JP2008197183A - カラーフィルターおよびそれを用いた画像表示装置およびその評価装置 - Google Patents

カラーフィルターおよびそれを用いた画像表示装置およびその評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶画面をローラーや指でなぞったときに起こるタッチムラが解消されたカラーフィルターとそれを用いた画像表示装置とその評価装置を提供する。
【解決手段】基板上の片方表面に着色画素が形成されたカラーフイルターにおいて、所定の位置に柱状突起PSを有し、この柱状突起PSがビッカース圧子を用いた押し込み試験(最大荷重0.6mN/μm)によって得られるヒステリシス曲線で、圧縮曲線(L1)と抜重曲線(L2)の最大荷重の1/2(0.3 mN/μm)における半値変位量が0.2μm超であることを特徴とするカラーフィルターとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置に使用されるカラーフィルターにおいて、柱状突起PSを有するカラーフィルターとそれを用いた画像表示装置およびその評価装置に関する。
液晶表示装置は、カラーフィルターと液晶駆動用電極を形成した電極基板を対向させ、両基板の間隙に液晶材料を封入する構造であり、基板間ギャップは応答時間やコントラスト比を決定する重要なパラメーターである。ギャップ精度をあげるため、またギャップ均一性を保つために近年ガラスビーズの代わりに柱状突起(フォトスペーサー:以下PSという)が使用されている。
従来、柱状突起PSの弾性変形を制御する試み(特許文献1、2)がなされている。この内、特許文献2では、重力不良の改善のために、22mPa/secの荷重付加速度にて、80mNまでの圧縮荷重を負荷した際の初期変形量と初期変形量を所定の値にして、真空プレス方式の製造時の重力不良を改善しようとするものである。
しかし、公知文献の技術では、ローラーや指で液晶画面をなぞった場合、光漏れが生じるというタッチムラを解消することができなかった。
特開2002−174812号公報 特開2004−301933号公報
本発明は、液晶画面をローラーや指でなぞったときに起こるタッチムラが解消されたカラーフィルターとそれを用いたタッチムラ解消方法およびその評価装置を提供することを目的とする。
本発明は、基板上の片方表面に着色画素が形成されたカラーフイルターにおいて、所定の位置に柱状突起PSを有し、この柱状突起PSがビッカース圧子を用いた押し込み試験(最大荷重0.6mN/μm)によって得られるヒステリシス曲線で、圧縮曲線(L1)と抜重曲線(L2)の最大荷重の1/2(0.3 mN/μm)における半値変位量が0.2μm超であることを特徴とするカラーフィルターである。
この場合、前記半値変位量が0.21〜0.8μmであることが好ましい。
また、最大荷重0.6mN/μmの押し込み試験において、前記PSの総変形量が0.8μm以上であり、かつ弾性変形率が50%以上であることが好ましい。
この場合、前記総変形量が0.8〜1.7μmであり、前記弾性変化率が50〜100%であることが好ましい。
そして、前記のカラーフィルターを用いた画像表示装置とすることが好ましい。
さらに、画像表示装置の液晶画面に棒状物を用いて荷重を加えて、摺動し、その後、液晶を黒表示して、灰色に検出される部分が存在していたとき、ムラありと判断する画像表示装置の評価装置とすることが好ましい。
そして、前記棒状物の面積を1cm、荷重を2kgf(19.6N)とし、その摺動速度を50mm/sとする画像表示装置の評価装置であることが好ましい。
本発明によれば、タッチムラが解消する。
上記の不具合であるタッチムラを解決するため、詳細な検討を行った。
検討の結果、柱状PSの弾性特性を調べるために行った押し込み試験の結果とタッチムラとの間に密接な関連性があることを見出した。
押し込み試験は、フィッシャーインストルメンツ株式会社製HM2000を用いて測定を行った。測定条件として、最大荷重0.6 mN/μm2負荷速度2.2mN/s荷重し、5秒間最大荷重を保持し、除荷速度2.2mN/sで除荷し、最小荷重0.004 mN/μm2で5秒間保持する。
このとき得られたヒステリシス曲線(図1)で圧縮曲線(L1)と抜重曲線(L2)の最大荷重の1/2(0.3 mN/μm)における半値変位量が0.2μm以下の柱状PSを有するカラーフィルターを使用した液晶表示装置において、タッチムラが生じることが判明した。
一般に柱状突起PSの多くはフォトリソによって形成されるため、硬くて柔軟性の低い性質を有するものが多い。
そのため、TFT基板と張り合わせてパネルにした際に、PSとTFT基板の接触面積が不十分となる。
従って、液晶画面を指などで強くなぞるなどして斜め方向より外力が加わり開放された際に、カラーフィルターは元に戻ろうとするが、PSとTFT基板との間で充分な摩擦力が得られず、カラーフィルターとTFT基板がずれ、光漏れが生じる不具合(タッチムラ)が発生すると推測される。
