JP2008204019A - 文字入力装置 - Google Patents

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義久 小川
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Abstract

【課題】
本発明は、情報処理装置全般における文字入力操作において、既存のキーボードデザインを変更することなく、しかも既存のキー配列に最適な指、手首および腕の位置や動きを変更することなく、所望の入力の高速化を達成する手段を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、クリック機能とクリック選択機能とを有するポインティングデバイス機能、並びに文字入力機能とを備えた少なくとも1つの多機能キーと、前記多機能キーによる前記ポインティングデバイス機能の操作と前記文字入力機能の操作とを切り替えるための切り替えキーとを備えた文字入力装置を提供する。また、本発明は、文字カーソル移動機能および文字入力機能を備えた少なくとも1つの多機能キーと、前記多機能キーによる前記文字カーソル移動機能の操作と前記文字入力機能の操作とを切り替えるための切り替えキーとを備えた文字入力装置を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、文字入力装置に関する。より詳細には、本発明は、クリック機能およびクリック選択機能を有するポインティングデバイス機能、並びに文字入力機能を備えた多機能キーをもつ文字入力装置に関する。また、本発明は、文字カーソル移動機能と文字入力機能とを備えた少なくとも1つの多機能キー、および前記多機能キーによる前記文字カーソル移動機能の操作と前記文字入力機能の操作とを切り替えるための切り替えキー、を備えた文字入力装置に関する。
従来のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置は、入力手段として文字入力用のキーボードとマウスカーソル移動用マウスやタッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード上の文字カーソル移動用矢印キーなどを備えている。このような装置では、文字入力のためには、キーボードを操作し、文字入力位置へのマウスカーソル移動には、マウスやタッチパッドなどのポインティングデバイスを使用し、また参照あるいは修正すべき文章位置への文字カーソルの移動には、カーソル移動キー(キーボード上にある矢印が刻印されたキー)を使用するといった使い分けを行ってきた。
しかし、現在入力している位置とは異なる位置の文章を修正あるいは参照する場合には、マウスまたはカーソル移動キーを使用して、修正または参照したい位置までマウスカーソルまたは文字カーソルを移動する操作を行う必要があった。このため、文字入力に最適な位置に置いていた指や手首をマウスやカーソル移動キーの位置まで動かなければならなかった。この文字入力操作と各カーソル移動の切り替えには、操作者の手あるいは手首・腕の動きを伴うため、本来の文字入力動作の遅れを引き起こすという問題があった。このように、各カーソル移動のために指や手首を動かすという操作者による動作が発生することにより、全体として文字入力速度を著しく低下させるという問題を引き起こしていた。
特に、ページを跨った移動では、文字カーソルの移動ではなく、より高速なページ移動(スクロール)の手段としてマウスを使用することが一般的であり、頻繁な移動は、作業効率上の影響が大きかった。
また、携帯型ノートパソコンにおいては、マウスカーソル操作のためのタッチパッドを備えた入力装置が一般的である。このタッチパッドは、キーボードと同じ操作面上において、文字入力用のキー配列領域と操作者との間に配置されたものが一般的である(たとえば、図1を参照されたい)。この場合、文字入力を行っている最中に手のひらなどがタッチパッドに接触し、本来意図しない位置へマウスカーソルが移動し、クリック操作をしてしまうことがあった。これが誤った位置への入力となり、余計な修正作業を余儀なくされるという問題も発生していた。また、主にメールや文書・書類作成など文字入力を中心に携帯型ノートパソコンを使う場合でも、キーボードとタッチパッドまたは文字カーソル移動キーとを組合せて使う必要があり、装置全体の小型化要求を阻害しており、ポータビリティ性も改善されていない問題もあった。
