿)について図9および図10を参照して説明する。
図9は、打球供給皿(上皿)の正面および上面を示す図である。図9に示すように、打球供給皿(上皿)3に、上皿ランプとして6個のLED882a〜882fが設けられている。この実施の形態では、図9に示すように、打球供給皿(上皿)3の左側面に2個のLED882a,882bが、正面に2個のLED882c,882dが、右側面に2個のLED882e,882fが設けられている。なお、この実施の形態において、遊技機の正面とは、遊技者が遊技をしているときに遊技者と対向する側(遊技者が見ている側)の面をいう。また、遊技機の側面とは、遊技者が遊技をしているときに遊技者の視線方向と直交する側の面をいう。この場合に、遊技者から見て左側の側面を左側面といい、遊技者から見て右側の側面を右側面という。これらのLED882a〜882fは、それぞれ打球供給皿(上皿)3の背面に設けられた各基板331,332,333,334に搭載されている。
また、打球供給皿(上皿)3の左側面には、図9に示すように、逆「く」の字形状のレンズカバー821が取り付けられており、LED882a,882bが点灯または点滅すると、レンズカバー821で光が拡散されてレンズカバー821全体が光って見える。具体的には、レンズカバー821は、保護用のレンズカバーと、ローレット状やクロスカット状に形成され裏面がギザギザ形状に形成された光拡散用のレンズカバーとで構成されており、LED882a,882bが点灯または点滅すると、光拡散用のレンズカバーで光が拡散されてレンズカバー821全体が光って見えるようにすることができる。また、光拡散用のレンズカバーには、所定色(例えば青)が着色されており、LED882a,882bが点灯または点滅することより、レンズカバー821全体が所定色(例えば青)に光って見える。なお、レンズカバー821として透明なものを用い、LED882a,882bとしてフルカラーLEDを用いて、LED882a,882bの発光色を変えることによって、レンズカバー821全体が所定色(例えば青)に光って見えるようにしてもよい。なお、打球供給皿(上皿)3の左側面のレンズカバー821の内側の三角形状の部分821Aにもレンズ部品(例えば、ロゴマークなどが描かれたもの)を用いて、内側のLED882a,882b(LED882a,882bとは別のLEDを設けてもよい)によって発光して見えるようにしてもよい。また、打球供給皿(上皿)3の左側面のレンズカバー821の内側の三角形状の部分821Aとして単に不透明な合成樹脂製の部品を用いてもよい。
また、打球供給皿(上皿)3の正面には、図9に示すように、帯型形状のレンズカバー822が取り付けられており、LED882c,882dが点灯または点滅すると、レンズカバー822で光が拡散されてレンズカバー822全体が光って見える。具体的には、レンズカバー822は、保護用のレンズカバーと、ローレット状やクロスカット状に形成され裏面がギザギザ形状に形成された光拡散用のレンズカバーとで構成されており、LED882c,882dが点灯または点滅すると、光拡散用のレンズカバーで光が拡散されてレンズカバー822全体が光って見えるようにすることができる。また、光拡散用のレンズカバーには、所定色(例えば青)が着色されており、LED882c,882dが点灯または点滅することより、レンズカバー822全体が所定色(例えば青)に光って見える。なお、レンズカバー822として透明なもの(無色の透明性のある部材)を用い、LED882c,882dとしてフルカラーLEDを用いて、LED882c,882dの発光色を変えることによって、レンズカバー822全体が所定色(例えば青)に光って見えるようにしてもよい。
また、打球供給皿(上皿)3の右側面には、図9に示すように、「く」の字形状のレンズカバー823が取り付けられており、LED882e,882fが点灯または点滅すると、レンズカバー823で光が拡散されてレンズカバー823全体が光って見える。具体的には、レンズカバー823は、保護用のレンズカバーと、ローレット状やクロスカット状に形成され裏面がギザギザ形状に形成された光拡散用のレンズカバーとで構成されており、LED882e,882fが点灯または点滅すると、光拡散用のレンズカバーで光が拡散されてレンズカバー823全体が光って見えるようにすることができる。また、光拡散用のレンズカバーには、所定色(例えば青)が着色されており、LED882e,882fが点灯または点滅することより、レンズカバー823全体が所定色(例えば青)に光って見える。なお、レンズカバー823として透明なものを用い、LED882e,882fとしてフルカラーLEDを用いて、LED882e,882fの発光色を変えることによって、レンズカバー823全体が所定色(例えば青)に光って見えるようにしてもよい。なお、打球供給皿(上皿)3の右側面のレンズカバー823の内側の三角形状の部分823Aにもレンズ部品(例えば、ロゴマークなどが描かれたもの)を用いて、内側のLED882e,882f(LED882e,882fとは別のLEDを設けてもよい)によって発光して見えるようにしてもよい。また、打球供給皿(上皿)3の右側面のレンズカバー823の内側の三角形状の部分823Aとして単に不透明な合成樹脂製の部品を用いてもよい。
なお、打球供給皿(上皿)3の各レンズカバーのうちの2つのレンズカバー821,823および上皿ランプの各LEDのうちの4つのLED882a,882b,882e,882fは、それぞれ打球供給皿(上皿)3の左側面および右側面に、遊技中の遊技者からは視認しずらい位置に設けられている。
図10は、余剰球受皿(下皿)の正面および上面を示す図である。図10に示すように、余剰球受皿(下皿)4に、下皿ランプとして、6個のLED884a〜884fが設けられている。この実施の形態では、図10に示すように、余剰球受皿(下皿)4の周縁部(本例では、余剰球受皿(下皿)4の上面)に6個のLED884a〜884fが設けられている。なお、これらのLED884a〜884fは、余剰球受皿(下皿)4の背面に設けられた基板431に搭載されている。
また、余剰球受皿(下皿)4の上面には、図10に示すように、「コ」の字形状のレンズカバー841が取り付けられており、LED884a〜884fが点灯または点滅すると、レンズカバー841で光が拡散されてレンズカバー841全体が光って見える。具体的には、レンズカバー841は、保護用のレンズカバーと、ローレット状やクロスカット状に形成され裏面がギザギザ形状に形成された光拡散用のレンズカバーとで構成されており、LED884a〜884fが点灯または点滅すると、光拡散用のレンズカバーで光が拡散されてレンズカバー841全体が光って見えるようにすることができる。また、光拡散用のレンズカバーには、所定色(例えば青)が着色されており、LED884a〜884fが点灯または点滅することより、レンズカバー841全体が所定色(例えば青)に光って見える。なお、レンズカバー841として透明なものを用い、LED884a〜884fとしてフルカラーLEDを用いて、LED884a〜884fの発光色を変えることによって、レンズカバー841全体が所定色(例えば青)に光って見えるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、通常の遊技演出に応じた上皿ランプや下皿ランプを含む各ランプのLEDの制御として、変動パターンに応じた点灯または点滅の制御が行われる。この実施の形態では、後述するように、変動パターンに応じたプロセスデータにもとづいて各ランプのLEDの点灯または点滅の制御が行われる。
また、打球供給皿(上皿)3は、図9に示すように、ヒンジ部312を介して回動可能に遊技枠11に取り付けられている。また、ヒンジ部312がある側とは反対側の右側面には、打球供給皿(上皿)3を開放するための開放レバー317が設けられており、開放レバー317を押下することによって、遊技枠との係合状態が解除され、ヒンジ部312を軸に打球供給皿(上皿)3が回動可能な状態とされる。また、打球供給皿(上皿)3には、遊技球を貯留するための皿部350が設けられており、払出処理や球貸し処理が行われると、遊技球の注入口311から遊技球が注入され、皿部350に遊技球が貯留される。また、皿部350は左側面から右側面に向かう方向に低くなるように傾斜が設けられており、皿部350に貯留された遊技球は左側面から右側面の方向に誘導され、通路350Aを通って打球位置に誘導される。また、打球供給皿(上皿)3には上皿スライドレバー313が設けられている。打球供給皿(上皿)3の底部には打球供給皿(上皿)3に溜まった遊技球を余剰球受皿(下皿)4に移すための貫通口が設けられており、上皿スライドレバー313をスライドさせることによって打球供給皿(上皿)3の底部の貫通口が開いた状態となり、打球供給皿(上皿)3に溜まっている遊技球を余剰球受皿(下皿)4側に流入させることができる。また、打球供給皿(上皿)3には、球貸し要求操作を行うための球貸スイッチ91や、カードユニットに挿入されたプリペイドカード等の返却操作を行うための返却スイッチ92が設けられている。なお、プリペイドカードの返却操作を行う場合に限らず、例えば、コイン形の記録媒体(例えば、ICコイン)をカードユニットに投入することにより球貸し処理を行う遊技機である場合には、返却スイッチ92を操作することによってコインが返却されるようにしてもよい。また、打球供給皿(上皿)3には、プリペイドカード等の残り度数(球貸し可能な度数、すなわち記録媒体に記録されている価値の量)を表示するための度数表示LED93が設けられている。
また、余剰球受皿(下皿)4は、図10に示すように、ヒンジ部401を介して回動可能に遊技枠11に取り付けられている。また、余剰球受皿(下皿)4には、遊技球を貯留するための皿部450が設けられており、上皿スライドレバー313が操作されたときに打球供給皿(上皿)3から流入した遊技球や、打球供給皿(上皿)3が満タン状態となってあふれて流入した遊技球が貯留される。この場合、上皿スライドレバー313が操作されたり、打球供給皿(上皿)3が満タン状態となると、打球供給皿(上皿)3からの遊技球は注入口403を通って注入され皿部450に貯留される。また、余剰球受皿(下皿)4には下皿スライドレバー402が設けられている。余剰球受皿(下皿)4の底部には余剰球受皿(下皿)4に溜まった遊技球を玉箱(遊技球を入れるための箱)に移すための貫通口が設けられており、下皿スライドレバー402をスライドさせることによって余剰球受皿(下皿)4の底部の貫通口が開いた状態となり、余剰球受皿(下皿)4に溜まっている遊技球を玉箱に流入させることができる。
次に、操作部81の詳細な構成および動作について図11〜図17を参照して説明する。
図11は、打球供給皿を拡大した平面図である。図12は、操作部の操作中における遊技者の手と球貸スイッチおよび返却スイッチとの位置関係を示す説明図である。図13は、操作部の構成を説明するための図である。図14は、操作部の押圧操作部と表示部材との態様を説明するための図である。図15は、押圧操作部が発光した状態の態様を説明するための図である。図16は、操作部における各種検出器およびランプと操作部の構造物との関係を説明するための図である。図17は、操作部の各種状態を示すための縦断面図である。
図11に示すように、打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作部81が設けられている。操作部81は、遊技者が、遊技者から見て前後左右というような予め定められた複数の方向(4方向)のうちから選択した方向へ押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチ(ジョグボタン)よりなる平面視円形の押圧操作部811と、押圧操作部811の周囲で回転可能に設けられ回転操作をすることが可能なダイヤル(ジョグダイヤル)よりなる回転操作部812との複数の操作部を含む。押圧操作部811は、さらに、前後左右の4方向以外に、遊技者から見て下方向にも押圧操作可能であり、押圧操作部811において遊技者がパチンコ遊技機1に向かって前後左右4方向のうち1つの方向を選択的に押圧する方向選択操作と、方向選択操作以外に押圧操作部811全体を下方へ押圧する決定操作とを遊技者が行なうことが可能である。
押圧操作部811において、前方向を選択する操作を行なうときに操作される部分(遊技者が押圧操作部811に向かって向こう側の部分)が、前方向部と呼ばれる。押圧操作部811において、後方向を選択する操作を行なうときに操作される部分(遊技者が押圧操作部811に向かって手前側の部分)が、後方向部と呼ばれる。押圧操作部811において、左方向を選択する操作を行なうときに操作される部分(遊技者が押圧操作部811に向かって左側の部分)が、左方向部と呼ばれる。押圧操作部811において、右方向を選択する操作を行なうときに操作される部分(遊技者が押圧操作部811に向かって右側の部分)が、右方向部と呼ばれる。
また、回転操作部812は、左周りに回転する左回転操作と、右周りに回転させる右回転操作とを遊技者が任意に行なうことが可能である。
また、打球供給皿3を構成する部材においては、操作部811の他に、前述のカードユニット50を介して遊技球を借り受ける際に操作する球貸スイッチ91、および、プリペイドカードの返却を受けるときに操作する返却スイッチ92等の操作手段が設けられている。
また、図11には、球貸スイッチ91の断面図も示されている。図11に示すように、球貸スイッチ91は、打球供給皿3の操作部81が設けられている面と同一面上に配置されている。また、図11中の断面図に示すように、球貸スイッチ91は、遊技者によって押圧されていない状態において、打球供給皿3の操作部81が設けられている面よりも凹んだ位置に配置されている。そのような構成によって、操作部81の操作を行っているときに、誤って球貸スイッチ91を押圧してしまう事態を防止することができる。また、返却スイッチ92も、球貸スイッチ91と同様に、打球供給皿3の操作部81が設けられている面よりも凹んだ位置に配置されている。そのような構成によって、操作部81の操作を行っているときに、誤って返却スイッチ92を押圧してしまう事態を防止することができる。
図12は、操作部81の操作中における遊技者の手と球貸スイッチ91および返却スイッチ92との位置関係を示す説明図である。図12(a)は、操作部81の回転操作部812を左手を用いて操作している状態を示す。また、図12(b),(c)は、回転操作部812を右手を用いて操作している状態を示す。例えば、図12(c)に示すように、右手を用いて回転操作部812を操作しているときに、遊技者の無意識のうちに右手の位置が球貸スイッチ91や返却スイッチ92の位置と重なる状態となる場合がある。この場合に、球貸スイッチ91や返却スイッチ92が、打球供給皿3の操作部81が設けられている面よりも出っぱった状態となるように配置されていると、右手が球貸スイッチ91や返却スイッチ92に触れてしまう可能性があり、誤って球貸スイッチ91や返却スイッチ92を押下してしまうおそれがある。この実施の形態では、打球供給皿3の操作部81が設けられている面よりも凹んだ位置となるように、球貸スイッチ91や返却スイッチ92を配置しているので、操作部81の操作中に手が触れて、誤って球貸スイッチ91や返却スイッチ92を押圧してしまう事態を防止している。
図13は、操作部81の構成を説明するための図である。図14は、操作部81の押圧操作部811と表示部材811Aとの態様を説明するための図である。図15は、押圧操作部811が発光した状態の態様を説明するための図である。図16は、操作部81における各種検出器およびランプと操作部81の構造物との関係を説明するための図である。図17は、操作部の各種状態を示すための縦断面図である。
図13においては、(a)に操作部81の分解斜視図が示され、(b)に操作部81に含まれるカバープレート815の裏面図(ただし、裏面の突起部8150の構成を明確化するために固定部815aについては図示を省略している)が示され、(c)にカバープレート815の側面図(ただし、裏面の突起部8150の構成を明確化するために固定部815aについては図示を省略している)が示される。図14においては、(a)に押圧操作部811の態様が示され、(b)に操作部81内部の表示部材811Aの態様が示されている。図15においては、(a)に操作部中央ランプ(マルチカラーLED)82Aが赤色に点滅した場合の発光状態が示され、(b)に操作部中央ランプ82Aが青色に点灯した場合の発光状態が示されている。図16においては、(a)に各種検出器および各種ランプの配置状態を示す操作部81の平面図が示され、(b)に操作部81の側面図が示され、(c)に(a)のA−A断面図が示される。
図13を参照して、操作部81は、押圧部材811a、表示部材811A、回転部材812a、ボタンハウジング813、ボタンバネ814、カバープレート815、ダイヤルベース816、ボタンベース817、および、操作部基板818を含む。なお、押圧操作部811は、主として、押圧部材811aや、表示部材811A、ボタンハウジング813、ボタンバネ814、ボタンベース817、操作部基板818などの部品によって構成される。また、回転操作部812は、主として、回転部材812aや、カバープレート815、ダイヤルベース816などの部品によって構成される。
押圧部材811aは、樹脂製で半透明の円形ボタン状の部材である。表示部材811Aは、樹脂製で半透明の部材で、押圧部材811aの内周サイズより僅かに小さいサイズの円形で肉厚が一定のシート状に形成されている。
表示部材811Aは、アクリル材等の樹脂製部材で形成されるプレートの下面に異なる色で複数種類の文字列が印刷されている。図14(b)に示すように、表示部材811Aは、アクリル材等の樹脂製部材の下面に3種類の塗料811b〜811dが印刷されている。この実施の形態では、表示部材811Aは、図14(b)に示すように、操作部中央ランプ82Aが赤色に発光したときに表示する赤色の文字列(例えば、「押せ!!」などの文字列)が印刷されているとともに、操作部中央ランプ82Aが青色に発光したときに表示する青色の文字列(例えば、「回せ!!」などの文字列)が印刷されている。赤色の文字列は、マルチカラーLEDである操作部中央ランプ82Aが赤色に発光したときの波長に合わせた塗料として、赤色光を透光して青色光を遮光する赤色塗料811bによって主に印刷されている。また、青色の文字列は、操作部中央ランプ82Aが青色に発光したときの波長に合わせた塗料として、青色光を透光して赤色光を遮光する青色塗料811cによって主に印刷されている。また、赤色の文字列も青色の文字列も印刷されていない余白部は、光(少なくとも赤色光および青色光)を透光させない遮光色塗料としての黒色塗料811dによって印刷されている。
なお、図14(b)に示す例では、表示部材811Aにおいて、赤色の文字列と青色の文字列とが重複部分をもたないように印刷されている場合を示しているが、赤色の文字列と青色の文字列との一部が重なるように印刷されていてもよい。この場合、赤色の文字列と青色の文字列とが重複する部分については、赤色光と青色光との混合色であって赤色光と青色光とを透光する混合色塗料としての紫色塗料によって印刷されていてもよい。また、この実施の形態では、表示部材811Aに赤色の文字列と青色の文字列とが印刷される場合を示しているが、文字列に限らず、例えば、表示部材811Aに図形や図柄などが印刷されていてもよい。
ボタンハウジング813は、上部に押圧部材811aが嵌込まれ、押圧操作部811の操作に応じて前後左右方向および上下方向に動作する部材であり、下部に、押圧操作部811が前後左右方向および下方向のうちのどの方向に操作されたかを検出するために必要となる4つの突起部813aが設けられている。また、ボタンハウジング813の外周部には、押圧操作部811において遊技者が操作すべき前後左右の4つの方向(前方向部、後方向部、右方向部、左方向部)を発光させるために操作部81において下方から上方へ光を導く4つの光導部813bが形成されている。ボタンハウジング813の下面側には、コイルバネよりなるボタンバネ814の一方端部が取付けられている。
ボタンベース817は、押圧部材811a、ボタンハウジング813、回転部材812a、ボタンバネ814、カバープレート815、および、ダイヤルベース816が上部に付けられ、操作部基板818が下部に取付けられる樹脂製の部材である。ボタンベース817においては、ボタンハウジング813を内部空間に受入れることが可能な形状の筒状壁部817aが上部に形成されている。そして、ボタンベース817においては、操作部81を打球供給皿3に設けられた取付部に取付けるための複数の爪部817bが形成されている。
図13の(a)に示すように、カバープレート815は、環状に形成された金属製の部材であり、内周側にボタンハウジング813が挿通される。図13の(b)、(c)に示すように、カバープレート815の環状部の下面側には、クリック感(カチッ、カチッという音をさせて所定回転量ごとに回転動作が区切られていることを体感させる操作感覚)を生じさせるための複数(2つ)の突起8151が形成された突起部8150が設けられている。突起部8150は、板バネ状の部材の中間部においてその部材の一部を曲げ加工して突出させた突起8151を有し、板バネ状の部材の弾性力により突起8151の位置が揺動(この例では上下動)可能な形状で構成されている。また、図13の(a)に示すように、カバープレート815の四方には、カバープレート815をダイヤルベース816の上部に固定するための4つの固定部815aが設けられている。
ダイヤルベース816は、回転操作部812の操作に応じて回転する環状の樹脂製の部材であり、回転部材812aが嵌込まれる筒状壁部816cが上部に形成されている。ダイヤルベース816の内周側には、ボタンハウジング813が挿通される。また、ダイヤルベース816の外周には、前述のカバープレート815の突起8151との関係でクリック感を生じさせるための複数の凹凸部が連続的に形成されたクリック感部816bが周設されている。また、ダイヤルベース816の下面側には、回転操作部812の回転を検出するための回転検出用壁部816aが所定間隔で環状(同心円状)に配置された態様で設けられている。
このようなダイヤルベース816は、ボタンベース817の筒状壁部817aの外周面に摺接し、その外周面に沿って回転可能となるように、ボタンベース817の筒状壁部817aを内部に挿通する態様でボタンベース817に嵌め入れられる。そして、カバープレート815は、ダイヤルベース816の筒状壁部816cを上側から押さえた状態で、固定部815aをボタンベース817に設けられた固定部817c(図16(b)参照)に固定する態様でボタンベース817に取付けられる。このような状態では、ダイヤルベース816の筒状壁部816cの一部が、カバープレート815の内周側から上方へ突出する。その突出した筒状壁部816cに回転部材812aが取付けられることにより、回転操作部812の回転動作にダイヤルベース816が連動する。カバープレート815下面側の突起部8150の突起8151は、突起部8150の弾性力により、ダイヤルベース816に連続的に形成された凹凸部へ向けて付勢される。このような場合において、ダイヤルベース816に連続的に形成された凹凸部にカバープレート815下面側の突起部8150の突起8151が出入りすることにより、回転操作部812を例えば15度のような所定角度(所定回転量)ずつ回転操作するごとにクリック感を生じさせることができる。
例えば、ダイヤルベース816に連続的に形成された凹凸部の凹部は、カバープレート815の下面側の突起が当接したときに、その突起を下方へ滑らせて凸部における底部に入るように誘導することが可能な斜面を形成する形状で構成されている。したがって、回転操作部812が回転操作されることに応じて、ある凹部から次の凸部の頂点へ突起8151が移動し、その突起8151が凸部の頂点を超えて次の凹部に入ると、その後特に操作力を加えなくても、その突起8151は突起部8150の部材の弾性力により付勢されて、斜面を下方へ滑べって次の凸部における底部に入る。したがって、回転操作部812の回転操作時には、ある凹部から次の凹部へ1クリック分操作するときにおいて、それら凹部間の凸部の頂点を突起8151が通過すると、逆方向へ回転操作しない限りその突起8151が次の凹部の底部へ誘導されるので、そのような凸部の頂点を突起8151が通過したタイミングで、1クリック分の操作が行なわれたと判別することが可能である。回転操作部812の回転操作に応じてこのような動作が行なわれることにより、所定の回転量ごとにクリック感が生じることとなる。
また、押圧部材811aおよびボタンバネ814が取付けられたボタンハウジング813については、ボタンバネ814の他端部がボタンベース817における筒状壁部817a内部の底面に設けられたボタンバネ取付部817c(図16(b)参照)に取付けられる。図17(a)または図17(c)に示すように、押圧操作部811が押圧操作された後、ボタンバネ814の伸縮力に基づいて、図17(b)に示すように、押圧操作された後の押圧部材811aが元の位置まで戻される。
ボタンベース817の下面部には、操作部基板818がビス止めにより取付けられる。図16(a)のように、操作部基板818は、円板型に形成され、各種の電気部品が搭載される基板である。操作部基板818の上面側には、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、第4押圧検出器81d、第1回転検出器81e、第2回転検出器81f、第1押圧操作部ランプ82a、第2押圧操作部ランプ82b、第3押圧操作部ランプ82c、第4押圧操作部ランプ82d、第5押圧操作部ランプ82e、第6押圧操作部ランプ82f、第7押圧操作部ランプ82g、第8押圧操作部ランプ82h、および操作部中央ランプ82Aが設けられている。また、回転操作部812の内部には、図16(a)に示すように、第1回転操作部ランプ82i、第2回転操作部ランプ82j、第3回転操作部ランプ82k、および第4回転操作部ランプ82lも設けられている。
第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、および、第4押圧検出器81dは、前述したような押圧操作部811による4方向の方向選択操作と決定操作とを検出するために設けられた検出器であり、操作部基板818の中心部を中心とした同心円上に所定間隔で配置されている。各押圧操作器は、発光部と受光部とを備えたフォトセンサよりなり、図17(a)または図17(c)に示すように、前述のボタンハウジング813の突起部813aが内部空間に入ったときに光が遮断されることに基づいて、押圧操作部811が操作されたことを検出する。より具体的に、ボタンハウジング813の4つの突起部813aと、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、および、第4押圧検出器81dのそれぞれとの関係は次の通りである。
図17(a)に示すように、押圧操作部811の左方向部が押圧操作されたときには、突起部813aのうち、押圧操作部811の左方向部の直下に存在する突起部が第2押圧検出器81bの内部に入ることに基づいて、左方向部が押圧操作されたことが検出される。また、押圧操作部811の右方向部が押圧操作されたときには、突起部813aのうち、押圧操作部811の右方向部の直下に存在する突起部が第4押圧検出器81dの内部に入ることに基づいて、右方向部が押圧操作されたことが検出される。また、押圧操作部811の前方向部が押圧操作されたときには、突起部813aのうち、押圧操作部811の前方向部の直下に存在する突起部が第1押圧検出器81aの内部に入ることに基づいて、前方向部が押圧操作されたことが検出される。また、押圧操作部811の後方向の部分が押圧操作されたときには、突起部813aのうち、押圧操作部811の後方向部の直下に存在する突起部が第3押圧検出器81cの内部に入ることに基づいて、後方向の部分が押圧操作されたことが検出される。
また、図17(c)に示すように、押圧操作部811の中央部が正常に押圧操作されたときには、通常的に、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、および、第4押圧検出器81dのうちの少なくとも2つの内部に突起部813aが入る。これにより、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、および、第4押圧検出器81dのうちの少なくとも2つに突起部813aが入ることに基づいて、押圧操作部811の中央部が押圧操作されたことが検出される。
また、第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fは、回転操作部812による左回転操作と右回転操作とを検出するために設けられた検出器である。図16(a)に示すように、各回転検出器は、発光部と受光部とを備えたフォトセンサよりなり、前述のダイヤルベース816が回転したときに回転検出用壁部816aが発光部と受光部の間を通過できるような位置に設けられる。第1回転検出器81eと、第2回転検出器81fとの位置関係は、例えば第1回転検出器81eがある回転検出用壁部816aを検出しているときに第2回転検出器81fが他の回転検出用壁部816aを検出していない状態となるように、所定距離だけ離隔して配置されている。
各回転検出器は、ダイヤルベース816の回転検出用壁部816aが発光部と受光部との間に入ったときに発光部から受光部への光が遮断される。回転検出用壁部816aは、前述のように所定間隔で配置されているので、各回転検出器から出力される検出信号は、ダイヤルベース816が回転しているときに、回転検出用壁部816aを検出していない状態であるオン状態と、回転検出用壁部816aを検出している状態となるオフ状態とを繰返すパルス信号となる。演出制御用マイクロコンピュータ100では、後述するように、第1回転検出器81eの検出信号の状態と第2回転検出器81fの検出信号の状態との関係に基づいて、回転操作部812による回転操作が検出される。
操作部基板818の中央部には、マルチカラーLEDである操作部中央ランプ82Aが設けられている。操作部中央ランプ82Aは、押圧操作部811による前述の決定操作を行なうとき、または回転操作部812による回転操作を行うときに、表示部材811Aに印刷された文字列を発光させるためのLEDである。操作部中央ランプ82Aからの光が、ボタンベース817の内部空間およびボタンハウジング813の内部空間を通り、操作部基板818の中央部に達することにより(図16(c)参照)、表示部材811Aに印刷された文字列が発光することとなり、押圧操作部811において発光状態の文字列を視認することが可能となる。
この実施の形態では、操作部中央ランプ82Aが発光していない状態では、図14(a)に示すように、押圧操作部811において文字列を視認することはできない。例えば、操作部中央ランプ82Aが赤色に発光すると、操作部中央ランプ82Aからの赤色光によって、表示部材811Aに赤色塗料811Bで印刷された文字列(例えば、「押せ!!」などの文字列)が点滅状態(点灯でもよい)となり、図15(a)に示すように、押圧操作部811において赤色の文字列(例えば、「押せ!!」などの文字列)を視認可能な状態となる。また、「押せ!!」などの文字列が表示されることによって、遊技者は、押圧操作部811上の表示を確認することによって、押圧操作部811の押圧操作が指示されたことを認識することができる。また、例えば、操作部中央ランプ82Aが青色に発光すると、操作部中央ランプ82Aからの青色光によって、表示部材811Aに青色塗料811Cで印刷された文字列(例えば、「回せ!!」などの文字列)が点灯状態(点滅でもよい)となり、図15(b)に示すように、押圧操作部811において青色の文字列(例えば、「押せ!!」などの文字列)を視認可能な状態となる。また、「回せ!!」などの文字列が表示されることによって、遊技者は、押圧操作部811上の表示を確認することによって、回転操作部812の回転操作が指示されたことを認識することができる。
なお、この実施の形態では、操作部中央ランプ82Aとして、1個のマルチカラーLEDを配置する場合を示しているが、操作部81の中央部に、赤色の単色LEDと青色の単色LEDとをそれぞれ配置するようにしてもよい。そして、押圧操作部811の操作を促す場合には、赤色の単色LEDを点滅(点灯でもよい)させることによって、押圧操作部811上に「押せ!!」などの文字列を表示するようにし、回転操作部812の操作を促す場合には、青色の単色LEDを点灯(点滅でもよい)させることによって、押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列を表示するようにしてもよい。
第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82hは、操作部基板818において、操作部基板818の中央部から、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dが配置された位置よりも外側の位置に、操作部基板818の中心部を中心とした同心円上に所定間隔で配置されている。第1押圧操作部ランプ82aは、第1押圧検出器81aの近傍に設けられている。第2押圧操作部ランプ82bは、第2押圧検出器81bの近傍に設けられている。第3押圧操作部ランプ82cは、第3押圧検出器81cの近傍に設けられている。第4押圧操作部ランプ82dは、第4押圧検出器81dの近傍に設けられている。第5押圧操作部ランプ82eは、第1操作部ランプ82aと、第2操作部ランプ82bとの間に設けられている。第6押圧操作部ランプ82fは、第2操作部ランプ82bと、第3操作部ランプ82cとの間に設けられている。第7押圧操作部ランプ82gは、第3操作部ランプ82cと、第4操作部ランプ82dとの間に設けられている。第8押圧操作部ランプ82hは、第4操作部ランプ82dと、第1操作部ランプ82aとの間に設けられている。
第1押圧操作部ランプ82aは、押圧操作部811のうち、前方向の方向選択操作を行なうときに操作すべき位置である押圧操作部811の前方向部を発光させるためのLEDよりなる。第1押圧操作部ランプ82aからの光が、ボタンベース817の内部空間およびボタンハウジング813における前方向部発光のための光を導く光導部813bを通り、操作部基板818の前方向部に達することにより、押圧操作部811の前方向部が発光することとなる。
第2押圧操作部ランプ82bは、押圧操作部811のうち、左方向の方向選択操作を行なうときに操作すべき位置である押圧操作部811の左方向部を発光させるためのLEDよりなる。第2押圧操作部ランプ82bからの発光が、ボタンベース817の内部空間およびボタンハウジング813における左方向部発光のための光を導く光導部813bを通り、操作部基板818の左方向部に達することにより、押圧操作部811の左方向部が発光することとなる。
第3押圧操作部ランプ82cは、押圧操作部811のうち、後方向の方向選択操作を行なうときに操作すべき位置である押圧操作部811の後方向部を発光させるためのLEDよりなる。第3押圧操作部ランプ82cからの光が、ボタンベース817の内部空間およびボタンハウジング813における後方向部発光のための光を導く光導部813bを通り、操作部基板818の後方向部に達することにより、押圧操作部811の後方向部が発光することとなる。
第4押圧操作部ランプ82dは、押圧操作部811のうち、右方向の方向選択操作を行なうときに操作すべき位置である押圧操作部811の右方向部を発光させるためのLEDよりなる。第4押圧操作部ランプ82dからの光が、ボタンベース817の内部空間およびボタンハウジング813における右方向部発光のための光を導く光導部813bを通り、操作部基板818の右方向部に達することにより、押圧操作部811の右方向部が発光することとなる。
次に、遊技枠11の内部および遊技盤6の裏面について説明する。
図18は、遊技枠11を開いた状態を示す説明図である。図18に示すように、遊技枠11側の裏面には、ICなどを搭載するための5つの基板(枠側IC基板)602,603,604,605A,605Bが取り付けられている。遊技枠11の上部に取り付けられた枠側IC基板602は、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換IC610,611が搭載されており、各シリアル−パラレル変換IC610,611から、天枠ランプの各LED281a〜281lに制御信号が供給される。また、遊技枠11の右側(裏面から見て左側)に取り付けられた枠側IC基板603は、シリアル−パラレル変換IC612が搭載されており、シリアル−パラレル変換IC612から、右枠ランプの各LED283a〜283fに制御信号が供給される。また、遊技枠11の左側(裏面から見て右側)に取り付けられた枠側IC基板604は、シリアル−パラレル変換IC613が搭載されており、シリアル−パラレル変換IC613から、左枠ランプの各LED282a〜282fに制御信号が供給される。
また、遊技枠11の下部であって打球供給皿(上皿)3の背面側の位置に取り付けられた枠側IC基板605Aは、シリアル−パラレル変換IC614,622,623、およびパラレルデータをシリアルデータに変換する入力IC620が搭載されており、シリアル−パラレル変換IC614から、打球供給皿(上皿)3に設けられた上皿ランプの各LED882a〜882fに制御信号が供給され、シリアル−パラレル変換IC622から、操作部81の押圧操作部811に設けられたLED(図16に示す8個の第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82h)に制御信号が供給され、シリアル−パラレル変換IC623から、操作部81の押圧操作部811に設けられたLED(図16に示す操作部中央ランプ82A、4個の第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l)に制御信号が供給される。また、操作部81の検出器81a〜81fからの検出信号が入力IC620にパラレルに入力される。
また、遊技枠11の下部であって余剰球受皿(下皿)4の背面側の位置に取り付けられた枠側IC基板605Bは、シリアル−パラレル変換IC615が搭載されており、シリアル−パラレル変換IC615から、余剰球受皿(下皿)4に設けられた下皿ランプの各LED884a〜884fに制御信号が供給される。
なお、図18に示すように、この実施の形態では、各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bうち遊技枠11の上部に取り付けられた枠側IC基板602は、2つのシリアル−パラレル変換ICを搭載した集合基板として構成されている。そのように構成することによって、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、図18に示すように、遊技枠11側には中継基板607が取り付けられており、中継基板607からの配線は、枠側IC基板604に接続され、枠側IC基板604から枠側IC基板602に接続され、さらに枠側IC基板602から枠側IC基板603に接続される。また、中継基板607からの配線は、枠側基板605Aに接続される。また、中継基板607からの配線は、枠側基板605Bに接続される。また、各枠側IC基板602〜604間の配線や、枠側IC基板604,605A,605Bと中継基板607との間の配線は、図18に示すように、各基板にコネクタ156a〜156jを用いて接続される。なお、図18では、基板に垂直方向に接続するタイプのコネクタを用いて配線接続を行う場合を示しているが、例えば、基板に対して水平方向に接続するタイプのコネクタを用いて配線接続を行うようにしてもよい。
図18に示すように、中継基板607のコネクタ156aからの配線は、枠側IC基板604のコネクタ156bに接続される。枠側IC基板604の配線パターンは、コネクタ156bからさらに分岐され、一方がシリアル−パラレル変換IC613に接続され、他の一方がコネクタ156cに接続されるようになっている。また、枠側IC基板604において、コネクタ156cは、枠側IC基板602側の端部に配置されている。枠側IC基板604のコネクタ156cからの配線は、枠側IC基板602のコネクタ156dに接続される。枠側IC基板602の配線パターンは、コネクタ156dからさらに3つに分岐され、シリアル−パラレル変換IC610、シリアル−パラレル変換IC611およびコネクタ156eに接続されるようになっている。また、枠側IC基板602において、コネクタ156eは、枠側IC基板603側の端部に配置されている。枠側IC基板602のコネクタ156eからの配線は、枠側IC基板603のコネクタ156fに接続される。枠側IC基板603の配線パターンは、シリアル−パラレル変換IC612に接続されるようになっている。
また、中継基板607のコネクタ156gからの配線は、枠側IC基板605Aのコネクタ156hに接続される。枠側IC基板605Aの配線パターンは、コネクタ156hからさらに分岐され、一方がシリアル−パラレル変換IC614に接続され、他の一方が入力IC620に接続されるようになっている。
また、中継基板607のコネクタ156iからの配線は、枠側IC基板605Bのコネクタ156jに接続される。枠側IC基板605Bの配線パターンは、シリアル−パラレル変換IC615に接続されるようになっている。
なお、図18には示していないが、遊技枠11の開放を検出するためのドア開放センサも取り付けられている。
図19は、遊技盤6の裏面を示す説明図である。図19に示すように、遊技盤6の裏面には、ICなどを搭載するための基盤(盤側IC基板)601が取り付けられている。盤側IC基板601には、シリアルデータをパラレルデータに変換する4つのシリアル−パラレル変換IC616〜619が搭載されており、シリアル−パラレル変換IC616から、各可動部材151,152を駆動するためのモータ151a,152aに制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC617から、センター飾り用ランプの各LED125a〜125fに制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC618から、ステージランプの各LED126a〜126fに制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC619から、アタッカ等の周辺の各LED127a〜127c(図19において省略)に制御信号が供給される。
なお、図19に示すように、この実施の形態では、盤側IC基板601は、3つのシリアル−パラレル変換ICを搭載した集合基板として構成されている。そのように構成することによって、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、盤側IC基板601は、パラレルデータをシリアルデータに変換する入力IC621が搭載されており、各可動部材151,152の位置を検出するための位置センサ151b,152bからの検出信号が入力IC621にパラレルに入力される。
また、図19に示すように、遊技盤6側には中継基板606が取り付けられており、遊技枠11側には中継基板607が設けられている。演出制御手段からの配線は、まず中継基板606に接続され、さらに中継基板607に接続される。そして、中継基板606からの配線は、盤側IC基板601に接続される。また、盤側IC基板601と中継基板606との間の配線や、中継基板606,607間の配線、中継基板606と演出制御手段との間の配線は、図19に示すように、各基板にコネクタ157a〜157eを用いて接続される。なお、コネクタ157a〜157eの接続方法は、図18に示すコネクタ156a〜156hの接続方法と同様である。
また、各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615と、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619とを中継する中継基板を設けるようにしてもよい。この場合、中継基板は、遊技枠11側と遊技盤6側とのいずれに配置されていてもよい。
また、演出制御基板80と各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615とを中継する中継基板を設けるようにしてもよい。この場合、中継基板は、遊技枠11側と遊技盤6側とのいずれに配置されていてもよい。
プラ枠の上皿には遊技球を払い出す穴の上側に開口が形成され、開口に中継基板607が設けられる。中継基板607は表裏のコネクタを介して中継する基板であり、プラ枠表側にコネクタ157aが配置され裏側にコネクタ156a,156g,156iが配置されている。また、中継基板607は、遊技盤6が取り付けられる開口の端部に配置される。また、図18に示すように、中継基板607は、遊技盤6が取り付けられる開口の端部の形状に沿うような形状に形成されている。なお、中継基板607は、表側に配置されるコネクタ157aと裏側に配置されるコネクタ156a,156g,156iとの位置が重ならないようにずれた状態とされている。
遊技盤6の裏側には中継基板606が設けられる。中継基板606は、図19に示すように、遊技盤6の端部に、プラ枠の中継基板607の近傍に位置するように設けられる。中継基板606はコネクタを介して中継する基板であり、コネクタ157b〜157dが配置されている。また、コネクタ157bは、遊技盤6が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100に接続されている。
次に、主基板(遊技制御基板)31や演出制御基板80等の回路構成について説明する。
図20は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図20には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56、I/Oポート部57、およびパラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアル出力回路を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が接続されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数値を抽出するための条件が成立すると、乱数回路503から乱数値を読み出す。乱数回路503は、所定周波数のクロック信号を計数するカウンタであり、カウンタのカウント値が乱数値になる。乱数回路503に供給されている所定周波数のクロック信号は、監視回路(ウォッチドッグタイマ(WDT))504のクリア端子に入力されている。監視回路は、クリア端子に入力されるクロック信号の周波数よりも高い周波数のクロック信号を計数するカウンタであるが、クリア端子に入力されるクロック信号が例えばハイレベルになるとカウント値がリセットされる。よって、クリア端子に入力されるクロック信号が何らかの理由で停止した場合には、監視回路504はカウントアップする。監視回路504がカウントアップしたということは、乱数回路503にクロック信号が供給されていないことを示す。監視回路504は、カウントアップすると、乱数回路503が正常に動作していないことを示す乱数エラー信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタなどによって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドをパラレル信号形式で送信する出力回路を備えるようにし、CPU56が出力する演出制御コマンドをパラレル信号形式で演出制御基板80に送信してもよい。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、情報端子盤(枠盤兼用外部端子基板)36を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。情報端子盤36は、遊技機の裏面に設置されている。情報端子盤36には、払出制御基板37からの情報出力信号も入力される。
また、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアル信号方式(シリアル通信方式:データを一つの信号線で送出する方式)で受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられているセンター飾り用ランプ125a〜125f、ステージランプ126a〜126f、およびアタッカの周辺等に設けられたランプ127a〜127cの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ281a〜281l、左枠ランプ282a〜282f、右枠ランプ283a〜283f、上皿ランプ882a〜882f、操作部81における押圧操作部ランプ82a〜82h、操作部中央ランプ82A、回転操作部ランプ82i〜82l、および下皿ランプ884a〜884fの表示制御を行う。また、演出制御手段が、スピーカ27からの音出力の制御を行う。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、演出制御手段が出力する各ランプ125a〜125f,126a〜126f,127a〜127c,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,82a〜82l,82A,884a〜884fを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路353が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路354が搭載されている。したがって、演出制御手段は、シリアル出力回路353を介して制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各ランプ125a〜125f,126a〜126f,127a〜127c,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82f,83,84a〜84fの表示制御(具体的には、発光制御すなわち点灯制御(点滅制御))を行う。
また、遊技盤側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板601が設けられている。盤側IC基板601は、中継基板606を介して演出制御基板80と接続される。また、遊技枠11側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bが設けられている。各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bは、中継基板606,607を介して演出制御基板80と接続される。
なお、図20に示すように、演出制御基板80、中継基板606および中継基板607は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。
図21は、中継基板77、演出制御基板80および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図21に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80と音声出力基板70とを設けた場合を示している。音声出力基板70には、マイクロコンピュータが搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、演出制御基板80および音声出力基板70とは別にランプドライバ基板を設けてもよい。この場合も、ランプドライバ基板にマイクロコンピュータを搭載する場合でも搭載しない場合でもよい。また、演出制御基板80のみ設けるようにしてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、RAM(図示せず)、シリアル出力回路353、シリアル入力回路354、クロック信号出力部356および入力取込信号出力部357を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路102は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に可変表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して可変表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、可変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図21には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU101は、シリアル出力回路353を介してランプを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したランプのLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板606に出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート108を介して、音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部356は、クロック信号を中継基板606に出力する。クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602,603,604,604A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615や入力IC620に供給される。また、クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606を介して盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619や入力IC621に供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC610〜619および各入力IC620,621に共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部357は、演出制御用CPU101の指示に従って、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601または枠側IC基板602,603,604,604A,605Bに入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板605Aに搭載された入力IC620は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81d、第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。また、盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、各位置センサ151b,152bの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。
