JP2008188305A - 生体内電流双極子の推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の脳活動部位の推定法では、簡便であるが、電流双極子の位置および方向について妥当性が高くないという問題があった。また、測定点に対して、推定される電流双極子の数が膨大であり、数学的解法を採用する場合に不適切な問題であり解を一意に決定できなかった。
【解決手段】脳のMRIデータを用いて電流双極子の存在するべき領域および方向を予め限定して脳の活動部位を推定することにより、電流双極子の位置を正確に、かつ効率よく推定することが可能となる。また、測定点を補間し、電流双極子(格子点)の数を補間した測定点に一致させることで、電流双極子と、脳電位・脳磁界の関係を表す方程式の数と求めるべき解(電流双極子の大きさ)を同数にできるので一意解を求めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体内電流双極子の推定方法脳の神経活動の有無を示す電流双極子の存在するべき領域および方向を限定した電流双極子の位置および方向の推定方法、およびそれを用いた脳活動部位推定方法に係り、特に数学的な逆問題の手法により正確な推定を可能とした生体内電流双極子の推定方法に関するものである。
近年、生体内の微小な電位や磁界を計測するセンサが開発されており、これを用いて生体内の電流双極子の位置やその大きさを推定する方法が検討されている。
例えば、脳における活動部位は、脳の活動に伴い頭皮上に現れる電位を電極で計測した脳電位から推定することができる。このような脳電位測定を行うために、電流双極子の位置を推定する必要がある。推定方法は、現在脳を球として近似したものや、有限要素に分解したものを用いて電流双極子の位置を推定する方法が多用されている。
図27に従来の電流双極子の推定方法を示す。図27は実形状4層頭蓋モデルの斜視図である。図示のごとく、4層頭蓋モデルは脳質21、脳髄液22、頭蓋骨23、頭皮24の4層領域よりなる。脳質21、脳髄液22、頭蓋骨23、頭皮24の領域をそれぞれΩ、Ω、Ω、Ωとしたとき、電流双極子は領域Ω内にのみ発生する。
また、脳質21、脳髄液22、頭蓋骨23、頭皮24の導電率をそれぞれσ、σ、σ、σとして、境界要素法を用いて行列連立方程式を解く。次に、伝達行列の計算を行い、その結果を用いて電極位置の電位を求め、電流双極子の真の位置とベクトル成分を推定する(例えば特許文献1参照。)。
また、電流双極子の存在するべき領域を脳表に限定し、電流双極子の方向を脳表に垂直方向に限定することにより、数学的手法を用いて電流双極子の位置を推定する方法も知られている(例えば特許文献2参照。)。
特開平8−257004号公報 特開2006−61321号公報
上記特許文献1の如き従来の脳活動部位の推定方法では、脳を球として近似したものや有限要素に分解したものを用いて電流双極子の位置を推定する場合が多いため、簡便であるという利点を有する。
しかしながら、電流双極子は神経細胞の位置に存在し、その方向は神経細胞の走行方向に出現しなければならず、前記推定方法ではこの要件を満たしていない。そのため、電流双極子の正確な位置の推定が困難であるだけでなく、本来電流双極子が存在するはずのない部位に電流双極子を推定してしまう場合があるという問題があった。
また、一般的に脳電位から推定される脳の活動部位は、電流双極子として推定されるが、脳の神経細胞の並び方を考慮していない推定法では電流双極子の方向を予め制限していないため計算量が膨大となる。さらに、脳の形は人によってそれぞれ異なるため、各々の脳の形に適した電流双極子の位置を推定することが困難であるという問題があった。
一方、上記特許文献2の方法は、最小ノルム法により解(電流双極子の大きさ)を求めるものであり、非侵襲的であり、高時間分解能を有する利点がある。しかし、脳電位または脳磁界の計測点数(センサ数)に比べて推定すべき脳内電流双極子の数が非常に多いため、上記方法により電流双極子の大きさを推定することは、数学的に不適切な問題であり、解を一意に決定できない問題があった。
本発明は係る課題に鑑みてなされ、第1に、被測定部近傍の生体表面の複数の測定点にそれぞれセンサを配置し、前記被測定部内部の電流双極子による電位又は磁界の実測値を取得するステップと、前記被測定部の断層画像に基づき前記被測定部の表面の格子点を特定するステップと、前記格子点に電流双極子が存在すると仮定し、該格子点から前記被測定部の外部に向かう法線単位ベクトルを算出して、電流双極子の方向と仮定するステップと、前記測定点および前記実測値の数と、前記格子点の数とを同数とし、これらに関係した係数群によって前記電流双極子の大きさを推定するステップと、を具備することにより解決するものである。
また、前記測定点の数および前記実測値を補間して補間測定点および該補間測定点における前記電位又は磁界の補間データを算出するステップと、該補間データと、前記電流双極子の方向および前記補間測定点に関係した係数群を求めるステップと、を有することを特徴とするものである。
第2に、生体の頭部表面の複数の測定点にそれぞれセンサを配置し、脳内部の電流双極子による脳電位又は脳磁界の実測値を取得するステップと、前記脳の断層画像に基づき前記脳の表面の格子点を特定するステップと、前記格子点に電流双極子が存在すると仮定し、該格子点から前記脳の外部に向かう法線単位ベクトルを算出して、電流双極子の方向と仮定するステップと、前記測定点および前記実測値の数と、前記格子点の数とを同数とし、これらに関係した係数群によって前記電流双極子の大きさを推定するステップと、を具備することにより解決するものである。
また、前記測定点の数および前記実測値を補間して補間測定点および該補間測定点における前記脳電位又は脳磁界の補間データを算出するステップと、該補間データと、前記電流双極子の方向および前記補間測定点に関係した係数群を求めるステップと、を有することを特徴とするものである。
また、前記電流双極子の方向および前記補間測定点との関係で決定する正則の係数行列を求め、該係数行列の逆行列によって前記電流双極子の大きさを推定することを特徴とするものである。
また、前記補間測定点および前記補間データは、前記測定点および前記実測値を空間補間することを特徴とするものである。
また、前記格子点は、表面に位置する全ての表面格子点から一部を抽出したものであることを特徴とするものである。
また、前記センサにより前記脳電位を実測する際には、全ての前記センサからなるセンサ群の中心点または前記脳の中心点と、前記表面格子点とを結んだ直線と、該表面格子点から前記脳の外部に向かう前記法線単位ベクトルとのなす角θについて|cosθ|の大きいものから優先的に抽出することを特徴とするものである。
