JP2008159031A - 特定方法およびそれを利用した特定装置、特定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】交差点等の道路上の所定の箇所を正確に特定したい。
【解決手段】撮像画像受信部44は、無線ネットワークを介して、道路上の複数箇所に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信する。参照画像取得部40は、撮像画像受信部44において受信した複数の撮像画像のそれぞれと比較されるべき参照画像であって、かつ車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像を取得する。マッチング処理部42は、参照画像取得部40において取得した参照画像と、撮像画像受信部44において受信した複数の撮像画像のそれぞれとのパターンマッチングを実行することによって、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する。
【選択図】図3
【解決手段】撮像画像受信部44は、無線ネットワークを介して、道路上の複数箇所に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信する。参照画像取得部40は、撮像画像受信部44において受信した複数の撮像画像のそれぞれと比較されるべき参照画像であって、かつ車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像を取得する。マッチング処理部42は、参照画像取得部40において取得した参照画像と、撮像画像受信部44において受信した複数の撮像画像のそれぞれとのパターンマッチングを実行することによって、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、特定技術に関し、特に道路上の所定の地点を特定する特定方法およびそれを利用した特定装置、特定システムに関する。
高度道路交通システム(Intelligent Transport System:ITS)は、例えば、交差点に向かって走行している車両に対して、無線ネットワークを介して、交差点情報を配信する。その際、車両に備えられた車載器は、車載器のIDを交差点情報配信装置に送信し、交差点配信装置は、そのIDを宛先として配信情報を送信する。また、交差点カメラが、車両のナンバープレートを撮影して、撮影したナンバーから一意に決定されている車載器IDを宛先として情報を配信する。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−59181号公報
車載器が複数の交差点からの配信情報を受信した場合、車載器では、その中から、進行方向の次の交差点の情報を正確に選択する必要がある。例えば、交差点にIDを予め付与し、それらをカーナビゲーションシステムの地図上での交差点に対応づけておき、受信した配信情報の中に含まれる交差点のIDから、カーナビゲーションシステムの地図上での交差点を特定する。このような技術は、カーナビゲーションシステムの地図上に自車の位置が正確に表示されている場合に有効である。実際には、GPS(Global Positioning System)の精度は数メートルであるので、自動車が、道なき道を走行したり、隣の大きな道路にマッチングされてしまったりする。このような状態で、配信情報を受信したとき、実際には別の交差点のものであっても、自車が向かっている次の交差点からのものであると誤認識する可能性がある。
また、背景技術において、交差点配信装置では、各車両との1対1の無線通信が必要にあり、多数の車両が集中する交差点では、限られた通信帯域内でのスムーズな無線通信が困難になる。また、背景技術において、交差点カメラから、車両のナンバープレートが見えない場合、例えば、小型車が大型車の死角になる場合、宛先は特定されない。背景技術では、近づいている交差点の情報を受信し、遠ざかっている交差点の情報を受信しないことが検討されており、一般的に、誤って別の交差点の情報を受信してしまう可能性は考慮されていない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、交差点等の道路上の所定の箇所を正確に特定する特定技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の特定装置は、無線ネットワークを介して、道路上の複数箇所に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信する受信部と、受信部において受信した複数の撮像画像のそれぞれと比較されるべき参照画像であって、かつ車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像を取得する取得部と、取得部において取得した参照画像と、受信部において受信した複数の撮像画像のそれぞれとのパターンマッチングを実行することによって、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する選択部と、を備える。
この態様によると、撮像した撮像画像と参照画像とのパターンマッチングによって、道路上の箇所を特定するので、道路の情報の記憶を不要にし、交差点等の道路上の所定の箇所を正確に特定できる。
受信部は、道路上の複数箇所として、複数の交差点に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信し、取得部は、車両に設置された撮像装置として、車両から後方を撮像するための撮像装置から、参照画像を取得し、選択部は、複数の撮像画像のうち、交差点から本車両への方向を撮像した撮像画像と参照画像とのパターンマッチングを実行してもよい。この場合、交差点から本車両への方向を撮像した撮像画像を使用しており、車両の付近が撮像され、かつ交差点と車両までの距離が短いので、パターンマッチングの精度を向上できる。
受信部は、道路上の複数箇所として、複数の交差点を対象としており、第1の交差点に施設された撮像装置にて撮像された撮像画像と、第1の交差点に隣接した第2の交差点に施設された撮像装置にて撮像された撮像画像との組合せを受信し、取得部は、車両に設置された撮像装置として、車両から前方を撮像するための撮像装置から、参照画像を取得し、選択部は、組合せのうち、第2の交差点に施設された撮像装置にて、第2の交差点から第1の交差点への方向を撮像した撮像画像と参照画像とのパターンマッチングを実行することによって、第1の交差点を特定してもよい。この場合、第2の交差点から第1の交差点への方向を撮像した撮像画像を使用しており、車両の付近が撮像され、かつ交差点と車両までの距離が短いので、パターンマッチングの精度を向上できる。
本特定装置が備えられた車両の画像を参照画像として記憶する記憶部をさらに備え、取得部は、記憶部に記憶された参照画像を取得してもよい。この場合、参照画像として車両の画像を使用するので、車両が撮像画像に撮像されているかを基準に判断がなされ、特定精度を向上できる。
選択部において特定した交差点における撮像画像を表示する表示部をさらに備えてもよい。この場合、交差点の情報を運転者に通知できる。