音声出力基板70では、音声合成用IC173は、入力ドライバ172を介して音番号データを入力すると、音声データROM174を参照して音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図22は、演出制御基板80、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605A,605Bの構成例を示すブロック図である。演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板606に出力する。また、入力IC620,621に入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板606に出力する。
中継基板606は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619に供給する。そして、各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,127a〜127cや、各可動部材のモータ151a,152aに供給する。
また、中継基板607は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板606と接続されており、各シリアル−パラレル変換IC616〜619に接続されるシリアルデータ線300およびクロック信号線301は、盤側IC基板601上でバス形式に接続されている。なお、バス型に接続とは、1つの配線ルートに複数のシリアル−パラレル変換ICまたは中継基板が接続されていることである。
また、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図22に示すように、IC616のIDは06であり、IC617のIDは07であり、IC618のIDは08であり、IC619のIDは09である。
また、盤側IC基板601には、遊技盤6上に設けられた各可動部材の位置センサの検出信号を入力する入力IC621が搭載されている。この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された入力IC621と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606を介して入力信号線302、クロック信号線301および入力取込信号線303が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606を介して入力IC621に出力する。すると、入力IC621は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて各位置センサの検出信号をラッチし、中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC621は、各位置センサからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。なお、この実施の形態では、図22に示すように、入力IC621の固有のIDは11である。
中継基板607に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、図22に示すように、各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載された各シリアル−パラレル変換IC610〜615に供給される。そして、各シリアル−パラレル変換IC610〜615は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技枠11に設けられた各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884f,82a〜82h,82A,82i〜82lに供給する。
また、各シリアル−パラレル変換IC610〜613に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板602〜604上でバス形式に接続されている。この実施の形態では、図22に示すように、まず、枠側IC基板604のシリアル−パラレル変換IC613に入力され、シリアル−パラレル変換IC613から枠側IC基板602のシリアル−パラレル変換IC610およびシリアル−パラレル変換IC611の順に入力され、さらにシリアル−パラレル変換IC611から枠側IC基板603のシリアル−パラレル変換IC612に入力される。また、シリアル−パラレル変換IC614,620,622,623に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、枠側IC基板605A上でバス形式に接続されている。また、シリアル−パラレル変換IC615に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板607から直接接続されている。
また、各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載された各シリアル−パラレル変換IC610〜615,622,623にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図22に示すように、IC610のIDは00であり、IC611のIDは01であり、IC612のIDは02であり、IC613のIDは03であり、IC614のIDは04であり、IC615のIDは05であり、IC622は12であり、IC623は13である。
また、枠側IC基板605Aには、遊技枠11に設けられた操作部81の検出器81a〜81fからの検出信号を入力する入力IC620が搭載されている。この実施の形態では、枠側IC基板605Aに搭載された入力IC620と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606,607を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606,607を介して入力IC620に出力する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力IC621に入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力IC620に出力する。すると、入力IC620は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて操作部81の検出器81a〜81fからの検出信号をラッチし、中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC620は、操作部81の検出器81a〜81fからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。なお、この実施の形態では、図22に示すように、入力IC620の固有のIDは10である。
盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615,622,623とは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板606,607がバス型に接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換IC610〜618がバス型またはデイジーチェーン型に接続されていることである。なお、この実施の形態では、図22に示すように、各シリアル−パラレル変換IC610〜618はバス型に接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619と、各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載された各シリアル−パラレルIC610〜615,622,623とが、中継基板606,607を介してコネクタ156a〜156j,157a〜157eを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行うだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行うことができ、遊技枠11遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615,622,623および入力IC620,621に、演出制御用マイクロコンピュータ100から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623へのクロック信号の配線と入力IC620,621へのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御手段と盤側IC601基板との間の通信、および演出制御手段と枠側IC基板602,603,604,605A,605Bとの間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615,622,623、および入力IC620,621とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623には、あらかじめアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力する。各シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623は、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各ランプのLEDに供給する(すなわち、出力する)。アドレスが合致していなければ各ランプのLEDへの供給は行わない。
なお、図22に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤側IC基板601および枠側IC基板602,603,604,605A,605Bと双方向通信を行う(具体的には、シリアルデータを各シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623に送信し、入力信号を入力IC620,621から入力する)ものであるので、データ入力端子とデータ出力端子とを備えており、1チャネルでデータ入力とデータ出力とを行うことができる。この実施の形態では、図22に示すように、1つのチャネルのデータ入力端子とデータ出力端子とを、それぞれ異なる出力対象機器(本例では、シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623)と入力対象機器(本例では、入力IC620,621)に接続している。そのように構成することによって、本来、出力対象機器と入力対象機器とが別の機器である場合にはそれぞれ別のチャネルを用いて通信を行うべきところを、1つのチャネルのみを用いて双方向通信を可能としており、演出制御用マイクロコンピュータ100と盤側IC基板601および枠側IC基板602,603,604,605A,605Bとの間のチャネル数を低減している。
この実施の形態において、チャネルとは、データ線(出力データ線)、クロック信号線、入力信号線(入力データ線)、および入力取込信号線(入力データの読出要求の信号線)用の端子をセットにしたものである。なお、1つのチャネルにアース線や電源専用の端子を含んでもよい。また、この実施の形態では、1チャネルを用いてデータ入力とデータ出力の両方を行う場合を示すが、データ線(出力データ線)およびクロック信号線用の端子のみをセットにした出力専用のチャネルを用いてもよい。また、入力信号線(入力データ線)および入力取込信号線(入力データの読出要求の信号線)用の端子のみをセットにした入力専用のチャネルを用いてもよい。
図23〜図25は、各シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623に付与されるアドレスの例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめROMに設けられた所定のアドレス記憶領域に、図23〜図25に示す各シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623のアドレスを記憶している。
この実施の形態では、図23〜図25に示すように、各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615,622,623において、IC610にはアドレス00が付与され、IC611にはアドレス01が付与され、IC612にはアドレス02が付与され、IC613にはアドレス03が付与され、IC614にはアドレス04が付与され、IC615にはアドレス05が付与され、IC622にはアドレス12が付与され、IC623にはアドレス13が付与されている。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619において、IC616にはアドレス06が付与され、IC617にはアドレス07が付与され、IC618にはアドレス08が付与され、IC619にはアドレス09が付与されている。
なお、各シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623に、アドレスとしてICの固有のIDと同じものを付与してもよく、ICの固有のIDとは異なる数字や文字、記号を含むアドレスを付与してもよい。
また、図23〜図25に示すように、アドレスが00であるシリアル−パラレル変換IC610は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプのLED(本例では天枠ランプ281a〜281lのうちのLED6個(281a〜281f))に供給する。また、アドレスが01であるシリアル−パラレル変換IC611は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプのLED(本例では天枠ランプ281a〜281lの他のLED6個(281g〜281l))に供給する。また、アドレスが02であるシリアル−パラレル変換IC612は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の右枠ランプのLED(本例ではLED6個(283a〜283f))に供給する。また、アドレスが03であるシリアル−パラレル変換IC613は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の左枠ランプのLED(本例ではLED6個(282a〜282f))に供給する。
また、アドレスが04であるシリアル−パラレル変換IC614は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の打球供給皿3に設けられた上皿ランプ(本例ではLED6個(882a〜882f))に供給する。なお、図23に示すように、打球供給皿3には上皿ランプとして、正面、左側面および右側面にそれぞれ2個ずつのLEDが設けられている。また、アドレスが12であるシリアル−パラレル変換IC622は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、操作部81の押圧操作部811に設けられた第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82h(本例ではLED8個)に供給する。また、アドレスが13であるシリアル−パラレル変換IC623は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、操作部81の押圧操作部811に設けられた操作部中央ランプ82Aの赤色発光用の入力端子および青色発光用の入力端子と、操作部81の回転操作部812に設けられた第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l(本例ではLED4個)とに供給する。
また、アドレスが05であるシリアル−パラレル変換IC615は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の余剰球受皿4に設けられた下皿ランプ(本例ではLED6個(884a〜884f))に供給する。
また、アドレスが06であるシリアル−パラレル変換IC616は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6に設けられた各可動部材(本例では、梁およびトロッコの形状を模した役物)を駆動するためのモータ(本例ではモータ3個(151a,152a)のそれぞれ正方向と逆方向)に供給する。また、アドレスが07であるシリアル−パラレル変換IC617は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6中央に設けられた装飾用構造物(センター飾り)の各ランプ(本例ではLED6個(125a〜125f))に供給する。また、アドレスが08であるシリアル−パラレル変換IC618は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、可変表示装置9の周囲に設けられた各ステージランプ(本例ではLED6個(126a〜126f))に供給する。また、アドレスが09であるシリアル−パラレル変換IC619は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、可動部材(本例では可変入賞球装置15、アタッカ)周辺に設けられたランプのLED(本例ではLED3個(127a〜127c))に供給する。
また、この実施の形態では、各入力IC620,621にも、あらかじめアドレスが付与されている。図26は、各入力IC620,621に付与されるアドレスの例を示す説明図である。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめROMに設けられた所定のアドレス記憶領域に、各入力IC620,621のアドレスを記憶している。この実施の形態では、図26に示すように、枠側IC基板605に搭載された入力IC620にはアドレス10が付与され、盤側IC基板601に搭載された入力IC621にはアドレス11が付与されている。
なお、各入力IC620,621に、アドレスとしてICの固有のIDと同じものを付与してもよく、ICの固有のIDとは異なる数字や文字、記号を含むアドレスを付与してもよい。
また、図26に示すように、アドレスが10である入力IC620は、遊技枠11に設けられた第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dの検出信号の検出信号や、遊技枠11に設けられた第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fの検出信号をパラレルで入力し、シリアルデータに変換して出力する。また、アドレスが11である入力IC621は、遊技盤6の各可動部材に設けられた位置センサ151b,152b(本例では2)の検出信号をパラレルで入力し、シリアルデータに変換して出力する。
図27は、各シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623の構成を示すブロック図である。図27に示すように、シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623は、データラッチ部651、シフトレジスタ652、ヘッダ/アドレス検出部653、データバッファ655およびシンクドライバ656を含む。
データラッチ部651は、例えばラッチ回路によって構成され、シリアルデータが入力されると、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで入力データを1ビット毎にラッチし、シフトレジスタ652に出力する。シフトレジスタ652は、データラッチ部651から1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、シフトレジスタ652は、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、格納データを1ビットずつシフトする。そのように繰り返し格納データを1ビットずつシフトしていくことによって、最終的にシフトレジスタ652にシリアルデータとして(すなわち、シリアル方式で)入力したデータが格納されることになる。
図28は、演出制御用マイクロコンピュータ100から出力されるシリアルデータのフォーマットの例を示す説明図である。図28(A)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプのLEDを個別に点灯または消灯させるためのランプ点灯データとして出力されるシリアルデータのデータフォーマットである。また、図28(B)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプのLEDをリセットして全て消灯させるためのリセットコマンドとして出力されるシリアルデータのフォーマットである。
図28(A)に示すように、ランプ点灯データは、28ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのアドレス、8ビットのデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表すものであり、本例では1FF(h)である。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(本例では論理値0)であり、ヘッダデータとアドレスとの間、およびアドレスとデータとの間にそれぞれ挿入される。アドレスは、データ出力先のシリアル−パラレル変換ICのアドレスである。なお、アドレスとして、各シリアル−パラレル変換IC610〜619,622,623の固有の通し番号であるIDを用いてもよい。
データ(8ビット)は、各ランプのLEDの点灯状態を制御するためのものであり、例えば、点灯対象のランプのLEDに対応するビットとして論理値1を含み、非点灯対象のランプのLEDに対応するビットとして論理値0を含む。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、本例では論理値0である。
図28(B)に示すように、リセットコマンドは、19ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのリセットデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表すものであり、本例では1FF(h)である。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(本例では論理値0)であり、ヘッダデータとリセットデータとの間に挿入される。リセットデータは、各ランプのLEDの点灯状態をリセットして全て消灯させるためのものであり、例えば、全て論路値1を含むデータである。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、本例では論理値0である。
この実施の形態では、図28(A)に示すランプ点灯データまたは図28(B)に示すリセットコマンドが入力され、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、ビット単位で繰り返しシフトされてシフトレジスタ652に格納されることになる。
ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652の格納データからヘッダおよびアドレスを検出する。まず、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からのデータを常時検出し、検出したデータの内容がヘッダデータに相当する1FF(h)と一致するか否かを確認する。ヘッダデータ(1FF(h))と一致すれば、そのヘッダデータと一致した箇所をデータの先頭と判断し、シフトレジスタ652に1セットのランプ点灯データまたはリセットコマンドが格納されたと判断する。次いで、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からアドレスに相当する先頭から11ビット目〜18ビット目のデータを検出し、そのシリアル−パラレル変換ICにあらかじめ付与されたアドレスと一致するか否かを確認する。盤側IC基板601および各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bには、例えば、それぞれ搭載するシリアル−パラレル変換ICのアドレスを格納したアドレス格納レジスタ654が設けられており、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652から検出したアドレスが、あらかじめアドレス格納レジスタ654に格納するアドレスと一致するか否かを確認すればよい。アドレスが一致すれば、ヘッダ/アドレス検出653は、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータを入力したと判定し、入力取込信号(ラッチ信号)をデータバッファ655に出力する。アドレスが一致しなければ、ヘッダ/アドレス検出653は、入力取込信号をデータバッファ655に出力しない。すなわち、この場合、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータではないので、シフトレジスタ652に格納したデータをデータバッファ655に出力することなく、そのまま破棄することになる。
なお、図27では、盤側IC基板601および各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bにあらかじめアドレス格納レジスタ654が設けられている場合を示しているが、アドレス格納レジスタ654に代えて、シリアル−パラレル変換ICに設けられているアドレス端子(8端子(8ビットのアドレスの各ビットにそれぞれ対応する))を介して、外部のハードウェア回路(例えば、演出制御基板80が搭載する回路)からアドレスを入力するようにしてもよい。そして、外部のハードウェア回路側から、各アドレス端子の入力をhighまたはlowに制御することによって、シリアル−パラレル変換ICにアドレスを入力してもよい。この場合、例えば、外部のハードウェア回路は、アドレスのいずれかのビットに対応する端子に電圧をかけることによってその端子に対する入力をhighとし、またはグランドにスイッチングすることによってその端子に対する入力をLowとするように制御する。
データバッファ655は、例えば、ラッチレジスタによって構成され、ヘッダ/アドレス検出部653から入力取込信号を入力すると、シフトレジスタ652からデータ部分に相当する先頭から20ビット目〜27ビット目のデータを取り込んでラッチする。そして、データバッファ655は、取り込んだデータをパラレルデータ(Q0〜Q7)として各ランプのLEDに供給(すなわち、出力)することになる。
なお、シフトレジスタ652が格納したデータがリセットコマンドであった場合には、先頭から11ビット目〜18ビット目が全て論理値1のデータを格納することになる。この場合、データバッファ655は全ての論理値が1であるデータを取り込んだ場合にはリセットコマンドを入力したと判断し、全てのランプのLEDがリセットされ消灯されることになる。
シンクドライバ656は、所定の論理反転設定信号にもとづいて、データバッファ655が出力するパラレルデータの論理値を反転して出力したり、そのまま出力したりする。例えば、所定の論理反転設定信号がHighである場合には、データバッファ655が出力するパラレルデータのビット値が1である(すなわち、ランプ点灯データの対応するビット値が1)ときにオンとなり、各ランプのLEDにオン信号を出力する。この実施の形態では、あらかじめ論理反転設定信号の設定値が盤側IC基板601や各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに設けられたレジスタなどに設定されており、あらかじめ設定された設定値に従って各ランプのLEDにオン信号が出力され、各ランプのLEDが点灯するものとする。
図29は、シリアル−パラレル変換ICへのシリアルデータおよびクロック信号の入力タイミングと、パラレルデータの出力タイミングとの例を示すタイミング図である。なお、図29では、シリアルデータ方式としてランプ点灯データを入力する場合を説明する。図29に示すように、シリアルデータは、ヘッダデータ、マークビット、アドレス、マークビット、データ、エンドビットの順に、シリアル−パラレル変換ICのシフトレジスタ652に1ビット単位で入力される。そして、この一連のデータを1セットとする。1セットのシリアルデータ(本例ではランプ点灯データ)が全て入力され終わるまで、ヘッダ/アドレス検出部653ではヘッダデータが検出されないので、データバッファ655の出力は変化しない。そのため、シリアル−パラレル変換ICからは、前回受信したシリアルデータにもとづく点灯パターンがそのままパラレルデータ方式として出力されている。
1セットのシリアルデータが全て入力され終わると、シフトレジスタ652の格納データからデータ部分がデータバッファ655にラッチされ、新たに受信したシリアルデータにもとづく点灯パターンがパラレルデータ方式として出力される。なお、この実施の形態では、図29に示すように、シリアル−パラレル変換ICが出力するパラレルデータのうち、Q0,Q4は、シリアルデータ入力完了後の次のクロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、直ちに新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q1,Q5は、Q0,Q4より1クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q2,Q6は、Q0,Q4より2クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。さらに、Q3,Q7は、Q0,Q4より3クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。
図30は、各入力IC620,621の構成を示すブロック図である。図30に示すように、この実施の形態では、各入力IC620,621は、複数(本例では8個)のDフリップフロップ661〜668によって構成される。この実施の形態では、操作ボタン81a〜81eまたは各位置センサ151b,152bからの検出信号が各入力IC620,621にパラレルに入力され、検出信号ごとにいずれかのDフリップフロップ661〜668に入力される。また、各Dフリップフロップ661〜668にはクロック信号が入力され、各Dフリップフロップ661〜668は、クロックの立ち上がりで順次シフト動作を行う。そして、パラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力することになる。
各Dフリップフロップ661〜668には、演出制御用マイクロコンピュータ100から所定のタイミングで入力取込信号(ラッチ信号)が入力される。入力取込信号が入力されると、操作ボタン81a〜81eまたは各位置センサ151b,152bから検出信号が、各Dフリップフロップ661〜668にラッチされる。そして、ラッチされた検出信号は、クロックの立ち上がりで順次シフトされ、シリアルデータ方式として出力される。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100において、回転操作部812の回転方向および回転量(回転角度)を第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fの検出信号に基づいて検出する処理について説明する。
図31は、回転操作部812の回転操作時における第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fのそれぞれの検出信号を示すタイミングチャートである。図31においては、(a)に回転操作部812の右回転時におけるタイミングチャートが示されており、(b)に回転操作部812の左回転時におけるタイミングチャートが示されている。図中において「L」はLレベルを示し、「H」はHレベルを示している。また、図中において点線で示すタイミングは、第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fのそれぞれの検出信号において、前述のクリック位置となったタイミングを示している。
(a)に示すように、右回転時には、第1回転検出器81eの信号レベルおよび第2回転検出器81fの信号レベルは、「L,L」→「H,L」→「H,H」→「L,H」→「L,L」(「第1回転検出器81eの信号レベル,第2回転検出器81fの信号レベル」)というように、4回信号パターンが変化する。また、(b)に示すように、左回転時には、第1回転検出器81eの信号レベルおよび第2回転検出器81fの信号レベルは、「L,H」→「H,H」→「H,L」→「L,L」→「L,H」(「第1回転検出器81eの信号レベル,第2回転検出器81fの信号レベル」)というように、4回信号パターンが変化する。このように、右回転時と、左回転時とでは、第1回転検出器81eの信号レベルおよび第2回転検出器81fの信号レベルの変化のパターンが異なる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、これらの検出信号がどのようなパターンで変化するかを判断する処理を行なうことにより、回転操作部812が左右のどちらの方向に回転操作されたかを判定する。
また、(a)に示すように、右回転時には、回転操作部812の回転操作にしたがってクリック位置が変化するときに、カバープレート815における突起部8150の突起8151がダイヤルベース816に連続的に形成された凹凸部において各クリック位置間の中間点にある各凸部の頂点を通過するときに、「H,H」→「L,H」という第1の変化パターンと、「L,L」→「H,L」という第2の変化パターンとの2種類の変化パターンのいずれかが生じる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右回転時にはこれら2種類の変化パターンが生じたときに、1クリック位置分だけ右方向に回転操作されたと判定する処理を行なう。このような判定を行なう理由は、前述のように、凹部間の凸部の頂点を突起8151が通過すると、逆方向へ回転操作しない限りその突起8151が次の凹部の底部へ誘導されるので、凹部間の凸部の頂点を突起8151が通過した時点で、1クリック分操作の回転操作が行なわれたものと判断することができるからである。ここで、クリック位置は、例えば、24箇所設けられており、1クリック位置分の回転操作は、回転中心回りの回転角度として15度分だけ回転操作したことになる。
一方、(b)に示すように、左回転時には、回転操作部812の回転操作にしたがってクリック位置が変化するときに、カバープレート815の突起8151がダイヤルベース816に連続的に形成された凹凸部において各クリック位置間の中間点にある各凸部の頂点を通過するときに、「H,H」→「L,H」という第1の変化パターンと、「L,L」→「H,L」という第2の変化パターンとのいずれかが生じる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左回転時にはこれら2種類の変化パターンが生じたときに、1クリック位置分だけ左方向に回転操作されたと判定する処理を行なう。このような判定を行なう理由は、右回転時の判定理由と同様の理由である。
なお、カバープレート815の突起8151がダイヤルベース816における各凹部の底部に入ったときの信号レベルの変化に基づいて、1クリック位置分だけ回転操作(左右の回転操作で同様)されたと判定するようにしてもよい。例えば、図31(a)の右回転時には、「H,L」→「L,L」という第1の変化パターンと、「H,L」→「H,H」という第2の変化パターンとの2種類の変化パターンのいずれかが生じるので、このような信号レベルの変化があったときに、1クリック位置分だけ右方向に回転操作されたと判定する。また、図31(b)の左回転時には、「L,L」→「L,H」という第1の変化パターンと、「H,H」→「H,L」という第2の変化パターンとの2種類の変化パターンのいずれかが生じるので、このような信号レベルの変化があったときに、1クリック位置分だけ左方向に回転操作されたと判定する。
図32は、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fのそれぞれの検出信号に基づいて回転方向および回転量を判定するために用いられる回転判定テーブルを表形式で示す図である。回転判定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されており、回転方向および回転量を判定するために読出されて用いられる。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、所定周期で第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fのそれぞれの検出信号のレベルを確認し、その確認をしたときにおいて、確認後に、今回確認した検出信号のレベルを示す今回判定データを前回判定データとしてRAMに記憶する。そして、新たに検出信号のレベルを確認するごとに、前回判定データを更新していく処理が行なわれる。このように前回判定データを記憶しておくと、前回判定データと今回判定データとの関係に基づいて、前述したような回転方向の判定および回転量の判定を行なうことができる。例えば、図32に示すように、前回判定データが「H,H」で今回判定データが「L,H」という変化パターンであるときには、回転方向が右回転で回転量が15度であると判定される。同様に、前回判定データが「L,L」で今回判定データが「H,L」という変化パターンであるときには、回転方向が右回転で回転量が15度であると判定される。また、前回判定データが「H,L」で今回判定データが「L,L」という変化パターンであるときには、回転方向が左回転で回転量が15度であると判定される。同様に、前回判定データが「L,H」で今回判定データが「H,H」という変化パターンであるときには、回転方向が左回転で回転量が15度であると判定される。
その他、前回判定データが「H,L」で今回判定データが「L,L」という変化パターン、前回判定データが「H,L」で今回判定データが「H,H」という変化パターン、前回判定データが「L,L」で今回判定データが「L,H」という変化パターン、および、前回判定データが「H,H」で今回判定データが「H,L」という変化パターンのそれぞれについては、前述したように、カバープレート815の突起8151がダイヤルベース816における各凹部の底部に入ったときの信号レベルの変化であるので、この実施の形態では、前述のような理由により、1クリック位置分だけの回転量、すなわち、回転量が15度であると判定しない。
次に、操作部81の操作が要求される時期と、操作部81の操作に応じて演出表示装置において行なわれる表示動作とについて説明する。図33は、演出モードが選択可能なときに可変表示装置9に表示される画像を示す表示画面図である。
このパチンコ遊技機1においては、可変表示装置9において行なわれる演出のうち、飾り図柄の背景画像を表示する演出モードを、予め定められた複数の演出モードから選択可能である。演出モードは、例えば、演出モードA(例えば山の演出モード)、演出モードB(例えば夜空の演出モード)、および、演出モードC(例えば海の演出モード)という3種類の演出モードが設けられている。パチンコ遊技機1の起動後(電源投入後)の初期状態において、演出モードは、例えば演出モードAのような3種類の演出モードのうち予め定められた1つの演出モードに選択されており、その後、以下に示すように、操作部81の操作に応じて、遊技者が希望する演出モードに選択する(選択を変更する)ことが可能となる。
図33において、(a)では、左,中,右の飾り図柄901,902,903が停止表示されており、その背景画像として演出モードAの背景画像が表示されている状態が示されている。そして、可変表示装置9において飾り図柄の変動表示が行なわれていないときにおいて、押圧操作部811により方向選択操作および決定操作のうちのいずれかの操作が行なわれたという条件が成立すると、(b)のように、演出モードの選択を受付ける旨を示す画像である演出モード選択受付画像が表示される。演出モード選択受付画像においては、演出モードの選択にあたり、どのように操作部81を操作するかを説明する操作案内表示が行なわれる。例えば、(b)では、回転操作部812を回転操作して演出モードの項目を選択し、押圧操作部811の中央部を押圧操作して演出モードを決定する旨を説明する表示が行なわれている。また、演出モード選択受付画像においては、飾り図柄901,902,903が表示画面における右下の領域で縮小表示されている。
演出モード選択受付画像が所定期間表示された後、(c)のように、選択可能な演出モードA〜演出モードCの3つの演出モードを示す画像が表示される。また、この場合、操作案内表示が可変表示装置9に表示されるとともに、操作部81において、操作部中央ランプ82Aが青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列が点灯表示され、遊技者に対して回転操作部812の操作を促す表示がなされる。このような画像表示や操作部表示がされているときに、回転操作部812を回転操作すると、その回転操作に応じて選択する演出モードの項目を変更することができる。例えば、(c)のように選択可能な演出モードはそれぞれの演出モードに対応するアイコン画像904〜906で表示され、現在選択されている演出モードに対応するアイコン画像((c)の場合は904、(d)の場合は905)が、特定の色(以下、選択色という)で表示されることにより、選択されていない演出モードに対応するアイコン画像との関係で識別可能となるように表示される。これにより、選択されている演出モードが特定される。このように、選択されている演出モードを特定する画像を演出モード選択画像という。このように回転操作部812が回転操作されると、(d)のように、その回転操作に応じて、選択色となるアイコン画像が順次変化し、選択する演出モードの項目を変更することができる。(c)の表示が行なわれる初期の段階では、現在選択されているアイコン画像が選択色とされ、その後、回転操作に応じて、選択色とされるアイコン画像が変更される。
回転操作部812により左回転の回転操作が行なわれるときは、演出モードA→演出モードB→演出モードC→演出モードA・・・の順で回転操作にしたがって演出モードを選択する表示が行なわれる。また、右回転の回転操作が行なわれるときは、演出モードA→演出モードC→演出モードB→演出モードA・・・の順で回転操作にしたがって演出モードを選択する表示が行なわれる。また、回転操作部812による回転操作が行われると、操作部81において、操作部中央ランプ82Aが赤色に発光することによって押圧操作部811上に「押せ!!」などの文字列が点滅表示され、遊技者に対して押圧操作部811の操作を促す表示がなされる。
そして、押圧操作部811の中央部を押圧操作すると、その押圧操作に応じて、選択されている演出モードが、これから選択する演出モードとして決定され、(d)のように、選択されている演出モードが決定された旨を示すメッセージを表示する演出モード決定画像が表示される。その後、(e)のように、決定された演出モードに対応する、背景画像が表示される。また、演出モードが決定される前の段階で変動表示を開始する条件が成立したときには、演出モードが変更されずに、演出モード受付画像が表示される前に選択されていた演出モードが継続される。なお、演出モードが決定される前の段階で変動表示を開始する条件が成立したときには、そのときに演出モード選択画像で選択されている演出モードを新たな演出モードとして選択することを決定するようにしてもよい。
このような演出モードの選択が可能となる条件は、可変表示装置9において飾り図柄の変動表示が行なわれていないときにおいて、押圧操作部811により方向選択操作および決定操作のうちのいずれかの操作が行なわれたときに成立する。したがって、遊技者は、自らが好む時期に演出モードを変更する可能となることにより、演出モードを変更して気分を変えて遊技を継続することができるようになる。
このように、遊技者は、操作部81の操作に基づいて、複数種類の演出モードのうちから好みに応じて任意に演出モードを選択することが可能となるので、演出表示の自由度が増し、遊技の興趣を向上させることができる。
図34および図35のそれぞれは、チャンスリーチと呼ばれる特定種類のリーチとすることが決定されたときに、可変表示装置9に表示される画像を示す表示画面図である。図34には、リーチFの変動パターンでの変動表示が行なわれることによりリーチ表示態様においてスーパーリーチの演出表示が行なわれるときの画像が示され、図35にはリーチEの変動パターンでの変動表示が行なわれることによりリーチ表示態様においてスーパーリーチの演出表示が行なわれないときの画像が示されている。
このパチンコ遊技機1においては、可変表示装置9においてリーチ表示態様の演出表示(以下、リーチ演出表示という)が行なわれるときに、操作部81の操作に応じて演出表示が変化する動作表示が行なわれる。
図34および図35の(a)に示すように、中飾り図柄902が変動中において左飾り図柄901と右飾り図柄903とが同じ図柄で停止すると、リーチ状態となり、リーチ演出表示が行なわれる。前述のリーチEおよびリーチFのそれぞれにおいては、リーチ演出表示として、図34および図35の(b)のように、回転操作部812の回転操作を要求するリーチ時回転操作要求画像が表示される。リーチ時回転操作要求画像では、回転操作部812の回転操作に応じて所定の状況を示す画像が表示されればスーパーリーチとなる旨(「回転リングを操作してシュートしてください!シュートが決まればスーパーリーチ!」)を示すことにより、どのように操作部81を操作するかを説明する操作案内表示が行なわれる。また、この場合、操作部81において、操作部中央ランプ82Aが青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列が点灯表示され、遊技者に対して回転操作部812の操作を促す表示がなされる。
そして操作案内表示が所定期間行なわれた後、図34および図35の(c),(d)に示すようなエアホッケーのミニゲームを行なう画像が表示される。その画像が表示されているときに、回転操作部812を回転操作すると、その操作に応じて、図34および図35の(d)に示すように、パック907を打つ打撃道具としてのマレット908が動作する表示(例えば、回転操作部812の回転操作に応じてマレット908が所定の円周上で動作する表示)が行なわれ、その操作にしたがって、予め定められた時間(例えば15秒)内で遊技者側(マレット908のみが表示されている側)とパチンコ遊技機1側(キャラクタ909が表示されている側)とでエアホッケーゲームで対戦する形式のミニゲームが行なわれる。
ミニゲームにおいては、(c),(d)に示すように、ゲームの進行に応じて、対戦する両者の得点が表示される(図34の(c)および図35の(c),(d)においては遊技者側が0点でパチンコ遊技機1側が5点、図34の(d)においては遊技者側が1点でパチンコ遊技機1側が5点)とともに、ゲームの残り時間も表示される(図34の(c)および図35の(c)においては7秒、図34の(d)においては3秒、図35の(d)においては0秒)。このようなミニゲームにおいては、所定時間が経過するまでに遊技者側が得点をしたとき(例えば、図34の(d)のような1得点をしたとき)には、図34の(e)に示すようにスーパーリーチとなった旨が表示された後、(f)に示すように、押圧操作部811の押圧操作を要求するスーパーリーチ時押圧操作要求画像が表示される。リーチFでの変動パターンのときは、このようなミニゲームの状況およびスーパーリーチに関する表示が行なわれるように演出表示内容が予め定められており、図34の(e)のようなスーパーリーチの表示態様となったときに、スーパーリーチの演出表示をする条件が成立する。
一方、このようなミニゲームにおいては、所定時間が経過するまでに遊技者側が得点をしなかったとき(例えば、図35の(d)のようなとき)、または、所定時間が経過するまでにパチンコ遊技機1側が得点をしたとき(図示省略)に、図35の(e)に示すようにノーマルリーチとなった旨が表示された後、それ以降、ノーマルリーチとして与えられる演出表示が行なわれる。リーチEでの変動パターンのときは、このようなミニゲーム状況およびノーマルリーチに関する表示が行なわれるように、演出表示内容が予め定められている。
図34の(f)に示すようなスーパーリーチ時押圧操作要求画像では、押圧操作部811を押圧操作して所定の状況を示す画像を表示する旨(「ボタンを連打してパワーをためてください!」)を示すことにより、どのように操作部81の押圧操作部811を操作するかを説明する操作案内表示が行なわれる。また、この場合、操作部81において、操作部中央ランプ82Aが赤色に発光することによって押圧操作部811上に「押せ!!」などの文字列が点滅表示され、遊技者に対して押圧操作部811の操作を促す表示がなされる。
なお、スーパーリーチ時押圧操作要求画像を表示する場合に、回転操作部812を回転操作して所定の状況を示す画像を表示する旨(「ジョグダイヤルを回してパワーをためて下さい!」)を示すことにより、どのように操作部81の回転操作部812を操作するかを説明する操作案内表示を行うようにしてもよい。また、この場合、操作部81において、操作部中央ランプ82Aが青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列が点灯表示され、遊技者に対して回転操作部812の操作を促す表示がなされるようにしてもよい。
そして操作案内表示が所定期間行なわれた後、図34の(g)に示すように、押圧操作部811の押圧操作回数の増加に応じて、棒グラフ形式で表示されるパワーの値が増加する表示であるチャンス表示が行なわれる。その後、予め定められた期間が経過すると、図34の(h),(i)に示すように、貯まっているパワーに応じて、中飾り図柄の停止図柄を決める演出表示が行なわれる。そして、大当りとすることが決定されているときには、図34の(j)のように大当り表示結果が表示され、一方、はずれとすることが決定されているときには、はずれ表示結果が表示される。図34の(h),(i)に示すような、貯まっているパワーに応じて表示される中飾り図柄の停止図柄を決める演出表示の画像は、貯まっているパワーが多い程、大当り表示結果となることを連想させるような画像にすることが望ましい。
このように、遊技者は、操作部81の操作に基づいて、リーチ表示態様のような演出表示の進行に関与することが可能となるので、遊技の演出態様が多様化し、遊技の興趣を向上させることができる。
図36は、キャラクタ選択リーチと呼ばれる所定種類のリーチとすることが決定されたときに、可変表示装置9に表示される画像を示す表示画面図である。
(a)に示すように、リーチ状態となった後、リーチ演出表示として、(b)のように、所定時間(例えば10秒)内にキャラクタを選択するために押圧操作部811の方向選択操作を要求するリーチ時方向選択操作要求画像が表示される。リーチ時方向選択操作要求画像では、キャラクタの選択にあたり、どのように操作部81を操作するかを説明する操作案内表示が行なわれる。例えば、(b)では、所定時間内に押圧操作部811により方向選択操作をしてキャラクタの項目を選択する旨を説明する表示が行なわれている。また、リーチ時方向選択操作要求画像においては、飾り図柄901,902,903が表示画面における右上の領域で縮小表示されている。また、キャラクタを選択可能な時間の残り時間が表示画面における右下の領域で表示される。
リーチ時方向選択操作要求画像においては、選択可能なキャラクタA〜キャラクタDの4つのキャラクタを示す画像が表示される。また、この場合、操作部81において、第1押圧操作部ランプ81a〜第4押圧操作部ランプ81dを発光させ、遊技者に対して押圧操作部811による選択操作を促す表示がなされる。このような画像表示や操作部表示がされているときに、押圧操作部811により方向選択操作をすると、その方向選択操作に応じて、選択するキャラクタの項目を変更することができる。例えば、(b)のように選択可能なキャラクタはそれぞれのキャラクタに対応するアイコン画像910〜913で表示され、現在選択されているキャラクタに対応するアイコン画像((b)の場合は910、(c)の場合は913)が、特定の色(以下、選択色という)で表示されることにより、選択されていない演出モードに対応するアイコン画像との関係で識別可能となるように表示される。これにより、選択されているキャラクタが特定される。このように、選択されているキャラクタを特定する画像をキャラクタ選択画像という。
押圧操作部811により方向選択操作がされると、(c)のように、その方向選択操作に応じて、選択色となるアイコン画像が順次変化し、選択するキャラクタの項目を変更することができる。そして、所定の時間が経過すると、その経過時に選択されているキャラクタが、これから選択するキャラクタとして決定され、(c)のように、選択されているキャラクタが決定された旨を示すメッセージを表示するキャラクタ選択決定画像が表示される。その後、(d)のように、決定されたキャラクタCがリーチ演出表示において表示される。
このように、遊技者は、操作部81の操作に基づいて、複数種類のキャラクタのうちから好みに応じて任意にキャラクタを選択することが可能となるので、演出表示の自由度が増し、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、遊技機およびカードユニット50におけるアース配線接続について説明する。