また、前記センサにより前記脳磁界を実測する際には、全ての前記センサからなるセンサ群の中心点または前記脳の中心点と、前記表面格子点とを結んだ直線と、該表面格子点から前記脳の外部に向かう前記法線単位ベクトルとのなす角θについて|cosθ|の小さいものから優先的に抽出することを特徴とするものである。
また、前記格子点は、隣接する前記表面格子点を所定の間隔で抽出したものであることを特徴とするものである。
また、前記格子点は、前記測定点の近傍の前記表面格子点から優先的に抽出したものであることを特徴とするものである。
また、前記表面格子点は、全ての前記センサからなるセンサ群の有効領域に向かって前記脳の中心点から投射した3次元領域内に存在することを特徴とするものである。
また、前記表面格子点は、1つの前記電流双極子が発生する磁界を前記センサ群で計測した合計値を算出し、該合計値の大きいものから優先して抽出することを特徴とするものである。
また、表面に位置する全ての前記格子点の数と前記補間測定点の数とが同数になるよう、前記断層画像上の格子を大きくすることを特徴とするものである。
本発明によれば、第1に、電流双極子が被測定部の表面に存在し、かつ電流双極子の方向が被測定部の表面に対して垂直方向であると仮定して、数学的手法を用いて電流双極子の位置を推定する方法において、数学的に一意解を求めることができる。
第2に、電流双極子が大脳皮質に存在し、かつ電流双極子の方向が大脳皮質の表面(脳表)に対して垂直方向であると仮定して、数学的手法を用いて電流双極子の位置を推定する方法において、数学的に一意解を求めることができる。特に脳の場合、脳磁界および脳電流の発生源となるのは、主に大脳皮質の表面に対して垂直に配列している、大脳皮質内の錐体細胞の活動と考えられる。従って、電流双極子が大脳皮質表面の格子点に存在すると仮定し、その方向が大脳皮質の表面(脳表)に対して垂直方向(格子点の法線方向)に仮定することで、効率よくかつ正確に電流双極子の大きさを推定できる。
また、数学的解法で電流双極子の位置を推定する際に、脳電位や脳磁界の測定点(測定点)および実測値を空間補間することにより、擬似的なデータ点数(補間測定点および補間データ)を増加させ、脳表にあると推定した電流双極子の個数(格子点の個数)を同数とする。これにより、電流双極子と脳電位・脳磁界の関係を表す方程式の数と求めるべき解(電流双極子の大きさ)の数を同数にでき、解を一意に決定できる。
従来では、実測の測定点に比べて、推定すべき電流双極子の数が非常に大きく、数学的に不適切な問題であり、一意解を求めることができなかった。このため例えば最小ノルム法を用いるなどして解を求める必要があり、解の正確性に問題があった。しかし、本実施形態によれば、PET(Positron Emission Tomography:陽電子断層撮影装置)やfMRI(Functional Magnetic Resonance Imaging:機能的磁気共鳴撮像装置)などで得られる先見情報や不合理な条件設定を行うことなく、正確な脳内の電流双極子の大きさを推定できる。
第3に、擬似的な補間データと、電流双極子の方向および擬似的な補間測定点に関係した係数群を正則の係数行列で表現できる。従って、当該係数行列の逆行列を求めることで容易に一意解を求めることができる。
第4に、擬似的なデータである補間測定点および補間データは、実際の測定点(測定点)および実測値の空間補間により求めるので、脳電位又は脳磁界を測定するセンサ数を物理的に増加させる必要がなく、すなわち従来の測定装置を用いて実施できる利点を有する。
第5に、被測定部(脳)の表面に位置する全ての表面格子点から一部を抽出することで、補間測定点の数と同数の格子点を得ることができる。脳内に推定される格子点は、実際の測定点(測定点)に比べて膨大であるため、数学的解法で一意解を求めるのは困難であるが、表面格子点から抽出した格子点を採用することにより、補間測定点の数と一致させることができる。また抽出された格子点も表面格子点の一部であり、電流双極子の位置を被測定部(脳)の表面に限定することができる。
第6に、センサにより脳電位を実測する際には、センサ群の中心点または脳の中心点と、表面格子点とを結んだ直線と、表面格子点から脳の外部に向かう法線単位ベクトルのなす角θについて|cosθ|の大きいものから優先的に格子点として抽出することにより、より正確な推定が可能となる。
|cosθ|が大きいと、その格子点に存在すると仮定される電流双極子は、近傍の測定点に向かう方向が、格子点の法線単位ベクトルの方向に近くなる。すなわち、当該格子点の電流双極子は、測定点に設けられたセンサで計測されやすい電位をつくる電流双極子とみなすことができ、推定の正確性が向上する。
第7に、センサにより脳磁界を実測する際には、センサ群の中心点または脳の中心点と、表面格子点とを結んだ直線と、表面格子点から脳の外部に向かう法線単位ベクトルのなす角θについて|cosθ|の小さいものから優先的に格子点として抽出することにより、より正確な推定が可能となる。
|cosθ|が小さいと、その格子点に存在すると仮定される電流双極子は、近傍の測定点に向かう方向が、格子点の法線単位ベクトルに対して垂直方向に近くなる。すなわち、当該格子点の電流双極子は、測定点に設けられたセンサで計測されやすい磁界をつくる電流双極子とみなすことができ、推定の正確性が向上する。
第8に、隣接する表面格子点から所定の間隔で格子点を抽出することにより、被測定部(脳)全体から均一に格子点を抽出することができる。実際の測定点(測定点)あるいは補間した測定点(補間測定点)も被測定部(脳)全体に対してほぼ均一に配置されるため、推定精度を向上させることができる。
第9に、測定点の近傍から優先的に格子点を抽出することにより、センサで計測されやすい電位または磁界を作る電流双極子を抽出することができ、推定精度を向上させることができる。
第10に、表面格子点は、全てのセンサからなるセンサ群の有効領域に向かって脳の中心点から投射した3次元領域内に存在することとし、且つ測定点の近傍から優先的に格子点を抽出することにより、より測定に有効な格子点を選択できる。センサ群の端部に位置するセンサ付近あるいはセンサ群から遠い電流双極子がつくる磁界はセンサ群により十分に計測されず、計測の精度も落ちると考えられるため、センサ群の端部に位置するセンサ付近あるいはセンサ群から遠い電流双極子付近あるいはセンサ群から遠い電流双極子を除外する。これにより、有効な測定値が得られる電流双極子(格子点)を選択することができる。
第11に、格子点として1つの電流双極子が発生する磁界をセンサ群で計測した合計値を算出し、合計値が大きいものを選択し、且つ測定点の近傍から優先的に格子点を抽出することにより、より測定に有効な格子点を選択できる。センサでの測定値が大きい(センサで測定しやすい)表面格子点から優先的に選択することにより、有効な測定値が得られる格子点を抽出することができる。
