JP2008184547A - インクジェット用インク及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、インクジェット用インクとして要求される物性、特に、耐水性、耐擦過性に優れ、良好なインクジェット吐出特性を示す分散安定性の良い樹脂分散型のインクジェット用インクを提供することにある。
【解決手段】 水性媒体中に顔料を樹脂を用いて分散させているインクジェット用インク組成物において、分散樹脂に、90℃以上のガラス転移点を有する樹脂および40℃以下のガラス転移点を有する樹脂の少なくとも2種類を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット用インク及びその製造方法に関する。
インクジェット記録方法は比較的簡単な装置で高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。広範囲の分野でインクジェット記録方式を採用した記録装置が製造されており、又その使用用途に応じてインクの種類も多岐に及んでいる。
従来、インクジェット用インクは、色材として染料が用いられてきたが、記録物の耐光性、耐ガス性の点で劣るため顔料を用いるインクが提案されている。
しかし顔料は、単独では記録媒体の定着性が低く、分散樹脂を用いる必要があった。又、顔料は、水に溶解せず、安定に分散された顔料粒子を得るのは困難であるといった欠点が指摘されており、耐水性、耐擦過性が良好で、分散安定性に優れた顔料インクが望まれていた。
一方、耐水性、耐擦過性を向上させる技術として、顔料インク中に樹脂を添加することが開示されている(特許文献1参照)が、樹脂が水溶性高分子であるため、インク粘度の上昇やデキャップ性などの吐出安定性や高速定着性に難があった。又、水不溶性の樹脂エマルジョンを顔料インクに添加させ、比較的低粘度なインクや吐出特性を改善したインクが提案されている(特許文献1〜4参照)が、樹脂エマルジョンは、インクジェット記録装置のインク流路、ノズル部分で目詰まりしやすく、インクジェット記録装置の耐久性の面から問題を有していた。
特開平6−116522号公報 特公昭62−1426号公報 特開昭55−157668号公報 特開平3−160068号公報 特開平4−18427号公報
本発明の目的は、インクジェット用インクとして要求される物性、特に、耐水性、耐擦過性に優れ、良好なインクジェット吐出特性を示す分散安定性の良い樹脂分散型のインクジェット用インクを提供することにある。
水性媒体中に顔料を樹脂を用いて分散させているインクジェット用インクにおいて、分散樹脂が、90℃以上のガラス転移点を有する樹脂及び40℃以下のガラス転移点を有する樹脂の少なくとも2種類で構成されていることを特徴とすることである。
本発明によれば、インクジェット用インクとして要求される物性、特に、耐水性、耐擦過性に優れ、良好なインクジェット吐出特性を示す分散安定性の良い樹脂分散型のインクジェット用インクを提供することができる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明のインクジェット用インク(以下、単にインクともいう)の色材は顔料が用いられる。顔料は、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えば、無機顔料は、酸化チタン及び酸化鉄や、コンタクト法、ファーネスト法、又はサーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを利用することができる。又、有機顔料は、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、又はキレートアゾ顔料)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ベリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、又はキノフタロン顔料)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、又は酸性染料型キレート)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、又はアニリンブラックなどを利用することができる。これらの顔料のうち、水と親和性の低い顔料を用いるのが好ましい。
より具体的には、黒色インク用顔料として、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、又はチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、又は酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料を挙げることができる。
更に、カラーインク用顔料はC.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、153;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;又はC.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63;等を使用することができる。前記の顔料を1種類で用いるか、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