このような文章作成上の非効率的な動きの対策として、1つのキーに文字入力機能とマウスカーソル移動機能の役割を設ける方法や、1つのキーに複数の入力検出手段を設けて、入力検出手段に対して文字入力用とマウスカーソル移動用の複数の役割を設ける方法などが提案されてきた。
上記のような既存の入力の高速化技術の具体例として、通常ホームポジションと呼ばれる位置に指を置いた状態で、できるだけ指の移動範囲を少なくするホームポジションキー・ポインティングデバイス一体型キーボード装置の例(特許文献1)や、複数の文字入力キー上のキートップに、通常の文字入力とは異なる入力機能を設けて、キーボード全体または一部にマウスカーソル移動などのポインティングデバイス機能を割り付ける例(特許文献2)など、入力検出の基本原理を組み合わせたさまざまな改善が提案されているが、文書作成全体の作業を大幅に改善する技術としての完成度は低かった。
特に、文献1においては、指の移動を最小限にするためにマウスカーソルの移動を一つのキーで実現しようとしており、また移動方向や移動速度といった微妙な動きをキーの傾きによって制御する方式のため、従来のポインティングデバイスと同等の操作性や操作感を実現することは困難である。また、ドラッグ&ドロップ機能のためには、2種のキーを傾ける操作が必要であり、操作が非常に煩雑であった。また、文献1においては、ポインティングデバイス機能を実行するための発明であるが、カーソル移動キーの機能を実行することについては、何ら考慮されていなかった。
一方、文献2においては、機能が豊富すぎるため、その実現手段の具体化はコスト・信頼性・操作性などの観点から非現実的であり、また入力作業の改善に結びついているとはいえなかった。これらの特許文献の技術は、マウスやタッチパッドといった既存のポインティングデバイス機能に変わる入力機能を提供することを目的としているが、指の使い方や機能において既存製品との類似性がないため、既存製品の使用者が新たな操作を習得しなければならなかった。また、個々の機能を実現するために、新たな回路を追加することなどが要求されるため、省エネや環境配慮やユビキタス性においても課題があった。
その他、キーボードのキーの形状変更またはマウスなどに特定のアプリケーションと連携した入力精度向上や機能追加を行うことによって、入力機能に関する個別の問題を解決するための技術が公開されているが、満足できるものは存在していない。
特開2001−84082号公報 特開2006−4453号公報
本発明は、情報処理装置全般における文字入力操作において、既存のキーボードのキー配列や操作性に係るデザインを変更することなく、しかも既存のキー配列に最適な指、手首および腕の位置や動きを変更することなく、所望の入力の高速化を達成する入力装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決すべく、本発明者らは、文字入力装置において、カーソル移動キーによる文字カーソルの移動やクリック選択を文字入力と同一のキーを操作することによって実行することに想到し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、クリック機能とクリック選択機能とを有するポインティングデバイス機能、並びに文字入力機能とを備えた少なくとも1つの多機能キーと、前記多機能キーによる前記ポインティングデバイス機能の操作と前記文字入力機能の操作とを切り替えるための切り替えキーとを備えた文字入力装置を提供する。
また、本発明は、文字カーソル移動機能および文字入力機能を備えた少なくとも1つの多機能キーと、前記多機能キーによる前記文字カーソル移動機能の操作と前記文字入力機能の操作とを切り替えるための切り替えキーとを備えた文字入力装置を提供する。
さらに、本発明は、ククリック機能とクリック選択機能とを有するポインティングデバイス機能、文字カーソル移動機能、並びに文字入力機能を備えた少なくとも1つの多機能キーと、前記多機能キーによる前記ポインティングデバイス機能の操作と文字カーソル移動機能の操作と前記文字入力機能の操作とを切り替えるための切り替えキーとを備えた文字入力装置を提供する。