第12に、被測定部(脳)の表面に位置する全ての格子点(表面格子点)の数が補間測定点の数と同数になるように被測定部(脳)の断層画像上の格子を大きくすることにより、被測定部(脳)全体から均一に格子点を抽出することができる。これにより、多数の表面格子点から一部の格子点を抽出する処理を別途行うことなく、容易に、補間測定点の数と格子点の数とを一致させることができる。
図1から図26を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、電流双極子の位置および方向の推定方法のフローチャート図である。
本実施形態の生体内電流双極子の推定方法は、被測定部近傍の生体表面の複数の測定点にそれぞれセンサを配置し、被測定部内部の電流双極子による電位又は磁界の実測値を取得するステップと、被測定部の断層画像に基づき被測定部の表面の格子点を特定するステップと、格子点に電流双極子が存在すると仮定し、格子点から被測定部の外部に向かう法線単位ベクトルを算出して、電流双極子の方向と仮定するステップと、測定点および実測値の数と、格子点の数とを同数とし、これらに関係した係数群によって電流双極子の大きさを推定するステップとから構成される。
以下図1と図2から図13を参照し、本発明の第1の実施形態について、脳磁界計測装置によって脳磁界を計測し、脳の生体内電流双極子を推定する場合を例に説明する。
ステップS1:生体の頭部表面の複数の測定点にそれぞれセンサを配置し、脳内部の電流双極子による脳電位又は脳磁界の実測値を取得するステップ。
図2は、脳磁界を計測するセンサを示す概略図である。図示のごとく、複数のチャネルのセンサ10が被験者の頭部全体を覆うように配置されており、全頭部における磁界を同時に計測することができる。
このセンサ10はコイルであり、これと対応して脳磁界計測装置(不図示)本体に設けられた磁界検出コイルにより、脳から湧き出す磁界(脳磁界)をほぼ頭部に垂直な向きで実測する。すなわち、センサ10は、測定点であり、センサ10のチャネル数(一例として百数十個〜二百個程度)と同数の脳磁界の実測値が得られる。
ステップS2:脳の断層画像に基づき脳の表面の格子点を特定するステップ。
まず、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)により被験者のMR(Magnetic Resonance)画像を取得する。
図3は取得した1枚のMR画像データ図である。図示のごとく、MR画像1はグレースケールの情報をもつ2次元画像で構成されている。脳の3次元画像は、MR画像1のような頭部の水平断層画像を約1mm間隔で撮影し、連続的に取得することによって構築される。なお、図3および図5から図8では、脳外を黒色の塗りつぶしで表示し、脳内を白色またはハッチングを付して表示している。
このMR画像1は所定の大きさ(例えば2mm角)の格子(画素)で撮影されており、各格子の色によって当該格子が脳外であるか脳内であるかが特定できる。
本ステップでは、MR画像1に基づき脳の表面(脳表)に位置する全ての格子を特定する。ここで、脳表とは、脳脊髄液に接する領域をいい、脳溝も含む。また、脳表に位置する全ての格子の中心点を表面格子点として特定する。
脳磁界の発生源となるのは主に大脳皮質の表面に対して垂直に配列している大脳皮質内の錐体細胞の活動であると考えられている。
図4は、大脳皮質の概要図である。図4(A)は大脳皮質4内に存在する電流双極子13の概要図である。大脳皮質4においては多数の錐体細胞が存在することが知られている。この錐体細胞が集団的に活動すれば、その活動電流の流れは図4(A)に示すように電流双極子13の方向となり、大脳皮質4の表面、すなわち脳表12に向かって垂直な方向となる。この時間的に同期して活動する神経細胞群の電流は集合すると、まとまった値となる。
図4(B)は電流から発生する磁界の概要図である。図示のごとく、大脳皮質4内の神経細胞群に集中した一方向の電流が流れれば、その周りに右ねじの法則に従って磁界15が発生する。つまり、脳磁界は主に脳表12に対して垂直に配列した大脳皮質4内の錐体細胞の活動により生じるものだと考え、本実施形態では電流双極子の位置を大脳皮質4に、方向を脳表12に対して垂直な方向に限定する。
そのためにまず脳表12の特定を行う。脳表12は図3の如きMR画像1の格子(画素)毎に脳内および脳外を判別することにより特定する。以下、格子と画素は同義で用いる。
図5は図3のMR画像1の一部の画素群2を模式的に表した拡大図である。既述の如くMR画像1は例えば2mm角の格子で撮影されており、各格子のグレースケールの濃淡により、脳外および脳内が判別できる。
脳表画素の特定は、任意の脳内画素を選択し、その脳内画素の周囲にある画素により、その脳内画素が脳表12であるか否かを判断する。脳表12を特定するためには任意の脳内画素に対して上下の画素にも着目する必要がある。そのため本実施の形態では、上下に間隔約1mmで連続する3枚のMR画像1を用いて脳表画素の特定を行う。
図6は上下に連続する3枚のMR画像1を拡大した画像データ図である。画素群A、B、Cは上下に連続する3枚のMR画像1の一部分であり、例えば任意の6×6の画素からなる画素群から構成されている。その画素群A、B、Cの中から任意の脳内画素を選択し、脳内画素の周囲にある計26個の画素のうち1画素でも黒色の画素が存在したとき、その画素を脳表12とする。
例えば、図6に示す画素群Bの4行3列目の脳内画素(B[4][3]と表記する。以下同様)を選択すると、その脳内画素と隣接する画素は、画素群AでB[4][3]の上方に位置するA[4][3]を中心とした3×3(=9)画素と、画素群BでB[4][3]を中心とした3×3(=9)画素のうち、B[4][3]を除いた8画素と、画素群CでB[4][3]の下方に位置するC[4][3]を中心とした3×3(=9)画素の合計26画素である。そのうちA[3][2]、A[3][3]、A[4][4]、B[3][3]、B[3][4]、B[4][4]、C[3][3]、C[4][4]が黒色であるため、B[4][3]は脳表12と見なすことができる。そして、脳表12の画素(格子)の中心点(表面格子点)を特定する。
ステップS3:格子点に電流双極子が存在すると仮定し、格子点から脳の外部に向かう法線単位ベクトルを算出して、電流双極子の方向と仮定するステップ。
本実施形態では、表面格子点にそれぞれ電流双極子が存在すると仮定する。例えば、ステップS2で特定したB[4][3]の中心点に、電流双極子が存在すると仮定する。そして脳表12の画素から脳外の画素に向かう方向を、電流双極子の方向と仮定する。
