JP2008206553A - 咳漱確認システム - Google Patents

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Abstract

【課題】時系列的な疾患の状態変化の把握や薬効の状態変化を把握し、状態変化の要因を推測する用に好適な咳漱確認システムを得ること。
【解決手段】所望の測定期間における被検者の咳漱を検出する咳漱検出手段と、咳漱検出手段による咳漱検出結果をデータ処理するデータ処理手段と、データ処理手段によりデータ処理された結果を表示する表示手段と、少なくとも被検者の状態に関する情報を記憶する記憶手段と、を有し、データ処理手段は、測定期間のうち少なくとも一部の時間帯を複数選択し、選択された各々の時間帯での被検者の咳漱の頻度を計算し、表示手段は、咳漱の頻度のグラフ表示と、被検者の状態に関する情報を表示する咳漱確認システムとする。
【選択図】図6

Description

本発明は、被検体の咳を計測した結果を表示する咳漱確認システムに関するものである。
鎮咳薬の薬効評価を行う場合、臨床上の咳を長時間にわたって測定する必要がある。この測定を人が行う場合には、直接的に咳の発生を聞いて記録するか、長時間の記録された音声を再生して咳を判断、記録することになり、大変な労作を伴っていた。
このような問題に対し、被検体の甲状軟骨の動きをセンサで検出し、センサ出力から咳に基づく信号を認識し、認識された咳に基づく信号から咳の回数と強さを解析し、解析結果を出力する咳計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、連続した音声信号から音圧曲線を作成し、所定の値以上の音圧が所定時間以上持続する領域を抽出し、この領域の立ち上がり勾配と尖度を基に咳か否かを判定する咳漱音検出装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、肺音、咳、いびき等を検出する生体音検出装置において、解析した肺音中のクラックルの個数をヒストグラム表示することが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−98964号公報 特開2003−38460号公報 特表2001−505085号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の咳漱計測装置や咳漱音検出装置では、咳漱を単に検出し、回数をカウントするのみであり、咳漱の発生や、増加、減少についてはわかるが、その原因について知ることはできない。また、上記特許文献3に記載の生体音検出装置では、咳漱の検出と毎分咳数の表示を行い経時変化の状況を確認することは可能であるが、咳漱の経時変化の原因を推測するには不十分である。
本発明は上記問題に鑑み、時系列的な疾患の状態変化の把握や薬効の状態変化を把握し、状態変化の要因を推測する用に好適な咳漱確認システムを得ることを目的とするものである。
上記の目的は、下記に記載する発明により達成される。
1.所望の測定期間における被検者の咳漱を検出する咳漱検出手段と、該咳漱検出手段による咳漱検出結果をデータ処理するデータ処理手段と、該データ処理手段によりデータ処理された結果を表示する表示手段と、少なくとも被検者の状態に関する情報を記憶する記憶手段と、を有し、前記データ処理手段は、前記測定期間のうち少なくとも一部の時間帯を複数選択し、選択された各々の時間帯での被検者の咳漱の頻度を計算し、前記表示手段は、咳漱の頻度のグラフ表示と、被検者の状態に関する情報を表示することを特徴とする咳漱確認システム。
2.前記データ処理手段による咳漱の頻度の計算は、前記測定期間内の分割された時間毎に行われることを特徴とする1に記載の咳漱確認システム。
3.前記咳漱検出手段は、音声信号情報、体動信号情報、血流信号情報のうち、少なくとも1つを用いて咳漱の検出を行うことを特徴とする1に記載の咳漱確認システム。
4.前記状態に関する情報は、参照信号情報、被検者の動作状況に関する情報、被検者の薬物の服用に関する情報、被検者の体調に関する情報、被検者の飲食に関する情報、被検者の環境に関する情報、コメント情報、のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする1に記載の咳漱確認システム。
5.前記参照信号情報は、被検者の心拍数、血圧、及び酸素飽和濃度のうち、少なくとも1つの計測結果であって、前記咳漱検出手段からの咳漱検出結果のグラフの時間軸に合わせて併記されることを特徴とする4に記載の咳漱確認システム。
