JP2008226173A - 製品信頼性解析装置、製品信頼性解析方法及びプログラム - Google Patents

製品信頼性解析装置、製品信頼性解析方法及びプログラム Download PDF

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【課題】知識工学の手法を用いることで、統計的にばらつきを含んだ製品に準ずる特性を持った形成モデルを生成することにより、製品の信頼性を短時間に解析することが可能な製品信頼性解析装置、製品信頼性解析方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】初期形状データ生成部20は、知識工学の手法を単独または複合的に用いることにより、統計的にばらつきを含んだ製品に準ずる特性を持った解析モデルデータを生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、製品信頼性解析装置、製品信頼性解析方法及びプログラムに関する。特に、寸法、性能等の特性値にばらつきを持つ工業製品の製品信頼性を短時間に解析することが可能な製品信頼性解析装置、製品信頼性解析方法及びプログラムに関する。
一般的に、工業製品は、寸法、性能等の特性値にばらつきを持っていることはよく知られている。しかし、製品を構成する材料等の寿命に、このような特性値にばらつきがどの程度影響を及ぼすかは自明ではない。そこで、製品の信頼性を予測するために、様々な方法が提案されている。
例えば、従来からの方法として厳密な計算値で形状データ等が入力されたモデルを利用して、計算機シミュレーションを実施し、寿命予測を実行する方法がある。厳密な計算値で形状データ等が入力されたモデルの生成方法として、特許文献1では、複雑な形状の解析被対象物についても、数値解析に要する座標や解析格子データを容易に生成することができる解析格子データ生成装置が提案されている。
また、少しずつ形状が異なる実物の製品のX線CT画像等を多数用意して、この画像を再構成して複数のずれを含んだ計算モデルを生成する方法もある。
特開2003−141187号公報
しかしながら、厳密な計算値で形状データ等が入力されたモデルを利用した場合、正確に製品が製造されたと仮定した場合の寿命予測結果しか得ることができない。また、製品のばらつきを調査しようとして、人為的に製品の寸法を変更したモデルで再計算して所望の情報を得ることもできる場合も有るが、多数本の電線等の例のように、多数の構成要素がランダムに少しずつ位置や寸法のずれを有する製品では、人為的に偏差を与えようにも、入力作業に時間がかかりすぎて、不可能な場合が多かった。
また、X線CT画像等を多数用意して、この画像を再構成して複数のずれを含んだ計算モデルを生成する場合も、解析モデルとして使用できるデータを得ようとすると測定のために多大な時間と手間を要し、解析のメリットである時間短縮の効果がそがれるという問題点もあった。
一般的に、複雑な形状を有する製品を少しずつランダムに変形させた、即ち、ばらつきを持たせた計算モデルを自動的に構築することは、計算機にとっては非常に難易度が高く、従来実用化された技術はない。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、知識工学の手法を用いることで、統計的にばらつきを含んだ製品に準ずる特性を持った解析モデルを生成することにより、製品の信頼性を短時間に解析することが可能な製品信頼性解析装置、製品信頼性解析方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上述した従来の問題点を解決すべく下記の発明を提供する。
本発明の第1の態様にかかる製品信頼性解析装置は、製品の信頼性を解析する製品信頼性解析装置であって、信頼性を解析する対象となる前記製品の設計データに基づいて、当該製品の初期形状の解析モデルデータを生成する初期形状データ生成手段と、前記初期形状データ生成手段によって生成された前記初期形状の解析モデルデータに基づいて、前記製品を解析する解析手段と、前記解析手段によって解析された結果に基づいて、前記製品の信頼性を判定する信頼性判定手段とを備え、前記初期形状データ生成手段は、前記製品に対応した知識工学の手法を単独または複合して適用して、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して所定の製品有効範囲内の偏差を持った前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする。
このような構成であれば、初期形状データ生成手段によって、知識工学の手法を単独または複合的に用いることで、統計的にばらつきを含んだ製品に準ずる特性を持った解析モデルデータを生成する。また、解析手段によって、製品に準ずる特性を備えた少しずつ形状等の異なる複数の解析モデルデータを統計処理のサンプルとして必要な個数用意することにより、計算機上で実験データに準ずるばらつきをもった解析結果を得られる。また、信頼性判定手段によって、寿命等の信頼性特性が実製品において、どの程度の幅をもって出現するかを予測する。
ここで、知識工学の手法とは、ニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズム、ファジー理論、セルオートマトン等の方法のことであり、製品により最適な方法を選択して知識工学の手法として利用する。また、知識工学とは、ソフトコンピューティングのこと、あるいは、ソフトコンピューティングを含めている。また、製品の特性値とは、製品の寸法、性能等を表す値である。
