JP2008204729A - 鉛蓄電池用極板群の検査方法 - Google Patents

鉛蓄電池用極板群の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
正・負極板の誤挿入を容易に精度良く検出し、また正・負極板間のセパレータの抜けや枚数の適否を判断することができる鉛蓄電池の検査方法を提供する。
【解決手段】
複数枚の正・負極板をセパレータを介して交互に積層してなる極板群が搬送ラインに沿って搬送されてくるときにその極板群の構成の適否を検査する方法であって、複数枚の正・負極板をセパレータを介して交互に積層してなる極板群のうち連続する3枚の極板を夫々a、b、cとすると、ac極板間距離をL、ab極板間距離をL1およびbc極板間距離をL2とし、該極板間距離は搬送ラインの両端に設置されたセンサを用いて検出し、該極板群の構成の適否は、前記L、前記L1および前記L2がL=L1+L2、且つL1≒L2の関係であり、且つ連続する3枚の極板の両端が同一極性の極板であるか否かを判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車用鉛蓄電池に用いる極板群の組立工程時にその組立てた極板群の構成の適否を検査する蓄電池用極板群の検査装置に関する。
自動車用鉛蓄電池を製造する途中の工程として、搬送ラインを介して順次搬送されてくる正・負極板間にセパレータを挿入し、複数枚の極板とセパレータとが交互に積層されて構成される極板群が形成され、これを電槽内に収容する次工程に搬送する工程がある。この際、その極板群を構成するセパレータの枚数および位置が適正であるか否かを判定する検査が行なわれる。従来、その適否の判定には、非接触センサを用いる方法や作業者の目視確認による方法が採られている。
例えば、複数枚の正・負極板をセパレータを介して交互に積層してなる極板群が搬送ラインに沿って搬送されてくるときにその極板群の構成の適否を検査する装置を、極板群の頂部を撮像するCCDカメラと、このCCDカメラによって得られたセパレータの画像データを取り込んでセパレータの枚数およびセパレータ間のピッチを演算し、その演算値と標準データとの比較によりセパレータの枚数および配置位置の適否を判定する画像処理装置とで構成もの(特許文献1)などが提案されている。
特開平11−73948号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法は、極板群を撮像し、その画像の処理によりセパレータの枚数および位置を検出して極板群の適否を判定することで検査の信頼性を向上させるものであるが、撮像手段によって得られたセパレータの画像データを取り込んでセパレータの枚数およびセパレータ間のピッチを演算し、その演算値と標準データとの比較する必要があり、標準データ、即ちセパレータの枚数およびセパレータ間のピッチは鉛蓄電池の種別またはサイズ毎に異なるものであり、その都度設定を変更するなど煩わしいものであった。また、セパレータが挿入されていない場合やセパレータが同一箇所に複数枚挿入された場合は枚数違いで不適正と判定するが、複数枚の正・負極板が交互に積層されていない場合や正極板5枚、負極板6枚としたい所、逆に正極板6枚、負極板5枚と夫々の極板が挿入されていても、セパレータのピッチの長さ(セパレータ間距離)が標準データのセパレータの標準値の上下限に入っていれば、セパレータの数および位置が共に正しい適正な極板として判定し、正極板または負極板が誤挿入されていても不適正と判断されることが無いため、セパレータの数および位置による極板群の適否の判定では極板の誤挿入の適否の判定までは困難であった。
更に、極板群の適否の判定を行うのに画像処理装置を用いているため、設備の大型化を招いてしまう。
一方、作業者の目視による適否判定では、セパレータが2重に入っている場合などの判定が、人の目に頼るため人為的なミスが発生しやすく、信頼性の点で不充分であり、また量産現場での検査手段としては限界がある。
このような背景の下、正・負極板の誤挿入を容易に精度良く検出し、また正・負極板間のセパレータの抜けや枚数の適否を判断することができる鉛蓄電池の検査方法を提供することが望まれている。
本発明は、複数枚の正・負極板をセパレータを介して交互に積層してなる極板群が搬送ラインに沿って搬送されてくるときにその極板群の構成の適否を検査する方法であって、複数枚の正・負極板をセパレータを介して交互に積層してなる極板群のうち連続する3枚の極板を夫々a、b、cとすると、ac極板間距離をL、ab極板間距離をL1およびbc極板間距離をL2とし、該極板間距離は搬送ラインの両端に設置されたセンサを用いて検出し、該極板群の構成の適否は、前記L、前記L1および前記L2がL=L1+L2、且つL1≒L2の関係であり、且つ連続する3枚の極板の両端が同一極性の極板であるか否かで判定することを特徴としたものである。
