JP2008152374A - 画像システム、撮影方位特定装置、撮影方位特定方法、プログラム - Google Patents

画像システム、撮影方位特定装置、撮影方位特定方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】地図データや地形データから撮影方向や被写体を特定できる画像システム、撮影方位特定装置、撮影方位特定方法、プログラムを提供すること。
【解決手段】サイトサーバー100は、カメラ1から送信された位置情報P、画角情報Zつきの画像データを受信する。サイトサーバー100の画像プロファイル部103aが画像データの輪郭を抽出して画像プロファイルを作成し、参照プロファイル部103bが地図データが格納されたデータベース105から、撮影の位置情報Pを画角情報Zにより参照プロファイルを作成する。被写体特定部103が、画像プロファイルと一致する参照プロファイルを撮影位置を中心にして検索して、撮影方位を特定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、地図や地形等の情報との比較によって撮影された被写体を特定する技術に関する。
近年、地図を有効なコンテンツとして、ナビゲーションや詳細情報の取得に応用するサービスが増加している。また、航空写真や人工衛星から取得されたデータを基に地球上のあらゆる場所を画像化することが可能になっている。こうしたインフラ環境の構築と共に、それを付随させた撮影画像を関連付けて楽しむ鑑賞方法が提案されている。
また、人工衛星が発する電波を検出して地図上の位置と対応付ける、いわゆるGPS(Global Positioning System)の技術なども、ナビゲーションのシステムでは広く利用されている。このGPS技術はカメラにも応用される。このGPS情報による撮影位置から、被写体を特定するシステムも提案されている。
その1つに、携帯カメラから撮影時の位置データと方位データを画像データに添付して送信し、サービスサーバーがそのデータによってデータベースから地図データを作成保存し、携帯電話ではその地図データを取得できるシステムが提案されている(特許文献1)。
また、撮影時の位置情報と方位情報に基づいてデータベースから参照情報を選択して、撮影画像とこの参照画像をパターンマッチングで比較させて、撮影画像に地名や名称を付加して記録するという画像処理装置も提案されている(特許文献2)。
特開2005−039702号公報 特開2001−036842号公報
上記特許文献1または2で紹介したように、撮影した被写体の名称等の情報が取得できれば便利である。しかし、上記提案の内容は、GPSの情報や方位の情報の誤差が十分に少ないことを前提にしているが、しかし現実には測定の誤差は少なくなく、そのままではデータの誤差が直接被写体特定の誤差につながる。
また、特許文献2で紹介した画像処理装置では、画像のデータベースを利用することから、大量のデータベースを蓄積しておくことが必要になる。これは、サーバーにとって大きな負担となる。
本願発明は、上記課題に鑑み、地図データや地形データから撮影方向あるいは被写体を特定できる画像システム、撮影方位特定装置、撮影方位特定方法、プログラムを提供することを目的とする。
上記目的達成のために、第1の発明による画像システムは、カメラと、このカメラによって撮影された被写体情報を特定するサーバーからなる画像システムにおいて、
上記カメラは、被写体を撮影する撮影部と、上記撮影時のカメラの位置を検出する位置検出部と、上記撮影時の画角情報と撮影時のカメラの位置情報を撮影画像とともに上記サーバーに送信する送信部を備え、
上記サーバーは、撮影画像からその背景形状である画像プロファイルを作成する画像プロファイル部と、上記画像プロファイルとの比較のための参照プロファイルを、地形に関するデータベースから撮影位置と撮影画角に応じて作成する参照プロファイル部と、撮影位置を中心にして角度を変化させながら上記参照プロファイル部に参照プロファイルを作成させて、作成された各参照プロファイルと画像プロファイルを比較して撮影方位を特定する被写体特定部を備える。
また、第2の発明による画像システムは、第1の発明に加えて、上記画像プロファイル部は、上記画像プロファイルとして撮影画像の背景の輪郭形状を作成し、上記参照プロファイル部は、上記地形に関するデータベースとして2次元地図データを使用し、この2次元地図データベースから参照プロファイルとして背景の輪郭形状を作成する。
また、第3の発明による撮影方位特定装置は、カメラによって撮影された撮影方位を特定する撮影方位特定装置において、撮影画像からその背景形状である画像プロファイルを作成する画像プロファイル部と、上記画像プロファイルとの比較のための参照プロファイルを、地形に関するデータベースから撮影位置と撮影画角に応じて作成する参照プロファイル部と、撮影位置を中心にして角度を変化させながら上記参照プロファイル部に参照プロファイルを作成させて、作成された各参照プロファイルと画像プロファイルを比較して撮影方位を特定する被写体特定部を備える。
また、第4の発明による撮影方位特定方法は、カメラによって撮影された撮影方位を特定する撮影方位特定方法において、撮影画像からその背景形状である画像プロファイルを作成し、上記画像プロファイルとの比較のための参照プロファイルを、地形に関するデータベースから撮影位置と撮影画角に応じて作成し、撮影位置を中心にして角度を変化させながら上記参照プロファイルを作成して、作成された各参照プロファイルと画像プロファイルを比較して撮影方位を特定する。
また、第5の発明によるプログラムは、カメラによって撮影された撮影方位を特定する撮影方位特定方法をサイトサーバーのコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
撮影画像からその背景形状である画像プロファイルを作成するステップと、上記画像プロファイルとの比較のための参照プロファイルを、地形に関するデータベースから撮影位置と撮影画角に応じて作成するステップと、撮影位置を中心にして角度を変化させながら上記参照プロファイル部に参照プロファイルを作成させて、作成された各参照プロファイルと画像プロファイルを比較して撮影方位を特定するステップを備える。
本発明によれば、地図データや地形データから撮影方向あるいは被写体を特定できる画像システム、撮影方位特定装置、撮影方位特定方法、プログラムを提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1から図10を用いて第1実施形態を説明する。図1は、本発明が適用される画像システムの全体ブロック図である。このシステムは、カメラ1とサイトサーバー100から主に構成される。