前述したように、脳磁界の発生源となるのは主に大脳皮質4の表面に対して垂直に配列している大脳皮質4内の錐体細胞の活動であると考えられている。そこで、本実施形態では、電流双極子の方向を錐体細胞が神経を伸ばしている方向、すなわち大脳皮質4の表面に対して垂直に限定する。更に、大きさが1の電流双極子の方向(ベクトル)を脳外に向かう方向に限定する。そのために、脳表画素に隣接する全ての脳外画素を求め脳表画素から全ての脳外画素へのベクトルを算出する。
まず、脳表画素に隣接する画素のうち脳外画素を選択するため、上記で特定された脳表画素を中心として、立方画素群14を抽出する。ここでは、図6の太枠で示すごとく、B[4][3]を中心とした3×3×3(=27)画素の立方画素群14が抽出される。立方画素群14の中で、A[3][2]、A[3][3]、A[4][4]、B[3][3]、B[3][4]、B[4][4]、C[3][3]、C[4][4]が黒色であるため、これらの画素が1つの脳表画素(B[4][3])に対する脳外画素として特定される。
図7は脳表画素から脳外画素へのベクトルを示す図である。
脳表画素から脳外画素へのベクトル群5をそれぞれ計算し、各ベクトル方向の単位ベクトル群を算出する。
図8は、脳表画素B[4][3]の法線単位ベクトルを示す図である。法線単位ベクトル6は、算出した各単位ベクトル群の和ベクトルを求め、これを正規化して和ベクトル方向の単位ベクトルとして求める。
このように、脳表画素に対する法線単位ベクトルの位置および方向を求め、これを電流双極子の位置および方向と仮定する。
これを全ての画素群について繰り返す。すなわち脳表12の全ての画素を特定し、脳表12の全ての画素(格子)の中心点(表面格子点)にそれぞれ電流双極子が存在すると仮定する。そして各表面格子点における法線単位ベクトルを求め、これを電流双極子の方向と仮定する。
これにより、推定される電流双極子の位置が大脳皮質4に限定され、推定される電流双極子の方向が脳表12に対して垂直方向に限定されるので、従来の電流双極子推定方法と比較して計算負荷が軽減され、電流双極子の位置および方向を効率よくかつ正確に推定することができる。
ステップS4:測定点および実測値の数と、格子点の数とを同数とし、これらに関係した係数群によって電流双極子の大きさを推定するステップ。
本実施形態では、頭部に配置したセンサ10(図2参照)で磁界を実測し、それらの磁界は、上記の如く表面格子点に存在する電流双極子が発生した磁界であると仮定して、数学的な逆問題の解法により、電流双極子の大きさを推定する。
その方法は、以下の通りである。
まず、M個のセンサ10によって得られる計測磁界ベクトルbは(1)式によって表される。
また上記のステップ3で算出した、脳表12のN個の表面格子点における法線単位ベクトルは、(2)式によって表される。
N個の表面格子点における各電流双極子の実際の大きさは(3)式で表される。
ここで、図9のように電流双極子13の大きさをQ、電流双極子13の方向の単位ベクトルをn、センサ10の面に垂直な方向の単位ベクトルをj、センサ10で計測される磁束密度をb、電流双極子13からセンサまでの距離をr、その方向に向かう単位ベクトルをiとすると、ビオ・サバールの法則により、以下の(4)式で表される。
図9は、1つのセンサ10と1つの電流双極子13との関係を示すが、実際には1つのセンサ10でN個の電流双極子13を測定し、センサ10はM個存在する。
したがって、(4)式は、脳磁界を実測するセンサ10の個数Mと、N個の各表面格子点における電流双極子との位置関係によって一意に決まるM×Nの係数行列Lを用いて表すことができ、脳磁計によって計測される脳磁界の関係は以下の(5)(6)式となる。
ここで、(6)式の係数行列Lは、行の数Nと列の数Mが同数で正則ならば、Lの逆行列L−1が存在する。
従って、推定される各電流双極子の大きさQ’は、(7)式で表すことができる。
通常、センサ10の数M(例えば百数十チャネル)に比較して、表面格子点(推定される電流双極子)の数Nは膨大(例えば3万点〜4万点)である。従って、一般に係数行列Lは正則とはならず、逆行列L−1は存在しない。
例えば、従来の方法(特許文献2)では、逆行列L−1が存在しないため、(7)式に対して解の二乗ノルムの最小化をはかり、逆行列L−1を求める目的関数を用いて計算していた。しかし、この方法では、数学的に一意解を求めることができず、推定結果の正確性が十分得られない問題があった。
そこで、本実施形態では、センサ10の数を補間してセンサ10の数を擬似的に増加させるとともに、表面格子点の一部を特定の条件で抽出することにより推定される電流双極子の数を減じて、補間したセンサ10の数と同数にする。これについて、以下図10のフロー図と、図11から図13を参照して説明する。
図10は、ステップS4において測定点および実測値の数と、推定される電流双極子の数とが同数になるように抽出、補間する処理を示すフロー図である。尚、ステップS41およびステップS42はその順番を入れ替えても同様である。
まず、推定される電流双極子の数を減じるための方法について説明する。
ステップS41:脳表に位置する全ての表面格子点から一部を抽出して格子点を特定するステップ。
第1の実施形態は、表面格子点から一部を抽出して、数学的解法に用いる少数の格子点を特定するものであり、より具体的には、図2の全センサ10からなるセンサ群10Gで検出しやすい位置にある表面格子点から、少数の格子点を抽出するものである。ここでは、脳表12の全ての格子点を表面格子点と称し、表面格子点から所定の条件で抽出され数学的解法に用いられる一部の格子点を抽出格子点と称する。
本ステップでは、センサ10により脳磁界を実測する場合において、センサ群10Gの中心点または脳の中心点と、表面格子点とを結んだ直線と、表面格子点から脳の外部に向かう法線単位ベクトルとのなす角θについて、|cosθ|の小さいものから優先的に抽出して、抽出格子点とする。ここで、測定点を擬似的に増加させるステップS42を本ステップ以前に行った場合は、センサ10(測定点)の数は補間されている。従ってセンサ群10Gには、実際に測定に用いるセンサ10と、補間により擬似的に増やしたセンサとが含まれるとする。
図11は、脳と、表面格子点との関係を示す概略図である。図11(A)は前面方向から見た図であり、図11(B)は側頭部方向から見た図である。
ある表面格子点をPとし、MRIにて撮影した画像から決定した脳(大脳)の中心点Oと表面格子点Pとを結ぶ直線OP上にある最も外側の表面格子点をQiとすると、OP/OQが大きいほど、表面格子点Pは脳の外側に位置する(すなわちセンサ群10Gに近い)ことになる。
電流双極子13がつくる磁界15とセンサ10との位置関係は図4(B)のようになるので、センサ群10Gの中心点あるいは脳の中心点Oを中心とする球の接線方向を向く電流双極子13がつくる磁界15の方が当該球の半径方向を向く電流双極子13がつくる磁界15よりもセンサ10で計測されやすくなる。