本発明の別の態様もまた、特定装置である。この装置は、無線ネットワークを介して、道路上の複数箇所に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信する受信部と、受信部において受信した複数の撮像画像のそれぞれと比較されるべき参照画像であって、かつ車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像を取得する取得部と、取得部において取得した参照画像に含まれた情報と、受信部において受信した複数の撮像画像のそれぞれに付随された情報とをもとに、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する選択部と、を備える。
この態様によると、撮像した撮像画像に付随した情報と、撮像した参照画像に含まれた情報をもとに、道路上の箇所を特定するので、道路の情報の記憶を不要にし、交差点等の道路上の所定の箇所を正確に特定できる。
本発明のさらに別の態様は、特定システムである。この特定システムは、道路上の複数箇所に施設された撮像装置と、道路上の複数箇所に施設された撮像装置と無線ネットワークを介して接続する特定装置とを備える。特定装置は、撮像装置から受信した複数の撮像画像のそれぞれと、車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像とのパターンマッチングを実行することによって、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する。
本発明のさらに別の態様もまた、特定システムである。この特定システムは、道路上の複数箇所に施設された撮像装置と、道路上の複数箇所に施設された撮像装置と無線ネットワークを介して接続する特定装置とを備える。特定装置は、撮像装置から受信した複数の撮像画像のそれぞれに含まれた情報と、車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像に含まれた情報とをもとに、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する。
本発明のさらに別の態様は、特定方法である。この方法は、無線ネットワークを介して、道路上の複数箇所に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信するとともに、車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像を取得し、複数の撮像画像のそれぞれと参照画像とのパターンマッチングを実行することによって、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する。
道路上の複数箇所として、複数の交差点に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信し、車両に設置された撮像装置として、車両から後方を撮像するための撮像装置から、参照画像を取得し、複数の撮像画像のうち、交差点から本車両への方向を撮像した撮像画像と参照画像とのパターンマッチングを実行してもよい。
道路上の複数箇所として、複数の交差点を対象としており、第1の交差点に施設された撮像装置にて撮像された撮像画像と、第1の交差点に隣接した第2の交差点に施設された撮像装置にて撮像された撮像画像との組合せを受信し、車両に設置された撮像装置として、車両から前方を撮像するための撮像装置から、参照画像を取得し、組合せのうち、第2の交差点に施設された撮像装置にて、第2の交差点から第1の交差点への方向を撮像した撮像画像と参照画像とのパターンマッチングを実行することによって、第1の交差点を特定してもよい。車両の画像を参照画像として取得してもよい。特定した交差点における撮像画像を表示する表示部をさらに備えてもよい。
本発明のさらに別の態様もまた、特定方法である。この方法は、無線ネットワークを介して、道路上の複数箇所に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信するとともに、車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像を取得し、複数の撮像画像のそれぞれに付随された情報と参照画像に含まれた情報とをもとに、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、交差点等の道路上の所定の箇所を正確に特定できる。
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例は、自動車内に備えられたカーナビゲーション装置(以下、「カーナビ装置」という)と、自動車外、例えば交差点に施設されたカメラ(以下、「交差点用カメラ」という)によって構成される特定システムに関する。各交差点に施設された交差点用カメラは、交差点の状態が把握できるような撮像画像を撮像する。例えば、交差点を起点に分岐されている複数の道路の状態ができるような撮像画像が撮像される。また、交差点用カメラは、撮像した画像を交差点情報、あるいは配信情報として配信する。カーナビ装置は、複数の交差点カメラのそれぞれから交差点情報を受信する。また、自動車の後部には、後方を撮影するための車載カメラが設置されており、車載カメラは、参照画像を撮影する。カーナビ装置は、複数の交差点情報に含まれた撮像画像と参照画像とのパターンマッチングを実行することによって、交差点情報を特定するとともに、当該交差点情報に含まれた撮像画像を表示する。なお、以下の説明においては、説明を明瞭にするために、撮像画像および参照画像を静止画像のように説明するが、これらは動画像であってもよい。
ここでは、本実施例において使用される用語を説明する。「交差点情報」は、主に交差点における安全支援を目的とした情報であって、右折・左折先の映像や撮像画像を含み、交差点付近で配信するものである。交差点情報によって、自動車は、交差点に近づくと、交差点の死角になる部分の状態を事前に把握できる。「配信情報」は、交差点付近に施設された送信装置、あるいは交差点用カメラから配信される交差点情報を示す。なお、「交差点情報」と「配信情報」は、特に区別されなくてもよい。
「交差点用カメラ」は、交差点の信号機などに施設され、交差点付近の状態を撮像する撮影するためのカメラである。なお、前述のごとく、交差点用カメラは、交差点情報の配信機能を有してもよい。「車載器」は、交差点情報を受信・解析し、表示する装置である。ここでは、カーナビ装置として説明する。「車載カメラ」は、自動車に搭載されており、車外の状態を撮像するためのカメラである。車載カメラは、車内もしくは車外に設置されており、例えば、バックモニタ用のカメラに相当する。
図1は、本発明の実施例に係る特定システム100の構成を示す。特定システム100は、交差点A用カメラ10と総称される第1交差点A用カメラ10a、第2交差点A用カメラ10b、第3交差点A用カメラ10c、第4交差点A用カメラ10d、カーナビ装置12、交差点B用カメラ14と総称される第1交差点B用カメラ14a、第2交差点B用カメラ14b、第3交差点B用カメラ14c、第4交差点B用カメラ14d、車載用カメラ20を含む。