図37は、アース基板、カードユニット側の基板および遊技機側の一部の基板についての配線状態を示す回路図である。また、図38は、アース基板内の構成を示すブロック図である。図37および図38に示すように、アース基板1000には、遊技機外部(例えば遊技機設置島)に接続され接地される1本の外部接続アースを接続するためのコネクタCN1と、遊技機本体に接続される1本のFGハーネスを接続するためのコネクタCN2と、遊技球等貸出装置接続端子板66(図20に示すインタフェース基板66と同じ基板である)に接続される2本のアース基板ハーネスを接続するためのコネクタCN3とが設けられている。そして、アース基板1000において、図38に示すように、コネクタCN1からの配線1001とコネクタCN2からの配線1002とが接続点で接続され、また、コネクタCN3からの2本の配線1003,1004が接続点で接続され、また、配線1001,1002の接続点と配線1003,1004の接続点とが配線1005で接続されている。
遊技機内では、遊技球が設置島から球タンク38、球タンク38から供給球誘導通路(タンクレール)160を通って球払出装置97、球払出装置97から誘導樋(図39に示す誘導樋430)を通って打球供給皿(上皿)350、打球供給皿350から打球レールを通って遊技領域に至る過程において、遊技球同士、および遊技球と遊技機内の遊技球との接触部位とが接触して静電気を発生し得る。また、カードユニット50内においても、静電気が発生し得る。さらに、カードユニット50内において、漏電が発生する可能性もある。このような場合、静電気や漏電が遊技機内の制御部(マイクロコンピュータ等)やカードユニット50内の制御部の誤動作や故障につながってしまうので、図37および図38に示すように、外部接続アース、FGハーネスおよびアース基板ハーネスをそれぞれアース基板1000に接続することにより、遊技機本体およびカードユニット50のいずれも遊技機外部と接続して接地している。
ここで、アース基板1000において、外部接続アースとFGハーネスとが結線されるとともに、外部接続アースとアース基板ハーネスとが結線されているのは、遊技機の設置作業者に遊技機本体のアース配線接続を忘れずに行わせるようにするとともに、遊技機設置時の配線作業を軽減させるためである。
すなわち、従来は、アース基板が設けられておらず、カードユニット50(つまり、カードユニット50を他の基板と配線接続するための端子(コネクタ)を備えた遊技球等貸出装置接続端子板66)と遊技機本体とが2本のFGハーネスで結線され、そして、遊技機本体と遊技機外部とが外部接続アースで結線されていた。この場合、遊技機の設置作業者は、遊技機を設置する際に、カードユニット50と遊技機本体とを接続(配線)するとともに、遊技機本体と遊技機外部とを接続(配線)する必要がある。このため、カードユニット50と遊技機本体との配線接続、あるいは遊技機本体と遊技機外部との配線接続を忘れてしまうことが生じ得る。また、数多くの遊技機を設置する場合の配線作業も増加してしまう。
これに対し、図37および図38に示すように、この実施の形態では、アース基板1000を設け、遊技外部からの外部接続アースと、遊技機本体からのFGハーネスと、カードユニット50からのアース基板ハーネスとをアース基板1000に接続(配線)し、アース基板1000においてそれらの配線を結線するようにしているので、設置作業者は、アース基板1000と遊技機本体とをFGハーネスで接続(配線)するだけでよい。遊技機と違ってカードユニット50は頻繁に取り替えられる装置ではなく予め設置(固定)されているので、カードユニット50とアース基板1000とは既に接続(配線)されている状態だからである。したがって、遊技機の設置作業者の配線作業の負担を軽減させることができるとともに、遊技機本体のアース配線接続を忘れずに行わせることができることになる。
なお、遊技機の機種を変更する場合は、一般に遊技盤6のみ交換される。この実施の形態では、アース基板1000と遊技機本体とを接続するアース線(FGハーネス)は、遊技機側において機構板105と接続される。仮に、アース線が遊技盤6と接続されるとすると、機種の交換の度にアース線を遊技盤6と接続しなければならず、設置作業者がアース線を接続するのを忘れてしまうおそれがあるが、アース線が機構板105と接続されているので、遊技機の機種の変更時にアース線を遊技機に接続する必要はない。
図38に示すように、アース基板1000において、コネクタCN2からの配線1002上にサージアブソーバ1100が配置されている。サージアブソーバ(サージプロテクタともいう)は、雷、スイッチング、静電気放電などによって発生するサージ、すなわち過渡的な過大電圧からの機器や設備の保護のために用いられる素子である。落雷による誘導雷サージ、スイッチやリレーの開閉により発生する開閉サージ、静電気サージなどは、いずれも機器の誤動作や内部部品または機器そのものの破壊の原因となる。このため、サージアブソーバを用いてサージ電圧を吸収、制限し、回路に影響を与えないようにしている。
サージアブソーバは、電圧依存性を持つ素子であり、通常の状態では高い抵抗を持っているが、印加電圧がある電圧を超えたときに抵抗を急激に低下させることによって電圧の制限を行う。この際の動作としては、電圧を一定の値に保つように働くクランピング・タイプと、電圧が所定の値を超えると急速に導通して素子の両端の電圧を大幅に低下させるスイッチング・タイプとがある。
クランピング・タイプの例としては、バリスタ(金属酸化物バリスタ)やツェナーダイオードなどがある。バリスタは電圧依存性抵抗素子であり、電圧が小さいときには高抵抗を示すが、ある規定電圧以上の電圧を加えると導通状態となり、大電流が流れる。また、スイッチングタイプの例としては、放電管類やサイリスタなどがある。ガス避雷管のような放電式(ギャップ式)のものは、ガラスやセラミックスの気密容器内に放電電極を対向させ、その間に空気または不活性ガス(例えば窒素ガス)を充填した構造である。通常の状態では開放状態であるが、サージ電圧が印加されると電極間にアーク放電が発生し、短絡状態となりサージ電圧を制限する。
アース基板1000において、遊技機本体側のコネクタCN2からの配線1002上にサージアブソーバ1100を配置しているのは、遊技機内の遊技球の帯電(静電気)にもとづくサージ電圧を吸収するためである。また、遊技機とカードユニット50を共通にアース基板1000においてアース接続するように構成すると、カードユニット50側からの漏電や静電気ノイズなどにもとづくサージ電圧(漏電の場合は100V、静電気の場合は数kV)が遊技機側に流入するおそれがあり、そのようなサージ電圧の遊技機側への流入を防止するためである。カードユニット50において漏電や静電気ノイズが発生すると、そのサージ電圧がアース基板ハーネスを介してアース基板1000に伝達される。このとき、アース基板1000上にサージアブソーバ1100が設けられていなければ、カードユニット50側からのサージ電圧が遊技機本体側に伝達されてしまうが、図37および図38に示すように、アース基板1000上にサージアブソーバ1100が設けられているので、サージアブソーバ1100でサージ電圧が吸収、制限される。
この実施の形態では、サージアブソーバ1100によってサージ電圧をじわっと放電させて吸収、制限する。すなわち、急激な放電を避け、徐々にサージ電圧を放電させて吸収、制限する。上述したように、サージアブソーバには様々な種類が存在するが、目的に応じたサージアブソーバ1100の種類を選択する必要がある。すなわち、サージアブソーバの種類によって、電圧−電流特性、サージ耐量(電流耐量あるいはエネルギー耐量)、応答時間、静電容量、漏電電流などのパラメータ(特性)が異なり、これらのパラメータを考慮してサージアブソーバ1100を選択する必要がある。例えば、漏電にもとづくサージ電圧を吸収、制限することを目的とするサージアブソーバや、静電気ノイズにもとづくサージ電圧を吸収、制限することを目的とするサージアブソーバ、漏電および静電気ノイズにもとづくサージ電圧を吸収、制限することを目的とするサージアブソーバなどを適宜選択しアース基板1000上に配置する。サージアブソーバ1100として、クランピング・タイプのものであってもよいし、スイッチングタイプのものであってもよいし、また、複数のサージアブソーバを組み合わせて用いるようにしてもよい。
カードユニット50の漏電にもとづくサージ電圧を吸収、制限することを目的とする場合は、サージアブソーバ1100の作動開始電圧(特性(抵抗値)が変化する電圧)を、遊技機で用いられる電圧よりも高くカードユニット50で用いられる電圧よりも低くするのが好ましい。例えば、この実施の形態では、遊技機で用いられる電圧(マイクロコンピュータ560,370,100の動作電圧)はAC24Vであるのに対し、プリペイドカードユニット50で用いられる電圧はAC100Vである(なお、図37に示す構成では、払出制御基板37から遊技球等貸出装置接続端子板66を介してカードユニット50にAC24Vの電源電圧が供給されているが、それとは別に100Vの電源電圧も供給され、カードユニット50の基本動作電圧は100Vとなっている)。そして、この場合、サージアブソーバ1100の作動開始電圧が24Vから+100Vの間の電圧になるようなサージアブソーバ1100を使用する。このような構成によれば、カードユニット50側からの漏電によるサージ電圧を遊技機側に確実に流入しないようにすることができる。なお、この実施の形態では、サージアブソーバ1100は、着脱自在で交換可能に構成されている。
図37の説明に戻ると、遊技球等貸出装置接続端子板66(図20に示すインタフェース基板66と同じ基板)は、カードユニット50を他の基板と配線接続するための端子(コネクタ)を備えた基板である。図37に示すように、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN1とアース基板1000のコネクタCN3とがアース基板ハーネスで接続され、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN2と払出制御基板37のコネクタCN7とが遊技球等貸出装置接続端子板ハーネスで接続され、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN3と残高表示基板(プリペイドカードの残高を表示す表示器(図40および図41に示す度数表示LED93)を搭載した基板)のコネクタCN1とが残高表示基板ハーネスで接続され、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN4とカードユニット50のコネクタ(図示せず)とが複数の信号線(ハーネス)で接続されている。
なお、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN4とカードユニット50のコネクタ(図示せず)との間で入出力される信号(つまり遊技機とカードユニット50との間で送受信される信号)としては、AC24V電源、PSI信号(接続確認信号)、SEGA信号〜SEGG信号(7セグメントA信号〜7セグメントG信号;表示データ信号という)、LG(DC+18V電源用グラウンド)、TDLO信号(球貸可表示信号)、BRDY信号(カードユニットREADY信号)、EXS信号(パチンコ台貸出完了信号)、PRDY信号(パチンコ台READY信号)、DG1信号〜DG3信号(1桁目7セグメントLEDコモン信号〜3桁目LEDコモン信号;ストローブ信号という)、VL(DC+18V電源)、TDS信号(球貸操作信号)、RES信号(返却操作信号)、BRQ信号(球貸出要求完了確認信号)、FG(フレームグラウンド;アース)、AC24V電源となっている。遊技機とカードユニット50の接続関係の詳細については後述する(図40、図41参照)。
また、払出制御基板37のコネクタCN1と電源基板910のコネクタCN2とが払出制御基板電源ハーネスで接続され、払出制御基板37のコネクタCN2と主制御基板(主基板31)とが複数の信号線で接続され、払出制御基板37のコネクタCN3とプラ枠中継基板のコネクタCN3とがプラ枠中継基板ハーネスで接続され、払出制御基板37のコネクタCN4と払出中継基板のコネクタCN1とが払出中継基板ハーネスで接続され、払出制御基板37のコネクタCN5とサンパック中継基板のコネクタCN3とがサンパック中継基板ハーネスで接続され、払出制御基板37のコネクタCN6と検査装置とが複数の信号線(ハーネス)で接続されている。
また、プラ枠中継基板のコネクタCN1と満タンスイッチとが満タンスイッチハーネスで接続され、プラ枠中継基板のコネクタCN2と発射制御基板91AのコネクタCN2とが発射制御基板ハーネスで接続されている。また、発射制御基板91AのコネクタCN2と発射レバー(タッチセンサ)および単発発射スイッチとが単発発射スイッチハーネスで接続され、発射制御基板91AのコネクタCN3と発射モータとが発射モータハーネスで接続されている。また、サンパック中継基板のコネクタCN1と球切れスイッチ197とが球切れスイッチハーネスで接続され、サンパック中継基板のコネクタCN2とドア開放スイッチ1,2とがドアスイッチハーネスで接続されている。
また、払出中継基板のコネクタCN2と払出個数カウントスイッチとが払出個数カウントスイッチハーネスで接続され、払出中継基板のコネクタCN3と払出センサ基板のコネクタCN1とが払出センサハーネスで接続され、払出中継基板のコネクタCN4と払出モータとが払出モータハーネスで接続されている。
また、電源基板910のコネクタCN1と電源(AV24V)とが電源コードで接続され、電源基板910のコネクタCN3と主制御基板(主基板31)とが主制御基板電源ハーネスで接続され、電源基板910のコネクタCN4と枠シリアル中継基板とが枠シリアル中継基板電源ハーネスで接続され、電源基板910のコネクタCN5と演出制御基板80とが演出制御基板電源ハーネスで接続されている。
図39は、機構盤に取り付けられている各部材を、打球レール、アース基板およびカードユニットとともに示す結線図である。図39に示す構成において、打球レール(発射レール440、外レール441および内レール442)は、ステンレススチール製であり、かつ、発射レール440、外レール441および内レール442は、遊技が行われるときには電気的に導通している。なお、図39には示していないが、図9に示した皿部350の通路350Aもステンレススチール製であり、かつ、発射レール440等と電気的に導通している。
誘導樋430は、球払出装置97から払い出された遊技球を、パチンコ遊技機1の前面に設けられている打球供給皿(上皿)3に誘導する部材である。誘導樋430は、カーボン樹脂で形成され、かつ、アース板431と接触している。発射レール440(あるいは通路350A)と誘導樋430とはヒンジ部312(図9参照)を介して配線2008で接続されている。また、誘導樋430は、配線2007によって、機構板105の金具410に接続された受け金具411に接続されている。金具410および受け金具411はステンレススチール製である。従って、打球レールおよび誘導樋430の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
球タンク38は、カーボン樹脂で形成され、かつ、その一部にはアース板381が取り付けられている。球タンク38は、配線2005によって、機構板105の金具410に接続されている。よって、球タンク38の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
また、ケースカバー731は、ポリカーボネートで形成されている。そして、ステンレススチール製の押え金具732がケースカバー731に接している。さらに、押え金具732は、配線2006によって、機構板105の金具410に接続されている。よって、ケースカバー731の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
従って、発射装置から発射された遊技球の通路となる打球レール、払い出される遊技球の通路の主要部となる球タンク38、球払出装置97内の球通路および誘導樋430の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
図39に示すように、金具410は、アース基板1000を介して遊技機外部(設置島)と接続されて接地されている。すなわち、配線2004(FGハーネス)によって金具410とアース基板1000とが接続され、配線2001(外部接続アース)によってアース基板1000と遊技機外部(設置島)とが接続されている。よって、打球レール、球タンク38、球払出装置97内の球通路、誘導樋430および機構板105の金具410の電位は接地レベルである。なお、上述したように、アース基板1000内における遊技機本体(機構板105の金具410)から遊技機外部に至る経路上にサージアブソーバ1100が設けられている。サージアブソーバ1100により遊技機内の遊技球の帯電にもとづく静電気をじわっと放電させて吸収することができる。
また、図39に示すように、カードユニット50は、インタフェース基板(遊技球等貸出装置接続端子板)66およびアース基板1000を介して遊技機外部と接続されて接地されている。すなわち、配線2002によってカードユニット50とインタフェース基板66とが接続され、配線2003(アース基板ハーネス)によってインタフェース基板66とアース基板1000とが接続され、配線2001(外部接続アース)によってアース基板1000と遊技機外部(設置島)とが接続されている。さらに、カードユニット50は、配線2002,2003とは別の配線2000(外部接続アース)によって遊技機外部の電源コンセントと接続されている。つまり、電源コンセントのコードに内蔵された配線2000でカードユニット50が接地されている。このように、カードユニット50を配線2002,2003,2001の経路とは別の配線2000の経路によって接地しているので、配線2002または2003でカードユニット50とアース基板1000とが接続されなかった場合(配線2002または2003が断線した場合も含む)でも、カードユニット50を接地することができる。また、配線2001でアース基板1000と遊技機外部とが接続されなかった場合(配線2001が断線した場合も含む)でも、カードユニット50を接地することができるとともに、遊技機本体も配線2004,2003,2002,2000の経路を通じて接地することができる。なお、図37〜図39に示した構成では、サージアブソーバ1100は、アース基板1000における配線1002上に配置されていたが、このような構成に限られず、遊技機本体からカードユニット50のアース線までの経路上(図39の配線2004上)であればいずれの場所に配置されていてもよい。
なお、図39に示す例では、金具410とアース基板1000とが配線2004で接続されていたが、金具410に代えて、球タンク38とアース基板1000とを配線2004で接続するようにしてもよい。この場合、球タンク38のカーボン樹脂の抵抗により、さらに急激な放電を回避することができるので、アース配線の接続として好ましい。
次に、遊技機とカードユニット50との接続関係について説明する。図40は、カードユニットの構成を示すブロック図である。また、図41は、インタフェース基板66とカードユニット50と払出制御基板37の接続関係を示すブロック図である。
カードユニット50の前面には、多機能ランプ2070、紙幣挿入口(図示せず)、硬貨挿入口(図示せず)、硬貨返却ボタン(図示せず)、硬貨返却口(図示せず)、プリペイドカード挿入口(図示せず)などを備えている。また、カードユニット50の内部には、図40に示すように、ランプ駆動回路2011、紙幣識別機2040、硬貨識別機2050、LED駆動回路2012、検出回路2013、ユニット制御部2020、カードR/W制御部2030、カードR/W2080などを備えている。
ランプ駆動回路2011は、多機能ランプ2070を発光制御するための回路であり、ユニット制御部2020から発光制御用のコマンドが入力されたことにもとづいて、コマンドに応じた発光態様を指令する信号を多機能ランプ2070に出力することにより、多機能ランプ2070を発光制御する。多機能ランプ2070は、カードユニット50の動作状態を報知するためのランプであり、ここでは緑点灯することによりプリペイドカードを受付中でない旨を報知し、青点灯することによりプリペイドカードを受付中である旨を報知する。
LED駆動回路2012は、球貸し可LED61および度数表示LED93を点灯制御するための回路である。このLED駆動回路2012は、ユニット制御部2020から点灯制御用のコマンドが入力されたことにもとづいて、コマンドに応じた点灯態様を指令する信号を、LED駆動回路2012と球貸し可LED61との間を接続する信号線である球貸可表示信号線を介して出力することにより、球貸し可LED61を点灯制御する。また、LED駆動回路2012は、ユニット制御部2020から度数表示用のコマンドが入力されたことにもとづいて、コマンドに応じたストローブ信号(DG1〜DG3)および表示データ信号(SEGA〜SEGG)を度数表示LED93に出力することにより、度数表示LED93の度数表示を制御する。
検出回路2013は、球貸しスイッチ91および返却スイッチ92の操作を検出するための回路である。検出回路2013は、球貸しスイッチ91が動作されたときに出力される球貸操作信号が、球貸しスイッチ91と検出回路2013との間を接続する球貸操作信号線を介して入力されたことにもとづいて、球貸し操作があった旨を示す信号をユニット制御部2020に出力する。また、検出回路2013は、返却スイッチ92が操作されたときに出力される返却操作信号が、返却スイッチ92と検出回路2013との間を接続する返却操作信号線を介して入力されたことにもとづいて、返却操作があった旨を示す信号をユニット制御部2020に出力する。
ユニット制御部2020は、CPU2021、ROM2022、RAM2023、およびI/O2024などを備えており、ROM2022に記録されている処理プログラムがRAM2023を作業領域としてCPU2021で実行されることにより、ユニット制御部2020に接続される各構成要素の動作を制御して各種の処理を行う。
カードR/W制御部2030は、カードR/W2080によりプリペイドカードが受け付けられたときに、プリペイドカードから読み取ったカード残額を含む照合要求をシステムコントローラ(ホールに設けられた売上を管理するホールコンピュータ)に送信する処理を行う。また、カードR/W制御部2030は、カードユニット50において入金処理が行われたときに、識別金額を含む入金情報をシステムコントローラに送信する処理を行う。さらに、カードR/W制御部2030は、ユニット制御部2020から送られる遊技機を識別する情報をシステムコントローラに送信する処理を行う。
カードR/W2080は、プリペイドカード挿入口からプリペイドカードの挿入を受け付けて、プリペイドカードからカード残額を読み取る装置である。紙幣識別機2040は、紙幣の挿入を受け付けて、入金された金額を識別する装置である。硬貨識別機2050は、硬貨の挿入を受け付けて、入金された金額を識別する装置である。
次に、図40および図41を参照して、遊技機とカードユニット50との間を接続する信号線について説明する。なお、球貸可表示信号線、球貸操作信号線、返却操作信号線については前述したので、説明を省略する。
ストローブ信号線は、度数表示LED93を点灯制御するためのストローブ信号をカードユニット50から遊技機に対して送信するための信号線である。このストローブ信号線は、カードユニット50側においてLED駆動回路2012に接続されるとともに、遊技機側においてインタフェース基板66を介して度数表示LED93に接続されるDG1信号線、DG2信号線、DG3信号線の3本の信号線である。
表示データ信号線は、度数表示LED93を点灯制御するための表示データ信号をカードユニット50から遊技機に対して送信するための信号線である。この表示データ信号線は、カードユニット50側においてLED駆動回路2012に接続されるとともに、遊技機側においてインタフェース基板66を介して度数表示LED93に接続されるSEGA信号線、SEGB信号線、SEGC信号線、SEGD信号線、SEGE信号線、SEGF信号線、SEGG信号線の7本の信号線である。
PSI信号線は、カードユニット50と遊技機との接続確認を行うための信号線である。このPSI信号線は、カードユニット50側においてユニット制御部2020のI/O2024に接続されるとともに、遊技機側においてインタフェース基板66を介して払出制御基板37のI/O372に接続される信号線である。PSI信号線を介して接続確認信号が送信されることにより、遊技機において発射ハンドル5の操作が可能となる。
PRDY信号線は、遊技機とカードユニット50との間における通信が可能な状態(スタンバイ状態)である旨を示す払出可能信号を遊技機からカードユニット50に対して送信するための信号線である。このPRDY信号線は、遊技機側においてインタフェース基板66を介して払出制御基板37のI/O372に接続されるとともに、カードユニット50側においてユニット制御部2020のI/O2024に接続される信号線である。
BRDY信号線は、カードユニット50が払出可能信号を受信しているスタンバイ状態において球貸操作があったときに、球貸可能信号をカードユニット50から遊技機に対して送信するための信号線である。また、BRDY信号線は、セット度数分(例えば5度数分)の球貸処理が終了したときに、球貸終了信号をカードユニット50から遊技機に対して送信する信号線である。このBRDY信号線は、カードユニット50側においてユニット制御部2020のI/O2024に接続されるとともに、遊技機側においてインタフェース基板66を介して払出制御基板37のI/O372に接続される信号線である。
BRQ信号線は、単位有価価値の大きさに相当する数(すなわち1度数分)の遊技球(パチンコ玉)の貸与(貸出)を要求する単位貸与要求信号をカードユニット50から遊技機に対して送信するための信号線である。また、BRQ信号線は、1度数分の遊技球の貸与を指令する単位貸与指令信号をカードユニット50から遊技機に対して送信するための信号線である。このBRQ信号線は、カードユニット50側においてユニット制御部2020のI/O2024に接続されるとともに、遊技機側においてインタフェース基板66を介して払出制御基板37のI/O372に接続される信号線である。
EXS信号線は、1度数分の遊技球の貸与を準備する旨が整ったことを示す単位貸与準備信号を遊技機からカードユニット50に対して送信するための信号線である。また、EXS信号線は、1度数分の遊技球の貸与が完了した旨を示す単位完了信号を遊技機からカードユニット50に対して送信するための信号線である。このEXS信号線は、遊技機側においてインタフェース基板66を介して払出制御基板37のI/O372に接続されるとともに、カードユニット50側においてユニット制御部2020のI/O2024に接続される信号線である。
アース線(図37に示すアース基板ハーネス)は、カードユニット50を遊技機外部に接続して接地するための信号線である。上述したように、遊技機側においてインタフェース基板66を介してアース基板1000(のコネクタCN3)に接続されるとともに、カードユニット側50においてカードユニット50の各部位(ユニット制御部2020など)に接続される信号線である。
次に、電源基板110の構成について説明する。図42は、電源基板内の回路構成を示す回路図である。図42に示す構成において、電源基板910のコネクタCN1に電源電圧AC24Vが入力される。そして、図42に示すように、コネクタCN1の他方の端子(図37に示すコネクタCN1の「2」)にヒューズ911が直列に接続されている。また、コネクタCN1の両端子間にバリスタ912、コンデンサ913およびトランス916が順次接続されている。また、コンデンサ913の他方の端子側とトランス916の他方の端子側との間に2つのパワーサーミスタ914,915が接続されている。
バリスタ912は、上述したように、通常の状態(一定の電圧以下のとき)では高抵抗であって電流を流さないが、一定の電圧以上の電圧がかかると急激に電流が流れ始める素子である。また、パワーサーミスタ914,915は、温度により抵抗値が変化する素子であり、温度が上がると抵抗が下がる。
従来は、バリスタ912、コンデンサ913およびパワーサーミスタ914,915からなる回路を設けずに、ヒューズ911だけを設けていた。しかし、コネクタCN1から入力される電圧が高すぎた場合(例えば誤ってAC100Vの電源を接続したなどの場合)に、ヒューズ911が焼き切れる前に電源基板910内の回路に過大な電流が流れてしまい、回路素子が壊れてしまうという問題があった。そこで、この実施の形態では、バリスタ912、コンデンサ913およびパワーサーミスタ914,915からなる回路を設け、コネクタCN1から入力される電圧が高すぎた場合にヒューズ911が確実に切れるようにしている。具体的には、パワーサーミスタ914,915は温度が上がらないと電流を流さないので、突然AC100Vの電源電圧が入力されても、パワーサーミスタ914,915が発熱しておらず電流がトランス916側に流れない。そして、電源電圧がある一定の電圧値になるとバリスタ912が導通して電流を流し始める。これにより、ヒューズ911が焼き切れてコネクタCN1からの電源電圧の入力が停止する。このような回路構成を備えたことにより、誤って100Vの電源がコネクタCN1に接続されてしまった場合(主として遊技機を設置するときの配線接続ミスが起こった場合のコールドスタート時)でも、確実に電源基板910の内部回路の素子に過大な電流が流れてしまうのを防止することができ、その結果、電源回路が破壊されてしまうのを防止することができる。
図42に示す電源基板910に搭載されている電源回路は、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。電源回路は、複数種類の電源電圧を得るために複数系統に分かれている。
まず、コネクタCN1からの交流電源(AC24V)はトランス916の入力側(一次側)に入力される。トランス916は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。トランス916およびブリッジ回路931からブリッジ全波整流回路が構成され、トランス916とブリッジ回路932から別系統のブリッジ全波整流回路が構成される。ブリッジ全波整流回路が動作すると、正の半サイクルでブリッジ回路931,932における対向する一対のダイオードが導通し、一方、負の半サイクルではブリッジ回路931,932における対向する他の一対のダイオードが導通する。これにより、電源の交流波形が全波整流の波形に変換される。
次いで、ブリッジ回路931の後段(下流側)には、3系統の回路941,942,943が設けられている。これらの回路941,942,943は、それぞれ、前段(上流側)に設けられた平滑コンデンサ(電解コンデンサ)等からなる平滑回路と、後段(下流側)に設けられた定電圧回路としてのスイッチングレギュレータとを備えている。平滑回路によりブリッジ全波整流回路の出力波形が平滑化され(脈動分の除去が行われ)、平滑化された波形がスイッチングレギュレータで一定電圧に安定化される。
回路941の手前で分岐された電圧(ブリッジ回路931の出力電圧)は、ヒューズ951を介してコネクタCN5のVSL端子(「2A」「2B」)に出力される。回路941からの出力電圧は、ヒューズ952を介してコネクタCN4のVDD端子(「2」)に出力される。回路942からの出力電圧は、ヒューズ953を介してコネクタCN5のVDD端子(「3A」「3B」)に出力される。回路943からの出力電圧は、ヒューズ954を介してコネクタCN4のVCC端子(「3」)およびコネクタCN5のVCC端子(「4A」「4B」)に出力される。
また、ブリッジ回路932の後段(下流側)には、2系統の回路944,945が設けられている。これらの回路944,945は、それぞれ、前段(上流側)に設けられた平滑コンデンサ(電解コンデンサ)等からなる平滑回路と、後段(下流側)に設けられた定電圧回路としてのスイッチングレギュレータとを備えている。平滑回路によりブリッジ全波整流回路の出力波形が平滑化され(脈動分の除去が行われ)、平滑化された波形がスイッチングレギュレータで一定電圧に安定化される。
ブリッジ回路932の手前で分岐された電圧(トランス916の出力電圧)は、そのままコネクタCN2のAC24V端子(「2」「3」)に出力される。回路944の手前で分岐された電圧(ブリッジ回路932の出力電圧)は、ヒューズ955を介してコネクタCN2のVSL端子(「5」)に出力され、またヒューズ956を介してコネクタCN3のVSL端子(「2A」「2B」)に出力される。回路944からの出力電圧は、ヒューズ957を介してコネクタCN2のVDD端子(「6」)に出力され、またヒューズ958を介してコネクタCN3のVDD端子(「3A」「3B」)に出力される。回路945からの出力電圧は、ヒューズ959を介してコネクタCN2のVCC端子(「7」)に出力され、またヒューズ960を介してコネクタCN3のVCC端子(「4A」「4B」)に出力される。
また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAM(遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55)に記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ922は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。コンデンサ922の両端の出力電圧は、コネクタCN3のVBB端子(「5A」)に出力される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード923が挿入される。また、基準電位がコネクタCN4のGND端子(「1」「4」)、コネクタCN5のGND端子(「1A」「1B」「5A」「5B」)、コネクタCN2のGND端子(「1」「4」「8」)、コネクタCN3のGND端子(「1A」「1B」「6A」「6B」)に出力される。さらに、コネクタCN3にはクリアスイッチ921と接続される端子(「5B」)が設けられている。クリアスイッチ921が押されていない状態では、ハイレベルの信号を出力し、クリアスイッチ921が押された状態では、ローレベルの信号が出力される。
なお、図37に示したように、コネクタCN2は、払出制御基板37に電力を供給するためのコネクタであり、コネクタCN3は、主基板31に電力を供給するためのコネクタであり、コネクタCN4は、枠シリアル中継基板に電力を供給するためのコネクタであり、コネクタCN5は、演出制御基板80に電力を供給するためのコネクタである。
次に、遊技機の動作について説明する。図43は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15,S44,S45を含む。)。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびステップS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびステップS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、可変表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、可変表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。また、乱数回路設定処理では、CPU56は、乱数回路503の状態を確認する乱数回路確認処理も実行する。乱数回路確認処理では、CPU56は、乱数回路503が出力する乱数確認信号を所定時間監視する。乱数確認信号は、乱数回路503が内蔵するクロック信号発生回路が内部クロック信号を正常に出力している場合にはオン状態であり、そうでなければ(例えば、内部クロック信号のレベルが低下した場合には)オフ状態になる。CPU56は、所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出した場合には、乱数回路503に異常が発生したと判定し、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する乱数回路エラー指定コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出しなければ、CPU56は、乱数回路503が正常に動作していると判定して、そのままステップS15に移行する。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取り得る値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図44に示すステップS20〜S36のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS34,S35で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図45は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図44に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。なお、この実施の形態では、ステップS29において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを構成するMODEデータまたはEXTデータ(送信先のシリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623のアドレスが付加されたMODEデータまたはEXTデータ)に、ヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行なう。そして、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってシリアルデータに変換され、中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。また、賞球処理では賞球エラーが発生したか否かの判定処理も行なわれる。例えば、賞球個数の設定値と実際の払出数とに食い違いが生じた場合に、CPU56は、賞球エラーが発生したと判定し、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100に、賞球エラーの発生を報知することを指定する賞球エラー報知指定コマンドを送信する制御を行なう。
また、CPU56は、満タンスイッチや球切れスイッチ、ドア開放センサ155の検出信号に基づくエラー検出処理を実行する(ステップS32)。具体的には、満タンスイッチの検出信号に応じて、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100に、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する満タンエラー報知指定コマンドを送信する。また、球切れスイッチの検出信号に応じて、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100に、球切れエラーが発生したことを報知することを指定する球切れエラー報知指定コマンドを送信する。ドア開放センサ155の検出信号に応じて、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100に、ドア開放エラーが発生したことを報知することを指定するドア開放エラー報知指定コマンドを送信する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(ステップS34)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(ステップS35)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS36)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S35(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図46は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル(図46(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図46(B)参照)とがある。図46(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。CPU56は、所定の時期に、乱数回路のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図46に示す大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。
確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない状態に移行させるような大当りである。なお、確変大当りおよび通常大当りの場合には、ラウンド数は、小当りおよび突然確変大当りの場合よりも多く、例えば15ラウンドである。
小当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態が確変状態に移行することはない。突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、ラウンド数が同じである。
なお、突然確変大当りの大当り遊技では、ラウンド数は、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも少なく、かつ、各ラウンドの大入賞口開放許容時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合の29秒に対して、0.5秒)は通常大当りおよび確変大当りの場合よりも短いが、ラウンド数のみを少なくしたり、大入賞口開放許容時間のみを短くするようにしてもよい。
なお、大当り判定用乱数(ランダムR)を用いた判定では、大当りとするか否かのみを判定するようにし、大当り図柄決定用乱数(ランダム2)を用いて決定した図柄の種類に応じて大当りの種類(例えば、確変大当りとするか通常大当りとするか)を決定するようにしてもよい。
図47は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。後述するように、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。図47において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の変動表示期間)を示す。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「通常変動・短縮」は、リーチ態様を伴わない変動パターンであり、かつ、変動時間が「通常変動」よりも短い変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ態様を伴うが表示結果(停止図柄)が大当り図柄にならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間(リーチ演出が行なわれる期間)で可変表示装置9において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ画像等が現れたり、可変表示装置9における背景図柄が異なることをいう。例えば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。また、「リーチA・短縮」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて短い。「リーチA・延長」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて長い。
「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、「リーチB・短縮」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて短い。「リーチB・延長」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて長い。「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチC・短縮」は、「リーチC」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチC」に比べて短い。
また、「スーパーリーチA」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、例えば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「スーパーリーチB」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」および「スーパーリーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、例えば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチA・突確」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA・突確」のリーチ態様は、「リーチA」に類似するリーチ態様である。
また、「リーチD」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」および「リーチA・突確」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、前述したようなキャラクタ選択リーチによるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、「リーチE」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」、「リーチA・突確」および「リーチD」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、前述したようなチャンスリーチのうちのスーパーリーチとならないときのリーチ態様を持つ変動パターンである。また、「リーチF」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」、「リーチA・突確」、「リーチD」および「リーチE」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、前述したようなチャンスリーチのうちのスーパーリーチとなるときのリーチ態様を持つ変動パターンである。
この実施の形態では、通常大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・短縮」、「リーチA」、「リーチB・短縮」、「リーチB」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」、「リーチD」または「リーチE」を選択する。また、確変大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」または「リーチE」を選択する。突然確変大当りの場合には、「リーチA・突確」を選択する。
また、図47に示すように、通常大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、確変大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、通常大当りのときにも確変大当りのときにも選択され得る変動パターンとがある。
また、時短状態では、「通常変動・短縮」、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、および「リーチC・短縮」の変動パターンが選択される。非時短状態では、それ以外の変動パターンが選択される。ただし、「リーチA・突確」の変動パターンは、時短状態でも非時短状態でも使用される。
なお、この実施の形態では、大当りが発生し、大当り遊技が終了すると、その後、100回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了するまで、遊技状態は時短状態になる。また、変動表示が終了すると大当り遊技が開始されるときの特別図柄の変動表示を開始するときに、確変状態にすることに決定された場合には、大当り遊技が終了すると遊技状態が確変状態に移行される。なお、そのときの遊技状態が確変状態であれば、確変状態が継続することになる。
確変状態に移行されたら、その後、100回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了するまでは、確変状態かつ時短状態である。また、大当り遊技が終了した後の非確変状態において、100回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了すると遊技状態は通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない遊技状態)に移行する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施の形態では、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってパラレルデータからシリアルデータに変換され、主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図48は、シリアルデータ方式として送信される演出制御コマンドのフォーマットの例を示す説明図である。図48に示すように、演出制御コマンドを送信する際、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、まず、MODEデータ(アドレスが付加されたMODEデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたMODEデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、EXTデータ(アドレスが付加されたEXTデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたEXTデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。
図49は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図49に示す例において、コマンド8001(H)〜8012(H)は、特別図柄の変動表示に対応して可変表示装置9において変動表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8012(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始するように制御する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動表示と飾り図柄の変動表示とは同期(変動表示開始時期および変動表示終了時期が同じ。)しているので、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を決定することは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定することも意味する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。また、コマンド9F55(H)は、メイン処理における乱数回路確認処理において乱数回路503の異常発生を検出した場合に、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する演出制御コマンド(乱数回路エラー指定コマンド)である。
コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始指定4指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
コマンドFF02(H)は、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態になった場合(すなわち、満タンスイッチがオン状態になった場合)に、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF01(H)は、下皿の満タン状態が解除された場合(すなわち、満タンスイッチがオフ状態になった場合)に、満タンエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF04(H)は、遊技枠11が開放状態になった場合(すなわち、ドア開放センサ155の検出信号を検出した場合)に、ドア開放エラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(ドア開放エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF03(H)は、遊技枠11の開放状態が解除された場合に、ドア開放エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(ドア開放エラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF06(H)は、球切れ状態になった場合(すなわち、球切れスイッチがオン状態になった場合)に、球切れエラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(球切れエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF05(H)は、球切れ状態が解除された場合に、球切れエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(球切れエラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF08(H)は、賞球エラーが発生した場合に、賞球エラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF07(H)は、賞球エラーが解除された場合に、賞球エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー解除指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図49に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図50は、演出制御コマンドの送信タイミングの一例を示す説明図である。図50に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(例えば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた可変表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、表示結果特定コマンドに続いて保留記憶数を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