本発明は、(1)L=L1+L2、且つ(2)L1≒L2の関係式を満足し、且つ連続する3枚の極板の両端が同一極性の極板である時のみ極板群は適正と判断される。
例えば、連続する3枚の極板を夫々a、b、cとし、ac極板間距離をL、ab極板間距離をL1およびbc極板間距離をL2とすると、上記(1)式では連続する3枚の極板のうち両端の極板間距離、即ちac極板間距離をLが連続する2枚の極板間距離、即ちab極板間距離L1とbc極板間距離L2の合計と等しくなることを示している。上記(1)式では両端の極板の合計距離のみを計測しているので、セパレータの有無を知ることができない。そこで、上記(2)式を用いてab極板間距離L1およびbc極板間距離L2が略同一の値となれば、夫々の極板間にはセパレータが挿入されており適正と判断される。更に、上記(1)式、(2)式で極板間距離およびセパレータの有無を確認に加え、搬送ラインの両端に設置されたセンサにより、連続する3枚の極板の両端が同一極性の極板であるか否かを判断することが可能である。これは、搬送ラインの両端に設置されたセンサが正極板用と負極板用に分かれており、検出される順番の相違(極板が正常に挿入されている場合には交互に検出される)により判断することが可能である。
本発明による鉛蓄電池の検査方法を用いることにより、正・負極板の誤挿入を容易に精度良く検出し、また正・負極板間のセパレータの抜けや枚数の適否を判断することができる鉛蓄電池用極板群の検査方法を提供することができる。
本発明の一実施形態を、図1および図2により説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す鉛蓄電池用極板群の検査方法を説明する概略斜視図、図2は本発明の一実施形態を示す鉛蓄電池用極板群の検査方法を説明する上面図である。
図1は、本発明の一実施形態を示す鉛蓄電池用極板群の検査方法を説明する為の概略斜視図である。2はベルトコンベア等からなる極板群1の搬送ラインであり、この搬送ライン2によりバケット16に収容された極板群1が順次所定方向に所定速度で搬送されるようになっている(図では左から右へ搬送)。該極板群1は、複数枚の正極板11と負極板12をセパレータ13を介して交互に積層してなるもので、更に詳しく述べれば交互に配置された正極板3枚と負極板4枚との合計7枚の極板(両端板が負極板)と、その各極板間に介在するように配置されたセパレータ6枚とで構成される。そして、正極板11および負極板12の上部には夫々極板耳15が左および右に突出して形成されており、正極板11と負極板12に挟まれたセパレータ13の上端縁14は、夫々の極板耳の下端部よりも上方に突出し、且つ極板耳の上端部よりも上方に突出しないように配置されている。また、搬送ライン2の両端には相対向する位置に正極板用センサ31および負極板用センサ32が夫々設置(固定)されており、正極板用センサ31で夫々の正極板を、負極板用センサ32で夫々の負極板を夫々検出するもので、本発明の一本実施形態では極板群1の突出する極板耳の図面上手前にある正極板の極板耳の右端部の位置を該正極板用センサ31により、また、図面上奥にある負極板の極板耳の右端部の位置を負極板用センサ32によって夫々検出している。極板間距離を測る正極板用センサ31および負極板センサ32は、各正・負極板から突出する極板耳を検出することに容易に実施し得る。正極板と負極板の極板耳は、極板群においては通常その上方に突出し左右交互に規則的に存するので、夫々のセンサにおいて、センサの傍を通過する夫々の極板耳を検出することで測ることが可能である。
なお、該正極板用センサ31、負極板用センサ32による極板耳の検出は、常に同一部位(初回の極板耳の右端部ならそれ以降の検出場所も極板耳の右端部とする)を検出することで計測に誤差が生じない。
次に、図2を用いて本発明の一実施形態における極板群1の適否判定につて説明する。例えば、正極板3枚と負極板4枚との合計7枚と、その各極板間に介在するように配置されたセパレータ6枚とで構成した極板群1、即ち、負極板12が正極板11より1枚多い極板群1構成(両端板は負極板12)をとる場合について説明する。
