JP2008220807A - 生体内植込み用電極リードおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体内植込み後の電極と神経組織との間の直接的、間接的な異物反応を低減する生体内植込み用電極リードおよびその製造方法の提供。
【解決手段】少なくとも1つの電極を有する遠位端10aと、刺激発生装置との接続手段を有する近位端10bと、前記電極と前記接続手段とを接続し、電気信号を伝達する電気導体および該電気導体を被覆する絶縁被覆からなる導体部3と、前記電極を装着する対象を被包する面を有し、該面の少なくとも一部に前記電極が形成された支持体2と、を有する生体内植え込み用電極リード1であって、前記支持体の前記面の少なくとも一部に生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層が形成されていることを特徴とする生体内植込み用電極リード。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体内植込み用電極リードに関し、さらに詳細には生体内植込み後に発生する、神経組織等の生体組織と、電極および/または該電極の支持体と、の異物反応の低減、線維性被膜形成による生体インピーダンス上昇の低減、刺激エネルギーの低減または電極装着部位での線維性被膜形成による物理的応力に起因した虚血、それによる神経組織等の生体組織を構成する細胞の死滅を軽減した生体内植込み用電極リードに関する。
心臓ペースメーカー、除細動装置、神経刺激装置、疼痛緩和装置、てんかん治療装置、筋肉電気刺激装置等は電気刺激を直接または間接的に心臓、神経、筋肉等の患部に与え治療を行う装置である。これらの装置では、生体で植込み使用するための多くの植込み可能な電極リードが知られている。一般に、電極リードは、電気的刺激を与え、もしくは電気的興奮を感知するための少なくとも1つの電極と、神経刺激装置、疼痛緩和装置、てんかん治療装置、筋肉刺激装置等の刺激発生装置と電気的接続をするための接続手段(電気コネクタ)と、電極および接続手段の間に設けられ、電気信号を伝えるための電気導体および電気導体を絶縁する生体適合性の絶縁被覆からなる導体部(リードボディ)と、から構成されている。なお、経皮下織で使用される生体内植込み用電極リードでは、電極は、神経、脳、筋肉等と接続され、電気導体の大部分は、皮下織下に挿入され、接続手段が神経刺激装置、疼痛緩和装置、てんかん治療装置、筋肉刺激装置等の生体内植込み刺激発生装置に接続される構造となっている。ここでいう、皮下織とは皮膚と筋肉の間に位置する組織をいう。以下に、従来の生体内植え込み用電極リードの一例を説明する。
生体内植え込み用電極リードの一例は、神経刺激装置等の生体内植込み刺激発生装置に接続される、接続手段を有する近位端と、目的部位に装着され、該部位に電気刺激を与える電極を有する遠位端と、該近位端と該遠位端を接続して、電気信号を伝達する電気導体および該電気導体の絶縁被覆からなる導体部と、から構成される。
神経組織等の生体組織に装着する際には、生体内植込み用電極リードの電極を神経、脳、筋肉等の目的部位に装着し、さらに電極が目的部位から移動しないように、支持体を介して生体組織に固定される。
電極を神経組織に装着する場合を例に挙げると、ヘリカル型の場合、電極が形成されたコイル状の支持体を神経組織に巻きつけることにより固定する。また、カフ型のように、電極が形成された管状の支持体内部へ神経組織を挿入し、固定する場合もある。さらに支持体による固定のみでは、不十分な場合は、導体部に縫合スリーブのような固定構造を設け、生体組織への固定を行い、神経組織にかかる応力を軽減する。
電極を神経組織に固定した後、電極と神経組織との間で直接的または間接的に異物反応が起こる。ここで、電極と神経組織との間で間接的に起こる異物反応とは、電極が形成された支持体と神経組織との間で起こる異物反応を意図する。この異物反応による炎症で、電極と神経組織との間に線維性被膜が形成され、生体インピーダンスの上昇ならび刺激エネルギーの上昇が起こり、ペーシング不全もしくは、刺激装置のバッテリー寿命の短縮を生じることがある。また、神経組織は、非常に脆弱な組織であることから、電極装着時における手術手技に起因した神経組織の剥離などの間接的な影響や、電極および支持体での線維性被膜形成による物理的応力による神経組織の壊死、または栄養血管の圧迫による神経細胞の死滅などもありうる。一方、電極リード植込み後の異物反応もしくは、炎症反応を抑制する目的で、抗炎症薬をポリウレタンもしくはシリコーン等の高分子材料に混練した薬物放出層を電極下に設けた電極リードも開示されているが(特許文献1参照)、成型加工性等の製造上の困難や抗炎症作用部位が限定されるなどの問題が予想される。また、神経組織周囲の炎症反応は、電極周囲のみならず、該電極が形成された支持体全体に起きる可能性が大きいため、薬物放出層は支持体上の広範な面積に形成する必要があると推察される。
米国特許第5,265,608号明細書
