JP2008218748A - 表示装置およびフレキシブルプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】FPCを用いた電気的接続構造体の接続信頼性を向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】信号線11と、信号線11の一方の面(第1の面)11aを被覆するベースフィルム(第1絶縁層)12と、面11aの反対側に位置する面(第2の面)11bを被覆するカバーフィルム(第2絶縁層)14とを備えるFPC(配線層)3であって、信号線11の端子部は、信号線11の面11bにめっき層15が形成され、めっき層15のカバーフィルム14側の端部を被覆層17で被覆する構成とする。
【選択図】図2
【解決手段】信号線11と、信号線11の一方の面(第1の面)11aを被覆するベースフィルム(第1絶縁層)12と、面11aの反対側に位置する面(第2の面)11bを被覆するカバーフィルム(第2絶縁層)14とを備えるFPC(配線層)3であって、信号線11の端子部は、信号線11の面11bにめっき層15が形成され、めっき層15のカバーフィルム14側の端部を被覆層17で被覆する構成とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、フレキシブルプリント配線の接続技術に関し、特に、表示パネルと駆動回路とをフレキシブルプリント配線で電気的に接続する表示装置に適用して有効な技術に関するものである。
例えば特開2003−195336号公報(特許文献1)には、下記の構成が記載されている。まず、コモン側ガラス基板の突出部上にフレキシブル配線基板の一端部を異方性導電接着剤を介して接合する。この後、少なくとも、シール材の外側で両ガラス基板が対向する隙間における引き回し線の配設部分及びその近傍に有機溶剤を噴霧して塗布する。
次に、塗布された有機溶剤が揮発しないうちに、隙間からコモン端子等と接合されたフレキシブル配線基板端部の上面に至る領域にわたり腐食防止用撥水剤を注射器を用いて塗布する。
このような構成とすることにより、有機溶剤の存在により塗布された腐食防止用撥水剤の表面粘度が低下し、これにより腐食防止用撥水剤が隙間の奥まで確実に塗布されるとされている。
このため、シール材の外側における引き回し線の少なくともフレキシブル配線基板との接合部に至るまでの領域の全表面を腐食防止用撥水膜で確実に覆うことができるとされている。
特開2003−195336号公報
近年、表示装置の高精細化,薄型化,軽量化を目的に回路実装基板も高密度化が進んでいる。フレキシブルプリント配線板は導電性の信号線を柔軟性の高い絶縁性樹脂で挟み込んだ構造の配線であり、形状を容易に変形できることからフレキシブルプリント配線板と呼ばれる。フレキシブルプリント配線板はフレキシブル基板と呼ばれることもあり、以下フレキシブルプリント配線板を単にFPC(Flexible Printed Circuit)と記す。
FPCは変形自在の配線板であるため、薄型化を目的とする表示装置の配線として好適である。このため、FPCは携帯電話、LCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)など多くの表示装置の配線部品として適用されている。
本発明者はFPCによる接続構造について検討した結果、以下の課題を見出した。
FPCの接続端子部は、絶縁性樹脂で被覆しない領域を設け、該領域に金属めっき層を形成することにより接続端子としている。このめっき層と絶縁性樹脂との境界部は僅かに隙間があり、信号線の一部が露出している。FPCは前述の通り、変形して使用されるため、その変形の程度によっては前記した隙間はさらに広くなる場合がある。
ここで、信号線の一部が露出しており、この露出部の雰囲気に腐食性ガスなどが存在する場合、信号線と腐食性ガスとの化学反応が生じ、信号線の腐食が進行する。FPCの信号線は、軽量化、薄型化の要求に対応するため、電気信号の伝達方向に交差する方向の断面積は非常に小さい。このため、露出箇所が僅かであっても腐食が進行すると信号線が断線してしまう問題となる。
表示装置の表示パネルと駆動回路との電気的接続にFPCを適用する場合、信号線が断線すれば表示異常の原因となる。