ここで、図2に示すように連続する3枚の極板のうち搬送ラインの進行方向の先端に位置する極板を前記するように負極板とした場合、極板群は、負極板、正極板、負極板の順で交互に構成され、その負極板間距離をL、負極−正極板間距離をL1および正極−負極板間距離をL2とする。この場合、最初に検出される極板は負極板用センサ32による負極板12であり、該負極板12が極板間距離を算出する基準値となる。なお、極板間距離は最初に検出した極板を基準とし、次の極板を検出するまでにかかる時間を計測することにより算出(搬送ラインの速度が一定)することが可能である。
まず、最初に検出する1枚目の極板a(ここでは負極板12)の検出時間を0秒とする。次いで、正常な極板群1は複数枚の正・負極板をセパレータ13を介して交互に積層されるので、負極板12の後に検出される2枚目の極板bは正極用センサ31による正極板11であり、最初に負極板12を検出した時間から正極板11を検出するまでの時間、および搬送スピードにより負極板−正極板(ab)の極板間距離L1が算出される。そして、正極板を正極板用センサ31で検出した後、3枚目の極板c、即ち負極板を再び負極板用センサ32で検出し負極板同士(ac)の極板間距離Lおよび正極板−負極板(bc)の極板間距離L2が算出される。これらL、L1およびL2は夫々のセンサで検出された夫々の検出時間および搬送スピードを演算処理機(図示せず)により算出し、ここで算出された値がL=L1+L2およびL1≒L2の関係を満たすか否かの判断が比較部(図示せず)によって成される。
なお、前記するように極板間距離の算出は、搬送ラインが所定速度で移動、即ち搬送ライン2に載置された極板群1も同様に所定速度で移動するので、正極板用センサ31または負極板用センサ32で最初の検出からそれ以降の検出にかかるまでの時間を計測することにより種々の極板間距離を算出することが可能である。
本発明では、L=L1+L2およびL1≒L2の関係を満たすか否かの判断の他に、正極−負極板が交互に挿入されているか否かの判断も行われる。通常、極板は正極、負極が交互に挿入されており、連続する3枚の極板の両端は同一極性であり、該極板間に挟まれる極板は異極性の極板となる。これらは、搬送ラインの両端に設置されたセンサによる極板の検出順番(極板が正常に挿入されている場合には交互に検出される)を検知することにより判断している。
ここで、正極板、負極板およびセパレータが所望の位置であり、且つ正極、負極板が交互に挿入されている場合には、負極板間距離Lは正極−負極板間距離L1、L2の合計極板間距離と略等しく、また、夫々の正・負極板間距離L1、L2は略等しく、しかも極板の検出順番が交互であり、連続する3枚の極板の両端が同一極性の極板であることを検知することで極板群は適正と判断されるが、この両者(L=L1+L2およびL1≒L2)の内一方でも異なる場合、或いは検出順番が異なる場合には極板群は不適と判断される。そして、適正と判断された極板群は次の工程に順次搬送されていき、不適と判断された極板群はその場で取り除かれる。
なお、3枚目以降の極板についても同様の方法で極板群の適否を判断することが可能である。例えば、搬送ラインの進行方向の先端に位置する極板を1枚目とし、その極板を含み連続する3枚の極板(1〜3枚目の極板)の極板群の適否を判断する。次いで、3枚目の極板を含み連続する3枚の極板(3〜5枚目の極板)の極板群の適否を判断する。そして、5枚目の極板を含み連続する3枚の極板(5〜7枚目の極板)の極板群の適否を判断する。このようにして、順次極板群を構成する極板の枚数に応じて極板群の適否の判定を行う。そして、3、5枚目の極板を共有して測定しているのは、連続する3枚の極板を1組として極板軍の適否の判断を行うと、3枚目と4枚目および6枚目と7枚目におけるセパレータの抜けや枚数の相違を判断することができないからである。
また、本発明の一実施例において正極板と負極板の枚数が異なる場合について説明したが、正極板と負極板が同一枚数の場合においても極板群の適否を判断することは可能である。その場合、最後の正・負極板については極板間距離を直前に測定した連続する3枚の極板と比較し、更に極板の極性をセンサにより判断することで極板群の適否を判断することが可能である。
常法により正極板3枚(正極板1枚の厚みが2.0±0.3mm)と負極板4枚(負極板1枚の厚みが1.5±0.25mm)を作製し、セパレータ6枚(セパレータ1枚の厚みが1±0.1mm)を介して交互に積層してなる極板群を作製した。そして、該極板群をバケットに収納しベルトコンベアからなる搬送ラインに載せ、ベルトコンベアを100mm/sのスピードで移動させた。そして、ベルトコンベアの両端に設置した正極板用センサおよび負極板用センサにより連続する3枚の極板(正極板1枚、負極板2枚)の耳部の右端部を検出し、演算処理機により極板間距離を算出し極板群の適否を判定した(本発明1)。