本発明は、生体内植込み後の電極と神経組織との間の直接的、間接的な異物反応を低減する生体内植込み用電極リードおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、少なくとも1つの電極を有する遠位端と、
刺激発生装置との接続手段を有する近位端と、
前記電極と前記接続手段とを接続し、電気信号を伝達する電気導体および該電気導体を被覆する絶縁被覆からなる導体部と、
前記電極を装着する対象を被包する面を有し、該面の少なくとも一部に前記電極が形成された支持体と、を有する生体内植え込み用電極リードであって、前記支持体の前記面の少なくとも一部に生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層が形成されていることを特徴とする生体内植込み用電極リードを提供する。
本発明の生体内植込み用電極リードにおいて、前記電極が形成された部位を除いた前記支持体の前記面全体に前記生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層が形成されていることが好ましい。
本発明の生体内植込み用電極リードにおいて、前記電極が形成された部位を除いた前記支持体全体に前記生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層が形成されていることが好ましい。
本発明の生体内植込み用電極リードにおいて、前記支持体が、カフ型またはヘリカル型であり、前記面がカフ型またはヘリカル型の内面であることが好ましい。
本発明の生体内植込み用電極リードにおいて、前記生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層は、前記支持体上に直接形成されていてもよい。
本発明の生体内植込み用電極リードにおいて、前記生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層は、前記支持体上に形成されたパラキシリレン系樹脂層上に形成されていてもよい。
本発明の生体内植込み用電極リードにおいて、前記生分解性高分子材料が、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、ポリカプロラクトンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の生体内植込み用電極リードにおいて、前記生理活性物質が、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、プレトニゾロン、メチルプレトニゾロン、酢酸プレトニゾロン、吉草酸酪酸プレトニゾロン、ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、パラメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオロメトロン、ハルシノニド、デスオキシメタゾン、ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酢酸ジフロラゾン、酪酸クロベタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾンおよびジフロラゾンよりなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性もしくは難水溶性のステロイド系抗炎症薬であることが好ましい。
また、本発明は、少なくとも1つの電極を有する遠位端と、
刺激発生装置との接続手段を有する近位端と、
前記電極と前記接続手段とを接続し、電気信号を伝達する電気導体および該電気導体を被覆する絶縁被覆からなる導体部と、
前記電極を固定する対象を被包する面を有し、該面の少なくとも一部に前記電極が形成された支持体と、を有する生体内植込み用電極リードの組み立て工程と、
生理活性物質、生分解性高分子材料および有機溶媒を混合して溶液を調製する工程と、
前記支持体の前記面の少なくとも一部に前記溶液を塗布する工程と、
前記支持体の前記面に塗布した前記溶液を乾燥させて、前記支持体の前記面の少なくとも一部に生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層を形成する工程と、からなることを特徴とする生体内植込み用電極リードの製造方法を提供する。
また、本発明は、少なくとも1つの電極を有する遠位端と、
刺激発生装置との接続手段を有する近位端と、
前記電極と前記接続手段とを接続し、電気信号を伝達する電気導体および該電気導体を被覆する絶縁被覆からなる導体部と、
前記電極を固定する対象を被包する面を有し、該面の少なくとも一部に前記電極が形成された支持体と、を有する生体内植込み用電極リードの組み立て工程と、
生理活性物質、生分解性高分子材料および有機溶媒を混合して溶液を調製する工程と、
前記電極が形成された部位を除いた前記支持体全体に前記溶液を塗布する工程と、
前記支持体に塗布した前記溶液を乾燥させて、前記支持体に生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層を形成する工程と、からなることを特徴とする生体内植込み用電極リードの製造方法を提供する。