これにより、設計データ等の厳密な形状データの入力作業をすることなく、寸法、性能等にばらつきを有した製品に準ずる特性を持った解析モデルデータを高精度に短時間で構築することができる。即ち、実際に製品を製造することなく、製品の信頼性を高精度に短時間で解析することができる。従って、製品の製造期間を短縮するとともに製造コストを削減することができる。
本発明の第2の態様にかかる製品信頼性解析装置は、本発明の第1の態様にかかる製品信頼性解析装置において、前記初期形状データ生成手段は、前記製品の前記設計データと前記知識工学の手法に対応付けられた当該製品の制約条件データとに基づいて、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して前記偏差を持った前記初期形状の解析モデルデータを生成する自己組織化手段を備え、前記自己組織化手段による処理を複数回繰り返すことにより、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して異なった前記偏差を持った複数の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする。
これにより、設計データ等の厳密な形状データの入力作業をすることなく、寸法、性能等にばらつきを有した製品に準ずる特性を持った解析モデルデータを高精度に短時間で構築することができる。ここで、制約条件データには乱数を使用した微小変位等の初期条件データ等も含まれる。
本発明の第3の態様にかかる製品信頼性解析装置は、本発明の第2の態様にかかる製品信頼性解析装置において、前記初期形状データ生成手段は、前記設計データに基づいて実際に作成された試作品の実績データと前記自己組織化手段によって算出された前記解析モデルデータとに基づいて、前記解析モデルデータを再生成する学習手段を、更に備え、前記自己組織化手段による処理および前記学習手段による処理を複数回繰り返すことにより、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して異なった前記偏差を持った複数の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする。
これにより、算出された形状の解析モデルデータを実際の製品から得られる実データに近いデータに近づけることができる。即ち、実際の製品から得られる実データの特徴を解析モデルデータに学習効果として取り入れることができる。
本発明の第4の態様にかかる製品信頼性解析装置は、本発明の第1から3のいずれか1つの態様にかかる製品信頼性解析装置において、前記初期形状データ生成手段は、前記製品を複数の製品部分に分割し、前記製品部分毎に、前記初期形状の解析モデルデータを生成し、作成した前記製品部分毎の前記初期形状の解析モデルデータを合体させ、当該製品の全体の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする。
これにより、大規模な製品の場合であっても、複数の製品部分に分割して、各製品部分の解析モデルデータを生成することにより、製品全体の初期形状の解析モデルデータを生成することができる。また、大規模な製品の信頼性を確保することができる。
本発明の第1の態様にかかる製品信頼性解析方法は、製品の信頼性を解析する製品信頼性解析方法であって、(a)信頼性を解析する対象となる前記製品の設計データに基づいて、当該製品の初期形状の解析モデルデータを生成する初期形状データ生成工程と、(b)前記初期形状データ生成工程(a)によって生成された前記初期形状の解析モデルデータに基づいて、前記製品を解析する解析工程と、(c)前記解析工程(b)によって解析された結果に基づいて、前記製品の信頼性を判定する信頼性判定工程と、を備え、前記初期形状データ生成工程(a)は、前記製品に対応した知識工学の手法を単独または複合して適用して、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して所定の製品有効範囲内の偏差を持った前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第1の態様にかかる製品信頼性解析装置と同等の効果が得られる。
本発明の第2の態様にかかる製品信頼性解析方法は、本発明の第1の態様にかかる製品信頼性解析方法において、前記初期形状データ生成工程(a)は、(d)前記製品の前記設計データと前記知識工学の手法に対応付けられた当該製品の制約条件データとに基づいて、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して前記偏差を持った前記初期形状の解析モデルデータを生成する自己組織化工程を備え、前記自己組織化工程(d)による処理を複数回繰り返すことにより、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して異なった前記偏差を持った複数の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第2の態様にかかる製品信頼性解析装置と同等の効果が得られる。