前記顔料の含有量は、インク全体に対して、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましく、0.5〜5質量%である。含有量を0.1質量%以上にすることにより、充分な記録濃度を確保することができ、含有量を10質量%以下にすることにより、インクの粘度特性に構造粘性を生じさせずに、一層充分な吐出安定性を確保することができる。又、0.5〜5質量%とすることにより、特に吐出安定性を向上させることができる。
又、前記顔料の粒経は、特に限定されるものではないが、粒経(平均粒子径)は、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは100nm以下である。粒径が0.5μm以下の顔料を用いることにより、目詰まりの発生を抑制することができ、一層充分な吐出安定性を実現することができる。又、顔料の平均粒径の測定は光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。
本発明のインクジェット用インクの分散剤は樹脂分散剤が用いられる。分散樹脂の化学構造は、親水性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体である。ここで、疎水性モノマーとは疎水性基を有するモノマー、親水性モノマーとは親水性基を有するモノマーであって、共重合可能なものを指す。
親水性モノマーの具体例は、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミ、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド等のN−ビニル化合物、メタクリルアミド、アクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体やアクリルアミド誘導体、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、各種のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート等のメタクリレート誘導体及びアクリレート誘導体、メタクリル酸、アクリル酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の酸及びそれらの塩等のイオン性親水性モノマー、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等の重合性不飽和基含有アミド化合物を挙げることができる。又、酢酸ビニル、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート等、そのモノマーの単独重合体は水溶性ではないものの、重合体を加水分解すると水溶性を示すモノマー、各種メタクリレート、アクリレート、メタクリルアミド、アクリルアミド、アクリロニトリル等、重合後、加水分解することによりイオン性を付与されると水溶性を示すモノマーも、本発明の親水性モノマーに含まれる。又本発明においてはイオン性の親水基、又は非イオン性の親水基を官能基として有するビニルエーテル誘導体がインクジェット用インクの保存安定性及び、吐出安定性の面から親水性モノマーとして好ましい。具体的には下記一般式(4)又は一般式(5)で表されるモノマーが挙げられる。
一般式(4)
Figure 2008184547
[Rは−X−(COOH)又は−X−(COOM)である。Xは炭素数1乃至20の、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基、−(CH(R)−CH(R)−O)−(CH−CH−r−、−(CH−(O)−(CH−CH−r−、又はメチレン基の少なくとも一つがカルボニル基若しくは芳香環で置換された基である。rは1乃至2である。pは1乃至18の整数である。nは1又は0である。qは0乃至17の整数である。Mは1価又は多価のカチオンである。R及びRはそれぞれ独立にアルキル基である。]
一般式(5)
Figure 2008184547
[Rは−(CH(R)−CH(R)−O)l−R又は(CH−O−Rである。lは2乃至18の整数である。mは1乃至3の整数である。R及びRはそれぞれ独立にH又はCHである。RはH、炭素数1乃至18の、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、フェニル(Ph)、ピリジル(Pyr)、Ph−Ph、Ph−Pyr−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH、CHCOORであり、Rが水素以外である場合、炭素原子に結合する水素は炭素数1乃至4の直鎖若しくは分岐のアルキル基、F、Cl、又はBrと置換していてもよく、芳香環中の炭素は窒素と置換していてもよい。RはH又は炭素数1乃至5のアルキル基である。]
疎水性モノマーの具体例は、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルアクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、iso−オクチルアクリレート、iso−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルアクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、ノニルフェニルアクリレート、ノニルフェニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラ10エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1・6−ヘキサンジオールジアクリレート、1・6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレートなどを挙げることができる。又本発明においては疎水性の官能基を有するビニルエーテル誘導体がインクジェット用インクの保存安定性及び、吐出安定性の面から疎水性モノマーとして好ましい。具体的には下記一般式(6)で表されるモノマーが挙げられる。