本発明の生体内植え込み用電極リードの製造方法において、前記溶液を調製する工程は、脂溶性若しくは難水溶性のステロイド系抗炎症薬、生分解性高分子材料および有機溶媒を混合することが好ましい。
本発明の生体内植え込み用電極リードの製造方法において、前記生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層を形成する工程は、前記溶液を前記支持体の前記面に塗布後、空気雰囲気中若しくは窒素雰囲気中、加熱下若しくは陰圧加熱下で前記有機溶媒を蒸散させ乾燥固化することが好ましい。
本発明の生体内植え込み用電極リードでは、神経組織等の生体組織を被包する支持体の面に生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層を形成することにより、生体内植込み後、神経組織等の生体組織に対して、生理活性物質が経時的かつ直接的に放出される。この生理活性物質の経時的かつ直接的な放出により、生体内植込み用電極リードの植込み後に発生する、電極と神経組織等の生体組織との間の直接的または間接的な異物反応を軽減する効果、および/または該異物反応による炎症を抑制する効果が発揮される。
また、異物反応が軽減されることにより、および/または、異物反応による炎症が抑制されることにより、電極もしくは支持体と、神経組織等の生体組織と、の間に形成される線維性被膜の厚さが低減される。
また、線維性被膜の厚さが低減されることにより、脆弱組織である神経組織等の生体組織に対する線維性被膜による物理的応力に起因した栄養血管の圧迫による神経細胞等の生体組織の死滅などのアポトーシスも軽減する効果を有する。
これらの効果により、生体インピーダンス上昇ならび刺激エネルギー上昇などの電気生理学的影響やペーシング不全の回避や、バッテリーの寿命延長が期待される。
さらに、本発明の生体内植え込み用電極リードは、製造が簡易であり、使用する生分解性高分子材料および生理活性物質の選択や、乾燥条件を変えることにより、生理活性物質の放出速度を制御することができ、より効果的に異物反応、およびそれによる炎症を抑制することができる。
本発明の生体内植込み用電極リードの好ましい態様について図面を参照して説明する。図1は、本発明の植込み用電極リードの一例として、神経組織を刺激する目的で使用される植込み用電極リードを示した側面図であり、内部構造がわかるように一部断面図となっている。
図1に示す生体内植込み用電極リード1は、刺激電極5(図3参照)を有する遠位端10aと、刺激発生装置8との接続手段(電気コネクタ)4を有する近位端10bと、刺激電極5(図3参照)と接続手段4とを接続し、電気信号を伝達する電気導体31および該電気導体31を被覆する絶縁被覆32からなる導体部3と、刺激電極2を装着する対象(ここでは、神経組織100(図2参照)を被包する面20(図3参照)を有し、該面20(図3参照)の少なくとも一部に刺激電極5(図3参照)が形成された支持体2と、を有する。導体部3には、該導体部3を生体組織に固定するための縫合スリーブ7が設けられている。
図2は、図1に示す生体内植込み用電極リード1の支持体2を神経組織100に装着した状態を示しており、生体内植込み用電極リード1は、支持体2を含む遠位端10a付近のみが示されている。図2において、ヘリカル型の支持体2を神経組織100に巻きつけることにより、支持体2の内面20(図3参照)が神経組織100を被包し、支持体2が神経組織100に固定される。
本発明の生体植込み用電極リード1と接続して使用される刺激発生装置8は、心臓ペースメーカー、除細動装置、神経刺激装置、疼痛緩和装置、てんかん治療装置、筋肉刺激装置等、公知の刺激発生装置から広く選択することができる。これらの生体植込み刺激発生装置8は通常、電極を駆動するための電源(電池)と電子回路が密封されたケース81(カン)と、電極リードを電気的および機械的に接続・固定するための接続手段(コネクタ)を内蔵するコネクタハウジング82から構成される。刺激発生装置8は一般に円形、楕円形、または長方形であり、生体内に植込みするのに適した寸法である。
支持体2は、ヘリカル型であり、その外形がコイル状である。図1に示す生体植込み用電極リード1は、2つのヘリカル型の支持体2を有しており、これらの支持体2は各々、線状部材21を介して導体部3の遠位端10a側に接続されている。詳しくは後述するが、ヘリカル型の支持体2の内面20(図3参照)には、刺激電極5(図3参照)が形成されている。したがって、生体植込み用電極リード1は、2つの刺激電極5(図3参照)を有している。対をなす2つの刺激電極5(図3参照)はそれぞれ正と負の電位を有する。このような刺激電極が設けられた支持体の具体例としては、米国特許第4573481号に記載ものが例示される。また、支持体は、ヘリカル型に限定されず、電極を装着する対象を被包する面を有し、該面の少なくとも一部に電極が形成された公知の構造のものから広く用いることができる。他の構造の支持体の具体例としては、例えば、米国特許第4608985号、米国特許第4628942号に記載のカフ型の支持体や、米国特許第5755750号に記載のフック型の支持体が挙げられる。