さらに、本発明は、上記文字入力装置であって、前記多機能キーは、前記文字入力装置のホームポジションキーの位置にあり、前記切り替えキーは、ホームポジションキーに手を置いた状態で操作可能な位置にある文字入力装置を提供する。
さらに、本発明は、上記文字入力装置であって、前記多機能キーは、ホームポジションキーに手を置いた状態で人差し指、中指および薬指に対応する3つのキーの位置にあるキーであり、前記中指に対応するキーは、ポインティングデバイスの中央ボタンの機能を割り当てたキーであり、前記人差し指および薬指に対応するキーは、それぞれポインティングデバイスの右ボタンまたは左ボタンの機能を割り当てたキーであり、かつ前記切り替えキーは、ホームポジションキーに手を置いた状態で親指により操作可能な位置にあるキーである文字入力装置を提供する。
さらに、本発明は、上記文字入力装置であって、ホームポジションキーに手を置いた状態で操作可能な位置に、かつキーとキーの間に、さらにマウスカーソル移動手段を備えた文字入力装置を提供する。
本発明の文字入力装置によれば、情報処理装置全般における入力操作において、既存のキーボードデザインを変更することなく、しかも既存のキー配列に最適な指、手首または腕の位置や動きも変更することなく所望の入力の高速化を達成する手段を提供することができる。
以下、図を参照して本発明の文字入力装置を説明する。図3は、文字入力装置の一態様を示す。図に示した文字入力装置は、一般的に使用されているQWERTY型キーボードのキー配列をもつキーボードであるが、このタイプのキーボードに限定されるわけではない。
本発明の文字入力装置は、1つのキーにクリック機能およびクリック選択機能を有するポインティングデバイス機能と文字入力機能とを備えた多機能キーを備えている。本明細書において、クリック機能とは、一般的なマウスによる操作におけるクリックと同様の機能を意味する。一般的な文字入力操作では、カーソルを所望の位置に移動させるためにカーソルを移動させてカーソルの位置を決定したり、所望のダイアログを選択してダイアログ内の所望のボタンを選択したりする際にクリック操作が行われる。また、クリック選択機能とは、一般的なマウスによる操作において、クリックし、かつクリックしたままマウスを移動することによって所望文字列を範囲選択するのと同様の機能を意味する。一般的な文字入力操作では、このようにクリック選択された文字列は、反転表示されることが多い。
本発明の文字入力装置では、上記クリック機能を多機能キーによって達成することができる。すなわち、切り替えキー4を操作して多機能キーをポインティングデバイスモードにしたときに、単に多機能キー3を押下げることによって実行される(図3)。
また、クリック選択機能は、多機能キーをポインティングデバイスモードにしたときに、多機能キーを押下げ、かつ押下げたまま、該キーを所望の方向に操作することによって実行される。上記のようなクリック選択機能は、たとえばキーを任意の方向に移動させる(ずらす)ことができ、かつ該移動を検出することができる手段を備えた多機能キーによって達成される。図5左列には、4方向の移動を検出可能な多機能キー3の平面図および正面図の一例を示してある。この例は、正面図に示されるように通常の携帯型ノートPCに採用されているパンタグラフ構造のガイド8を持つものであり、接点の保護と入力動作時のクリック感を出すために円筒上のラバー9を使用している例である。平面図に示したように、中央に文字入力のためのドーム型接点スイッチ6を持つ。また、ドーム型接点スイッチ6周辺には、4つの接点スイッチ7を配置している。ドーム型接点スイッチ6により、通常のキーボード操作の押下げを検出することができ、また4つの接点スイッチ7により、既存のキーボード上に用意されている4つの矢印キーと同等の動作を検出することができる。4つの接点スイッチ7を識別する信号は、本来キーボード上に用意されている元々の矢印キーと共通にすることが好ましい。