本発明の第3の態様にかかる製品信頼性解析方法は、本発明の第2の態様にかかる製品信頼性解析方法において、前記初期形状データ生成工程(a)は、(e)前記設計データに基づいて実際に作成された試作品の実績データと前記自己組織化工程によって算出された前記解析モデルデータとに基づいて、前記解析モデルデータを再生成する学習工程を、更に備え、前記自己組織化工程(d)による処理および前記学習工程(e)による処理を複数回繰り返すことにより、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して異なった前記偏差を持った複数の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第3の態様にかかる製品信頼性解析装置と同等の効果が得られる。
本発明の第4の態様にかかる製品信頼性解析方法は、本発明の第1から3のいずれか1つの態様にかかる製品信頼性解析方法において、前記初期形状データ生成工程(a)は、前記製品を複数の製品部分に分割し、前記製品部分毎に、前記初期形状の解析モデルデータを生成し、作成した前記製品部分毎の前記初期形状の解析モデルデータを合体させ、当該製品の全体の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第4の態様にかかる製品信頼性解析装置と同等の効果が得られる。
本発明の第1の態様にかかるプログラムは、製品の信頼性を解析する処理を、コンピュータに実行させるプログラムであって、上述した本発明の第1から4のいずれか1つの態様にかかる製品信頼性解析装置の各手段を実現させる処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムによって、コンピュータが処理を実行すると、上述した本発明の第1から4のいずれか1つの態様にかかる製品信頼性解析装置と同等の効果が得られる。
本発明によれば、設計データ等の厳密な形状データの入力作業をすることなく、寸法、性能等にばらつきを有した製品に準ずる特性を持った解析モデルデータを高精度に短時間で構築することができる。即ち、実際に製品を製造することなく、製品の信頼性を高精度に短時間で解析することができる。従って、製品の製造期間を短縮するとともに製造コストを削減することができる。
また、算出された形状の解析モデルデータを実際の製品から得られる実データに近いデータに近づけることができる。即ち、実際の製品から得られる実データの特徴を解析モデルデータに学習効果として取り入れることができる。
また、大規模な製品の場合であっても、複数の製品部分に分割して、各製品部分の解析モデルデータを生成することにより、製品全体の初期形状の解析モデルデータを生成することができる。また、大規模な製品の信頼性を確保することができる。
この発明の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なもので置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
図1は、本発明を適用可能な製品信頼性解析装置10のシステム構成の一例を示す図である。図1に示すように、製品信頼性解析装置10は、初期形状データ生成部20、解析部30、信頼性判定部40、設計データ記憶部51、制約条件データ記憶部52、学習データ記憶部53、解析モデルデータ記憶部54及び実績データ記憶部55を備えている。
初期形状データ生成部20は、知識工学の手法を単独または複合的に用いることにより、統計的にばらつきを含んだ製品に準ずる特性を持った解析モデルデータを生成する。利用する知識工学の手法は、ニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズム、ファジー理論、セルオートマトン等の方法であり、製品により最適な方法を選択して利用する。
解析部30は、初期形状データ生成部20によって生成された、製品に準ずる特性を備えた少しずつ形状等の異なる複数の解析モデルデータを、統計処理のサンプルとして必要な個数用意して、計算機上で実験データに準ずるばらつきをもった解析を実行する。例えば、応力をかけたときの製品に準ずる特性を持った解析モデルデータの歪量を解析する。ここで、解析モデルデータは、解析モデルデータ記憶部54から取得する。
信頼性判定部40は、解析部30によって解析された結果に基づいて、寿命等の信頼性特性が実製品において、どの程度の幅をもって出現するかを予測する。
上述した初期形状データ生成部20は、自己組織化部21及び学習部22を備えている。自己組織化部21は、設計データ記憶部51から製品の寸法や位置等の情報を、制約条件データ記憶部52からばらつきを制限するための初期条件等の情報を、学習データ記憶部53から学習データを取得し、取得した情報に基づいて知識工学の手法を利用して、自動的に、ずれを含んだ製品に準ずる特性を持った解析モデルデータを生成する。
また、この生成処理を複数回繰り返すことにより、統計的にばらつきを含んだ複数の解析モデルデータを生成する。生成した解析モデルデータは解析モデルデータ記憶部54に記憶される。
学習部22は、自己組織化部21に使用する学習データを算出し、学習データ記憶部53に記憶する。学習データは、設計データに基づいて製造された試作品の実データと自己組織化部21によって算出された解析モデルデータとの相違量(例えば、差分等)である。即ち、学習データは、実際の製品から得られる実データの特徴を解析モデルデータに反映させる値である。ここで、実データは実績データ記憶部55から、解析モデルデータは解析モデルデータ記憶部54から取得する。
