JP2008212030A - 穀物残渣を利用した抑草材およびその製造方法ならびにそれを用いた抑草方法 - Google Patents

穀物残渣を利用した抑草材およびその製造方法ならびにそれを用いた抑草方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 籾殻等の穀物残渣から有害物質を発生させることなく、短時間かつ低コストで付加価値の高い資材として有効利用することができ、作物への悪影響を最小限に抑えつつ雑草の発芽や生長を持続的に抑制することができる穀物残渣を利用した抑草材およびその製造方法ならびにその抑草方法を提供する。
【解決手段】 穀物残渣を燃焼させない範囲に設定した水蒸気圧力下で水熱処理することによりメイラード反応させて褐色化するとともに微細化する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、籾殻や大豆かす等の穀物残渣を再利用すべく性状を変化させた抑草材およびその製造方法に関し、特に、水田等の圃場において雑草の発芽を抑制およびその生長を抑制するのに好適な抑草材およびその製造方法ならびにそれを用いた抑草方法に関するものである。
従来、水田等の圃場における雑草は、作物の栄養分を吸収してしまったり、作物が受光すべき太陽光を遮ってしまう等の理由から、できる限り排除した方が望ましいとされている。このため、圃場では昔から、手作業によって雑草を抜き取ったり、機械作業によって雑草を土中に埋め込んだりする等の除草作業が行われている。また、現在では、除草効果が高いという理由で、除草剤等の化学農薬が最も一般的に使用されている。
一方、近年では、有機栽培への関心が高まりつつあり、化学農薬に代替するものとして、バイオマス等を利用した除草・抑草技術が提案されている。例えば、米ヌカを水田に散布することで除草効果が得られることは広く知られているし、特開2001−204273号公報には、分散状態の黒色炭素質微粒子と、米ヌカ及び/又は菜種油カスの水抽出成分を必須成分として含む黒色水性分散液からなる水田雑草の発生抑制材が提案されている(特許文献1)。
特開2001−204273号公報
しかしながら、上述した手作業や機械作業による除草作業は、手間と時間がかかり、圃場が広い農家にとっては、極めて大変な作業になってしまうという問題がある。また、除草剤等の化学農薬については、雑草を効果的に排除できる反面、人体や環境への悪影響が懸念されており、近年の健康志向や環境保護の観点からも望ましくない。
また、米ヌカによる除草方法は、化学農薬を用いることなく雑草の生長を抑制できるものとして注目されてはいるが、散布後に極めて強烈な悪臭が発生し、抑草効果を得るためには大量の米ヌカが必要であるため、現実的に必要な量を確保することが困難である等の問題点を有しており、あまり普及していないというのが現状である。
さらに、上記特許文献1に記載の水田雑草の発生抑制材は、単に、黒色炭素質微粒子によって田面水を濁らせ、太陽光を遮断することにより、雑草の発生抑制を企図するものである。このため、散布から数日後には黒色炭素質微粒子が沈降して濁りが低減し、遮光効果が失われてしまうという問題がある。すなわち、その効果が一時的なものであるため、抑草効果を持続させるには何度も散布しなければならないという問題がある。
また、上記特許文献1に記載の抑制材については、その化学的成分による作物への悪影響が考慮されていない。具体的には、抑制材に含まれる炭素質微粒子の炭素成分によって微生物が増殖し、この微生物が多量の窒素を取り込んで水田を窒素飢餓状態にするため、作物の生育に悪影響を及ぼす可能性が高いものと考えられる。
また、上記特許文献1に記載の抑制材を製造するには、黒色炭素質微粒子を製造し、米ヌカや菜種油カスから水抽出成分を抽出し、さらにこれらを所定の割合で調製する、という多数の工程を必要とするため手間がかかるし、品質を維持するのが困難である。また、原材料の一部としてバイオマスを利用しているものの、別途、黒色炭素質微粒子を用意しなければならず、原料コストがかかるという問題もある。
一方、再利用が困難な穀物残渣の1つとして籾殻が知られている。この籾殻は産業廃棄物として扱われており適正な処理が必要であるが、ケイ酸成分を含有しているため、硬度が高く再利用処理が困難であり、処理コストも高いという問題がある。このため、野積みされたまま放置されたり、焼却処分による有害物質の発生が問題視されており、籾殻を有効利用するための技術開発が望まれている。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、籾殻等の穀物残渣から有害物質を発生させることなく、短時間かつ低コストで付加価値の高い資材として有効利用することができ、作物への悪影響を最小限に抑えつつ雑草の発芽や生長を持続的に抑制することができる穀物残渣を利用した抑草材およびその製造方法ならびにその抑草方法を提供することを目的としている。