カメラ1には撮影レンズ2、AF部12、撮像素子3、AFE(アナログフロントエンド)部4、画像処理部5、記録再生部6及びメモリ7が設けられる。撮影レンズ2は、ズームレンズを有し、入射した被写体20の像を撮像素子3に結像する。AF部12は、アクチュエータや位置エンコーダを有し、撮影レンズ2内のピントレンズの移動を制御する。撮像素子3は、CCDやCMOSからなり、結像された被写体像を画像信号に変換する。AFE部4は、撮像素子3からの画像信号を読み出し、読み出した画像信号にAGC(Automatic Gain Control)処理やCDS(Correlated Double Sampling)処理やAD(Analog to Digital)変換等してデジタルの画像データとして出力する。またAFE部4は、撮像素子3の駆動も制御する。
画像処理部5は、内部に圧縮部や伸張部等が設けられ、AFE部4から出力された画像データに対して色補正や信号圧縮、伸張などの処理を行う。圧縮部は、画像データを記録するための例えばJPEG(Joint Photographic Expert Group)圧縮やMPEG(Motion Picture Experts Group)圧縮を行い、また音声圧縮の機能も有する。伸張部は、圧縮された画像データを元に戻す処理を行う。また、AF部12は、画像処理部5からの画像のコントラスト値に基づいて合焦位置を検出し、このピントレンズを移動させる。
記録再生部6は、画像処理部5で画像処理された画像データをメモリ7に記録し、またメモリ7に記録された画像データを再生する。記録再生部6は、画像データの記録に際して、ズーム位置に対応する撮影画角情報Z、被写体距離情報Z,位置情報P及び時間情報T等をメモリ7に記録する。なお、これらの情報は後述するMPU10から出力される。記録再生部6は、また後述する音声処理部からの音声データをメモリ7に記録する音声記録機能も備える。
メモリ7は、フラッシュメモリやハードディスクからなる不揮発性のメモリである。メモリ7には、圧縮処理された画像データや音声データが記録される。また、前述のように位置情報Pや時間情報Tが、撮影画像とともにあるいは随時検出取得されて記録される。
また、カメラ1には、表示制御部8、表示部9が設けられる。表示制御部8は、画像処理部5によって画像処理された画像を表示部9へ表示するための制御を行う。表示部9は、例えばLCDから構成され、撮影時にモニタ画像を表示し、再生時には伸張処理された記録画像を表示する。
また、カメラ1には、ストロボ部11、マイク部14及び音声処理部15が設けられる。ストロボ部11は、暗い場合に発光して被写体に補助光を与える。マイク部14は、撮影時の音声情報を検出する。音声処理部15は、マイク部14で検出された音声信号をデジタル化して、記録再生部6に出力する。
また、カメラ1には、GPS部17、時計部18、アンテナ部19a、送受信部19bが設けられる。GPS部17は、衛星200からの電波を受信するGPSアンテナ17bやその信号より地図上の位置を検出するための検出部17aを有する位置検出部である。GPS部17は、撮影した場所を特定するための位置情報PをMPU10に出力する。時計部18はクロック回路を有し、撮影した日時を記録しておくために時間情報TをMPU10に出力する。
アンテナ部19aと送受信部19bは、ネットワーク160を介して外部のサイトとの通信用に設けられる。なお、カメラ1に通信手段は必須ではなく、通信手段が設けられていないカメラ1では、PC(Personal Computer)経由で通信をおこなうようにしてもよい。送受信部19bはアンテナ19aからの入力信号の受信や送信信号の発信を制御する。
そして、カメラ1には、MPU10、ROM13及び操作部16が設けられる。MPU10は、プログラムに従って撮影や再生等カメラ1の全体の制御を司る制御部である。ROM13は、不揮発性でかつ記録可能なメモリで例えばフラッシュROMからなり、カメラ処理を行う制御用のプログラムが格納される。
そして、MPU10には記録制御部10aが備わる。これは、プログラムに従って処理を実行するMPU10が適宜記録制御部10aとして動作することを意味する。記録制御部10aは、記録再生部6を制御するもので、撮影時の位置情報P、時間情報T、画角情報Z等を画像データとともにメモリ7に記録させる。操作部16は、一例としてレリーズスイッチ16a、モードスイッチ16b、位置検出スイッチ16cのスイッチを有し、撮影者の指示をMPU10に通知する。
また、GPSシステムは微弱な人工衛星の信号を受信して位置検出するシステムなので、ビルの中や影では正確な位置検出ができないが、このようなときには、MPU10は、時計情報も参照して、撮影時のポイントを類推するようにもしている。
カメラ1から直接またはPCを経由して送信された画像データは基地局150で受信されて、基地局150からネットワーク160を経由して予め契約されたサービスサイトのサイトサーバー100に送られる。通信はPC経由の有線システムでも当然よい。
サイトサーバー100は、プログラムに基づいて全体を制御するCPU101、カメラ1等とデータの送受信を行う送受信部102、被写体を特定する被写体特定部103、画像データ等を記憶する記憶部104、地形に関するデータが予め格納されているデータベース105、合成地図作成部106がそれぞれ設けられる。
被写体特定部103は、画像プロファイル部103aと参照プロファイル部103bを有する。画像プロファイル部103aは、撮影画像からその背景形状である画像プロファイルを送信されてきた撮影画像に基づいて作成する。参照プロファイル部103bは、撮影位置情報Pから撮影画角Zの範囲で見た場合の輪郭形状である参照プロファイルを、上記撮影画角Zとカメラの位置情報Pを用いてデータベース105から作成する。そして、被写体特定部103は撮影位置を中心にして角度を変化させながら上記参照プロファイル部に参照プロファイルを作成させて、作成された各参照プロファイルと画像プロファイルを比較して撮影方位を特定する。そして、さらに被写体の名称やコメントをデータベース105が引き出して画像に関連づけることも行う。被写体特定部103は方位特定装置とも呼ぶ。
データベース105は、GPS部17からの位置情報を活用するために、緯度経度情報を地図上のポイントや地名と結びつけるためのデータや、詳細な標高情報を含む地図画像そのもののデータあるいは衛星画像のデータを格納する。合成地図作成部106は、被写体特定部103によって特定された被写体の方位や情報を利用して、地図上に撮影位置や撮影方位(方角)を合成した合成地図を作成する。送受信部102は、作成された合成地図のデータを送られてきたカメラ1に送り返す。
カメラ1では、送られてきた合成地図データをメモリ7に記録しておき、例えばスライドショーで画像に対応させて表示する。