6.前記表示手段は、前記参照信号情報及び前記咳漱検出結果の少なくとも一方が所定の閾値を上回った際に警告表示、もしくは警告音を発することを特徴とする5に記載の咳漱確認システム。
7.前記被検者の動作状況に関する情報は、安静状態、労作状態、睡眠状態のうち、少なくとも1つであることを特徴とする4に記載の咳漱確認システム。
8.前記被検者の動作状況に関する情報は、被検者に備え付けたセンサと、該センサから得られる信号に基づいて動作状況を判別する動作状況判別手段と、により得られたものであることを特徴とする4又は7に記載の咳漱確認システム。
9.前記被検者の動作状況に関する情報は、被検者が入力することを特徴とする4又は7に記載の咳漱確認システム。
10.前記被検者の薬物の服用に関する情報とは、薬の種類、薬の名称、薬の個数、薬の服用時刻のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする4に記載の咳漱確認システム。
11.前記被検者の体調に関する情報は、被検者の体調情報、睡眠時間情報、睡眠開始時刻情報、あくびの発生情報、しゃっくりの発性情報のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする4に記載の咳漱確認システム。
12.前記被検者の飲食に関する情報は、被検者の摂取物種類名、摂取開始時刻情報、摂取終了時刻情報のうちの、少なくとも1つを含むものであることを特徴とする4に記載の咳漱確認システム。
13.前記被検者の環境に関する情報は、被検者の周囲の温度情報、湿度情報、日時情報、測定場所情報のうちの、少なくとも1つを含むものであることを特徴とする4に記載の咳漱確認システム。
14.前記コメント情報とは、テキスト形式で記録された情報であることを特徴とする4に記載の咳漱確認システム。
15.前記咳漱確認システムは、コメント情報を入力するための入力手段を有することを特徴とする4又は14に記載の咳漱確認システム。
16.前記グラフは、ヒストグラムであることを特徴とする1〜15のいずれかに記載の咳漱確認システム。
17.前記表示手段に表示される前記グラフの時間軸が時刻であることを特徴とする1又は16に記載の咳漱確認システム。
18.前記表示手段に表示される前記グラフの時間軸が経過時間であることを特徴とする1又は16に記載の咳漱確認システム。
本発明によれば、時系列的な疾患の状態変化の把握や薬効の状態変化の把握、状態変化の要因推測に好適な咳漱確認システムを得ることが可能となる。
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本実施の形態に係る咳漱確認システムの構成図である。なお、以下においては咳漱を、単に咳と称す場合もあるが同意である。
本実施の形態に係る咳漱確認システムは、測定プローブとしての音声測定部10と、この音声測定部10により記憶装置に記録された音声データから所定のプログラムを実行して咳を判別するCPUで構成される咳漱検出手段と、咳漱検出手段で判別した咳のデータを処理するデータ処理手段であるCPU及び、表示手段である表示部を含む処理装置30から構成され、音声測定部10が通信媒体Lを介して処理装置30に接続されている。この通信媒体Lは、有線であっても無線であってもよい。無線により接続すれば、音声測定部10に用いられているセンサに不要な振動を与える機会を減らすことができるとともに、被検者の行動の制約を少なくすることができる。
音声測定部10は、入力される音声を音声信号に変換するマイクロフォン11、マイクロフォン11により変換された音声信号を増幅する増幅器12、増幅器12により増幅された音声信号を整流する整流回路及びフィルタ回路13により処理された音声信号を音声データに変換するA/D変換器14、及びA/D変換器14により変換された音声データを処理装置30に送信するI/F(インタフェース)15から構成されている。
本実施の形態のようにマイクロフォン11を用いて音声を測定する場合には、人体や衣服とマイクロフォンとが接触するとノイズが発生するので、接触しないように設けることが好ましい。但し、人体から遠ざけすぎると外部のノイズ音の影響が大きくなるので、できるだけ近接して設けることが好ましい。
マイクロフォン以外には、ピエゾマイクや加速度計を用い、咽頭部等に接触させて設け振動により音を検出することも可能である。この場合、人体に接触しているので、外部のノイズ音の影響は小さい。