本発明に係る穀物残渣を利用した抑草材の特徴は、穀物残渣を燃焼させない範囲に設定した水蒸気圧力下で水熱処理することによりメイラード反応させて褐色化するとともに微細化した点にある。
また、本発明において、前記穀物残渣を1.45MPa以上の水蒸気圧力下で処理することが好ましい。
さらに、本発明において、前記穀物残渣は籾殻であることが望ましい。
また、本発明において、褐色化および微細化処理した穀物残渣から溶出した褐色物質を主成分とすることが好ましい。
また、本発明に係る穀物残渣を利用した抑草材の製造方法の特徴は、処理容器内に穀物残渣を投入し、この処理容器内に所定圧の水蒸気を注入して内圧および温度を上昇させ、前記穀物残渣が燃焼しない水蒸気圧力下に保持して処理することにより、メイラード反応させて褐色化するとともに微細化する点にある。
また、本発明において、前記処理容器内の圧力を1.45MPa以上に保持することが好ましい。
さらに、本発明において、前記穀物残渣は籾殻であることが望ましい。
また、本発明に係る抑草方法の特徴は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の抑草材を、雑草の発芽や生長を抑制したい水田の土壌表面を直接覆うように施用し、前記抑草材から田面水に褐色物質を溶出させて濁らせる点にある。
本発明によれば、籾殻等の穀物残渣から有害物質を発生させることなく、短時間かつ低コストで付加価値の高い資材として有効利用することができ、作物への悪影響を最小限に抑えつつ雑草の発芽や生長を持続的に抑制することができる。
以下、本発明に係る穀物残渣を利用した抑草材およびその製造方法ならびにそれを用いた抑草方法の一実施形態について図面を用いて説明する。
本件出願人は、すでに籾殻等を高圧水蒸気処理することによりケイ酸含有粉末を製造する発明につき特許を取得しているところ(特許第3579417号)、さらに鋭意研究した結果、籾殻等の穀物残渣を燃焼させない範囲に設定した水蒸気圧力下で水熱処理することにより、穀物残渣をメイラード反応によって褐色化させるとともに微細化し、雑草の発芽や生長を抑制する抑草材に適した性状に変化させる技術を見出した。
本実施形態において、穀物残渣としては、従来、再利用が困難とされていた籾殻が好適であるが、これに限られるものではなく、大豆カスのような穀物残渣でもよい。また、水熱処理とは、後述するように高温高圧の水蒸気によって処理することをいうものとし、メイラード反応とは、アミノ酸と還元糖との結合で起こるものであり、加熱されることで反応が促進し、褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応のことをいうものとする。
また、高圧水蒸気による水熱処理条件は、穀物残渣が燃焼することなく、メイラード反応によって褐色化するとともに微細化した性状に変化させ得る圧力に保持する必要がある。具体的には、1.45MPa以上に保持すれば充分であるが、1.65MPa以上に保持すれば約5分〜30分程度で処理が可能である。
つぎに、本実施形態の穀物残渣を利用した抑草材を製造する抑草材製造システム1について説明する。図1に示すように、本実施形態の抑草材製造システム1は、籾殻等の穀物残渣を収容して処理するための処理容器2と、この処理容器2に投入された穀物残渣を攪拌するための攪拌手段3と、処理容器2内の穀物残渣に対して高圧の水蒸気を注入するための水蒸気注入手段4と、処理容器2内の圧力を調節するための圧力調節手段5と、前記攪拌手段3、前記水蒸気注入手段4および前記圧力調節手段5を制御するための制御手段6とから構成されている。
以下、本実施形態の抑草材製造システム1の各構成手段についてより詳細に説明する。処理容器2は、耐圧性を備えた第一種圧力容器により構成されており、その上部には籾殻等の穀物残渣を投入するための投入口21が設けられ、下部には排出口22が設けられている。投入口21および排出口22は、安全性を考慮して、処理容器2内の圧力が0.015MPa以下に達しない限り、開閉操作が反応しないシステム制御を備えている。また、処理容器2には、上部温度センサ23a、下部温度センサ23bおよび圧力センサ24が配備されており、処理容器2内の温度および圧力が検出される。
つぎに、攪拌手段3は、穀物残渣をくまなく全体的に加圧および加温させる役割を果たすものであり、処理容器2内で水平に支持された水平回動軸31と、この水平回動軸31に前方側へ傾斜されて取り付けられる撹拌羽根32とから構成されている。水平回動軸31には、正逆回動させる駆動モータ33が連結されている。撹拌羽根32は、穀物残渣を撹拌するとともに移送させるため、水平回転軸31の全体にわたって配置されている。また、駆動モータ33はインバータ制御によって回転数および回転方向が制御可能であり、必要に応じて穀物残渣を処理容器2内で往復動させるようになっている。