また、図示のごとく、交差点A24と交差点B26とが例示されており、交差点A24には、交差点A用信号機16と総称される第1交差点A用信号機16a、第2交差点A用信号機16b、第3交差点A用信号機16c、第4交差点A用信号機16dが施設され、交差点B26には、交差点B用信号機18と総称される第1交差点B用信号機18a、第2交差点B用信号機18b、第3交差点B用信号機18c、第4交差点B用信号機18dが施設される。また、交差点B26から交差点A24へ至る道路上を自動車22が走行する。ここで、自動車22には、車載用カメラ20、カーナビ装置12が設置されている。
また、交差点A用信号機16には、交差点A用カメラ10が設置されており、交差点B用信号機18には、交差点B用カメラ14が設置されている。なお、交差点A用カメラ10と交差点B用カメラ14とは、前述の「交差点用カメラ」に相当する。交差点は、交差点A24と交差点B26以外にも存在するが、説明を簡易にするために、ここでは、ふたつの交差点を説明の対象とする。交差点A用カメラ10、交差点B用カメラ14、車載用カメラ20は、それぞれ図示した矢印の方向の撮像画像を撮像する。
交差点A用カメラ10のそれぞれは、互いに方向の異なった撮像画像を撮像する。図示のごとく、自動車22は、右方向へ移動している。そのため、自動車22の運転者にとって、交差点A24に関する情報が必要であり、交差点B26に関する情報は必要でない。交差点A24に施設された4つの交差点A用カメラ10のうち、第1交差点A用カメラ10aは、自動車22の存在する方向を撮像し、第2交差点A用カメラ10bは、自動車22に対して左折方向を撮像し、第4交差点A用カメラ10dは、自動車22に対して右折方向を撮像する。さらに、第3交差点A用カメラ10cは、自動車22の進行方向を撮像する。
これらの撮像画像は、無線ネットワークによる通信によって、第1交差点A用カメラ10aに集約される。例えば、第2交差点A用カメラ10bは、撮像画像を第1交差点A用カメラ10aに送信する。また、第1交差点A用カメラ10aは、これらの撮像画像を組み合わせながら、配信情報を生成する。つまり、配信画像には、自動車22の運転者にとって、右折先、左折先、直進先の状態が理解できる撮像画像に加えて、交差点A24に向かってくる自動車22の方向を撮影した撮像画像が含まれている。また、交差点B26に施設された交差点B用カメラ14も、交差点A用カメラ10と同様の処理を実行する。このような、交差点用カメラは、道路上の複数箇所、例えば交差点ごとに施設される。
自動車22に設置されたカーナビ装置12は、配信情報を配信している交差点用カメラの配信エリアを走行すると、当該交差点用カメラから配信情報を受信する。交差点間の距離が近い場合、複数の交差点用カメラの配信エリア同士が重なり合う。ここで、カーナビ装置12は、第1交差点A用カメラ10aからの配信情報と、第1交差点B用カメラ14aからの配信情報とを受信する。つまり、カーナビ装置12は、道路上の複数箇所に施設された交差点用カメラと無線ネットワークを介して接続する。なお、カーナビ装置12と交差点用カメラ間の無線ネットワークにて使用される無線通信方式と、前述の交差点A用カメラ10間の無線ネットワークにて使用される無線通信方式とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、自動車22の後部には、車載用カメラ20が設置されており、車載用カメラ20は、自動車22の後方の方向への画像(以下、「参照画像」という)を撮像する。なお、第1交差点A用カメラ10aから見た自動車22の方向は、自動車22自身から見れば、後方の方向に相当する。そのため、第1交差点A用カメラ10aによって撮像された撮像画像と、参照画像には、同一の物体、例えば、建物が含まれる。カーナビ装置12は、撮像画像と参照画像とに対して、パターンマッチングを実行する。マッチングの結果が、予め定めたしきい値以上の結果であれば、自動車22は、当該撮像画像を撮像した交差点用カメラが所望の交差点に施設されていると判定し、当該撮像画像が含まれる配信情報を表示する。つまり、交差点A24が特定される。なお、以上の処理は、第1交差点B用カメラ14aから受信した配信情報に対してもなされる。
なお、カーナビ装置12は、マッチング結果、つまり進行方向と反対向きの画像も表示してもよい。また、参照画像は、必要であれば反転してからパターンマッチング処理を実行してもよい。これは、後方を向いた画像は、通常、バックギアに入れたときに後方の状況を表示するために用いられるため、バックミラーで見たときのように反転したものであることが多いからである。
図2は、交差点A用カメラ10の構成を示す。交差点A用カメラ10は、カメラ間通信部30、配信部32、制御部34、撮像部36を含む。また、交差点B用カメラ14等の他の交差点用カメラも同様の構成を有する。
撮像部36は、撮像画像を撮像する。撮像部36によって撮像される方向は、図1に図示した通りである。カメラ間通信部30は、撮像部36において撮像した撮像画像を他の交差点A用カメラ10に送信し、他の交差点A用カメラ10において撮像された撮像画像を受信する。なお、カメラ間通信部30は、無線LAN(Local Area Network)等の無線システムに対応する。ここでは、説明をより明瞭にするために、4つの交差点A用カメラ10のうちのひとつの交差点A用カメラ10、例えば、第1交差点A用カメラ10aに撮像画像が集約されるものとする。そのため、第1交差点A用カメラ10aのカメラ間通信部30は、受信機能を実行し、第2交差点A用カメラ10bから第4交差点A用カメラ10dのカメラ間通信部30は、送信機能を実行する。なお、送信は、ユニキャストとマルチキャストのどちらでもよい。
制御部34は、交差点A用カメラ10の動作を制御する。例えば、第2交差点A用カメラ10bから第4交差点A用カメラ10dの制御部34は、撮像部36において撮像された撮像画像をカメラ間通信部30に出力する。また、第1交差点A用カメラ10aの制御部34は、撮像部36において撮像した撮像画像と、カメラ間通信部30において撮像した撮像画像との組合せから、配信情報を生成する。つまり、撮像部36は、第1交差点A用カメラ10aから第4交差点A用カメラ10dのそれぞれにおいて撮像された撮像画像を組み合わせる。ここで、撮像部36は、複数の撮像画像を合成することによって、パノラマ画像を生成してもよい。また、制御部34は、交差点A24を特定するための情報を配信情報に含めてもよい。
配信部32は、無線ネットワークを介して図示しないカーナビ装置12へ、制御部34において生成した配信情報を配信する。なお、前述のごとく、無線ネットワークは、カメラ間通信部30での無線ネットワークと同一であってもよく、異なっていてもよい。また、配信は、マルチキャストあるいはブロードキャストにてなされる。配信部32の指向性は、予め定められてもよいが、ここでは、無指向性であるとする。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図3は、カーナビ装置12の構成を示す。カーナビ装置12は、参照画像取得部40、マッチング処理部42、撮像画像受信部44、表示部46、ナビゲーション処理部48を含む。
撮像画像受信部44は、無線ネットワークを介して、図示しない交差点用カメラ、例えば、交差点A用カメラ10、交差点B用カメラ14から配信情報を受信する。配信情報には、撮像画像が含まれるので、上記の受信は、道路上の複数箇所に施設された交差点用カメラのそれぞれにて撮像された撮像画像の受信に相当する。また、道路上の複数箇所は、図1のごとく、複数の交差点、例えば、交差点A24、交差点B26に相当する。ここで、無線通信は、図2の配信部32での方式と同一であるとする。撮像画像受信部44は、受信した配信情報をマッチング処理部42に出力する。
