JP2008150271A - 繊維強化セラミックス複合材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラスカプセルを用いたHIP処理により棒状又はチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料を製造する場合であっても、緻密でクラックや割れの無い製品の製造を可能とする。
【解決手段】無機繊維とセラミックス粉末とからなるプリプレグシート、又は内面層と表面層とからなる無機繊維を所定の形状に配したプリフォームをガラスカプセルに封入し、HIP処理により繊維強化セラミックス複合材料を製造する方法において、HIP処理前に、HIP処理の高温高圧下においてプリフォーム及びガラスの何れとも反応せず安定で、且つガラスを透過させない物質によりプリフォームの表面を覆う工程を含み、HIP処理時のガラスカプセルの粘度が103〜107.5Pであり、冷却過程において前記物質の表面を覆ったガラスカプセルのガラスが破損することにより、製品にかかる引張の残留応力を開放するように、HIP処理に用いるガラス量が調整されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、高耐熱性、高強度及び軽量化が要求される繊維強化セラミックス複合材料を熱間等方加圧処理(以下、「HIP処理」という)により製造する繊維強化セラミックス複合材料の製造方法に関する。
従来、高耐熱性の無機繊維によって強化された繊維強化セラミックス複合材料は、(1)強化材である無機繊維を織物等に成形し、これをマトリックス原料となる無機又は有機高分子の融液又は溶液に含浸させた後、焼成し、必要であればこの工程を繰り返す方法(含浸・焼成法)、又は(2)マトリックスを気相反応によって織物上に析出させる方法(CVI法、CVD法)などによって製造されている。しかし、これらの製造方法は、通常10%程度の気孔が残存するため、チューブ材のような緻密性が要求される部材には適用できない。
一方、緻密な繊維強化セラミックス複合材料の製造方法としては、様々なものが知られている。例えば、特許文献1には、無機粉体からなる圧力媒体で加圧し、擬似等方的に熱間加圧成形する方法が開示されており、また、特許文献2には、ホットプレスによる高密度SiC繊維強化型SiC複合材料の製造技術が開示されている。
特許第3588962号公報 特開2002−356381号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、チューブ材のような長い部材の場合、無機粉体による圧力伝達にロスが生じやすいという問題がある。特に長さ方向の圧力に不均一が生じやすく、製品中の場所による緻密度にばらつきが生じて、均一な製品ができない。また、特許文献2のホットプレスは、板状の製品には有効であるが、チューブ材のような長い部材を成形するのが困難であるという問題がある。
さらに、通常のガラスカプセルを圧力媒体として用いたHIP処理においては、無機繊維とセラミックス粉末とからなるプリプレグシートは、気孔が多いため、これを所望の形状に配して形成したプリフォームは、多くの気孔を含む。そのため、溶融したガラスがプリフォームの中に浸透して、圧力伝達が達成できず緻密化ができない。またさらに、ガラスカプセルの高温での粘性低下により、溶融したガラスがプリフォームから流れ落ちてプリフォームが露出し、圧力伝達が行われなくなる。
これを防ぐため、ガラス形成物質中にプリフォームを埋没させて加熱によりガラス質の圧力媒体を形成させる方法があり、この方法は、一般に大量のガラス形成物質中に埋没させる必要がある。しかしながら、この方法は、HIP処理の冷却過程において、ガラスよりも熱膨張率の大きい繊維強化セラミックス複合材料に引張の残留応力が発生し、しかも、繊維強化セラミックス複合材料の周りに大量にガラスがあるためガラスの変形による応力緩和が行われない。そのため、製品形状が特に長さ10cm以上の棒状又はチューブ状である場合、引張の残留応力により製品中にクラックが発生したり、割れのため複数個に分割されてしまうという問題がある。