つぎに、水蒸気注入手段4は、高圧の水蒸気を発生させるボイラー41と、このボイラー41から発生した水蒸気を処理容器2内に供給するための送気管42とを有している。ボイラーで発生する水蒸気の圧力は一定値に保持されており、処理容器2内の圧力は、高圧水蒸気の注入量で調節するようになっている。この高圧水蒸気の圧力に付随して温度が定まるので処理容器2内は高温に保持される。
また、送気管42は、処理容器2に対して水平回動軸31よりも上方位置において略水平方向に連結されている。これは、処理容器2内の穀物残渣が、攪拌手段3によって撹拌され中空に浮いているときに高圧水蒸気を当てるためであり、処理容器2内に堆積する穀物残渣に処理ムラが生じるのを防止するようになっている。これにより高い処理効率が得られる。
つぎに、圧力調節手段5は、電気制御により開閉が自在の圧力調整バルブ51と、この圧力調整バルブ51を介して処理容器2内の水蒸気を排気するための排気管52とから構成されている。そして、処理容器2内の圧力が所定値を越えると圧力調整バルブ51を開放し、処理容器2内の圧力を抜いて所定の圧力に保持するようになっている。また、排気管52にはサイレンサー7を経由して冷却装置8が連結されており、処理容器2からの水蒸気を冷却して液化し、排水処理設備9に供給するようになっている。さらに、サイレンサー7により、騒音防止条例の規制値をクリアして市街地などに設置できるよう設計されている。
つぎに、制御手段6は、攪拌手段3、水蒸気注入手段4および圧力調節手段5と電気的に接続され、これらを制御するものである。この制御手段6は、駆動モータ33の回転方向や回転速度を制御して、処理容器2内における穀物残渣の撹拌移送時間を制御する。また、穀物残渣を処理するために、後述する実施例の実験結果に基づいて処理容器2内の圧力を1.45MPa以上1.96MPa以下の範囲に保持するようになっている。
具体的には、処理容器2内の温度や圧力が低下した場合、制御手段6は、水蒸気注入手段4からの高圧水蒸気の注入量を増加させて温度および圧力を上昇させる。逆に、処理容器2内の温度や圧力が上昇した場合、制御手段6は、圧力調節手段5の圧力調整バルブ51を開放して高圧水蒸気を排気し温度および圧力を低下させる。なお、制御手段6は、処理容器2内の各温度センサ23a,23bおよび圧力センサ24と電気的に接続されており、これらの検出結果に基づいて処理容器2内の温度および圧力を所定の値で保持するようにフィードバック制御している。
つぎに、抑草材製造システム1を使った本実施形態における穀物残渣を利用した抑草材の製造方法について説明する。
まず、籾殻等の穀物残渣を投入口21から処理容器2内に投入する。このとき、予め制御手段6に対して処理容器2内の圧力が1.45MPa以上となるよう設定しておく。また、この設定圧力を保持する時間、撹拌時間および設定した圧力に対応する容器内温度をそれぞれ設定しておく。この場合、圧力保持時間は、処理対象の穀物残渣が加水分解を開始する時間に設定することが好ましく、攪拌時間は穀物残渣が好適な性状に変化し得る時間に設定することが好ましい。また、容器内温度は、水蒸気の理論圧力に付随する温度に設定される。
処理容器2内に投入された籾殻等の穀物残渣は、撹拌羽根32によって大きく攪拌されながら徐々に排出口22側へ移送される。処理量が多い場合には、一方向の移送だけでは処理が完了しないため、この場合には、駆動モータ33を逆方向に反転させて投入口21側へと移送し、往復移送を行う。これにより、小さい処理容器2であっても充分な撹拌時間を確保し得る。
穀物残渣が攪拌手段3により攪拌されている間、処理容器2内には、水平回動軸31よりも上方に取り付けられた送気管42から高圧の水蒸気が注入される。このため、穀物残渣は、撹拌手段3の攪拌によって水平回動軸31の上方にばらばらに飛散されたとき、高圧の水蒸気が効果的に吹き付けられる。
これにより、高温高圧の水蒸気によってメイラード反応が促進され、穀物残渣に含有されるアミノ酸と還元糖とが結合するため、穀物残渣は分子レベルで褐色化する。また、水蒸気圧力に付随する高温度によって水蒸気による加水分解作用が効果的に進められる。さらに、穀物残渣に含まれるダイオキシン等の環境汚染物質や臭気が水熱反応によって効果的に取り除かれる。
なお、本実施形態において、制御手段6は、穀物残渣が攪拌されている間、各温度センサ23a,23bおよび圧力センサ24の検出結果に基づき、処理容器2内の温度が設定温度を保持するとともに、圧力が1.45MPa以上を保持するように水蒸気注入手段4および圧力調整手段5を制御している。
設定した圧力保持時間が経過すると、制御手段6は水蒸気注入手段4を制御して水蒸気の注入を停止するとともに、圧力調節手段5を制御して圧力調整バルブ51を開放し、高圧水蒸気を排気管52に排気して処理容器2内を減圧する。これにより、穀物残渣が高圧の圧縮状態から一気に開放されるため、結合分子の分離と分解が起こり、微細化という性状変化を生じる。