参照画像取得部40は、撮像画像受信部44において受信した配信情報のうち、複数の撮像画像のそれぞれと比較されるべき参照画像を取得する。参照画像取得部40は、図1の車載用カメラ20から、参照画像を取得する。つまり、参照画像は、図1の自動車22に設置された車載用カメラ20にて撮像される。ここで、車載用カメラ20は、自動車22から後方を撮像する。参照画像取得部40は、取得した参照画像をマッチング処理部42に出力する。
マッチング処理部42は、撮像画像受信部44において受信した配信情報のうちの複数の撮像画像のそれぞれと、参照画像取得部40において取得した参照画像とのパターンマッチングを実行する。特に、マッチング処理部42は、複数の撮像画像のうち、交差点から本車両への方向を撮像した撮像画像、つまり図1の第1交差点A用カメラ10aにおいて撮像された撮像画像と、参照画像とのパターンマッチングを実行する。ここで、パターンマッチングは、公知の技術によってなされればよいが、例えば、マッチング処理部42は、撮像画像を解析して画像の特徴点を抽出し、撮像画像の特徴点と参照画像の特徴点とを比較する。
なお、パターンマッチングは、これ以外の方法によってなされてもよく、例えば、特徴点を抽出せずに、撮像画像の画素値と参照画像の画素値とが比較されてもよい。マッチング処理部42は、マッチング結果がしきい値以上であれば、つまり参照画像と撮像画像との相関性が高ければ、当該撮像画像を撮像した交差点用カメラが所望の交差点用カメラであるとして、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する。
マッチング処理部42の処理を具体例とともに説明する。図4(a)−(d)は、マッチング処理部42において処理対象とされる撮像画像、参照画像を示す。図4(a)−(c)は、配信情報に含まれた撮像画像であり、図4(d)は、参照画像である。図4(a)は、図1の第4交差点A用カメラ10dにおいて撮像された撮像画像、つまり自動車22にとっての右折方向の撮像画像である。図4(b)は、図1の第1交差点A用カメラ10aにおいて撮像された撮像画像、つまり自動車22にとっての後方の撮像画像である。
図4(c)は、図1の第2交差点A用カメラ10bにおいて撮像された撮像画像、つまり自動車22にとっての左折方向の撮像画像である。図4(d)は、図1の車載用カメラ20において撮像した参照画像である。前述のごとく、マッチング処理部42は、図4(b)と図4(d)との間のパターンマッチング結果をもとに、前述の特定がなされる。なお、マッチング処理部42は、図4(b)を選択するために、図4(a)、図4(c)に対しても参照画像とのマッチングを実行する。図3に戻る。
表示部46は、ディスプレイによって構成されており、表示モードが画像モードである場合、マッチング処理部42において特定した交差点における撮像画像を表示する。なお、表示部46は、マッチング率、つまり信頼度を表示してもよい。また、表示部46は、表示モードがナビモードである場合、ナビゲーション処理部48によるナビゲーション結果や、地図情報を表示させる。このようなナビゲーション処理は、ナビゲーション処理部48によってなされるが、公知の技術であればよいので、ここでは説明を省略する。図5は、表示部46に表示される画像を示す。表示部46は、マッチング処理部42において特定した交差点での配信情報のうち、左折方向と右折方向に対応した撮像画像を表示する。左折方向の撮像画像は、図4(c)に相当し、右折方向の撮像画像は、図4(a)に相当する。
以上の構成による特定システム100の動作を説明する。図6は、交差点A用カメラ10による撮像画像の組合せの配送手順を示すシーケンス図である。第1交差点A用カメラ10aから第4交差点A用カメラ10dは、撮像画像をそれぞれ撮像する(S10からS16)。第2交差点A用カメラ10bから第4交差点A用カメラ10dは、第1交差点A用カメラ10aへ、撮像した撮像画像を送信する(S18からS22)。第1交差点A用カメラ10aは、配信情報として撮像画像の組合せを生成する(S24)。第1交差点A用カメラ10aは、組合せを配信する(S26)。
図7は、特定システム100による撮像画像の表示手順を示すシーケンス図である。第1交差点A用カメラ10aと第1交差点B用カメラ14aは、組合せをそれぞれ生成する(S40、S42)。カーナビ装置12は、参照画像を撮像する(S44)。第1交差点A用カメラ10aは、組合せをカーナビ装置12に配信する(S46)。カーナビ装置12は、組合せと参照画像とに対してパターンマッチング処理を実行する(S48)。第1交差点B用カメラ14aは、組合せをカーナビ装置12に配信する(S50)。カーナビ装置12は、組合せと参照画像とに対してパターンマッチング処理を実行する(S52)。カーナビ装置12は、パターンマッチング処理の結果、第1交差点A用カメラ10aから受信した組合せを選択する(S54)。カーナビ装置12は、選択した組合せに含まれた撮像画像を表示する(S56)。
図8は、第1交差点A用カメラ10aによる撮像画像の組合せの配送手順を示すフローチャートである。カメラ間通信部30が撮像画像を受信しなければ(S70のN)、制御部34は待機する。カメラ間通信部30が撮像画像を受信すれば(S70のY)、制御部34は、撮像画像を組合せに追加する(S72)。組合せが完成しなければ(S74のN)、ステップ70に戻る。一方、組合せが完成すれば(S74のY)、配信部32は、組合せを配信する(S76)。
図9は、カーナビ装置12による撮像画像の表示手順を示すフローチャートである。参照画像取得部40は、車載用カメラ20において撮像された参照画像を取得する(S90)。撮像画像受信部44は、組合せを受信する(S92)。マッチング処理部42は、組合せと参照信号とに対してパターンマッチング処理を実行する(S94)。撮像画像受信部44が他の組合せを受信すれば(S96のY)、ステップ94に戻る。撮像画像受信部44が他の組合せを受信しなければ(S96のN)、マッチング処理部42は、パターンマッチング処理の結果をもとに、ひとつの組合せを選択する(S98)。表示部46は、選択した組合せに含まれた撮像画像を表示する(S100)。
次に、本実施例の変形例を説明する。実施例において、参照画像は、車両の後部から後方を撮像した画像である。そのため、パターンマッチング処理の対象となる撮像画像は、交差点から自動車22への方向を撮像した画像になる。一方、変形例において、車両の前部から前方を撮像した画像である。そのため、パターンマッチング処理の対象となる撮像画像は、自動車22の後方の交差点から自動車22への方向を撮像した画像になる。つまり、変形例と実施例では、参照画像が異なるので、パターンマッチング処理の対象となる撮像画像も異なる。
図10は、本発明の変形例に係る特定システム100の構成を示す。図10に示されている構成要件は、図1と同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、説明を明確にするために、交差点A用カメラ10および交差点B用カメラ14における撮像の方向を示した矢印として、説明に必要なもののみが図示されている。実施例と同様に、交差点A24に対応した配信情報は、第1交差点A用カメラ10aから配信されている。なお、実施例での配信情報には、各交差点A用カメラ10において撮像された撮像画像が含まれている。
