JP2008195494A - 展望用エレベータ - Google Patents

Abstract

【課題】簡単な構成で情報を表示できる展望用エレベータを提供すること。
【解決手段】 外装に透明部材３が取り付けられた昇降路２を乗りかご４が移動し、建物１の外部から乗りかご４の移動を視認できる展望用エレベータにおいて、乗りかご４の透明部材３を介して見える位置に設置される情報表示装置６と、この情報表示装置６に表示される情報を制御する制御手段とを備えるようにする。このように情報表示装置６を通じて建物内の宣伝情報などを表示することにより、イルミネーションとして機能を備えるとともに、高い集客効果を得ることができる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、展望用エレベータに関し、特に建物の外に所定の情報を表示する機能を備えた展望用エレベータに関する。

一般に展望用エレベータは、建物の外に面する昇降路の外装をガラス張りにして、その中を乗りかごが昇降するようになっている。

このような展望用エレベータにおいては、乗りかご内の乗客に対し、展望用窓を通して、建物の外の眺望を提供することができる。一方、建物の外から乗りかごの昇降を見えるようにすることで、建物自体に注目を集めて、建物内に人々を呼び込むなど効果が期待されている。

このため、展望用エレベータは、通常、眺望がよいことに加えて、建物の外から人目に付く場所に設置されている。ここで、例えば、ホテルやデパートなどの展望用エレベータを利用して広告やその他の情報を表示することができれば、集客力を増やすことができる。しかし、情報の表示方法によっては、却って建物の美観を悪くしたり、乗りかご内の眺望を損ねるおそれがある。

そこで、例えば、昇降路のガラス壁を区分し、区画ごとに印加電圧の大きさによって透明度が変化する液晶シートを貼り付け、透明度を異ならせることにより所望のパターンを表示するようにした表示技術が開示されている（特許文献１参照。）。このような技術を用いれば、昇降路のガラス面に広く情報を表示できるため、建物の広告宣伝効果を高めることができる。

特開平１−２４７３８６号公報

しかしながら、特許文献１において、ガラス面に表示する文字やグラフィックを明瞭にするためには、昇降路のガラス壁を細かく区分して独立に液晶シートを貼り付けなければならず、表示装置としての構造が複雑になるという問題がある。また液晶シートを用いた表示原理から、夜間においてはバックライトなどの照明が必要になる。

本発明は、簡単な構成で情報を表示することができる展望用エレベータを提供することを課題とする。

上記課題を解決するため、本発明は、外装に透明部材が取り付けられた昇降路を乗りかごが移動し、建物の外部から乗りかごの移動を視認できる展望用エレベータにおいて、乗りかごの透明部材を介して見える位置に設置される情報表示装置と、この情報表示装置に表示される情報を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。

このように、人々の注目が集まりやすい乗りかごに情報表示装置を設置することにより、建物の宣伝効果を向上させることができる。また、乗りかごに設置する情報表示装置には、周知の表示器を用いることができるため、簡単かつ低廉な設備で賄うことができる。

ここで、情報表示装置としては、独立に点灯、消灯する複数の光源を用いることができる。例えば、乗りかごを取り囲むようにして配置された複数の光源を、発光パターンを変化させて発光させることにより、イルミネーションとしての機能も発揮できる。その他、情報表示装置には、画像表示パネルを用いるようにしてもよい。これによれば、表示画面を通じて表示される情報に、文字などのバリエーションをもたせることができる。

この場合において、情報表示装置は、乗りかごの現在位置に応じて予め定められた情報を表示するようにしてもよい。これによれば、例えば、乗りかごが昇降する際は、移動中の位置や停止階に対応する建物内の宣伝情報などを適宜知らせることができるため、それぞれの宣伝階の注目度を高めることができる。また、情報表示装置は、建物内の火災や地震などの災害発生に応じて予め定められた情報を表示して、これらの災害情報を建物の外部に報知するようにしてもよい。

また、乗りかごには、このような情報表示装置に加えて、展望用窓に可視フィルムを貼付し、例えば、乗りかごの中から外を見たときは展望用窓と可視フィルムを透過して景色を見ることができ、外から乗りかごを見たときは可視フィルムのグラフィックを視認できるようにしてもよい。このような可視フィルムを情報表示装置と組み合わせて用いることにより、乗りかご内からの眺望を損なうことなく、可視フィルムに表示された広告情報などの注目度を高めることができる。

本発明によれば、簡単な構成で情報を表示することができる展望用エレベータを提供することができる。

以下、本発明を適用してなる展望用エレベータの実施形態について図を参照して説明する。図１は、本発明を適用してなる展望用エレベータの一例を示す概略構成図である。

本実施の形態の展望用エレベータは、建物１の外に面する昇降路２と、この昇降路２の中を移動する乗りかご４と、この乗りかご４に設置される複数の光源６と、この光源６の発光パターンを制御する制御装置を備えて構成される。

昇降路２の建物外側に面した外装は透明のガラス３で形成され、このガラス３と対向する乗りかごの側面には、透明の展望用窓５が設けられている。乗りかご４の利用者は、展望用窓５と昇降路２のガラス３を通して、建物の外の景色を眺望できるようになっている。

乗りかご４には、昇降路２のガラス３を通じて建物１の外側から見える位置に、複数の光源６（例えば、ＬＥＤ）が乗りかご４の周縁部に展望用窓５を取り囲むようにして配置されている。光源６は、単一色で構成されてもよいし、異なる発色の光源６を組み合わせて構成されてもよい。なお、光源６は、展望用窓５からの眺望を妨げず、建物の外部から見える位置であれば、どのように配置されていてもよい。

また、光源６は、図示しない制御装置により発光パターンが制御されるようになっている。この制御装置は、例えば、乗りかご４の現在位置に基づいて光源６の発光パターンの出力情報を適宜切り替えるようになっている。