処理後の穀物残渣は、分子レベルで褐色化されているため、田面水を黒く濁らせて太陽光を遮り、各種の雑草に対する発芽や生長の抑制作用を奏する。また、処理後の穀物残渣は、水に懸濁されると褐色の成分を溶出するため、上述した遮光効果を長期的に持続させられる。
また、処理後の穀物残渣は、窒素、リン酸、カリ、ケイ酸等の肥料成分を含み、セルロースやリグニン物質等の有機質成分の他、多量の有機酸を含有している。このため、この有機酸が元来保有する発芽抑制作用や生育抑制作用によって、各種の雑草に対する直接的な抑草作用を奏するようになっている。また、処理後の穀物残渣を水に懸濁すると、有機酸の働きによってpHを一時的に低下させてイオンを増加させるため、各種の雑草を発芽し難くさせる作用を奏する。
さらに、処理後の穀物残渣は、上述した成分の他、易分解性の炭水化物が分子量の比較的小さな多糖類に分解されたものを含有している。このため、田面水等に散布されると、これらの炭水化物によって微生物が増加し、酸素を多量に摂取して土壌を還元するため、各種の雑草が発芽しにくい状態を形成するようになっている。
つぎに、本実施形態の具体的な実施例について説明する。本実施例では、本発明にかかる穀物残渣を利用した抑草材が、抑草作用を有していることを確認するための実験を行った。
本実施例では、穀物残渣として籾殻を使用し、この籾殻を上述した抑草材製造システム1で処理することにより抑草材を製造した。また、抑草材製造システム1としては、処理容器2の容積が3000リットルのものを使用し、処理容器2内の圧力は、籾殻を燃焼させずに微細化処理しうるのに適当な1.45MPa以上1.96MPa以下の範囲に設定した。
なお、処理時間とコストを考慮すれば、処理容器2内の圧力は、1.65MPa以上1.85MPa以下の範囲内に設定するのが好適であるため、本実施例では1.85MPaに保持して処理を行った。また、本実施例では、最高圧力を1.96MPaに設定したが、処理容器2の耐圧性能が高ければ、これ以上の圧力値であっても同様の効果を得ることができ、より処理速度を短くできる。
また、処理容器2内の温度は、水蒸気の理論圧力に付随する温度である200℃前後に保持するとともに、籾殻の充填率が65%〜95%となるように籾殻を充填した。また、攪拌速度は、籾殻をより均一に攪拌するため、下部温度センサ23bの値が上部温度センサ23aの値と一致するまでは2〜18rpmとし、一致した時点から0.15MPaまで減圧するまでは5〜15rpmとした。
なお、本実施例による処理前の籾殻を撮影したデジタル写真画像を図2に示し、処理後の籾殻、すなわち、本実施例の抑草材を図3に示す。図3に示すように、本実施例の抑草材は、メイラード反応によって褐色化されているとともに、微粉末状に微細化されていることがわかる。
実施例1では、水田を模擬的に再現した有底コンテナに所定量の抑草材を施用し、発生する雑草の本数および乾物重を計測する実験を行った。
本実験は、北海道立上川農業試験場の温室内において行った。本実験では、底面積0.07mのコンテナを使用し、このコンテナに風乾した水田土壌を3L投入して土壌厚を2cmとした。そして、このコンテナに水を注ぎ入れ、試験期間中、水深6cmを保持するように管理した。また、肥料としては、硫酸アンモニウムを窒素成分として2kg/10aに相当する分量を施肥した。なお、本実施例1では、窒素成分21%の硫酸アンモニウムを使用したため、現物量は0.666gであった。
以上のように調整したコンテナを複数個用意し、これらコンテナのそれぞれに対し2本組の水稲苗を5株移植した。そして、これらの各コンテナに対し、本実施例の抑草材を0.5t/10a,1.0t/10a,1.5t/10a,および2.0t/10aの割合で施用した。なお、抑草材を施用した時点における水稲の葉齢は、約2.6〜3.5葉であった。そして、抑草材を施用してから30日経過後、各コンテナ内に発生した雑草を全て採取し、各草種ごとにその本数および乾物重を測定した。また、比較例として、抑草材を施用しないコンテナについても同様の条件で測定した。
以上の実験を同一条件下で3回繰り返した結果を図4に示す。また、図4の結果に基づき、ノビエ、ホタルイおよび広葉雑草(ヘラオモダカ,タマガヤツリ,ハリイ,オオアブノメ,アゼナ,ミゾハコベ)の各草種について比較例の乾物重を100%とした場合の乾物重の割合を図5に示す。さらに、各草種につき、図5の結果をグラフ化したものを図6から図8に示す。なお、1,2回目の試験については、1.5t/10aの割合での試験は行っていない。
図4から図6に示すように、水田雑草の約8割を占めるノビエについては、抑草材の施用量が増加するに伴って乾物重が減少している。具体的には、抑草材を施用していない比較例の乾物重を100%とした場合、抑草材を施用した場合の乾物重の平均値は、0.5tで約96.9%、1.0tで約53.6%、1.5tで約30.5%、そして2.0tでは約5.3%にまで低減しており、抑草材の施用量が多いほど抑草効果が向上することが確認された。