信号線の腐食を防止する方法として、腐食防止用撥水膜で隙間を覆えば、水分の浸入は抑制することができる。しかし、例えば硫黄などの腐食性物質がガス状態で存在した場合には前記撥水膜を通過して信号線電極が腐食してしまう場合がある。
本願発明の目的は、FPCを用いた電気的接続構造体の接続信頼性を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、本発明は、信号線と、前記信号線の第1の面を被覆する第1絶縁層と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面を被覆する第2絶縁層とを備える配線層であって、前記信号線の端子部は、前記信号線の前記第2の面にめっき層が形成され、前記めっき層の前記第2絶縁層側の端部を被覆層で被覆する構成とするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、本発明によれば、FPCを用いた電気的接続構造体の接続信頼性を向上させることができる。
本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1では、PDPと、駆動回路とを、フレキシブルプリント板(FPC)を介して電気的に接続するPDPモジュールを例として、説明する。
本実施の形態1では、PDPと、駆動回路とを、フレキシブルプリント板(FPC)を介して電気的に接続するPDPモジュールを例として、説明する。
図1は本実施の形態1のPDPモジュールにおけるPDPと駆動回路との位置関係を簡易的に示した斜視図である。
図1において、PDPモジュール(表示装置)100のPDP(表示パネル)1の表示面1aの反対側に位置する裏面1bには複数の電極端子が形成されている。また、駆動回路2はPDP1の裏面1b側に配置され、駆動回路2に形成された複数の端子とPDP1の電極端子とは、それぞれFPC(配線層)3を介して電気的に接続されている。
PDP1はマトリクス配列された複数のセルに赤色、緑色、青色のうちいずれか1つの色を発光する蛍光体が縦横に規則的に充填されている。このRGB(Red Green Blue)の各セルはサブピクセルを形成し、RGB3色で画素であるピクセルを構成する。PDPモジュール100は、各色の発光を強めたり弱めたりしてRGB3色の発光の組み合わせで様々な色を表現している。
駆動回路2からFPC3を介してPDP1に伝達される電気信号は、発光セルを選択するためのアドレス電極や選択されたセルの発光を維持するための表示電極に伝達され、PDP1の表示面に所望の画像が表示される。このため、FPC3が断線し、PDP1に電気信号が伝達されなくなると、PDP1の表示異常が発生する。
また、PDPモジュール100の薄型化の要求に対応するため、PDP1と駆動回路2との隙間はできる限り小さくなるように設計される。PDP1と駆動回路との接続配線として、変形自在のFPC3を図1に示すように駆動回路2の端部を巻き込むような状態で用いると、PDP1と駆動回路2との隙間を小さくすることができる。
また、PDP1と駆動回路2との隙間を小さくすると、通電時の熱膨張により電極端子の位置が若干ずれることがある。しかし、FPC3は変形自在なので、電極端子の位置ずれに倣って変形し、位置ずれによる断線を防止することが可能となる。
次に、FPC3の端子部の接続構造について説明する。図2は本実施の形態1のPDPモジュールにおけるPDPとFPCとの接続状態を示す拡大断面図である。
図2において、代表的に示されるPDP1の背面基板は、ガラス基板4と、ガラス基板4に形成されたアドレス電極(図示は省略)に電気的に接続される電極端子5を備えている。電極端子5としては、導電性の材料が用いられる。電極端子5の例として、銅(Cu)層をクロム(Cr)層で挟んだ構造、すなわち、Cr/Cu/Crの複数層構造の端子を例示することができる。
導電性は高いが酸化しやすい金属Cuを金属Crで挟んだ構造とすることにより、金属Cu単体で電極端子5を形成する場合と比較して、端子表面の酸化を抑制するとともに、ガラス基板4との密着性を向上させることが可能となる。
また、電極端子5の構造として、銀(Ag)層の表面に金(Au)層をめっき形成した構造を例示することもできる。
一方、FPC3は、信号線11と、信号線11の一方の面(第1の面)11aを被覆する絶縁性材料で構成されるベースフィルム(第1絶縁層)12と、面11aの反対側に位置する面(第2の面)11bを接着材13を介して被覆する絶縁性材料で構成されるカバーフィルム(第2絶縁層)14とを備えている。