上記マイクロフォン等の音声センサをマスクに設ければ、マスクを着用するのみで簡便に測定を行うことができる。マスクの材質としては、特に規定はないが、ガーゼ等の布類、樹脂類、ゴム類等から選択することができる。当然密閉では呼吸ができないので、通気性を要求される。なお、マイクロフォン等の音声センサを被検者の動きを妨げないようにベッド等に配置してもよい。
処理装置30は、音声測定部10からの音声データを受信するI/F(インタフェース)31、I/F31で受信された音声データに対し、プログラムに従って咳を検出する咳漱検出手段及び、検出した咳のデータを処理するデータ処理手段でもあるCPU32、CPU32での処理に必要なプログラムやデータ等を記憶するROM33、CPU32での処理に必要なプログラムやデータ等を一時的に記憶するRAM34、CPU32での処理結果等をハードディスク、DVD−R、CD−R、メモリーカード等の記憶媒体に保存する外部記憶装置35、処理装置30にデータを入力する入力部36、及びCPU32での処理結果等を表示する表示手段である表示部37、外部記憶装置35に記憶された音声測定部10からの音声データを再生する再生部38から構成されている。
処理装置30は、専用の情報処理装置で構成されていてもよいし、汎用のパーソナルコンピュータ、キーボード、表示装置であるモニタ及び、音声の再生装置であるスピーカで構成されていてもよい。パーソナルコンピュータであれば、持ち運びが容易にできる携帯情報端末(PDA)であることが好ましい。
また、本実施の形態においては、音声測定部10にA/D変換器14を設けたが、処理装置30にA/D変換器を設けてもよい。
なお、上記の例は音声信号情報を用いて咳漱の検出をおこなうよう構成したものであるが、体動信号情報、血流信号情報を用いて咳漱の検出を行うように構成してもよい。
図2及び図3は、本実施の形態に係る咳漱確認システム1で行われる動作の概略を示すフローチャートである。同図に示すフローに従い説明する。なお、以下のフローにおいても、音声信号情報を用いた咳漱の検出をおこなう構成を例にして説明する。
まず図2において、音声データの測定記録に先立ち、イベント情報を取得し入力するか否かを判断する(ステップS101)。イベント情報とは、薬の服用、労作、平静、睡眠等の動作状況の情報をいう。この判断は、表示装置に表示されたものの中から選択する選択式やキーボードからの手入力により入力されるものである。なお、入力しない場合には、表示部にブランク表示されるものであっても良い。
イベント情報を入力しない場合(ステップS101;No)には、所定の操作の後、音声信号情報即ち音声信号データの取得を開始する(ステップS102)。所定の操作とは、オペレータの取得開始の操作や、開始及び終了時刻のタイマーセット等である。次いで、所望の時間の後、音声信号データの取得が停止される(ステップS103)。この音声信号データ取得の停止は、オペレータの停止操作や、タイマーの終了時刻等により行われる。この期間中の音声信号データは、外部記憶装置35の所定のファイル内に記録される。
一方、ステップS101において、イベント情報を入力する場合(ステップS101;Yes)には、図3に移行し、イベント情報の入力が後入力か否かを判断する(ステップS201)。即ち、イベントの入力方法が選択される。
イベント情報の後入力が選択された場合(ステップS201;Yes)には、所定の操作の後、音声信号情報即ち音声信号データの取得を開始する(ステップS202)。次いで、所望の時間の後、音声信号データの取得が停止される(ステップS203)。この音声信号データ取得の停止は、オペレータの停止操作や、タイマーの終了時刻等により行われる。この期間中の音声信号データは、外部記憶装置35の所定のファイル内に記録される。
次いで、イベント情報の後入力が行われる(ステップS204)。この後入力は、薬の服用、労作、平静、睡眠等の動作状況の情報をキーボードを用いてテキスト入力してもよいし、予め用意され表示された候補の内から選択入力するもの等であってもよい。このイベント情報のデータは、外部記憶装置35の所定のファイル内に記録される。この後、図1に示すステップS104に移行する。
なお、イベント情報の後入力は、音声信号データの取得が停止されてから、後述のデータの表示までに入力されていればよい。
ステップS201において、イベント情報の入力が後入力でない場合(ステップS201;No)、即ち随時入力の場合には、イベント情報が自動入力か否か判断する(ステップS301)。イベント情報が自動入力でない場合(ステップS301;No)、所定の操作の後、音声信号情報即ち音声信号データの取得を開始する(ステップS302)。この後、データ取得が継続されている間(ステップS303;No)は、オペレータがイベント情報が発生したか否か(ステップS304)を監視し、イベントが発生した時点(ステップS304;Yes)で、オペレータはイベント情報を手動入力する(ステップS305)。