一方、変形例での配信情報には、交差点A用カメラ10において撮像された撮像画像に加えて、第3交差点B用カメラ14cにおいて撮像された撮像画像が含まれる。つまり、所定の交差点に隣接した交差点に施設された交差点用カメラにおいて撮像された撮像画像が含まれる。なお、第3交差点B用カメラ14cにおいて撮像された撮像画像は、自動車22の進行方向と逆側の交差点用カメラから、自動車22の方向を撮像した撮像画像に相当する。そのため、遮閉物がなければ、撮像画像には、自動車22の後部が撮像されている。
交差点A用カメラ10および交差点B用カメラ14の構成は、図2と同様のタイプである。なお、第3交差点B用カメラ14cのカメラ間通信部30は、第1交差点A用カメラ10aに、撮像部36において撮像した撮像画像を送信する。また、第1交差点A用カメラ10aのカメラ間通信部30は、第3交差点B用カメラ14cからの撮像画像を受信する。また、制御部34は、第3交差点B用カメラ14cからの撮像画像も含めながら、配信情報を生成する。
車載用カメラ20は、カーナビ装置12の前部に搭載しており、前方を撮像している。カーナビ装置12は、配信情報に含まれた撮像画像と、車載用カメラ20において撮像された参照画像とに対して、実施例と同様にパターンマッチングを実行する。第1交差点A用カメラ10aから配信された配信情報の場合、第3交差点B用カメラ14cにおいて撮像された撮像画像と、参照画像とのパターンマッチングが実行される。画像の違いを除けば、変形例の処理は、実施例の処理と同様である。
カーナビ装置12の構成は、図3と同様のタイプである。参照画像取得部40は、配信情報を受信する。前述のごとく、配信情報には、交差点A24に施設された交差点A用カメラ10にて撮像された撮像画像と、交差点A24に隣接した交差点B26に施設された交差点B用カメラ14にて撮像された撮像画像との組合せが含まれる。車載用カメラ20は、自動車22から前方を撮像するための自動車22から、参照画像を取得する。マッチング処理部42は、組合せのうち、第3交差点B用カメラ14cにおいて撮像した撮像画像と参照画像とのパターンマッチングを実行することによって、交差点A24を特定する。
以上の構成による特定システム100の動作を説明する。図11は、交差点A用カメラ10および交差点B用カメラ14による撮像画像の組合せの配送手順を示すシーケンス図である。第1交差点A用カメラ10aから第4交差点A用カメラ10d、第3交差点B用カメラ14cは、撮像画像をそれぞれ撮像する(S110からS118)。第2交差点A用カメラ10bから第4交差点A用カメラ10d、第3交差点B用カメラ14cは、第1交差点A用カメラ10aへ、撮像した撮像画像を送信する(S120からS126)。第1交差点A用カメラ10aは、配信情報として撮像画像の組合せを生成する(S128)。第1交差点A用カメラ10aは、組合せを配信する(S130)。
図12は、交差点A用カメラ10による撮像画像の組合せの配送手順を示すフローチャートである。カメラ間通信部30が撮像画像を受信しなければ(S140のN)、制御部34は待機する。カメラ間通信部30が撮像画像を受信し(S140のY)、かつ撮像画像が組合せの対象であれば(S142のY)、制御部34は、撮像画像を組合せに追加する(S144)。撮像画像が組合せの対象でなければ(S142のN)、制御部34は、ステップ144の処理をスキップする。組合せが完成しなければ(S146のN)、ステップ140に戻る。一方、組合せが完成すれば(S146のY)、配信部32は、組合せを配信する(S148)。
次に、本実施例の別の変形例を説明する。これまでは、パターンマッチングの結果に応じて配信情報を選択していた。しかしながら、別の変形例では、信号機のそれぞれに対して互いに異なった識別情報が付与されており、信号機は、点灯する際に、識別情報に応じた変調を実行する。また、配信情報には、識別情報が含まれる。カーナビ装置12は、配信情報に付加された識別情報を抽出するとともに、参照画像から識別情報を抽出する。両者が一致した場合に、カーナビ装置12は、所望の交差点を特定し、特定した交差点に対応した撮像画像を表示する。
別の変形例に係る特定システム100は、図10と同様のタイプである。交差点A24に施設された交差点A用信号機16と、交差点B26に施設された交差点B用信号機18とは、赤、青、黄の表示灯を高速に点滅させながら表示する。この点滅は、人の目では関知できないほどに高速であり、識別情報に応じて変調された信号に相当する。交差点A用カメラ10、交差点B用カメラ14、車載用カメラ20は、交差点A用信号機16あるいは交差点B用信号機18を含めながら撮像を実行する。また、第1交差点A用カメラ10aは、配信情報に信号機の識別情報も含める。
自動車22に設置された車載用カメラ20は、前方を向きながら参照画像を撮影する。また、カーナビ装置12は、参照画像に撮像された信号機を抽出し、信号機によって示されている識別番号を読み取る。カーナビ装置12は、配信情報を受信し、配信情報に含まれた識別番号が、直接読み取った識別番号と一致すれば、当該配信情報を表示する。つまり、カーナビ装置12は、複数の撮像画像のそれぞれに付随された識別情報と、参照画像に含まれた情報とをもとに、交差点を特定する。
図13は、本発明の別の変形例に係るカーナビ装置12の構成を示す。カーナビ装置12は、参照画像取得部40、撮像画像受信部44、解析部60、表示部46、ナビゲーション処理部48を含む。
撮像画像受信部44は、これまでと同様に、配信情報を受信する。なお、前述のごとく、配信情報には、当該配信情報を配信した交差点用カメラの識別番号が含まれている。解析部60は、参照画像取得部40において撮像した参照画像の中から、信号機の部分を抽出し、信号機からの点滅信号を復調することによって、識別番号を読み出す。復調には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。解析部60は、参照画像に含まれた識別情報と、配信情報に含まれた識別情報とを比較する。両者が一致している場合に、解析部60は、当該配信情報に対応した交差点を特定する。
以上の構成によるカーナビ装置12の動作を説明する。図14は、カーナビ装置12による撮像画像の表示手順を示すフローチャートである。参照画像取得部40は、車載用カメラ20において撮像された参照画像を取得する(S160)。解析部60は、参照画像に含まれた識別情報を抽出する(S162)。撮像画像受信部44は、配信情報を受信する(S164)。解析部60は、配信情報から識別情報を抽出する(S166)。解析部60において、参照画像に含まれた識別情報と、配信情報から抽出した識別情報とが一致すれば(S168のY)、表示部46は、選択した配信情報に含まれた撮像画像を表示する(S170)。一方、解析部60において、参照画像に含まれた識別情報と、配信情報から抽出した識別情報とが一致しなければ(S168のN)、ステップ164に戻る。