図51および図52は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされ、かつ、小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると可変表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当りにおいて大入賞口を開放する毎に実行されるが、1回目に大入賞口の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中の大入賞口の開放回表示(大当りのラウンド表示に相当する)の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放回数(例えば2回)の大入賞口の開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図53は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS211)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。また、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。ステップS213では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜3(図45参照)の値を抽出し、乱数回路のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図54および図55は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図46参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図46(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図46(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS65)。この場合には、はずれ図柄(例えば、偶数図柄のいずれか)を決定する。
さらに、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には(ステップS66)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS67)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS68,S69)。そして、ステップS90に移行する。
ステップS81では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS82)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄としての大当り図柄(例えば、奇数図柄のいずれか)を決定する(ステップS83)。なお、ここでは、確変大当りと通常大当りとを区別せずに停止図柄を決定する。
次いで、CPU56は、確変大当りとすることに決定されている場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS84,S85)。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、突然確変大当りフラグをセットする(ステップS86,S87)。また、小当りとすることに決定されている場合には、小当りフラグをセットする(ステップS88,S89)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS90)。なお、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしているが(図46参照)、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するようにしてもよい。
図56は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS100)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS101)。
ここで、遊技状態が非時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、「通常変動」または「ノーマルリーチ」を選択する(図47参照)。遊技状態が非時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA」、「リーチA・延長」、「リーチB」、「リーチB・延長」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」または「リーチA・突確」を選択する(図47参照)。大当りのうち確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・突確」を選択する。また、小当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・小当り」を選択する。大当りのうち通常大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」または「スーパーリーチA」を選択する。
遊技状態が時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、「通常変動・短縮」を選択する(図47参照)。遊技状態が時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、「リーチC・短縮」または「リーチA・突確」を選択する(図47参照)。大当りのうち確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチC・短縮」を選択する。突然確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・突確」を選択する。また、小当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・小当り」を選択する。大当りのうち通常大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」または「リーチC・短縮」を選択する。
以上のような選択を容易にするために、遊技状態(時短状態か否か)と大当りとするか否かの決定結果(はずれ、および大当りの種類のそれぞれ)とに応じた変動パターンテーブルを用いる。変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されるが、遊技状態と大当りとするか否かの決定結果とに応じて用意される。それぞれの変動パターンテーブルには、選択されうる変動パターンを示すデータと、それに対応する数値とが設定される。そして、CPU56は、遊技状態と大当りとするか否かの決定結果とに応じて、変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルにおいて、変動パターン決定用乱数の値と一致する数値に対応する変動パターンを選択する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、既に決定されている大当りとするか否か、および確変大当りとするか否かに応じて、変動パターンを選択することになる。
そして、CPU56は、ステップS101で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図47参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS104)。例えば、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図47参照)に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図57は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類(小当りを含む。)に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図31参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグ(小当りに決定されている場合にもセットされている。)がセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS112,S113)。突然確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114,S115)。小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。確変大当りフラグ、突然確変大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
なお、特別図柄変動中処理では、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図58は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS146に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変フラグや時短フラグをリセットする(ステップS134)とともに、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始4指定コマンドを送信し、小当りフラグがセットされている場合には大当り開始2指定コマンドを送信し、そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば可変表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、小当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS137,S138)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。なお、小当りフラグがセットされていない場合とは、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りに決定されている場合である。
ステップS146では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされていない場合には、ステップS149に移行する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットし(ステップS147)、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(ステップS148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS149)。
なお、時短終了フラグは、特別図柄通常処理におけるステップS69でセットされている。また、時短フラグがリセットされることによって、遊技状態は非時短状態に移行する。この段階で遊技状態が確変状態であれば、遊技状態は、非時短状態の確変状態になる。また、非確変状態であれば、通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない状態)に移行する。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図59は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当フラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、可変表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。なお、大当り終了表示タイマには、表示時間として、大当りの終了後であっても大当り終了直前に大入賞口に入賞した遊技球をカウントスイッチ23で検出しうる時間であるカウントスイッチ検出時間よりも長い時間が設定される。そのようにすることによって、大当り終了直後に異常入賞を検出した場合に不自然なタイミングで異常入賞報知を実行してしまう事態を防止することができる。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させ(ステップS156)、時短回数カウンタに100を設定する(ステップS157)。
そして、確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされているか否か確認する(ステップS158)。確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグ)をリセットし(ステップS159)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS161)。なお、そのときの遊技状態が確変状態である場合には、既に確変フラグはセットされている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS162)。
ステップS308の小当り開放前処理では、大入賞口開放前処理(ステップS305)と同様の処理を行う。ただし、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、ステップS309の小当り開放中処理では、大入賞口開放中処理(ステップS306)と同様の処理を行う。ただし、小当りにおいて大入賞口を1回目に開放する場合(すなわち、小当り中に2回大入賞口を開放するうちの1回目)には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し、2回目に開放する場合である場合(すなわち、小当り中に2回大入賞口を開放するうちの2回目)には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に対応した値に更新する。
図60は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグおよび小当りフラグをリセットし(ステップS171A,S171B)、大当り終了1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS172)。そして、小当り終了表示タイマに、可変表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。なお、小当り終了表示タイマには、表示時間として、小当りの終了後であっても小当り終了直前に大入賞口に入賞した遊技球をカウントスイッチ23で検出しうる時間であるカウントスイッチ検出時間よりも長い時間が設定される。そのようにすることによって、小当り終了直後に異常入賞を検出した場合に不自然なタイミングで異常入賞報知を実行してしまう事態を防止することができる。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS176)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図61は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS112):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS100):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS101):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS102):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS103):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図62は、普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS121のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS122)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS124)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS125)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。例えば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変時短状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(ステップS126)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS127)。なお、この実施の形態では、図65に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS128)。
図63は、普通図柄変動処理(ステップS101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS131)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS131のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS135)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS131のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS132)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS133)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS134)。
図64は、普通図柄停止処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS141のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS141のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS125にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS143)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS125にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS143のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(ステップS145)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(ステップS145のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図65に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS146)。一方、低ベース状態であるときは(ステップS145のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図65に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS147)。図65に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS146またはS147で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS148)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS149)。
ステップS143において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS143のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS150)。
図66は、普通電動役物作動処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS161のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(ステップS164)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS164のN)、ステップS168の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS164のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS165)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS166のN)、つまり8以上である場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(ステップS167)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(ステップS161のY、S172参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときには、普通図柄プロセスタイマをクリアし(ステップS167参照)、同じタイマ割込処理内で、ソレノイド16を非励磁状態とすることによって可変入賞球装置15を閉鎖する(ステップS171参照)とともに、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」に更新する(ステップS172参照)ようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS168)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS169)。タイムアウトしていなければ(ステップS169のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS169のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS170)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄停止処理で開放パターンバッファにセットした開放パターン(ステップS148参照)にもとづいて、開放パターン時間を普通電動役物開放パターンタイマにセットする。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS171)。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を励磁することによって、可変入賞球装置15を開放する。または、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を非励磁状態とすることによって、可変入賞球装置15を閉鎖する。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のステップS168〜S171の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
ステップS161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(ステップS161のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS172)。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図67は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ370に対して送信される払出指令信号等の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。4ビットの賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。賞球カウント信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信される払出制御信号であり、払出個数カウントスイッチ187の検出信号に相当する信号である。
図68は、図67に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図68には、払出に関する異常を示す信号(払出エラー信号、球切れ信号、満タン信号)およびその他の異常(ドア開放エラー)を示す信号(ドア開閉信号)も、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信されることが示されている。また、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して、賞球払出時の払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態を示す賞球カウント信号も送信される。図68に示すように、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する信号は、出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介して入力される。
図69は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図69に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13a、および第2始動口スイッチ14a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図70は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、上述したように、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポートのビット配列(図示せず)に対応している。つまり、入力ポートのビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図71は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、7つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図72は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図73に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポートにおける各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である。
図74は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ(ステップS361のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS362Aに移行する。ステップS355における演算結果が0であれば(ステップS361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。
ステップS362Aでは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS362AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS362B)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということは、特別図柄プロセス処理において、ステップS304の大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中または小当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。また、小当り遊技中は、小当り表示が開始されてから小当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
特別図柄プロセスフラグの値が5以上である場合には(ステップS362BのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技および小当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には(ステップS362BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合は(ステップS362AのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(ステップS363A)。すなわち、ステップS361で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2始動口スイッチ14aであったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS363AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS363B)。普通図柄プロセスフラグの値が3であるということは、普通図柄プロセス処理において、ステップS103の普通電動役物作動処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉動作中であることを意味する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値でなかった場合(ステップS363AのN)、および普通図柄プロセスフラグの値が3である場合(ステップS363BのY)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は、可変入賞球装置15が動作しておらず、可変入賞球装置15を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態において第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出されたということは、第2始動入賞口14に異常入賞が生じたこと、または第2始動口スイッチ14aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合には(ステップS363BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
なお、上記の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。例えば、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放したときに大入賞口開放フラグをセットし、大入賞口を閉鎖したときに大入賞口開放フラグをリセットするように制御し、大入賞口開放フラグがセットされていないときにカウントスイッチ23がオンしたことにもとづいて賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。なお、大入賞口への異常入賞が発生しても、賞球払出を禁止しないように制御してもよい。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理または小当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間、すなわち可変表示装置9において大当り終了表示または小当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが(ステップS363B参照)、実際に可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図66に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンにもとづいて可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、高ベース状態のときのように可変入賞球装置15が複数回(実施の形態では2回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。なお、第2始動入賞口14への異常入賞が発生しても、賞球払出を禁止しないように制御してもよい。
また、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第2始動入賞口14に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。そこで、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせている。
具体的には、可変入賞球装置15が最後に閉鎖してから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまで(つまりステップS171で可変入賞球装置15が閉鎖してからステップS161のYとなるまで)の時間を、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定している。すなわち、ステップS170で普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間(例えば5秒)をセットし、ステップS171で普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間を閉鎖時間(例えば5秒)よりも短い時間(例えば3秒)になるように普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間(例えば3秒)は、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも十分長い時間である。このようにしておけば、可変入賞球装置15の閉鎖直前に遊技球が入賞したことによって、異常入賞が発生したと誤検出してしまうのを防止することができる。
異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、上記の例では、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしていたが、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が3から0になった時点(例えば、図66のステップS172の直前あるいは直後)でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において普通図柄プロセスフラグの値が3でないと判定されたときに(ステップS363BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。このような構成によっても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。
なお、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。具体的には、特別図柄プロセスフラグの値が7から0に又は10から0になった時点でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないと判定されたときに(ステップS362BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。
なお、ステップS362Bにおいて特別図柄プロセスフラグの値が4未満である場合(ステップS362BのN)やステップS363Bにおいて普通図柄プロセスフラグの値が3でない場合(ステップS363BのN)に、賞球払い出しを禁止する制御を行わないようにしてもよい。後述するように、異常入賞が発生したと判定された場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常入賞の発生を報知するように構成されているので、異常入賞にもとづく賞球払い出しは最小限に食い止めることができると考えられるからである。
図75は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS376)。
ステップS376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる(図69参照)。また、ステップS375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図69参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出個数毎または入賞口毎に入賞数を記憶しておき、賞球数の多いものから順に賞球個数信号を払出制御基板37に送信するようにしてもよい。また、逆に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数の少ないものから順に賞球個数信号を払出制御基板37に送信するようにしてもよい。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS377)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS382)。
払出基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
なお、この実施の形態では、払出指令信号については、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。この場合、払出制御用マイクロコンピュータ370は、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信するようにしてもよい。また、この場合、払出制御用マイクロコンピュータ370は、ACK信号を出力したときに、遊技球の払い出しを終了するまでACK信号のオン状態を継続するようにしてもよい。そして、遊技球の払い出しを終了すると、ACK信号をオフ状態とするようにしてもよい。そのようにすれば、ACK信号がオン状態になったあとオフ状態になったか否かを確認することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で遊技球の払い出しが終了したか否かを確認できる。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払い出しが終了した後に、払い出しの賞球があれば、再度賞球個数信号を送信するようにすればよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球REQ信号や賞球個数信号を受信したときに一瞬だけACK信号をオン状態にするようにしてもよい。その場合には、ACK信号がオン状態となってオフ状態となったことにもとづいて、まだ払い出されていない賞球があれば、再度賞球個数信号を送信するようにすればよい。
なお、前述したように、主基板31から払出制御基板37に向かう方向にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるようにする場合、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数信号を受信すると、INT割込によって賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を制御してもよい。そのように構成すれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球の払い出しが完了しているか否かにかかわらず賞球個数信号を送信することができる。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1回の払い出しが完了するまで賞球個数をRAMなどに保存しておく必要をなくせるので、RAMなどの記憶容量の増大を防止することができる。
図76は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1581)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図43におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS1585に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS1582)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS1583,S1584)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が5(大入賞口開放前処理)以上であるか否か確認する(ステップS1585)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS1585のY)、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS1590の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば(ステップS1585のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS1586)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図73参照)との論理積をとる(ステップS1587)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1588のN)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1589)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS1589のY)、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、ステップS1590の処理に移行する。
以上に示すステップS1585〜S1589までの処理が実行されることによって、遊技状態が特定遊技状態(確変大当り状態、通常大当り状態、突然確変大当り状態または小当り状態)でないときに、遊技球が大入賞口に入賞したことにもとづいて、異常入賞が検出され、異常入賞報知が実行されることになる。なお、この実施の形態では、大入賞口を閉鎖したときに、特別図柄プロセス処理処理における大当り終了処理において、大当り終了表示タイマに、表示時間として、大当りの終了後であっても大当り終了直前に大入賞口に入賞した遊技球をカウントスイッチ23で検出しうる時間であるカウントスイッチ検出時間よりも長い時間が設定される(ステップS153参照)。また、小当り終了処理において、小当り終了表示タイマに、表示時間として、小当りの終了後であっても小当り終了直前に大入賞口に入賞した遊技球をカウントスイッチ23で検出しうる時間であるカウントスイッチ検出時間よりも長い時間が設定される。そのため、特定遊技状態(小当り状態を含む)を終了した後であっても、大入賞口が閉鎖されてから所定の猶予期間を経過するまでは、遊技球の入賞を検出しても異常入賞とは判定しないように制御する。
なお、この実施の形態では、特定遊技状態に小当り状態を含むものとして説明したが、特定遊技状態に小当りを含めず、特定遊技状態として確変大当り状態、通常大当り状態または突然確変大当り状態のいずれかに制御されると考えてもよい。この場合も、上記に示したステップS1585〜S1589までの処理が実行されることによって、遊技状態が特定遊技状態または小当り状態のいずれでもないときに遊技球が大入賞口に入賞したことにもとづいて、異常入賞が検出され、異常入賞報知が実行されることになる。また、特定遊技状態または小当り状態を終了した後であっても、大入賞口が閉鎖されてから所定の猶予期間を経過するまでは、遊技球の入賞を検出しても異常入賞とは判定しないように制御する。
ステップS1590では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が3(普通電動役物作動処理)であるか否か確認する(ステップS1590)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば(ステップS1590のY)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は(ステップS1590のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作していない状態である。このような状態のときに第2始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(ステップS1590のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS1591)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H)、図73参照)との論理積をとる(ステップS1592)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1593のN)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1594)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS1593のY)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないと判定し、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態において第2始動口スイッチ14aがオンした場合にも、異常入賞報知指定コマンドが送信される。
また、ステップS1581〜S1583の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、ステップS1585の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS362Bの処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理または小当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS1590の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS363Bの処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、上述したように、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口への異常入賞が発生した場合と第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合とで共通の異常入賞報知指定コマンドを送信(ステップS1589,S1594参照)する場合を説明するが、異なる異常入賞報知指定コマンドを送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した異常入賞報知指定コマンドに応じて、異なる演出態様で(例えば、異なる点灯パターンで上皿ランプの側面のLED82a,82b,82e,82fを点灯または点滅させて)異常入賞報知を実行してもよい。
また、ステップS1589またはステップS1594で異常入賞報知指定コマンドを送信した後に、例えば、無限ループに移行するように制御して処理を停止させてもよい。また、無限ループに移行する制御を行う場合、無限ループを所定期間繰り返し実行した後に、無限ループを抜けて通常の処理を再開するように制御してもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図77は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、操作部81における押圧操作部811および回転操作部812のそれぞれの操作を検出するための操作検出処理を実行する(操作検出処理:ステップS704a)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、可変表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御プロセス処理を実行する(ステップS707)。さらに、コマンド解析処理や演出制御プロセス処理、報知制御プロセス処理でセットされたデータをシリアル出力回路353に出力したり、各入力IC620,621から受信したデータをシリアル入力回路354から読み込むシリアル入出力処理を実行する(ステップS708)。そして、操作部81における押圧操作部811および回転操作部812の故障を検出する操作部故障判定処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
図78は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、シリアル入力回路102は、例えば、自回路の段数分(ビット分)のシリアルデータを受信したら、受信完了信号を演出制御用CPU101に出力する。受信完了信号は、例えば演出制御用CPU101の割込端子に入力される。演出制御用CPU101は、受信完了信号が割込端子に入力されたことにもとづいて開始される割込処理で、入力ポート103を介してシリアル入力回路102からデータを入力する。そして、入力したデータを、コマンド受信バッファにおけるコマンド受信個数カウンタが指す受信コマンドバッファに格納するとともに、コマンド受信個数カウンタの値を+1する。コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図49参照)であるのか解析する。
図79〜図81は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(ステップS612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、表示結果特定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を可変表示装置9に表示する制御を行なう(ステップS632A)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、RAMクリアフラグをセットする(ステップS632C)。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(ステップS634)とともに、初期報知フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが乱数回路エラー指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが満タンエラー解除指定コマンドであれば(ステップS649)、演出制御用CPU101は、後述するステップS652でセットされた満タンエラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS650)。
受信した演出制御コマンドが満タンエラー報知指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドがドア開放エラー解除指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、後述するステップS656でセットされたドア開放エラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS654)。