なお、正・負極板間には夫々セパレータが1枚ずつ挿入されているものとする。
連続する3枚の極板間のうち負極板−正極板間にセパレータを挿入しなかった以外は実施例1と同様に演算処理機により極板間距離を算出し極板群の適否を判定した(本発明2)。
連続する3枚の極板間のうち負極板−正極板間にセパレータを1枚多く挿入した以外は実施例1と同様に演算処理機により極板間距離を算出し極板群の適否を判定した(本発明3)。
連続する3枚の極板を全て負極板とした以外は実施例1と同様に演算処理機により極板間距離を算出し極板群の適否を判定した(本発明4)。
なお、夫々の負極板間にはセパレータが1枚ずつ挿入されているものとする。
(比較例1)
画像処理を用いた以外は実施例1と同様に極板群の適否を判定した(比較例1)。
なお、ここで言う画像処理とは、搬送ラインの途中に設定された検査ポジションの上方に撮像手段としてのCCDカメラを用いる方法であり、極板群が検査ポジションに搬送されてきたときに、その極板群の頂部に照明器から光が照射されるとともに、CCDカメラが極板群の頂部を平面的に撮像し、その画像データを画像処理手段としての画像処理装置に出力するようになっており、画像処理装置はCPU、ROM、RAM等を備えた演算装置を備えている。
(比較例2)
画像処理を用いた以外は実施例2と同様に極板群の適否を判定した(比較例2)。
(比較例3)
画像処理を用いた以外は実施例3と同様に極板群の適否を判定した(比較例3)。
(比較例4)
画像処理を用いた以外は実施例4と同様に極板群の適否を判定した(比較例4)。
実施例1〜4および比較例1〜4の結果を表1に示す。表1には負極板間距離L、負極板−正極板間距離L1および正極板−負極板間距離L2を示すと共に、その際の極板群の適否判定結果を併記した。
なお、表1中に示した○は極板群の適否判定が適正に行われたもの、×は極板群の適否判定が適正に行われなかったものである。
Figure 2008204729
表1に示すように本発明の鉛蓄電池用極板群の検査方法を用いることにより、正・負極板が交互に挿入されていない場合においても誤判定することは無く、また、極板間距離L=L1+L2およびL1≒L2の関係から、セパレータの抜けやセパレータの枚数が多いものを容易に判断すること可能である。しかし、比較例ではセパレータの抜けやセパレータの枚数が多いものについての判断は可能であるが、セパレータの距離によって適否を判断しているため、正・負極板の誤挿入についは極板群の適否を判断することができなかった。
以上のとおり、複数枚の正・負極板をセパレータを介して交互に積層してなる極板群のうち連続する3枚の極板を夫々a、b、cとすると、ac極板間距離をL、ab極板間距離をL1およびbc極板間距離をL2とし、該極板間距離は搬送ラインの両端に設置されたセンサを用いて検出し、該極板群の構成の適否は、前記L、前記L1および前記L2がL=L1+L2、且つL1≒L2の関係であり、且つ連続する3枚の極板の両端が同一極性の極板とすることで、正・負極板の誤挿入を容易に精度良く検出し、また正・負極板間のセパレータの抜けや枚数の適否を判断することができる。
本発明の一実施形態を示す鉛蓄電池用極板群の検査方法を説明する概略斜視図。 本発明の一実施形態を示す鉛蓄電池用極板群の検査方法を説明する上面図。
符号の説明
1 極板群
11 正極板
12 負極板
13 セパレータ
14 上端部(セパレータ)
15 極板耳
16 バケット
2 搬送ライン
31 正極板用センサ
32 負極板用センサ

Claims (1)

  1. 複数枚の正・負極板をセパレータを介して交互に積層してなる極板群が搬送ラインに沿って搬送されてくるときにその極板群の構成の適否を検査する方法であって、複数枚の正・負極板をセパレータを介して交互に積層してなる極板群のうち連続する3枚の極板を夫々a、b、cとすると、ac極板間距離をL、ab極板間距離をL1およびbc極板間距離をL2とし、該極板間距離は搬送ラインの両端に設置されたセンサを用いて検出し、該極板群の構成の適否は、前記L、前記L1および前記L2がL=L1+L2、且つL1≒L2の関係であり、且つ連続する3枚の極板の両端が同一極性の極板であるか否かで判定することを特徴とする鉛蓄電池用極板群の検査方法。
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