この動作は、データ取得の終了までデータ取得が継続されている間繰り返し行われる。オペレータの入力又はタイマーにより、データ取得の終了が指示されると(ステップS303;Yes)、データ取得を終了する(ステップS321)。この間の、この期間中の音声信号データ及び、手動入力されたイベント情報は、外部記憶装置35の所定のファイル内に記録される。
ステップS301において、イベント情報が自動入力の場合(ステップS301;Yes)、所定の操作の後、音声信号情報即ち音声信号データの取得を開始する(ステップS312)。この後、データ取得が継続されている間(ステップS313;No)は、他の測定装置がイベント情報が発生したか否か(ステップS314)を監視し、他の測定装置がイベントが発生したと判断した時点(ステップS314;Yes)で、イベント情報を自動入力される(ステップS315)。
この動作は、データ取得の終了までデータ取得が継続されている間繰り返し行われる。オペレータの入力又はタイマーにより、データ取得の終了が指示されると(ステップS313;Yes)、データ取得を終了する(ステップS321)。この間の、この期間中の音声信号データ及び、自動入力されたイベント情報は、外部記憶装置35の所定のファイル内に記録される。
上記のステップS204又はステップS321の後、図2に示すステップS104に移行する。
図2に戻り、咳検出部30において、記録された音声信号データの解析処理が行われる(ステップS104)。このデータ解析処理は、外部記憶装置35に記録された音声信号データを読み出し、音声信号データから咳の抽出、抽出された咳の種類の判定及び、開始日時とサンプリング間隔から咳の発生時刻の特定をおこなうものである。この咳の発生した時刻と抽出された咳の種類は、それぞれ対をなして外部記憶装置35内の所定のファイル内に記録される。
なお、咳の抽出は、例えば公知の、マイクロフォンで得た信号に増幅、整流、フィルタリングを行いエンベロープ信号を抽出し、最大音圧位置波形の立ち上がり勾配、波形の尖度を用いて行われる。咳の種類の判定は、例えば、乾性の咳、湿性の咳、喘鳴、犬吠性の咳、咳払い等に分類される。また発生形態として、例えば、群発性の咳と単発性の咳等に分類される。
乾性の咳とは、痰を伴わない咳漱で比較的高音に聞こえるものであり、判定は例えば、エンベロープ信号が、設定した閾値を満足するピークの立ち上がり勾配、ピークの尖度、最大信号値を満たすピークを1個有する場合、乾性咳漱と判定する。
湿性の咳とは、痰を伴う咳で比較的低音に聞こえるものであり、判定は例えば、エンベロープ信号が、設定した閾値を満足するピークの立ち上がり勾配、ピークの尖度、最大信号値を満たすピークを複数有する場合、湿性咳漱と判定する。
喘鳴とは、喘鳴は、通常呼気中に大きいが吸気中にも聞こえて、2つ以上の音の高さが同時に聞こえる多声のものである。判定は例えば、エンベロープ信号から、設定した閾値を満足する信号強度領域を抽出し、抽出した範囲の原信号に対して周波数解析により行われる。周波数帯域が400Hz以上又は200Hz以下の成分が強く検出された場合(周波数帯域のパワースペクトル値が設定した閾値を超えた場合)喘鳴と判定する。
また、群発性の咳とは、咳の間隔が所定の時間以内の複数の咳のことであり、例えば1秒以内の咳を群発性と判定する場合、判定は例えば、隣り合った咳信号間隔(前の咳の終了時刻と後ろの咳の開始時刻の差)を調べ、これが1秒未満であれば、群発性の咳と判定する。なお、この群発性の咳の判定の為の間隔の設定は1秒に限るものでなく、適宜設定されるものである。
単発性の咳とは、咳の間隔が所定の時間以上の単発の咳のことである。例えば1秒以上の間隔のものを単発性と判定する場合、判定は例えば、隣り合った咳信号間隔(前の咳の終了時刻と後ろの咳の開始時刻の差)を調べ、これが1秒以上であれば、単発性の咳と判定する。なお、この単発性の咳の判定の為の間隔の設定は1秒に限るものでなく、適宜設定されるものである。
ステップS104のデータ解析処理は、データ取得開始から取得終了までに記録された音声情報データについて行われ、全てのデータの解析が終了した時点で咳漱検出処理を終了する。
なお、データ解析処理は所望の特定の時間帯に絞って行ってもよい。また、上記のフローでは、測定開始から測定終了までの音声データを記録し、終了後に解析を行う動作の例を用いて説明したが、これに限るものでなく、音声が記録される毎に随時リアルタイムで音声データの解析を並行に行うよう構成してもよい。