図5中央列は、円形のドーム型接点スイッチ7とした態様の接点のオン/オフを実現する物理的構造を示している。制御基板上に円形の2つの電極を設け、ドーム型スイッチ6が外側の電極を覆う形で配置されている。ドーム形状のため、通常は内側の電極と外側の電極都の間に数マイクロメートルの隙間が存在することでオフ状態となっていることを示している。このドーム型接点スイッチ6は携帯電話のテンキーとして一般的であり、通常のキーボードでは薄いシート状の基板に埋め込まれた接点を使っていることが多いが、本発明はこれら接点の種類に依存しない。
図5右列は、操作者のキー押下によってドームが変形して内側の電極と接触することでオン状態にあることを示している。文字入力またはクリック時においては、キーが押下げられたときの中央の接点のオン/オフ状態によって入力の有無が判定される。その結果、キーコードまたはクリック信号が出力される。クリック選択時であれば、キーが押下げられたときの中央の接点のオン/オフ状態と、その後にキートップを左右上下のいずれかに移動させることによって対応する4辺の接点がオン/オフすることでキーの移動を検出し、移動が検出された方向に文字カーソルを移動させる信号が出力され、所望の範囲が選択されることとなる。
上記のような押下げおよび移動を検出可能なキーのより詳細な動作例を図6に示してある。通常のキーでは、図6の中央部分のドーム型接点(矢印A)のみが押されてオン状態になる。この時、通常のキーでは、主にクリック感を出すために設けられたラバーが破線のように変形する。そして、ラバーの中心Aから離れた部分、すなわち矢印Aの接点の周りを囲む破線部分は、凸形に変形している(図6では、矢印Bに該当する)。この部分に対応する接点を前後左右に設けておき、ドームスイッチを押下すると接点のオン/オフが行われる。たとえば、図6では、キーを押下後、さらにキーを前後左右に傾けると、前後左右のラバーに設けられた矢印Bの接点がオンとなる。
現在一般的に使用されている、押下を安定させるための構造であるパンタグラフ状のガイドも、実際には多少の“遊び”がある。このため、押下点を中央から前後左右に所望の方向に移動させることにより、中央の接点と外側のいずれか一箇所の周辺接点とが押された状態を実現することができる。この例では、操作感を損なわない程度の“遊び”を確保することで、接点の中央部分の間隔が約3.5mm以上あれば動作することを確認している。
本態様では、4方向の傾きを検出可能な多機能キーとしたが、2方向など、何方向の傾きを検出できる態様であってもよい。
また、現在市販されているキーボードのキーピッチは19mm程度であることから、ドーム型接点スイッチは、携帯電話などに使われている4mmまたは3.5mm程度のものをそのまま流用しても隣接するキーの間隔を変更する必要がないことは、当該技術分野の当業者であれば容易に理解できるはずである。
本発明の多機能キーには、上記機構のキー以外のいずれの機構のキーを採用することができる。たとえば、その他の多機能キーの態様として、特許文献2(たとえば、図2〜6の機構および処理フロー)に示されたような機構を使用することができる。簡単には、キーを弾力性のあるゴム上の形状復元力のある基台に固定する。一方、キー指示軸の前後左右垂直に4つの電極を取り付け、また基底部にも電極を取り付け、これらの電極間の静電容量変化によりキーの傾きを検出することができる。
さらに、本発明の文字入力装置は、1つのキーに文字カーソル移動機能と文字入力機能とを備えた多機能キーを備えていてもよい。本明細書において、文字カーソルとは、テキスト内の入力位置を示す印のことをいう。通常、テキスト内ではI字形の棒となり、見つかりやすいように点滅表示される場合が多い。一方、マウスカーソルとは、マウスなどのポインティングデバイスで操作する場合に、画面上のどこで操作が実行されるかを表示する印のことをいう。マウスカーソルは、通常、矢印や手の形などで表示されることが多く、マウスポインターと呼ばれることもある。また、文字カーソル移動機能とは、通常、キーボードのカーソル移動キー(矢印が刻印されたキー)によって実行される機能であり、上記文字カーソルを移動させる機能を意味する。文字カーソル移動機能は、多機能キーを文字カーソル移動モードにしたときに、所望の方向にキーを操作することによって実行される。このような文字カーソル移動機能は、たとえば上記のようなキーを任意の方向に移動させる(ずらす)ことができ、かつ該移動を検出することができる手段を備えた多機能キーによって達成される(上記のとおり、図5〜6を参照されたい)。