この信号線11は導電性部材であり、例えば、銅(Cu)箔を例示することができる。また、ベースフィルム12およびカバーフィルム14には柔軟性と電気絶縁性を備えた樹脂材料が用いられる。このような材料としてポリイミド樹脂を例示することができる。ポリイミド樹脂は耐熱性、難燃性にも優れており、FPC3のベースフィルム12およびカバーフィルム14に用いる材料として好適である。また、接着材13としてはエポキシ樹脂を主成分とする材料を例示することができる。
また、FPC3の端子部は、信号線11の面11bがカバーフィルム14に被覆されておらず、信号線11の面11bにめっき層15が形成され、FPC3の外部接続端子となっている。また、めっき層15と電極端子5とは、異方性導電膜16を介して電気的に接続されている。
めっき層15は、Cuである信号線11の酸化を防止するため例えば、ニッケル(Ni)を形成しためっき層を例示することができる。また、Ni層の表面に、更にAuなどの貴金属層を形成しても良い。めっき層15の最表面層をAuなどの貴金属層とすることにより、電気信号伝達の特性を向上させることが可能となる。
ここで、めっき層15のカバーフィルム14側の端部は接着材13とは重なっていない。すなわち、めっき層15と接着材13との間には、隙間が存在する。FPC3は前述の通り、図1に示す駆動回路2の端部を巻き込むような状態で配置されるため、めっき層15と接着材13との間の隙間は広がりやすくなる。
この隙間から例えば硫黄(S)など成分を有する腐食性ガスが信号線11に浸入すると、信号線11は腐食性ガスと化学反応を起こし、腐食が進行する。しかし、本実施の形態1のFPC3は、めっき層15のカバーフィルム14側の端部が被覆層17で被覆されている。詳しくは、めっき層15と接着材13との境界部の隙間を埋めるように被覆層17を形成している。
このため、FPC3が腐食性ガスを含む雰囲気中に曝されたとしても、めっき層15と接着材13の隙間から腐食性ガスが信号線11に浸入することを防止あるいは抑制することが可能となる。
被覆層17は腐食性のガスの信号線11への浸入を防止するために形成するので、腐食性ガスが通過し難い材料を用いる必要がある。また、めっき層15および接着材13と剥離し易い材料を用いたのでは、剥離箇所から腐食性ガスが浸入する可能性があるため、めっき層15および接着材13との密着性が確保可能な材料を用いることが好ましい。
このような性質を有する被覆層17は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂のうち少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂を構成材料とすることが好ましい。ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂を硬化させると、気密性が高い樹脂となるので、腐食性ガスが、樹脂内部を通過することを抑制することができる。
また、めっき層15の表面層に用いられるNiやAuなどの金属、および接着材13に用いられるエポキシ樹脂などの樹脂材料の双方との密着性が高いため、被覆層17の剥離を抑制することが可能となる。
また、これらの材料に添加材料を添加することにより、硬化後の被覆層17の柔軟性を適宜調整することが可能となる。したがって、被覆層17の柔軟性を、めっき層15、および接着材13の柔軟性よりも柔らかくすることにより、更に剥離を抑制することができる。
このように、本実施の形態1によれば、被覆層17を形成することにより、めっき層15と接着材13の隙間から腐食性ガスが浸入することを防止あるいは抑制することができる。このように腐食性ガスの浸入を抑制することにより、PDP1と駆動回路2との電気的接続不良の原因となる信号線11の腐食を防止する事が可能となる。このため、FPC3を用いた電気的接続構造体であるPDPモジュール100の電気的接続信頼性を向上させることが可能となる。
次に、本実施の形態1のPDPモジュール100の製造方法について図1から図7を用いて説明する。
(a)まず図1に示すPDP1および駆動回路2を準備する。PDP1と駆動回路2の製造方法については、複数の文献が存在し、本実施の形態1のPDP1および駆動回路2はこれらの文献のうちいずれかの方法を用いて製造するので、これらの詳細な説明は省略する。