なお、試験回数を重ねるごとに乾物重が増加している理由は、本試験を実施した季節(2月〜5月)に関係しているものと考えられる。試験回数を重ねるごとに気候が温暖になっているため雑草の生長が促進され乾物重が増加したものと考えられる。また、3回目の試験において、0.5tの場合の乾物重が比較例の値を超えている理由も同様の理由と考えられる。
つぎに、図4,5および図7に示すように、ホタルイについては、第2回目の試験を除き、施用量が1.0t/10a以下の場合、施用しない比較例の場合に比べて乾物重が増加している。これは、本実施例の抑草材に含有される窒素成分が肥料としても作用し、ホタルイの生長を促進させたものと考えられる。第2回目の試験では、1.0t/10a施用したときには、27.7%まで発芽および生長が抑制された。そして、1.5t/10a以上の場合における乾物重の平均値をみると、ホタルイの乾燥重量比は、比較例に対して1.5tの場合に約73.3%、2.0tの場合に約25.3%にまで減少しており、抑草材の施用量の増加につれて抑草効果が向上することが確認された。
また、図4,5および図8に示すように、各種の広葉雑草については、抑草材を0.5t/10aの割合で施用するだけで、乾物重の平均値が比較例に対して約16.1%にまで激減した。特に第2回目の試験では、ほぼ皆無といってよい状況にある。また、第1回目および第3回目の試験においても1.0t/10a以上では、いずれの広葉雑草も確認されず、顕著な抑草作用を奏することが確認された。
一方、本実施例の抑草材による水稲への影響を評価するため、各試験における水稲の乾物重、茎数、草丈および葉緑素含量を測定した。また、別の比較例として、一般的な化学除草剤を散布したコンテナを別途用意し、同様の測定試験を行った。なお、乾物重は、各コンテナに移植した5株の水稲の合計値であり、その他の測定値は、各コンテナに移植した5株の水稲の平均値を算出したものである。以上の測定結果を図9に示すとともに、乾物重については1〜3回の平均値を図10にグラフ化した。
図9および図10に示すように、抑草材の施用量が1.5t/10a以下の場合には、抑草材を施用していない比較例や、化学除草剤を施用した除草区と比較しても、水稲の乾物重に大きな差はみられなかった。また、その他の茎数、草丈および葉緑素含量については抑草材を施用した方が増加する傾向にある。したがって、抑草材の施用量が1.5t/10a以下の範囲内では、水稲の生長を阻害することがなく、収穫される水稲の量や質にも悪影響がないことが示された。
一方、抑草材の施用量が2.0t/10aになると、水稲の乾物重が半分以下に低減した。また、その他の茎数、草丈および葉緑素含量についても、総じて減少傾向が見られた。この結果から、2.0t/10a以上の抑草材を施用すると、雑草のみならず、水稲の生長をも抑制してしまうおそれがあることがわかった。これは、抑草材に含有される多量の有機物(炭素源)により土壌内の微生物が増加し、この微生物が土壌内の窒素成分を奪うことにより窒素飢餓状態を起こし、水稲を栄養不良状態にしたものと考えられる。したがって、この場合、肥料の散布量や散布方法等を工夫することで、水稲の収穫量を確保できるものと思われる。
以上、本実施例1の結果より、籾殻を利用した抑草材は、水田の主要な雑草であるノビエや各種の広葉雑草に対し、施用量が多いほど顕著な抑草作用を奏することが示された。また、ホタルイに対しては、抑草材の施用量が1.5t/10a以上であれば抑草作用を奏することが示された。さらに、水稲への影響に関しては、抑草材の施用量が1.5t/10a以下の範囲内であれば、水稲の量や質に悪影響を及ぼさないことが示された。
つぎに、実施例2では、実施例1における籾殻の代わりに大豆カスを使用し、この大豆カスから製造された抑草材を用いて実施例1と同様の実験を行った。
本実施例2では、大豆カスとして、市販されている有機質肥料を使用した。また、本実験は、北海道立上川農業試験場の温室内において行われたものである。本実験では、実施例1と同様に調整したコンテナに、ノビエとホタルイの種子を追加する一方、水稲苗は移植しなかった。
以上のように調整したコンテナを複数個用意し、これらの各コンテナに対し、大豆カス由来の抑草材を0.05t/10a,0.1t/10a,0.25t/10a,および0.5t/10aの割合で施用した。また、大豆カス由来の抑草材0.1t/10aと籾殻由来の抑草材0.5t/10aからなる混合抑草材を施用したコンテナ、および籾殻由来の抑草材0.5t/10aを施用したコンテナを別途、用意した。さらに、比較例として、抑草材を施用しないコンテナを用意した。
そして、抑草材を施用してから30日経過後、各コンテナ内に発生した雑草を全て採取し、各草種ごとにその本数および乾物重を測定した。その測定結果を図11に示す。また、図11の結果に基づき、ノビエ、ホタルイおよび広葉雑草の各草種につき、比較例の本数および乾物重を100%とした場合の本数および乾物重の割合を図12に示す。さらに、各草種の乾物重につき、図12の結果をグラフ化したものを図13に示す。
