JP2008160096A - 屋外設置用筐体及び屋外設置用筐体を用いた基地局 - Google Patents

屋外設置用筐体及び屋外設置用筐体を用いた基地局 Download PDF

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Abstract

【課題】ケース部材相互の互いに突き合された接続端面間に侵入した水の凍結に起因した
ケース部材の破損を防止でき、更には、低温環境による防水パッキンの弾性の劣化を抑止
することのできる屋外設置用筐体を提供すること。
【解決手段】回路収容空間13を構成する複数のケース部材15,16相互の互いに突き
合された接続端面15a,16a間に装備する防水パッキン26として、発熱体入りパッ
キンを採用すると共に、防水パッキン26の装備位置に近接して、温度に応じた信号を出
力する温度センサ33を装備し、回路収容空間13内には、温度センサ33の検出信号に
基づいて発熱体28の発熱量を制御する制御回路37を備えて、凍結によるケース部材1
5,16の破損を防止すると同時に、防水パッキン26の弾性劣化を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気回路等を収容して屋外に設置される屋外設置用筐体及び屋外設置用筐体
を用いた基地局に関する。
携帯電話機の電波を中継する基地局は、電波の中継や割り当てに必要な電気回路や電源
を、防水性能を備えた屋外設置用筐体に収容して、屋外に設置される。
このような基地局に使用される屋外設置用筐体は、電気回路や電源等を収容する回路収
容空間を、互いの接続端面を突き合わせて結合される複数のケース部材によって構成する
ことで、筐体の成形性や生産性の向上が図られる。また、各ケース部材相互の互いに突き
合された接続端面間には、防水パッキンを装備することで、防水性能が確保される。
ところが、屋外設置では、周囲の温度変化が大きく、通気部等から侵入した外気中の水
分が、筐体内部で結露して、筐体内に水が貯まる場合がある。
そこで、筐体内に貯まった水を排水する弁機構を備えた屋外設置用筐体が提案されてい
る(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−77669号公報
ところで、携帯電話機の電波を中継する基地局が寒冷地に設置された場合、屋外設置用
筐体を構成しているケース部材相互の互いに突き合された接続端面間に侵入した水が凍結
することがある。一般に、水が凍ると約9%体積が増えることが知られている。
従来の屋外設置用筐体では、このような接続端面間に侵入した水の凍結の影響について
は配慮していなかった。
そのため、凍結時の氷の体積の増加により、ケース部材の接続端面を提供しているフラ
ンジ部に過大な剪断荷重が作用すると、その過大な剪断荷重が前記フランジ部のパッキン
収容溝の隅部に応力集中を起こして、ケース部材の破損を招くことがあった。
また、ケース部材相互の互いに突き合された接続端面間に侵入した水の凍結によって、
該接続端面間に配置された防水パッキンが低温環境に長期間維持されることで、防水パッ
キンの弾性が劣化し易く、早期に防水パッキンの交換が必要になり、防水パッキンの交換
頻度が高くなるという問題も生じた。
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、ケース部材相互の互いに突き
合された接続端面間に侵入した水の凍結を防止して、侵入した水の凍結に起因したケース
部材の破損を防止でき、更には、低温環境による防水パッキンの弾性の劣化を抑止して、
防水パッキンの交換頻度の低減を図ることのできる屋外設置用筐体及び屋外設置用筐体を
用いた基地局を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明に係る屋外設置用筐体は、電気回路等を収容する回
路収容空間が、互いの接続端面を突き合わせて結合される複数のケース部材によって構成
されると共に、各ケース部材相互の互いに突き合された接続端面間には、防水パッキンが
装備されて、屋外に設置される屋外設置用筐体であって、前記防水パッキンとして、ゴム
材料製のパッキン本体内に、給電により発熱する発熱体が埋設された発熱体入りパッキン
が採用されると共に、互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキンの装備位置