(b)次に図1および図2に示すFPC3を準備する。FPC3は以下のように製造する。
(b1)まず、図3に示すように、ベースフィルム12の一方の面に信号線11となるCu層を形成する。図3は本実施の形態1のPDPモジュールの製造工程のうち、FPCのベースフィルムに信号線を形成した状態を示す平面図である。
信号線11は、ベースフィルム12の上面に複数(図3では5本)の帯状のCuをめっき形成することにより得られる。あるいは、帯状に配置したCu箔にベースフィルム12となるポリイミドをコーティングする方法を採っても良い。あるいは、印刷技術を利用して、信号線11を形成しても良い。このような方法によれば、ベースフィルム12上に接着材を介さずに帯状の信号線11を形成することができる。
なお、図3には信号線11を5本形成した例をしめしたが、信号線11の数はこれに限定されない。信号線の数は、用途に応じて適宜選択することが可能である。また、図3では説明を容易にするため、信号線11を直線的な帯状配線としたが、回路パターンが形成されていたり、半導体素子が実装されている場合もある。
(b2)次に、図4に示すように(b1)工程で形成された信号線11は、FPCの端子部となる部分を除いて、カバーフィルム14で被覆する。図4は本実施の形態1のPDPモジュールの製造工程のうち、FPCの信号線上にカバーフィルムを接着した状態を示す平面図、図5は図4に示すA−A線に沿った拡大断面図である。
なお、以下図5から図7ではFPCの一方の端部に形成された端子部の構造を示しているが、反対側の端部も同様な構造となっている。
本工程では、図5に示すように、信号線11の面11bにエポキシ樹脂を主成分とする接着材13を塗布し、この上からカバーフィルム14を貼付ける。その後、FPCの端子部となる箇所のカバーフィルム14を切り欠くことにより、図4および図5に示す状態となる。なお、カバーフィルム14を切り欠く工程は、貼付け工程の後に限定される訳ではなく、予め所定の箇所を切り欠いたカバーフィルム14を貼付けても良い。
(b3)次に、図6に示すように、FPCの端子となる箇所にめっき層15を形成する。図6は本実施の形態1のPDPモジュールの製造工程のうち、FPCの端子部にめっき層を形成した状態を示す拡大断面図である。
本工程では、信号線11の面11bにNi層およびAu層を順次形成する。この時、NiおよびAuのめっき層は、エポキシ樹脂などの樹脂材料で構成される接着材13が露出している箇所には形成されないため、図6に示すようにめっき層15と接着材13は重ならない。すなわち、めっき層15と接着材13との境界には僅かな隙間が生じる。
(b4)次に、図7に示すようにめっき層15のカバーフィルム14側の端部を被覆層17で被覆する。図7は本実施の形態1のPDPモジュールの製造工程のうち、FPCのめっき層の端部に被覆層を形成した状態を示す拡大断面図である。
本工程では、図7に示すめっき層15のカバーフィルム14側の端部に被覆層17を形成する。詳しくは、めっき層15と接着材13との境界に被覆層17となるペースト状の熱可塑性樹脂を塗布し、硬化させる。
ここで、被覆層17となる熱可塑性樹脂は、めっき層15と接着材13との境界にある隙間を埋めるように塗布される。これにより、信号線11はめっき層15、接着材13、カバーフィルム14、あるいは被覆層17により完全に覆われた状態となる。
また、被覆層17となる熱可塑性樹脂のガラス転移温度(第1ガラス転移温度)は、接着材13を構成する樹脂のガラス転移温度(第2ガラス転移温度)よりも低い材料を用いることが好ましい。
また、本工程で、被覆層17を形成する前の段階では、接着材13は未だ本硬化しておらず(すなわち接着材13のガラス転移温度まで加熱されておらず)、前記(b2)および(b3)工程の作業性を確保するために最低限必要な仮硬化の状態としておくことが好ましい。
被覆層17を形成する工程で、接着材13を本硬化させず、第1ガラス転移温度を第2ガラス転移温度よりも低くすると、被覆層17および接着材13を硬化させる加熱工程において、被覆層17を接着材13よりも先に硬化させることが可能となる。
被覆層17となる熱可塑性樹脂を塗布する段階では、接着材13は本硬化していないため、塗布されたペースト状の熱可塑性樹脂はめっき層15と接着材13との境界部に確実に充填することが可能となる。また、被覆層17と接着材13の境界面では、若干ではあるが、接着材13の内部に熱可塑性樹脂が浸入する。