図11から図13に示すように、実施例1と同様、ノビエおよび広葉雑草については、施用しない比較例に比べて発芽・生長の抑制効果が顕著にみられ、抑草材の施用量が増加するに伴って抑草作用の効果が大きくなることが確認された。また、ホタルイについては、少量の施用では比較例よりも増加しているが、抑草材の施用量が0.25t/10a以上であれば、施用するほど抑草効果が向上することが確認された。したがって、籾殻や大豆カス等のように、穀物残渣を由来とする有機物資源であれば、本実施形態の抑草材製造システム1で処理することにより抑草材として使用できると考えられる。
また、大豆カス由来の抑草材0.1t/10aと籾殻由来の抑草材0.5t/10aからなる混合抑草材を施用したコンテナについては、大豆カス由来の抑草材0.1t/10aだけのものと比べて、乾物重が約3分の1にまで低減していた。したがって、抑草材の原料として、複数種の穀物残渣からなる混合物を利用すれば、抑草作用に相乗効果が生じることが推認される。
また、大豆カス由来の抑草材0.5t/10aを施用したコンテナについては、同量の籾殻由来の抑草材を施用したコンテナに比べて乾物重が低減されており、ホタルイについては、約10分の1にまで抑制されていた。したがって、大豆カス由来の抑草材によれば、籾殻由来の抑草材と比べて、より少量の散布量で同等の抑草効果が得られることが示された。ただし、大豆カスは、比較的高価な有機質肥料であるため、大豆カスのみの抑草材はコストを加味すればあまり現実的ではない。
以上、本実施例2の結果より、穀物残渣を由来とする有機物資源は、本発明にかかる抑草材として使用できる可能性が高いことが示された。また、複数種の穀物残渣を混合すれば、その抑草材の抑草作用に相乗効果が生じることが認められた。さらに、穀物残渣の種類によっては、より少量の散布量で効果的な抑草作用を奏する抑草材を製造できることが示された。
つぎに、実施例3では、実際の水田に所定量の抑草材を施用し、発生する雑草の本数および乾物重を計測する実験を行った。
本実験は、北海道立上川農業試験場内の水田(試験圃場)において行われたものである。本実験では、木枠を用いて水田を複数の試験区に区分し、各試験区が3mとなるように設定した。そして、各試験区に栽植密度が23.4株/mとなるように水稲苗(品種「ゆきまる」)を移植した。また抑草材は籾殻を処理したものを使用した。
つづいて、移植から3日後、各試験区に対し、本実施例の抑草材を乾物重で0.25t/10a,0.5t/10a,0.75t/10a,1.0t/10a,1.25t/10a,1.5t/10aの割合で散布した。また、比較例として、抑草材を散布しない試験区を用意した。なお、散布後20日経過後における本実施例の抑草材を1.5t/10a散布した試験区、および比較例の試験区を撮影したデジタル写真画像を図14および図15に示す。
図14および図15に示すように、比較例の試験区では、田面水が透き通り、各種の雑草が多数に発生している様子が観察される。一方、本実施例の抑制材を散布した試験区では、田面水が真っ黒に濁っており太陽光を遮っているため雑草の発生はほとんど観察されない。
つづいて、抑草材を施用してから45日経過後、各試験区内に発生した雑草のうち、25cm角の調査枠内に収まる雑草を全て採取し、各草種ごとにその本数および乾物重を測定した。その測定結果を図16に示す。また、図16の結果に基づき、ノビエ、ホタルイおよび広葉雑草の各草種につき、抑草材を散布しなかった比較例の乾物重を100%とした場合の乾物重の割合を図17に示す。さらに、各草種の乾物重につき、図17の結果をグラフ化したものを図18に示す。
図16から図18に示すように、本実施例3においても、実施例1とほぼ同様の傾向が見られた。具体的には、ノビエについては、抑草材の散布量が0.5t/10a以上であれば、抑草材の散布量が増加するに伴って抑草作用の向上が確認された。また、広葉雑草については、最小の0.25t/10aの散布量で、雑草の乾物重が4分の1以下にまで激減し、0.75t/10aで1.1%とほぼ無くなり、散布量が多いほど強い抑草効果が確認された。
一方、ホタルイについても、実施例1と同様、抑草材が少量の場合には、乾物重が増加する傾向が見られた。しかしながら、0.75t/10a以上の散布量では、減少傾向に転じ、1.25t/10aの施用量で、比較例とほぼ同量の乾物重となった。したがって、実施例1のコンテナの実験結果が実際の水田における結果とも整合しており、これらの結果を合わせて考察すると、1.5t/10a以上の抑草材を散布すれば、実際の水田においても抑草作用を奏することができると考えられる。
また、本実施例3においても水稲の生育状況を調査するため、雑草の状況を調査してから2日後に、水稲の草丈および茎数を測定した。また、本実施例3では、各試験区において最終的に収穫された玄米の収量を測定した。その結果を図19に示すとともに、水稲の草丈および茎数については図20にグラフ化し、玄米の収量については図21にグラフ化したものを示す。