この場合、半値変位量は、0.2μmより大きいことが好ましい。そして、0.21〜0.80μm、特に0.25〜0.80μmであることが好ましい。
なお、前述の特許文献2には、ヒステリシス曲線の各種変形量が記載されているが、半値変形量については、開示も示唆もない。特許文献2は、局所耐圧試験なるものを行っているが、これは、本発明におけるタッチムラとは異なるものである。況してや、後に、詳述する本発明におけるタッチムラの評価方法についても開示も示唆もない。
また、該柱状PSは、総変形量が0.8μm以上かつ弾性率が50%上となることが好ましい。総変形量が0.8μmより小さいとTFT基板と張り合わせる際にギャップマージンが狭く、生産性が劣る。この場合、総変形量は、0.8〜1.7μmより好ましくは、1.0〜1.7μmであることが好ましい。
また、弾性率が50%よりも小さいとPSの塑性変形が大きく、押圧によってギャップが不均一となり表示ムラが発生する。弾性率は、50%以上、特に、50〜100%、より好ましくは、55〜90%であることが好ましい。
このような特性を示すことによって、タッチムラが解消する。タッチムラの評価するには、タッチムラ評価装置を用いる。評価装置は、押圧手段と検出手段を備える。即ち、押圧手段の有する棒状物で2kgf(19.6N)程度の荷重を加えて、これを摺動して評価すればよい。
より具体的には、先端が面積1cmの棒状物にて荷重を加えて、50mm/sの速度で擦ればよい。
この後、液晶を黒表示にて、ムラを確認する。即ち、検出手段で、黒表示した液晶画面を斜め45°の角度から観察する。すると、本来前面黒である画面の一部が図6aに示されるように、灰色に見える。灰色が見えたらNGであり、ムラありと評価する。この灰色部分を顕微鏡観察すると、図6bに示されるように、格子状の遮光膜と着色層の間に、2〜4μmの隙間が生じており、光が漏れてきてしまうのである。このような観察および判断を行うには、公知の各種センサーと例えば、コンピューターとを用いて、灰色か否かを自動的に判断することができる。
以下に、本発明の実施例を示す。
初めに、ガラス基板の片面に遮光層を形成する。この遮光層は遮光効果を有する、例えばCrのような金属薄膜あるいは、遮光性を有する着色剤を含有した樹脂より形成される。次に、この遮光層の所定の開口部位には、所定の順番にて色別の着色画素が形成される。
色画素は、例えばレッド、グリーン、ブルーの顔料で、各所定の色に調整した顔料分散型感光樹脂にて基板上に塗布膜を形成したあと、フォトリソによりパターン形成する。前記工程を繰り返し、着色画素を形成する。次に、スパッタリング装置で着色画素を含めた基板面に、所定の膜厚の導電膜を形成する。導電膜はITOなどの透明性を有し、抵抗値が低いものが好ましい。
さらに、遮光層上の所定の位置にフォトリソで高さ4.0μmの柱状PSを形成した。
<実施例1>
上記の方法にてレジスト NN810(JSR製)を使用し、フォトリソにより柱状PSを作製した。
<実施例2>
実施例1と同様に以下に示す処方のレジストを使用し、フォトリソで柱状PSを作製した。
ウレタンMOI―アクリル共重合樹脂 27.5部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート (DPHA) 14.0部
イルガキュアー907(チバガイギー製) 2.0部
フッ素系界面活性剤 0.5部
2-アセトキシ-1-メトキシプロパン(PGMEA)56.0部
100.0部
樹脂の合成方法
5つ口反応容器にプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMAc)200g、n-ブチルメタクリレート20g、メタクリル酸5g、2-ヒドロキシメチルメタクリレート25g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2gを加え、窒素雰囲気下、80℃で8時間攪拌し、アクリル共重合体を得た。
次に、このアクリル共重合体100gにカレンズMOI(昭和電工株式会社製)33g、PGMAc17gを加え、60℃で8時間攪拌して樹脂を得た。
<実施例3>
実施例1と同様に以下に示す処方のレジストを使用し、フォトリソで柱状PSを作製した。
エチレンオキシMOI−アクリル共重合樹脂 27.5部
DPHA 14.0部
イルガキュアー907(チバガイギー製) 2.0部
フッ素系界面活性剤 0.5部
PGMEA 56.0部
100.0部
樹脂の合成方法
5つ口反応容器にPGMAc 228g、グリシジルメタクリレート(GMA) 110g、AIBN 2.2gを加え、窒素雰囲気下、80℃で6時間攪拌した。
次に、アクリル酸(AA)56g、メトキノン(MQ)0.02g、トリフェニルホスフィン(TPP)0.2gを加え空気を吹き込みながら、100℃で24時間加熱した。更に、上記アクリル共重合体樹脂にカレンズMOI(昭和電工製)28g、PGMAc 28gを加え、60℃で12時間攪拌して樹脂を得た。