つまり、脳磁界の場合は、cosθが小さい(sinθ=(1−cosθ)(1/2)が大きい)ほど、接線方向に近い方向の電流双極子となり、センサ10で計測されやすい磁界をつくる電流双極子となる。
そこで、OP方向の単位ベクトルをlとすると表面格子点Pでの法線単位ベクトルnと単位ベクトルlの内積n・lを計算することによりcosθが求められるので、|cosθ|が小さくなる表面格子点を、優先的に抽出格子点として特定する。
このようにして、脳表12全体の表面格子点(例えば3万個〜4万個)から、測定点と同数の(計算に用いる)抽出格子点を抽出する。一例として、抽出格子点の数は、2500点〜3000点である。ここで一致させる測定点の数とは、ステップS42において実際のセンサ10の数を補間したものである。
尚、図2に示したセンサ群10Gの場合は、中心が決定しにくい形状になっているため、図11のように脳の中心点Oと表面格子点Qを結ぶ方法が好適であるが、センサ群10Gの中心点と表面格子点とを結んでも良い。
一例を挙げると、センサ群10Gを備える脳磁計測装置側において、各センサ10の位置座標を表すための座標の原点は決められている場合には、その原点をセンサ群10Gの中心点とすることができる。
次に、測定点(センサ10の数)および実測値の補間について説明する。
ステップS42:測定点の数および実測値を補間して補間測定点および該補間測定点における前記脳電位又は脳磁界の補間データを算出するステップ。
測定点の数および測定点における脳磁界の実測値の補間は、空間補間により行う。
図12は、空間補間を説明する図である。図12(A)は、図2に示す全センサ10を接点として三角形要素分割をした状態を示す図であり、図12(B)はセンサ間の空間を三角形で分割したうちの一つの三角形を取り出したものである。
る。
図12(A)の如く全センサを接点として三角形要素分割し、図12(B)に示す3つのセンサS、S、Sと、これらのセンサ(測定点)で計測される磁界の大きさ(実測値)B、B、Bを使用して、三角形S内の点における磁界を補間する。これをすべての三角形について行い、センサ間の空間の測定点および実測値をそれぞれ補間して、ステップS41で求めた抽出格子点の数と同数の、補間測定点および補間データを得る。本実施形態の補間測定点および補間データには、実際の測定点および測定点における実測値を含む。
補間法は、補間データの連続性や滑らかさを出す既知の補間法が採用できる。例えば、磁界の大きさB、B、Bをz座標、センサS、S、Sの位置をxy座標としたときに、z座標をxyの5次式で表す補間法を使用する。
図13は、上記の方法で空間補間した測定点(補間データ)の位置を示す。
この図は、右手の正中神経の電気刺激後約20msに計測された体性感覚誘発磁界N20mを空間補間してカラー(色の濃淡)マップで表現したものであるが、上記の方法によって、例えば百数十チャネルの測定点(百数十個の実測値)が補間され、例えば2500点〜3000点に擬似的に増やされた補間測定点10’が濃淡のドットとして示されている。また、補間測定点10’のそれぞれにおける補間データが得られる。
このように、実際の測定点(測定点)および実測値の空間補間により擬似的なデータである補間測定点および補間データを求めることにより、脳電位又は脳磁界を測定するセンサ数を物理的に増加させる必要がなく、すなわち従来の測定装置を用いて実施できる利点を有する。
尚、空間補間する点を密にすることによって、補間測定点(補間データ)10’の数は増加する。しかし、補間しすぎると隣接する複数の補間測定点が1つのデータとみなされ、係数行列Lのランクが低下する問題がある。したがって、係数行列Lの正則性を確保しつつ、補間測定点(補間データ)の数がなるべく多くなるよう、補間点の密度を適切に選択する。
ステップS43:補間データと、電流双極子の方向および補間測定点に関係した係数群を求め、電流双極子を推定するステップ。
補間測定点(補間データ)10’の数と、抽出格子点(想定される電流双極子の数)とを同数にすることで、N’個の電流双極子の方向および、M’個(=N’個)の補間測定点との関係で決定する係数行列Lは正則となる。
つまり、推定される電流双極子の方向と、脳磁界の関係を表す方程式の数と求めるべき解(電流双極子の大きさ)の数を同数にでき、解を一意に決定できる。
具体的には、係数行列Lの逆行列L−1を求める。そして上述の(7)式に基づき、電流双極子の大きさQ’を一意にを求める、この一意解Q’を、電流双極子の大きさと推定する。
従来では、実測の測定点に比べて、推定すべき電流双極子の数が非常に大きく、数学的に不適切な問題であり、一意解を求めることができなかった。このため例えば最小ノルム法を用いるなどして解を求める必要があり、解の正確性に問題があった。
しかし、本実施形態によれば、PET(Positron Emission Tomography:陽電子断層撮影装置)やfMRI(Functional Magnetic Resonance Imaging:機能的磁気共鳴撮像装置)などで得られる先見情報や不合理な条件設定を行うことなく、正確な脳内電流双極子(の大きさ)を推定できる。
図13および図14を参照して、上記の方法の妥当性について示す。
上記の方法の妥当性を検証するため、正中神経の電気刺激実験を行ない、体性感覚誘発磁界N20mに対する脳内電流双極子推定を行った。その結果、電流双極子は刺激した手首の対側の一次体性感覚野内の妥当な位置に推定され、本提案法の妥当性を確認することができた。
実験方法は、以下の通りである。
図2の如き、全頭型脳磁計を用い、23歳の健常な男性を被験者として脳磁界計測実験を行なった。
被験者の右手首に設置した表面刺激電極により正中神経の電気刺激を行ない、体性感覚誘発磁界を計測した。刺激は持続時間0.1msの方形波とし、刺激間隔は500ms、刺激強度は8mA〜12mAに設定し、約300回の加算平均を行なった。そして、本実施形態の生体内電流双極子推定方法を用いて潜時約20msにおける電流双極子推定を行なった。
センサ10を接点とした三角形要素分解の図は図12(A)と同様であり、空間補間後の測定点(補間データ)10’を示す図は図13と同様である。
また図13は、既述の如く、右手の正中神経の電気刺激後約20msに計測された体性感覚誘発磁界N20mを空間補間してカラー(色の濃淡)マップで表現したものである。
このマップより、N20mの磁界パターンにはそれぞれ濃色で示された湧き出しと吸い込みがひとつずつ見られ、この磁界パターンの発生源は単一の電流双極子として近似できることがわかる。
