JP2008167714A - 川崎病発症のリスク因子 - Google Patents

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博史 川崎
Hisashi Hirano
久 平野
Shunpei Yokota
俊平 横田
Masaaki Mori
雅亮 森
Tomoyuki Imagawa
智之 今川
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Abstract

【課題】川崎病の原因となるタンパク質あるいはリスク因子となるタンパク質を探索し、その利用を図ること。
【解決手段】被験者の血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定することを含む、川崎病への罹患又は発症危険性を評価する方法。川崎病への罹患又は発症危険性を評価するためのキット及び川崎病の治療及び/又は予防に効果のある物質を同定する方法も提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、川崎病発症のリスク因子に関し、より詳細には、川崎病への罹患又は発症危険性を評価する方法、そのキット及び川崎病の治療及び/又は予防に効果のある物質を同定する方法に関する。
川崎病は、4歳以下の乳幼児に見られる急性熱性疾患で、1967年に川崎富作先生によって発見された(非特許文献1〜3)。主な症状は、(1) 5日以上続く高熱 (2) 手足に腫れと発赤 (3) 両側の眼球結膜の充血 (4) 口唇が赤くなり、苺舌 (5) 全身に発疹 (6) 頸部リンパ節の腫れである。川崎病は地域流行性もあることからウィルスや細菌などによる感染が引き金となって起こる可能性が示唆されているが、現在のところはっきりとした原因は解明されていない。
Kawasaki, T. [Acute febrile mucocutaneous syndrome with lymphoid involvement with specific desquamation of the fingers and toes in children]. Arerugi, 16: 178-222, 1967. Suzuki, A., Kamiya, T., Kuwahara, N. et al. Coronary arterial lesions of Kawasaki disease: cardiac catheterization findings of 1100 cases. Pediatr.Cardiol., 7: 3-9, 1986. Matsubara, T., Furukawa, S., Yabuta, K. Serum levels of tumor necrosis factor, interleukin 2 receptor, and interferon-gamma in Kawasaki disease involved coronary-artery lesions. Clin.Immunol.Immunopathol., 56: 29-36, 1990
本発明は、川崎病の原因となるタンパク質あるいはリスク因子となるタンパク質を探索し、その利用を図ることを目的とする。
本発明者らは、プロテオーム解析を用いて川崎病の血清および血漿を分析して川崎病の原因となるタンパク質を探索した。その結果、川崎病の原因の特定には至らなかったが、リスク因子として血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼ(PON1)を発見した。本発明は、その知見に基づいて完成されたものである。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)被験者の血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定することを含む、川崎病への罹患又は発症危険性を評価する方法。
(2)血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現をタンパク質レベルで測定する(1)記載の方法。
(3)血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの遺伝子発現をRNAレベルで測定する(1)記載の方法。
(4)被験者の血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現が、健常者の血液サンプル中のそれと比較して、0.5倍以下の減少が確認された場合には、川崎病に罹患している、あるいは川崎病の発症危険性が高いと評価する(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)さらに、凝固因子XIII A鎖前駆体、インターアルファトリプシンインヒビター重鎖H2前駆体、インターアルファトリプシンインヒビター重鎖H3前駆体、フィブリノーゲンγ鎖前駆体、血漿プロテアーゼC1インヒビター前駆体、単球分化抗原CD14前駆体、フィブリノーゲンβ鎖前駆体[フィブリンペプチドB含有]、フィブリノーゲンα鎖前駆体[フィブリンペプチドA含有]、補体成分C9前駆体、α-1-酸性糖タンパク質2前駆体、ロイシンリッチα-2-糖タンパク質前駆体、α-1-アンチキモトリプシン前駆体、補体C1qサブユニットC前駆体、C反応性タンパク質前駆体、補体C1qサブユニットB前駆体、α-1-酸性糖タンパク質1前駆体、リボソーム結合タンパク質1、血清アミロイドAタンパク質前駆体及びヌクレオビンデン-1前駆体からなる群より選択される少なくとも1つのタンパク質の発現及び/又はその遺伝子発現を測定する(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)さらに、被験者の血液サンプル中の凝固因子XIII A鎖前駆体及び/又はインターアルファトリプシンインヒビター重鎖H2前駆体の発現及び/又はその遺伝子発現が、健常者の血液サンプル中のそれと比較して、0.5倍以下の減少が確認された場合には、川崎病に罹患している、あるいは川崎病の発症危険性が高いと評価する(5)記載の方法。