なお、支持体2の数は、図1に示した2つに限定されず、少なくとも1つあればよく、3つ以上であってもよい。
支持体2の材質としては、長期の生体内植え込みに対して化学的安定性および生体適合性に優れる高分子材料が好ましく使用でき、さらに柔軟性を有する材料であることが好ましい。このような材料としては、シリコーン、フルオロシリコーン、フッ素系エラストマー、ポリウレタン等が好ましく例示される。
図3は、支持体2の拡大斜視図である。図3において、ヘリカル型の支持体2の内面20には、刺激電極5が形成されている。図2に示すように、ヘリカル型の支持体2を神経組織100に巻きつけて固定した際、支持体2の内面20に形成された刺激電極5が神経組織100に装着される。刺激電極5の材質としては、導電性に優れ、長期の生体内植え込みに対して安定性に優れ、生体に対して毒性がないことからチタン、白金、白金イリジウム、ステンレスなどが挙げられる。さらに、電極表面の導電効率、生体適合性を向上させることから、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、およびタングステンからなる群から選択される少なくとも1つ以上の金属の炭化物または窒化物の多孔体等が好ましい。
図3に示す支持体2において、刺激電極5が形成された部位を除いた支持体2の内面20全体に層6が形成されている。但し、本発明の生体植込み用電極リード1において、支持体2の内面20の少なくとも一部に層6が形成されていればよく、図示した態様に限定されない。
また、層6は、支持体2の内面20のうち、刺激電極5が形成された部位にも形成されていてもよい。この場合、刺激電極5は層6上に形成される。
また、図3に示す支持体2において、支持体2の内面20に直接層6が形成されているが、支持体2の表面性状により、内面20に層6を直接形成することが困難な場合もある。このような場合、支持体2の内面20にパラキシリレン系樹脂層を形成し、該パラキシリレン系樹脂層上に層6を形成する。
図4は、図2に示すように、神経組織100に支持体2を固定した状態における、層6と神経組織100との関係を示した模式図である。ここで、生分解性高分子材料61および生理活性物質62よりなる層6は、支持体2の内面20(図4には示されていない)に形成したパラキシリレン系樹脂層64上に形成されている。
図4に示すように、生体内植込み後、層6を構成する生分解性高分子材料61が分解することにより、神経組織100に対して、生理活性物質62が経時的かつ直接的に放出される。この生理活性物質62の経時的かつ直接的な放出により、生体内植込み用電極リード1の植込み後に発生する、刺激電極5と神経組織100との間の直接的または間接的な異物反応、およびそれによる炎症を軽減する効果が発揮される。
層6に含まれる生分解性高分子材料61は、特に限定されないが、生体内での分解速度が1ヶ月から3年程度のものが好ましく、1年から2年程度のものがより好ましい。例えばポリ乳酸(D−乳酸、L−乳酸およびDL乳酸のいずれでもよい)、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトンなどの単独重合体あるいはその共重合体である脂肪族ポリエステル、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネートなどのポリカーボネート、ポリオルトエステル、ポリ−L−アラニン、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタミン酸などのポリアミノ酸、ヒアルロン酸エステルなどが挙げられる。また、これらの高分子材料は単独でも2種以上の共重合体あるいは混合物でもよい。さらに、ポリ乳酸については、光学活性体、ラセミ体の何れも含まれる。またさらに、これらの重合体に改質剤を配合して弾性体としたものであってもよい。また、その他としては、コラーゲン、ゼラチン、フィフリノーゲン等蛋白質、セルロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸およびこれらを少なくとも2種類以上を組み合わせた共有結合性ポリマーもしくは混合ポリマーなどが挙げられる。
これらの中でも、ポリ乳酸(D−乳酸、L−乳酸およびDL乳酸のいずれでもよい)、ポリグリコール酸、乳酸(D−乳酸、L−乳酸およびDL乳酸のいずれでもよい)とグリコール酸との共重合体、ポリカプロラクトンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が、生体内での使用実績が十分蓄積されており、かつ、分子量や結晶状態を選択すること、例えば、結晶状態がアモルファスのものを選択することにより、生理活性物質の放出期間を制御できる等の理由から好ましい。