また、測定期間とは音声信号データの取得を実行している期間を指すものである。
なお、上記のフローでは、設定された測定期間が終了し、データの取得を終了させた後、咳漱検出処理及びデータ処理手段による咳漱の頻度の計算を行う例で説明したが、例えば、定期的に解析が必要な場合には、測定期間を分割し、分割された時間毎にデータ処理手段による咳漱の頻度の計算を行うようにすることが好ましい。例えば、測定期間が4日である場合に、例えば測定期間を1日毎に分割して、定期的に1日が終了した時点で、データの取得は行いつつ、1日分の咳漱検出処理及びデータ処理手段による咳漱の頻度の計算を平行して行うということである。この定期的な咳漱検出処理及びデータ処理手段による咳漱の頻度の計算の時間設定は、オペレータが設定してもよいし、予めセットされているものからオペレータが選択するようにしてもよい。
図4は、咳検出部30の外部記憶装置35内に記録されたデータ解析処理後のデータの構造の概念図である。
測定開始日時がA欄、測定終了日時がB欄に記録され、上記の音声データ解析処理により抽出された咳の種類が、発生順に発生時刻と共にC欄に記録される。また、抽出された咳の生音声データも、発生順No.又は発生時刻に関連づけて記録してもよい。
この後、表示部37を用いてデータ解析処理後の処理結果の表示が行われる。
図5は、図2に示すステップS105のデータの表示の動作の流れをより詳しく示すフローチャートである。
同図に示すように、ステップS105のデータの表示に移行すると、表示する情報の選択を行う(ステップS401)。表示する情報の選択とは、咳漱検出処理やデータ解析処理の終了しているデータが表示され、ユーザにより選択されるものである。なお、咳漱検出処理やデータ解析処理後に即座に結果表示を行う場合には、この選択を省略してもよい。この後、ステップS402へ移行する。
ステップS402では、表示する時間帯及び刻み時間が、予めプリセットされたものからの選択か否か判断する(ステップS402)。ユーザがプリセットされた時間帯及び刻み時間から選択した場合(ステップS402;Yes)には、その時間帯及び刻み時間を選択し、ステップS403へ移行する。ユーザがプリセットされた時間帯及び刻み時間以外を所望する場合(ステップS402;No)には、表示する時間帯及び刻み時間をユーザが手動入力(ステップS412)し、ステップS403へ移行する。
ステップS403では、表示形態が、予めプリセットされたものからの選択か否か判断する(ステップS403)。ユーザがプリセットされた表示形態から選択した場合(ステップS403;Yes)には、その表示形態を選択し、ステップS404へ移行する。ユーザがプリセットされた表示形態以外を所望する場合(ステップS403;No)には、表示形態をユーザが手動入力(ステップS413)し、ステップS404へ移行する。
ステップS404では、上記で選択又は手動入力された情報項目を、選択又は手動入力された時間帯及び刻み時間で、選択又は手動入力された表示形態で表示部に表示される。
図6は、選択された情報項目が表示部に表示された状態の例を示す図である。なお、本例では、AEC阻害薬の服用と、その時刻をイベント情報としたものである。
同図(a)に示す表示例は、測定期間と、所望の刻み時間での測定された咳漱の頻度のグラフ(ヒストグラム)表示と、所望の刻み時間での測定された咳漱数の表と、AEC阻害薬の服用及びその時刻がイベント情報として同時に表示された例である。
同図(b)に示す表示例は、測定期間と、所望の刻み時間での測定された咳漱の頻度のグラフ表示と、所望の刻み時間での測定された咳漱数の表と、グラフ内に薬の服用時刻及び服用した医薬の名称(AEC阻害薬)がイベント情報として同時に表示された例である。
同図(c)に示す表示例は、測定期間と、所望の刻み時間での測定された咳漱の頻度のグラフ表示と、所望の刻み時間での測定された咳漱数の表と、グラフ内にマーカ情報を表示した例である。
図7は、選択された情報項目が表示部に表示された状態のその他の例を示す図である。
同図(a)は咳漱の頻度のグラフ表示中に、該当する時間帯に測定した参照信号情報である血圧のデータを重ねて表示した例である。この表示例は、測定期間と、所望の刻み時間での測定された咳漱の頻度のグラフ(ヒストグラム)表示と、該グラフ内に同時間帯に測定された血圧値を同じ横軸上にグラフ表示し、測定された血圧値の表を同時に表示した例である。