図2は、カメラ1の外観斜視図である。図2(A)はカメラ1を前面から見た外観図で、(B)はカメラ1を背面から見た外観図である。カメラ1の前面には撮影レンズ2とストロボ部11の窓が配置される。カメラ1の上面に、レリーズスイッチ16aと、レリーズスイッチ16aより中央寄りの位置に携帯機器とのデータ送受信用のアンテナ部19aが配置される。カメラ背面には表示部9の表示面と、位置検出スイッチ16cが配置される。
図3はサイトサーバー100による被写体特定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、主にプログラムに従って処理するCPU101や被写体特定部103によって実行される。
画像プロファイル部103aが受信した撮影画像のプロファイルを作成する(ステップS11)。
この撮影画像のプロファイル作成についてを、図4,5,6を用いて説明する。
図4は、背景パターンを切り出すことのできる原理を簡単に説明する図である。同図(A)は、山を背景とした人物を被写体20として、カメラ1で撮影する様子を示す図である。同図(B)は、このようにして撮影された画像データの画素の一部拡大して示した図で、コントラストの高い部分を黒、低い部分を白で示し、コントラスト差で背景が分離できる。同図(C)は、被写体の距離とコントラスト値の関係を示すグラフで、カメラ1のピントが遠距離に合った場合のカーブが(C−1)、近距離にピントがあった場合のカーブが(C−2)のようになる。つまり、カメラ1のピントが遠距離に設定された場合には、遠距離にある背景部分が高いコントラストになり、逆にピントが近距離に設定された場合には、近距離にある人物が高いコントラストになる。
図5は、背景を切り出す手順を簡単に説明するフローチャートである。図4で説明したように、撮影された画像のピントが遠距離の場合には背景が主被写体になり、撮影された画像のピントが近距離の場合には手前の人物が主被写体になるから、主に撮影画像のピント情報から主被写体を判定する(ステップS31)。例えば、ピントが近距離の場合には遠距離範囲(背景)が低コントラストになるので、この低コントラストの範囲を切り出す(ステップS32)。ピントが遠距離の場合には、逆に高コントラストの範囲を主に切り出せばよい。これによって、撮影の際に変化する人の位置や姿勢に影響されず、撮影した背景情報(バックの山など)を正しく得ることが出来る。
図6は、図5で説明したようにして切り出された背景パターンからの画像プロファイル作成を説明する図である。同図(A)は、被写体20の背景部分がカメラ1の撮影レンズ2を通して撮像素子4に結像される様子を示す図である。同図(B)は、撮影画像の画面内で、図5の手順によって作成された背景パターンである。ここで、背景(山)の画面内での最大高さをHmとする。同図(C)は、図の横方向が画面の幅(W)、縦方向を高さ(H)とした、上記背景(山)の画像プロファイルである。ここでは、画面上での背景の最大高さHmを基準にして、幅方向を細かく分割した単位で画像処理によって差分を算出して、その差分を画像プロファイルとして示している。
図3に戻る。上記図6で説明したようにして、撮影画像から図6(C)のような画像プロファイルを作成する(ステップS11)。この画像プロファイルデータ(WとΔH)を求める(ステップS12)。
次に、画像プロファイルデータに一致する参照プロファイルを検索する。まず、データベース105から参照プロファイルを作成する。図7は参照プロファイル作成を説明するための図で、図7(A)は地図上に設定された検索範囲の例を示す図である。
この参照プロファイル作成のために画像データに付帯されている撮影時の画角情報Zから、検索する画角θを設定する(ステップS13)。通常はθ=Zとしてよい。北(N)から、時計回りで検索を開始する(ステップS14)。図7(B)は、撮影される被写体を俯瞰した例である。この図のように、撮影位置P´(x、y)から、矢印の方向に、画角Z(またはθ)で撮影を行った場合、そのポイントからの延長上には色々な被写体(ビルや山)が存在し、撮影される被写体と影に隠れて画面には現れない被写体がある。つまり、撮影位置Pから視認可能な被写体高さは、延長上に存在する各被写体の仰角Φの中で最大仰角Φmaxに相当する被写体の高さになる(図7(C))。そこで、θを適当な間隔で分割して(例えば20分割)、各分割された方向ごとに最大仰角Φmaxを求める。その方向での高さHk=L×tan(Φmax)で算出される(k=1から20)。高さH1、H2・・・、H20を算出する。そして、算出された各高さをつないでグラフにすると、そのθでの参照プロファイルが作成される(図7(D)、ステップS16))。
そして、画像プロファイルと参照プロファイルを比較して、その一致度をデータ化する(ステップS17)。そして、撮影位置P´を中心として全周360度が済むまでこの処理を繰り返す(ステップS18)。次の方角を移動させる(ステップS19)。全周についてプロファイルの比較に終了したら(ステップS18YES)、最高一致度点を取得した参照プロファイルを選択する(ステップS20)。そして、この参照プロファイルの方向を撮影方位(方向)と特定する(ステップS21)。
図8,9は、作成する地図の範囲を決定する処理を説明する図である。合成地図作成部106が作成する地図の範囲を決定する処理である。上記で特定した撮影方位による地図を作成する場合に、その撮影被写体で地図表示を打ち切ると全体を把握するのに不便になる。山や建物の場合に、それが向こう側までどのように繋がっているかを知りたい場合も多いからである。そこで、その山等に阻まれて見えない地域でも地図上で表示する範囲を図8の手順で設定する。
図8は、地図に表示する範囲(距離)を設定する手順を説明するフローチャートである。図9は、そのための対応する説明図である。図9(A)は地図と撮影位置P´の一例である。図9(B)は、(A)の矢印方向の線による高さ方向の断面図である。そして、地図の各ポイントの標高データを利用することによって、撮影位置P´から仰角φを少しづつ変化させて、視界を阻む障害物(山など)がなくなるものがある距離をLとして求める。
まず、Φ=0から(ステップS41)、障害物を判定する(ステップS42)。障害物がある場合には(ステップS43YES)、仰角Φを少し大きくして(ステップS44)、再度障害物の有無を判断して障害物がなくなるまでこのループを巡回する。障害物がなくなった場合(ステップS43NO)、撮影位置Pから最大仰角Φmaxの障害物までの距離L0とし、その高さH0を算出する(ステップS45)。
