JP2008220168A - 2次電池パック及びその異常状態回避方法 - Google Patents

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房美 三浦
Kazutoshi Sukigara
和俊 鋤柄
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Abstract

【課題】2次電池の異常状態を早期に回避する。
【解決手段】充電電流が所定値以上流れ、かつ電池電圧が略一定状態のとき(110)、充電電流が流れ、かつ電池電圧が減少したとき(104)、充電電流が流れ、かつ電池電圧が急激に上昇したとき(106)、充電電流及び放電電流が流れていない状態で電池電圧が減少したとき(118)、放電電流が流れているか、または充電電流及び放電電流が流れていない状態で電池電圧が上昇したとき(112)、放電電流が流れているか、または充電電流及び放電電流が流れていない状態で電池電圧が急激に減少したとき(114)のいずれかの条件が成立したときに、2次電池異常と判断し、電流遮断スイッチS1をオフにする(120,122)。
【選択図】図2

Description

本発明は、2次電池パック及びその異常状態回避方法に係り、特に、過充電等による2次電池の異常状態を早期に回避する2次電池パック及びその異常状態回避方法に関する。
2次電池であるリチウムイオン電池を充電するとき、正常状態では、一定充電電流(充電方向を負にしたとき、例えば、−1C(一定の放電が1時間継続可能な電流値))で電圧が一定値(通常、4.1V前後)まで徐々に上昇し、電圧が一定値になった所で充電電流が徐々に低下して0になる(CC−CV充電)。過充電等の異常状態では、充電電流は減少せずに流れ続け、このとき電圧は殆ど変化がないか降下するかあるいは急激に上昇する。従来は、電圧が所定値以上か、または電流値が所定値以上かを判断することにより、異常状態を判定していたため、電池の異常状態を正確に判定することができなかった。
特許文献1には、満充電までの充電領域(定電流充電または定電圧充電)において、定電流充電では電圧値が設定値より小さいとき、定電圧充電では電流値が、設定した値より大きいときに、微小短絡として検出することが開示されている。また、各サイクル充電での挙動から設定時間、電圧値、電流値をきめ細かく設定している。これは、基本的に同じ電池をサイクル試験する際には有効である。
特開平9−17458号公報
しかしながら、一般的にリチウム電池では、電極材料の構成や種類によって定電圧充電の電圧値が異なり、また、容量も大きく変化し、充電電流も変化する。特に、パック電池に構成した場合、電池の直並列数によってその値が大きく変化する。このように特性が異なる電池を充電する際には、設定値や挙動が異なるため、従来の技術は使用することができない。
特に、設定電圧値を間違えてしまった場合には、定電圧充電にならず、定電流充電が行われ、電圧値は本来設定すべき値の電圧値付近で一定になる。この場合、上記従来技術では設定した時間を経過して初めて異常を検出することができるにすぎない。
また、電池の個体差(例えば、充電状態の違い、満充電容量の違い)によっても充放電の特性が異なるため、電池を付け替えて充放電させるときにも適用できない。
本発明は、上記従来の問題点を解消するためになされたもので、2次電池の異常状態を早期に回避することができる2次電池パック及びその異常状態回避方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の2次電池パックは、2次電池と、前記2次電池の電圧を検出する電圧検出手段と、前記2次電池の電流を検出する電流検出手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧が前記2次電池の充電中に一定になり、かつ前記電流検出手段により検出された電流が充電方向に流れる場合に、前記電流を遮断する遮断手段と、を備えている。
前記2次電池パックは、前記遮断手段により前記電流が遮断された場合に前記2次電池を放電させる放電手段を更に備えてもよい。
また、本発明の2次電池パックの異常状態回避装置は、2次電池の電圧及び電流を検出し、検出された電圧が前記2次電池の充電中に一定になり、かつ検出された電流が充電方向に流れる場合に、前記電流を遮断する。
前記2次電池パックの異常状態回避装置は、電流が遮断された場合に前記2次電池を放電させてもよい。