に近接して、温度センサが装備され、前記回路収容空間内には、前記温度センサの検出信
号に基づいて、前記発熱体の発熱量を制御する制御回路を備えたことを特徴とする(請求
項1)。
上記構成によれば、各ケース部材相互の接続端面間の温度が水の凍結温度付近まで低下
したことが温度センサにより検出されると、その接続端面間の温度が水の凍結温度以上に
維持されるように、制御回路が、防水パッキンとして使用されている発熱体入りパッキン
の発熱量を制御する。
従って、ケース部材相互の互いに突き合された接続端面間に侵入した水の凍結を防止し
て、侵入した水の凍結に起因したケース部材の破損を防止することができる。
更には、上記のように制御回路による発熱体入りパッキンの発熱量制御によって、防水
パッキンは、少なくとも、水の凍結温度よりも高い温度に安定維持されるため、防水パッ
キンが低温環境に置かれることがなくなり、低温環境による防水パッキンの弾性の劣化を
抑止して、防水パッキンの交換頻度の低減を図ることができる。
また、本発明に係る屋外設置用筐体は、前記防水パッキンとして、ゴム材料製のパッキン本体内に、給電により発熱する複数の発熱体が埋設された発熱体入りパッキンが採用されると共に、互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキンの装備位置に近接して、複数の温度センサが装備され、前記回路収容空間内には、前記複数の温度センサの検出信号に基づいて、前記複数の発熱体の発熱量を個別に制御する制御回路を備えたことを特徴とする(請求項2)。
上記構成によれば、制御回路が、複数の発熱体の発熱量を個別に制御することにより、ケースの各辺の温度状態に応じて、きめ細かく発熱量を制御することができ、消費電力の節減を図ることができる。
また、本発明に係る屋外設置用筐体は、互いに突き合された接続端面間には、前記防水
パッキンの装備位置に近接して、水センサが装備され、前記制御回路は、前記水センサに
より水の存在が検出されている時にのみ、前記発熱体の発熱を制御することを特徴とする
(請求項3)。
このような構成にすると、各ケース部材相互の互いに突き合された接続端面間に水が存
在しないことが水センサにより検出されているときには、前記接続端面間の温度が水の凍
結温度付近まで低下していることを検出しても、制御回路は、防水パッキンとして使用さ
れている発熱体入りパッキンの発熱量を抑止する。
例えば、発熱体入りパッキンの発熱量は、防水パッキンの弾性が劣化しない程度の温度
にパッキン自体の温度を維持できれば良く、その周囲温度である接続端面間の温度自体は
、水の凍結温度以下となっても良い。
このように、実際に凍結する水が存在しているか否かによって、発熱体入りパッキンの
発熱量を制御することで、発熱体入りパッキンの消費電力を抑えて、運用コストを低減さ
せることができる。
本発明に係る基地局は、電気回路等を収容する回路収容空間が、互いの接続端面を突き
合わせて結合される複数のケース部材によって構成されると共に、各ケース部材相互の互
いに突き合された接続端面間には、防水パッキンが装備されて、屋外に設置される屋外設
置用筐体を用いた基地局であって、前記防水パッキンとして、ゴム材料製のパッキン本体
内に、給電により発熱する発熱体が埋設された発熱体入りパッキンが採用されると共に、
互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキンの装備位置に近接して、温度セ
ンサが装備され、前記回路収容空間内には、前記温度センサの検出信号に基づいて、前記
発熱体の発熱量を制御する制御回路を備えたことを特徴とする(請求項4)。
これにより、ケース部材相互の互いに突き合された接続端面間に侵入した水の凍結を防
止して、侵入した水の凍結に起因したケース部材の破損を防止でき、更には、低温環境に
よる防水パッキンの弾性の劣化を抑止して、防水パッキンの交換頻度の低減を図ることの
できる屋外設置用筐体を用いた基地局を得ることができる。
また、本発明に係る基地局は、前記防水パッキンとして、ゴム材料製のパッキン本体内に、給電により発熱する複数の発熱体が埋設された発熱体入りパッキンが採用されると共に、互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキンの装備位置に近接して、複数の温度センサが装備され、前記回路収容空間内には、前記複数の温度センサの検出信号に基づいて、前記複数の発熱体の発熱量を個別に制御する制御回路を備えたことを特徴とする(請求項5)。
