JP2008174813A - 高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実質的にフェライト単相組織であり、質量%でTa:0.0010〜0.0050%を含み、平均粒径10nm未満のTi、MoおよびVを含む炭化物が分散析出するとともに、該Ti、MoおよびVを含む炭化物は、原子%で表されるTi、Mo、Vが、V/(Ti+Mo+V)≧0.3を満たす平均組成を有する。
【選択図】なし
Description
(a)転位密度が低い組織とし、微細析出物で強化すると、強度−伸びバランスが向上する。
(b)実質的にフェライト単相組織とし、微細析出物で強化すると、強度−伸びバランスが向上する。
(c)C、Ti、Mo、Vを添加し、さらにその添加バランスを適宜制御すると、これらが複合した炭化物が微細に析出する。
(d)複合析出物中のVの割合が低くなると、析出物が粗大化するため、伸びが低下する。
(e)Vを添加した鋼はTi、Moのみを添加した鋼に比べて低温で炭化物が溶解し、強化に効く微細析出物が効率よく得られる。
(f)加工後の伸びフランジ性向上には、炭化物の微細分散に加え、微量のTa添加が有効である。
(1)実質的にフェライト単相組織であり、質量%でTa:0.0010〜0.0050%を含み、平均粒径10nm未満のTi、MoおよびVを含む炭化物が分散析出するとともに、該Ti、MoおよびVを含む炭化物は、原子%で表されるTi、Mo、Vが、V/(Ti+Mo+V)≧0.3を満たす平均組成を有することを特徴とする引張強度が980MPa以上の高張力鋼板。
(2)上記(1)の高張力鋼板において、質量%で、C:0.06超〜0.24%、Si≦0.3%、Mn:0.5〜2.0%、P≦0.06%、S≦0.005%、Al≦0.06%、N≦0.006%、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.03〜0.2%、V:0.15超〜1.2%、Ta:0.0010〜0.0050%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、C、Ti、Mo、V含有量が以下の(I)式を満足する成分組成を有することを特徴とする高張力鋼板。
0.8≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}≦1.5 ・・・(I)
(ただし、C、Ti、Mo、Vは各成分の質量%を表す)
(3)上記(1)または(2)の高張力鋼板において、板厚2.5mm以下の薄物熱延鋼板であることを特徴とする高張力鋼板。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの高張力鋼板において、表面に溶融亜鉛系めっき皮膜を有することを特徴とする高張力鋼板。
(5)質量%で、C:0.06超〜0.24%、Si≦0.3%、Mn:0.5〜2.0%、P≦0.06%、S≦0.005%、Al≦0.06%、N≦0.006%、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.03〜0.2%、V:0.15超〜1.2%、Ta:0.0010〜0.0050%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなるとともに、C、Ti、Mo、V含有量が以下の(I)式を満足する成分組成を有する鋼片に、仕上圧延終了温度880℃以上、巻取温度570℃以上の条件で熱間圧延を施すことを特徴とする引張強度が980MPa以上の高張力鋼板の製造方法。
0.8≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}≦1.5 ・・・(I)
(ただし、C、Ti、Mo、Vは各成分の質量%を表す)
(6)上記(5)の高張力鋼板において、前記熱間圧延後の鋼板の表面に溶融亜鉛系めっき皮膜を有することを特徴とする高張力鋼板の製造方法。
本発明に係る高張力鋼板は、実質的にフェライト単相組織であり、Ti、Mo、Vを含む炭化物が析出している。
マトリックスを実質的にフェライト単相組織としたのは、伸びの向上には転位密度の低いフェライトが有効であるとともに、伸びフランジ性の向上には単相組織とすることが有効であり、特に延性に富むフェライト単相組織でその効果が顕著であるためである。ただし、マトリックスは必ずしも完全にフェライト単相組織でなくともよく、実質的にフェライト単相組織であればよい。すなわち微量の他の相ないしは析出物は許容される。好ましくは面積比率で95%以上フェライトであればよく、本発明において、実質的にフェライト単相組織とは、面積比率で95%以上フェライトであることを意味する。なお、ベイニティックフェライトやアシキュラーフェライト等の転位密度の高いフェライトは本発明におけるフェライト相には含まれず、他の相として扱う。
Ti、Mo、Vを含む炭化物は、微細となり、析出量も確保しやすいため鋼を強化するのに有効である。従来は、析出物としてMo、Vを含まないTiCを用いることが主流であった。しかしながら、Tiは析出物形成傾向が強いため粗大化しやすく、強化に対する効果が低くなることから、必要な強化量を得るには加工性を劣化させるまでの析出物が必要となる。