層6に含まれる生理活性物質62は、刺激電極5と神経組織100との間の直接的または間接的な異物反応、またはそれによる炎症を抑制する効果があるものであれば特に限定されない。このような効果を有する生理活性物質としては、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、プレトニゾロン、メチルプレトニゾロン、酢酸プレトニゾロン、吉草酸酪酸プレトニゾロン、ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、パラメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオロメトロン、ハルシノニド、デスオキシメタゾン、ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酢酸ジフロラゾン、酪酸クロベタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ジフロラゾン等の脂溶性もしくは難水溶性のステロイド系抗炎症薬、神経保護薬、神経栄養因子、生体由来材料等が挙げられる。
神経保護作用のある薬物としては、抗酸化剤、抗酸化酵素、免疫抑制剤、非免疫性抑制イムノフィリン・リガンドなどが挙げられる。さらに詳細については、抗酸化剤としては、尿酸、カテキン類、アントシアニン、プロアントシアニジン、リコピン、β―カロチン、アスコルビン酸類が挙げられる。カテキン類の中では、エピガロカテキンガレートが挙げられる。
抗酸化酵素としては、グルタチオン、SODが挙げられる。
免疫抑制剤としては、例えばシクロスポリンA、タクロリムス、ラパマイシン、シロリムス、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、塩酸グスペリウム、ミゾリビン等が挙げられる。
非免疫性抑制イムノフィリン・リガンドとしては、GPI−1046、L−685、WAY−124、446等が挙げられる。
神経栄養因子としては、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF;neurorophin3、4、5)、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)等が挙げられる。
生体由来材料としては、例えば、EGF(epidermal growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、HGF(hepatocyte growth factor)、HGF(hepatocyte grouth factor)、PDGF(platelet derived growth factor)、BFGF(basic fibrolast growth factor)等が挙げられる。
これらの中でも、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、プレトニゾロン、メチルプレトニゾロン、酢酸プレトニゾロン、吉草酸酪酸プレトニゾロン、ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、パラメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオロメトロン、ハルシノニド、デスオキシメタゾン、ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酢酸ジフロラゾン、酪酸クロベタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ジフロラゾン等の脂溶性もしくは難水溶性のステロイド系抗炎症薬が、局所での抗炎症効果の実績があり、さらに微量で炎症を抑制できる等の理由から好ましい。
また、層6は、生分解性高分子材料61および生理活性物質62以外の他の成分を必要に応じて含有してもよい。
層6の厚さは、支持体2の形状および寸法等により異なるが、10〜500μmであることが装着性および生体適合性の理由から好ましい。層6の厚さは、10〜200μmであることがさらに好ましい。なお、層6がパラキシリレン系樹脂層64上に形成される場合、層6および層64の合計厚さが上記範囲を満たすことが好ましい。
層6における生理活性物質62の含有率は、特に限定されず、生理活性物質の種類等を考慮して調製することができる。
層6からの生理活性物質62の放出による効果を十分発揮させるため、図3に示すように、刺激電極5が形成された部位を除いた支持体2の内面20全体に層6が形成されていることが好ましい。支持体2の内面20だけではなく、支持体2の外面にも層6が形成されていることがより好ましく、刺激電極5が形成されている部位を除いた支持体2全体に層6が形成されていることがさらに好ましい。なお、刺激電極5が形成されている部位を除いた支持体2全体に層6を形成する場合、支持体2上に直接層6を形成してもよいが、支持体2の表面性状により、支持体2上に層6を直接形成することが困難な場合もある。このような場合、支持体2上にパラキシリレン系樹脂層を形成し、該パラキシリレン系樹脂層上に層6を形成する。