上記構成により、制御回路が、複数の発熱体の発熱量を個別に制御することにより、ケースの各辺の温度状態に応じて、きめ細かく発熱量を制御することができ、消費電力の節減を図ることができる。
また、本発明に係る基地局は、互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキン
の装備位置に近接して、水センサが装備され、前記制御回路は、前記水センサにより水の
存在が検出されている時にのみ、前記発熱体の発熱を制御することを特徴とする(請求項
6)。
このような構成にすると、各ケース部材相互の互いに突き合された接続端面間に水が存
在しないことが水センサにより検出されているときには、前記接続端面間の温度が水の凍
結温度付近まで低下していることを検出しても、制御回路は、防水パッキンとして使用さ
れている発熱体入りパッキンの発熱量を抑止する。
例えば、発熱体入りパッキンの発熱量は、防水パッキンの弾性が劣化しない程度の温度
にパッキン自体の温度を維持できれば良く、その周囲温度である接続端面間の温度自体は
、水の凍結温度以下となっても良い。
このように、実際に凍結する水が存在しているか否かによって、発熱体入りパッキンの
発熱量を制御することで、発熱体入りパッキンの消費電力を抑えて、基地局の運用コスト
を低減させることができる。
本発明に係る屋外設置用筐体及び屋外設置用筐体を用いた基地局では、各ケース部材相
互の接続端面間の温度が水の凍結温度付近まで低下したことが温度センサにより検出され
ると、その接続端面間の温度が水の凍結温度以上に維持されるように、制御回路が、防水
パッキンとして使用されている発熱体入りパッキンの発熱量を制御する。
従って、ケース部材相互の互いに突き合された接続端面間に侵入した水の凍結を防止し
て、侵入した水の凍結に起因したケース部材の破損を防止することができる。
更には、上記のように制御回路による発熱体入りパッキンの発熱量制御によって、防水
パッキンは、少なくとも、水の凍結温度よりも高い温度に安定維持されるため、防水パッ
キンが低温環境に置かれることがなくなり、低温環境による防水パッキンの弾性の劣化を
抑止して、防水パッキンの交換頻度の低減を図ることができる。
更に、制御回路が、複数の発熱体の発熱量を個別に制御することにより、ケースの各辺の温度状態に応じて、きめ細かく発熱量を制御することができ、消費電力の節減を効率良く図ることができる。
また、万一複数の発熱体や複数のセンサの内のいくつかのデバイスが故障した場合は、残された正常なセンサからの検出信号に基づき、発熱体を適宜制御することも可能となる。
以下、本発明に係る屋外設置用筐体の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細
に説明する。
図1は本発明に係る屋外設置用筐体の一実施の形態の縦断面図、図2は図1に示した屋
外設置用筐体の斜め上方から見た斜視図、図3は図1のA部拡大図、図4は図3に示した
ケース部材相互の接続端面間に装備される発熱体入りパッキンの概略図、図5は、本実施
の形態の制御ブロック図を示す。
この一実施の形態の屋外設置用筐体11は、携帯電話機の電波を中継する基地局の筐体
として屋外に設置されるもので、基地局として必要な電気回路等を収容する密閉型の回路
収容空間13が、互いの接続端面15a,16aを突き合わせて結合される2つのケース
部材15,16によって構成されている。
第1のケース部材15は、一側面を開放した箱形で、上壁15bに、送受信用のアンテ
ナを接続するアンテナ接続部17が複数装備されている。また、この第1のケース部材1
5内には、電波の送受信処理をする電気回路であるRF部18と、信号をデジタル化する
電気回路であるデジタル処理部19とが装備されている。
この第1のケース部材15の開放した一側面には、外周側に張り出したフランジ部15
cによって、前記接続端面15aが提供されている。
第2のケース部材16は、第1のケース部材15に突き合される一側面を開放した箱形
構造になっている。この第2のケース部材16内には、第1のケース部材15内の各電気
回路等へ所定の電力を給電するための電源回路21と、この電源回路21を動作させるた