上述の実施の形態の製品信頼性解析装置10において、初期形状データ生成部20は本発明の初期形状データ生成手段及び初期形状データ生成工程に対応し、解析部30は本発明の解析手段及び解析工程に対応し、信頼性判定部40は本発明の信頼性判定手段及び信頼性判定工程に対応し、自己組織化部21は本発明の自己組織化手段及び自己組織化工程に対応し、学習部22は本発明の学習手段及び学習工程に対応する。
次に、本発明の好適ないくつかの実施例を説明する。
繊維強化された素材、例えば、ガラス繊維入りエポキシ樹脂板、カーボン繊維入りの金属パイプ等においては、信頼性を予測することの困難性が品質保証コストを増大させるもとになっていた。図2は、ガラス繊維入りエポキシ樹脂板の断面をあらわした模式図である。図2に示すように、ガラス繊維61による織物に樹脂62を含浸し一体となった構造の例である。ガラス繊維61の1本1本の配置を考慮した解析モデルを利用して、材料に応力が加わった際に生ずる歪量を算出し、材料の耐久性(寿命)を予測した。例えば、実装基板における貫通孔に集中的に応力がかかり、絶縁破壊につながる劣化を予測した。
本実施例に使用したガラス繊維入りエポキシ樹脂板は、フィラメント径が6μmのガラスファイバ、200本からなる撚り糸を織ったガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させて形成したものである。また、その基板の寸法は、縦が100mm、横が200mm、厚さが1.6mmである。
本実施例では、まず、知識工学の手法として遺伝的アルゴリズムを利用して、計算機上の自己組織化プロセスを実行した。予め位置の揺らぎを生じさせるため、ここでは、乱数による微小変位を初期条件として導入した。数回繰り返すことで、わずかにガラス繊維61の配置がずれた複数の解析モデルが得られた。
更に、本実施例では、知識工学の手法としてニューラルネットワークを利用して、自己学習させる学習プロセスを追加した。解析対象によっては、自己組織化プロセスのみで所望の解析も出るが得られる場合もある。また、学習用の教師データを使用する方法と使用しない方法とがあるが、本実施例では、教師データを使用した学習を実行した。その結果、より現実の配置に近い解析モデルが得られることを確認した。
図3は、複数の解析モデルから得られた予測寿命の分布及び測定によって得られた耐久寿命の分布を示した図である。横軸は寿命の長さを階級に変換した値を示し、縦軸は規格化された度数を示している。図3に示すように、解析モデルから得られた予測寿命の分布63と測定によって得られた耐久寿命の分布64とはほぼ一致する結果となった。従って、計算機には不得手とされていた製品の製造ばらつきを反映した解析モデルを構築できることがわかった。
乗り物、ロボット等に使用される電線は、繰り返し曲げや振動によって疲労破壊を起こすことがしばしばあり、設計を誤ると非常に短寿命となりかねない。図4は、複数の電線65を束にして構成したケーブルの模式図である。電線65の1本1本の配索経路を考慮した解析モデルを利用して、ケーブルの耐久性(寿命)を予測した。
本実施例に使用したケーブルは、20本の電線を束としたもので、電線長はおよそ500mmである。また、20本の電線の構成は、外径1.0mmの電線が5本、外径1.5mmの電線が5本、外径2.0mmの電線が5本、外径2.5mmの電線が3本、外径3.0mmの電線が1本、及び外径5.0mmの電線が1本である。
本実施例では、まず、知識工学の手法としてセルオートマトン法を利用して、計算機上の自己組織化プロセスを実行した。予め位置の揺らぎを生じさせるため、ここでは、乱数による微小変位を初期条件として導入した。数回繰り返すことで、わずかに電線65の配索経路がずれた複数の解析モデルが得られた。
更に、本実施例では、知識工学の手法としてニューラルネットワークを利用して、自己学習させる学習プロセスを追加した。その結果、より現実の配置に近い解析モデルが得られることを確認した。
図5は、複数の解析モデルから得られた予測寿命の分布及び測定によって得られた耐久寿命の分布を示した図である。横軸は寿命の長さを階級に変換した値を示し、縦軸は規格化された度数を示している。図5に示すように、解析モデルから得られた予測寿命の分布66と測定によって得られた耐久寿命の分布67とはほぼ一致する結果となった。従って、計算機には不得手とされていた製品の製造ばらつきを反映した解析モデルを構築できることがわかった。
本発明を適用可能な製品信頼性解析装置10のシステム構成の一例を示す図である。 ガラス繊維入りエポキシ樹脂板の断面をあらわした模式図である。 複数の解析モデルから得られた予測寿命の分布及び測定によって得られた耐久寿命の分布を示した図である。 複数の電線65を束にして構成したケーブルの模式図である。 複数の解析モデルから得られた予測寿命の分布及び測定によって得られた耐久寿命の分布を示した図である。
符号の説明
10 製品信頼性解析装置
20 初期形状データ生成部
21 自己組織化部
22 学習部
30 解析部
40 信頼性判定部

Claims (9)

  1. 製品の信頼性を解析する製品信頼性解析装置であって、
    信頼性を解析する対象となる前記製品の設計データに基づいて、当該製品の初期形状の解析モデルデータを生成する初期形状データ生成手段と、
    前記初期形状データ生成手段によって生成された前記初期形状の解析モデルデータに基づいて、前記製品を解析する解析手段と、
    前記解析手段によって解析された結果に基づいて、前記製品の信頼性を判定する信頼性判定手段と、
    を備え、