このような別の変形例において、交差点用カメラにおいて撮像した撮像画像には、別の信号機が含まれている場合がある。その際、交差点用カメラは、カーナビ装置12と同様に、撮像画像に撮像された信号機を抽出し、当該信号機によって示されている識別情報を読み取る。また、交差点用カメラは、配信情報に、自らの識別情報を含めるとともに、読み取った他の信号機の識別情報も含める。また、交差点用カメラは、配信情報を配信する。一方、カーナビ装置12は、参照画像に含まれた複数の信号機を抽出し、それぞれに対応した識別番号を読み取る。また、カーナビ装置12は、配信情報に含まれた複数の交差点の識別情報を取得し、それらの識別番号と、読み取った識別番号との一致を調べる。その結果をもとに、カーナビ装置12は、交差点を特定してもよい。
次に、本実施例のさらに別の変形例を説明する。さらに別の変形例では、実施例と同様に、交差点用カメラが、撮像した画像を交差点情報、あるいは配信情報として配信するとともに、カーナビ装置が、複数の交差点カメラのそれぞれから交差点情報を受信する。また、自動車の後部には、後方を撮影するための車載カメラが設置されており、車載カメラは、参照画像を撮影する。カーナビ装置は、複数の交差点情報に含まれた撮像画像と参照画像とのパターンマッチングを実行することによって、交差点情報を特定するとともに、当該交差点情報に含まれた撮像画像を表示する。一方、さらに別の実施例では、本自動車の進行方向であって、当該方向に設置された交差点カメラとの間に大型車が存在する場合を想定する。ここで、大型車には、バスやトラックが含まれる。
このような状況において、参照画像には、大型車が含まれておらず、撮像画像には、大型車が含まれている。また、一般的に、撮像画像において大型車の面積が占める面積は、ある程度の大きさになるので、パターンマッチングに失敗が発生しやすくなる。これに対応するため、さらに別の変形例は、以下の処理を実行するが、(1)大型車の存在を推定するための処理、(2)大型車が存在するためにパターンマッチングの失敗確率を低減するための処理に分けて説明する。
図15は、本発明のさらに別の変形例に係る特定システム100の構成を示す。図15に示した特定システム100は、図1に大型車70、車載用カメラ72が追加された構成となっている。そのため、図1と重複する部分について、ここでは説明を省略する。図示のごとく、自動車22の進行方向、つまり、自動車22と交差点A24との間に、大型車70が走行している。その結果、第1交差点A用カメラ10aにおいて撮像される撮像画像には、大型車70が含まれている。また、大型車70は自動車22よりも大きく、かつ大型車70は自動車22よりも第1交差点A用カメラ10aに近いので、撮像画像において大型車70の占める面積がある程度大きくなる。一方、車載用カメラ20において撮像される参照画像には、大型車70が含まれていない。そのため、大型車70の有無によって、撮像画像と参照画像とは、本来同一の方向を撮像していても、パターンマッチングがなされなくなる。
これに対応するため、自動車22には、進行方向の参照画像(以下、「前向き参照画像」という)を撮像するための車載用カメラ72が備えられている。カーナビ装置12は、前向き参照画像をもとに、前方に大型車が存在するかを判定する。この判定のために使用される処理が前述の(1)に相当する。大型車が存在しない場合、カーナビ装置12は、実施例と同様に、交差点A24を特定する。一方、大型車が存在する場合、カーナビ装置12は、実施例と異なった処理によって、交差点A24を特定する。この特定のために使用される処理が前述の(2)に相当する。なお、さらに別の変形例に係る交差点A用カメラ10の構成は、図2と同様のタイプであり、さらに別の変形例に係るカーナビ装置12の構成は、図3と同様のタイプである。
まず、(1)を説明する。カーナビ装置12の参照画像取得部40は、前向き参照画像を取得する。マッチング処理部42は、前向き参照画像に対して、一定の範囲内に含まれている画素値が占める割合を導出する。マッチング処理部42は、参照画像中のうち、予め定めた座標での画素値を取得する。予め定めた座標とは、例えば、参照画像の中心の座標である。また、マッチング処理部42は、当該画素値が中央になるように一定の範囲を設定する。さらに、マッチング処理部42は、一定の範囲に含まれる座標の数を前向き参照画像内にて計算し、計算結果をもとに、一定の範囲内に含まれている画素値が前向き参照画像に占める割合を導出する。ここで、予め定めた座標が複数存在してもよく、この場合、前述の処理が並行して実行される。
マッチング処理部42は、導出した割合としきい値とを比較し、割合がしきい値以上になれば、前方に大型車が存在すると推定する。例えば、前方にトラック等の大型車が存在する場合、前向き参照画像に占められるトラックの割合は、ある程度大きくなると予想される。トラックの塗装がある程度均一ならば、前向き参照画像での画素値はある程度の範囲におさまると予想される。このような状況を想定して、前述の処理が実行される。なお、一定の範囲およびしきい値は、実験等をもとに予め定められればよい。
図16は、本発明のさらに別の変形例に係る大型車存在の推定手順を示すフローチャートである。前向き参照画像のうち、一定範囲の部分がしきい値以上になれば(S200のY)、マッチング処理部42は、前夫に大型車が存在すると推定する(S202)。一方、前向き参照画像のうち、一定範囲の部分がしきい値以上にならなければ(S200のN)、マッチング処理部42は、処理を終了する。
次に、(2)を説明する。前方に大型車が存在すると推定した後、マッチング処理部42は、実施例と同様に、複数の撮像画像のそれぞれと、参照画像とのパターンマッチングを実行する。しかしながら、前述のごとく、マッチングされるべき撮像画像だけに大型車が含まれているので、大型車が含まれていない場合と比較して、撮像画像と参照画像との相違が大きくなる。そのため、マッチング処理部42は、予め中央部分をパターンマッチングの対象から除外する。つまり、当該部分に、大型車が含まれている可能性が大きくなるので、それ以外の部分でのパターンマッチング処理が実行される。
図17は、本発明のさらに別の変形例に係る撮像画像の表示手順を示すフローチャートである。前方に大型車が存在すれば(S210のY)、マッチング処理部42は、マッチングの範囲を限定する(S212)。一方、前方に大型車が存在しなければ(S210のN)、マッチング処理部42は、処理を終了する。なお、除外すべき部分は、撮像画像と参照画像との中央部分に限定されない。少なくとも撮像画像と参照画像との一部分、特に大型車が含まれる可能性の高い部分が除外されればよい。
さらに、別の(2)を説明する。前方に大型車が存在すると推定した場合、マッチング処理部42は、実施例と異なり、参照画像を使用しない。マッチング処理部42は、前向き参照画像に対して、文字認識処理を実行することによって、前向き参照画像に含まれる大型車の車両番号を特定する。なお、文字認識処理には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。一方、マッチング処理部42は、複数の撮像画像のそれぞれに対しても、文字認識処理を実行することによって、車両番号を抽出する。マッチング処理部42は、前向き参照画像において特定された車両番号が複数の撮像画像に含まれている場合に、交差点A24を特定する。