めに外部の給電ケーブルが接続される電源供給ターミナル22等が装備されている。
この第2のケース部材16の開放した一側面には、外周側に張り出したフランジ部16
cによって、第1のケース部材15の接続端面15aに突き合される接続端面16aが提
供されている。
各ケース部材15,16は、それぞれの接続端面15a,16aを互いに突き合した状
態で、それぞれのフランジ部15c,16cをねじ24により締結することで、互いに固
定されて、密閉型の回路収容空間13を画成している。
各ケース部材15,16相互の互いに突き合された接続端面15a,16a間には、図
3に示すように、外部から該接続端面15a,16a間に侵入した水分が回路収容空間1
3に侵入することを防止する防水パッキン26が装備されている。
本実施の形態の場合、この防水パッキン26は、フランジ部15cに形成されたパッキ
ン収容溝15dに収容されている。この防水パッキン26は、図4に示したように、ゴム
材料製のパッキン本体27内に、給電により発熱する発熱体28を埋設した発熱体入りパ
ッキンが採用されている。
この防水パッキン26の発熱体28は、リード線29により電源回路21に接続されて
いる。
更に、本実施の形態の場合、図3に示すように、互いに突き合された接続端面15a,
16a間には、防水パッキン26の装備位置に近接して、装備位置周辺の温度に応じた信
号を出力する温度センサ33と、水の有無を検出する水センサ35とが装備されている。
また、回路収容空間13内には、温度センサ33及び水センサ35の検出信号に基づい
て、接続端面15a,16a間に侵入した水が凍結しないように防水パッキン26の発熱
体28の発熱量を制御する制御回路37が備えられている。
温度センサ33は、例えば、熱電対等をフランジ部15cに埋設したもので、検出した
温度信号を、制御回路37に出力する。
水センサ35は、例えば、赤外線やレーザー光を照射し光学的に水分を検出するセンサ
や各種の湿度センサが使用できる。例えば、湿度センサとしては、高分子膜の水分の吸収
・吸収に伴う誘電率変化から湿度を測定する高分子膜湿度センサなどがあり、この高分子
膜湿度センサは、センサ素子の静電容量の変化やインピーダンスの変化を電気信号に変え
て出力するものである。湿度センサの場合は、湿度が非常に高い状態(例えば湿度が90
%以上など)のとき水(水分)を検出したとすればよい。
この水センサ35は制御回路37により動作制御され、また、検出した信号を制御回路
37に出力する。
制御回路37は、図1に示したデジタル処理部19に並設された処理回路で、図5の制
御ブロック図に示すように、温度センサ33及び水センサ35の検出信号33a、35a
に基づいて、電源回路21から防水パッキン26の発熱体28への給電動作を制御する。
次に具体的な動作の一例を図6の制御フローを参照して説明する。
温度センサ33は、常に温度を監視して温度の検出信号33aを制御回路37へ送信す
る(ステップS1)。同時に、水センサ35は、常に水分を監視して水の検出信号35a
を送信する(ステップS2)。
制御回路37は、受信した温度の検出信号33aから検出温度が0℃(水の凍結温度)
以下であるか否かを判定する(ステップS3)。検出温度が0℃以下である場合(ステッ
プS3のYES)は、受信した水の検出信号35aから水が検出されたか否かを判定する
(ステップS4)。一方、検出温度が0℃より高い場合(ステップS3のNO)は、ステ
ップS1に戻る。
水が検出された場合(ステップS4のYES)、制御回路37は、発熱体28に供給す
る電圧(電力)を所定の値だけ上昇させるための制御信号を電源回路21に送信する(ス
テップS5)。これに応じて、電源回路21は発熱体28に供給する電圧(電力)を所定
の値だけ上昇させる(ステップS6)。
温度センサ33は、温度の検出信号33aを制御回路37へ送信する(ステップS7)
。制御回路37は、受信した温度の検出信号33aから検出温度が0℃(水の凍結温度)
以上であるか否かを判定する(ステップS3)。検出温度が0℃より高い温度である場合
は、ステップS1に戻る。一方、検出温度が0℃以下の場合(ステップS8のNO)は、
ステップS5に戻り、さらに発熱体28に供給する電圧(電力)を上昇させるようにする
また、ステップS4にて水が検出されなかった場合(ステップS4のNO)、制御回路
37は、上記検出温度が−10℃(パッキン本体27の弾性が劣化する温度)以下である