本発明の2次電池パック及びその異常状態判定方法によれば、2次電池の電圧及び電流を検出し、検出された電圧が前記2次電池の充電中に一定になり、かつ検出された電流が充電方向に流れる場合に、前記電流を遮断することにより、2次電池の異常状態を早期に回避することができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、図1に示すように、リチウムイオン電池等の2次電池Bが収納された電池パック10に対して並列に、充放電回路12を接続して構成されている。電池パック10内には、2次電池B、2次電池Bと並列に接続された電圧検出装置14、及び2次電池Bの正極と充放電回路12との間に接続された電流検出装置16と電流遮断スイッチS1とからなる直列回路が収納されると共に、一端が電流計16と電流遮断スイッチS1との間に接続され、かつ他端が2次電池Bの負極と充放電回路12との間に接続された短絡スイッチS2と放電抵抗Rとからなる直列回路が収納されている。
また、電池パック10内には、電圧検出装置14、電流検出装置16、電流遮断スイッチS1、及び短絡スイッチS2の各々に接続され、かつマイクロコンピュータを含んで構成された計測制御回路18が収納されている。
以下、図2を参照して、計測制御回路18のマイクロコンピュータで実行される充放電及び異常状態に推移していると判定されたときの異常時の処理を含む制御ルーチンについて説明する。
図2の制御ルーチンは、計測制御回路18のマイクロコンピュータによって電流遮断スイッチS1をオン、短絡スイッチS2をオフして充放電回路12による2次電池の充放電を開始させた後、所定時間毎に実行される。ステップ102では、2次電池を通って流れる電流(以下、電池電流)Iが負か否かを判断することにより、充電中か、放電中か、または充放電停止中かを判断する。本実施の形態では、充電のとき電池電流Iを負、放電のとき電池電流Iを正とする。電池電流Iが負のとき、すなわち充電中は、ステップ104において、電池電圧の単位時間(例えば、10秒)当たりの変化量(以下、電池電圧の変化量)ΔVが負か否かを判断することにより、電池電圧Vが減少しているか否かを判断する。
電池電圧の変化量ΔVが負の場合は、充電しているにも拘わらず、電池電圧Vが減少しているので、異常と判断して異常時の処理を実行する。この異常時の処理では、まずステップ120で電流遮断スイッチS1をオフして充電電流を遮断し、ステップ124で電池電圧Vが所定値V0(例えば、3.5V、満充電容量の20%相当の値)以上か否かを判断し、電池電圧Vが所定値V0以上の場合は、ステップ126で短絡スイッチS2をオンして放電抵抗Rを介して2次電池を安全に放電させる。なお、このとき放電抵抗Rを変化させ、更に安全に放電させるようにしてもよい。
電池電圧の変化量ΔVが0以上の場合、すなわち電池電圧Vが一定または増加している場合には、ステップ106で電池電圧の変化量ΔVが閾値ΔV2以上か否かを判断することにより、電池電圧Vが急激に上昇しているか否かを判断する。閾値ΔV2は、変化量ΔVが急激に変化しているか否かを判断するための閾値であるので、閾値の中でも比較的大きな値、例えば0.2Vが採用される。
ステップ106で電池電圧Vが、急激に上昇している場合には、異常と判断し上記で説明した異常時の処理を実行する。
ステップ106で電池電圧が急激に上昇していないと判断された場合には、ステップ108において電流Iが充電電流の閾値I1(例えば、−1/3C(一定の放電が1時間継続可能な電流値Cの1/3)以下か否かを判断する。
電流Iが充電電流の閾値I1を越えている場合には、正常であると判断し、電流Iが充電電流の閾値I1以下の場合には、ステップ110で電池電圧の変化量ΔVが、閾値ΔV1以下か否かを判断することにより、電池電圧が略一定か否かを判断する。閾値ΔV1は、電池電圧が略一定か否かを判定するための閾値であり、0に近い正の小さな値、例えば0.01Vを採用することができる。ステップ104及びステップ106で否定判断されることにより、ΔV2>ΔV≧0になっているので、ステップ110の判断が肯定のときはΔV1≧ΔV≧0(本実施の形態の例では、0.01≧ΔV≧0)であるので、ステップ110の判断によって電池電圧が略一定であることを判断することができる。
電池電圧Vが略一定のときには、充電しているにも拘わらず、電池電圧Vが上昇していないので異常と判断し、上記で説明した異常時の処理を実行する。一方、電池電圧Vの変化量ΔVが閾値ΔV1を越えているとき、すなわち電池電圧Vが略一定でないときは、正常と判断する。