そこで、本発明は、ガラスカプセルを圧力媒体として用いたHIP処理により棒状又はチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料を製造する場合であっても、緻密でクラックや割れの無い繊維強化セラミックス複合材料を製造することが可能な繊維強化セラミックス複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、ガラスカプセルを圧力媒体として用いたHIP処理において、HIP処理前にガラスカプセルに封入するプリフォームの表面を所定の物質で覆い、HIP処理の際のガラスカプセルの粘度を所定の範囲内にし、HIP処理におけるガラス量を調整することによって、緻密で、クラックや割れの無い繊維強化セラミックス複合材料が製造できることを見出した。すなわち、本発明は、無機繊維とセラミックス粉末とからなるプリプレグシートを所定の形状に配して形成したプリフォームをガラスカプセルに封入して、熱間等方加圧処理により繊維強化セラミックス複合材料を製造する繊維強化セラミックス複合材料の製造方法において、熱間等方加圧処理の前に、熱間等方加圧処理の高温高圧下において前記プリフォーム及びガラスの何れとも反応せず安定で、且つガラスを透過させない物質によって前記プリフォームの表面を覆う工程を含み、熱間等方加圧処理の際の前記ガラスカプセルの粘度が、103〜107.5P(ポアズ)であり、熱間等方加圧処理の冷却過程において、前記物質の表面を覆った前記ガラスカプセルのガラスが破損することにより、前記繊維強化セラミックス複合材料の引張の残留応力を開放するように、熱間等方加熱処理に用いるガラス量が調整されていることを特徴とする。
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法において、前記プリフォームは、前記プリプレグシートに代わり、内面層と表面層とからなる無機繊維を所定の形状に配して得ることもできる。この内面層は、(a)実質的にSi、M、C及びOからなる非晶質物質(但し、MはTi又はZrである。)、(b)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCとの固溶体及びMC1−Xの少なくとも1以上、及びCからなる結晶質超微粒子と、SiO及びMOからなる非晶質物質との集合体(但し、Xは0以上1未満の数である。)、又は(c)上記(a)の非晶質物質と上記(b)の集合体との混合物によって構成され、表面層が、(d)実質的にSi、M及びOからなる非晶質物質、(e)結晶質のSiO及びMOからなる結晶質集合体、又は(f)上記(d)の非晶質物質と上記(e)の結晶質集合体との混合物によって構成されている。
また、本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法において、前記物質は、カーボンであることが好ましく、シート状に形成されていることが好ましい。
さらに、本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法は、棒状又はチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料の製造に特に適している。
以上のように、本発明によれば、ガラスカプセルを圧力媒体として用いたHIP処理により棒状又はチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料を製造する場合であっても、緻密でクラックや割れの無い繊維強化セラミックス複合材料を製造することが可能な繊維強化セラミックス複合材料の製造方法を提供することができる。
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法において、プリプレグシートを構成する無機繊維としては、炭素繊維、炭化ケイ素系繊維、窒化ケイ素系繊維又はアルミナ繊維などがある。これら炭素繊維、炭化ケイ素系繊維、窒化ケイ素系繊維又はアルミナ繊維としては、下記の(1)〜(6)の繊維等が好ましく用いられる。また、使用に際しては、これらを適宜混合して用いることもできる。
(1)(a)実質的にSi、Ti及びZrの少なくとも1以上、C及びOとからなる非晶質、(b)この非晶質(a)と、500Å以下、好ましくは10〜100Åのβ−SiC、並びにTiC及びZrCの少なくとも1以上からなる結晶質との集合体、又は(c)この結晶質(b)と、その近傍に存在するSiOx、並びにTiOx及びZrOx(0<x≦2)の少なくとも1以上とからなる非晶質との混合系であり、且つ元素組成が、Siが45〜60重量%、Ti及びZrの少なくとも1以上が0.2〜5重量%、Cが20〜45重量%、Oが0.1〜20.0重量%である炭化ケイ素系繊維
(2)密度が2.7g/cm3以上であり、強度及び弾性率が、それぞれ2GPa以上及び250GPa以上であり、重量割合で、Siが50〜70%、Cが28〜45%、Alが0.06〜3.8%、好ましくは0.13〜1.25%、及びBが0.06%〜0.5%、好ましくは0.06〜0.19%からなり、SiCの焼結構造からなる結晶性炭化ケイ素繊維