図14は、正中神経刺激による体性感覚誘発磁界N20mの電流双極子の推定結果を示しており、図14(A)は本実施形態により推定した電流双極子分布を示し、図14(B)は本実施形態により推定した最大電流双極子(各電流双極子の大きさのうち最大のもの)の向きを示し、図14(C)は比較する単一双極子法により推定した電流双極子を示す。
図14(A)(B)を参照して、本実施形態によれば、強度の大きい電流双極子13は、左大脳半球の対側の一次体性感覚野内の限局した部位に推定された。体性感覚誘発磁界のN20mの電流双極子は一次体性感覚野内の限局した部位に表れる。従って、図14(C)に示す、電流双極子を1個に仮定した単一双極子法によりほぼ正確に電流双極子の位置を推定できる。
図14(A)(B)の如く、本実施形態の生体内電流双極子推定方法で推定された電流双極子の位置および方向は、図14(C)の如く単一双極子法で推定された電流双極子13’の位置と方向とほぼ一致していることが確認された。
また、図13の磁界パターンの発生源とも一致することが確認された。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
本実施形態のステップS41(図10参照)において脳表に位置する全ての表面格子点から一部を抽出した格子点を特定する方法は、上記の例に限らない。以下第2の実施形態から第5の実施形態を参照して、格子点を特定する他の方法について説明する。
本発明の第2の実施形態は、ステップS41において、隣接する表面格子点を所定の間隔で抽出したものを抽出格子点とするものである。
例えば、脳表12の全ての格子点である表面格子点から、ある一定の間隔で(例えば一つ置きに)抽出して抽出格子点とする。
これにより、複雑な計算等をすることなく表面格子点の数を減じることができる。また全体にわたって均一に、減じることができ、実際の測定点(測定点)あるいは補間した測定点(補間測定点)も被測定部(脳)全体に対してほぼ均一に配置されるため、推定精度を向上させることができる。
本発明の第3の実施形態は、ステップS41において、測定点(センサ)の近傍の表面格子点から優先的に抽出して抽出格子点とするものである。
図15は、脳と、表面格子点との関係を示す概略図である。
図15は、脳(大脳)の中心点O、表面格子点Pi、表面格子点Qiが一つの直線上に存在する場合を示しており、図15(A)は前面方向から見た図であり、図15(B)は側頭部方向から見た図である。
既述の如く表面格子点は脳溝部分にも存在しており、ここでは表面格子点Qが、最も外側の、すなわち頭皮に近い(脳の中心点Oから最も遠い)表面格子点であり、表面格子点Pがそれより内側の例えば脳溝部にある表面格子点とする。また脳の中心点Oは、MRIにて撮影した画像から決定する。
センサ群10G(測定点)に近い表面格子点は以下の(8)式によって決定し、これを優先的に選択して格子点とする。
脳溝の深い位置にある表面格子点にある電流双極子はセンサ群10Gから遠くの位置(すなわち内側)にあり、この電流双極子がつくる磁界はセンサでは計測されにくいと考えられる。従って、測定点の近傍から優先的に格子点を抽出することにより、センサで計測されやすい電位または磁界を作る電流双極子を抽出することができ、推定精度を向上させることができる。
本発明の第4の実施形態は、第3の実施形態の方法に加えて、更にセンサ群の有効領域を考慮するものである。
図16は、脳とセンサ群10Gの存在する領域との関係を示す図であり、センサ群10Gの存在する領域は実線で示した。
第4の実施形態では、まず第3の実施形態の方法により、OP/OQが大きい表面格子点Piを抽出する(図15参照)。これにより、大脳皮質以外の脳室や大脳辺縁系等の本来推定すべきではない電流双極子を除外し、センサ群10Gにより近い大脳皮質の表面格子点(電流双極子)のみを抽出することができる。
更に、図16の一点鎖線の如く、センサ群10Gが存在する領域の端部から一定の距離(例えば2cm程度)のマージンMを取り除いたハッチングの領域を、センサ群10Gの有効領域10Eと特定する。そして有効領域10E内のセンサ群10Gに向かって脳の中心点Oから点線の如く投射した3次元領域(立体)内に表面格子点Pが含まれる場合に、これを推定すべき電流双極子(抽出格子点)として選択する。
センサ群10Gが存在する領域の端部に近い電流双極子、センサ群10Gが存在する領域から離れている電流双極子がつくる磁界は実際のセンサ10によって十分に計測できないと考えられる。従って、センサ群10Gに近い表面格子点であって、なおかつ端部のセンサを除外した有効領域10E内のセンサ群10Gで測定可能な範囲に存在する表面格子点に限定して抽出格子点を特定する。これにより、有効な測定値が得られる格子点を選択することができる。
図17から図24を参照して、第4の実施形態の方法における妥当性を検討した結果を説明する。
第1の実施形態と同様の、正中神経の電気刺激実験を被験者X、被験者Yに対して行い、体性感覚誘発磁界N20mに対する脳内電流双極子推定を行った。
図17は、被験者Xの、体性感覚誘発磁界N20mを空間補間してカラー(色の濃淡)マップで表現したものである。
図18は、第4の実施形態の方法により推定した、被験者Xの最大電流双極子13Mの分布(位置)を示す。
図19は、第4の実施形態の方法により推定した、被験者Xの最大電流双極子13Mの方向(格子点における法線方向)を示す。
また、図20、図21、図22は、被験者Yの場合であり、それぞれ体性感覚誘発磁界N20mを空間補間したマップ(図20)、最大電流双極子の分布(位置)(図21)、最大電流双極子の方向(図22)である。
更に、図23および図24は、それぞれ被験者X、被験者Yについて、単一双極子法により推定したN20mの電流双極子13’を示す。
これらから、第4の実施形態の方法では、被験者X、被験者Yともに、磁界の発生源を単一双極子として推定した結果とほぼ一致していることが確認された。
本発明の第5の実施形態は、第3の実施形態の方法に加えて、更にセンサ群での測定値の得やすさを考慮するものである。
第5の実施形態では、まず第3の実施形態の方法により、OP/OQが大きい表面格子点Piを抽出する(図15参照)。これにより、大脳皮質以外の脳室や大脳辺縁系等の本来推定すべきではない電流双極子を除外し、センサ群10Gにより近い大脳皮質の表面格子点(電流双極子)のみを抽出することができる。
次に、抽出した表面格子点の中から、センサ群10Gでの測定値が大きいものを選択する。各電流双極子が発生する磁界を合計する。
図25は、ある1つの大きさ1の電流双極子13のベクトルnと、それを測定する各測定点(センサ10)との関係を示す図である。各測定点(センサ10)の面に垂直な方向の単位ベクトルをj、各測定点で計測される磁束密度をb、電流双極子から測定点までの距離をr、その方向に向かう単位ベクトルをiとしたとき、それぞれの測定点で計測される磁界の合計値SBは、(9)式で表される。