一般式(6)
Figure 2008184547
[Rは炭素数1乃至18の、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、フェニル(Ph)、ピリジル(Pyr)、Ph−Ph、Ph−Pyr、−(CH(R10)−CH(R11)−O)l−R12、又は−(CH−(O)−R12であり、芳香環中の水素は炭素数1乃至4の直鎖若しくは分岐のアルキル基と置換していてもよく、芳香環中の炭素は窒素と置換していてもよい。lは1乃至3の整数である。mは1乃至36の整数である。nは0又は1である。R10及びR11はそれぞれ独立にH又はCHである。R12はH、炭素数1乃至18の、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、フェニル(Ph)、ピリジル(Pyr)、Ph−Ph、Ph−Pyr−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、又は−CO−C(CH)=CH、CHCOOR13であり、R12が水素以外である場合、炭素原子に結合する水素は炭素数1乃至4の直鎖若しくは分岐のアルキル基、F、Cl、又はBrと置換していてもよく、芳香環中の炭素は窒素と置換していてもよい。R12はH又は炭素数1乃至5のアルキル基である。]
これらの疎水性モノマーと親水性モノマーとを共重合させて分散樹脂を得る。共重合の方法は公知の方法により行えばよいが、特に、リビング重合法によりブロック共重合を行った場合、得られた両親媒性ブロックポリマーを分散剤として用いた際は、両親媒性ブロックポリマーが水中でミセル構造を形成するためにインクジェット用インクの吐出安定性が優れ、かつインクジェット用インクが低粘性化するので好ましい。より好ましくは疎水性ブロックセグメント、非イオン性親水性ブロックセグメント、イオン性親水性ブロックセグメントが順に並ぶ構造を有するABCトリブロックポリマーである。前記トリブロックポリマーは特徴的に、非イオン性親水性ブロックセグメントを有することにより、インク組成中に含有する、水溶性有機溶媒との親和性が高まり、インクジェット用インクの保存安定性が向上する。
分散剤の分子量は限定されないが、好ましくは数平均分子量2000〜20000の範囲とする。数平均分子量が2000以下であると、分散安定性に難が有り、数平均分子量が20000以上の場合は得られる分散体の粘度が大幅に増加する。又、分散剤の酸価は30〜250、好ましくは50〜200のものがよい。
疎水性モノマーと親水性モノマーとを共重合して得られた分散樹脂であって、ガラス転移点が90℃以上の樹脂及び40℃以下の樹脂の少なくとも2種を本発明では分散剤として用いる。ガラス転移点の異なる2種の分散樹脂を用いることによって、得られる顔料分散体の分散安定性が優れ、更にその分散体を使用することによって得られる記録物の耐水性及び擦過性が良好になる。
本発明で使用するガラス転移点が高い樹脂はガラス転移点が90℃以上、より好ましくは100℃以上の樹脂を用いる。ガラス転移点が90℃以上であると、熱に対する安定性が極めて高くなり、分散安定性に優れ、保存安定性及び吐出安定性が高くなる。更に記録後の塗膜が強靭かつ耐水性の高い物となる。
一方ガラス転移点が低い樹脂は、ガラス転移点が40℃以下、更には30℃以下であるのが特に好ましい。このように比較的低いガラス転移温度を示すため塗膜が硬くなりすぎるという問題がなく、再分散性が良好になり、インク流路中での詰まりが減少する。
ガラス転移点は、プラスチックなどの非結晶性個体が、温度が下がることによって、その内部の水素結合や部分結晶化などによって急激に物性を変化させる温度域を指し、熱分析装置例えば、セイコーインスツルメンツ製EXTAR6000などで測定することができる。熱分析時の温度勾配は5〜10℃/分で行うのが一般的である。
前記分散樹脂の含有量は、顔料含有量に対して、ガラス転移点が高い分散樹脂の含有量は、好ましくは0.2〜5倍量、より好ましく、0.5〜2倍量である。含有量を0.2倍量以上にすることにより、充分な耐水性、耐擦過性を確保することができ、更に優れた吐出安定性を確保することができる。又、含有量を5倍量以下にすることにより、インクの粘度特性に構造粘性を生じさせずに、インクの低粘性化が可能になる。
又ガラス転移点が低い分散樹脂は好ましくは0.1〜2倍量、より好ましく、0.5〜1倍量である。含有量を0.1倍量以上にすることにより、充分な再分散性を確保することができ、含有量を2倍量以下にすることにより、インクの粘度特性に構造粘性を生じさせずに、再分散性を確保することができる。
前記の樹脂分散剤を本発明の水系インク中に溶解させるため、樹脂分散剤に酸基(例えば、アクリル酸基)が含まれる場合にはカウンターイオンとの塩を形成させるのが好ましい。この目的で用いることのできる化合物は、カルボキシル基と塩を形成することのできる塩基であれば特に限定されないが、有機アミン類、例えば、第1、第2、第3アミン又は4級化アミン、又はアミノアルコール化合物(例えば、アミノメチルプロパノール、2−アミノイソプロパノール、トリエタノールアミン)、環状アミン、例えば、モルホリン、更には無機塩基、例えば、水酸化カリウム、アンモニア水等を挙げることができる。塩基の含有量は、樹脂分散剤の中和当量の0.8倍〜1.5倍の含有量が好ましい。