次に、ステップS45で算出されたL0に応じてΔLを設定する(ステップS46)。ΔLは、Lmaxを計算する際に使用する距離Lの増加分である。ΔLは、例えばL0が200mならΔL=20m、L0が10KmならΔL=1Kmとする。L+ΔLからLを算出する(ステップS47)。最初は、L=L0+ΔLである。このLでの高さHを算出する(ステップS48)。このHが、(1/2)H0より低くなっていれば(ステップS49YES)、ここで終了する。そして、Lmax=(1/2)H0となるLとする(ステップS50)。また、このHが(1/2)H0より高ければ(ステップS49NO)、LがL0の2倍になるまで(ステップS51NO)、ΔLを増加させていく。
Hが(1/2)H0以下にならなくても、Lが2×L0になれば終了して(ステップS51YES)、2L0をLmax(最大距離)(ステップS50)とする。
以上のように、この範囲が表示される縮尺の地図を作成すれば、撮影者の位置、被写体の何たるかが分かりやすい地図表示に出来る。
次に、カメラ1からGPS付画像データをサイトサーバー100に送信する手順を説明する。図10は、カメラ1で撮影時にGPS情報(位置情報P)を取得し、取得したGPS情報を画像データとともにサイトサーバー100に送信する手順を説明するフローチャートである。この処理は、主にプログラムに従ってMPU10で実行される。
まず、レリーズスイッチ16aの操作有無を判断する(ステップS61)。レリーズスイッチ16aが操作されたと判断されると(ステップS61YES)、オートフォーカス(AF)制御を行う(ステップS62)。被写体20の像信号のコントラストを画像処理部5の出力によりAF部12が判定し、最も高いコントラストになる所にピントレンズを位置させるよう制御する。この合焦ポイントのレンズの位置により被写体の距離情報Jを取得する。また、公知の多点AFによれば主要被写体の距離のみならず背景部の距離も得られるので、この場合には背景の距離情報(被写体距離情報)Jを取得する。
AF後、撮像を行う(ステップS63)。また撮影時の時刻や画角情報を合わせて記録するために、時計部18やレンズ部2の焦点距離情報を利用して時間情報T、画角情報Zを取得する(ステップS64)。
また撮影位置の記録のために、位置情報Pも画像に付加して記録する。そのためまず、すでに位置情報Pが、ごく近いタイミングで取得済みであるかを判定する(ステップS65)。撮影のたびにGPS部17を起動させて位置情報Pを取得すると、時間的にも電力的にも不利だからである。
一般に、GPS情報は定期的に受信していた方が、信号を見失わないので高速での位置情報検出が可能になるが、遮蔽物があったりすると信号受信が出来ないことがある。こうした場合は、直前の位置情報がないので、条件次第ではこのタイミングでGPS情報取得を試みる。
位置情報Pを取得済みである場合(ステップS65YES)は、ステップS66に進む。記録再生部6によって、撮影した画像データと共に時間情報Tと位置情報P、画角情報(ズーム位置情報)Z、被写体距離情報Jをメモリ7に記録させる(ステップS66)。
一方、位置情報Pが未取得または取得後、長い時間が経過している場合には(ステップS65NO)、現在の撮影環境を判定する(ステップS67)。例えば撮影した画像を分析して上空が空であって屋外にいる判定された場合は、S68をS69に分岐してGPS信号を取得する。この結果、信頼性のあるデータが得られた場合は(ステップS70YES)S66に分岐して、前述のように位置情報P等を記録する。一方、屋外にいないと判断された場合や(ステップS68NO)、信頼できない場合には(ステップS70NO)、位置情報Pの記録は行わず、撮影データに時間情報T、画角情報Z、被写体距離情報Jを関連付けて記録する(ステップS71)。このようにして撮影は終了する。
一方撮影以外の時には、ステップS61をステップS72に分岐する。ユーザーのモードスイッチ操作から、画像再生や画像の送出を行おうとしているかどうかを判定し、選択に応じて再生や送信を実行する。ここで、画像を選択して送信の操作が行われると(ステップS72YES)、ネットワーク160を介して、サイトサーバー100にその画像データの送信がなされる(ステップS73)。この時、送信の選択がなされた画像に位置情報Pが付帯されていない場合は、その前後のタイミング情報Tにおいて入手した位置情報Pを採用して送信する。
また、再生モードが選択されたときは(ステップS72NO)、所定タイミングを待って(ステップS74YES)、GPS信号の取得を行う。まず、撮影前画像のリアルタイム表示や、ズーム操作の操作受付を行う(ステップS75)。この時、ズーム操作に応じて、画角情報Zを判定して仮記憶しておく(ステップS76)。これによって、上記ステップS64で用いる撮影時に画角情報Zを得ることが出来る。
また、カメラによっては、カメラ内で画像の中から無駄な領域を省いて、必要部分のみをトリミングできる機能を有するものがあるが、このような機能にて、トリミングされた画像を送信するときは、その範囲に合わせて画角情報Zを切り換えるようにする。
次にGPS情報の取得を行う(ステップS77)。GPS情報取得に十分な電波の強さでなかったり、得られた情報の信頼性が悪かったりすると、衛星の位置などから判断された場合は、各々ステップS77、79でこれを判定し、記録は行わないが、それ以外は、時刻情報Tと共に位置情報Pをメモリ7に記録する(ステップS80)。
このように、再生モードで定期的にGPS情報を取得するので、衛星の補足を迅速に行うことが可能となり、ユーザーの行動をモニタして、時々、撮影時に信号取得が出来ない時にも、その前後の位置情報は残ることになる。
以上のようなシーケンスにて、撮影時、またはその隣接するタイミングの位置情報が取得され、所定のサービスを行うサイトサーバー100に画像データとともに、位置情報P、画角情報Zおよび被写体距離情報Zが送信される。そしてサイトサーバー100は、データベース105のデータを利用して、ユーザーのカメラ1やPCに、図10のような、画像表示ならびに地図、場所などの判定結果表示を行う。
このように第1実施形態によれば、通常の地図データをデータベースとして正しい被写体判定を行うことが出来る。こうしたことは、観光地の画像データのデータベースから照合するシステムでは容易ではなく、可能であっても管理も大変な膨大なデータベースとなる。本システムでは、多くの地図情報提供会社がしのぎを削って更新している地図データを活用するので、建物の建て替えや道路工事などによって環境が変化しても対応して地図の情報も刷新される点でも、有利である。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記第1実施形態によって位置情報と地図情報が付帯された画像について、地図情報を生かした利用の態様を、図11及び図12を用いて説明する。