    前記初期形状データ生成手段は、前記製品に対応した知識工学の手法を単独または複合して適用して、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して所定の製品有効範囲内の偏差を持った前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする製品信頼性解析装置。
  2. 前記初期形状データ生成手段は、
    前記製品の前記設計データと前記知識工学の手法に対応付けられた当該製品の制約条件データとに基づいて、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して前記偏差を持った前記初期形状の解析モデルデータを生成する自己組織化手段を備え、
    前記自己組織化手段による処理を複数回繰り返すことにより、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して異なった前記偏差を持った複数の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする請求項1に記載の製品信頼性解析装置。
  3. 前記初期形状データ生成手段は、
    前記設計データに基づいて実際に作成された試作品の実績データと前記自己組織化手段によって算出された前記解析モデルデータとに基づいて、前記解析モデルデータを再生成する学習手段を、更に備え、
    前記自己組織化手段による処理および前記学習手段による処理を複数回繰り返すことにより、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して異なった前記偏差を持った複数の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする請求項2に記載の製品信頼性解析装置。
  4. 前記初期形状データ生成手段は、前記製品を複数の製品部分に分割し、前記製品部分毎に、前記初期形状の解析モデルデータを生成し、作成した前記製品部分毎の前記初期形状の解析モデルデータを合体させ、当該製品の全体の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の製品信頼性解析装置。
  5. 製品の信頼性を解析する製品信頼性解析方法であって、
    (a)信頼性を解析する対象となる前記製品の設計データに基づいて、当該製品の初期形状の解析モデルデータを生成する初期形状データ生成工程と、
    (b)前記初期形状データ生成工程(a)によって生成された前記初期形状の解析モデルデータに基づいて、前記製品を解析する解析工程と、
    (c)前記解析工程(b)によって解析された結果に基づいて、前記製品の信頼性を判定する信頼性判定工程と、
    を備え、
    前記初期形状データ生成工程(a)は、前記製品に対応した知識工学の手法を単独または複合して適用して、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して所定の製品有効範囲内の偏差を持った前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする製品信頼性解析方法。
  6. 前記初期形状データ生成工程(a)は、
    (d)前記製品の前記設計データと前記知識工学の手法に対応付けられた当該製品の制約条件データとに基づいて、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して前記偏差を持った前記初期形状の解析モデルデータを生成する自己組織化工程を備え、
    前記自己組織化工程(d)による処理を複数回繰り返すことにより、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して異なった前記偏差を持った複数の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする請求項5に記載の製品信頼性解析方法。
  7. 前記初期形状データ生成工程(a)は、
    (e)前記設計データに基づいて実際に作成された試作品の実績データと前記自己組織化工程によって算出された前記解析モデルデータとに基づいて、前記解析モデルデータを再生成する学習工程を、更に備え、
    前記自己組織化工程(d)による処理および前記学習工程(e)による処理を複数回繰り返すことにより、前記設計データに比較して、当該製品の特性値に対して異なった前記偏差を持った複数の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする請求項6に記載の製品信頼性解析方法。
  8. 前記初期形状データ生成工程(a)は、前記製品を複数の製品部分に分割し、前記製品部分毎に、前記初期形状の解析モデルデータを生成し、作成した前記製品部分毎の前記初期形状の解析モデルデータを合体させ、当該製品の全体の前記初期形状の解析モデルデータを生成することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の製品信頼性解析方法。
  9. 製品の信頼性を解析する処理を、コンピュータに実行させるプログラムであって、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の製品信頼性解析装置の各手段を実現させる処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

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