図18は、本発明のさらに別の変形例に係る撮像画像の表示手順を示すフローチャートである。参照画像取得部40は、車載用カメラ20において撮像された参照画像、前向き参照画像を取得する(S220)。撮像画像受信部44は、組合せを受信する(S222)。前方に大型車が存在する場合(S224のY)、マッチング処理部42は、前向き参照画像から車両番号を特定する(S226)。また、マッチング処理部42は、撮像画像から車両番号を特定する(S228)。前向き参照画像での車両番号と、撮像画像での車両番号とが一致しなければ(S230のN)、マッチング処理部42は、ステップ228に戻る。一方、前向き参照画像での車両番号と、撮像画像での車両番号とが一致すれば(S230のY)、マッチング処理部42は、ひとつの組合せを選択する(S236)。
前方に大型車が存在しない場合(S224のN)、マッチング処理部42は、組合せと参照信号とに対してパターンマッチング処理を実行する(S232)。撮像画像受信部44が他の組合せを受信すれば(S234のY)、ステップ232に戻る。撮像画像受信部44が他の組合せを受信しなければ(S234のN)、マッチング処理部42は、パターンマッチング処理の結果をもとに、ひとつの組合せを選択する(S236)。表示部46は、選択した組合せに含まれた撮像画像を表示する(S238)。
本発明の実施例によれば、撮像した撮像画像と参照画像とのパターンマッチングによって、交差点を特定するので、最新の情報を使用でき、交差点を正確に特定できる。また、パターンマッチングを使用するので、道路の情報の記憶を不要にし、交差点等の道路上の所定の箇所を正確に特定できる。また、パターンマッチングを使用するので、自車が撮像されていなくても、交差点を正確に特定できる。また、交差点から本車両への方向を撮像した撮像画像を使用しており、車両の付近が撮像され、かつ交差点と車両までの距離が短いので、パターンマッチングの精度を向上できる。また、隣接した交差点から処理の交差点への方向を撮像した撮像画像を使用しており、車両が撮像され、かつ交差点と車両までの距離が短いので、パターンマッチングの精度を向上できる。また、交差点の情報を運転者に通知できる。また、配信情報に含まれた識別情報と、撮像した参照画像から抽出した識別情報をもとに、交差点を特定するので、道路の情報の記憶を不要にし、交差点を正確に特定できる。
また、複数の交差点のそれぞれに対する識別情報を使用しながら交差点を特定するので、特定精度を向上できる。また、前向き参照画像において、同一範囲内の画素値が占める割合をもとに、大型車の存在を推定するので、推定を簡易に実行できる。また、大型車が存在する場合に、大型車が存在しそうな部分をパターンマッチングの対象から除外するので、パターンマッチングの精度を向上できる。また、大型車が存在する場合に、前向き参照画像と撮像画像に含まれた車両番号をもとに、マッチングを実行するので、マッチングの精度を向上できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、交差点A用信号機16、交差点B用信号機18等の信号機は、識別情報に応じて変調された点灯信号を送信している。しかしながらこれに限らず例えば、交差点A用信号機16、交差点B用信号機18等の信号機に、LEDなどのランプが設置されてもよい。カーナビ装置12は、参照画像に撮像されたLEDランプの色と、配信情報に含まれる「LEDランプの色情報」が一致すれば、交差点を特定する。その際、LEDの色であれば運転者の目でも直接確認できるため、表示部46は、その色を表示してもよい。本変形例によれば、点灯信号を変調しなくてもよいので、処理を簡易にできる。また、交差点A用カメラ10は、信号機の識別情報ではなく、現在の信号機の色を配信情報に含め、カーナビ装置12は、参照画像に含まれた信号機の色と、配信情報に含まれる信号機の色情報とが一致していれば、交差点を特定してもよい。本変形によれば、より簡単な構成で実現することができる。
本発明の実施例において、カーナビ装置12は、車載用カメラ20において撮像された参照画像を使用する。しかしながらこれに限らず、カーナビ装置12は、参照画像を予め記憶しておいてもよい。マッチング処理部42は、自動車22の後部あるいは自動車22の前部の画像を参照画像として予め記憶する。ここでの参照画像とは、所望の交差点A用カメラ10あるいは交差点B用カメラ14によって撮像される物体が含まれた画像であり、表示対象物の色、形状等の特徴データである。これらの参照画像は、カーナビ装置12の出荷時に設定されており、ユーザによって設定されない。そのため、参照画像には、背景部分が含まれず、自動車22の後部あるいは前部だけが含まれる。
マッチング処理部42は、受信した配信情報に含まれた撮像画像と、予め記憶した参照画像との間においてパターンマッチングを実行することによって、参照画像が撮像画像に含まれているかを判定する。参照画像が撮像画像に含まれている場合とは、例えば、撮像画像の中に、自動車22の後部が含まれていることである。参照画像が撮像画像に含まれていれば、マッチング処理部42は、交差点A用カメラ10や交差点B用カメラ14において新たに撮像される撮像画像に変化が生じるような処理を実行する。ここで、新たに撮像される撮像画像に変化が生じるような処理とは、最終的に撮像される撮像画像に視覚的な変化が生じるような処理である。ここでは、マッチング処理部42は、図示しない通信部を介して交差点A用カメラ10や交差点B用カメラ14に対して、撮像画像に変化が生じるような処理の実行を指示する。
例えば、交差点A用カメラ10や交差点B用カメラ14の上下方向を変えるようなチルト角の変化や、交差点A用カメラ10や交差点B用カメラ14の左右方向を変えるようなパンや、交差点A用カメラ10や交差点B用カメラ14における撮像部36の倍率を変えるようなズームの変更が、指示内容に含まれる。つまり、指示内容は、交差点A用カメラ10や交差点B用カメラ14を操作することに相当する。マッチング処理部42は、このような指示を指示信号として交差点A用カメラ10や交差点B用カメラ14に送信する。
マッチング処理部42は、指示の実行中、撮像画像受信部44において交差点A用カメラ10や交差点B用カメラ14から新たな撮像画像を受信する。また、マッチング処理部42は、受信した新たな撮像画像に、指示に対応した変化が生じているかを確認する。例えば、指示の内容が交差点A用カメラ10や交差点B用カメラ14の方向を下方に変更するものである場合、撮像画像に含まれた参照画像の部分は、相対的に上方に移動すべきである。そのため、マッチング処理部42において抽出した参照画像の特徴点が、既に抽出した撮像画像の特徴点よりも、画像の上方に存在する場合、マッチング処理部42は、受信した新たな撮像画像に、指示に対応した変化が生じていると結論づける。本変形例によれば、カーナビ装置12は、2段階の判定を実行することによって、所望の交差点A用カメラ10を特定するので、特定の精度を向上できる。
なお、カーナビ装置12は、2段階の判定を実行せず、最初の判定のみを実行することによって、所望の交差点A用カメラ10を特定してもよい。その際、複数の撮像画像に自車が撮像されている場合、カーナビ装置12は、撮像画像中の自車の大きさが最大である撮像画像を選択する。本変形例によれば、処理を簡易にできる。
本発明の実施例において、第1交差点A用カメラ10a等が、撮像画像を集約した後に、配信情報を配信する。しかしながらこれに限らず例えば、4つの交差点A用カメラ10に接続された送信装置が設けられ、送信装置が、撮像画像を集約した後に、配信情報を配信してもよい。また、4つの交差点A用カメラ10が、撮像した撮像画像を配信してもよい。また、4つの交差点A用カメラ10が、撮像画像を集約した後に、配信情報を配信してもよい。