(7)さらに、被験者の血液サンプル中のインターアルファトリプシンインヒビター重鎖H3前駆体、フィブリノーゲンγ鎖前駆体、血漿プロテアーゼC1インヒビター前駆体、単球分化抗原CD14前駆体、フィブリノーゲンβ鎖前駆体[フィブリンペプチドB含有]、フィブリノーゲンα鎖前駆体[フィブリンペプチドA含有]、補体成分C9前駆体、α-1-酸性糖タンパク質2前駆体、ロイシンリッチα-2-糖タンパク質前駆体、α-1-アンチキモトリプシン前駆体、補体C1qサブユニットC前駆体、C反応性タンパク質前駆体、補体C1qサブユニットB前駆体、α-1-酸性糖タンパク質1前駆体、リボソーム結合タンパク質1、血清アミロイドAタンパク質前駆体及びヌクレオビンデン-1前駆体のうちの少なくとも1つの発現及び/又はその遺伝子発現が、健常者の血液サンプル中のそれと比較して、1.5倍以上の増加が確認された場合には、川崎病に罹患している、あるいは川崎病の発症危険性が高いと評価する(5)又は(6)記載の方法。
(8)血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定することができる試薬を含む、川崎病への罹患又は発症危険性を評価するためのキット。
(9)試薬が、下記(i)、(ii)又は(iii)のいずれかである(8)記載のキット。
(i)血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼを特異的に認識できる抗体
(ii)血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼのmRNAと特異的にハイブリダイズできる核酸プローブ
(iii)血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼのmRNAを鋳型として合成されるcDNAを特異的に増幅できる少なくとも1対の核酸プライマー
(10) 川崎病の治療及び/又は予防に効果のある物質を同定する方法であって、以下の工程:
(a)被験物質と血液サンプルを接触させる工程、
(b)工程(a)で被験物質と接触させた血液サンプルを所定時間培養する工程、
(c)工程(b)で培養した血液サンプルにおける血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定する工程、及び
(d)工程(c)で測定した血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を対照の血液サンプルにおける血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現と比較することにより、血液サンプルにおける血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現に対する被験物質の効果を評価する工程
を含む前記方法。
本発明は、プロテオーム解析によって得られた結果から同定した新たなリスク因子によって川崎病発症の可能性を予測できるようにするものである。
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
本発明は、被験者の血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定することを含む、川崎病への罹患又は発症危険性を評価する方法を提供する。本発明者らは、川崎病の患者の血清における血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現が、健常者(成人)の血清におけるそれよりも有意に減少していることを確認した。
血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼは (EC number 3.1.1.2, 3.1.8.1)、血液中に存在しエステルの加水分解を触媒する。例えばフェニルアセテートをフェノールと酢酸へと分解する。また、有機リン酸系の殺虫剤なども分解し解毒に役立っている。LDLやHDLなどのリポタンパク質の酸化を防ぐ役割も持つ。ヒトの血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼは、約350残基のアミノ酸からなり、UniProtのIDはPON1_HUMANである。Accession numberは、Uniprot, NCBIともにP27169である。遺伝子名は、PON1であり、遺伝子は、7番染色体の7q21.3にマップされている。この遺伝子がコードするmRNAの配列は、NCBIではNM_000446で登録されている。
本発明の方法において、血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現を測定してもよいし、その遺伝子発現を測定してもよい。例えば、ノーザンブロット法、RT-PCR法、ウェスタンブロット法、免疫組織化学分析法などで測定することができる。あるいはまた、cDNAマイクロアレイ、ELISA法などを利用して測定してもよい。
血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現をタンパク質レベルで測定するためには、血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼを特異的に認識する抗体を用いるとよい。抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体のいずれであってもよい。これらの抗体は公知の方法で製造することができる。ウェスタンブロット法で測定する場合には、抗体は、125I標識プロテインA、ペルオキシダーゼ結合IgGなどを用いて二次的に検出される。免疫組織化学分析法で測定する場合には、抗体は、蛍光色素、フェリチン、酵素などで標識するとよい。