まず、図11は地図情報付の画像をスライドショーする例である。このスライドショーでは、めりはりをもたせるように、表示画像の撮影場所が変化する際に地図画像を挿入する。この地図画像は、第1実施形態で作成されカメラ1のメモリ7に記録された合成地図による画像である。図11(A)が、このスライドショー処理の手順を説明するフローチャートである。図(B)は、このスライドショーによる画像の切り替わりを示す。このスライドショーは、カメラ1のMPU10によって実行される。
カメラ1が再生モードになっているとする。そして、ユーザーによるスライドショーの実行指示を判断する(ステップS101)。実行指示があると、設定された表示時間で画像を番号順に切換えてながら表示させていく。画像の切り替え時に、前後の画像で撮影位置に大きな変化があるかを判断する(ステップS102)。画像に付帯された位置情報Pまたは地図情報を比較して判断する。撮影位置に大きな変化があった場合には(ステップS102YES)、次の画像を表示する前に、短時間次の画像に対応する地図画像を表示する(ステップS103)。地図画像の短時間表示後、次の画像を表示する(ステップS104)。同図(B)で、(B−1)が前の画像、(B−2)が地図画像、(B−3)が次の画像である。
位置に大きな変化がないと判断されるときには(ステップS102NO)、地図画像を表示しないで次の画像を表示する(ステップS104)(B−3からB−4)。通常のスライドショーの通りである。これを、スライドショーの終了指示または画像の最後になるまで継続する(ステップS105)。
以上のように、シーンの大きな変わり目に地図画像をはさんだスライドショーを行うことで、従来のスライドショーに比べて、より楽しいスライドショーを実現できる。これによって、旅行に行った時に、ある場所から次の場所に移った時には、そのつど地図が表示されるので、鑑賞者は移動があったことや、どこでどの方向を撮影したかなどを知ることが出来る。これまでは、単に、風景が変わったということしか分からなかった写真アルバムが、このような構成にすることによって、地図上でも撮影場所が変わったことを知ることが出来、撮影者にとっては、追体験の補助となり、初めて見る鑑賞者にとっては、撮影者が移動したコースなどに思いを馳せながら、画像鑑賞をさらに楽しめる形式にすることが出来る。
図12は、地図情報を活用した表示画像やプリント画像の例である。同図(A)は、山を背景に人物を撮影する場面を示す図である。同図(B)は、(A)で撮影された画像の表示またはプリント例である。左下が撮影画像、左上に背景の地名、右上に撮影位置と背景を示す地図画像が示される。
このように、単に撮影画像を示すだけでなく、あわせて背景の情報も分かりやすく表示されると撮影画像を見る楽しみが倍加する。
(第3実施形態)
第3実施形態は、被写体特定部103の参照プロファイル部103bが参照プロファイルを作成する際に、データベース105のデータとして衛星画像情報を利用する態様である。図13から図21を用いて本願発明を説明する。サービスサイトのサイトサーバー100のブロック図は、第1実施形態と同様なので、図は省略し同一符合を用いて説明する。
図13は、衛星による地形情報の取得の概念図である。人工衛星(航空機でも可)200が地上の様子を移動しながら撮影している。矢印で示したように時分割で視点を変えた撮影を行うことによって地形や建物が視差を持って観察され、三角測量の原理によってその凹凸が把握される。この衛星200が、一定の高度で地球を回りながら、地上を連続的に撮影しその画像データを地上の衛星画像受信局に送信する。
受信局では、送られてきた画像データを種々の画像処理を施して地形データを作成して、これをデータベース化して、民間に提供する。サイトサーバー100は、このデータを地図データベース105に蓄積しておく。近年、衛星の持つカメラの画像の分解能が向上し、デジタル化されて、高精細画像が劣化することなく地上に送ることが可能になったことで、こうした精細な地形データが得られるようになった。
図14は、サービスサイト100において、上記衛星画像による地形データをデータベース105として、これから作成された参照プロファイルと撮影画像を比較して、撮影方向や被写体情報を解析するシステムの概略のフローチャートである。
サイトサーバー100の参照プロファイル部103bは、カメラから送信された画像データに付帯された位置情報Pと画角情報Zから、地形データベースから該当する地形データを検索し画像処理して参照プロファイルを作成する(ステップ201)。そして、画像処理して作成された参照プロファイルと実際の撮影画像(距離情報を含む)または実際の撮影画像に基づく画像プロファイルを比較して(ステップS202)、最も一致度の高い参照プロファイルで被写体を特定する(ステップS203)。参照プロファイルは、図16(B)で示すような地上俯瞰画像である。特定された参照プロファイルから撮影方位や被写体名称を探して、撮影画像に添付して表示する(ステップS204)。また、特定されたこの撮影方位や被写体名称の情報をユーザーに返信する。
図15は、衛星画像から高さデータを得る手法の1つを説明する図である。まず、高さH1だけ違う地上の地点P1と地点P2が近接した位置にあるとする。そして、P1とP2の真上に衛星200があるとする。ここで得られる衛星画像では、地点P1と地点P2がともに画面の中心に撮影される。次に、衛星200がL1だけ右方向に移動したとする。ここで撮影される衛星画像では、P1は角度αの位置、P2は角度βの位置に大きく分かれる。高さの差が角度の差になって表れるので、この差を解析することによって各地点の高さが算出され、高さデータ(高低差情報)が得られる。
図16は、参照プロファイル(地上俯瞰画像)の作成を説明するための図である。右側に示す視線方向に対応するよう画像処理された画像を左側に示す。図15で説明したような手法で得られた高低差情報を加味して参照プロファイル部103bで、画像処理を行うと、その高低差が画像化される。これは、図16(A−1)のような上空からの画像から、図16(A−2)のように、もっと低い視座からの画像を生成することも可能である。また、図16(A−3)のように、ほとんど、地面に立った状態で見えるような画像(地上俯瞰画像)までも、演算によって得ることが可能となる。そしてその位置から見た地上俯瞰画像から、どれだけの範囲を切り出すかを画角情報Zに応じて決定する。さらに、参照プロファイル部103bは、CPU101の指示に従って図16(B−1、B−2)のように、水平方向に視線をずらしたような形で地上俯瞰画像を切り換えながら提供もできる。
こうして、所定の位置(緯度経度)から得られた、衛星のカメラによる地図プロファイルから、通常のカメラで撮影できる領域を図16(A−3)のように切り出して、図16(A)のような状況下で地上でのカメラで撮影した画像と比較すれば、撮影者が狙ったシーンにどの山が撮影されているかを判断することが出来る。