以下、これら各成分について説明する。なお、以下、特に説明のない限り、“%”は“質量%”を表す。
・C:0.06超〜0.24%
Cは炭化物を形成し、鋼を強化するのに有効である。しかし、0.06%以下では、鋼の強化が不十分であり、0.24%を超えて添加するとスポット溶接が困難となるため、C含有量は0.06超〜0.24%が好ましい。より好ましくは、0.07%以上であり、特に1100MPa以上の引張強度を得るためには0.1%以上であることが望ましい。より好ましいC含有量範囲は、0.11〜0.2%である。
Siは固溶強化に有効な元素として、従来は積極的に用いられており、高張力鋼に約0.4%以上添加されることも多いが、本発明ではSiの含有量を0.3%以下とする。これは、0.3%を超えて添加すると、フェライトからのC析出が促進されて粒界に粗大な鉄炭化物が析出しやすくなり、伸びフランジ性が低下するためである。また、本発明においては、Siを低減することによりオースナイトの圧延荷重を低減し、薄物の製造が容易となる。すなわち0.3%を超えて添加すると、2.5mm以下の材料の圧延が不安定となり板形状も悪くなる。これらの理由により、Si含有量は0.3%以下が好ましい。さらに好ましくは0.15%以下であり、望ましくは0.05%以下である。なお、Siを極端に低減することは、製造コストを悪化させるため、その大きなコストアップを伴わない実用的な下限値は0.001%程度である。
Mnは固溶強化により鋼を強化する観点からは0.5%以上が好ましいが、2.0%を超えて添加すると偏析し、かつ硬質相が形成され、伸びフランジ性が低下する。このため、Mn含有量は0.5〜2.0%が好ましい。より好ましくは1.0〜2.0%である。
Pは固溶強化に有効であるが、0.06%を超えて含有すると偏析して伸びフランジ性を低下させるため、0.06%以下とすることが好ましい。なお、Pを極端に低減することは、製造コストを悪化させる。そのため、製造コストを大きく上昇させない実用的な下限値は0.001%程度となる。
Sは少ないほど好ましく、0.005%を超えると伸びフランジ性が低下するため、0.005%以下が好ましい。なお、Sを極端に低減することは、製造コストを悪化させる。そのため、製造コストを大きく上昇させない実用的な下限は0.0005%程度である。
Alは脱酸剤として添加してよい。しかし、鋼中のAl量が0.06%を超えると伸びおよび伸びフランジ性が低下するため、0.06%以下が好ましい。下限は特にないが、脱酸剤としての効果を十分に得るためにはAl量を0.01%以上とすることが好ましい。
Nは少ないほど好ましく、0.006%を超えると粗大な窒化物が増え、伸びフランジ性が低下するため、0.006%以下が好ましい。なお、Nを極端に低減することは、製造コストを悪化させる。そのため、製造コストを大きく上昇させない実用的な下限は0.0005%程度となる。
Moは本発明において重要な元素であり、0.05%以上添加することでパーライト変態を抑制する効果がある。さらにTi、Vと微細な析出物(複合炭化物)を形成し、優れた伸びおよび伸びフランジ性を確保しつつ鋼を強化することができる。しかし、0.5%を超えて添加すると硬質相が形成され伸びフランジ性が低下するため、Mo含有量は0.05〜0.5%が好ましい。なお、より好ましい下限は0.15%、より好ましい上限は0.4%である。
Tiは本発明において重要な元素である。Mo、Vと複合炭化物を形成することで、優れた伸びおよび伸びフランジ性を確保しつつ、鋼を強化することができる。しかし、0.03%未満では、鋼を強化する効果が不十分であり、0.2%を超えると伸びフランジ性が低下するとともに、熱延前のスラブ加熱温度を1300℃以上という高温にしなければ炭化物が溶解しないため、これ以上添加しても微細析出物として有効に析出させることができない。したがって、Ti含有量は0.03〜0.2%が好ましい。より好ましくは0.08〜0.2%である。
Vは本発明において重要な元素である。前述のように、炭化物が安定して微細に存在できるためには炭化物の組成が影響する。具体的には、炭化物の平均組成が原子%で表されるTi、Mo、Vで、V/(Ti+Mo+V)≧0.3を満たすようになると、析出物の粗大化を抑制する効果が高くなり、所望の微細析出物を得ることができる。この点、本発明者らが詳細に検討した結果、Cを0.06%超えて多量に添加するとともに、Vを多量に添加することでVの析出効率が上昇し、V/(Ti+Mo+V)≧0.3を満たす析出物を得られるようになることが判った。また、所望の析出物を得るためには、上述のように、炭化物の平均組成が原子%で表されるTi:Mo:Vで、V/(Ti+Mo+V)≧0.3を満たすことに加えて、炭化物の平均組成においてTi:Mo:Vの原子比が、Ti=0.6〜1.4、Mo=0.6〜1.4、V=1.4〜2.8、ただしTi+Mo+V=4を満たすことが好ましい。この場合にも、上述したようにCを0.06%超えて多量に添加するとともに、Vを多量に添加することで、炭化物の平均組成においてTi:Mo:Vの原子比が、Ti=0.6〜1.4、Mo=0.6〜1.4、V=1.4〜2.8、ただしTi+Mo+V=4を満たす析出物を得られるようになることが判った。
Vの析出率(%)=(析出V量(mass%)/V添加量(mass%))×100
として求めた。