上記多機能キーは、たとえば、ホームポジションキーに手を置いた状態で操作可能な位置に配置することが好ましい。ホームポジションとは、キーボード入力を最も効率的に行うことができるとされる指の基本的配置のことである。キーと指の対応を常に一致させておくことで、キー操作を確実に素早く行うことができる。そのために、それぞれの指に対して望ましいとされる位置がホームポジションとして定められている。ホームポジションは、キーボードの中心部に指先が添えられるようになっている。QWERTY配列のキーボードでは、左手小指から右手小指にかけて、順に[A][S][D][F](中ほどにGとHをはさんで)[J][K][L][;]にそれぞれの指を対応させる配置のしかたがホームポジションとなっている。
本発明の入力装置においては、特に、多機能キーを、ホームポジションキーに手を置いた状態で人差し指、中指および薬指に対応する3つのキーの位置にあるキーを割り当て、中指に対応するキーには、ポインティングデバイスの中央ボタンの機能を割り当て、人差し指および薬指に対応するキーには、それぞれポインティングデバイスの右ボタンまたは左ボタンの機能を割り当てることが好ましい。したがって、上記のようなQWERTY型キーボードのキー配列をもつキーボードでは、Jのキーにマウス左ボタンを、Kのキーにマウス中央ボタンを、およびLのキーにマウス右ボタンを割り当てるか、もしくはSのキーにマウス左ボタンを、Dのキーにマウス中央ボタンを、およびFのキーにマウス右ボタンを割り当てるか、またはこれらの両方のキーに割り当ててもよい。具体的には、図3のように、利き手の違いを考慮してキー位置[F]と[J]、[D]と[K]および[S]と[L]に同一機能を持たせることができるが、目的に応じてキーの位置や機能を変更することは可能である。また、図3では、多機能キーにそれぞれポインティングデバイスとしてマウスに備わっている左ボタン、中央ボタンおよび右ボタンの機能をもたせたキートップイメージの例を示してある。キートップに示された矢印は、キー押下状態で矢印方向にずらすことで文字カーソルが移動する方向を示している。この場合は、通常のカーソル移動動作と異なり、押下げ後にキーをずらすことによって本発明ではカーソルを一定の速度で移動させるが、使用目的がマウス右または左ボタンの押下によって表示部に表示される項目から所望の範囲を選択することであり、一定速度で文字カーソルを移動させるだけであっても十分目的を達成することができる。図3のように、中央ボタンを通常のマウスにおける中央ボタンと同様のスクロール動作のみとすることもできる。
多機能キーの機能は、切り替えキーによって切り替えられる。たとえば切り替えキーは、利用者が押す度にポインティングデバイス機能または文字カーソル移動機能と文字入力機能が交互に変わるようにすることができる。また、通常のキー操作におけるシフトキーなどのように、切り替えキーを押下げている間だけ、ポインティングデバイス機能または文字カーソル移動機能に切り替えることもできる。たとえば、多機能キーにマウスの左クリック機能を持たせた場合を想定すると、切り替えキーがポインティングデバイス機能のときは、多機能キーを押下げることによりクリックとして機能する。また、多機能キーを押下げ、かつずらすことによって、クリック選択を実行することができる。また、切り替えキーが文字カーソル移動機能のときは、多機能キーを所望の方向にずらすことにより、該方向に文字カーソルを移動させることができる。
また、本発明の一つの態様において、多機能キーにポインティングデバイス機能、文字カーソル移動機能および文字入力機能を備えた場合には、利用者が切り替えキーを押す度にポインティングデバイス機能と文字入力機能とが交互に変わるようにし、かつ利用者が切り替えキーを押下げ続けている間は、文字カーソル移動機能が実行されるように設定することもできる。本態様では、多機能キーと切り替えキーとを駆使することにより、通常のマウス操作におけるドラッグ&ドロップと同様の機能を行わせることができる。一方、切り替えキーが文字入力モードのときは、通常の文字入力を行わせることができる。