このような状態で、第1ガラス転移温度よりも高く、第2ガラス転移温度よりも低い温度まで、加熱し、被覆層17を確実に硬化させた後、第2ガラス転移温度よりも高い温度まで加熱すると、被覆層17と接着材13との接着強度を向上させることが可能となる。
また、第1ガラス転移温度は第2ガラス転移温度よりも20℃以上低い値とすることが好ましい。
被覆層17および接着材13を硬化させる時の加温工程では、全ての箇所を均一に加温することが難しい。このため、第1ガラス転移温度と第2ガラス転移温度の温度差が小さいと、被覆層17が完全に本硬化する前に、接着材13が硬化してしまう場合がある。
本発明者が検討を行ったところ、第1ガラス転移温度を第2ガラス転移温度よりも20℃以上低くすることにより、接着材13が硬化する前に確実に被覆層17を硬化させることが可能となる。
被覆層17と接着材13の接着強度を向上させると、例えば図2に示すようにFPC3を曲げ変形させたとしても、被覆層17と接着材13との接着界面の剥離を抑制することが可能となる。このため、このため、FPC3を用いた電気的接続構造体であるPDPモジュール100の電気的接続信頼性を向上させることが可能となる。
(c)図2に示すFPC3は上記(b1)〜(b4)工程により得られる。次に、図2に示すようにめっき層15と電極端子5とを電気的に接続する。本工程では、接着性のある樹脂にその厚さ方向に沿って通電するように導電性金属が配置されている異方性導電膜16を介してめっき層15と電極端子5とを電気的に接続する。
なお、本実施の形態1では異方性導電膜16を用いた接続構造について説明したが、めっき層15と電極端子5との接続はこの構造に限定されない。例えば、はんだ等の金属材料を介して接続する方法でもよい。
(d)次に、駆動回路2に形成された端子と図7に示すめっき層15とを電気的に接続する。本工程では、前記(c)工程の同様の方法を採ることができる。
上記の工程により、図1にしめす本実施の形態1のPDPモジュール100におけるPDP1と駆動回路2との電気的接続構造体が得られる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、めっき層の端部を熱可塑性樹脂の被覆層で被覆した構造について説明した。本実施の形態2では、前記実施の形態1で説明した被覆層を形成しない構造について説明する。
前記実施の形態1では、めっき層の端部を熱可塑性樹脂の被覆層で被覆した構造について説明した。本実施の形態2では、前記実施の形態1で説明した被覆層を形成しない構造について説明する。
図8は本実施の形態2のPDPモジュールにおけるPDPとFPCとの接続状態を示す拡大断面図である。図8において、本実施の形態2のFPC6と前記実施の形態1のFPC3との相違点は以下の2点である。
まず第1に本実施の形態2のFPC6はめっき層15のカバーフィルム14側の端部に被覆層17(図2参照)を備えていない。第2の相違点は、めっき層15のカバーフィルム14側の端部では、接着材13の端部がめっき層15の端部を被覆するように重なっている。
この第2の相違点である、めっき層15のカバーフィルム14側の端部では、接着材13の端部がめっき層15の端部を被覆するように重なる構成とすることにより、めっき層15と接着材13との境界面には隙間が生じていない。すなわち、信号線11が露出していない。
このように、めっき層15のカバーフィルム14側の端部では、接着材13の端部がめっき層15の端部を被覆するように重ねる構造の場合、めっき層15と接着材13の間に僅かな隙間が生じている場合と比較して、信号線11の腐食を大幅に抑制することができる。
本実施の形態2のFPC6も前記実施の形態1で説明したFPC3(図2参照)と同様に、信号線11と接着材13とをベースフィルム12とカバーフィルム14で挟み込んだ構成となっている。
信号線11が形成されたFPC6のベースフィルム12にカバーフィルム14を接着する接着材13の違いにより、ベースフィルム12とカバーフィルム14の密着性、信号線11の寿命特性(マイグレーション)などが左右されるため、接着材13の材料としては様々な種類が存在する。
接着材13は熱可塑性樹脂が含有され、加熱加圧処理によって成形する際に、接着材が柔軟に変形してベースフィルムやカバーフィルムや信号線の間に隙間がなく、強い密着強度が得られる条件で形成される。