又、前記のようにして得られた分散剤中の塩をイオン解離させ易いように、本発明のインクにpH緩衝液を含有させ、インクを最適なpH値に調節して、前記分散剤の溶解安定性を得るのが好ましい。pH緩衝液は、インクをpH7〜pH10に調節することのできる緩衝剤であれば特に限定されないが、具体例は、フタル酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、及び/又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩等を挙げることができる。その含有量は、ヘッドの部材の耐久性とインクの安定性の観点から、インクが概ねpH7〜pH10になる量であるのが好ましい。
本発明の顔料分散液の製造方法は特に限定されないが、顔料と2種類の分散樹脂を混合撹拌した後、分散機にて処理し、顔料を分散させることが好ましい。又、処理に用いる分散機は、例えばナノマイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を単独又は適宜組み合わせて用いることができる。
分散機にて処理を行う温度は、分散に用いている樹脂のうちの少なくとも1つの樹脂のガラス転移温度以上で行うことが好ましい。分散処理をガラス転移点以上の温度で行うと、得られた、分散液の、保存安定性が良好になる。これはガラス転移点より処理温度が高温になることにより、樹脂が軟化し顔料との相互作用が高まるためと考えられる。
本発明のインクは必要に応じて水溶性有機溶剤を含有しても良い。好ましく用いられる水溶性有機溶媒の例は、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
本発明のインクは必要に応じて界面活性剤を含有しても良い。本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤は、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。更に、好ましくはアセチレングリコール類である。
本発明のインクにはこの他に防腐剤、防黴剤、消泡剤、保湿剤、pH調整剤、粘度調整剤等を必要に応じて含有しても良い。保湿剤を含有する場合は糖類が好ましく、糖類の例は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)及び多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、特に指定の無い限り、実施例、比較例のインク成分は「質量部」を意味する。
<合成例1>
分散樹脂Aの合成
3元ブロック共重合体−{[CH−CH(O−CH−CH−O−Ph−Ph)]0.5−r−[CH−CH(O−CH−CH(CH)]0.583−b−[CH−CH(O−CH−CH−O−CH−CH−OCH)]42−b−[CH−CH(O−CH−CH−O−Ph−COOH)]16−(ガラス転移温度Tg=50℃)をアルミニウム触媒を用いたリビングカチオン重合により合成した。
具体的には、三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、二種類のAブロックモノマーをそれぞれ2.5mmol(ミリモル)、酢酸エチル16mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.05mmol、及びトルエン11mlを加え、反応系を冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等モル混合物)を0.2mmol加え重合を開始した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合の完了を確認した。
次いで、Bブロックのモノマーを2.2mmol添加し、重合を続行した。GPCを用いるモニタリングによって、Bブロックの重合の完了を確認した後、5mmolのCブロック成分のトルエン溶液を添加して、重合を続行した。20時間後、重合反応を停止した。重合反応の停止は、系内に0.3質量%のアンモニア/メタノール水溶液を加えて行った。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6M塩酸で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮・乾固したものを真空乾燥させたものを、セルロースの半透膜を用いてメタノール溶媒中透析を繰り返し行い、モノマー性化合物を除去し、目的物であるトリブロックポリマーを得た。化合物の同定は、NMR及びGPCを用いて行った。
更にここで得られたブロックポリマーをジメチルフォルムアミドと水酸化ナトリウム水混合溶液中で加水分解し、Cブロック成分が加水分解され、ナトリウム塩化されたトリブロックポリマーを得た。化合物の同定は、NMR及びGPCを用いて行った。
更に水分散液中で0.1Nの塩酸で中和してC成分がフリーのカルボン酸になったトリブロックポリマーを得た。化合物の同定は、NMR及びGPCを用いて行った。
これを用いて下記組成の組成物を調製した。
<合成例2>
分散樹脂Bの合成
3元ブロック共重合体−[CH−CH(O−CH−CH−O−Ph)]90−b−[CH−CH(O−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−OCH)]40−b−[CH−CH(O−CH−CH−O−Ph−COOH)]16−(ガラス転移温度Tg=−20℃)を合成例1と同様にしてアルミニウム触媒によるリビングカチオン重合により合成した。これを用いて下記組成の組成物を調製した。
<合成例3>
分散樹脂Cの合成