第5の実施形態では、測定点(補間測定点)の近傍から表面格子点を抽出し、それらの表面格子点のそれぞれについて、上記の合計値SBを算出し、合計値SBが大きくなる電流双極子(表面格子点)から優先的に選択する。測定点での測定値が大きい、すなわち測定点(センサ10)で測定しやすい表面格子点から優先的に抽出格子点を選択することにより、有効な測定値が得られる抽出格子点を得ることができる。
第6の実施形態では、第1の実施形態において、測定点および実測値の数を、格子点の数に合致させる場合の他の方法を説明する。
第1の実施形態から第3の実施形態では、図1で示すステップS4において多数の表面格子点の一部を抽出して格子点とするものであるが、第6の実施形態では、ステップS2において、断層画像上の格子(画素)を大きくすることにより、全ての表面格子点を、計算に採用する格子点とするものである。すなわち第6の実施形態では、図1で示すステップS4において、表面格子点と同数となるように、測定点の補間のみを行う。測定点および実測値の補間方法は第1の実施形態のステップS42と同様である。
格子を大きくする第1の方法は、(脳表12の全ての)表面格子点の数が、補間測定点の数と同数になるよう、MRI撮像時に格子を大きくする(分解能を落とす)ものである。一例として、第1の実施例では1つの格子(画素)は、2mm角を採用していたが、これを4mm程度にすることにより、数千個にすることができる。
第2の方法は、撮像されたMRIに対してソフトウェア的に格子を大きくするものである。具体的には、k×k(k=2、3、4・・・(kを大きくするほど格子は大きくなる))の格子をひとつにまとめ、その格子の輝度値は元のk×k個の格子の輝度値の平均値にして、大きい格子を得るものである。
そして全ての格子(画素)について、脳内画素であるか脳外画素であるかを判断し、脳表画素を特定する(ステップS2)。これにより、全ての脳表画素の表面格子点が、抽出された格子点となる。そして、全ての表面格子点について法線単位ベクトルを求めて電流双極子の方向を推定する(ステップS3)。
その後、ステップ4において、表面格子点の数と同数となるように測定点(実測値)の空間補間を行い補間測定点(補間データ)を算出し(ステップS42)、電流双極子と補間測定点(補間データ)に関する係数群を求める(ステップS43)。
これにより、多数の表面格子点から一部の格子点を抽出する処理を別途行うことなく、容易に、補間測定点の数と格子点の数とを同数にすることができる
以上、脳磁界計測装置によって脳磁界を計測し、脳の生体内電流双極子を推定する場合を例に説明したが、本発明の実施の形態は、脳電位を計測して生体内電流双極子を推定する場合についても適用できる。この方法を、第7の実施形態として以下に説明する。
脳電位を計測により推定する場合、センサ10は計測用電極となるが、その配置や測定点の補間方法は第1の実施形態と同様である。
脳電位は、電流双極子の方向がセンサ群10Gの中心点あるいは脳の中心点Oを中心とする球の半径方向に近づくほど、脳電位計測センサで測定しやすくなる。
そこで、図26のように電流双極子13の大きさをQ、電流双極子13の方向の単位ベクトルをn、センサ(計測用電極)10で計測される電位をV、電流双極子13からセンサ10までの距離をr、その方向に向かう単位ベクトルをiとすると、以下の(10)式で表される。
(10)式も、脳電位を実測するセンサ10の個数Mと、N個の各表面格子点における電流双極子との位置関係によって一意に決まるM×Nの係数行列Lを用いて表すことができる。従って、脳電位計によって計測される脳電位の関係は、第1の実施形態の(5)(6)式と同様となり、第1の実施形態と同様に処理が行える。尚、この場合(1)式は計測電位ベクトルとなる。
ただし、第1の実施形態のステップS41(脳表に位置する全ての表面格子点から一部を抽出した格子点を特定するステップ)については、以下のように行う。
図11を参照して、脳電位計の場合には、センサ10の中心点または脳の中心点Oと、表面格子点P、および最も外側の表面格子点Qとを結んだ直線と、表面格子点Pから脳の外部に向かう法線単位ベクトルnとのなす角θについて、|cosθ|の大きいものから優先的に抽出して、格子点とする。
|cosθ|が大きい場合、その表面格子点Piに存在すると仮定される電流双極子は、近傍の測定点に向かう方向が、表面格子点Piの法線単位ベクトルの方向に近くなる。すなわち、当該表面格子点Piの電流双極子は、測定点に設けられたセンサで計測されやすい電位をつくる電流双極子とみなすことができ、推定の正確性が向上する。
以上、本実施形態では、表面格子点(脳表12の全ての表面格子)について、推定される電流双極子の方向としての法線単位ベクトルを計算した後、係数行列Lが正則となるために必要な格子点を抽出する場合を例に説明した。
しかしこの順番に限らず、第1の実施形態のステップS2において、表面格子点から必要な格子点を抽出した後、各格子点について(選択的に)法線単位ベクトルを求める方法であっても同様に実施できる。
また、本実施形態では脳内の電流双極子推定方法を例に説明したが、生体内の他の部位の場合であっても同様に実施できる。
例えば心臓などの臓器の場合でも、表面格子点および格子点を特定し、表面格子点における法線単位ベクトルを電流双極子の方向と推定し、補間測定点(補間データ)および格子点の数を合致させることにより、係数行列Lの逆行列L−1を求めることができる。従って、数学的な逆問題を解くことにより、電流双極子の大きさを推定する手法において、一意解を得ることができる。
本発明は、電位・磁界計測データから生体内電流双極子を推定する場合、電流双極子大きさを一意に決定できる方法である。特に脳波計や脳磁計を用いて、脳の活動部位を正確に推定することができるので、脳波計装置や脳磁計装置、またはこれらに用いるソフトウエアなどに適用可能である。