受信した演出制御コマンドがドア開放エラー報知指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグをセットする(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが球切れエラー解除指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、後述するステップS660でセットされた球切れエラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドが球切れエラー報知指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグをセットする(ステップS660)。
受信した演出制御コマンドが賞球エラー解除指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、後述するステップS664でセットされた払出エラー報知中フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが賞球エラー報知指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、払出エラー報知中フラグをセットする(ステップS664)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS665)。そして、ステップS611に移行する。
図82は、操作検出処理(ステップS704a)を示すフローチャートである。操作検出処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。まず、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81cおよび第4押圧検出器81dから入力される検出信号に基づいて、これらの押圧検出器のうち、いずれか1つの押圧検出器が操作を検出した状態となっているか否かを判断する(ステップS671)。具体的には、RAMの所定の格納領域に格納された第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81cおよび第4押圧検出器81dのそれぞれの検出データを読出し、その検出データに基づいて、いずれか1つの押圧検出器が操作を検出した状態となっているか否かを判断する。いずれか1つの押圧検出器が操作を検出した状態となっていると判断したときは、操作を検出した押圧検出器に対応する操作方向を特定する方向選択操作検出フラグをセットし(ステップS672)、後述するステップS675に進む。
方向選択操作検出フラグは、押圧操作部811の前方向部が操作されことにより前方向選択操作が検出されたことを示す前方向選択操作検出フラグと、押圧操作部811の後方向部が操作されことにより後方向選択操作が検出されたことを示す後方向選択操作検出フラグと、押圧操作部811の左方向部が操作されことにより左方向選択操作が検出されたことを示す左方向選択操作検出フラグと、押圧操作部811の右方向部が操作されことにより右方向選択操作が検出されたことを示す右方向選択操作検出フラグとを含み、操作を検出した押圧検出器に対応して選択される。例えば、第1押圧検出器81aが操作を検出したときには、前方向選択操作検出フラグがセットされる。第2押圧検出器81bが操作を検出したときには、左方向選択操作検出フラグがセットされる。第3押圧検出器81cが操作を検出したときには、後方向選択操作検出フラグがセットされる。第4押圧検出器81dが操作を検出したときには、右方向選択操作検出フラグがセットされる。
ステップS671においていずれか1つの押圧検出器が操作を検出した状態となっていないと判断したときは、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81cおよび第4押圧検出器81dから入力される検出信号に基づいて、これらの押圧検出器のうち、いずれか複数の押圧検出器が操作を検出した状態となっているか否かを判断する(ステップS673)。具体的には、RAMの所定の格納領域に格納された第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81cおよび第4押圧検出器81dのそれぞれの検出データを読出し、その検出データに基づいて、いずれか複数の押圧検出器が操作を検出した状態となっているか否かを判断する。いずれか複数の押圧検出器が操作を検出した状態となっていると判断したときは、押圧操作部811全体を下方へ押圧する決定操作が行なわれたものと判断できるので、決定操作が検出されたことを示す決定操作検出フラグをセットし、後述するステップS675に進む。一方、いずれか複数の押圧検出器が操作を検出した状態となっていないと判断したときは、いずれの押圧検出器も操作を検出した状態となっていないので、そのまま後述するステップS675に進む。
ステップS675では、回転操作部812の回転操作に関する判定を行なう回転操作判定処理を実行し、処理を終了する。回転操作判定処理の処理内容については、図83を用いて後述する。
図83は、回転操作判定処理(ステップS675)を示すフローチャートである。回転操作判定処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。まず、RAMの所定の格納領域に格納された第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fのそれぞれの検出データを今回の判定データ(以下、今回判定データという)として読出す(ステップS711)。さらに、前回の判定データ(以下、前回判定データという)として用いられ、RAMの予め定められた前回判定データ格納領域に格納された前回判定データを読出す(ステップS712)。
次に、読出した前回判定データと今回判定データとを比較し、これらのデータが異なるか否かを判断する(ステップS713)。具体的には、前回判定データと今回判定データとで第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fの検出信号のレベルのうち少なくとも一方の検出信号のレベルが異なるときに、これらのデータが異なると判断する。前回判定データと今回判定データとが異ならないと判断したときには、後述するステップS718に進む。一方、前回判定データと今回判定データとが異なると判断したときには、図32に示した回転判定テーブルを参照し、前回判定データと今回判定データとに基づいて、前回判定データと今回判定データとの判定データの組合せと、回転方向と回転量との関係から、回転操作部812の回転方向と回転量とを判定(決定)する。例えば、前回判定データが「H,H」で今回判定データが「L,H」であるときのように、右回転操作によりカバープレート815の突起8151がダイヤルベース816における凸部の頂点を通過したときの信号レベルの変化があったときには、前述した理由により、回転方向が右回転であり、回転量が15度分回転したと判定する。
次に、1クリック分の回転量(15度の回転量)に該当する回転が検出されたか否かを判断する(ステップS715)。1クリック分の回転量に該当する回転が検出されていないと判断したとき、すなわち、図32の回転判定テーブルにおいて該当する判定データの組合せが設定されていないときは(例えば、前回判定データが「H,L」で今回判定データが「H,H」であるときのように、カバープレート815の突起8151がダイヤルベース816における各凹部の底部に入ったときの信号レベルの変化があったときには、前述した理由により、回転はしているが1クリック分の回転は検出されていないので、回転方向および回転量を判定しない)、後述するステップS718に進む。一方、1クリック分の回転量に該当する回転が検出されていると判断したときに、すなわち、図32の回転判定テーブルにおいて該当する判定データの組合せが設定されているときは、ステップS714により判定した回転方向のデータおよび回転量のデータをRAMにおいて予め定められた領域に設けられた回転検出データ記憶領域に記憶させる(ステップS716)。そして、回転操作が検出されたことを示す回転操作検出フラグをセットし、ステップS718に進む。
ステップS718では、今回判定データを前回判定データとして記憶することにより、前回判定データを更新記憶し、処理を終了する。
図84は、図77に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。また、変動パターンコマンドを所定期間に亘り受信していないときに、図33に示すような演出モードの選択に関する表示を可変表示装置9において行ない、演出モードの選択を可能とする処理を行なう。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、可変表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行なう。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、可変表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):可変表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図85は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ、図33に示すような画像を表示して演出モードの選択を可能とするための演出モード選択処理を実行し(ステップS814)、処理を終了する。演出モード選択処理については、図86を用いて後述する。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新し(ステップS813)、処理を終了する。
図86は、図85に示された変動パターンコマンド受信待ち処理における演出モード選択処理(ステップS814)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。まず、演出モード選択受付中フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS721)。演出モード選択受付中フラグは、演出モードの選択操作を受付中であることを示すフラグであり、図33の(b)に示す演出モード選択受付画像が表示されたときにセットされ、図33の(d)に示す演出モード決定画像が表示されたときにリセットされる。
前述のような演出モード選択受付中フラグがセットされていると判断したときには、後述するステップS728に進む。一方、演出モード選択受付中フラグがセットされていないと判断したときは、いずれかの方向選択操作検出フラグ、または、決定操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS723)。これらの検出フラグのうちどの検出フラグもセットされていないと判断したときは、処理を終了する。これにより、押圧操作部811により方向選択操作および決定操作のうちのどの操作も行なわれなかったときには、図33の(b)に示すような演出モード選択受付画像が表示されない。一方、これらの検出フラグのうちいずれかの検出フラグがセットされていると判断したときは、セットされている検出フラグをリセットし(ステップS724)、ステップS725に進む。
ステップS725では、図33の(b)に示すような演出モード選択受付画像の表示を開始する(ステップS725)。そして、演出モード選択受付画像が所定期間表示された後、前述したように、(c)のように選択可能な演出モードA〜演出モードCの3つの演出モードを示す画像が表示される。さらに、操作部中央ランプ82Aを青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列を点灯表示(点滅表示でもよい)することにより回転操作部812を回転操作することを案内する回転操作案内発光動作をさせるためにシリアル設定処理を実行する(ステップS726)。そして、演出モード選択受付中フラグをセットし、処理を終了する。これにより、次回の演出モード選択処理においては、ステップS721からステップS728に進むこととなる。このように、押圧操作部811により方向選択操作および決定操作のうちのいずれかの操作が行なわれたときには、図33の(b)に示すような演出モード選択受付画像が表示され、演出モードを選択することが可能となる。なお、押圧操作部811の操作に限らず、回転操作部812の回転操作が行なわれたときにも、図33の(b)に示すような演出モード選択受付画像が表示され、演出モードを選択することが可能となるようにしてもよい。
演出モード受付フラグがセットされていると判断してステップS721からステップS728に進んだ場合は、前述した回転操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS728)。回転操作検出フラグがセットされていないと判断したときは、後述するステップS732に進む。一方、回転操作検出フラグがセットされていると判断したときは、回転操作にしたがって演出を選択する(ステップS729)。例えば、このような回転操作は、図33の(c)のように選択可能な演出モードA〜演出モードCの3つの演出モードを示す画像が表示されたことに応じて行なわれる。具体的に、ステップS729では、1クリック分の回転量ごとに、選択する演出モードを切替える。例えば、初期状態においては、演出モードAが選択されており、左回転の回転操作が行なわれるときは、演出モードA→演出モードB→演出モードC→演出モードA・・・の順で回転操作にしたがって演出モードを選択する。また、右回転の回転操作が行なわれるときは、演出モードA→演出モードC→演出モードB→演出モードA・・・の順で回転操作にしたがって演出モードを選択する。そして、ステップS729により選択した演出モードを特定する演出モード選択画像を図33の(c),(d)に示すように表示させる(ステップS730)。
なお、ここでは、1クリック分の回転量ごとに、選択する演出モードを切替える例を示した。しかし、これに限らず、同一回転方向への複数クリック分の回転量ごとに、選択する演出モードを切替える制御を行なうようにしてもよい。図33のように選択する演出モードが3つのときには、例えば、8クリック分の回転量(120度)ごとに、選択する演出モードを切替える制御を行なうようにしてもよい。
次に、回転操作検出フラグをリセットし(ステップS731)、操作部中央ランプ82Aを赤色に発光することによって押圧操作部811上に「押せ!!」などの文字列を点滅表示(点灯表示でもよい)することにより押圧操作部811を押圧操作することを案内する押圧操作案内発光動作をさせるためにシリアル設定処理を実行する(ステップS731A)。そして、ステップS732に進む。
ステップS732では、前述した決定操作検出フラグがセットされているか否かを判断する。決定操作検出フラグがセットされていないと判断したときは、処理を終了する。一方、決定操作検出フラグがセットされていると判断したときは、決定操作にしたがって演出を決定する(ステップS733)。例えば、このような決定操作は、図33の(c)のように選択可能な演出モードA〜演出モードCの3つの演出モードを示す画像が表示されたことに応じて行なわれる。具体的に、ステップS733では、その時点で選択されている演出モードを、実行する演出モードとして決定し、その決定した演出モードをRAMの所定領域に設けられた決定演出モード記憶領域に記憶(更新記憶)する処理が行なわれる。そしてステップS733により決定した演出モードを特定する演出モード決定画像を図33の(d)に示すように表示させる(ステップS734)。次に、演出モード選択受付中フラグをリセットする(ステップS735)とともに、決定操作検出フラグをリセットし(ステップS736)する。そして、ステップS733で選択決定した演出モードでの画像表示を図33の(e)に示すように開始させ(ステップS737)、処理を終了する。
なお、演出モード選択処理によりステップS730で回転操作に応じて演出モード選択画像が表示された後、決定操作が行なわれる前の段階で、図85のステップS811により変動パターンコマンドを受信したと判断(変動パターンコマンドフラグがセットされていると判断)されたときには、図85のステップS812,S813に示すように、飾り図柄変動開始処理にプロセスが移行するので、可変表示装置9で表示される画像は、飾り図柄を変動表示する画像に切替えられる。このような場合は、演出モードの選択の変更は有効とはならず、演出モード受付画像が表示される前に選択されていた演出モードが継続される。
図87は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS816)。
次いで、表示結果特定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS817)。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされていなければ、ステップS830に移行する。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされている場合には、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS818)。
図88は、可変表示装置9における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図88に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが小当りまたは突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての左中右の飾り図柄として「135」(小当りまたは突然確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。なお、可変表示装置9に導出表示される左中右の飾り図柄の組合せが飾り図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。突然確変大当りを想起させるような停止図柄を突然確変大当り図柄といい、小当りを想起させるような停止図柄を小当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU101は、表示結果特定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS819)。次いで、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
図89は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って可変表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。なお、この実施の形態では、図89に示す通常の遊技演出に用いられるプロセステーブルとは別に、各種エラー報知を行う際に用いられるエラー報知用のプロセステーブル(エラー用報知プロセステーブル)が用意されている。エラー報知用プロセステーブルの詳細については後述する。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、可変表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図89に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
次いで、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグやその他のエラーフラグ(RAMクリアフラグ、乱数回路エラー報知中フラグ、満タンエラー報知中フラグ、ドア開放エラー報知中フラグ、球切れエラー報知中フラグ、払出エラー報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての可変表示装置9、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データ1に従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS835C)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技状態が通常状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fのみを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技状態が確変状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fを点灯させるとともに、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(上皿ランプおよび下皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS835Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、ランプ制御実行データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835D)。つまり、異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプによる表示演出がそのまま実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知(RAMクリア報知、乱数回路エラー報知、満タンエラー報知、ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、払出エラー報知)に応じたランプによる表示演出が継続される。
また、ステップS835Dの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、可変表示装置9におけるそのときの表示(例えば、乱数回路エラーの報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に可変表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、各種エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、各種エラー報知に応じた報知も継続される。
この実施の形態では、後述するように、例えば、異常報知中フラグがセットされている場合には、ステップS835Dにおいて、演出制御用CPU101は、飾り図柄の新たな可変表示を開始するとともに、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fを点滅させる異常入賞報知を継続する。
また、例えば、RAMクリアフラグがセットされている場合には、ステップS835Dにおいて、演出制御用CPU101は、飾り図柄の新たな可変表示を開始するとともに、遊技枠11側の全ランプ(上皿ランプ、下皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させ所定のエラー音を出力させるRAMクリア報知を継続する。
また、例えば、ドア開放エラー報知中フラグがセットされている場合には、ステップS835Dにおいて、演出制御用CPU101は、飾り図柄の新たな可変表示を開始するとともに、遊技枠11側の全ランプ(上皿ランプ、下皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させ、「扉が開いています」との音声と所定のエラー音とを出力させるドア開放エラー報知を継続する。
また、例えば、球切れエラー報知中フラグがセットされている場合には、ステップS835Dにおいて、演出制御用CPU101は、飾り図柄の新たな可変表示を開始するとともに、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させ、上皿ランプのLED882a〜882fを点灯させる球切れエラー報知を継続する。
また、例えば、満タンエラー報知中フラグがセットされている場合には、ステップS835Dにおいて、演出制御用CPU101は、飾り図柄の新たな可変表示を開始するとともに、下皿ランプのLED884a〜884fを点灯させる満タンエラー報知を継続する。
また、例えば、払出エラー報知中フラグがセットされている場合には、ステップS835Dにおいて、演出制御用CPU101は、飾り図柄の新たな可変表示を開始するとともに、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させ、上皿ランプのLED882a〜882fを点滅させる払出エラー報知を継続する。
また、例えば、乱数回路エラー報知中フラグがセットされている場合には、ステップS835Dにおいて、演出制御用CPU101は、飾り図柄の新たな可変表示を開始するとともに、遊技枠11側の全ランプおよび上皿ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882fを点灯させ、所定のエラー音を出力し可変表示装置9に「エラー」を表示させる乱数回路エラー報知を継続する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS837)。
ステップS830では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したか否か確認する。この実施の形態では、図47に示すように、「リーチC・短縮」、「リーチC」および「スーパーリーチA」の変動パターンコマンドが、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドである。よって、演出制御用CPU101は、それらの変動パターンコマンドを示すデータが変動パターンコマンド格納領域に格納されていた場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定する。演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定する(ステップS832)。また、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた飾り図柄の組合せに決定する(ステップS831)。なお、この実施の形態では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドは、はずれ時に使用されるか、大当りの種類に応じて使用される(図47参照)。よって、演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合には、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、はずれに決定されているのか大当り(小当りを含む。)に決定されているのか特定でき、かつ、大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類を特定できる。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信した場合に、表示結果特定コマンドを受信できなかったときには、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を通常大当り図柄に決定するように構成されているので、表示結果特定コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。また、変動パターンコマンドに飾り図柄の表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果特定コマンドを受信できなくても飾り図柄の表示結果を決定できるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担は増大しない。
図90は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、操作部故障判定用カウントタイマを「1」だけ加算更新する(ステップS840)。操作部故障判定用カウントタイマは、操作部81が故障しているか否かを判定するためのデータとして、飾り図柄の変動表示時間を累積カウントするタイマである。飾り図柄の変動表示中は、遊技者がパチンコ遊技機1で遊技を行っているときであり、操作部81が特に使用される期間である。後述する操作部故障判定処理(図97)では、この期間(操作部故障判定用カウントタイマ値)に基づいて故障判定を行なうので、正確な故障判定をすることができる。
次に、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。
また、異常報知中フラグやその他のエラーフラグ(RAMクリアフラグ、乱数回路エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、払出エラー報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845A,S845B)。
ステップS845Bにおいて、演出制御用CPU101は、例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS845C)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技状態が通常状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fのみを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技状態が確変状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fを点灯させるとともに、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(打球供給皿3に設けられたランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS845Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
次に、リーチ状態であるか否かを判断する(ステップS845D)。リーチ状態であると判断したときには、図34〜図36に示すようなリーチ時における操作部81の操作に応じた演出を行なう操作時演出処理(ステップS845E)を実行した後、後述するステップS846に進む。操作時演出処理については、図91を用いて後述する。一方、リーチ状態ではないと判断したときには、後述するステップS846に進む。
ステップS845Aで異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiおよびランプ制御実行データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845F)。よって、異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の変動表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知(RAMクリア報知、乱数回路エラー報知、満タンエラー報知、ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、払出エラー報知、操作部故障報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、ステップS845Fの処理が行なわれるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiに基づく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグやその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の変動表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図91および図92は、飾り図柄変動中処理における操作時演出処理(ステップS845E)を示すフローチャートである。操作時演出処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。
まず、実行中のプロセスデータに基づいて、現在のリーチ状態が回転操作を要求する種類のリーチ時(例えば、前述のリーチD、リーチE、または、リーチFの表示時)であるか否かを判断する(ステップS751)。回転操作を要求する種類のリーチ時ではないと判断したときは、後述するステップS764に進む。一方、回転操作を要求する種類のリーチ時であると判断したときは、実行中のプロセスデータおよびプロセスタイマの値に基づいて、回転操作部812の回転操作を要求する回転操作要求期間であるか否かを判断する(ステップS752)。ここで、回転操作要求期間とは、回転操作部812の回転操作を受付ける期間であり、例えば、図34および図35の(c),(d)のようなミニゲームが実行される期間である。
回転操作要求期間ではないと判断したときは、後述するステップS757に進む。一方、回転操作要求期間であると判断したときは、前述の回転操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS753)。回転操作検出フラグがセットされていないと判断したときは、回転操作部の操作を案内するLED、すなわち、操作部中央ランプ82Aを青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列を点灯表示(点滅表示でもよい)することにより回転操作部812を回転操作することを案内する回転操作案内発光動作をさせるためにシリアル設定処理を実行し(ステップS754)、ステップS757に進む。一方、回転操作検出フラグがセットされていると判断したときは、回転操作にしたがって可変表示装置9を制御する(ステップS755)。具体的に、ステップS755では、図34および図35の(c),(d)に示すようなエアホッケーのミニゲームの画像において、1クリックの回転量ごとにマレット908を所定動作量だけ動作させる表示を行なうとともに、そのマレット908の動作に応じてパック907が打ち返される等、ミニゲームを進行させる表示が行なわれる。次に、回転操作検出フラグをリセット(ステップS756)し、ステップS757に進む。
なお、ここでは、1クリック分の回転量ごとに、マレット908を所定動作量だけ動作させる表示をする例を示した。しかし、これに限らず、同一回転方向への複数クリック分の回転量ごとに、マレット908を所定動作量だけ動作させる表示をする制御を行なうようにしてもよい。
ステップS757では、実行中のプロセスデータに基づいて、現在のリーチ状態がスーパーリーチの演出表示時であるか否かを判断する。具体的に、ステップS757においては、図34の(e)〜(i)に示すようなスーパーリーチであることを特定する演出の実行時であるか否かを判断する。スーパーリーチであることを特定する演出の実行時ではないと判断したときは、処理を終了する。図35に示すようなスーパーリーチであることを特定する演出が実行されないリーチEのときには、操作部81において決定操作を行なっても、操作に応じた表示は行なわれない。一方、スーパーリーチであることを特定する演出の実行時であると判断したときは、実行中のプロセスデータに基づいて、図34の(f),(g)に示すような押圧操作部811の押圧操作を要求する期間であるか否かを判断する(ステップS758)。
押圧操作を要求する期間ではないと判断したときは、処理を終了する。一方、押圧操作を要求する期間であると判断したときは、前述した決定操作検出フラグ、または、いずれかの方向選択操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS759)。
このようなフラグがセットされていないと判断したときは、決定操作部の操作を案内するLED、すなわち、操作部中央ランプ82Aを赤色に発光することによって押圧操作部811上に「押せ!!」などの文字列を点滅表示(点灯表示でもよい)することにより押圧操作部811を押圧操作することを案内する押圧操作案内発光動作をさせるためにシリアル設定処理を実行し(ステップS760)、処理を終了する。一方、このようなフラグがセットされていると判断したときは、決定操作または方向選択操作にしたがって可変表示装置9を制御する(ステップS761)。具体的に、ステップS761では、図34の(g)に示すようなチャンス表示において、押圧操作部811の決定操作または方向選択操作による押圧操作回数の増加に応じて、棒グラフ形式で表示されるパワーの値が増加する表示を行なう。なお、図34の(h),(i)に示すような貯まっているパワーに応じて表示される中飾り図柄の停止図柄を決める演出表示の画像は、操作部81の操作が演出に関与しないので、プロセスデータに応じて行なわれる。そして、押圧操作部811の決定操作または方向選択操作が行なわれたことに応じて、決定操作に対応するLED(例えば、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82d)を発光させるためにシリアル設定処理を実行する(ステップS762)。次に、セットされた操作検出フラグをリセット(ステップS763)し、処理を終了する。
また、前述のステップS751により回転操作を要求する種類のリーチ時ではないと判断したときは、実行中のプロセスデータに基づいて、図36の(b),(c)に示すような押圧操作部811の方向選択操作を要求する期間であるか否かを判断する(ステップS764)。方向選択操作を要求する期間ではないと判断したときは、後述するステップS771に進む。一方、方向選択操作を要求する期間であると判断したときは、前述したいずれかの方向選択操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS765)。
いずれかの方向選択操作検出フラグがセットされていないと判断したときは、方向選択操作部の操作を案内するLED、すなわち、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dの4つのランプを点滅(点灯でもよい)させることにより押圧操作部811の前方向部、後方向部、左方向部、および右方向部の4つの部分のいずれかを操作する方向選択操作をすることを案内する操作案内発光動作をさせるためにシリアル設定処理を実行するシリアル設定処理を実行し(ステップS766)、後述するステップS771に進む。一方、いずれかの方向選択操作検出フラグがセットされていると判断したときは、方向選択操作にしたがってキャラクタを選択する(ステップS767)。具体的に、ステップS767では、1回の方向選択があるごとに、キャラクタを選択する。例えば、初期状態においては、キャラクタAが選択されており、押圧操作部811の前方向部が操作されたときはキャラクタAを選択し、押圧操作部811の左方向部が操作されたときはキャラクBを選択し、押圧操作部811の後方向部が操作されたときはキャラクCを選択し、押圧操作部811の右方向部が操作されたときはキャラクDを選択することにより、方向選択操作にしたがってキャラクタを選択する。
なお、前述のステップS766においては、選択するキャラクタが4つであり、押圧操作部811の前方向部、後方向部、左方向部、および右方向部の4つの部分のいずれかを操作する方向選択操作をする必要があるため、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dの4つのランプを点滅させる操作案内発光動作を行なう例を示した。しかし、これに限らず、例えば選択するキャラクタを示す画像が左右に2つ並んで表示される場合には、押圧操作部811の左方向部および右方向部のうちのいずれかを操作する方向選択操作をする必要があるため、左方向部および右方向部のそれぞれに対応する2つの押圧操作部ランプのみを点滅させる操作案内発光動作を行なうようにすればよい。すなわち、操作案内発光動作は、表示画面で表示される画像との関係で、操作する必要がある部分に対応するランプのみを点滅(点灯でもよい)させるようにすればよい。
そして、ステップS767により選択したキャラクタを特定するキャラクタ選択画像を図36の(b),(c)に示すように表示させる(ステップS768)。そして、押圧操作部811の方向選択操作が行なわれたことに応じて、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dの4つのランプのうち、方向選択操作に対応するLED、すなわち、操作された方向に対応するランプを点灯させるためにシリアル設定処理を実行する(ステップS769)。次に、セットされている方向選択操作検出フラグをリセットし(ステップS770)、ステップS771に進む。
ステップS771では、実行中のプロセスデータに基づいて、方向選択操作の終了時となったか否か、すなわち、方向選択操作が受付けられる所定の時間が経過したか否かを判断する。方向選択操作の終了時でないと判断したときは、処理が終了する。一方、方向選択操作の終了時であると判断したときは、その時点で選択されているキャラクタを、選択決定するキャラクタとして決定し(ステップS772)、その選択決定したキャラクタをRAMの所定領域に設けられた決定キャラクタ記憶領域に記憶する処理が行なわれる。そしてステップS772により決定したキャラクタにしたがって、可変表示装置9を制御し(ステップS773)、リターンする。具体的にステップS773では、ステップS772で決定したキャラクタの画像を図36の(d)に示すように表示させる処理を開始させる。
図93は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、決定されている停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS854)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS855)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS856)。時短状態フラグは、遊技状態が時短状態である場合にセットされている(後述するステップS886参照)。この実施の形態では、遊技状態が時短状態に移行された場合には、大当りが発生したときに時短状態を終了させるか、特別図柄および飾り図柄の変動表示を所定回数(例えば、100回)実行しても大当りは発生しなかったときに時短状態を終了させるように制御する。そのため、演出制御用CPU101は、まず、時短状態フラグがセットされている場合には、時短変動回数カウンタの値を+1する(ステップS857)。
そして、演出制御用CPU101は、時短変動回数カウンタの値が100になっているか否か確認する(ステップS858)。時短変動回数カウンタの値が100になっている場合には、時短状態フラグをリセットする(ステップS859)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS860)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図94は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、可変表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、この実施の形態では、大当りの種類が異なっても、同じ大当り終了画面が可変表示装置9に表示される。例えば、大当り終了表示と小当り終了表示とは同じである。しかし、大当り終了表示(小当り終了表示を含む。)を、大当りの種類に応じて分けるようにしてもよい。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短状態フラグをセットし(ステップS887)、時短回数カウンタに0を設定する(ステップS888)。また、大当り終了1指定コマンドを受信している場合には、確変状態フラグをリセットする(ステップS889,S891)。大当り終了1指定コマンドを受信していない場合(大当り終了2指定コマンドを受信している場合)には、確変状態フラグをセットする(ステップS889,S890)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
確変状態フラグおよび時短状態フラグは、例えば、演出制御用CPU101が、確変状態および時短状態を、可変表示装置9における背景や装飾発光体(ランプ・LED)によって報知する場合に使用される。
図95は、可変表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図95(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図95(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。
次に、ステップS707の報知制御プロセス処理について説明する。まず、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様について説明する。図96は、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様の例を示す説明図である。図96に示すように、RAMクリア報知は、遊技機の電源投入から所定期間(例えば31秒間)実行される。演出制御用CPU101は、RAMクリア報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるとともに、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。
また、ドア開放エラー報知は、遊技枠11が開放されている間(例えば、ドア開放センサ155の検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させる制御を行う。また、スピーカ27に「扉が開いています」という音声とともに所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。
また、球切れエラー報知は、球切れ発生から球切れ状態が解除されるまで(例えば、球切れスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、球切れエラー報知を行う場合、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるとともに、上皿ランプ882a〜882fを点灯させる制御を行う。また、満タンエラー報知は、下皿の満タン状態の発生から満タン状態が解除されるまで(例えば、満タンスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、満タンエラー報知を行う場合、下皿ランプのLED884a〜884fを点滅させる制御を行う。
また、払出エラー報知は、賞球異常発生から賞球異常状態が解除されるまで実行される。演出制御用CPU101は、払出エラー報知を行う場合、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるとともに、上皿ランプのLED882a〜882fを点滅させる制御を行う。また、乱数回路エラー報知は、遊技機の電源投入の際に乱数回路エラーを検出してから電源がオフされるまで実行される。演出制御用CPU101は、乱数回路エラー報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプおよび上皿ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882fを点灯させるとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。また、可変表示装置9に「エラー」と表示させる制御を行う。この場合、可変表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の可変表示)が行われている場合には、可変表示装置9に「エラー」という文字列を重畳表示させる。
また、異常入賞エラー報知は、異常入賞の発生から所定期間(例えば30秒間)実行される。演出制御用CPU101は、異常入賞報知を行う場合、上皿ランプの側面側のみのLED882a,882b,882e,882fを点滅させる制御を行う。
また、操作部故障報知は、操作部81が故障していると判定されている間中(故障中)、または、所定定期間中報知される。演出制御用CPU101は、操作部故障報知を行なう場合、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点灯させる制御を行なうとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行なう。
次に、ステップS709の操作部故障判定処理について説明する。図97は、メイン処理における操作部故障判定処理(ステップS709)を示すフローチャートである。操作部故障判定処理では、演出制御用CPU101は、まず、故障判定用操作検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS781)。故障判定用操作検出フラグは、押圧操作部811の操作が検出されたことに基づいてセットされるフラグである(シリアル入出力処理におけるステップS976、図113参照)。セットされていれば(ステップS781のY)、演出制御用CPU101は、故障判定用操作検出フラグをリセットして(ステップS782)、操作部故障判定用カウントタイマをリセットする(ステップS783)。その後、処理を終える。また、故障判定用操作検出フラグがセットされていなければ(ステップS781のN)、演出制御用CPU101は、操作部故障判定用カウントタイマ値が所定値(例えば30日)以上であるか否かを確認する(ステップS784)。操作部故障判定用カウントタイマ値が30日以上であれば(ステップS784のY)、演出制御用CPU101は、操作部故障フラグをセットする(ステップS785)。そして、その後処理を終える。
なお、この実施の形態では、操作部81において押圧操作部811を操作部81の故障判定対象とした例を示した。しかし、これに限らず、回転操作部812を操作部81の故障判定対象として、操作部故障判定処理を行ない、故障と判定されたときに、前述のような操作部の故障に関する報知を行なうようにしてもよい。また、押圧操作部811および回転操作部812の両方を操作部81の故障判定対象として、操作部故障判定処理を行ない、故障と判定されたときに、前述のような操作部の故障に関する報知を行なうようにしてもよい。
図98は、メイン処理における報知制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。報知制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値に応じてステップS1900,S1901のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
報知開始処理(ステップS1900)は、コマンド解析処理でセットされる各エラーフラグ(初期報知フラグ、乱数回路エラーフラグ、異常入賞報知指定コマンド受信フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知フラグ、払出エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)にもとづいて、エラーの報知を開始する処理である。エラーの報知を開始すると、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(ステップS1901)に対応した値に変更する。
報知中処理(ステップS1901)は、各エラーフラグ(初期報知中フラグ、乱数回路エラー報知中フラグ、異常報知中フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知中フラグ、払出エラー報知中フラグ、球切れエラー報知中フラグ)にもとづいて、エラーの報知を継続する処理である。また、エラーの報知期間(初期報知期間、RAMクリア報知期間)を経過したこと、またはコマンド解析処理でセットされるエラー報知解除フラグにもとづいて、エラーの報知を終了する。エラーの報知を終了すると、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1901)に対応した値に変更する。
図99〜図101は、図98に示された報知制御プロセス処理における報知開始処理(ステップS1900)を示すフローチャートである。報知開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1911)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、期間タイマ1に、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS1912)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
次いで、演出制御用CPU101は、初期報知フラグをリセットするとともに、初期報知を行っていることを示す初期報知中フラグをセットする(ステップS1912A)。そして、ステップS1950に移行する。
初期報知フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1913)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、ドア開放エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1914)。この実施の形態では、各種エラー報知を行う際にスピーカ27および各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882dを制御するためのエラー用のプロセスデータ(エラー用プロセスデータ)があらかじめ用意されている。なお、エラー用プロセスデータの詳細については後述する。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1915)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1916)。例えば、演出制御用CPU101は、「扉が開いています」などの音声とともに所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理(図111参照)を実行する(ステップS1917)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1917でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグをリセットするとともに、ドア開放エラー報知を行っていることを示すドア開放エラー報知中フラグをセットする(ステップS1917A)。そして、ステップS1950に移行する。