本発明の実施例において、第1交差点A用カメラ10aは、例えば、図8のステップ74において組合せが完成すれば、組合せが含まれた配信情報を配信する。しかしながらこれに限らず例えば、第1交差点A用カメラ10aは、組合せが完成しなくても、当該組合せが含まれた配信情報を配信してもよい。その際、第1交差点A用カメラ10aは、不足している撮像画像について、その旨の情報を配信情報に含める。例えば、黒色等の一色にて示される画像が含まれたり、画像の内容が「NULL」として含まれる。また、第1交差点A用カメラ10aは、所定期間を規定し、前回配信情報を配信してからの期間が所定期間を超えたときに、配信情報を配信してもよい。本変形例によれば、例えば右折方向だけなど、組合せの中のひとつだけでも提供することによって、何もない場合よりも、運転者に対して運転を補助できる。また、第1交差点A用カメラ10a以外の交差点A用カメラ10からの撮像画像がない場合であっても、第1交差点A用カメラ10aからの撮像画像を配信することによって、運転者に「次の交差点A24の右左折情報は現在配信されていないので、注意して走行する必要がある」との警告を通知できる。
本発明の実施例において、カーナビ装置12は、例えば、図9のステップ98において、ひとつの組合せを選択する。しかしながらこれに限らず例えば、マッチング処理部42は、マッチング結果をしきい値比較し、比較結果をもとに選択しなくてもよい。例えば、マッチング結果による信頼度が50%以上であれば、表示部46は、信頼度とともに撮像画像を表示するが、それ以外の場合、表示部46は、表示を行わない。その際、表示部46は、運転者からの指示に応じて撮像画像を表示すればよい。本変形例によれば、選択の信頼度を向上できる。
10 交差点A用カメラ、 12 カーナビ装置、 14 交差点B用カメラ、 16 交差点A用信号機、 18 交差点B用信号機、 20 車載用カメラ、 22 自動車、 24 交差点A、 26 交差点B、 40 参照画像取得部、 42 マッチング処理部、 44 撮像画像受信部、 46 表示部、 48 ナビゲーション処理部、 60 解析部、 100 特定システム。
Claims (10)
- 無線ネットワークを介して、道路上の複数箇所に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信する受信部と、
前記受信部において受信した複数の撮像画像のそれぞれと比較されるべき参照画像であって、かつ車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像を取得する取得部と、
前記取得部において取得した参照画像と、前記受信部において受信した複数の撮像画像のそれぞれとのパターンマッチングを実行することによって、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する選択部と、
を備えることを特徴とする特定装置。 - 前記受信部は、道路上の複数箇所として、複数の交差点に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信し、
前記取得部は、車両に設置された撮像装置として、車両から後方を撮像するための撮像装置から、参照画像を取得し、
前記選択部は、複数の撮像画像のうち、交差点から本車両への方向を撮像した撮像画像と参照画像とのパターンマッチングを実行することを特徴とする請求項1に記載の特定装置。 - 前記受信部は、道路上の複数箇所として、複数の交差点を対象としており、第1の交差点に施設された撮像装置にて撮像された撮像画像と、第1の交差点に隣接した第2の交差点に施設された撮像装置にて撮像された撮像画像との組合せを受信し、
前記取得部は、車両に設置された撮像装置として、車両から前方を撮像するための撮像装置から、参照画像を取得し、
前記選択部は、組合せのうち、第2の交差点に施設された撮像装置にて、第2の交差点から第1の交差点への方向を撮像した撮像画像と参照画像とのパターンマッチングを実行することによって、第1の交差点を特定することを特徴とする請求項1に記載の特定装置。 - 本特定装置が備えられた車両の画像を参照画像として記憶する記憶部をさらに備え、
前記取得部は、前記記憶部に記憶された参照画像を取得することを特徴とする請求項1に記載の特定装置。 - 前記選択部において特定した交差点における撮像画像を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の特定装置。
- 無線ネットワークを介して、道路上の複数箇所に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信する受信部と、
前記受信部において受信した複数の撮像画像のそれぞれと比較されるべき参照画像であって、かつ車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像を取得する取得部と、
前記取得部において取得した参照画像に含まれた情報と、前記受信部において受信した複数の撮像画像のそれぞれに付随された情報とをもとに、少なくともひとつの道路上の箇所を特定する選択部と、
を備えることを特徴とする特定装置。 - 道路上の複数箇所に施設された撮像装置と、
前記道路上の複数箇所に施設された撮像装置と無線ネットワークを介して接続する特定装置とを備え、
前記特定装置は、撮像装置から受信した複数の撮像画像のそれぞれと、車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像とのパターンマッチングを実行することによって、少なくともひとつの道路上の箇所を特定することを特徴とする特定システム。 - 道路上の複数箇所に施設された撮像装置と、
前記道路上の複数箇所に施設された撮像装置と無線ネットワークを介して接続する特定装置とを備え、
前記特定装置は、撮像装置から受信した複数の撮像画像のそれぞれに含まれた情報と、車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像に含まれた情報とをもとに、少なくともひとつの道路上の箇所を特定することを特徴とする特定システム。 - 無線ネットワークを介して、道路上の複数箇所に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信するとともに、車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像を取得し、複数の撮像画像のそれぞれと参照画像とのパターンマッチングを実行することによって、少なくともひとつの道路上の箇所を特定することを特徴とする特定方法。
- 無線ネットワークを介して、道路上の複数箇所に施設された撮像装置のそれぞれにて撮像された撮像画像を受信するとともに、車両に設置された撮像装置にて撮像された参照画像を取得し、複数の撮像画像のそれぞれに付随された情報と参照画像に含まれた情報とをもとに、少なくともひとつの道路上の箇所を特定することを特徴とする特定方法。
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- 2007-10-18 JP JP2007271403A patent/JP2008159031A/ja active Pending
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