つまり、図14のように、カメラ10から、撮影時の位置の情報Pと撮影画像及び撮影時の画角情報Z等をこのシステムに入力すれば、地図プロファイル部103bが位置情報Pより(図16(A−3)のような地上俯瞰画像を生成し、この地上俯瞰画像を画角情報Zに従った分割画像に変換し、これを通常カメラ(衛星のカメラと区別して、本発明が適用されたもの)1による画像と比較する。これによって、比較結果、山の形状や建物の情報が一致する部分こそが、カメラ1のユーザーが撮影したかった対象であるとして、地図の持つ撮影対象の位置や名前や標高などの情報を被写体特定部103が検索して、その結果を画像として表示する。
この表示内容としては、単純に緯度経度を表示してもよいが、撮影場所や画角情報から、図12(B)のように撮影ポイントを地図上に示し、撮影者が向っていた方向などをビジュアルに表示してもよい。
つまり、図12(A)のような状況で、ユーザーがカメラ1を用いて被写体20を撮影したときに、その撮影結果を単に鑑賞するだけでなく、図12(B)のように、背景の山の形から得られた地図画像、その上に明示された撮影ポイント、そのときの画角を示す直線表示に加え、地名なども表示すれば、よりそのときの状況を興味深く回想することが可能となる。
図17は、衛星画像による地図データからその一定の角度範囲を、撮影画角に合わせて抽出する処理を説明する図である。図17(B)は撮影画角による撮影範囲の違いを示す図である。θ1は撮影レンズが広角に設定された画像範囲で、θ2が狭角に設定された画像範囲である。図17(A)は、真上から見た地図で、データベースから位置情報Pによって抽出された範囲の一部である。地図上の(x、y)が撮影位置P´に相当する位置で、右回転で参照画像を順次切換えていく場合である。
左図が撮影画像が広角(θ1)で撮影された場合、右側が狭角(θ2)で撮影された場合である。撮影画角Zが分かるので、撮影画角Zに合わせてθを設定する。そして、撮影画像と比較される参照画像を設定したθの範囲で順次作成していく。このように、限定された範囲を、逐次、地上からの画像に変換し、図17(B)のように撮影画像と比較できる形にしてから、撮影画像と類似度を判定する。
画角が合っていないと、必要以上の情報が含まれたり、必要な情報が含まれていなかったりして、画像照合時の精度が劣化する。地図表示には、画角という概念はないので、どの範囲が撮影されうるかを、このように地図上の角度に換算することが重要である。こうして得られた角度の範囲を、図の矢印のようにずらしていき、撮影画像と類似画像になる方角を求める。
図19は、撮影画像をデータベース105と参照して、撮影方向を決定する処理の手順を示すフローチャートである。サイトサーバー100では、受信した画像データにつき、位置情報P(ステップS311)と画角情報Zを判定する(ステップS312)。また画角情報のない画像では、フィルム時代のコンパクトカメラの標準である54°を仮に設定して判定を進める。
次に地図データベース105から、位置情報Pを中心とした360度全周の参照画像を作成する(ステップS313)。この作成された参照画像から画角Zに相当する範囲を、参照画像の基準線から北の方角から順番に抽出して(ステップS314)、地図プロファイルを作成する(ステップS315)。撮影画像と抽出した地図プロファイルを比較して(ステップS316)、一致度を数値化する(ステップS317)。一致度が規定値以上に十分あるかを判断する(ステップS318)。規定値以下であれば(ステップS318NO)、参照画像からの抽出する角度を変更する(ステップS320)。新たに抽出した地図プロファイルと撮影画像を再度比較する(ステップS316)。これを、全周に至るまで繰り返す。
一致度が十分と判断されれば(ステップS318YES)、その抽出した角度が撮影方向であると決定する。まず撮影画像を表示し(ステップS319)、該当する2次元地図を表示して(ステップS321)、この地図情報に決定された撮影方向を重ねて表示する(ステップS322)。例えば、図11(B−2)のような表示である。また、撮影画像と一致すると判断された被写体(対象物)は、地図のデータベース上ですでに様々な情報がつけられ名称や解説までが分かっているので、それらの情報もあわせて表示しても良い。
第1実施形態の図8,9で説明したように、表示される地図の範囲を被写体として撮影される画像の範囲に限定してしまうと、画面にはぎりぎりの範囲しか表示されず、観る者にとって不満が残る。そこで、撮影される被写体よりも適当な遠い範囲を設定するようにする。画面上に表示する地図範囲を適切に設定する手順を説明する。
図18は、図9と同様な内容の図である。衛星画像をデータベースとして、合成地図を作成する場合にも、図9で説明したように、画面に現れる被写体のみで打ち切ることはしないで、ある程度の背後に隠れる被写体までを表示するのが、良いからである。図18(A)は、真上から見た衛星画像の例である。図18(B)は、地形の断面図で、最大仰角Φの高さの半分かまたは2Lを地図での最大表示範囲と決定することを説明する図である。具体的な処理は、図10で説明したと同様な処理なので詳細は省略する。
図20及び21は、カメラの位置情報Pに高さ情報が含まれていれば、この高さ情報を地図データとの判定に利用する例を説明する図である。つまり、GPS情報に撮影者(カメラ)のいる位置(標高)が含まれていれば、この情報を利用して地図データから生成する参照画像を変更する。
図20(A)は、共通の被写体(山)を高い位置H1にあるカメラbと低い位置H2にあるカメラcで、撮影する様子を模式的に示す図である。そして同図(B)はカメラbの位置で撮影された画像、同図(C)はカメラcの位置で撮影された画像の違いを示す。カメラが高い位置にあれば、山は図20(B)のように俯瞰されて撮影される。
図21は、この処理システムの手順を説明するフローチャートである。撮影画像のGPS情報から、撮影時の標高情報を取得する(ステップS331)。その標高情報から、撮影ポイントがどのように見えるかをデータベース105のデータから類推し、これに基づき参照画像を作成する(ステップS332)。またこのときに、こうした参照画像を、例えば画面の中心あたりに空の境目、または特徴的な山の波線が来るような角度を基準として、参照画像(地図プロファイル)を作成してもよい。
以上のように第3実施形態によれば、全世界をカバーする地図の情報、特に各ポイントの標高データや、航空写真、衛星写真までを有する地図用のデータベースを有効利用して、そこから必要な情報のみを取り出して画像の形で照合すれば、世界中どこにいてもどのような無名な風景を撮影しても映っているものが何かが判定できるようにもなる。
(第4実施形態)
第4実施形態は、カメラ400とPC410とサイトサーバー430による撮影方位特定システムである。図22、図23は、第4実施形態を説明するための図である。