なお、この実施の形態では、後述するように、上皿ランプの側面側のみのLED882a,882b,882e,882fを点滅させることによって、不正行為者に気付かれることなく異常入賞報知を行う場合を説明するが、ドア開放エラー報知演出を上皿ランプの側面側のみのLED882a,882b,882e,882fを点灯または点滅させることによって行ってもよい。そのようにすれば、遊技機1のドアを開放して内部に何らかの細工を施すなどの不整行為が行われた場合にも、不正行為者に気付かれることなく不正を報知することができる。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1918)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーであることを示す乱数回路エラー表示画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS1919)。次いで、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1920)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1921)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1922)。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1923)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1923でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグをリセットするとともに、乱数回路エラー報知を行っていることを示す乱数回路エラー報知中フラグをセットする(ステップS1923A)。そして、ステップS1950に移行する。
乱数回路エラーフラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1924)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、異常入賞報知に応じたランプ制御を行うためのエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1925)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1926)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1927)。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1928)。例えば、演出制御用CPU101は、上皿ランプの左側面のLED882a,882bおよび右側面のLED882e,882fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1928でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して打球供給皿(上皿)3の背面側に配置された枠側IC基板605Aに出力される。
なお、異常入賞報知を行う際に何らかの遊技演出(例えば、大当り演出や飾り図柄の変動表示)が行われている場合には、ステップS1928において、演出制御用CPU101は、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fを制御するためのランプ制御信号とともに、現在実行中の遊技演出に対応したランプのLEDを制御するためのランプ制御信号を、所定のデータ格納領域にセットする。したがって、例えば、遊技演出において、天枠ランプ,左枠ランプおよび右枠ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの点滅表示が行われている場合には、天枠ランプ,左枠ランプおよび右枠ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの点滅表示が継続されるとともに、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fが点滅表示される。そのようにすることによって、遊技機1の正面側からは異常入賞報知の開始前と開始後とで全く同様の態様で遊技演出が継続されるとともに、遊技機1側面側からは上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fの点滅状態を確認することによって、異常入賞の発生の有無を確認することができる。よって、遊技機1の正面側にいる不正行為者に気付かれることなく、遊技機1の側面側にいる遊技店員などに異常入賞の発生を報知することができ不正行為が行われたことを知らせることができる。
そして、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)およびランプの表示(異常報知の点滅)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットするとともに、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1929)。そして、ステップS1950に移行する。
なお、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否かの確認を、乱数回路エラーフラグがセットされているか否かを確認するよりも前に確認するようにし、ステップS1924〜S1929の異常入賞報知の開始処理を、ステップS1918〜S1923Aの乱数回路エラー報知の開始処理に優先して実行するようにしてもよい。そのようにすれば、異常入賞の発生を乱数回路エラーの発生に優先して報知することができる。したがって、不正行為による異常入賞の発生を優先して報知して遊技店員などに知らせることができ、より効果的に不正行為の発生を報知することができる。
異常入賞報知指定コマンド受信フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、RAMクリアフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1930)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、RAMクリア報知に応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1931)。RAMクリア報知とは、初期化処理が実行されRAMがクリアされたことを報知する処理である。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1932)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1933)。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1934)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(上皿ランプおよび下皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1934でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。そして、ステップS1950に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、期間タイマ2に、RAMクリア報知期間値に相当する値を設定する(ステップS1935)。RAMクリア報知期間は、RAMクリア報知の報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、RAMクリア報知期間が経過すると、RAMクリア報知を終了させる。なお、初期報知期間とRAMクリア報知期間とは同じ期間であってもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、RAMクリアフラグをリセットするとともに、RAMクリア報知を行っていることを示すRAMクリアフラグをセットする(ステップS1935A)。そして、ステップS1950に移行する。
RAMクリアフラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1936)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、満タンエラーであることを示す満タンエラー表示画面を可変表示装置9に表示する制御を行なう(ステップS1937)。次いで、演出制御用CPU101は、満タンエラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1938)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1939)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1940)。例えば、演出制御用CPU101は、「下皿が満タンです」等の音声を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、下皿ランプ84a〜84fを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1941)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた下皿ランプのLED884a〜884fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1941でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して枠側IC基板605Bに出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグをリセットするとともに、満タンエラー報知を行っていることを示す満タンエラー報知中フラグをセットする(ステップS1941A)。そして、ステップS1950に移行する。
満タンエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、払出エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1942)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、払出エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1943)とともに、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1944)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,882a〜882fを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1945)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプおよび上皿ランプのLED281a〜281l,882a〜882fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1945でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602,605Aに出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、払出エラー報知フラグをリセットするとともに、払出エラー報知を行っていることを示す払出エラー報知中フラグをセットする(ステップS1945A)。そして、ステップS1950に移行する。
なお、この実施の形態では、払出エラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行いスピーカ27を用いた音による報知処理を行わない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行うようにしてもよい。
払出エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1946)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、球切れエラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1947)とともに、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1948)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,882a〜882fを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1949)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるとともに、上皿ランプのLED882a〜882fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1949でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602,605Aに出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグをリセットするとともに、球切れエラー報知を行っていることを示す球切れエラー報知中フラグをセットする(ステップS1949A)。そして、ステップS1950に移行する。
なお、この実施の形態では、賞球エラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行いスピーカ27を用いた音による報知処理を行なわない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行うようにしてもよい。
球切れエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、操作部故障フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1951)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、操作部故障に応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1952)とともに、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1953)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行し(ステップS1954)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1954でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。ステップS1954の後、ステップS1950に移行する。
ステップS1950では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(ステップS1901)に対応した値に変更し、処理を終了する。
図102〜図105は、図98に示された報知制御プロセス処理における報知中処理(ステップS1901)を示すフローチャートである。報知中処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期報知中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1960)。初期報知中フラグがセットされていない場合には、ステップS1965に移行する。初期報知中フラグがセットされている場合には、ステップS1912で設定された期間タイマ1の値を−1する(ステップS1961)。そして、期間タイマ1の値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知中フラグをリセットする(ステップS1962,S1963)。なお、期間タイマ1の値が0でなければ、そのまま処理を終了する。
さらに、演出制御用CPU101は、可変表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1964)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。そして、ステップS2010に移行する。
初期報知中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1965)。セットされていなければ、ステップS1971に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1966)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1967)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1968)。
図106は、エラー報知用プロセステーブルの構成例を示す説明図である。エラー報知用プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行して各種エラー報知を行う際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、エラー報知用プロセステーブルに設定されているデータに従ってスピーカ27および各ランプの制御を行ってエラー報知を行う。エラー報知用プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、エラー用ランプ制御実行データおよびエラー用音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。プロセスタイマ設定値には、その音出力状態およびランプの表示状態での継続時間が設定されている。演出制御用CPU101は、エラー報知用プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ表示制御実行データに設定されている態様で各ランプの点灯、非点灯状態を制御するとともに、スピーカ27を用いた音出力を制御する。
図106に示すエラー報知用プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、エラー報知用プロセステーブルは、エラー種類(RAMクリア報知、乱数回路エラー、満タンエラー、ドア開放エラー、球切れエラー、払出エラー)に応じて用意されている。また、この実施の形態では、エラー用プロセスタイマがタイムアウトする毎に、パターンAの点灯とパターンBの点灯とを切り替えて、点灯または点滅するように制御される。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、各ランプの表示状態を制御するとともにスピーカ27から所定のエラー音などを出力することによってエラー報知を行う場合(本例では、RAMクリア報知、ドア開放エラー報知、乱数回路エラー報知を行う場合)には、エラー用ランプ制御実行データに加えてエラー用音番号データを含むエラー報知用プロセステーブル(図106(A)参照)を用いてエラー報知を行う。また、演出制御用CPU101は、各ランプの表示状態のみを制御することによってエラー報知を行う場合(本例では、異常入賞エラー報知、球切れエラー報知、満タンエラー報知、払出エラー報知)には、エラー用ランプ制御実行データのみを含むエラー報知用プロセステーブル(図106(B)参照)を用いてエラー報知を行う。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1969)。ステップS1969において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に「扉が開いています」との音声と所定のエラー音(例えばビープ音)とを出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1970)。例えば、ステップS1970において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1970でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
ドア開放エラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、乱数回路エラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1972)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1973)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1974)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1975)。ステップS1975において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1976)。例えば、ステップS1976において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1976でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
乱数回路エラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、異常報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1977)。セットされていなければ、ステップS1984に移行する。セットされていれば、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1978)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示する。
さらに、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1979)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1980)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1981)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、異常入賞の報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1983)。ステップS1983において、演出制御用CPU101は、上皿ランプの左側面のLED882a,882bおよび右側面のLED882e,882fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1983でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、打球供給皿(上皿)3の背面側に配置された各枠側IC基板605Aに出力される。
異常報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、RAMクリアフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1984)。RAMクリアフラグがセットされていない場合には、ステップS1993に移行する。RAMクリアフラグがセットされている場合には、プロセスタイマを−1する(ステップS1985)とともに、ステップS1935で設定された期間タイマ2の値を−1する(ステップS1986)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1987)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているエラー報知用プロセスデータをセットするとともに、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS1988)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1989)。ステップS1989において、演出制御用CPU101は、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1990)。ステップS1990において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(上皿ランプおよび下皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1990でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、期間タイマ2の値が0になったか否かを確認する(ステップS1991)。そして、期間タイマ2の値が0になったら、すなわち、RAMクリア報知期間が経過したら、RAMクリアフラグをリセットし(ステップS1992)、ステップS2010に移行する。なお、期間タイマ2の値がタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。
RAMクリアフラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1993)。セットされていなければ、ステップS1999に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1994)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1995)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているエラー報知用プロセスデータをセットするとともに、プロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1996)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1998)。例えば、ステップS1998において、演出制御用CPU101は、下皿ランプのLED84a〜84fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1998でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して枠側IC基板605Bに出力される。
満タンエラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、払出エラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1999)。セットされていなければ、ステップS2005に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS2000)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2001)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているエラー報知用プロセスデータをセットするとともに、プロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS2002)。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2003)。例えば、ステップS2003において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプおよび上皿ランプLED281a〜281l,882a〜882fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2003でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602,605Aに出力される。
払出エラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2004)。セットされていなければ、ステップS2010に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS2005)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2006)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているエラー報知用プロセスデータをセットするとともに、プロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS2007)。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2008)。例えば、ステップS2008において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるとともに、上皿ランプのLED882a〜882fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2008でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602,605Aに出力される。
ステップS2004で球切れ報知中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、前述の操作部故障フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2008a)。セットされていなければ、ステップS2009に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS2008b)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2008c)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS2008d)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(ステップS2008e)。ステップS2008eにおいて、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読出し、読出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2008f)。例えば、ステップS2008fにおいて、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2008fでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
なお、この実施の形態では、図104に示すように、球切れエラーまたは払出エラーを報知する場合には、スピーカ27からの音出力を行なわないが、球切れエラーや賞球エラーを報知する場合にも、スピーカ27を用いた音出力制御を行なうようにしてもよい。
ステップS2009では、演出制御用CPU101は、エラー報知解除フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、ステップS2010に移行する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。ステップS2010では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1900)に対応した値に変更し、処理を終了する。
以上のような処理が実行されることによって、各種エラーの報知が実行される。また、初期報知、ドア開放エラー報知、乱数回路エラー報知、異常入賞報知、RAMクリア報知、満タンエラー報知、払出エラー報知および球切れエラー報知の順に優先してエラーの報知が実行される。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS1960,S1965,S1971,S1977,S1984,S1993,S1999,S2004でYと判定した後に、初期報知中フラグ、ドア開放エラー報知中フラグ、乱数回路エラー報知中フラグ、異常報知中フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知中フラグ、払出エラー報知中フラグ、球切れエラー報知中フラグ、操作部故障フラグのいずれか1つまたは複数がセットされているか否かを判定するようにしてもよい。そして、セットされている場合には、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1900)に対応した値に変更し、報知開始処理からやりなおすようにしてもよい。
次に、エラー用ランプ制御実行データに従って所定のデータ格納領域にセットされるランプ制御信号について説明する。図107は、報知制御プロセス処理においてシリアルデータ方式として出力されるランプ制御信号の例を示す説明図である。図107に示すように、この実施の形態では、エラー種類ごとに2パターン(パターンAとパターンB)のエラー用ランプ制御実行データが用いられる。この実施の形態では、パターンAとパターンBのエラー用ランプ制御実行データを切り替えて用いることにより、ランプの点滅表示が制御される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図107に示すランプ制御信号を、エラー用ランプ制御実行データに対応付けて、あらかじめROMに設けられた所定のランプ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データにもとづいて、所定のランプ制御信号格納領域からランプ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各ランプ制御信号は、図107に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC610〜615のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。例えば、天枠ランプのうちの一部のLED281a〜281fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC610のアドレスは「00」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0000」が付加された状態で格納されている。また、天枠ランプのうちの他の一部のLED281g〜281lに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC611のアドレスは「01」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0001」が付加された状態で格納されている。また、右枠ランプのLED283a〜283fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC612のアドレスは「02」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0010」が付加された状態で格納されている。また、左枠ランプのLED282a〜282fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC613のアドレスは「03」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0011」が付加された状態で格納されている。
RAMクリア報知する場合には、図107に示すように、アドレスが「00」から「03」までの各シリアル−パラレル変換IC610〜613に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(上皿ランプおよび下皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが点灯される。また、RAMクリア報知する場合、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、エラー報知の実行中、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(上皿ランプおよび下皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが継続して点灯される状態となる。
なお、シリアル−パラレル変換IC610に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED281aへの入力信号、2ビット目はLED281bへの入力信号、3ビット目はLED281cへの入力信号、4ビット目はLED281dへの入力信号、5ビット目はLED281eへの入力信号、6ビット目はLED281fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC611に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED281gへの入力信号、2ビット目はLED281hへの入力信号、3ビット目はLED281iへの入力信号、4ビット目はLED281jへの入力信号、5ビット目はLED281kへの入力信号、6ビット目はLED281lへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC612に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED283aへの入力信号、2ビット目はLED283bへの入力信号、3ビット目はLED283cへの入力信号、4ビット目はLED283dへの入力信号、5ビット目はLED283eへの入力信号、6ビット目はLED283fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC613に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED282aへの入力信号、2ビット目はLED282bへの入力信号、3ビット目はLED282cへの入力信号、4ビット目はLED282dへの入力信号、5ビット目はLED282eへの入力信号、6ビット目はLED282fへの入力信号に対応している。
ドア開放エラーを報知する場合には、図107に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「00」から「03」までの各シリアル−パラレル変換IC610〜613に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(上皿ランプおよび下皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「00」から「03」までの各シリアル−パラレル変換IC610〜613に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、ドア開放エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた全てのランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
球切れエラーを報知する場合には、図107に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「00」、「01」の各シリアル−パラレル変換IC610,611に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「00」、「01」の各シリアル−パラレル変換IC610,611に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、球切れエラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
また、球切れエラーを報知する場合には、図107に示すように、アドレスが「04」のシリアル−パラレル変換IC614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、上皿ランプのLED882a〜882fに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、上皿ランプのLED882a〜882fが点灯される。また、球切れエラーを報知する場合、シリアル−パラレル変換IC614に、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、エラー報知の実行中、上皿ランプのLED882a〜882fが継続して点灯される状態となる。
なお、シリアル−パラレル変換IC614に出力されるランプ制御信号において、1ビット目は上皿ランプ左側面のLED882aへの入力信号、2ビット目は上皿ランプ左側面のLED882bへの入力信号、3ビット目は上皿ランプ正面のLED882cへの入力信号、4ビット目は上皿ランプ正面のLED882dへの入力信号、5ビット目は上皿ランプ右側面の882eへの入力信号、6ビット目は上皿ランプ右側面の882fへの入力信号に対応している。
満タンエラーを報知する場合には、図107に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、下皿ランプのLED884a〜884fに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、皿ランプのLED882a〜882dが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、下皿ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、下皿ランプのLED884a〜884fが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、満タンエラーを報知する場合、下皿ランプのLED884a〜884fのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
なお、シリアル−パラレル変換IC615に出力されるランプ制御信号において、1ビット目は下皿ランプのLED884aへの入力信号、2ビット目は下皿ランプのLED884bへの入力信号、3ビット目は下皿ランプのLED884cへの入力信号、4ビット目は下皿ランプのLED884dへの入力信号、5ビット目は下皿ランプのLED884eへの入力信号、6ビット目は下皿ランプのLED884fへの入力信号に対応している。
払出エラーを報知する場合には、図107に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「00」、「04」のシリアル−パラレル変換IC610,614に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプの一部のLEDおよび上皿ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプの一部のLED281a〜281fと上皿ランプのLED882a〜882fが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「00」、「04」のシリアル−パラレル変換IC610,614に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプの他の一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプの他の一部のLED281g〜281lのみが点灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、払出エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281fとLED281g〜281lを交互に所定時間間隔で点滅させるとともに、上皿ランプ882a〜882fを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
乱数回路エラーを報知する場合には、図107に示すように、アドレスが「00」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC610〜614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプおよび上皿ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882fが点灯される。また、乱数回路エラーを報知する場合、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、エラー報知の実行中、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプおよび上皿ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882fが継続して点灯される状態となる。
異常入賞エラーを報知する場合には、図107に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「04」のシリアル−パラレル変換IC614に制御データ本体が「00110011」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、上皿ランプの左側面および右側面のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、上皿ランプの左側面のLED882a,882bおよび右側面のLED882e,882fが点灯される。なお、前述したように、シリアル−パラレル変換IC614に出力される制御信号において、1ビット目の1が左側面のLED882aへの入力信号、2ビット目の1が左側面のLED882bへの入力信号、5ビット目の1が右側面のLED882eへの入力信号、6ビット目の1が右側面のLED882fへの入力信号に対応している。
また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「04」のシリアル−パラレル変換IC614に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、上皿ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、上皿ランプの全てのLED882a〜882fが消灯される。
操作部故障を報知する場合には、図107に示すように、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lが点灯される。また、操作部故障を報知する場合、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、操作部故障報知の実行中、遊技枠11側に設けられた全ての天枠ランプのLED281a〜281lが継続して点灯される状態となる。
上記のような制御が繰り返し行われることによって、異常入賞エラーを報知する場合、上皿ランプの側面に設けられたLED82a,82b,82e,82fを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
なお、異常入賞報知を行う際に何らかの遊技演出(例えば、大当り演出や飾り図柄の変動表示)が行われている場合には、上皿ランプの側面に設けられたLED882a,882b,882e,882fの表示制御が行なわれるとともに、遊技演出に応じて天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプおよび下皿ランプの表示制御が行われていることになる。この場合、シリアル−パラレル変換IC614に図107に示す異常入賞報知に応じたランプ制御信号が送信されると同時に、他の各シリアル−パラレル変換IC610〜613,615にも、遊技演出に応じたランプ制御信号が送信されることになる。
なお、異常入賞報知に限らず満タンエラー報知を行う際にも、何らかの遊技演出(例えば、大当り演出や飾り図柄の変動表示)が行われている場合には、下皿ランプのLED884a〜884fの表示制御が行なわれるとともに、遊技演出に応じて天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプおよび上皿ランプの表示制御が行われるようにしてもよい。この場合、シリアル−パラレル変換IC615に図107に示す満タンエラー報知に応じたランプ制御信号が送信されると同時に、他の各シリアル−パラレル変換IC610〜614にも、遊技演出に応じたランプ制御信号が送信されるようにしてもよい。また、異常入賞報知や満タンエラー報知に限らず、他のエラー報知(RAMクリア報知やドア開放エラー報知、球切れエラー報知、払出エラー報知、乱数回路エラー報知)を行う際にも、何らかの遊技演出(例えば、大当り演出や飾り図柄の変動表示)が行われている場合には、遊技演出に応じて天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプ、上皿ランプおよび下皿ランプの表示制御が行われるようにしてもよい。
なお、図107に示す例では、エラー報知を行う際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC610〜615にもランプ制御信号が供給される。例えば、RAMクリア報知する場合には、上皿ランプおよび下皿ランプの点灯または点滅制御を行う必要はないが、図107に示す例では、アドレスが「04」、「05」であるシリアル−パラレル変換IC614,615に対しても、対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力される。そのようにすることによって、エラー報知の際の制御対象ではないLEDを確実に消灯させた状態にすることができる。
なお、エラー報知を行う際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC610〜615にはランプ制御信号を出力(送信)しないようにしてもよい。図108は、報知制御プロセス処理においてシリアルデータ方式として出力されるランプ制御信号の他の例を示す説明図である。
RAMクリア報知やドア開放エラー報知を行う場合には、上皿ランプおよび下皿ランプは表示制御対象となっていないので、図108に示すように、アドレスが「04」、「05」であるシリアル−パラレル変換IC614,615にランプ制御信号を出力しないようにする。また、乱数回路エラー報知を行う場合には、下皿ランプは表示制御対象となっていないので、図108に示すように、アドレスが「05」であるシリアル−パラレル変換IC615にランプ制御信号を出力しないようにする。また、球切れエラー報知や払出エラー報知を行う場合には、下皿ランプに加えて左枠ランプおよび右枠ランプも表示制御対象となっていないので、図108に示すように、アドレスが「02」、「03」、「05」であるシリアル−パラレル変換IC612,613,615にはランプ制御信号を出力しないようにする。また、満タンエラー報知を行う場合には、下皿ランプのみが表示制御対象となっているので、図108に示すように、アドレスが「00」〜「04」であるシリアル−パラレル変換IC610〜614にはランプ制御信号を出力しないようにする。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100から各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに出力するランプ制御信号を低減することができる。
なお、図107および図108に示す例では、遊技枠11側に設けられたランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884fのみを用いて各種エラー報知を行う場合を説明したが、これらに加えて遊技盤6側に設けられたセンター飾り用ランプやステージランプのLED125a〜125f,126a〜126fを用いて各種エラー報知を行うようにしてもよい。