同図(b)は咳漱の頻度のグラフ表示中に、該当する時間帯に測定した参照信号情報である心拍数のデータを重ねて表示した例である。この表示例は、測定期間と、所望の刻み時間での測定された咳漱の頻度のグラフ(ヒストグラム)表示と、該グラフ内に同時間帯に測定された心拍数を同じ横軸上にグラフ表示し、測定された心拍数の表を同時に表示した例である。
上記のような咳漱のグラフ表示と被検者の状態に関する情報を同時に表示することにより、イベントとの関連性を一見して判断でき、咳漱の頻度と時系列的な疾患の状態変化の把握や薬効の状態変化を把握を容易にし、状態変化の要因を推測する用に好適な咳漱確認システムを得ることができる。
なお、図6、図7では、グラフの横軸を時刻で示したが、所定の時刻からの経過時間としてもよいし、12時間表記、24時間表記等、適宜選択可能とされていることが望ましい。
なお、イベント情報として表示される、被検者の状態に関する情報としては、以下のようなものが好ましい。
参照信号情報の場合には、被検者の心拍数、血圧、酸素飽和濃度のうちの少なくとも一つが表示されることが好ましい。被検者の動作状態に関する情報の場合には、安静状態、労作状態、睡眠状態のうちの少なくとも一つが表示されることが好ましい。被検者の薬物の服用に関する情報の場合には、薬の種類、名称、服用数、服用時刻のうちの少なくとも一つが表示されることが好ましい。被検者の体調に関する情報の場合には、睡眠時間、睡眠開始時刻、あくびの発生情報、しゃっくりの発生情報のうちの少なくとも一つが表示されることが好ましい。被検者の飲食に関する情報の場合には、被検者の摂取物種類名、摂取開始時刻、摂取終了時刻のうちの少なくとも一つが表示されることが好ましい。被検者の環境に関する情報の場合には、被検者の周囲の温度、湿度、日時、測定場所のうちの少なくとも一つが表示されることが好ましい。
なお、上記の、定期的に解析を行うように設定され、同時に参照信号情報を取得している場合には、全測定期間が終了せずとも、参照信号情報及び咳漱検出結果の少なくとも一方が所定の閾値を上回った際には、表示部37に警告表示や、警告アラームを発するように構成されていることが好ましい。更に、この警告は、ナースコールに繋がっていることが好ましい。この閾値は、オペレータが設定してもよいし、予めセットされているものからオペレータが選択するようにしてもよい。
また、キーボード等の入力手段である入力部から入力されるコメント情報入力としては、テキスト形式で記録された情報であることが好ましい。
以下に、咳漱の頻度と被検者の状態に関する情報を同時に表示することにより得られる時系列的な疾患の状態変化の把握や薬効の状態変化の把握、状態変化の要因推測等の効果について、より詳しく説明する。
被検者の動作状況に関する情報、例えば、労作時(走る、早歩き、急激な体動(上下動等))の情報が同時に表示されていれば、COPD、運動誘発性の咳漱の可能性があると推測を容易とすることができる。また、睡眠時(横たわっての睡眠中、睡眠中の寝返り等)の情報が表示されていれば、睡眠時であれば、喘息の可能性を推測できる。更に、アデノイド(咽頭扁桃)が腫れていたりすると鼻水が止まらず、就寝中はそれがのどに落ちこんで咳を誘発した可能性等の要因推測を容易とすることができる。
上記の安静状態、労作状態、睡眠状態を判断する手段としては、例えば、被検者は3軸加速度センサ等の装着を行う。加速度センサは咳漱信号を収録するセンサと同一筐体内に内蔵されても、別筐体内に内蔵されても良い。加速度センサは体位によって、センサのX,Y,Z軸値が変化する。このようにすることにより、特表平10−501448号公報にも記載されているように、医療監視および療法の導出の両方あるいはいずれか1つのため、患者の姿勢および活動レベルの検知のためのDC加速度計アレイの使用が可能になる。また、臥位、側臥位置等の動きを伴わない場合は、安静状態で横になっているのか、睡眠状態であるのかがわからない。このような場合には、他のセンサ(睡眠ポリグラフ検査用等)の脳波信号を用いて、睡眠状態かを判断するようにしてもよい。
被検者の薬物の服用に関する情報、例えば、薬の種類(感冒薬、胃薬、整腸薬、降下圧薬)の情報が表示されていれば、誘発性があるか否かの推測を容易とすることができる。また、薬の名称(薬の固有名称)と薬の個数(何錠、何包)の情報が表示されていれば、咳漱の誘発性の強さの推測を容易とすることができる。また、薬の服用時刻(何時、何時〜何時迄等)の情報が表示されていれば、薬の服用終了時からの経過時間から薬の誘発による咳なのか否かの推測を容易とすることができる。
例えば、鎮咳薬の有効期間内では咳漱の減少が確認され、他の期間では増加していた場合、投薬に有効性があると判断しなければならないが、投薬時刻(イベント情報の一種)が判明していなければこのような判断ができない。本発明によれば、投薬効果を定量的に確認することが可能となる。