図19から図21に示すように、抑草材の散布量が1.0t/10a以下の範囲内では、比較例に対して、水稲の生育状況に目立った変化は見られなかった。一方、抑草材の散布量が1.25t/10a以上になると、水稲の草丈、茎数および収量に若干の減少傾向が見られた。したがって、抑草材の施用量が1.0t/10a以下の範囲内では、水稲の生長を阻害することがなく、収穫される水稲の量や質にも悪影響がないことが示された。
なお、図21に示すように、本実施例3の抑草材を散布した試験区では、化学除草剤を散布した試験区に比べると、その収量が約半分になる。しかし、化学除草剤の及ぼす影響や有機栽培のニーズを考慮すれば、抑草材をうまく組み合わせることが必要である。たとえば、本実施形態の抑草材を使用する際には、栽培期間の中期以降に手作業や機械作業による除草作業を組み合わせることにより、より一層、収量の増加が見込まれるものと考えられる。また、本実施例3で使用した試験圃場は、化学除草剤の試験を行うために、雑草が極めて多く発生する状態に調整されている。このため、本実施例3の抑草材が一般的な水田において発揮する抑草効果に比べて雑草の発生量が上回り、収量が減少したものと考えられる。したがって、実際の水田では、本実施例3の抑草材を散布した場合と、化学除草剤を使用した場合とを比べても、本実施例3における収量差ほどは差がつかないものと考えられる。
以上、本実施例3の結果より、籾殻を利用した抑草材は、実際の水田においても、ノビエや各種の広葉雑草に対し、顕著な抑草作用を奏することが示された。一方、本実施例3の実験条件の範囲内では、ホタルイに対する抑草効果は認められなかったが、より多めに抑草材を散布すれば、所定の抑草効果が得られるものと考えられる。さらに、水稲への影響に関しては、抑草材の施用量が1.0t/10a以下の範囲内であれば、水稲の量や質に悪影響を及ぼさないことが示された。
実施例4では、本実施例の抑草材が、田面水の濁度へ及ぼす影響を調査するための実験を行った。
本実験は、北海道立上川農業試験場の温室内において行われたものである。本実験では、ビーカーに風乾した水田土壌と田面水を注ぎ入れ、本実施例の抑草材を施用した。また、比較例として、抑草材を施用しないビーカーを用意した。そして、抑草材を施用してから8日経過後、各ビーカーの濁度を観察した。図22は、抑草材を施用した直後のデジタル写真画像であり、図23は、抑草材を施用してから8日経過後のデジタル写真画像である。
図22および図23に示すように、抑草材を施用しなかったビーカーについては、実験開始直後に泥が拡散し、やや濁りがみられたものの、8日経過後には泥が沈降して濁りがすっかり消え、雑草の発生が観察された。一方、抑草材を施用したビーカーについては、抑草材の施用直後から田面水が真っ黒に濁り、8日経過後には、さらにその濁度が増していた。
以上、本実施例4の結果より、本実施例の抑草材は、単に微細化された微粒子によって田面水を濁らせるだけでなく、各微粒子から褐色物質が溶出されていることが確認された。したがって、本実施例の抑草材は、散布後も田面水を長期に渡って遮光状態に保持し、抑草効果を持続させることが示された。
以上の実施例の結果を考察すると、本実施形態の抑草材を散布すると数時間でほぼ全量が沈降して土壌表面に堆積する。このときは褐色物質がほとんど溶出しないため、田面水はほぼ透明のままであるが、多量に散布した抑草材自体が土壌表面を直接覆い尽くすことにより土壌が遮光状態となる。その後分解が進むに従い、溶出する褐色物質により田面水が濁り、さらに遮光されるようになっている。
また、抑草材が土壌表面上に堆積した状態にあることから、雑草が発生し易い部分(土壌表面から1cm程度)と抑草材が直近に位置していると考えられる。このため、土壌表面付近の遮光率も有機酸濃度も高い状態が維持される。また、実際の水田における抑草効果よりも、水の移動がほとんど起こらないコンテナにおける抑草効果が高かったことから、風等による水の移動が少ないほど抑草効果が向上することがわかる。したがって、本実施形態の抑草材は、沈降することにより、風などによって風下に吹き寄せられるのが防止されるため、高い抑草効果を維持するものと考えられる。
以上のような本実施形態によれば、
1.化学農薬を使用することなく、雑草の発芽や生育を効果的に抑制することができる。
2.褐色化された抑草材が土壌表面を被覆するとともに、褐色物質を溶出するため、遮光状態を長期に渡って持続することができる。
3.抑草材に含有される有機酸の発芽抑制作用および生育抑制作用によって、各種の雑草を抑草することができる。
4.抑草材に含有される炭水化物の土壌還元作用によって、各種雑草の発芽を抑制することができる等の効果を奏する。