本発明の生体内電流双極子の推定方法を示すフローチャート図である。 本発明のセンサを示す概要図である。 本発明のMR画像の一例を示す図である。 本発明の(A)脳表に存在すると推定される電流双極子を示す概要図、(B)の脳表における電流双極子と磁界を示す概要図である。 本発明のMR画像の一部の画素群を示す模式図である。 本発明のMR画像の一部の画素群を示す模式図である。 本発明の脳表画素から脳外画素へのベクトルを示す図である。 本発明の格子点における法線単位ベクトルを示す図である。 本発明の電流双極子と表面格子点との関係を示す図である。 本発明の格子点の数と測定点の数とを同数にする処理を示すフローチャート図である。 本発明の格子点の抽出について説明する図である。 本発明の空間補間について説明する図であり、(A)三角形要素分割した図、(B)空間補間の概要を示す図である。 本発明の空間補間後の測定点と、電気刺激における体性感覚誘発磁界を示す図である。 本発明の方法による(A)電流双極子推定結果を示す図、(B)電流双極子推定結果を示す図、(C)単一双極子法で推定された電流双極子を示す図である。 本発明の電流双極子と表面格子点との関係を示す図である。 本発明の電流双極子と表面格子点との関係を示す図である。 本発明の電気刺激における体性感覚誘発磁界を示す図である。 本発明の方法による電流双極子推定結果を示す図である。 本発明の方法による電流双極子推定結果を示す図である。 本発明の電気刺激における体性感覚誘発磁界を示す図である。 本発明の方法による電流双極子推定結果を示す図である。 本発明の方法による電流双極子推定結果を示す図である。 単一双極子法で推定された電流双極子を示す図である。 単一双極子法で推定された電流双極子を示す図である。 本発明の電流双極子とセンサとの関係を示す図である。 本発明の電流双極子と脳電位センサとの関係を示す図である。 従来の電流双極子の推定方法を示す図である。
符号の説明
1 MR画像
2 画素群
4 大脳皮質
5 ベクトル群
6 法線単位ベクトル
10 センサ(測定点)
10’ 補間測定点
10G センサ群
10E 有効領域
12 脳表
13 電流双極子
14 立方画素群
15 磁界
21 脳質
22 脳髄液
23 頭蓋骨
24 頭皮

Claims (14)

  1. 被測定部近傍の生体表面の複数の測定点にそれぞれセンサを配置し、前記被測定部内部の電流双極子による電位又は磁界の実測値を取得するステップと、
    前記被測定部の断層画像に基づき前記被測定部の表面の格子点を特定するステップと、
    前記格子点に電流双極子が存在すると仮定し、該格子点から前記被測定部の外部に向かう法線単位ベクトルを算出して、電流双極子の方向と仮定するステップと、
    前記測定点および前記実測値の数と、前記格子点の数とを同数とし、これらに関係した係数群によって前記電流双極子の大きさを推定するステップと、
    を具備することを特徴とする生体内電流双極子の推定方法。
  2. 前記測定点の数および前記実測値を補間して補間測定点および該補間測定点における前記電位又は磁界の補間データを算出するステップと、
    該補間データと、前記電流双極子の方向および前記補間測定点に関係した係数群を求めるステップと、を有することを特徴とする請求項1に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  3. 生体の頭部表面の複数の測定点にそれぞれセンサを配置し、脳内部の電流双極子による脳電位又は脳磁界の実測値を取得するステップと、
    前記脳の断層画像に基づき前記脳の表面の格子点を特定するステップと、
    前記格子点に電流双極子が存在すると仮定し、該格子点から前記脳の外部に向かう法線単位ベクトルを算出して、電流双極子の方向と仮定するステップと、
    前記測定点および前記実測値の数と、前記格子点の数とを同数とし、これらに関係した係数群によって前記電流双極子の大きさを推定するステップと、
    を具備することを特徴とする生体内電流双極子の推定方法。
  4. 前記測定点の数および前記実測値を補間して補間測定点および該補間測定点における前記脳電位又は脳磁界の補間データを算出するステップと、
    該補間データと、前記電流双極子の方向および前記補間測定点に関係した係数群を求めるステップと、を有することを特徴とする請求項3に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  5. 前記電流双極子の方向および前記補間測定点との関係で決定する正則の係数行列を求め、該係数行列の逆行列によって前記電流双極子の大きさを推定することを特徴とする請求項1に記載または請求項3に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  6. 前記補間測定点および前記補間データは、前記測定点および前記実測値を空間補間することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  7. 前記格子点は、表面に位置する全ての表面格子点から一部を抽出したものであることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  8. 前記センサにより前記脳電位を実測する際には、全ての前記センサからなるセンサ群の中心点または前記脳の中心点と、前記表面格子点とを結んだ直線と、該表面格子点から前記脳の外部に向かう前記法線単位ベクトルとのなす角θについて|cosθ|の大きいものから優先的に抽出することを特徴とする請求項3および請求項7に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  9. 前記センサにより前記脳磁界を実測する際には、全ての前記センサからなるセンサ群の中心点または前記脳の中心点と、前記表面格子点とを結んだ直線と、該表面格子点から前記脳の外部に向かう前記法線単位ベクトルとのなす角θについて|cosθ|の小さいものから優先的に抽出することを特徴とする請求項3および請求項7に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  10. 前記格子点は、隣接する前記表面格子点を所定の間隔で抽出したものであることを特徴とする請求項7に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  11. 前記格子点は、前記測定点の近傍の前記表面格子点から優先的に抽出したものであることを特徴とする請求項7に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  12. 前記表面格子点は、全ての前記センサからなるセンサ群の有効領域に向かって前記脳の中心点から投射した3次元領域内に存在することを特徴とする請求項11に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  13. 前記表面格子点は、1つの前記電流双極子が発生する磁界を前記センサ群で計測した合計値を算出し、該合計値の大きいものから優先して抽出することを特徴とする請求項11に記載の生体内電流双極子の推定方法。
  14. 表面に位置する全ての前記格子点の数と前記補間測定点の数とが同数になるよう、前記断層画像上の格子を大きくすることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の生体内電流双極子の推定方法。
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