次に、遊技演出において可動部材151,152を動作させるときに出力されるモータ制御信号について説明する。図109は、遊技演出においてシリアルデータ方式として出力されるモータ制御信号の例を示す説明図である。図109に示すモータ制御信号は、例えば、図90に示す飾り図柄変動中処理において、可動部材151,152を用いた予告演出を含む可変表示が実行される際に、ステップS845Cのシリアル設定処理において所定のデータ格納領域にセットされる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図109に示すモータ制御信号を、例えば、表示制御実行データに対応付けて、あらかじめROMに設けられた所定のモータ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづいて、所定のモータ制御信号格納領域からモータ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各モータ制御信号は、図109に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC616のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。この実施の形態では、各モータ151a,152aに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC616のアドレスは「06」であるので、モータを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0110」が付加された状態で格納されている。
可動部材としてトロッコ151を正方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000001」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、トロッコ151を駆動するためのモータ151aの正方向動作に対応するビット(制御データの1ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ151aが駆動することによってトロッコ151が動作される。また、トロッコ151の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ151aの正方向動作に対応するビット(制御データの1ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ151aの駆動が停止されることによってトロッコ151の動作が停止される。なお、この実施の形態では、トロッコ151を正方向に動作させた場合、位置センサ151bでトロッコ151が検出されるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ151aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ151aの駆動が停止される。
可動部材としてトロッコ151を逆方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000010」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、トロッコ151を駆動するためのモータ151aの逆方向動作に対応するビット(制御データの2ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ151aが駆動することによってトロッコ151が動作される。また、トロッコ151の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ151aの逆方向動作に対応するビット(制御データの2ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ151aの駆動が停止されることによってトロッコ151の動作が停止される。なお、この実施の形態では、トロッコ151を逆方向に動作させた場合、位置センサ151bでトロッコ151が検出されるなくなるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ151aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ151aの駆動が停止される。
可動部材として梁152を正方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000100」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、梁152を駆動するためのモータ152aの正方向動作に対応するビット(制御データの3ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ152aが駆動することによって梁152が動作される。また、梁152の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ152aの正方向動作に対応するビット(制御データの3ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ152aの駆動が停止されることによって梁152の動作が停止される。なお、この実施の形態では、梁152を正方向に動作させた場合、位置センサ152bで梁152が検出されるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ152aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ152aの駆動が停止される。
可動部材として梁152を逆方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00001000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、梁152を駆動するためのモータ152aの逆方向動作に対応するビット(制御データの4ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ152aが駆動することによって梁152が動作される。また、梁152の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ152aの逆方向動作に対応するビット(制御データの4ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ152aの駆動が停止されることによって梁152の動作が停止される。なお、この実施の形態では、梁152を逆方向に動作させた場合、位置センサ152bで梁152が検出されるなくなるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ152aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ152aの駆動が停止される。
また、この実施の形態では、演出モード選択処理におけるステップS726,S731A、操作時演出処理におけるステップS754,S760,S766において、シリアル−パラレル変換IC622やシリアル−パラレル変換IC623に操作指示用のランプ制御信号がシリアルデータ形式で出力されることによって、操作部81におけるランプ表示が行われる。
図110(A)は、操作指示用プロセステーブルの構成例を示す説明図である。操作指示用プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が操作部81のランプ表示の制御を実行して各種操作指示表示を行なう際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、操作指示用プロセステーブルに設定されているデータに従って操作部81の各ランプの制御を行なって各種操作指示表示を行なう。操作指示用プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と操作指示用ランプ制御実行データとの組合せが複数集まったデータで構成されている。プロセスタイマ設定値には、そのランプの表示状態での継続時間が設定されている。演出制御用CPU101は、操作指示用プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ表示制御実行データに設定されている態様で各ランプの点灯、非点灯状態を制御する。
図110(A)に示す操作指示用プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、操作指示用プロセステーブルは、操作指示種類(決定操作指示、回転操作指示、選択操作指示)に応じて用意されている。また、この実施の形態では、操作指示用プロセスタイマがタイムアウトする毎に、パターンAの点灯とパターンBの点灯とを切替えて、点灯または点滅するように制御される。
図110(B)は、演出モード選択処理や操作時演出処理においてシリアルデータ形式として出力されるランプ制御信号の例を示す説明図である。図110(B)に示すように、この実施の形態では、操作指示種類ごとに2パターン(パターンAとパターンB)の操作指示用ランプ制御実行データが用いられる。この実施の形態では、パターンAとパターンBの操作指示用ランプ制御実行データを切替えて用いることにより、ランプの点滅表示が制御される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図110(B)に示すランプ制御信号を、操作指示用ランプ制御実行データに対応付けて、予めROMに設けられた所定のランプ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、所定のランプ制御信号格納領域からランプ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各ランプ制御信号は、図110(B)に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC622,623のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。例えば、第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82hに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC622のアドレスは「12」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「00010010」が付加された状態で格納されている。また、第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l、および操作部中央ランプ82Aに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC623のアドレスは「13」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「00010011」が付加された状態で格納されている。
決定操作指示表示を行う場合には(ステップS731A,S760参照)、まず、パターンAの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000001」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、マルチカラーLEDである操作部中央ランプ82Aの赤色発光用の入力端子に対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の押圧操作部811において赤色で「押せ!!」などの文字列が点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、操作部中央ランプ82Aが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、決定操作指示表示を行う場合、操作部81の押圧操作部811において赤色で「押せ!!」などの文字列を所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
回転操作指示表示を行う場合には(ステップS726,S754参照)、まず、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000010」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、マルチカラーLEDである操作部中央ランプ82Aの青色発光用の入力端子に対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の押圧操作部811において青色で「回せ!!」などの文字列が点灯される。また、回転操作指示表示を行う場合、操作指示用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、操作部81の押圧操作部811において青色で「回せ!!」などの文字列が継続して点灯される状態となる。
選択操作指示表示を行う場合には(ステップS766参照)、まず、パターンAの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「12」であるシリアル−パラレル変換IC622に、制御データ本体が「00001111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dに対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の押圧操作部811において第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「12」であるシリアル−パラレル変換IC622に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、選択操作指示表示を行う場合、操作部81の押圧操作部811において第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
次に、シリアル設定処理について説明する。図111は、シリアル設定処理の一例を示すフローチャートである。シリアル設定処理は、例えば、演出制御プロセス処理において飾り図柄の可変表示を行うとき(ステップS835C,845C参照)や、各種エラー報知を行うとき(ステップS1970,S1976,S1983,S1990,S1998,S2003,S2008)に実行される。
シリアル設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ROMからランプ制御実行データ(変動パターンに伴うランプの点灯パターンのデータや、モータ制御用データ(ステップS835Cのみ)など)を読み出す(ステップS950)。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の可変表示の実行中にシリアル設定処理を行う場合には、図89に示したプロセステーブルのランプ制御実行データを読み出すことになる。また、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行う場合には、図106に示したエラー報知用プロセステーブルのエラー用ランプ制御実行データを読み出すことになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読み出したランプ制御実行データにもとづいて、各ランプの表示状態に変更があるか否かを確認する(ステップS951)。各ランプの表示状態に変更があれば、演出制御用CPU101は、表示制御対象のランプのシリアル−パラレル変換ICのアドレスが付加されたランプ制御信号を、所定のランプ制御信号格納領域から抽出する(ステップS952)。次いで、抽出したランプ制御信号に、図28に示すヘッダデータ(1FFh)やマークビット、エンドビットを付加して、RAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(ステップS953)。そして、ランプ制御信号出力要求フラグをセットする(ステップS954)。
例えば、報知制御プロセス処理におけるステップS907,S922,S929でシリアル設定処理が実行された場合には、ステップS952で図107に示すいずれかのアドレス付きのランプ制御信号が読み出され、ステップS953でデータ格納領域に設定されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、ROMから表示制御実行データを読み出す(ステップS955)。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の可変表示の実行中にシリアル設定処理を行う場合には、図89に示したプロセステーブルの表示制御実行データを読み出すことになる。一方、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行う場合には、図106に示したエラー報知用プロセステーブルには表示制御実行データは含まれないので、次のステップS956でそのままNと判定されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読み出した表示制御実行データにもとづいて、いずれかの可動部材151,152の可動が遊技演出に含まれるか否かを確認する(ステップS956)。可動部材151,152の可動がある場合には、演出制御用CPU101は、可動対象の可動部材151,152のシリアル−パラレル変換ICのアドレス(本例では「06」)が付加されたモータ制御信号を、所定のモータ制御信号格納領域から抽出する(ステップS957)。次いで、抽出したモータ制御信号に、図28に示すヘッダデータ(1FFh)やマークビット、エンドビットを付加して、RAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(ステップS958)。そして、モータ制御信号出力要求フラグをセットする(ステップS959)。
例えば、飾り図柄の可変表示に予告演出などが含まれ、いずれかの可動部材151,152が可動される場合には、ステップS835C,S845Cでシリアル設定処理が実行されるときに、ステップS952で図109に示すいずれかのアドレス付きのモータ制御信号が読み出され、ステップS953でデータ格納領域に設定されることになる。
図112は、出力対象のランプ制御信号やモータ制御信号が設定されるデータ格納領域の一構成例を示す説明図である。この例では、ランプ制御信号またはモータ制御信号を格納するデータ格納領域が9個用意されており、盤側IC基板601や各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに出力される順に、ランプ制御信号やモータ制御信号がステップS953で順次格納される。
図113は、シリアル入出力処理(ステップS708)の具体例を示すフローチャートである。シリアル入出力処理において、演出制御用CPU101は、まず、ランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS970)。セットされていれば、それらのランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグをリセットし(ステップS971)、データ格納領域に格納されているランプ制御信号やモータ制御信号をシリアル出力回路353に出力する(ステップS972)。この場合、演出制御用CPU101は、複数のランプ制御信号がデータ格納領域にセットされている場合には、ステップS972において各ランプ制御信号を順に読み出し、シリアル出力回路353に出力する。そして、出力されたランプ制御信号やモータ制御信号は、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換され、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601や各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bにシリアルデータ方式として出力されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、盤側IC基板601に対して中継基板606,607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(ステップS973)。盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、入力取込信号が入力されたことにもとづいて、各位置センサ151b,152bの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606,607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(ステップS974)。なお、ステップS974では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力IC621から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、枠側IC基板605に対して中継基板607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(ステップS975)。枠側IC基板605Aに搭載された入力IC620は、入力取込信号が入力されたことにもとづいて、各操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(ステップS976)。なお、ステップS976では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力IC620から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
図114および図115は、可変表示装置9における表示演出、スピーカ27による音演出および各ランプによる表示演出の状況の例を示す説明図である。図114(A)には、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。
図114(B)には、可変表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。図114(B)に示すように、初期化指定コマンドを受信して可変表示装置9において初期化報知が行われる場合には、初期化指定コマンドを受信してから所定期間(例えば31秒間)、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるとともに、スピーカ27から所定のエラー音を出力させ、RAMクリアが行われたことを報知する。
図114(C)には、可変表示装置9において異常入賞報知が行われ、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fによって異常報知表示(例えば点滅表示)がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fに異常報知表示させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fの異常報知表示を継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fの異常報知表示を継続させる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知表示を停止する制御を実行しないので、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fの異常報知表示は、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知表示が開始されてから所定時間(例えば、30秒)が経過すると、異常報知表示を停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態でないときに1個の遊技球が大入賞口に入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、大当り遊技状態でないときに大入賞口に所定個(複数(例えば5個))の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。さらに、大当り遊技状態でないときに、所定の時間内に、所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、上述したように、異常報知表示を行う。
図115には、下皿ランプのLED84a〜84fによって満タンエラー報知の表示(例えば点滅表示)がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、満タンエラー報知指定コマンドにもとづいて満タンエラーを検出すると、下皿ランプのLED84a〜84fに満タンエラー報知を表示させる制御を行う。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、アース基板1000において、遊技機本体側のコネクタCN2からの配線1002上にサージアブソーバ1100を配置しているので、遊技機内の遊技球の帯電(静電気)にもとづくサージ電圧をじわっと放電させることによりサージ電圧を吸収することができる。また、カードユニット50側からの漏電や静電気ノイズなどにもとづくサージ電圧をサージアブソーバ1100で放電させてサージ電圧が遊技機側に流入するのを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、カードユニット50を配線2003,2001の経路とは別の配線2002の経路によって接地しているので、配線2003でカードユニット50とアース基板1000とが接続されなかった場合(配線2003が断線した場合も含む)でも、カードユニット50を接地することができる。また、配線2001でアース基板1000と遊技機外部とが接続されなかった場合(配線2001が断線した場合も含む)でも、カードユニット50を接地することができるとともに、遊技機本体も配線2004,2003,2002の経路を通じて接地することができる。
また、この実施の形態では、サージアブソーバ1100の作動開始電圧を遊技機で用いられる電圧よりも高くカードユニット50で用いられる電圧よりも低くするようにした場合には、カードユニット50側からの漏電によるサージ電圧を遊技機側に確実に流入しないようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、球タンク38の前側板38bにおける切欠凹部38aの形成箇所以外の部分が、左右に配設されるスピーカユニット27aの背面よりも前方に配置されるため、スピーカ27が大型化されてスピーカユニット27aの前後幅が長寸となり、球タンク38の側部と干渉する虞がある場合でも、球の貯留量を低減することなく、かつ、前面枠2aの裏面側に大きく張り出すことなく球タンク38を配設することができ、これにより遊技機設置島(図示略)内に設けられる各種装置との干渉等を回避することができる。また、球タンク38の切欠凹部38aの外側面が、前面枠2aの背面側に突出するスピーカユニット27aの本体外面に直接接触することはなく、スピーカユニット27aの本体外面に直接当接する垂直面122および該垂直面122に当接する機構板105の本体板(球タンク取付部720)を介して間接的に当接するようになっているため、スピーカ27が音を出力することにより生じる振動が球タンク38に伝達されやすくなり、この振動により、球タンク38内に貯留される遊技球が均されて、偏りなく貯留されるようになるため、球詰まり等の発生を効果的に防止できる。
また、この実施の形態によれば、遊技者により押圧操作可能な押圧操作部811と、遊技者により回転操作可能な回転操作部812とを備える。そのため、複数の操作手段を備えることによって、より遊技性の向上を図ることができる。また、所定の遊技条件が成立すると、操作部中央ランプ82Aからの光によって押圧操作部811または回転操作部812のいずれかを操作すべき旨を視認可能に表示する表示部材811Aを備える。そのため、いずれの操作手段を用いるのかを遊技者に対して報知することができる。したがって、操作手段を複数設けた場合であっても、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを容易に認識できるようにすることができ、操作手段による操作が介在する遊技機を円滑に進めることができる。
また、この実施の形態によれば、回転操作部812が押圧操作部811の周囲を囲うような形状に配置されていることによって、押圧操作部811と回転操作部812とが一体構成されている。そのため、必要以上に場所をとらずに複数の操作手段を設置することができる。
また、この実施の形態によれば、表示部材811Aが、押圧操作部811の内部に設けられている。そのため、押圧操作部811の表示を確認しさえすれば、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを容易に認識できるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、操作部中央ランプ(マルチカラーLED)82Aを赤色で発光させることによって、押圧操作部811を操作すべき旨の「押せ!!」などの文字列を表示部材811Aに視認可能に表示させる。また、操作部中央ランプ82Aを青色で発光させることによって、回転操作部812を操作すべき旨の「回せ!!」などの文字列を表示部材811Aに視認可能に表示させる。そのため、いずれの操作手段を操作すべきかを文字列で認識することができ、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを容易に認識できるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、打球供給皿(上皿)3の外側側面に上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fが設けられ、遊技状態に応じて打球供給皿(上皿)3に設けられた上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fの発光状態を制御する。そのため、打球供給皿(上皿)3の外側側面に設けられた上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fを発光させることによって、遊技演出における演出態様を多様化することができ、遊技者に対する演出効果を向上させることができる。また、打球供給皿(上皿)3の外側側面に上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fが設けられるように構成されているので、例えば、遊技店内の一区画に遊技機が複数台設置されている場合に、その遊技機で遊技をしている遊技者以外の者(隣の遊技機で遊技をしている遊技者や遊技店内でまだ遊技を行っていない遊技者)であっても、その遊技機の上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fの発光状態が見えるようにすることができる。そのため、その遊技機で遊技をしている遊技者以外の者に対しても、注意を引く演出を実行することができ、演出効果を与えることができる。
なお、この実施の形態では、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fを点滅させることによって報知を行う場合を示したが、報知態様はこの実施の形態で示したものに限られない。例えば、上皿ランプのLEDとしてマルチカラーLEDを用いる場合、通常の演出とは異なる色でマルチカラーLEDを発光させることによって報知してもよい。また、例えば、通常の演出におけるLEDの点滅速度とは異なる点滅速度で裏皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fを点滅させるようにしてもよい。また、このような報知態様は、異常入賞報知を行う場合に限らず、満タンエラー報知やその他のエラー報知(RAMクリア報知やドア開放エラー報知、球切れエラー報知、払出エラー報知、乱数回路エラー報知)に行ってもよい。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の異常状態(例えば、異常入賞状態)が検出されたときに異常報知を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、打球供給皿(上皿)3の外側側面に設けられた上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fの発光状態を制御することによって異常報知を実行する。そのため、打球供給皿(上皿)3の外側側面の上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fを用いることによって、不正行為者に気付かれにくい態様で異常報知を行えるようにすることができる。また、遊技店内の遊技店員からは打球供給皿(上皿)3の外側側面の上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fが見えるので、各種エラーや不正などの異常状態を遊技店員に容易に認識させることができる。また、通常の遊技演出に用いる打球供給皿(上皿)3の上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fを兼用して異常報知を行えるので、異常報知を行うための特別な装置を設ける必要がなくなり、異常報知を行うためのコスト増加を防止することができる。
図116は、遊技店内に遊技機が複数設置されている状態を示す説明図である。図116に示すように、遊技店内において、各遊技機は、遊技機設置島500に互いに横に並べられた状態で設置される。なお、図116は、各遊技機設置島500に対して直交する側の通路から遊技店内を見た図に相当する。
不正行為者は、一般には、遊技機の前に座って遊技を行いながら不正に遊技球の入賞状態をつくり出すような操作を行うのであるが、遊技機の前に座る不正行為者から見ると遊技機の正面側しか見えない。そのため、不正行為者から見ると、図116に示すように、遊技機の打球供給皿(上皿)3に設けられた上皿ランプのうち側面側に設けられたLED882a,882b,882e,882fは見えにくい。したがって、異常入賞を検出した場合に、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fのみを用いて異常入賞報知を行うようにすることによって、不正行為者に気付かれにくい態様で異常報知を行えるようにすることができる。
また、遊技店員などは、通常、図116に示すような視点で、各遊技機設置島500に対して直交する側の通路から遊技店内を見渡していることが多い。そのため、遊技店員などから見ると、図116に示すように、遊技機の打球供給皿(上皿)3に設けられた上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fがよく見える。したがって、異常入賞を検出した場合に、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fのみを用いて異常入賞報知を行うようにすることによって、異常入賞などの異常状態を遊技店員に容易に認識させることができる。
例えば、従来の遊技機では、遊技機の遊技枠の上部に設けられたランプを用いて遊技演出やエラー報知を行うように構成されたものがある(例えば、特開2001−96042参照)。そのように構成すれば、遊技者にとって見にくい遊技枠の上部に設けられたランプを用いて異常入賞報知を行えるので、不正行為者(遊技機の前に座っている行為者)にある程度認識されにくい態様で異常報知を行うことができる。しかし、遊技店員などは各遊技機設置島500に対して直交する側の通路から遊技店内を見渡していることが多いので、遊技店員などから見ても遊技枠の上部に設けられたランプは見にくく、異常入賞などの異常状態を遊技店員に容易に認識させることはできない。
また、例えば、従来の遊技機では、遊技機がエラーを検出したときに超音波信号を送信し、遊技店が備える超音波受信装置で受信してエラーを認識させることが行われている(例えば、特開2005−261647参照)。そのように構成すれば、異常入賞を検出したときに、不正行為者に気付かれることなく、遊技店員だけが異常入賞などのエラーの発生を認識できるようにすることができる。しかし、遊技機に超音波発生装置を備えたり、遊技店に超音波受信装置を備えたりしなければならず、異常報知のためのコストが大きい。
これに対し、この実施の形態によれば、打球供給皿(上皿)3の側面側に設けられた上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fを用いて異常入賞報知を行うように構成されているので、異常報知のための特別のコストをかけることなく、不正行為者に気付かれずに、遊技店員だけが異常入賞などのエラーの発生を認識できるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、異常入賞を検出したときに加えて、乱数回路エラーや球切れエラー、払出エラーを検出した場合にも上皿ランプの各LED882a〜882fを点灯または点滅させるので、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fの点灯または点滅状態を確認することによって、遊技店員などがエラーの発生を容易に認識することができる。また、ファンファーレ演出を実行するときにも上皿ランプの各LED882a〜882fを点灯させるので、上皿ランプの側面側のLED882a,882b,882e,882fの点灯状態を確認することによって、遊技店員などが各遊技機の遊技状態を容易に認識することができる。
なお、遊技演出における上皿ランプの点灯または点滅制御や、各エラー報知時における上皿ランプの点灯または点滅制御は、本実施の形態で示したものに限られない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、上皿ランプの各LED882a〜882fの点灯または点滅状態を制御してもよい。また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り中の遊技演出(例えば、ラウンド中演出やインターバル演出、エンディング演出)に応じて、上皿ランプの各LED882a〜882fの点灯または点滅状態を制御してもよい。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態以外の遊技状態においてカウントスイッチ23からの検出信号を入力したことにもとづいて、異常入賞が発生したと判定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が発生したと判定されたことにもとづいて、異常入賞報知を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、打球供給皿(上皿)3の外側側面に設けられた上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fの発光状態を制御することによって異常入賞報知を実行する。そのため、大当り遊技状態以外の遊技状態において本来開放状態でない筈の大入賞口に遊技球を入賞させることによって賞球を払い出させる不正行為を遊技店員に認識させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞が発生したと判定したときには、賞球個数コマンドの送信を禁止することによって、遊技球を払い出す制御の実行を禁止する。そのため、不正行為によってカウントスイッチ23から検出信号を入力した可能性がある場合に、入賞にもとづく賞球払出をしないようにすることができ、不正行為者に不正行為によって利益を与えてしまう事態を防止できる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口スイッチ14aからの検出信号を入力したか否かを判定し、第2始動口14が閉状態であるときに第2始動口スイッチ14aからの始動検出信号を入力したことにもとづいて、異常始動入賞が発生したと判定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常始動入賞が発生したと判定されたことにもとづいて、異常始動入賞報知を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、打球供給皿(上皿)3の外側側面に設けられた上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fの発光状態を制御することによって異常始動入賞報知を実行する。そのため、本来開放状態にない筈の第2始動口14に遊技媒体を入賞させることによって賞球を払い出させる不正行為を遊技店員に認識させることができる。
なお、この実施の形態では、大入賞口への異常入賞を検出した場合と第2始動入賞口14aへの異常入賞を検出した場合とで同じ報知態様で異常入賞報知を行う場合を説明したが、異なる報知態様で異常入賞報知を行うようにしてもよい。例えば、大入賞口への異常入賞を検出した場合と第2始動入賞口14aへの異常入賞を検出した場合とで、異なる点灯または点滅パターンで、打球供給皿(上皿)3の外側側面に設けられた上皿ランプのLED882a,882b,882e,882fを点灯または点滅させてもよい。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の送信する演出制御コマンドは、余剰球受皿(下皿)4に所定量以上の遊技球が貯留された状態である満タン状態となったことにもとづいて、余剰球受皿(下皿)4が満タン状態であることを示すコマンド(満タンエラー指定コマンド)が含まれる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から余剰球受皿(下皿)4が満タン状態であることを示すコマンドが送信されたことにもとづいて、余剰球受皿(下皿)4に設けられた下皿ランプのLED884a〜884fの発光状態を制御することによって、余剰球受皿(下皿)4の満タン状態を報知するための制御を実行する。よって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9やスピーカ27など遊技演出用の演出装置とは別に余剰球受皿(下皿)4に設けられた下皿ランプのLED884a〜884fの発光状態を制御することによって満タン状態を報知する。そのため、遊技演出(例えば、大当り中の演出)途中で中断することなく、満タン状態を報知することができる。また、余剰球受皿(下皿)4に設けられた下皿ランプのLED884a〜884fの発光状態の制御を演出制御用マイクロコンピュータ100が行うので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。また、通常の遊技演出に用いる余剰球受皿(下皿)4の下皿ランプのLED884a〜884fを兼用して満タンエラー報知を行えるので、満タンエラー報知を行うための特別な装置を設ける必要がなくなり、満タンエラー報知を行うためのコスト増加を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドにもとづいて各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884fを制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜618と、枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615とが、1系統の配線を介して接続されるとともに、あらかじめ相互に異なるアドレス情報が割り当てられ、自己のアドレス情報が付加された制御信号のみをパラレル信号方式に変換して出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技盤6に設けられたシリアル−パラレル変換IC616〜618を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC616〜618を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられたシリアル−パラレル変換IC610〜615を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC610〜615を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。そのため、遊技盤6と遊技枠11との間の配線数を低減することができる。従って、遊技枠11と遊技盤6とが着脱自在に構成された遊技機において、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業を容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、中継基板606,607によって、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜618と、各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615との接続が中継される。また、中継基板607によって、各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615と演出制御用マイクロコンピュータ100との接続が中継される。そのため、中継基板606,607への接続作業や取り外し作業を行うだけで遊技枠11と遊技盤6との脱着作業を容易に行うことができる。
また、この実施の形態によれば、遊技枠11側に2つのシリアル−パラレル変換610,611を搭載した集合基板としての枠側IC基板602が設けられている。また、遊技盤6側に4つのシリアル−パラレル変換IC616〜618を搭載した集合基板としての盤側IC基板601が設けられている。そのため、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、この実施の形態によれば、余剰球受皿(下皿)4に設けられた下皿ランプ884a〜884fは、余剰球受皿(下皿)4の周縁部に設けられている。そのため、余剰球受皿(下皿)4を囲むような態様で設けられた下皿ランプのLED884a〜884fを発光させることによって、満タン報知などの報知状態を遊技者に認識させやすくすることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態に応じて余剰球受皿(下皿)4に設けられた下皿ランプのLED884a〜884fを含む遊技機に設けられた各ランプのLEDの発光状態を制御する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技中に余剰球受皿(下皿)4に設けられた下皿ランプのLED884a〜884fの発光状態が制御されるときとは異なる発光態様で、余剰球受皿(下皿)4の周辺部に設けられた下皿ランプのLED884a〜884fの発光状態を制御して満タン報知を実行する。そのため、満タン状態を報知するためだけに特別な発光体を設ける必要をなくすことができ、満タン報知のためのコストを低減することができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と、枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615とが、コネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行うだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行うことができ、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを、シリアル出力回路78を用いて、シリアル信号方式で演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間の配線数も低減することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615、および入力IC620,621に共通に用いるクロック信号を出力する。そのため、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602,603,604,605A,605Bに搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜615、および入力IC620,621とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
また、この実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル−パラレル変換IC610〜619のデバイスIDをアドレスとしてあらかじめRAMの所定のアドレス記憶領域に記憶するようにしてもよい。そのように構成すれば、シリアル−パラレル変換IC610〜619に固有のID情報をアドレス情報として利用して各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884fを制御することができる。
また、この実施の形態では、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(例えば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、例えば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
なお、この実施の形態では、演出制御基板80、盤側IC基板601、各枠側IC基板602,603,604,605A,605Bおよび各中継基板606,607の接続形態として、演出制御基板80、中継基板606および中継基板607がバス型に1系統の配線ルートで接続され、盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC610〜619がバス型に1系統の配線ルートで接続される場合を説明したが、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619を直列接続(以下、デイジーチェーン型の接続ともいう)したり、各枠側IC基板602〜604に搭載された各シリアル−パラレル変換IC610〜613を直列接続(デイジーチェーン型の接続)することによって、配線数を低減してもよい。
また、遊技枠11や遊技盤6に設けるランプのLEDとして、諧調制御を行うLED(例えば、マルチカラーLED)を用いるようにし、明るさを制御できるようにしてもよい。
また、諧調制御を行うランプのLEDを用いて明るさを制御する場合、輝度を調整するランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICと、輝度を調整しないランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICとを異ならせるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS901〜S905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
また、この実施の形態では、演出制御手段は、変動パターンコマンドを受信したが表示結果特定コマンドを受信できなかった場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定し、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定したときには、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた飾り図柄の組合せに決定するので、ノイズ等によって表示結果特定コマンドを受信できなくても、大当りが発生することを可変表示装置9によって報知できる。さらに、変動パターンコマンドを受信した直後に、表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信したと判定したときに、受信した変動パターンコマンドにもとづく上記の制御を行うようにしてもよい。つまり、演出制御手段は、正規コマンドを受信できなかったと判定したり(例えば、表示結果特定コマンドを受信できない。)、非正規コマンドを受信したと判定した(例えば、変動パターンコマンドに続いて表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信した。)場合に、受信された正規コマンドにもとづいて演出制御(例えば、飾り図柄の停止図柄を決定する。)を実行することが好ましい。そのように構成すれば、正規コマンドの非受信や非正規コマンドの受信によって遊技者に不利益が与えられることが防止される。
また、他の演出制御コマンドについても、同様の制御を行うようにしてもよい。例えば、特定遊技状態の開始を特定可能な大当り開始指定コマンドを受信した場合に、既に受信している表示結果特定コマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているときに、確変大当りを示す大当り開始3指定コマンドを受信したような場合)に、大当り開始指定コマンドにもとづく演出制御(例えば、確変大当りであることを演出装置で報知)を実行したり、特定遊技状態の終了を特定可能な大当り終了指定コマンドを受信した場合に、既に受信している大当り開始指定コマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りを示す大当り開始1指定コマンドを受信した後、確変大当りを示す大当り終了指定2コマンドを受信した場合)に、大当り終了指定コマンドにもとづく演出制御(例えば、可変表示装置9の背景を確変状態に対応した背景にする)を実行する。そのように構成されている場合には、演出制御手段の制御が、遊技制御手段の制御とできるだけ食い違わないようにすることができる。
また、上記の実施の形態では、アドレス付きのランプ制御信号をシリアル−パラレル変換IC610〜618に出力することによって、各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884fを制御する場合を説明したが、複数のシリアル−パラレル変換ICを同一系統の配線で直列に接続し、その同一系統の配線で接続された全てのランプを制御するためのランプ制御信号を含む固定長さのデータを出力するようにしてもよい。
実施の形態2.