血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの遺伝子発現をRNAレベルで測定するためには、血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼのmRNAと特異的にハイブリダイズできる核酸プローブを用いるとよい(ノーザンブロット法で測定する場合)。あるいはまた、血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼのmRNAを鋳型として合成されるcDNAを特異的に増幅できる少なくとも1対の核酸プライマーを用いてもよい(RT-PCR法で測定する場合)。核酸プローブ及び核酸プライマーは、血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの遺伝子情報 (NCBI database, accession NM_000446)に基づいて設計することができる。核酸プローブは、通常、約15〜1500塩基のものが適当である。核酸プローブは、放射性元素、蛍光色素、酵素などで標識するとよい。核酸プライマーは、通常、約15〜30塩基のものが適当である。
本発明において、被験者の血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現の有無を検出してもよいし、発現量を測定してもよい。血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼ及び/又はそのmRNAの発現の有無は所定の位置におけるスポットやバンドの出現の有無により確認できる。血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼ及び/又はそのmRNAの発現量はスポットやバンドの染色強度により測定できる。あるいはまた、血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼ及び/又はそのmRNAを定量してもよい。
血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現の他にも、Coagulation factor XIII A chain precursor(凝固因子XIII A鎖前駆体)(EC 2.3.2.13)、Inter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain H2 precursor(インターアルファトリプシンインヒビター重鎖H2前駆体)、Inter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain H3 precursor(インターアルファトリプシンインヒビター重鎖H3前駆体)、Fibrinogen gamma chain precursor(フィブリノーゲンγ鎖前駆体)、Plasma protease C1 inhibitor precursor(血漿プロテアーゼC1インヒビター前駆体)(C1 Inh) (C1Inh)、Monocyte differentiation antigen CD14 precursor(単球分化抗原CD14前駆体)、Fibrinogen beta chain precursor [Contains: Fibrinopeptide B](フィブリノーゲンβ鎖前駆体[フィブリンペプチドB含有])、Fibrinogen alpha chain precursor [Contains: Fibrinopeptide A](フィブリノーゲンα鎖前駆体[フィブリンペプチドA含有])、Complement component C9 precursor(補体成分C9前駆体)、Alpha-1-acid glycoprotein 2 precursor(α-1-酸性糖タンパク質2前駆体)(AGP 2) (Orosomucoid-2)、Leucine-rich alpha-2-glycoprotein precursor(ロイシンリッチα-2-糖タンパク質前駆体)(LRG)、Alpha-1-antichymotrypsin precursor(α-1-アンチキモトリプシン前駆体)(ACT)、Complement C1q subcomponent subunit C precursor(補体C1qサブユニットC前駆体)、C-reactive protein precursor(C反応性タンパク質前駆体)、Complement C1q subcomponent subunit B precursor(補体C1qサブユニットB前駆体)、Alpha-1-acid glycoprotein 1 precursor(α-1-酸性糖タンパク質1前駆体)(AGP 1) (Orosomucoid-1)、Ribosome-binding protein 1(リボソーム結合タンパク質1)(Ribosome receptor protein)、Serum amyloid A protein precursor(血清アミロイドAタンパク質前駆体)(SAA)、Nucleobindin-1 precursor(ヌクレオビンデン-1前駆体)(CALNUC)などの発現及び/又はその遺伝子発現を測定してもよい。複数の遺伝子発現や複数のタンパク発現データを参照することにより、より正確な評価が可能となりうる。複数の遺伝子発現や複数のタンパク発現を同時に検出するためには、DNAアレイ(プローブを基板に固定)(NATURE REVIEWS, DRUG DISCOVERY, VOLUME 1, DECEMBER 2002, 951-960)、プロテインチップ(抗体を基板に固定)(NATURE REVIEWS, DRUG DISCOVERY, VOLUME 1, SEPTEMBER 2002, 683-695)、ルミネックス(NATURE REVIEWS, DRUG DISCOVERY, VOLUME 1, JUNE 2002, 447-456)等の検出法を用いることが好ましい。
被験者は、川崎病への罹患が疑われる乳幼児であるが、発病危険性が考えられるすべての乳幼児を対象としてもよい。
血液サンプルとしては、全血、血清、血漿、血漿交換外液などを用いることができる。通常の血液検査(臨床検査)で得られる全血、血清あるいは血漿を血液サンプルとして使用するとよい。
本発明の一つの例として、川崎病への罹患又は発症危険性は、以下のような基準で評価することができる。