このシステムでは、ユーザーによって予め所定の契約がなされたサイトサーバーが、カメラのメモリ内でその旨指定された画像データを読み出して、所定のブログにアップロードするようにしている。これにより、写真を公開して多くの人に見てもらいたいユーザーには、便利で有効な利用を図ることができる。
図22は、全体のシステムを示すブロック図である。カメラ400は撮影者のPC410にコネクタ401で接続され、PC410はネットワーク420で予め契約済みのサイトサーバー430と送受信可能に接続されている。
PC410内のプログラムは、カメラ400がコネクタ401で接続されると、この接続判定信号を検出して、サイトサーバー430と交信するプログラムを起動する。PC410が更にカメラ内メモリ403内を検索し、メモリ403の中からカメラのスイッチで予め選択された画像を検出し、これをサイトサーバー430にアップロードする。
この接続先のサイトサーバー430のCPUは、第1または3実施形態で説明したような手法で、画像に添付されたGPSデータを判定し、その位置での衛星写真から得た地形のデータまたは地図データに基づく地図プロファイルと撮影画像を比較して撮影方向を特定し、またそれに応じて撮影対象の地名情報も判定する。サイトサーバー430のCPUは、撮影方向や地名情報をブログの画像に添付表示したり、あるいはこれをPC410に送信する。なお、サイトサーバー430内の構成は、第1実施形態のブロック図(図1)と同様なので省略する。
そして、PC410はこの撮影方向や地名情報等の結果を得て、この情報をカメラ400にダウンロードする。カメラ400はこの撮影方向や地名情報をその画像に関連付けてメモリ403に記録する。
このような構成にすることによって、ブログにアップロードされた撮影画像402aは、カメラ400の表示部402での鑑賞時にも、撮影対象に関するデータ(地名など)が表示できるようにできる。こうして、PC410に接続しただけでカメラ400のメモリ403内の画像402aが、ブログ用のサイトサーバー430に送信され、このサイトサーバー430で特定された被写体に関する情報がカメラ400でも取得できるようなシステムができる。
図23は、上記で説明した処理手順に関するフローチャートである。PC410がカメラ400の接続を検出すると(ステップS401YES)、例えばカメラの表示部402に表示されている撮影画像を取得し(ステップS402)、サイトサーバー420にその画像データをアップロードする。
サイトサーバー430では、送信された画像データに添付されている位置情報Pを利用する。サイトサーバー430は、撮影時の直接の位置情報Pがあればその位置情報を利用し(ステップS403YES)、直接の位置情報がなければその前後の位置情報を利用する(ステップS405)。そして、サイトサーバー430は、その位置情報に対応する撮影位置から見ることの出来る地上俯瞰画像を、衛星画像のデータベースから作成する(ステップS404)。
そして、地上俯瞰画像の中で撮影画像とマッチングする方角を探す(ステップS406)。マッチングした方角と、地図データベースから撮影された被写体情報(地名等)を検索して、取得する(ステップS407)。取得した方向や地名をその画像のブログに掲載して表示する(ステップS408)。さらに、取得した方向や地名情報をPC410に返信する。
PC410は、受信したその取得した方向や地名情報をカメラ400のメモリ403に、対応する画像に付帯もしくは関連づけるように書き込む(ステップS409)。
このように、ブログサイトが扱うデータベースを利用して、カメラのCPUなどでは提供できないような強力な処理能力によって、ネット接続だけで画像の被写体情報入手ができる。
また、このように土地の情報と画像が関連付けられると、カメラの表示部402上で楽しめ、また、他の人に画像だけでなく得られた情報も渡して、楽しんでもらうことが出来る。以上、説明したように、ブログやHPなどとの親和性の高いカメラを提供することが出来る。
さらにネット上に豊富に存在するコンテンツ(ここでは地図や地名にまつわる情報)などと関連づけて、HPやブログのサービスを介して、遠く離れた人に、写真を見せることができる。地図と関連付けると、どこに行った時の写真かが分かりやすくなり、地名だけでは分からなかった、遠さや経路などもビジュアルに、生き生きと再現可能で、写真画像を補則して表現力が拡大する。
(その他の例)
上記各実施形態で説明したMPU10、CPU101の処理に関しては、一部または全てをハードウェアで構成してもよい。具体的な構成は設計事項である。
そして、MPU10による各制御処理は、ROM13等に格納されたソフトウェアプログラムがMPU10に供給され、供給されたプログラムに従って上記動作させることによって実現されるものである。従って、上記ソフトウェアのプログラム自体がMPU10の機能を実現することになり、そのプログラム自体も本発明を構成する。CPU101による制御処理も同様である。
また、そのプログラムを格納する記録媒体も本発明を構成する。記録媒体としては、フラッシュメモリ以外でも、CD−ROM、DVD等の光学記録媒体、MD等の磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、各実施形態では本願発明をデジタルカメラに適用した例を説明したが、これに限らず例えば携帯電話のカメラ部に適用しても良い。
さらに、画像プロファイル部103a、参照プロファイル部103bを含む被写体特定部による処理の一部又は全部をソフトウェアによる処理に置き換えてもよい。その場合には、ROMやハードディスクに格納されるその実行プログラムが発明を構成することになる。
さらに、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
第1実施形態において、本発明が適用される画像システムの全体ブロック図。 第1実施形態において、カメラ1の外観斜視図。 第1実施形態において、被写体情報取得の手順を示すフローチャート。 第1実施形態において、背景パターンを切り出すことのできる原理を簡単に説明する図。 第1実施形態において、背景を切り出す手順を簡単に説明するフローチャート。 第1実施形態において、切り出された背景パターンからの画像プロファイル作成を説明するための図。 第1実施形態において、地図データベースからの参照プロファイル作成を説明するための図。 第1実施形態において、地図に表示する範囲(距離)を設定する手順を説明するフローチャート。 第1実施形態において、地図に表示する範囲(距離)の設定を説明するための図。 第1実施形態において、カメラにおけるGPS情報の取得処理の手順を説明するフローチャート。 第2実施形態において、合成地図画像を挿入するスライドショー処理の手順を説明するフローチャート 第2実施形態において、地図情報を活用した表示画像やプリント画像の例を示す図。 