被検者の体調に関する情報、例えば、体調(良い、悪い)の情報が表示されていれば、被検者の体調が悪ければ、咳漱が発生しやすい状態であったことか否かの推測を容易とすることができる。また、睡眠時間に関する情報が表示されていれば、被検者の睡眠時間が短ければ、患者の体調が優れない可能性が高いことを推測できる。睡眠開始時刻に関する情報が表示されていれば、被検者の睡眠開始時刻が深夜であれば、患者の体調が優れない可能性が高いことを推測できる。また、あくび、しゃっくりの発生状況が表示されていれば、咳漱が誘発されることが推測できる。なお、この情報は、テキスト形式で被検者が入力しても良いし、また、予め用意された事項から選択するよう構成しても良い。
被検者の飲食に関する情報、例えば、摂取の開始時刻、摂取の終了時刻、摂取した飲食料の種類(卵等)の情報が表示されていれば、例えば、肉や卵や乳製品の摂取によるロイコトリエンの蓄積により、気管支の気道炎症、気道収縮、気道過敏性を引き起こして気管支喘息を発症したために、咳が誘発した可能性等の示唆を医師に示すことができる。なお、この情報は、テキスト形式で被検者が入力しても良いし、また、予め用意された事項から選択するよう構成しても良い。
環境に関する情報、例えば、温度情報(温度センサからの情報)が表示されていれば、気温(冷気)による咳漱の誘発が推測される。湿度情報(湿度センサからの情報)が表示されていれば、湿度が低い場合、空気の乾燥による咳漱の誘発が推測される。日時情報(花粉の多い時期等の情報)が表示されていれば、日付が春季の場合、花粉による誘発を推測することができる。データ測定時の場所(屋外、屋内)が表示されていれば、屋内、屋外によって、各種アレルギーに依存していることを推測できる(例、屋内であればハウスダストによる誘発が可能性としてある)。また、データ取得時の外部騒音情報(外部音強、外部音小等)が表示されていれば、咳漱の検出が誤った指摘である可能を医師に示すことができる。この情報は、各センサから自動入力してもよいし、被検者が入力してもよい。
被験者のいる環境によっては、外乱等のノイズが測定信号に混入する可能性がある。咳漱の検出は取得信号が静かな環境で取得されたものであるほど、正確に検出される可能性が高く、誤検出が多くなってしまうと、医師が咳漱の発生状況を確認する際、正確な判断が行えない可能性がある。本発明では環境に関する情報、即ち被験者の周囲の状況(外部からのノイズが入りやすい状況にあったのか)も併せて表示することによって、検出、表示された咳漱頻度情報の正確性も推測することが可能となる。
被検者のコメント情報は、被検者が入力してもよいし、テキスト入力であっても、予め用意された事項を選択してもよいものであり、被検者が自由に記載することが可能である。例えば、被検者の状態に関する情報を手動入力する場合、事前に用意された選択項目に入力したい項目が存在しない場合、被検者が自由にコメントを残すことが可能である。また、コメント入力の手段は、被験者がマイクに向かって話した内容を音声認識しても良いし、キーボード等で手入力を行っても良い。
以上説明したように、所望の測定期間における被検者の咳漱を検出する咳漱検出手段と、咳漱検出結果をデータ処理するデータ処理手段と、データ処理された結果を表示する表示手段と、少なくとも被検者の状態に関する情報を記憶する記憶手段と、を有し、データ処理手段は、測定期間のうち少なくとも一部の時間帯を複数選択し、選択された各々の時間帯での被検者の咳漱の頻度を計算し、表示手段は、咳漱の頻度のグラフ表示と、被検者の状態に関する情報を表示することにより、時系列的な疾患の状態変化の把握や薬効の状態変化の把握、状態変化の要因推測に好適な咳漱確認システムを得ることが可能となる。
本実施の形態に係る咳漱確認システムの構成図である。 本実施の形態に係る咳漱確認システムで行われる動作の概略を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る咳漱確認システムで行われる動作の概略を示すフローチャートである。 咳検出部の外部記憶装置内に記録されたデータ解析処理後のデータの構造の概念図である。 図2に示すステップS105のデータの表示の動作の流れをより詳しく示すフローチャートである。 選択された情報項目が表示部に表示された状態の例を示す図である。 選択された情報項目が表示部に表示された状態のその他の例を示す図である。
符号の説明
1 咳回数確認システム
10 音声測定部
11 マイクロフォン
12 増幅器