本発明の切り替えキーは、ホームポジションキーに手を置いた状態で親指により操作可能な位置にあることが好ましい。たとえば、QWERTY型キーボードのキー配列をもつキーボードでは、図3に示したようにスペースキーの手前に設けられることが好ましい。しかし、既存のキーボード操作に影響を与えるものでなければ、スペースキーの中央部分にあってもよいし、スペースキーの両側にある2つのキーの同時押下で代替する方法でもよい。
このような位置であれば、文字入力に最適な指あるいは手首・腕の位置を移動することなく、高速に文字入力を実現することが可能となる。また、上記文字入力装置によれば、通常マウスで行っていたカーソル位置の確定や文書作成アプリケーションの持つさまざまな機能やメニューからの選択などを手首の移動なしに実現することができる。更に、通常のポインティングデバイスにおいて要求されるすべての機能を実現すると同時に、従来のポインティングデバイスでは、左または右ボタン押下げて、一旦メニュー表示してから、所望の項目指定を行うためにカーソル移動していたが、この動きを指の動きだけで可能になる。
また、本発明の文字入力装置は、図4に示したような、さらなるマウスカーソル移動手段を備えることができる。このようなマウスカーソル移動手段は、ホームポジションキーに手を置いた状態で操作可能な位置に設けられる。特に、マウスカーソル移動手段は、一般的なキーボードのレイアウトを変更せずに、マウスカーソル移動において実用上障害にならない動きを確保できるための位置と形状であることが好ましい。たとえば、マウスカーソル移動手段の位置は、図4に示したように、QWERTY配列のキーボードにおいて、スペースキーの周辺のキーとキーの間にカーソル移動手段を設けることができる。また、スペースキーの位置や大きさを変更して縦横のバーを十文字に構成することや、可能な限り両手の中央部にくるようにすることにより、マウスカーソル移動の操作性を改善することが可能である。具体的には、図4に示したように、従来のタッチパッドを縦横に伸びた棒状にした検出装置を使用することができる。このような検出装置に指で触れ、指の移動した距離によってマウスカーソル移動量を計算するための二次元座標を対応させる。通常は、両方のバーの交差する位置を座標軸の原点として、この位置に指を置くことにより、いずれの方向への移動も検出することができる。このようなマウスカーソル移動手段によれば、通常原点から上下左右1cm程度(指がキーや該バーに接触する面の大きさ)の範囲内で棒状タッチパッドに接触させることによって、通常の使用に耐えるカーソルの動きを実現することができる。
上記マウスカーソル移動手段に使用される棒状検出装置に設けられる入力検出用接点の例としては、微細加工にて形成された機械式の接点スイッチを、交点から1mm間隔で各方向にそれぞれ10個並べることによって作製することができる。その他、従来のタッチパッドと同様の機構を利用して、図4のように配置することによって作製することができる。図4における縦のバーは直線状に並ぶことが原則であるが、原点からの距離が離れるとそれに比例して指を動かす範囲が多少増加するが、本発明の本質は変わらない。あるいは、該縦のバーが直線状に並ぶようにスペースキーが配置されている段(主に変換を指示するキー等の制御キーが配置されている部分)のキーの形状を変更しても、従来の文字入力用キーに変更を加えなければその機能・性能に影響を与えることはない。尚、接点信号は、キーボード上のキーと共通信号として制御部に伝えることで、新たな制御回路などを必要としないため、省エネ・省スペース化を用意にする。しかも、図4のようなマウスカーソル移動手段による指示は、二次元平面状で指を動かす方向と速度を忠実に再現できるため、他の技術で採用しているように単にキーの傾きや押下速度などを利用する方法よりも操作者にとって直感的でありかつ精度が高い。その他、接触型の棒状検出装置ではなく、静電容量方式を使用した手段により移動を検出する手段によってもよい。