図1に示す生体植込み用電極リード1において、接続手段(電気コネクタ)4は、刺激発生装置8のコネクタハウジング82に内蔵されるコネクタに対応する限り、オス型コネクタ、メス型コネクタ等の公知の接続手段から広く選択を用いることができる。
図1に示す生体植込み用電極リード1において、導体部3は、電極5が二つ以上あるときは、それぞれの電極に接続する二つ以上の電気導体31の外側を絶縁被覆32によって被覆されている構成でもよい。
絶縁被覆32としては、高分子材料が好ましく使用でき、特にシリコーン、フルオロシリコーン、フッ素系エラストマー、ポリウレタン等が好ましい。この中でも特にシリコーンが、長期の生体内植込みに対して化学的安定性に優れるので好ましい。
導体部3(絶縁被覆32)の表面には、特開2005−58456号公報に開示されているような潤滑コート層を形成してもよい。
以下、本発明の生体植込み用電極リードの製造方法について、図1に示した生体植込み用電極リードの製造を例に説明する。
本発明の生体植込み用電極リードの製造方法は、支持体2の内面20の少なくとも一部に生理活性物質および生分解性高分子材料よりなる層6を形成する点以外は従来の生体植込み用電極リードの製造方法と同様である。
以下、支持体2の内面20に層6を形成する手順について説明する。
図5(a)〜(f)は、支持体2の内面20に層6を形成する手順を示した図である。
まず初めに、図5(a)〜(d)に示す手順で、生分解性高分子材料61を有機溶媒63に溶解し、さらに所望の生理活性物質62を溶解または混練させて溶液60を調製する。但し、上記手順とは反対に、生理活性物質62を有機溶媒62に溶解させ、さらに生分解性高分子材料61を溶解または混練させて溶液60を調製してもよい。
ここで、生分解性高分子材料61としては、上述したものから適宜選択することができる。生理活性物質62としては、上述したものから適宜選択することができ、好ましくは上述した脂溶性もしくは難水溶性のステロイド系抗炎症薬から選択される。生分解性高分子材料61および生理活性物質62を溶解させる有機溶媒63は、生分解性高分子材料61および生理活性物質62の種類に応じて適宜選択される。具体例としては、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、エチルアセテート、クロロホルム、ヘキサフルオロイソプロパノールが挙げられる。これらの中でも、アセトンが安全性が高く、残留することが非常に少ないという理由から好ましい。
次に、図5(e)に示すように、生分解性高分子材料61および生理活性物質62を含む溶液60をインジェクター200に装填し、支持体2の内面20の少なくとも一部に溶液60を塗布する。ここで、図3に示すように、刺激電極5が形成された部位を除いた支持体2の内面20全体に層6を形成する場合、支持体2の内面20のうち、刺激電極5が形成されていない部位のみに溶液60を塗布する。これを実施するには、支持体2の内面20に刺激電極5を形成した後、刺激電極5をマスキングしてから溶液60を塗布すればよい。なお、刺激電極5が形成された部位を除いた支持体2全体に溶液を塗布する場合、支持体2の外面にも同様の手順で溶液60を塗布すればよい。
溶液60の塗布後、空気雰囲気中または窒素雰囲気中に支持体2を静置し、室温で24時間から72時間、乾燥させた後、さらに加熱下で、24時間から72時間、溶液60に含まれる有機溶媒63を蒸散させ、乾燥、固化させることにより、生分解性高分子材料61および生理活性物質62よりなる層6が形成される。この過程で、生理活性物質62の酸化が起こり、効能が失活することが予想される場合には、上記の手順は窒素雰囲気下で実施することが好ましく、もしくは図5(f)に示すように、内部を窒素雰囲気とした真空乾燥機300中、陰圧加熱下で、24時間から72時間、好ましくは24時間から48時間、乾燥固化させる。72時間を超える時間乾燥固化させると、使用する生理活性物質にもよるが、生理活性物質62の構造変化が起こるおそれがある。また、乾燥固化時間が24時間未満だと、使用する有機溶媒にもよるが、有機溶媒が残留するおそれがある。
なお、支持体2の表面性状により、支持体2の内面20に層6を直接形成できない場合、支持体2の内面20にパラキシレン系樹脂、例えば、パリレン、を予めコートしてパラキシレン系樹脂層64を形成し、該層64上に溶液60を塗布して層6を形成する。この点について、刺激電極5が形成された部位を除いた支持体2全体に層6を形成する場合も同様である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
(実施例1)
脂溶性デキサメタゾンとポリ乳酸(DL乳酸)を質量比が1:1となるようにアセトンに溶解し、デキサメタゾンとポリ乳酸(DL乳酸)を含む濃度1質量%の溶液を調製した。得られた溶液をインジェクターに取り、シリコンゴム製のシート表面上に200μlを塗布後、静置し、室温で約24時間乾燥させた後、内部を窒素雰囲気にした真空加熱機で約24時間加熱(60℃)乾燥した。その結果、シート表面にデキサメタゾンおよびポリ乳酸(DL乳酸)からなる層が形成されていることを確認した。