被験者の血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定し、健常者(同世代の小児、成人など)の血液サンプル中のそれと比較した結果、0.5倍以下の減少が確認された場合には、川崎病に罹患している、あるいは川崎病の発症危険性が高いと評価する。さらに、被験者の血液サンプル中のCoagulation factor XIII A chain precursor (EC 2.3.2.13)及び/又はInter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain H2 precursorの発現及び/又はその遺伝子発現を測定し、健常者(同世代の小児、成人など)の血液サンプル中のそれと比較した結果、0.5倍以下の減少が確認された場合や、被験者の血液サンプル中のInter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain H3 precursor、Fibrinogen gamma chain precursor、Plasma protease C1 inhibitor precursor (C1 Inh) (C1Inh)、Monocyte differentiation antigen CD14 precursor、Fibrinogen beta chain precursor [Contains: Fibrinopeptide B]、Fibrinogen alpha chain precursor [Contains: Fibrinopeptide A]、Complement component C9 precursor、Alpha-1-acid glycoprotein 2 precursor (AGP 2) (Orosomucoid-2)、Leucine-rich alpha-2-glycoprotein precursor (LRG)、Alpha-1-antichymotrypsin precursor (ACT)、Complement C1q subcomponent subunit C precursor、C-reactive protein precursor、Complement C1q subcomponent subunit B precursor、Alpha-1-acid glycoprotein 1 precursor (AGP 1) (Orosomucoid-1)、Ribosome-binding protein 1 (Ribosome receptor protein)、Serum amyloid A protein precursor (SAA)及びNucleobindin-1 precursor (CALNUC)のうちの少なくとも1つのタンパク質の発現及び/又はその遺伝子発現を測定し、健常者(同世代の小児、成人など)の血液サンプル中のそれと比較した結果、1.5倍以上の増加が確認された場合には、川崎病に罹患している、あるいは川崎病の発症危険性が高いという評価の確実性が増すと考えられる。
本発明は、血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定することができる試薬を含む、川崎病への罹患又は発症危険性を評価するためのキットも提供する。
一つの例として、本発明のキットは、血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼを特異的に認識できる抗体を試薬として含む。抗体は基板に固定されていてもよい(プロテインチップの場合)。キットには、さらに、血液を採取するための器具、抗凝固剤、血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼを免疫化学的に検出するための試薬一式、取扱説明書などが含まれてもよい。取扱説明書には、キットの使用方法の他、川崎病への罹患又は発症危険性の評価基準なども記載しておくとよい。
別の一例として、本発明のキットは、血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼのmRNAと特異的にハイブリダイズできる核酸プローブを試薬として含む。核酸プローブは基板に固定されていてもよい(DNAアレイの場合)。キットには、さらに、血液を採取するための器具、抗凝固剤、血液サンプルからRNAを抽出するための試薬類、RNAをノーザンブロット法で分析するための試薬類、取扱説明書などが含まれてもよい。取扱説明書には、キットの使用方法の他、川崎病への罹患又は発症危険性の評価基準なども記載しておくとよい。
さらに別の一例として、本発明のキットは血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼのmRNAを鋳型として合成されるcDNAを特異的に増幅できる少なくとも1対の核酸プライマーを試薬として含む。キットには、さらに、血液を採取するための器具、抗凝固剤、血液サンプルからRNAを抽出するための試薬類、RNAをRT-PCR法で分析するための試薬類、取扱説明書などが含まれるとよい。取扱説明書には、キットの使用方法の他、川崎病への罹患又は発症危険性の評価基準なども記載しておくとよい。
本発明は、川崎病の治療及び/又は予防に効果のある物質を同定する方法も提供する。この方法は、以下の工程:
(a)被験物質と血液サンプルを接触させる工程、
(b)工程(a)で被験物質と接触させた血液サンプルを所定時間培養する工程、
(c)工程(b)で培養した血液サンプルにおける血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定する工程、及び
(d)工程(c)で測定した血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を対照の血液サンプルにおける血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現と比較することにより、血液サンプルにおける血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現に対する被験物質の効果を評価する工程
