JP2008173662A - 無酸素銅線または銅合金線の製造方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造を行う際に、鋳塊が最終凝固する前の部分を圧下加工し、内部のポロシティを消滅させることを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造方法。
【選択図】なし
Description
鋼の連続あるいは半連続鋳造において、中心偏析やポロシティの生成を防止する技術として、未凝固鋼塊を強冷し、鋼塊軸芯部が凝固完了した直後から常温まで冷却する間に圧縮変形を加える方法(例えば、特許文献1参照)や、固相率0.3〜0.7の区間はガイドロールで案内し、固相率0.95で中心部と表面部との温度差が大きい区間では5%以上の圧下を付与する方法(例えば、特許文献2参照)、冷却を調整し、最終凝固部近傍の表面温度を700〜800℃とし、圧下を付与する方法(例えば、特許文献3参照)、軽圧下ロールの圧下量と冷却水量を調節する方法(例えば、特許文献4参照)等が提案されている。
また、鋳片のセンターポロシティを軽圧下により圧着消滅する技術として、中央に凸部をもつピンチロールとその直前に設けた冷却設備により600〜400℃で圧下する方法(例えば、特許文献5参照)や、圧延直前の未凝固率と圧下率が特定の関係を満たすように冷却速度を調整し、内質の優れた複数のサイズの鋳片を製造する方法(例えば、特許文献6参照)など、鉄鋼に関する連続鋳造方法が出願されている。
しかし、これらは鋳型から排出された未凝固領域が存在する鉄鋼の鋳塊に対して圧下加工が施されているものである。
一方、析出硬化型銅合金であるコルソン合金は、中間温度脆性が顕著な合金であることは公知であり、このため鋳造での割れを回避するのに十分な考慮が必要であることが指摘されている。
また、鋳型内での圧下加工においては、鋳塊とベルト間に発生するエアーギャップの消滅による冷却効率の向上などについて、非鉄金属の処理においても各種実用化されている。
図5に示すような移動鋳型を用いて、例えば6m/min(100mm/sec)以上の鋳造速度で鋳造する際に、通常鋳塊の最終凝固部にポロシティが発生する。特に無酸素銅の場合には、鋳造方向での冷却が不均一であることから凝固が均一に進まず、湯面からの距離と平均固相率をみると、一般に図6のグラフで示すような状況となり、固液共存領域が広くポロシティが発生する。また、固液共存領域が広いコルソン合金(Cu−Ni−Si合金)の場合には、Siによる見掛け粘度の上昇により高固相率領域での液相の流動性が大幅に阻害され、溶湯補給が出来なくなりポロシティが発生する。
そこで本発明は、無酸素銅や銅合金を鋳造速度の速い移動鋳型を用いて連続鋳造する際に、鋳塊内にポロシティが発生することなく良質の鋳塊を得、製造歩留まりの大きい高品質の無酸素銅線や銅合金線を製造する方法およびその装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造を行う際に、鋳塊が最終凝固する前の部分を圧下加工し、内部のポロシティを消滅させることを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造方法、
(2)無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造を行う際に、鋳塊断面当たりの平均固相率が0.7以上から1.0未満の領域を外部から圧下加工し、内部のポロシティを消滅させることを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造方法、
(3)無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造を行う際に、鋳塊断面当たりの平均固相率が0.7以上から1.0未満の領域を鋳造ベルト外部から圧下加工し、内部のポロシティを消滅させることを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造方法、
(4)無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造を行う際に、鋳塊が鋳造リングから離れる部位での鋳塊表面温度に基づき、鋳塊断面当たりの平均固相率が0.7以上から1.0未満の領域を予測し、鋳造ベルト外部からその領域を圧下加工し、内部のポロシティを消滅させることを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造方法、および
(5)無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型で連続鋳造する工程に、鋳塊が最終凝固する前の部分を圧下加工する圧下ロールを有することを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造装置、
を提供するものである。
移動鋳型で連続鋳造を行う場合には、周知のDC鋳造や水平横型連続鋳造方式に比較して圧倒的に鋳造速度が速い為に、固液共存領域は鋳造方向に長く存在し、純金属である無酸素銅や銅合金に於いて最終凝固部にポロシティが容易に発生しやすくなるのは先に述べたとおりである。