14 A/D変換器
15 インタフェース
30 咳検出部
31 インタフェース
32 CPU
33 ROM
34 RAM
35 外部記憶装置
36 入力部
37 表示部
38 再生部

Claims (18)

  1. 所望の測定期間における被検者の咳漱を検出する咳漱検出手段と、該咳漱検出手段による咳漱検出結果をデータ処理するデータ処理手段と、該データ処理手段によりデータ処理された結果を表示する表示手段と、少なくとも被検者の状態に関する情報を記憶する記憶手段と、を有し、
    前記データ処理手段は、前記測定期間のうち少なくとも一部の時間帯を複数選択し、選択された各々の時間帯での被検者の咳漱の頻度を計算し、前記表示手段は、咳漱の頻度のグラフ表示と、被検者の状態に関する情報を表示することを特徴とする咳漱確認システム。
  2. 前記データ処理手段による咳漱の頻度の計算は、前記測定期間内の分割された時間毎に行われることを特徴とする請求項1に記載の咳漱確認システム。
  3. 前記咳漱検出手段は、音声信号情報、体動信号情報、血流信号情報のうち、少なくとも1つを用いて咳漱の検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の咳漱確認システム。
  4. 前記状態に関する情報は、参照信号情報、被検者の動作状況に関する情報、被検者の薬物の服用に関する情報、被検者の体調に関する情報、被検者の飲食に関する情報、被検者の環境に関する情報、コメント情報、のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の咳漱確認システム。
  5. 前記参照信号情報は、被検者の心拍数、血圧、及び酸素飽和濃度のうち、少なくとも1つの計測結果であって、前記咳漱検出手段からの咳漱検出結果のグラフの時間軸に合わせて併記されることを特徴とする請求項4に記載の咳漱確認システム。
  6. 前記表示手段は、前記参照信号情報及び前記咳漱検出結果の少なくとも一方が所定の閾値を上回った際に警告表示、もしくは警告音を発することを特徴とする請求項5に記載の咳漱確認システム。
  7. 前記被検者の動作状況に関する情報は、安静状態、労作状態、睡眠状態のうち、少なくとも1つであることを特徴とする請求項4に記載の咳漱確認システム。
  8. 前記被検者の動作状況に関する情報は、被検者に備え付けたセンサと、該センサから得られる信号に基づいて動作状況を判別する動作状況判別手段と、により得られたものであることを特徴とする請求項4又は7に記載の咳漱確認システム。
  9. 前記被検者の動作状況に関する情報は、被検者が入力することを特徴とする請求項4又は7に記載の咳漱確認システム。
  10. 前記被検者の薬物の服用に関する情報とは、薬の種類、薬の名称、薬の個数、薬の服用時刻のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の咳漱確認システム。
  11. 前記被検者の体調に関する情報は、被検者の体調情報、睡眠時間情報、睡眠開始時刻情報、あくびの発生情報、しゃっくりの発性情報のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の咳漱確認システム。
  12. 前記被検者の飲食に関する情報は、被検者の摂取物種類名、摂取開始時刻情報、摂取終了時刻情報のうちの、少なくとも1つを含むものであることを特徴とする請求項4に記載の咳漱確認システム。
  13. 前記被検者の環境に関する情報は、被検者の周囲の温度情報、湿度情報、日時情報、測定場所情報のうちの、少なくとも1つを含むものであることを特徴とする請求項4に記載の咳漱確認システム。
  14. 前記コメント情報とは、テキスト形式で記録された情報であることを特徴とする請求項4に記載の咳漱確認システム。
  15. 前記咳漱確認システムは、コメント情報を入力するための入力手段を有することを特徴とする請求項4又は14に記載の咳漱確認システム。
  16. 前記グラフは、ヒストグラムであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の咳漱確認システム。
  17. 前記表示手段に表示される前記グラフの時間軸が時刻であることを特徴とする請求項1又は16に記載の咳漱確認システム。
  18. 前記表示手段に表示される前記グラフの時間軸が経過時間であることを特徴とする請求項1又は16に記載の咳漱確認システム。
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