を含む。
被験物質は、いかなる物質であってもよく、タンパク質、ペプチド、ビタミン、ホルモン、多糖、オリゴ糖、単糖、低分子化合物、核酸(DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、モノヌクレオチド等)、脂質、上記以外の天然化合物、合成化合物、植物抽出物、植物抽出物の分画物、それらの混合物などを挙げることができる。
血液サンプルは、血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現が観察されるものであれば、いかなる生物に由来するものであってもよく、ヒト、ブタ、サル、チンパンジー、イヌ、ウシ、ウサギ、ラット、マウスなどの哺乳動物などに由来するものを挙げることができるが、ヒト由来の血液を使用することが好ましい。
血液サンプルとしては、全血、血清、血漿、血漿交換外液などを用いることができる。血液は、病院、動物病院、臨床検査会社、日赤などから入手できる。
被験物質と血液サンプルとの接触は、いかなる方法によってもよく、例えば、被験物質を血清に添加する方法などを挙げることができる。また、ヒト以外の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ブタなど)などの生体を用いて、被験物質を投与してもよい。
被験物質と接触後の血液サンプルの培養時間は特に限定されず、血液サンプルにおける血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現に対する被験物質の効果の有無が確認できる程度の時間であればよい。
比較の対照となる血液サンプルは、被験物質を接触させる前の血液サンプルであってもよいし、被験物質を接触させないこと以外は同様の処理を行った血液サンプルであってもよい。
本発明の一つの例として、被験物質を接触させた血液サンプルにおいて、血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現量及び/又はその遺伝子発現量が対照と比較して増加しており、被験物質が血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を増加させる効果があると評価できた場合には、この被験物質は、川崎病の治療及び/又は予防に効果がある物質と同定することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
材料と実験方法
川崎病の患者5名(男児3名、女児2名)の急性期と回復期の血清から、除去カラム(Multiple Affinity Removal System (Agilent)によって血清中に大量に存在するアルブミンなどのタンパク質を除いた後に、2D-DIGE法に従ってCy3とCy5で蛍光標識し、2次元電気泳動で血清タンパク質を分離し、急性期と回復期で発現量に差があるタンパク質を同定した。内部標準として、すべての血清を混合したものをCy2で標識して用いた。また、川崎病患者3名の血漿交換療法のときに得られた血漿交換外液を用いて、質量に差があるタグをペプチドに導入して質量分析装置(Appiled Biosystems 4800 MALDI TOF/TOF analyzer)で分析し発現量の差を調べるiTRAQ法による解析を行った。川崎病ではない患者1名からの血漿交換外液も、比較のために用いた。対照としては、健康な成人男女から採血されてプールされた血漿(ナビ社、ヒト血漿Delivery No. 80037025)を用いた。プール血漿と血漿交換外液は、血清と同様にアルブミンなどの大量に存在するタンパク質を除いてから分析に使用した。トリプシン消化後、iTRAQ試薬(Applied Biosystems)でペプチドを修飾し、すべての試料を混合して2D-LCで分離した後、MALDI-MSMSで定量し、タンパク質の発現量の差を調べた。
実験結果
急性期と回復期の患者血清を用いた2D-DIGE法による解析から、急性期で発現が上昇しているタンパク質と回復期で発現が上昇しているタンパク質を同定することができた。図1に、急性期、回復期で発現が上昇したスポットを示してある。これらのスポットに含まれるタンパク質を質量分析装置で同定した結果が表1にまとめてある。この分析の結果、川崎病が炎症性の疾患であることに対応して、急性期には炎症時に発現するタンパク質が回復期には抗炎症性のタンパク質が上昇していることが明らかになった。発現変動が認められた微量なタンパク質は、同定ができなかったので、ここでは川崎病の原因となるようなタンパク質は見いだせなかったが、血液を分析することで、川崎病の病態に迫れることがわかった。次に大量に入手できる血漿交換外液を用いて、iTRAQ法によって、川崎病患者の血漿とプール血漿のタンパク質の発現の差異を解析した。図2に、二人の川崎病患者のタンパク質の変動の相関と川崎病患者と他の炎症性疾患の患者のタンパク質の変動の相関を示した。タンパク質の変動は、川崎病の患者間では高い相関を示したが、他の疾患の患者との間では相関は低かった。このことは、この分析が川崎病の病態を正しく反映していることを示している。表2には、川崎病の患者で発現が上昇していたタンパク質と減少していたタンパク質をまとめてある。2D-DIGEでの分析と同様、炎症関連のタンパク質の発現が上昇していた。減少していたタンパク質は少なかった。川崎病の回復期に増加していたタンパク質と同様のものがほとんどであったが、有機リン酸系殺虫剤の解毒作用やリポタンパク質の抗酸化作用を持つ血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼが減少していることを発見した。このタンパク質の減少が川崎病の炎症の発症と深く関係していると考えられた。
川崎病のリスク因子として血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼ(PON1)を発見した。このタンパク質の発現量及び/又はその遺伝子発現を測定することにより、川崎病への罹患又は発症危険性を評価することができる。また、このマーカーを川崎病の治療薬の研究開発に利用することができる。