展望用窓５には、広告用のグラフィックが印刷された半透明の可視シート７が貼り付けられている。この可視シート７を展望用窓５に貼り付けると、乗りかご内の比較的暗い領域にいる利用者は、可視シートを通して外を見ることができ、建物外の比較的明るい領域の人には、シート上に印刷されたグラフィックが反射して見えるようになっている。具体的に、このようなシート又はフィルムとしては、例えば、住友スリーエム社製の「ワンウェイビジョン」などが知られている。なお、夜間においては、可視シートを乗りかごの外側から照明するようにしてもよい。

次に、このように構成される展望用エレベータの動作を説明する。

まず、展望用エレベータにおいて、乗りかご４内に利用者が乗り込み、行先階を入力すると、乗りかご４は上方に移動する。そして乗りかご４が、例えば４階に到着すると、乗りかご４の現在位置情報が制御装置に入力されるとともに、予め設定された４階に関連する発光パターンの情報が電気信号によって制御装置から光源６に出力される。これにより４階に停止した乗りかご４は、光源６が所定の順序に従って時系列的に点灯位置を変化させながら発光を開始する。このように特定の階床において、複数の光源６を所定の発光パターンに基づいて発光させることにより、イルミネーションとしての機能を発揮するとともに、乗りかごの停止する階床について注目を集めることができる。

本実施の形態では、図に示すように、乗りかご４の展望用窓５には、建物の４階に店舗を構える「Ｄ−ＳＨＯＰ ＳＡＬＥ」の宣伝文字が印刷された可視シート７が貼付されている。このため、建物の外からは光源６の発光により人々の注目を集めるとともに、可視シート７の宣伝文字が読み込まれる。すなわち、建物の外からみると、乗りかごが停止する階床と、その階床に関する広告情報が併せて認識される。このため、特定の階床に関連させて宣伝効果を発揮することができる。なお、可視シート７に印刷される宣伝文字は、乗りかご４内の利用者には、見えないため、利用者は展望用窓を通じて外の景色を楽しむことができる。

また、本実施の形態では、乗りかご４が特定の階床に停止した状態で、光源６を予め設定された所定の発光パターンで発光させるように制御しているが、乗りかご４が所定の階床間を移動する場合も、その位置に連動させて光源６の発光パターンを適宜変化させるようにしてもよい。

また、本実施の形態では、光源６を、展望用窓５を取り囲むように配置しているが、例えば、乗りかご４の展望用窓５を避けた位置に平面状に整列させて画像表示パネルとして機能させるようにしてもよい。これによれば、例えば、文字情報などの多彩な情報を表示することができ、乗りかごの現在位置に応じて、宣伝文字を階床ごとに切り替えて表示することができる。なお、画像表示パネルは、周知の液晶パネルなどを用いるようにしてもよい。

本実施の形態では、光源６を直接発光させるようにしているから、昼夜に関わらず、建物の外からみたときの視認性を良好に保つことができる。

次に、本発明を適用してなる展望用エレベータの他の実施の形態について図２を用いて説明する。なお、図２において、図１と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。

本実施の形態は、特定階の宣伝広告を行うものではなく、建物全体の状況やエレベータの運転状況などに連動させて、乗りかご４の光源６を所定の発光パターンにより発光させるようにしている点で、図１と相違する。

図に示すように、建物内の特定階において、火災８が検知されたときは、予め設定された発光パターンの情報が電気信号によって制御装置から光源６に出力される。これにより、光源６は所定の順序に従って時系列的に点灯位置を変化させながら発光を開始するため、建物の外部に火災の発生を報知することができ、周囲に避難を促すことができる。

また、このような建物に係る災害情報に限らず、各種管制運転、保守などのエレベータの運転状況に応じて、種々の発光パターンを用意しておき、乗りかご４の光源６を発光させることにより、建物の外の人々に建物内の状況を知らせることができる。

以上述べたように、本発明によれば、人々の注目が集まりやすい展望用エレベータの乗りかごに複数の光源などからなる情報表示装置を設けているから、建物の宣伝効果を向上させることができる。また乗りかごの運転状況などに応じて表示する情報を適宜切り替えることができるため、情報の付加価値を高めることができる。

本発明を適用してなる展望用エレベータの構成図である。 本実施を適用してなる展望用エレベータの他の構成図である。

符号の説明

１ 建物
２ 昇降路
３ ガラス
４ 乗りかご
５ 展望用窓
６ 光源
７ 可視シート
８ 火災

Claims (6)

1. 外装に透明部材が取り付けられた昇降路を乗りかごが移動し、建物の外部から前記乗りかごの移動を視認できる展望用エレベータにおいて、
   前記乗りかごの前記透明部材を介して見える位置に設置される情報表示装置と、該情報表示装置に表示される情報を制御する制御手段とを備えることを特徴とする展望用エレベータ。
2. 前記情報表示装置は、独立に点灯、消灯する複数の光源からなることを特徴とする請求項１に記載の展望用エレベータ。
3. 前記情報表示装置は、画像表示パネルからなることを特徴とする請求項１に記載の展望用エレベータ。
4. 前記情報表示装置は、前記乗りかごの現在位置に応じて予め定められた情報を表示することを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の展望用エレベータ。
5. 前記情報表示装置は、前記建物の火災又は地震の発生に応じて予め定められた情報を表示することを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の展望用エレベータ。
6. 前記乗りかごに取り付けられる展望用窓には、可視フィルムが貼付され、乗りかごの中から外を見たときは前記展望用窓と前記可視フィルムを透過して景色を見ることができ、外から乗りかごを見たときは前記可視フィルムのグラフィックを視認できることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の展望用エレベータ。

Images