このような接着材13の材料として、エポキシ樹脂を主成分とし、これにポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂のうち少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂を含有させた樹脂を例示することができる。
接着材13として上記材料を用いて硬化させると、気密性が高い樹脂となるので、腐食性ガスが、接着材13の内部を通過することを抑制することができる。FPC6は機密性の高い接着材13がめっき層15のカバーフィルム14側の端部を被覆するように重なっているので、信号線11の腐食を抑制することが可能となる。このため、FPC6を用いた電気的接続構造体であるPDPモジュールの電気的接続信頼性を向上させることが可能となる。
接着材13がめっき層15の端部を覆っている領域は信号線11が延在する方向に沿って10μm以上の距離があることが望ましい。めっき層15の端部を覆っている領域の信号線11が延在する方向に沿った方向の距離を10μm以上とすることにより、信号線11の腐食抑制効果を向上させることが可能となる。
なお、信号線11の腐食を防止する確実性という観点では、前記実施の形態1で説明したFPC3の構造が優れている。しかし、本実施の形態2のFPC6は前記実施の形態1で説明したFPC3よりも簡略化された製造工程で、腐食抑制効果を期待できるFPCを得ることができる。
ここで、本実施の形態2のPDPモジュールの製造方法について説明する。本実施の形態2のPDPモジュールの製造方法と前記実施の形態1で説明したPDPモジュールの製造方法との相違点は(b4)工程のみである。そこで、本実施の形態2ではこの相違点について説明し、その他の工程の説明は省略する。
(b4)FPC6は、前記実施の形態1で説明した(b3)工程の後、加圧加熱処理をする。(b3)工程が完了した段階では、接着材13はまだ完全には硬化していない。このため、加圧加熱処理を行うと、接着材13は変形し、めっき層15のカバーフィルム14側の端部を被覆する状態で硬化し、図8に示す状態のFPC6が得られる。
以上、本発明者によってなされた発明を発明に実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
本発明は、FPCによる電気的接続構造体、特にPDPやLCDなどの表示装置に適用できる。
1 PDP(表示パネル)
2 駆動回路
3、6 FPC(配線層)
4 ガラス基板
5 電極端子
11 信号線
11a 面(第1の面)
11b 面(第2の面)
12 ベースフィルム(第1絶縁層)
13 接着材
14 カバーフィルム(第2絶縁層)
15 めっき層
16 異方性導電膜
17 被覆層
100 PDPモジュール(表示装置)
2 駆動回路
3、6 FPC(配線層)
4 ガラス基板
5 電極端子
11 信号線
11a 面(第1の面)
11b 面(第2の面)
12 ベースフィルム(第1絶縁層)
13 接着材
14 カバーフィルム(第2絶縁層)
15 めっき層
16 異方性導電膜
17 被覆層
100 PDPモジュール(表示装置)
Claims (7)
- 表示パネルと、駆動回路とを有し、
前記表示パネルと前記駆動回路とは配線層で接続され、
前記配線層は、
導電性部材である信号線と、
前記信号線の第1の面を被覆する第1絶縁層と、
前記第1の面の反対側に位置する第2の面を被覆する第2絶縁層とを備え、
前記配線層の端子部は、
前記信号線の前記第2の面が前記第2絶縁層で被覆されておらず、
前記信号線の前記第2の面にめっき層が形成され、
前記めっき層との端部は被覆層で被覆されていることを特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
前記被覆層は、腐食性ガスの通過を抑制する機能を備えた材料で構成されていることを特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
前記被覆層は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂のうち少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂を用いていることを特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