上記のようなマウスカーソル移動手段によれば、上記クリック機能およびクリック選択機能を有するポインティングデバイス機能を備えた多機能キーと組み合わせて操作することにより、手をホームポジションから移動させることなくドラッグ&ドロップを行うことができる。具体的には、多機能キーによってクリック選択した文字列を、マウスカーソル移動手段によって選択した文字列を所望の位置にドラッグ&ドロップすることができる。
以下、本発明の文字入力装置の動作について図7のフローチャートを参照して説明する。まず、キーボードが操作されて入力データがされる(工程71)。切り替えキーがポインティングデバイス機能のときは(工程72)、入力データおよびキーの移動信号に基づいて、キーコードからポインティングデバイスによる入力データに変換された信号が出力される(工程73)。また、切り替えキーが文字カーソル移動機能のときは(工程72)、入力データおよびキーの移動信号に基づいて、キーコードから文字カーソルによる入力データに変換された信号が出力される(工程74)。一方、切り替えキーが文字入力機能のときは(工程72)、文字入力データを変換することなく、文字入力データとして出力される(工程75)。
従来の携帯型ノートパソコンのポインティングデバイスの一例を示す図。 従来の本発明に係るQWERTY型キーボードのキー配列および操作者によるホームポジションを示す図。 本発明の文字入力装置の一例を示す図。 さらなるカーソル移動手段を備えた本発明の文字入力装置の一例を示す図。 本発明の文字入力装置を実現するためのキー機構の一例を示す図。 本発明の文字入力装置を実現するためのキー機構の一例を示す図。 本発明の文字入力装置による動作を示すフローチャート。
符号の説明
1・・・携帯型ノートパソコン
2・・・QWERTY型キーボード
3・・・多機能キー
4・・・切り替えキー
5・・・カーソル移動手段
6・・・ドーム型接点スイッチ
7・・・接点スイッチ
8・・・パンタグラフ構造ガイド
9・・・ラバー

Claims (6)

  1. クリック機能とクリック選択機能とを有するポインティングデバイス機能、並びに文字入力機能を備えた少なくとも1つの多機能キーと、
    前記多機能キーによる前記ポインティングデバイス機能の操作と前記文字入力機能の操作とを切り替えるための切り替えキーと、
    を備えた文字入力装置。
  2. 文字カーソル移動機能と文字入力機能とを備えた少なくとも1つの多機能キーと、
    前記多機能キーによる前記ポインティングデバイス機能の操作と前記文字入力機能の操作とを切り替えるための切り替えキーと、
    を備えた文字入力装置。
  3. クリック機能とクリック選択機能とを有するポインティングデバイス機能、文字カーソル移動機能、並びに文字入力機能を備えた少なくとも1つの多機能キーと、
    前記多機能キーによる前記ポインティングデバイス機能の操作と文字カーソル移動機能の操作と前記文字入力機能の操作とを切り替えるための切り替えキーと、
    を備えた文字入力装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の文字入力装置であって、
    前記多機能キーは、前記文字入力装置のホームポジションキーの位置にあり、
    前記切り替えキーは、ホームポジションキーに手を置いた状態で操作可能な位置にある、文字入力装置。
  5. 請求項4に記載の文字入力装置であって、
    前記多機能キーは、ホームポジションキーに手を置いた状態で人差し指、中指および薬指に対応する3つのキーの位置にあり、
    前記中指に対応するキーは、ポインティングデバイスの中央ボタンの機能を割り当てたキーであり、
    前記人差し指および薬指に対応するキーは、それぞれポインティングデバイスの右ボタンまたは左ボタンの機能を割り当てたキーであり、かつ、
    前記切り替えキーは、ホームポジションキーに手を置いた状態で親指により操作可能な位置にあるキーである、文字入力装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の文字入力装置であって、
    ホームポジションキーに手を置いた状態で操作可能な位置に、かつキーとキーの間に、さらにマウスカーソル移動手段を備えた文字入力装置。
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