鉄鋼の連続鋳造の場合には、1次鋳型下方のサポート・ロールでの2次冷却領域で凝固が完了する。そのために、中心部が未凝固状態の鋳塊表面温度を測定することで容易に凝固状態や鉛直方向での最終凝固位置を把握することができる。しかし、銅または銅合金においては、熱伝導率が高いために、移動鋳型(ベルト&ホイール方式のSCRや双ベルト方式のContirod)での連続鋳造では、各移動鋳型内で凝固が完了するのが一般的である。
したがって、鉄鋼の連続鋳造や半連続鋳造とは異なり、銅または銅合金の移動鋳型内でのズンプ形状の予測は極めて困難である。ズンプ形状とは、連続鋳造中の固相領域と液相領域の境のラインの形状である。明確なラインの定義は難しいので、数値計算などでは、流動限界をやや超える固相率0.6の位置をズンプとしている。
得られた鋳造方向での固相率分布を図6に示すが、極めて広範囲に渡って固液共存領域が存在する。
なお、平均固相率は、鋳塊を長手方向の所定寸法(たとえば数cm程度)で切り出して単位体積(単位:たとえばm3)を定義した際の当該単位体積あたりの完全固相量(単位:たとえばm3)を、前記単位体積で除算することにより求められる。すなわち、以下の式で計算したものである。
平均固相率=単位体積当たりの完全固相量÷単位体積
前記したように、移動鋳型の鋳塊が鋳造リングから離れる部位での鋳塊表面の温度に基づき、鋳塊断面当たりの平均固相率が0.7以上1.0未満の領域を算出し、鋳造ベルトを介して圧下ロールにより鋳塊に変位を与えることができる。
なお、ベルトベルト2と鋳塊3との間にはエアーギャップが発生している為に、このエアーギャップ量以上の圧下が必要となる。適用する圧下率は、特に限定されるものではないが、2%〜10%程度が好ましい。ここでいう圧下率は次の式で示されるものである。
圧下率=(圧下ロール降下代 − エアーギャップ代 )÷ 鋳塊厚さ ×100
また、圧下ロール幅は、鋳塊幅に対して10%以上であることが好ましく、さらに20%以上が好ましい。なお、ベルトの塑性変形を修正する上で、図4に示すような後方に鋳造ベルトの矯正ロール8を設置することも有用である。
[実施例1]
表1に示す各合金組成を有する銅合金または無酸素銅を、表に示す鋳造速度を適用して、表示の各種連続鋳造圧延機で、荒引線の製造を行った。熱的安定状態に至った時点で、図1に示すごとく鋳塊が鋳造リングから離れる部位で鋳塊表面温度を測定し、それに基づいて所定の圧下位置を算出し、圧下加工を実施した。その後、鋳塊を回収し、その断面観察を次のように行った。
まず、鋳造方向に直角に鋳塊を切断し、スライス状のブロックを採取し、その断面をフライス盤で研削し、赤色染色法で目視して50μm以上のポロシティの探索を行った。その結果を表に示す。
表中のポロシティの項目は、「◎」:50μm以上のポロシティなし、「○」:50μm以上の微細なポロシティがあるが、熱延で消滅、「×」:有害な50μm以上のポロシティあり、を表す。
2 鋳造ベルト
3 鋳塊
4 合金溶湯
5 注湯ノズル
6 駆動ロール
7 圧下ロール
8 ベルト矯正ロール
Claims (5)
- 無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造を行う際に、鋳塊が最終凝固する前の部分を圧下加工し、内部のポロシティを消滅させることを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造方法。
- 無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造を行う際に、鋳塊断面当たりの平均固相率が0.7以上から1.0未満の領域を外部から圧下加工し、内部のポロシティを消滅させることを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造方法。
- 無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造を行う際に、鋳塊断面当たりの平均固相率が0.7以上から1.0未満の領域を鋳造ベルト外部から圧下加工し、内部のポロシティを消滅させることを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造方法。
- 無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造を行う際に、鋳塊が鋳造リングから離れる部位での鋳塊表面温度に基づき、鋳塊断面当たりの平均固相率が0.7以上から1.0未満の領域を予測し、鋳造ベルト外部からその領域を圧下加工し、内部のポロシティを消滅させることを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造方法。
- 無酸素銅または銅合金の溶銅をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型で連続鋳造する工程に、鋳塊が最終凝固する前の部分を圧下加工する圧下ロールを有することを特徴する無酸素銅線または銅合金線の製造装置。
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2007
- 2007-01-17 JP JP2007008576A patent/JP4934438B2/ja active Active
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