ステップ102で2次電池を通って流れる電流Iが0または正と判断された場合、すなわち放電中か充放電停止中のいずれかの場合には、ステップ112において電池電圧の変化量ΔVが0を越えているか否かを判断することにより、電池電圧Vが上昇しているか否かを判断する。変化量ΔVが0を越えていると判断された場合には、正常状態では放電中または充放電停止中には電池電圧が下降するか変化しないにも拘わらず、電池電圧が上昇しているので、異常と判断し、ステップ122で電流遮断スイッチS1をオフにし、ステップ124で電池電圧Vが所定値V0以上か否かを判断し、電池電圧Vが所定値V0以上の場合は、ステップ126で短絡スイッチS2をオンして放電抵抗Rを介して2次電池を安全に放電させることにより、上記で説明した異常時の処理を実行する。なお、このとき放電抵抗Rを変化させ更に安全に放電させるようにしてもよい。
電池電圧の変化量ΔVが0以下の場合、すなわち電池電圧が変化しないか下降している場合には、ステップ114で、電池電圧の変化量ΔVが閾値ΔV4以下か否かを判断することにより、電池電圧Vが急激に減少しているか否かを判定する。この閾値ΔV4は、例えば、−0.1Vとすることができる。電池電圧が急激に減少している場合には、異常と判断し、上記で説明した異常時の処理を実行する。
ステップ114で電池電圧が急激に変化していないと判断された場合には、ステップ116において電池電流Iが0か否かを判断することにより、放電中か充放電停止中かを判断する。電池電流Iが正のとき、すなわち放電中は、ステップ112及びステップ114で電池電圧の変化量ΔVが0以下でかつ急変していないと判断されているので、正常と判断してこのルーチンを終了する。
電池電流Iが0のとき、すなわち充放電停止中は、ステップ118で電池電圧の変化量ΔVが充放電を停止しているときに自然放電により電圧が減少するときの閾値ΔV3(例えば、−0.001V)以下か否かを判断する。電池電圧の変化量ΔVが閾値ΔV3以下とき、すなわちΔV4<ΔV≦ΔV3(本実施の形態の例では、−0.1<ΔV≦−0.001)のときは、電池電圧の低下量が自然放電による低下量より大きいので、異常と判断し、上記で説明した異常時の処理を実行する。一方、電池電圧の変化量ΔVが閾値ΔV3を越える場合には、電池電圧の低下が自然放電による低下量以下であるので、正常と判断する。
図3(A)は、異常時に本発明を適用しなかった時、(B)は異常時に本発明を適用した時の例で、電池電圧、電流、電池温度の変化を示すものである。
図3(A)に示すように4.1V付近では電池電圧が一定になり、かつ電流が充電方向に1C流れていても充電を続けると、電池温度が上昇するなどの異常状態になる。図3(B)では、4.1V付近で電池電圧が一定になり、かつ電流が充電方向に1C流れているので、本発明により異常状態と判定し、充電電流を停止し、電池電圧が3.5V以上の4.1V前後あるので、放電抵抗により放電する。放電したことで電池電圧が下がり、異常状態が防止される。
本実施の形態のブロック図である。 本実施の形態の計測制御回路による異常判定処理ルーチンを示す流れ図である。 (A)は異常時に本発明を適用しなかった場合の電池電圧、電流、及び電池温度の変化の例を示す線図であり、(B)は異常時に本発明を適用した場合の電池電圧、電流、及び電池温度の変化の他の例を示す線図である。
符号の説明
10 電池パック
12 充放電回路
18 計測制御回路

Claims (4)

  1. 2次電池と、
    前記2次電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記2次電池の電流を検出する電流検出手段と、
    前記電圧検出手段により検出された電圧が前記2次電池の充電中に一定になり、かつ前記電流検出手段により検出された電流が充電方向に流れる場合に、前記電流を遮断する遮断手段と、
    を備えた2次電池パック。
  2. 前記遮断手段により前記電流が遮断された場合に前記2次電池を放電させる放電手段を更に備えた
    請求項1に記載の2次電池パック。
  3. 2次電池の電圧及び電流を検出し、
    検出された電圧が前記2次電池の充電中に一定になり、かつ検出された電流が充電方向に流れる場合に、前記電流を遮断する
    2次電池パックの異常状態回避方法。
  4. 前記電流が遮断された場合に前記2次電池を放電させる
    請求項3に記載の2次電池パックの異常状態回避方法。
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