か否かを判定する(ステップS9)。検出温度が−10℃より高い温度である場合は、ス
テップS1に戻る。
一方、検出温度が−10℃以下の場合(ステップS9のNO)は、制御回路37は、発
熱体28に供給する電圧(電力)を所定の値だけ上昇させるための制御信号を電源回路2
1に送信する(ステップS10)。これに応じて、電源回路21は発熱体28に供給する
電圧(電力)を所定の値だけ上昇させる(ステップS11)。
温度センサ33は、温度の検出信号33aを制御回路37へ送信する(ステップS12
)。制御回路37は、受信した温度の検出信号33aから検出温度が−20℃(パッキン
本体27の弾性が劣化する温度)以上であるか否かを判定する(ステップS13)。検出
温度が−20℃より高い温度である場合は、ステップS1に戻る。一方、検出温度が−2
0℃以下の場合(ステップS13のNO)は、ステップS10に戻り、さらに発熱体28
に供給する電圧(電力)を上昇させるようにする。
このようにして、制御回路37は、水が検出された場合は、発熱体28の発熱量を制御
して、接続端面15a,16a間の温度を水の凍結温度(0℃)以上に維持する。
また、制御回路37は、温度センサ33による検出温度が水の凍結温度(0℃)まで降
下していても、且つ、水センサ35により水の存在が無いと検出されている時には、接続
端面15a,16a間の温度維持は行わず、防水パッキン26のパッキン本体27の弾性
が温度低下により劣化しない程度の温度(例えば、−10℃)にパッキン本体27自体の
温度が維持されるように、発熱体28の発熱量を制御する。
次に、図7は本発明に係る更なる実施の形態の制御ブロック図である。
説明のために、発熱体を4個、水センサを4個、温度センサを4個を記載してあるが、其々のデバイスは各2個以上あれば、制御部により、個別制御をすることができる。
発熱体28aないし発熱体28d、水 センサ45aないし水センサ45d、温度センサ43aないし温度センサ43dを制御回路37Aによって、各々のデバイスとの信号の授受を行い、電源回路21Aを制御する。
制御回路37Aは、電源回路21Aを並列に制御可能な構成とする。前記のような構成にすることで、ケースの温度分布やケース周辺の水分布に応じて、各々の発熱体の発熱量を別々に制御することが可能となる。
なお、水センサ35a〜35dから出力される、水の検出信号45a〜45dは、制御回路37Aへの入力信号となる。また、温度センサ43a〜43dの温度の検出信号43a〜43hも制御回路37Aへの入力信号となる。
次に、図8は図3に示したケースの部材相互の接続端面間に装備される複数の発熱体入りパッキンの概略図である。太線で描かれた波線は発熱体である。発熱体28aないし発熱体28dは、一体のパッキン本体27Aとしてパッキン収納溝15dへ収納される。
発熱体28a〜28dには、リード線29a〜29dが接続されており、電源回路21Aから給電される電力によって発熱する。
なお、発熱する条件は温度の検出信号43eないし温度の検出信号43h、および水の検出信号45eないし水の検出45hの信号および、予め設定された温度の条件と水の検出条件によるものである。制御のフローチャートは前述した図6についての説明と概ね同様となる。ただし、必要に応じて、発熱体28a〜28dを、少なくとも2つ以上組み合わせて制御しても良い。また、温度センサからの温度の検出信号および/または水センサからの水の検出信号を2つ以上組み合わせても良い。また、万一複数のセンサの内のいくつかのセンサが故障した場合は、残された正常なセンサからの検出信号に基づき、発熱体を制御することも可能となる。
パッキン本体27に用いることができる素材としては、例えば、以下のものが挙げられ
る。ニトリルゴム(−50℃)、水素化ニトリルゴム(−30℃)、フッ素ゴム(−15
℃)、シリコンゴム(−50℃)、エチレンプロピレンゴム(−40℃)など。なお、括
弧内の数値は耐寒限界温度を示している。
接続端面15a,16a間の温度を水の凍結温度以上に維持するための発熱体28の発
熱量は、接続端面15a,16aを提供している各フランジ部15c,16cの熱容量や
、外部の気象条件等で、大きく変動する。
ただし、パッキン本体27の弾性が温度低下により劣化する温度は、ゴムの材質等を工
夫すれば、水の凍結温度以下に調整できるため、パッキン本体27自体の温度を該パッキ