<実施例4>
実施例1と同様に以下に示す処方のレジストを使用し、フォトリソで柱状PSを作製した。
アクリル共重合樹脂 31.5部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 10.0部
イルガキュアー907(チバガイギー製) 2.0部
フッ素系界面活性剤 0.5部
2-アセトキシ-1-メトキシプロパン(PGMEA) 56.0部
100.0部
樹脂の合成方法
5つ口反応容器にプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMAc)200g、n-ブチルメタクリレート20g、メタクリル酸5g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート25g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2gを加え、窒素雰囲気下、80℃で8時間攪拌し、アクリル共重合体を得た。
<実施例5>
実施例1と同様に以下に示す処方のレジストを使用し、フォトリソで柱状PSを作製した。
エチレンオキシMOI―アクリル共重合樹脂 20.0部
アクリル共重合樹脂 11.5部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 10.0部
イルガキュアー907(チバガイギー製) 2.0部
フッ素系界面活性剤 0.5部
2-アセトキシ-1-メトキシプロパン(PGMEA)56.0部
100.0部
樹脂の合成は、実施例3、4と同様の方法で行った。
<比較例1>
実施例1と同様に以下に示す処方のレジストを使用し、フォトリソで柱状PSを作製した。
アクリル樹脂 12.0部
多官能モノマーM-310(東亜合成株式会社製) 31.0部
イルガキュアー907(チバガイギー製) 2.0部
界面活性剤 0.5部
PGMEA 55.5部
100.0部
<比較例2>
比較例1において、多官能モノマーM-310だけをDPHAに変更した他は同一の条件にて、柱状PSを形成した。
<比較例3>
比較例1において、多官能モノマーM-310だけをM-450(東亜合成株式会社製)に変更した他は同一の条件にて、柱状PSを形成した。
図1のヒステリシス曲線は、フィッシャーインストルメンツ株式会社製HM2000で測定することにより得られた。
測定条件
最大荷重0.6 mN/μm2
最小荷重0.004 mN/μm2
負荷速度2.2mN/s
最大荷重保持時間5s
最小荷重保持時間5s
弾性率は下記式から求めた。
弾性率=(総変形量−塑性変形量)/(総変形量)×100
これらのヒステリシス曲線から得られた特性値とタッチムラの評価結果を表1に示す。タッチムラは、前記の方法で評価した。

Figure 2008197183
表1に示される結果から、本発明の特性値による臨界的効果が明らかである。
ローラーや指などによるなぞりによってもタッチムラが生じないという優れた特性を発揮する。
本発明のヒステリシスグラフを説明するための図である。 実施例1のヒステリシスグラフである。 実施例2のヒステリシスグラフである。 実施例3のヒステリシスグラフである。 比較例1のヒステリシスグラフである。 本発明のタッチムラの評価基準を説明するための図である。

Claims (7)

  1. 基板上の片方表面に着色画素が形成されたカラーフイルターにおいて、所定の位置に柱状突起PSを有し、この柱状突起PSがビッカース圧子を用いた押し込み試験(最大荷重0.6mN/μm)によって得られるヒステリシス曲線で、圧縮曲線(L1)と抜重曲線(L2)の最大荷重の1/2(0.3 mN/μm)における半値変位量が0.2μm超であることを特徴とするカラーフィルター。
  2. 前記半値変位量が0.21〜0.80μmである請求項1のカラーフィルター。
  3. 最大荷重0.6mN/μmの押し込み試験において、前記PSの総変形量が0.8μm以上であり、かつ弾性変形率が50%以上である請求項1または2のカラーフィルター。
  4. 前記総変形量が0.8〜1.7μmであり、前記弾性変化率が50〜100%である請求項3のカラーフィルター。
  5. 請求項1〜4のいずれかのカラーフィルターを用いた画像表示装置。
  6. 画像表示装置の液晶画面に棒状物を用い荷重を加えて、摺動し、その後、液晶を黒表示して、灰色に検出される部分が存在していたとき、ムラありと判断する画像表示装置の評価装置。
  7. 請求項6の評価装置において、前記棒状物の面積を1cm、荷重を2kgf(19.6N)とし、その摺動速度を50mm/sとする画像表示装置の評価装置。
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