前記第2絶縁層は、前記信号線の第2の面を接着材を介して被覆しており、
前記被覆層のガラス転移点温度である第1ガラス転移温度は、前記接着材のガラス転移温度である第2ガラス転移温度よりも低いことを特徴とする表示装置。 - 表示パネルと、駆動回路とを有し、
前記表示パネルと前記駆動回路とは配線層で接続され、
前記配線層は、
導電性部材である信号線と、
前記信号線の第1の面を被覆する第1絶縁層と、
前記第1の面の反対側に位置する第2の面を接着材を介して被覆する第2絶縁層とを備え、
前記配線層の端子部は、
前記信号線の前記第2の面が前記第2絶縁層で被覆されておらず、
前記信号線の前記第2の面にめっき層が形成され、
前記めっき層の前記第2絶縁層側の端部では、前記接着材の端部が前記めっき層の端部を被覆するように重なっていることを特徴とする表示装置。 - 端子部と、
導電性部材である信号線と、
前記信号線の第1の面を被覆する第1絶縁層と、
前記第1の面の反対側に位置する第2の面を被覆する第2絶縁層とを備え、
前記端子部は、
前記信号線の前記第2の面が前記第2絶縁層で被覆されておらず、
前記信号線の前記第2の面にめっき層が形成され、
前記めっき層の端部は被覆層で被覆されていることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。 - 端子部と、
導電性部材である信号線と、
前記信号線の第1の面を被覆する第1絶縁層と、
前記第1の面の反対側に位置する第2の面を接着材を介して被覆する第2絶縁層とを備え、
前記端子部は、
前記信号線の前記第2の面が前記第2絶縁層で被覆されておらず、
前記信号線の前記第2の面にめっき層が形成され、
前記めっき層の端部では、前記接着材の端部が前記めっき層の端部を被覆するように重なっていることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007054664A JP2008218748A (ja) | 2007-03-05 | 2007-03-05 | 表示装置およびフレキシブルプリント配線板 |
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JP2007054664A JP2008218748A (ja) | 2007-03-05 | 2007-03-05 | 表示装置およびフレキシブルプリント配線板 |
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JP2008218748A true JP2008218748A (ja) | 2008-09-18 |
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JP2007054664A Pending JP2008218748A (ja) | 2007-03-05 | 2007-03-05 | 表示装置およびフレキシブルプリント配線板 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010175782A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Casio Computer Co Ltd | 表示装置及びその製造方法 |
CN105636333A (zh) * | 2015-12-29 | 2016-06-01 | 广东欧珀移动通信有限公司 | 一种柔性电路板及移动终端 |
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2007
- 2007-03-05 JP JP2007054664A patent/JP2008218748A/ja active Pending
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JP2010175782A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Casio Computer Co Ltd | 表示装置及びその製造方法 |
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