ン本体27の劣化温度以上に維持する場合の発熱量は、接続端面15a,16a間の温度
を水の凍結温度以上に維持する場合の発熱量と比較すると、大幅に消費電力を節約するこ
とができる。
以上に説明した一実施の形態の屋外設置用筐体11では、各ケース部材15,16相互
の接続端面15a,16a間の温度が水の凍結温度まで低下したことが温度センサ33に
より検出されると、その接続端面15a,16a間の温度が水の凍結温度以上に維持され
るように、制御回路37が、防水パッキン26として使用されている発熱体入りパッキン
の発熱量を制御する。従って、ケース部材15,16相互の互いに突き合された接続端面
15a,16a間に侵入した水の凍結を防止して、侵入した水の凍結に起因したケース部
材15,16の破損を防止することができる。
更には、上記のように制御回路37による発熱体入りパッキンの発熱量制御によって、
防水パッキン26は、少なくとも、水の凍結温度よりも高い温度に安定維持されるため、
防水パッキン26が低温環境に置かれることがなくなり、低温環境による防水パッキン2
6の弾性の劣化を抑止して、防水パッキン26の交換頻度の低減を図ることができる。
また、本実施の形態の屋外設置用筐体11では、互いに突き合された接続端面15a,
16a間には、前記防水パッキン26の装備位置に近接して、水の有無を検出する水セン
サ35が装備されていて、制御回路37は、水センサ35により水の存在が検出されてい
る時にのみ、その水が凍結しないように、前記発熱体28の発熱量を制御する。
即ち、各ケース部材15,16相互の互いに突き合された接続端面15a,16a間に
水が存在しないことが水センサ35により検出されているときには、前記接続端面15a
,16a間の温度が水の凍結温度まで低下していることを検出しても、制御回路37は、
防水パッキン26として使用されている発熱体入りパッキンの発熱量を抑止する。
例えば、発熱体入りパッキンの発熱量は、防水パッキン26の弾性が劣化しない程度の
温度にパッキン自体の温度を維持できれば良く、その周囲温度である接続端面15a,1
6a間の温度自体は、水の凍結温度以下となっても良い。
このように、実際に凍結する水が存在しているか否かによって、発熱体入りパッキンの
発熱量を制御することで、発熱体入りパッキンの消費電力を抑えて、運用コストを低減さ
せることもできる。
また、万一複数のセンサの内のいくつかのセンサが故障した場合は、残された正常なセンサからの検出信号に基づき、発熱体を適宜制御することも可能となる。
更に、万一複数の発熱体や複数のセンサの内のいくつかのデバイスが故障した場合は、残された正常なセンサからの検出信号に基づき、残された正常な発熱体を適宜制御することも可能となる。
なお、本発明に係る屋外設置用筐体の用途は、携帯電話機の電波を中継する基地局用に
限らない。電気回路等を収容して寒冷地の屋外に設置される各種の屋外設置用筐体に適用
可能である。
また、本発明に係る屋外設置用筐体において、該筐体を構成するケース部材の個数は、
上記実施の形態に限らない。例えば、上記実施の形態の屋外設置用筐体は、2個のケース
部材により構成されていたが、3個以上のケース部材を付き合わせ接続することで、所定
の容積の回路収容空間を形成する構成であっても良い。
本発明に係る屋外設置用筐体の一実施の形態の縦断面図である。 図1に示した屋外設置用筐体の斜め上方から見た斜視図である。 図1のA部拡大図である。 図3に示したケース部材相互の接続端面間に装備される発熱体入りパッキンの概略図である。 本発明に係る実施の形態の制御ブロック図である。 本発明に係る実施の形態の制御フローを示す図である。 本発明に係る更なる実施の形態の制御ブロック図である。 図3に示したケース部材相互の接続端面間に装備される複数の発熱体入りパッキンの概略図である。
符号の説明
11 屋外設置用筐体
13 回路収容空間
15 第1のケース部材
15a 接続端面
15c フランジ部
15d パッキン収容溝
16 第2のケース部材
16a 接続端面
16c フランジ部
21 電源回路
21A 電源回路
24 ねじ
26 防水パッキン
27 パッキン本体
28 発熱体
28a、28b、28c、28d 発熱体
29 リード線
29a、29b、29c、29d リード線
33 温度センサ
33a 温度の検出信号
43a、43b、43c、43d 温度センサ
43e、43f、43g、43h 温度の検出信号