(ただし、式中のC、Ti、Mo、Vは各成分の質量%を表す)
本発明においてC、Ti、Mo、Vの添加バランスは非常に重要である。理論的には、鋼中のCと(Ti、Mo、V)との原子数比が1、すなわち(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}=1の場合、炭素が過不足なく複合炭化物として析出することが期待されるが、本発明者らの調査によれば、上記した所定範囲のC、Ti、Mo、V含有量とした上で、(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}を0.8〜1.5とすることにより、Ti、Mo、VがV/(Ti+Mo+V)≧0.3を満たす組成を有する多量の炭化物を、フェライト中に微細に、すなわち、平均粒径10nm未満として微細に分散析出しやすくすることができることが判明した。(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}が0.8未満では、析出物が粗大となって980MPa以上の強度が安定して得られなくなり、(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}が1.5超えでは、Cが過剰となってパーライトを生じるため成形性が低下する。より好ましい範囲は0.8〜1.3である。なお、C含有量が過剰な場合も炭化物は粗大化する傾向にある。
Taは本発明において、加工後のさらなる加工性を確保する上で重要な元素である。ここでは加工性の評価として伸びフランジ性の指標である穴広げ率λについて、10%冷間加工後の穴広げ率λに及ぼすTa量の影響を図3に示す。冷間加工率を10%としたのは、自動車用部材の製造工程において、10%程度の冷間加工に相当するひずみが加えられたのちに、さらなる加工が行われる場合を想定してのものである。図3から穴広げ率λはTa含有量が0.0010%以上で急激に向上し、0.0050%程度で飽和していることが分かる。したがって、上記効果を得るため、Ta含有量の下限は0.0010%とし、また、0.0050%を超えて添加しても効果が飽和してコストアップとなるだけであるため、Ta含有量の上限は0.0050%とした。好ましくは、0.0015〜0.0040%である。
高張力鋼板においては、他の炭化物形成元素、例えばNb、W等を添加することがある。しかし本発明の場合は炭化物中の最適なTi、Mo、Vバランスを崩す可能性があるので、これらの添加は避け、その含有量は不純物として許容される範囲とすることが好ましい。特にNbは熱間圧延荷重を増大させて薄物の製造を困難にするほか、本発明の鋼組成においては炭化物の粗大化を促進して強度を低下させる可能性がある。したがって、Nbは0.02%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは0.003%以下とする。Wも0.02%以下とすることが好ましく、0.005%以下とすることがさらに好ましい。
本発明では、上記成分組成を有する鋼を溶製して、鋼片(インゴット、スラブ、薄スラブを含む)とし、仕上圧延終了温度880℃以上、巻取温度570℃以上の条件で熱間圧延を行う。
鋼スラブなどの鋼片は一旦冷却後、所定の温度(いわゆるスラブ加熱温度)に再加熱してから熱間圧延を施してもよいし、また、鋼片が前記所定の温度より低温となる前に直ちに熱間圧延を行ってもよい。さらに、鋼片が冷め切る前に前記所定の温度まで短時間の加熱を行い、熱間圧延を施してもよい。
仕上圧延終了温度は伸びおよび伸びフランジ性の確保と圧延荷重の低減に重要である。880℃未満では表層が粗大粒となり伸びおよび伸びフランジ性が損なわれる。また、未再結晶で圧延が進行するために起こる歪みの蓄積量が増大し、圧延荷重が著しく増大することで薄物の熱間圧延が困難となる。このため仕上圧延終了温度は、880℃以上とする。
フェライト組織を得るため、また十分な炭化物の析出を確保するため、さらに仕上圧延機から巻取装置までの間に設置されているランナウトテーブル上での注水量を抑えて薄物を安定通板させるため、巻取温度は570℃以上とする。ランナウトテーブル上の鋼板の走行安定性を確保するには600℃以上が好ましい。なお、パーライトの生成を抑制するためには、巻取温度は700℃以下とするのが望ましい。
表1に示す化学成分を有する鋼片を1250℃に加熱し、通常の熱間圧延工程によって仕上げ圧延終了温度880〜930℃で、板厚3.5mmに仕上げた。この後、600℃を超える巻取温度で、冷却速度と巻取温度を変化させて、種々の組織の鋼板を製造した。なお、表1中、A値は、上記(I)式の(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}の値を示す。
λ(%)={(d−10)/10}×100
表2に、組織、析出物平均粒径、析出物の組成(V比率)、Ti:Mo:Vの原子比、引張強度(TS)、伸び(El)、加工後の穴広げ率(λ)を示す。