3元ブロック共重合体−{[CH−CH(O−CH−CH−O−Ph−Ph)]−r−[CH−CH(O−CH−CH(CH)]}80−b−[CH−CH(O−CH−CH−OH)]80−b−[CH−CH(O−CH−CH−O−Ph−COOH)]15−(ガラス転移温度Tg=95℃)を合成例1と同様にしてアルミニウム触媒を用いたリビングカチオン重合により合成した。これを用いて下記組成の組成物を調製した。
(1)顔料分散液の作成
第一の分散樹脂として前記合成例2の分散樹脂Bを5部、及び第二の分散樹脂として前記合成例3の分散樹脂Cを5部、5%水酸化カリウム水溶液5部、イオン交換水75部を10℃の条件下完全溶解させた。次に銅フタロシアニンBJ(東洋インキ製)を10部加え、プレミキシングを行った後、ナノマイザーYSNM−2000AR(吉田機械興業製)で40℃の条件下、顔料の平均粒子径が100nmになるまで分散を行った。こうして顔料分散液を得た。平均粒径の測定は動的光散乱装置(大塚電子製;FPAR(登録商標)1000)を使用した。
(2)インクの調製
次に、前記の顔料分散液を用い、以下に示す組成でインクを調製した。
前記の顔料分散液 25部
ジエチレングリコール 5部
グリセリン 7部
トリメチロールプロパン 7部
アセチレングリコール界面活性剤 0.5部
ノニオン性界面活性剤 0.5部
イオン交換水 55部
前記の各配合成分を混合してインクとした。こうして得られたインクをガラスフィルター(ミリポア製;AP20)に通し、本発明の実施例1のインクを得た。
第一分散樹脂としてジョンクリル(登録商標) 7600(ジョンソンポリマー製)(ガラス転移点35℃)を、第二分散樹脂として分散樹脂Cを用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2のインクを得た。
第一分散樹脂として分散樹脂Bを、第二分散樹脂としてジョンクリル(登録商標) 690(ジョンソンポリマー製)(ガラス転移点102℃)を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例3のインクを得た。
第一分散樹脂としてジョンクリル(登録商標) 7600(ジョンソンポリマー製)(ガラス転移点35℃)を、第二分散樹脂としてジョンクリル(登録商標) 690(ジョンソンポリマー製)(ガラス転移点102℃)を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例4のインクを得た。
第一分散樹脂として分散樹脂Bを5部、5%水酸化カリウム水溶液5部、イオン交換水75部を10℃の条件下完全溶解させた。次に銅フタロシアニンBJ(東洋インキ製)を10部加え、プレミキシングを行った後、ナノマイザーYSNM−2000AR(吉田機械興業製)で40℃の条件下、顔料の平均粒子径が100nmになるまで分散を行った。その後、第二分散樹脂として分散樹脂Cを5部加え、撹拌混合を行い顔料分散体を得た。その顔料分散体を、実施例1と同様にして実施例5のインクを得た。
分散工程における処理温度を40℃から20℃に変えた以外は実施例2と同様にして実施例6のインクを得た。
<比較例1>
第一分散樹脂として分散樹脂Aを、第二分散樹脂として分散樹脂Cを用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、本発明の比較例1のインクを得た。
<比較例2>
第一分散樹脂として分散樹脂Bを、第二分散樹脂として分散樹脂Aを用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、本発明の比較例2のインクを得た。
<比較例3>
第一分散樹脂として分散樹脂Cを、第二分散樹脂としてジョンクリル(登録商標) 690(ジョンソンポリマー製)(ガラス転移点102℃)を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、本発明の比較例3のインクを得た。
<比較例4>
第一分散樹脂として分散樹脂Bを、第二分散樹脂としてジョンクリル(登録商標) 7600(ジョンソンポリマー製)(ガラス転移点35℃)を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、本発明の比較例3のインクを得た。
各実施例及び各比較例で得られたインクジェット用インクについて保存安定性、再溶解性、吐出安定性の評価を行った。更に各実施例及び各比較例で得られたインクジェット用インクを所定のインクタンクに充填しBJF800(キヤノン製)にて記録し、得られた記録物の耐水性、耐擦過性の評価を行った。
Figure 2008184547
[評価]
(再分散性)
各インクをPETフィルム上に滴下し、24時間室温下で乾燥固化させて、これにpH11のアルカリ水を滴下した。評価は、以下の基準によって行った。
◎:直ちに再分散する
○:再分散する
×:再分散しない
(吐出安定性)
各インクを所定のインクタンクに充填しBJF800(キヤノン製)のヘッドを使用し、インク吐出周波数を5kHzで5時間の連続吐出を行い、吐出量変化を測定した。評価は、以下の基準によって行った。
◎:連続吐出前と、連続吐出後の吐出量変化の割合 5%未満
○:連続吐出前と、連続吐出後の吐出量変化の割合 5%以上〜10%未満
×:連続吐出前と、連続吐出後の吐出量変化の割合 10%以上
(保存安定性)
各インクを60℃の恒温槽中に30日保存し、保存前と保存後の動的光散乱法により得られる平均粒子径を測定した。評価は、以下の基準によって行った。
◎:保存前と保存後の平均粒子径の変化の割合 10%未満
○:保存前と保存後の平均粒子径の変化の割合 10%以上〜20%未満
×:保存前と保存後の平均粒子径の変化の割合 20%以上
(インクの記録品質評価)