2D-DIGEによる分析で有意な変動があったスポットを示す。◆:急性期で増加したスポット ●:回復期で増加したスポット 3名の患者からの血漿交換外液を用いてiTRAQ法による分析を行なった。上の図に示した患者1と患者2は、川崎病の患者であり、両者のタンパク質の発現パターンは高い相関があった。患者3は、川崎病ではない炎症性疾患の小児であり、この患者からの血漿交換外液のタンパク質の発現パターンは、川崎病患者とは相関が低かった。ITRAQによる分析で疾患によるタンパク質の発現の差異が分析できることがわかる。

Claims (10)

  1. 被験者の血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定することを含む、川崎病への罹患又は発症危険性を評価する方法。
  2. 血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現をタンパク質レベルで測定する請求項1記載の方法。
  3. 血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの遺伝子発現をRNAレベルで測定する請求項1記載の方法。
  4. 被験者の血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現が、健常者の血液サンプル中のそれと比較して、0.5倍以下の減少が確認された場合には、川崎病に罹患している、あるいは川崎病の発症危険性が高いと評価する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. さらに、凝固因子XIII A鎖前駆体、インターアルファトリプシンインヒビター重鎖H2前駆体、インターアルファトリプシンインヒビター重鎖H3前駆体、フィブリノーゲンγ鎖前駆体、血漿プロテアーゼC1インヒビター前駆体、単球分化抗原CD14前駆体、フィブリノーゲンβ鎖前駆体[フィブリンペプチドB含有]、フィブリノーゲンα鎖前駆体[フィブリンペプチドA含有]、補体成分C9前駆体、α-1-酸性糖タンパク質2前駆体、ロイシンリッチα-2-糖タンパク質前駆体、α-1-アンチキモトリプシン前駆体、補体C1qサブユニットC前駆体、C反応性タンパク質前駆体、補体C1qサブユニットB前駆体、α-1-酸性糖タンパク質1前駆体、リボソーム結合タンパク質1、血清アミロイドAタンパク質前駆体及びヌクレオビンデン-1前駆体からなる群より選択される少なくとも1つのタンパク質の発現及び/又はその遺伝子発現を測定する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. さらに、被験者の血液サンプル中の凝固因子XIII A鎖前駆体及び/又はインターアルファトリプシンインヒビター重鎖H2前駆体の発現及び/又はその遺伝子発現が、健常者の血液サンプル中のそれと比較して、0.5倍以下の減少が確認された場合には、川崎病に罹患している、あるいは川崎病の発症危険性が高いと評価する請求項5記載の方法。
  7. さらに、被験者の血液サンプル中のインターアルファトリプシンインヒビター重鎖H3前駆体、フィブリノーゲンγ鎖前駆体、血漿プロテアーゼC1インヒビター前駆体、単球分化抗原CD14前駆体、フィブリノーゲンβ鎖前駆体[フィブリンペプチドB含有]、フィブリノーゲンα鎖前駆体[フィブリンペプチドA含有]、補体成分C9前駆体、α-1-酸性糖タンパク質2前駆体、ロイシンリッチα-2-糖タンパク質前駆体、α-1-アンチキモトリプシン前駆体、補体C1qサブユニットC前駆体、C反応性タンパク質前駆体、補体C1qサブユニットB前駆体、α-1-酸性糖タンパク質1前駆体、リボソーム結合タンパク質1、血清アミロイドAタンパク質前駆体及びヌクレオビンデン-1前駆体のうちの少なくとも1つの発現及び/又はその遺伝子発現が、健常者の血液サンプル中のそれと比較して、1.5倍以上の増加が確認された場合には、川崎病に罹患している、あるいは川崎病の発症危険性が高いと評価する請求項5又は6記載の方法。
  8. 血液サンプル中の血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定することができる試薬を含む、川崎病への罹患又は発症危険性を評価するためのキット。
  9. 試薬が、下記(i)、(ii)又は(iii)のいずれかである請求項8記載のキット。
    (i)血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼを特異的に認識できる抗体
    (ii)血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼのmRNAと特異的にハイブリダイズできる核酸プローブ
    (iii)血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼのmRNAを鋳型として合成されるcDNAを特異的に増幅できる少なくとも1対の核酸プライマー
  10. 川崎病の治療及び/又は予防に効果のある物質を同定する方法であって、以下の工程:
    (a)被験物質と血液サンプルを接触させる工程、
    (b)工程(a)で被験物質と接触させた血液サンプルを所定時間培養する工程、
    (c)工程(b)で培養した血液サンプルにおける血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を測定する工程、及び
    (d)工程(c)で測定した血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現を対照の血液サンプルにおける血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現と比較することにより、血液サンプルにおける血清パラオキソナーゼ/アリルエステラーゼの発現及び/又はその遺伝子発現に対する被験物質の効果を評価する工程
    を含む前記方法。
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