図117は、操作時演出処理の他の例を示すフローチャートである。図117の操作時演出処理が図91の操作時演出処理と異なるのは、ステップS759,S760〜S762の代わりに、ステップS759a,S761a〜S763aが設けられたことである。
ステップS758により押圧操作を要求する期間であると判断したときは、前述した決定操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS759a)。決定操作検出フラグがセットされていると判断したときは、決定操作にしたがって可変表示装置9を制御する(ステップS761a)。具体的に、ステップS761では、図34の(g)に示すようなチャンス表示において、押圧操作部811の決定操作による押圧操作回数の増加に応じて、棒グラフ形式で表示されるパワーの値が増加する表示を行なう。そして、押圧操作部811の決定操作が行なわれたことに応じて、決定操作に対応するLED(例えば、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82d)を発光させるためにシリアル設定処理を実行する(ステップS762a)。そして、決定操作検出フラグをリセット(ステップS763a)し、処理を終了する。
このような操作時演出処理により、押圧操作部811の押圧操作を要求する期間において、押圧操作部811の押圧操作が行なわれたときに、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dのうちいずれか複数の押圧検出器により押圧操作が検出されたときに限り、押圧操作が有効と判断される。
また、この実施の形態では、決定操作を指示表示する場合に押圧操作部811において赤色で「押せ!!」などの文字列を表示させ、回転操作を指示表示する場合に押圧操作部811において青色で「回せ!!」などの文字列を表示させる場合を示したが、操作部81における操作指示表示の態様は、この実施の形態で示した態様に限られない。例えば、図118(a)に示すように、決定操作を指示表示する場合には、押圧操作部811を点滅(点灯でもよい)させるようにし、回転操作を指示表示する場合には、図118(b),(c)に示すように、押圧操作部811の外周部のランプを回転表示させるようにしてもよい。この場合、図118(d)に示すように、操作部81は、押圧操作部811内の外周部に、単色LEDである第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82hを備える。また、押圧操作部811内の中央部に、単色LEDである操作部中央ランプ82Aを備える。この場合に、決定操作を指示表示する場合には、操作部中央ランプ82Aを発光させることにより、図118(a)に示すように、押圧操作部811を点滅(点灯でもよい)させるように制御する。また、回転操作を指示表示する場合には、例えば、第1押圧操作部ランプ82a、第8押圧操作部ランプ82h、第4押圧操作部ランプ82d、第7押圧操作部ランプ82g、第3押圧操作部ランプ82c、第6押圧操作部ランプ82f、第2押圧操作部ランプ82b、第5押圧操作部ランプ82eの順にランプを点灯させることによって、図118(b),(c)に示すように、押圧操作部811の外周部のランプを時計方向に回転表示させるように制御する。なお、押圧操作部811の外周部のランプを反時計方向に回転表示させるように制御してもよい。
図119は、演出モード選択処理や操作時演出処理においてシリアルデータ形式として出力されるランプ制御信号の他の例を示す説明図である。図119に示す例では、決定操作指示表示を行う場合には(ステップS731A,S760参照)、まず、パターンAの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000001」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、単色LEDである操作部中央ランプ82Aに対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の押圧操作部811が点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、操作部中央ランプ82Aが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、決定操作指示表示を行う場合、図118(a)に示すように、操作部81の押圧操作部811を所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
回転操作指示表示を行う場合には(ステップS726,S754参照)、図119に示すパターン1からパターン8までの操作指示用ランプ制御実行データに従って、第1押圧操作部ランプ82a、第8押圧操作部ランプ82h、第4押圧操作部ランプ82d、第7押圧操作部ランプ82g、第3押圧操作部ランプ82c、第6押圧操作部ランプ82f、第2押圧操作部ランプ82b、第5押圧操作部ランプ82eの順に対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、図118(b),(c)に示すように、押圧操作部811の外周部のランプが時計方向に回転表示される。
なお、選択操作指示表示を行う場合(ステップS766参照)のランプ制御信号およびランプ制御信号の出力態様については、図110(B)で説明した制御内容と同様である。
また、この実施の形態では、決定操作指示用と回転操作指示用にそれぞれ異なる塗料で文字列が印刷された表示部材811Aを備える場合を示したが、操作部81の押圧操作部811は、決定操作指示用と回転操作指示用とでそれぞれ別々に表示部材を備えていてもよい。図120(c)は、操作部81の他の構造例を示す断面図である。図120(c)に示すように、操作部81は、決定操作表示用の表示部材811Bと、回転操作指示用の表示部材811Cとを備える。表示部材811B,Cは、それぞれ樹脂製で半透明の部材で、押圧操作部811の内周サイズより僅かに小さいサイズの円形で肉厚が一定のシート状に形成されている。また、表示部材811Bは、アクリル材等の樹脂製部材で形成されるプレートの上面に「押せ!!」などの文字列が彫り込まれている。また、表示部材811Cは、アクリル材等の樹脂製部材で形成されるプレートの上面に「回せ!!」などの文字列が彫り込まれている。なお、文字列に限らず、例えば、表示部材811B,811Cに図形や図柄などが彫り込まれていてもよい。
また、図120(c)に示すように、表示部材811Bの側方には、赤色(無色でもよい)の単色LED82Bが設けられている。また、表示部材811Bの側方には、青色(無色でもよい)の単色LED82Cが設けられている。図120に示す例では、決定操作の指示表示を行う場合には、赤色の単色LED82Bを点滅(点灯でもよい)させることによって、図120(a)に示すように、操作部81の押圧操作部811において赤色で「押せ!!」などの文字列を表示するように制御される。また、回転操作の指示表示を行う場合には、青色の単色LED82Cを点灯(点滅でもよい)させることによって、図120(b)に示すように、操作部81の押圧操作部811において青色で「回せ!!」などの文字列を表示するように制御される。
図121は、各シリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623に付与されるアドレスの他の例を示す説明図である。図121に示す例では、アドレスが13であるシリアル−パラレル変換IC623は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、操作部81の押圧操作部811に設けられた赤色LED82Bと、操作部81の押圧操作部811に設けられた青色LED82Cと、操作部81の回転操作部812に設けられた第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l(本例ではLED4個)とに供給する。シリアル−パラレル変換IC623から赤色LED82Bに信号が供給されることによって、図120(a)に示すように、操作部81の押圧操作部811において赤色で「押せ!!」などの文字列を表示するように制御される。シリアル−パラレル変換IC623から青色LED82Cに信号が供給されることによって、図120(b)に示すように、操作部81の押圧操作部811において青色で「回せ!!」などの文字列を表示するように制御される。
また、例えば、図122(a)に示すように、決定操作を指示表示する場合には、押圧操作部811を点滅(点灯でもよい)させるようにし、回転操作を指示表示する場合には、図122(b)に示すように、回転操作部812を点灯(点滅でもよい)させるようにしてもよい。なお、この場合、操作部中央ランプ82Aは、マルチカラーLEDである必要はなく、単色LEDでよい。
なお、図122(b)に示す例では、回転操作部812を点灯(点滅でもよい)させる場合を示しているが、一般に、回転操作部812は、メッキ処理などが施されることによって不透明部材として構成される場合があり、この場合、回転操作部812を点灯または点滅させることはできない。そのため、回転操作部812の外側に半透明な樹脂製の部材で形成された回転操作部812用の発光部をさらに設けるようにしてもよい。そして、回転操作部812の外側に設けられた回転操作部812用の発光部内に第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lを配置するようにし、第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lを発光させることによって、回転操作部812の外側の周囲を点灯(点滅でもよい)させることによって、遊技者に対して回転操作部812の操作を促すようにしてもよい。
図123は、各シリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623に付与されるアドレスのさらに他の例を示す説明図である。図123に示す例では、アドレスが13であるシリアル−パラレル変換IC623は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、単色LEDである操作部中央ランプ82Aと、操作部81の回転操作部812に設けられた第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l(本例ではLED4個)とに供給する。シリアル−パラレル変換IC623から操作部中央ランプ82Aに信号が供給されることによって、図122(a)に示すように、押圧操作部811を点滅(点灯でもよい)表示するように制御される。シリアル−パラレル変換IC623から第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lに信号が供給されることによって、図122(b)に示すように、回転操作部812を点灯(点滅でもよい)表示するように制御される。
図124は、演出モード選択処理や操作時演出処理においてシリアルデータ形式として出力されるランプ制御信号のさらに他の例を示す説明図である。図124に示す例では、決定操作指示表示を行う場合には(ステップS731A,S760参照)、まず、パターンAの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000001」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、単色LEDである操作部中央ランプ82Aに対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の押圧操作部811が点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、操作部中央ランプ82Aが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、決定操作指示表示を行う場合、図122(a)に示すように、操作部81の押圧操作部811を所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
回転操作指示表示を行う場合には(ステップS726,S754参照)、まず、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00111100」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lに対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の回転操作部812が点灯される。また、回転操作指示表示を行う場合、操作指示用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、図122(b)に示すように、操作部81の回転操作部812が継続して点灯される状態となる。
なお、選択操作指示表示を行う場合(ステップS766参照)のランプ制御信号およびランプ制御信号の出力態様については、図110(B)で説明した制御内容と同様である。
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。
また、上述した実施の形態では、以下の(1)〜(7)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技機は、外枠に対して開閉自在に設置される遊技枠(例えば、遊技枠11)と、遊技枠に取り付けられ、所定の板状体および板状体に取り付けられる各種部品を含む遊技盤(例えば、遊技盤6)とを備え、遊技盤を交換可能な遊技機であって、遊技の進行を制御し、演出用の電気部品を制御させるための演出制御コマンドを送信する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、遊技制御手段が送信した演出制御コマンドに応じて演出用の電気部品(例えば、各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884f、モータ151a,152a)を制御する演出制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)とを遊技盤に備え、遊技制御手段は、演出制御コマンドを演出制御手段に送信するコマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS29を実行する部分)を含み、演出制御手段は、遊技制御手段から受信した演出制御コマンドにもとづいて、演出用の電気部品を制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する出力手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS708を実行する部分)を含み、遊技盤に設けられた盤側シリアル−パラレル変換回路(例えば、シリアル−パラレル変換IC616〜618)および遊技枠に設けられた枠側シリアル−パラレル変換回路(例えば、シリアル−パラレル変換IC610〜615)をさらに備え、盤側シリアル−パラレル変換回路は、演出制御手段の出力手段から入力された制御信号をシリアル信号方式からパラレル信号方式に変換して、演出用の電気部品のうち遊技盤に設けられた電気部品(例えば、ランプのLED125a〜125f,126a〜126f、モータ151a,152a)に出力し、枠側シリアル−パラレル変換回路は、演出制御手段の出力手段から入力された制御信号をシリアル信号方式からパラレル信号方式に変換して、演出用の電気部品のうち遊技枠に設けられた電気部品(例えば、ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884f)に出力するものであり、盤側シリアル−パラレル変換回路と枠側シリアル−パラレル変換回路、または演出制御手段と枠側シリアル−パラレル変換回路は、1系統の配線を介して接続され(例えば、中継基板606,607がバス型に接続されることによって1系統の配線を介して接続される。各シリアル−パラレル変換IC610〜618がバス形式またはデイジーチェーン型に接続されることによって1系統に接続される)、盤側シリアル−パラレル変換回路と枠側シリアル−パラレル変換回路との接続を中継する中継基板(例えば、中継基板606,607)、または枠側シリアル−パラレル変換回路と演出制御手段との接続を中継する中継基板(例えば、中継基板607)が設けられているように構成されていてもよい。そのような構成によれば、演出制御手段が、遊技制御手段から受信した演出制御コマンドにもとづいて、演出用の電気部品を制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する出力手段を含み、盤側シリアル−パラレル変換回路と枠側シリアル−パラレル変換回路、または演出制御手段と枠側シリアル−パラレル変換回路が、1系統の配線を介して接続されるように構成されているので、遊技盤と遊技枠との間の配線数を低減することができる。従って、遊技枠と遊技盤とが着脱自在に構成された遊技機において、遊技枠と遊技盤との着脱作業を容易に行えるようにすることができる。また、盤側シリアル−パラレル変換回路と枠側シリアル−パラレル変換回路との接続を中継する中継基板、または枠側シリアル−パラレル変換回路と演出制御手段との接続を中継する中継基板が設けられているので、中継基板への接続作業や取り外し作業を行うだけで遊技枠と遊技盤との脱着作業を容易に行うことができる。
(2)また、遊技機は、外枠に対して開閉自在に設置される遊技枠(例えば、遊技枠11)と、遊技枠に取り付けられ、所定の板状体および板状体に取り付けられる各種部品を含む遊技盤(例えば、遊技盤6)とを備え、遊技盤を交換可能な遊技機であって、遊技の進行を制御し、演出用の電気部品を制御させるための演出制御コマンドを送信する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、遊技制御手段が送信した演出制御コマンドに応じて演出用の電気部品(例えば、可変表示装置9、各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884f、モータ151a,152a)を制御する演出制御手段(例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100a、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b)とを遊技盤に備え、演出制御手段は、演出用の電気部品のうちの少なくとも1つの電気部品(例えば、可変表示装置9)を制御する第1の演出制御手段(例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100a)と、演出用の電気部品のうち第1の演出制御手段が制御する電気部品以外の電気部品(例えば、各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884f、モータ151a,152a)を制御する第2の演出制御手段(例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b)とを含み、遊技制御手段は、第1の演出制御コマンドを第1の演出制御手段に送信する第1コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS29を実行する部分)を含み、第1の演出制御手段は、第1の演出制御コマンドを受信したことにもとづいて、第1の演出制御コマンドの内容を特定可能な第2の演出制御コマンドを第2の演出制御手段に送信する第2コマンド送信手段(例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aにおけるステップS788を実行する部分)を含み、第2の演出制御手段は、第1の演出制御手段から受信した第2の演出制御コマンドにもとづいて、演出用の電気部品を制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する出力手段(例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bにおけるステップS888を実行する部分)を含み、遊技盤に設けられた盤側シリアル−パラレル変換回路(例えば、シリアル−パラレル変換IC616〜618)および遊技枠に設けられた枠側シリアル−パラレル変換回路(例えば、シリアル−パラレル変換IC610〜615)をさらに備え、盤側シリアル−パラレル変換回路は、第2の演出制御手段の出力手段から入力された制御信号をシリアル信号方式からパラレル信号方式に変換して、演出用の電気部品のうち遊技盤に設けられた電気部品(例えば、ランプのLED125a〜125f,126a〜126f、モータ151a,152a)に出力し、枠側シリアル−パラレル変換回路は、第2の演出制御手段の出力手段から入力された制御信号をシリアル信号方式からパラレル信号方式に変換して、演出用の電気部品のうち遊技枠に設けられた電気部品(例えば、ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884f)に出力するものであり、盤側シリアル−パラレル変換回路と枠側シリアル−パラレル変換回路、または演出制御手段と枠側シリアル−パラレル変換回路は、1系統の配線を介して接続され(例えば、中継基板606,607がバス型に接続されることによって1系統の配線を介して接続される。各シリアル−パラレル変換IC610〜618がバス形式またはデイジーチェーン型に接続されることによって1系統に接続される)、盤側シリアル−パラレル変換回路と枠側シリアル−パラレル変換回路との接続を中継する中継基板(例えば、中継基板606,607)、または枠側シリアル−パラレル変換回路と演出制御手段との接続を中継する中継基板(例えば、中継基板607)が設けられているように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第2の演出制御手段が、第1の演出制御手段から受信した第2の演出制御コマンドにもとづいて、演出用の電気部品を制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する出力手段を含み、盤側シリアル−パラレル変換回路と枠側シリアル−パラレル変換回路、または演出制御手段と枠側シリアル−パラレル変換回路が、1系統の配線を介して接続されるように構成されているので、遊技盤と遊技枠との間の配線数を低減することができる。従って、遊技枠と遊技盤とが着脱自在に構成された遊技機において、遊技枠と遊技盤との着脱作業を容易に行えるようにすることができる。また、盤側シリアル−パラレル変換回路と枠側シリアル−パラレル変換回路との接続を中継する中継基板、または枠側シリアル−パラレル変換回路と演出制御手段との接続を中継する中継基板が設けられているので、中継基板への接続作業や取り外し作業を行うだけで遊技枠と遊技盤との脱着作業を容易に行うことができる。
(3)盤側シリアル−パラレル変換回路または枠側シリアル−パラレル変換回路の少なくとも一部は、同一の系統の配線で直列に接続され(例えば、各シリアル−パラレル変換IC610〜613が同一系統の配線で直列に接続されている、シリアル−パラレル変換IC616〜618が同一系統の配線で直列に接続されている)、出力手段は、同一の系統の配線に接続された全ての演出用の電気部品の制御信号の情報を含む固定長さのデータを単位データづつ所定周期ごとにシリアル信号方式で出力し、同一の系統の配線に接続された盤側シリアル−パラレル変換回路または枠側シリアル−パラレル変換回路は、同一の系統の配線の下位側に接続された盤側シリアル−パラレル変換回路または枠側シリアル−パラレル変換回路に、所定周期ごとに出力された単位データの制御信号をそのまま順次転送するとともに、所定のタイミングで単位データにもとづいて制御信号を出力するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、出力手段が、同一の系統の配線に接続された全ての演出用の電気部品の制御信号の情報を含む固定長さのデータを単位データづつ所定周期ごとにシリアル信号方式で出力するように構成されているので、盤側シリアル−パラレル変換回路と枠側シリアル−パラレル変換回路とにあらかじめ相互に異なるアドレス情報を割り当てる必要をなくすことができる。
(4)遊技制御手段は、演出制御コマンドをシリアル信号方式で演出制御手段に送信するシリアル送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS29でシリアル出力回路78を用いてシリアルデータを送信する部分)を含むように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技制御手段が、演出制御コマンドをシリアル信号方式で演出制御手段に送信するシリアル送信手段を含むように構成されているので、遊技制御手段と演出制御手段との間の配線数も低減することができる。
(5)遊技機は、入力用の電気部品(例えば、操作ボタン81a〜81e,位置センサ151b,152b)と、該電気部品から入力された入力信号をラッチしてパラレル信号方式で出力するラッチ手段(例えば、入力IC620,621を構成する各Dフリップフロップ661〜668)と、ラッチ手段が出力した入力信号をシリアル信号方式に変換して出力するパラレル−シリアル変換回路(例えば、入力IC620,621)と、盤側シリアル−パラレル変換回路、枠側シリアル−パラレル変換回路およびパラレルーシリアル変換回路に共通に用いるクロック信号を出力するクロック信号出力手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100または音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが搭載するクロック信号出力部356)とを備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、盤側シリアル−パラレル変換回路、枠側シリアル−パラレル変換回路およびパラレルーシリアル変換回路に共通に用いるクロック信号を出力するクロック信号出力手段を備えるように構成されているので、盤側シリアル−パラレル変換回路、枠側シリアル−パラレル変換回路および入力用のパラレル−シリアル変換回路とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
(6)遊技機は、演出用の電気部品として発光部品(例えば、各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,882a〜882f,884a〜884f)を備え、出力手段は、発光部品の発光状態を制御する制御信号として、発光部品を発光させるときの輝度に応じて、パルス量を変化させた信号を出力する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、輝度に応じてパルス数を変化させた信号を出力する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、出力手段が、発光部品の発光状態を制御する制御信号として、発光部品を発光させるときの輝度に応じて、パルス量を変化させた信号を出力するように構成されているので、発光部品の輝度を調整する諧調制御を行えるようにすることができる。
(7)遊技機は、遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄や飾り図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8や可変表示装置9)を備え、該可変表示装置に特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、特定遊技状態において開放状態に変化可能な可変入賞球装置(例えば、特別可変入賞球装置20)と、可変入賞球装置に入賞した遊技球を検出して検出信号を出力する検出手段(例えば、カウントスイッチ23)とを備え、遊技制御手段は、特定遊技状態に移行させるか否かを表示結果の導出表示以前に決定する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS62,S63の処理を実行する部分)と、事前決定手段の決定にもとづいて、可変表示装置における識別情報の可変表示の開始と可変表示時間とを特定可能な可変表示コマンド(例えば、変動パターンコマンド)を送信する可変表示コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS103の処理を実行する部分)と、検出手段からの検出信号を入力したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS341〜S348、S361〜S366,S361の処理を実行する部分。特に、カウントスイッチ入力ビット判定値を用いてステップS365,S361の処理を実行する部分)と、特定遊技状態以外の遊技状態において入賞判定手段が検出信号を入力したことにもとづいて、異常報知の実行を指示するための異常報知コマンドを送信する異常報知コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS1585,S1587〜S589の処理を実行する部分)とを含み、演出制御手段は、可変表示コマンド送信手段が送信した可変表示コマンドにもとづいて可変表示装置において識別情報の可変表示を開始し、可変表示時間が経過したときに可変表示装置に表示結果を導出表示する可変表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS800〜S803の処理を実行する部分、図柄制御用マイクロコンピュータ100aにおいて、ステップS800〜S803と同様の処理を実行する部分)と、異常報知コマンド送信手段が送信した異常報知コマンドにもとづいて、演出装置により異常報知を実行する異常報知手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS1924〜S1929,S1977〜S1983の処理を実行する部分、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bにおいて、ステップS1924〜S1929,S1977〜S1983と同様の処理を実行する部分)とを含み、該異常報知手段は、可変表示制御手段が可変表示装置において識別情報の可変表示を実行しているときにも異常報知を実行可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS835AでYのときステップS835Dを実行し、ステップS845AでYのときステップS845Dを実行する、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ステップS835Aと同様の処理でYのときステップS835Dと同様の処理を実行し、ステップS845Aと同様の処理でYのときステップS845Dと同様の処理を実行する)、出力手段は、異常報知手段による異常報知の実行時に、異常報知コマンド送信手段が送信した異常報知コマンドにもとづいて、演出用の電気部品を制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS1928,S1983の設定結果にもとづいてステップS708を実行する部分、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bにおいて、ステップS1928,S1983と同様の処理の設定結果にもとづいてステップS888を実行する部分)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技制御手段が、特定遊技状態以外の遊技状態において入賞判定手段が検出信号を入力したことにもとづいて、異常報知の実行を指示するための異常報知コマンドを送信する異常報知コマンド送信手段を含み、演出制御手段が、異常報知コマンド送信手段が送信した異常報知コマンドにもとづいて、演出装置により異常報知を実行する異常報知手段を含み、異常報知手段が、可変表示制御手段が可変表示装置において識別情報の可変表示を実行しているときにも異常報知を実行可能であるので、異常入賞が生じたことを報知することができるとともに、遊技を継続することが可能であって遊技者が不利益を被らないようにすることができる。