化学成分が質量%で、C:0.15%、Si:0.02%、Mn:1.34%、P:0.01%、S:0.001%、Al:0.04%、N:0.002%、Ta:0.0022%、Mo:0.33%、Ti:0.15%、V:0.3%である鋼(A値:(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}=0.96)を溶製し鋼スラブとした。次いで、オーステナイト域に加熱後、熱間圧延を行った。圧延終了後、巻取温度まで冷却し、該巻取温度で巻き取った。表3に、仕上圧延終了温度、巻取温度、板厚を示す。なお、表3に示す鋼No.11〜17は全て同一の化学成分とした。得られたコイルの幅方向中央部からサンプルを採取し、引張方向が圧延方向と垂直になるようにJIS5号引張試験片を採取し、引張試験を行った。また、同じ位置から採取したサンプルから、実施例1と同様の方法で析出物の調査を行い、鋼組織も観察した。さらに、得られた鋼板の酸洗板に圧下率10%の冷間圧延を施し、冷間加工後の鋼板から穴広げ試験片を採取し、穴広げ試験を行った。また、圧延後の板形状を目視で判定した。その結果も表3に示す。なお、圧延後の板形状の評価基準は、目視でフラットな場合を○、波うちが顕著な場合を×とした。さらにまた析出物の組成(V比率)、Ti:Mo:Vの原子比を表3に示す。
表4に化学成分を示す鋼を仕上圧延終了温度920℃以上、巻取温度620℃で熱間圧延を行い、板厚1.6mmの熱延鋼板を製造した。なお、鋼片の加熱温度は1250℃とした。これら熱延鋼板を酸洗後、亜鉛をめっき浴とする溶融亜鉛めっきを施した後、合金化処理を施し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板とした。実施例1と同様に、得られた鋼板から作製した薄膜について、透過型電子顕微鏡(TEM)によって組織観察を行うとともに、析出物のサイズを測定し、さらに析出物中のTi、Mo、Vの組成をTEMに装備されたエネルギー分散型X線分光装置(EDX)による分析から決定した。また、これらめっき鋼板からJIS5号引張試験片および穴広げ試験片を採取し、引張試験を行った。さらに得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板に、冷間圧延にて圧下率10%の冷間加工を施し、冷間加工後の鋼板から、穴広げ試験片を採取し、穴広げ試験を行った。なお、表4中のA値も表1と同様、(I)式の(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}の値を示す。表5に、組織、析出物平均粒径、析出物の組成(V比率)、Ti:Mo:Vの原子比、引張強度(TS)、伸び(El)、加工後の穴広げ率(λ)を示す。
Claims (6)
- 実質的にフェライト単相組織であり、質量%でTa:0.0010〜0.0050%を含み、平均粒径10nm未満のTi、MoおよびVを含む炭化物が分散析出するとともに、該Ti、MoおよびVを含む炭化物は、原子%で表されるTi、Mo、Vが、V/(Ti+Mo+V)≧0.3を満たす平均組成を有することを特徴とする引張強度が980MPa以上の高張力鋼板。
- 質量%で、C:0.06超〜0.24%、Si≦0.3%、Mn:0.5〜2.0%、P≦0.06%、S≦0.005%、Al≦0.06%、N≦0.006%、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.03〜0.2%、V:0.15超〜1.2%、Ta:0.0010〜0.0050%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、C、Ti、Mo、V含有量が以下の(I)式を満足する成分組成を有することを特徴とする請求項1に記載の高張力鋼板。
0.8≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}≦1.5 ・・・(I)
(ただし、C、Ti、Mo、Vは各成分の質量%を表す) - 板厚2.5mm以下の薄物熱延鋼板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高張力鋼板。
- 表面に溶融亜鉛系めっき皮膜を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の高張力鋼板。
- 質量%で、C:0.06超〜0.24%、Si≦0.3%、Mn:0.5〜2.0%、P≦0.06%、S≦0.005%、Al≦0.06%、N≦0.006%、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.03〜0.2%、V:0.15超〜1.2%、Ta:0.0010〜0.0050%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなるとともに、C、Ti、Mo、V含有量が以下の(I)式を満足する成分組成を有する鋼片に、仕上圧延終了温度880℃以上、巻取温度570℃以上の条件で熱間圧延を施すことを特徴とする引張強度が980MPa以上の高張力鋼板の製造方法。
0.8≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(V/51)}≦1.5 ・・・(I)
(ただし、C、Ti、Mo、Vは各成分の質量%を表す) - 前記熱間圧延後の鋼板の表面に溶融亜鉛系めっき皮膜を有することを特徴とする請求項5に記載の高張力鋼板の製造方法。
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