図6は、実施例1の結果物の写真であり、シリコンゴム製のシート表面に、デキサメタゾンおよびポリ乳酸(DL乳酸)からなる層が形成されている。
(実施例2)
脂溶性デキサメタゾンとポリ乳酸(DL乳酸)、それぞれ10mgをアセトン200μlに溶解した溶液を作製した。また、脂溶性デキサメタゾンと、DL乳酸とグリコール酸との共重合体(50%DL乳酸)、それぞれ10mgをアセトン200μlに溶解した溶液を作製した。
それぞれの溶液をインジェクターに取り、アンプル瓶内に滴下し、実施例1と同様の条件で乾燥固化して、脂溶性デキサメタゾンおよびポリ乳酸(DL乳酸)からなる試料、ならびに脂溶性デキサメタゾンおよびDL乳酸とグリコール酸との共重合体からなる試料を作製した。それぞれの試料のデキサメタゾンの量は10mgであった。
次に、作製したそれぞれの試料を37℃の生理食塩液に所定時間浸漬させた後の試料の乾燥質量を計測し、浸漬前の質量との差から生食中へのデキサメタゾンの放出量を求めた。得られたデキサメタゾン放出量と、生食への試料の浸漬時間との関係をプロットして、図7に示すデキサメタゾンの放出曲線を作成した。図7において、縦軸は、生食中へのデキサメタゾンの放出量(mg)であり、横軸は、生食への試料の浸漬時間(hr)である。
図7から明らかなように、生食浸漬4週間後(672時間後)において、脂溶性デキサメタゾンおよびポリ乳酸(DL乳酸)からなる試料では約1mg、脂溶性デキサメタゾンおよびDL乳酸とグリコール酸との共重合体からなる試料では、約3mgデキサメタゾンを放出している。よって、局所投与1mgに換算すると、それぞれ、100μg、300μgを4週間で放出したこととなる。
通常デキサメタゾン2.0mgを静脈内投与した際の血中濃度の計測を行うと、最大血中濃度は、4.09±0.92μg/dlであることから、局所投与量としては、十分薬効を発揮する量である。さらに何れの試料でも、生食浸漬後、早期よりデキサメタゾンの放出が開始されている。よって、神経組織への電極装着後に発生する炎症作用、特に浮腫などの早期反応に対しても薬効が発揮される。
乳酸とグリコール酸との共重合体の生体内分解速度は、1〜2カ月である。よって、神経組織の結合織よりの剥離や電極装着時の物理的作用に起因する早期炎症に対しての効果が期待される。また、早期炎症を抑制すれば、その後の線維性被膜形成も抑制されるものと考えられる。さらに長期的な炎症に対する効果を期待する場合は、より分解速度の遅いD乳酸、L乳酸の使用が望ましい。
図1は、神経刺激用の生体植込み用電極リードを示した側面図であり、内部構造がわかるように一部断面図となっている。 図2は、図1に示す生体内植込み用電極リード1の支持体2を神経組織100に装着した状態を示しており、生体内植込み用電極リード1は、支持体2を含む遠位端10a付近のみが示されている。 図3は、図1の支持体2の拡大斜視図である。 図4は、図2に示すように、神経組織100に支持体2を固定した状態における、層6と神経組織100との関係を示した模式図である。 図5(a)〜(f)は、支持体2の内面20に層6を形成する手順を示した図である。 図6は、実施例1の結果物の写真である。 図7は、実施例2におけるデキサメタゾンの放出曲線である。
符号の説明
1 生体内植え込み用電極リード
2 支持体
20 内面
21 線状部材
3 導体部
31 電気導体
32 絶縁被覆
4 コネクタ
5 刺激電極
6 生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層
60 生分解性高分子材料および生理活性物質を含む溶液
61 生分解性高分子材料
62 生理活性物質
63 有機溶媒
64 パラキシリレン系樹脂層
7 縫合スリーブ
8 生体植込み刺激発生装置
81 ケース
82 コネクタハウジング
10a 遠位端
10b 近位端
100 神経組織
200 インジェクター

Claims (12)

  1. 少なくとも1つの電極を有する遠位端と、
    刺激発生装置との接続手段を有する近位端と、
    前記電極と前記接続手段とを接続し、電気信号を伝達する電気導体および該電気導体を被覆する絶縁被覆からなる導体部と、
    前記電極を装着する対象を被包する面を有し、該面の少なくとも一部に前記電極が形成された支持体と、を有する生体内植え込み用電極リードであって、前記支持体の前記面の少なくとも一部に生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層が形成されていることを特徴とする生体内植込み用電極リード。
  2. 前記電極が形成された部位を除いた前記支持体の前記面全体に前記生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の生体内植込み用電極リード。
  3. 前記電極が形成された部位を除いた前記支持体全体に前記生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の生体内植込み用電極リード。