なお、本発明にかかる穀物残渣を利用した抑草材およびその製造方法ならびに抑草方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、上述した実施例では、穀物残渣として籾殻や大豆カス等の使用していたが、これらに限られるものではなく、メイラード反応に必要なアミノ酸や、抑草作用を発揮する炭水化物を含有するような穀物残渣であればよい。
本発明に係る穀物残渣を利用した抑草材を製造するシステムの一実施形態を示す模式図である。 本実施例で処理する前の籾殻を示すデジタル写真画像である。 本実施例で処理した後の籾殻を示すデジタル写真画像である。 実施例1における各種雑草の生育状況を示す表である。 実施例1における各種雑草の乾物重比を示す表である。 図5におけるノビエの実験結果を示すグラフである。 図5におけるホタルイの実験結果を示すグラフである。 図5における広葉雑草の実験結果を示すグラフである。 実施例1における水稲の生育状況を示す表である。 実施例1における水稲の乾物重比を示す表である。 実施例2における各種雑草の生育状況を示す表である。 実施例2における各種雑草の本数比および乾物重比を示す表である。 図12を示すグラフである。 実施例3における抑草材の散布した試験区を示すデジタル写真画像である。 実施例3における比較例の試験区を示すデジタル写真画像である。 実施例3における各種雑草の生育状況を示す表である。 実施例3における各種雑草の乾物重比を示す表である。 図15を示すグラフである。 実施例3における水稲の生育状況を示す表である。 図17における水稲の草丈および茎数を示すグラフである。 図17における水稲の収量を示すグラフである。 実施例4において、抑草材を施用した直後のビーカーを示すデジタル写真画像である。 実施例4において、抑草材を施用してから8日経過後のビーカーを示すデジタル写真画像である。
符号の説明
1 抑草材製造システム
2 処理容器
3 攪拌手段
4 水蒸気注入手段
5 圧力調節手段
6 制御手段
7 サイレンサー
8 冷却装置
9 排水処理設備
21 投入口
22 排出口
23a 上部温度センサ
23b 下部温度センサ
24 圧力センサ
31 水平回動軸
32 攪拌羽根
33 駆動モータ
41 ボイラー
42 送気管
51 圧力調整バルブ
52 排気管

Claims (8)

  1. 穀物残渣を燃焼させない範囲に設定した水蒸気圧力下で水熱処理することによりメイラード反応させて褐色化するとともに微細化したことを特徴とする穀物残渣を利用した抑草材。
  2. 請求項1において、前記穀物残渣を1.45MPa以上の水蒸気圧力下で処理したことを特徴とする穀物残渣を利用した抑草材。
  3. 請求項1または請求項2において、前記穀物残渣は籾殻であることを特徴とする穀物残渣を利用した抑草材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、褐色化および微細化処理した穀物残渣から溶出した褐色物質を主成分とすることを特徴とする穀物残渣を利用した抑草材。
  5. 処理容器内に穀物残渣を投入し、この処理容器内に所定圧の水蒸気を注入して内圧および温度を上昇させ、前記穀物残渣が燃焼しない水蒸気圧力下に保持して処理することにより、メイラード反応させて褐色化するとともに微細化することを特徴とする穀物残渣を利用した抑草材の製造方法。
  6. 請求項5において、前記処理容器内の圧力を1.45MPa以上に保持することを特徴とする穀物残渣を利用した抑草材の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6において、前記穀物残渣は籾殻であることを特徴とする穀物残渣を利用した抑草材の製造方法。
  8. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の抑草材を、雑草の発芽や生長を抑制したい水田の土壌表面を直接覆うように施用し、前記抑草材から田面水に褐色物質を溶出させて濁らせることを特徴とする抑草方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009273996A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Aoki Asunaro Kensetsu Kk Pcb、ダイオキシン類などの難分解物質による汚染物の無害化方法
CN104686266A (zh) * 2015-03-24 2015-06-10 中国水稻研究所 一种水稻畦垄式湿种栽培技术
CN111084031A (zh) * 2019-12-25 2020-05-01 宁夏绿先锋农业机械化服务有限公司 一种草害防控方法
CN115808930A (zh) * 2023-02-09 2023-03-17 南京傲翼飞控智能科技有限公司 一种水田除草机器人的控制系统

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