記録品質評価は市販されている代表的な紙としてPR101(キヤノン製)、及びPB Paper(キヤノン製)を使用した。
記録条件は解像度2400dpi(dot per inch)、インク吐出周波数は5kHzで行った。
・耐水性
評価サンプル画像に水滴を落とし、画像のにじみを評価した。評価は、以下の基準によって行った。
○:にじみ無し
×:にじみ有り
・耐擦過性
◎:15秒後、指で触っても記録物が地汚れしない。
○:30秒後、指で触っても記録物が地汚れしない。
×:30秒後、指で触ると記録物が地汚れする。
Figure 2008184547

Claims (8)

  1. 水性媒体中に顔料を樹脂を用いて分散させているインクジェット用インクにおいて、
    分散樹脂が、90℃以上のガラス転移点を有する樹脂及び40℃以下のガラス転移点を有する樹脂の少なくとも2種類で構成されていることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記分散樹脂のうち少なくとも1種は両親媒性ブロックポリマーである請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記分散樹脂のうち少なくとも1種は疎水性ブロックセグメント、非イオン性親水性ブロックセグメント、イオン性親水性ブロックセグメントが順に並ぶ構造を有するABCトリブロックポリマーである請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
  4. 前記分散樹脂のうち少なくとも1種は、ポリビニルエーテル構造を繰り返し単位構造として含有する請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット用インク。
  5. 前記ABCトリブロックポリマーの非イオン性親水性ブロックセグメント又はイオン性親水性ブロックセグメントの少なくとも一方が、下記の一般式(1)又は(2)で表される繰り返し単位を含有する請求項3に記載のインクジェット用インク。
    一般式(1)
    Figure 2008184547
    [Rは−X−(COOH)又は−X−(COOM)である。Xは炭素数1乃至20の、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基、−(CH(R)−CH(R)−O)−(CH−CH−r−、−(CH−(O)−(CH−CH−r−、又はメチレン基の少なくとも一つがカルボニル基若しくは芳香環で置換された基である。rは1乃至2である。pは1乃至18の整数である。nは1又は0である。qは0乃至17の整数である。Mは1価又は多価のカチオンである。R及びRはそれぞれ独立にアルキル基である。]
    一般式(2)
    Figure 2008184547
    [Rは−(CH(R)−CH(R)−O)−R又は(CH−O−Rである。lは2乃至18の整数である。mは1乃至3の整数である。R及びRはそれぞれ独立にH又はCHである。RはH、炭素数1乃至18の、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、フェニル(Ph)、ピリジル(Pyr)、Ph−Ph、Ph−Pyr−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH、CHCOORであり、Rが水素以外である場合、炭素原子に結合する水素は炭素数1乃至4の直鎖若しくは分岐のアルキル基、F、Cl、又はBrと置換していてもよく、芳香環中の炭素は窒素と置換していてもよい。RはH又は炭素数1乃至5のアルキル基である。]
  6. 前記ABCトリブロックポリマーの疎水性ブロックセグメントが、下記の一般式(3)で表される繰り返し単位を含有する請求項3又は5に記載のインクジェット用インク。
    一般式(3)
    Figure 2008184547
    [Rは炭素数1乃至18の、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、フェニル(Ph)、ピリジル(Pyr)、Ph−Ph、Ph−Pyr、−(CH(R10)−CH(R11)−O)l−R12、又は−(CH−(O)−R12であり、芳香環中の水素は炭素数1乃至4の直鎖若しくは分岐のアルキル基と置換していてもよく、芳香環中の炭素は窒素と置換していてもよい。lは1乃至3の整数である。mは1乃至36の整数である。nは0又は1である。R10及びR11はそれぞれ独立にH又はCHである。R12はH、炭素数1乃至18の、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、フェニル(Ph)、ピリジル(Pyr)、Ph−Ph、Ph−Pyr−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、又は−CO−C(CH)=CH、CHCOOR13であり、R12が水素以外である場合、炭素原子に結合する水素は炭素数1乃至4の直鎖若しくは分岐のアルキル基、F、Cl、又はBrと置換していてもよく、芳香環中の炭素は窒素と置換していてもよい。R12はH又は炭素数1乃至5のアルキル基である。]
  7. 請求項1から6に記載のインクジェット用インクの製造方法において、分散に用いている2種類の樹脂及び顔料を混合させた後に分散工程を行うことを特徴としたインクジェット用インクの製造方法。
  8. 請求項7に記載のインクジェット用インクの製造方法において、分散に用いている樹脂のうちの少なくとも1つの樹脂のガラス転移温度以上で分散工程を行うインクジェット用インクの製造方法。
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