  4. 前記支持体が、カフ型またはヘリカル型であり、前記面がカフ型またはヘリカル型の内面であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内植込み用電極リード。
  5. 前記生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層が、前記支持体上に直接形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内植込み用電極リード。
  6. 前記生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層が、前記支持体上に形成されたパラキシリレン系樹脂層上に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内植込み用電極リード。
  7. 前記生分解性高分子材料が、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、ポリカプロラクトンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の生体内植込み用電極リード。
  8. 前記生理活性物質が、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、プレトニゾロン、メチルプレトニゾロン、酢酸プレトニゾロン、吉草酸酪酸プレトニゾロン、ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、パラメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオロメトロン、ハルシノニド、デスオキシメタゾン、ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酢酸ジフロラゾン、酪酸クロベタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾンおよびジフロラゾンよりなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性もしくは難水溶性のステロイド系抗炎症薬であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の生体内植込み用電極リード。
  9. 少なくとも1つの電極を有する遠位端と、
    刺激発生装置との接続手段を有する近位端と、
    前記電極と前記接続手段とを接続し、電気信号を伝達する電気導体および該電気導体を被覆する絶縁被覆からなる導体部と、
    前記電極を固定する対象を被包する面を有し、該面の少なくとも一部に前記電極が形成された支持体と、を有する生体内植込み用電極リードの組み立て工程と、
    生理活性物質、生分解性高分子材料および有機溶媒を混合して溶液を調製する工程と、
    前記支持体の前記面の少なくとも一部に前記溶液を塗布する工程と、
    前記支持体の前記面に塗布した前記溶液を乾燥させて、前記支持体の前記面の少なくとも一部に生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層を形成する工程と、からなることを特徴とする請求項1、2、4〜8のいずれかに記載の生体内植込み用電極リードの製造方法。
  10. 少なくとも1つの電極を有する遠位端と、
    刺激発生装置との接続手段を有する近位端と、
    前記電極と前記接続手段とを接続し、電気信号を伝達する電気導体および該電気導体を被覆する絶縁被覆からなる導体部と、
    前記電極を固定する対象を被包する面を有し、該面の少なくとも一部に前記電極が形成された支持体と、を有する生体内植込み用電極リードの組み立て工程と、
    生理活性物質、生分解性高分子材料および有機溶媒を混合して溶液を調製する工程と、
    前記電極が形成された部位を除いた前記支持体全体に前記溶液を塗布する工程と、
    前記支持体に塗布した前記溶液を乾燥させて、前記支持体に生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層を形成する工程と、からなることを特徴とする請求項3に記載の生体内植込み用電極リードの製造方法。
  11. 前記溶液を調製する工程は、脂溶性若しくは難水溶性のステロイド系抗炎症薬、生分解性高分子材料および有機溶媒を混合することを特徴とする請求項9または10に記載の生体内植込み用電極リードの製造方法。
  12. 前記生分解性高分子材料および生理活性物質よりなる層を形成する工程は、前記溶液を前記支持体の前記面に塗布後、空気雰囲気中若しくは窒素雰囲気中、加熱下若しくは陰圧加熱下で前記有機溶媒を蒸散させ乾燥固化することを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の生体内植込み用電極リードの製造方法。
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