35 水センサ
35a 水の検出信号
45a、45b、45c、45d 水センサ
45e、45f、45g、45h 水の検出信号
37 制御回路
37A 制御回路(個別に制御する制御回路)

Claims (6)

  1. 電気回路等を収容する回路収容空間が、互いの接続端面を突き合わせて結合される複数
    のケース部材によって構成されると共に、各ケース部材相互の互いに突き合された接続端
    面間には、防水パッキンが装備されて、屋外に設置される屋外設置用筐体であって、
    前記防水パッキンとして、ゴム材料製のパッキン本体内に、給電により発熱する発熱体
    が埋設された発熱体入りパッキンが採用されると共に、
    互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキンの装備位置に近接して、温度セ
    ンサが装備され、
    前記回路収容空間内には、前記温度センサの検出信号に基づいて、前記発熱体の発熱量
    を制御する制御回路を備えたことを特徴とする屋外設置用筐体。
  2. 前記防水パッキンとして、ゴム材料製のパッキン本体内に、給電により発熱する複数の発熱体が埋設された発熱体入りパッキンが採用されると共に、
    互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキンの装備位置に近接して、複数の温度センサが装備され、
    前記回路収容空間内には、前記複数の温度センサの検出信号に基づいて、前記複数の発熱体の発熱量を個別に制御する制御回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の屋外設置用筐体。
  3. 互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキンの装備位置に近接して、水セン
    サが装備され、
    前記制御回路は、前記水センサにより水の存在が検出されている時にのみ、前記発熱体
    の発熱を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の屋外設置用筐体。
  4. 電気回路等を収容する回路収容空間が、互いの接続端面を突き合わせて結合される複数
    のケース部材によって構成されると共に、各ケース部材相互の互いに突き合された接続端
    面間には、防水パッキンが装備されて、屋外に設置される屋外設置用筐体を用いた基地局
    であって、
    前記防水パッキンとして、ゴム材料製のパッキン本体内に、給電により発熱する発熱体
    が埋設された発熱体入りパッキンが採用されると共に、
    互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキンの装備位置に近接して、温度セ
    ンサが装備され、
    前記回路収容空間内には、前記温度センサの検出信号に基づいて、前記発熱体の発熱量
    を制御する制御回路を備えたことを特徴とする基地局。
  5. 前記防水パッキンとして、ゴム材料製のパッキン本体内に、給電により発熱する複数の発熱体が埋設された発熱体入りパッキンが採用されると共に、
    互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキンの装備位置に近接して、複数の温度センサが装備され、
    前記回路収容空間内には、前記複数の温度センサの検出信号に基づいて、前記複数の発熱体の発熱量を個別に制御する制御回路を備えたことを特徴とする請求項4に記載の基地局。
  6. 互いに突き合された接続端面間には、前記防水パッキンの装備位置に近接して、水セン
    サが装備され、
    前記制御回路は、前記水センサにより水の存在が検出されている時にのみ、前記発熱体
    の発熱を制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の基地局。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011193411A (ja) * 2010-03-17 2011-09-29 Fujitsu Ltd 無線基地局

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