第3実施形態において、衛星による地形情報の取得の概念図。 第3実施形態において、サービスサイトにおいて、衛星画像による地形データをデータベースとして、撮影方向や被写体情報を解析するシステムのフローチャート。 第3実施形態において、衛星画像から高さデータを得る手法の1つを説明する図。 第3実施形態において、参照プロファイル(地上俯瞰画像)の作成を説明するための図 第3実施形態において、衛星画像による地図データからその一定の角度範囲を、撮影画角に合わせて抽出する処理を説明する図。 第3実施形態において、地図に表示する範囲(距離)の設定を説明するための図。 第3実施形態において、撮影画像をデータベースと参照して、撮影方向を決定する処理の手順を示すフローチャート。 第3実施形態において、カメラの位置情報Pに含まれている高さ情報を地図データとの判定に利用する例を説明する図。 第3実施形態において、図20で説明する処理の手順を説明するフローチャート。 第4実施形態において、撮影方位特定システムの全体を示すブロック図。 第4実施形態において、撮影方位の特定と利用のシステムの処理手順を説明するフローチャート。
符号の説明
1…カメラ、2…撮影レンズ、3…撮像素子、4…アナログフロントエンド(AFE)部、
5…画像処理部、6…記録再生部、7…メモリ、7a…地図データ、8…表示制御部、9…表示部、
10…MPU、10a…記録制御部、
11…ストロボ部、12…AF部、13…ROM、14…マイク部、15…音声処理部、
16…操作部、16a…レリーズスイッチ、16b…モードスイッチ、16c…位置検出スイッチ、
17…GPS部、17a…検出部、17b…GPSアンテナ、18…時計部、
19a…アンテナ、19b…送受信部、20…被写体、
100…サイトサーバー、101…CPU、102…送受信部、103…被写体特定部、103a…画像プロファイル部、103b…参照プロファイル部、104…記憶部、105…データベース、
106…合成地図作成部、150…基地局、160…ネットワーク、200…衛星、
400…PC、401…コネクタ、402…画面、402a…画像、402b…テキスト、
403…メモリ、410…PC、420…ネットワーク、430…サイトサーバー、
J…被写体距離情報、L…距離、P…位置情報、P´…撮影位置、T…時間情報、Z…画角情報、θ…画角


Claims (9)

  1. カメラと、このカメラによって撮影された被写体情報を特定するサーバーからなる画像システムにおいて、
    上記カメラは、
    被写体を撮影する撮影部と、
    上記撮影時のカメラの位置を検出する位置検出部と、
    上記撮影時の画角情報と撮影時のカメラの位置情報を撮影画像とともに上記サーバーに送信する送信部を備え、
    上記サーバーは、
    撮影画像からその背景形状である画像プロファイルを作成する画像プロファイル部と、
    上記画像プロファイルとの比較のための参照プロファイルを、地形に関するデータベースから撮影位置と撮影画角に応じて作成する参照プロファイル部と、
    撮影位置を中心にして角度を変化させながら上記参照プロファイル部に参照プロファイルを作成させて、作成された各参照プロファイルと画像プロファイルを比較して撮影方位を特定する被写体特定部を備える、
    ことを特徴とする画像システム。
  2. 上記画像プロファイル部は、上記画像プロファイルとして撮影画像の背景の輪郭形状を作成し、
    上記参照プロファイル部は、上記地形に関するデータベースとして2次元地図データを使用し、この2次元地図データベースから参照プロファイルとして背景の輪郭形状を作成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像システム。
  3. 上記参照プロファイル部は、上記地形に関するデータベースとして衛星によって撮影された画像からなる衛星画像データベースを利用する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像システム。
  4. 撮影位置及び特定された撮影方位が示された地図を作成する地図作成部を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像システム。
  5. 上記地図作成部は、被写体の最大高さまでの距離に応じて地図の範囲を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像システム。
  6. 上記カメラは、上記サイトサーバーで作成され送信された上記地図をメモリに記録する記録制御部を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像システム。
  7. カメラによって撮影された撮影方位を特定する撮影方位特定装置において、
    撮影画像からその背景形状である画像プロファイルを作成する画像プロファイル部と、
    上記画像プロファイルとの比較のための参照プロファイルを、地形に関するデータベースから撮影位置と撮影画角に応じて作成する参照プロファイル部と、
    撮影位置を中心にして角度を変化させながら上記参照プロファイル部に参照プロファイルを作成させて、作成された各参照プロファイルと画像プロファイルを比較して撮影方位を特定する被写体特定部を備える、
    ことを特徴とする撮影方位特定装置。
  8. カメラによって撮影された撮影方位を特定する撮影方位特定方法において、
    撮影画像からその背景形状である画像プロファイルを作成し、
    上記画像プロファイルとの比較のための参照プロファイルを、地形に関するデータベースから撮影位置と撮影画角に応じて作成し、
    撮影位置を中心にして角度を変化させながら上記参照プロファイルを作成して、作成された各参照プロファイルと画像プロファイルを比較して撮影方位を特定する
    ことを特徴とする撮影方位特定方法。
  9. カメラによって撮影された撮影方位を特定する撮影方位特定方法をサイトサーバーのコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    撮影画像からその背景形状である画像プロファイルを作成するステップと、
    上記画像プロファイルとの比較のための参照プロファイルを、地形に関するデータベースから撮影位置と撮影画角に応じて作成するステップと、
    撮影位置を中心にして角度を変化させながら上記参照プロファイル部に参照プロファイルを作成させて、作成された各参照プロファイルと画像プロファイルを比較して撮影方位を特定するステップを備える、
    ことを特徴とするプログラム。


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