(3)元素組成が、Siが30〜80重量%、Cが20〜70重量%、Hが2重量%以下、好ましくは0.5重量%以下(Hは、0重量%であるのが理想的には好ましいが、製造過程で混入する場合がある)であり、且つ、実質的にSi及びCからなる非晶質、並びに10000Å以下、好ましくは10〜2000Åのβ−SiCの結晶質の少なくとも1以上と炭素との凝集体からなる炭化ケイ素系繊維
(なお、この炭化ケイ素系繊維(3)は、通常の炭素繊維又はタングステン繊維を芯線として、CVD法により得られるものであっても良い。)
(4)元素組成が、Siが30〜80重量%、Cが10〜65重量%、Oが0.05〜25重量%、Hが2重量%以下、好ましくは0.5重量%以下(Hは、0重量%であるのが理想的には好ましいが、製造過程で混入する場合がある)であり、且つ、実質的にSi、C及びOからなる非晶質物質、又は1000Å以下、好ましくは0.1〜200Å、更に好ましくは10〜200Åのβ−SiCの結晶質の集合体と非晶質のSiO2 とからなる集合体である炭化ケイ素系繊維
(5)Siと、N及びO、C、H、金属類(元素周期律表第II族〜第VIII族の金属元素の群から選択される少なくとも1種類)からなり、各元素の比率が 原子比で表してN/Si=0.3〜3、O/Si=15以下、好ましくは 0.01〜1、C/Si=7以下、好ましくは 0.01〜1、H/Si=1以下、好ましくは 0.01〜0.2、金属類/Si=5以下、好ましくは 0.01〜0.1であり、且つ、X線小角散乱強度比が、1°及び0.5°において、各々1倍〜20倍である窒化ケイ素系繊維
(6)実質的にA1、Si、B及びOからなるムライトの微結晶、並びにγ−アルミナ及び−アルミナの微結晶の少なくとも1以上と非晶質のSiO2 との集合体であるアルミナ繊維
ここで、上記の(1)の炭化ケイ素系繊維における「その近傍」とは、好ましくは、結晶質粒子からの距離が100nm以下の領域である。上記(3)における「炭素の凝集体」とは、1000Å以下の大きさを持った結晶質及び非晶質の少なくとも1以上からなる炭素の粒子が、複数個存在するものを意味する。上記(4)における「結晶質の集合体」とは、0.1〜1000μmの大きさを持った結晶が複数個集合してなるものを意味する。同じく上記(4)における「結晶質の集合体と非晶質のSiO2 とからなる集合体」とは、0.1〜1000μmの大きさを持った結晶の集合体の近傍(上記の「その近傍」に同義)に非晶質のSiO2 の粒子が複数個集合したものが、さらに複数個集合してなるものを意味する。なお、集合する結晶の数は限定されない。上記(5)において用いられる金属類としては、具体的には、アルミニウム、チタン、ジルコニウム等が挙げられる。
また、上記(5)のX線小角散乱強度比は、下記のように測定した。理学電機株式会社製「RJ−200B型」にPSPC(位置検出比例計数装置)−5を接続し、管電圧45KV、管電流95mA、第1及び第2スリットが各々0.2mmφ、0.15mmφのものを使用し、0.02°毎に1000秒積算して散乱強度を測定した。また、試料としては、長さ15mmの繊維を、18mg切り出したものを用い、長さ10mm×幅4mmのスリット内に均一に張り付けて測定した。また、強度比は、1°及び0.5°における空気散乱強度と比較して算出した。
上記無機繊維としては、宇部興産(株)から「チラノ繊維」(登録商標)として市販されているSi−Ti及びZr−C−Oの少なくとも1以上からなる無機強化繊維[上記炭化ケイ素系繊維(1)の具体例]、Si−Al−Cからなる無機強化繊維[上記炭化ケイ素系繊維(2)の具体例]、日本カーボン(株)から「ニカロン」(登録商標)若しくは「ハイニカロン」(登録商標)として市販されているSi−C−Oからなる無機強化繊維[上記炭化ケイ素系繊維(4)の具体例]、及び米国Textron社のSCSシリーズの無機強化繊維[上記炭化ケイ素系繊維(3)の具体例]等の市販品を用いることもできる。また、米国特許第5,366,943号明細書に記載の実質的にSi、C、O及びBから成る無機強化繊維[上記炭化ケイ素系繊維(3)の具体例]を用いることもできる。さらに、Al2 3 繊維(DuPont社製、3M社製、住友化学工業(株)製他)[上記アルミナ繊維(6)の具体例]、Si−C−N系繊維(「HPZ繊維」商品名、Dow Corning社製)[上記窒化ケイ素系繊維(5)の具体例]、及びSi3 4 繊維((株)東燃製)[上記窒化ケイ素系繊維(5)の具体例]等を用いることもできる。
上記無機繊維の繊維径は、1〜1000μmであることが好ましい。また、上記無機繊維の繊維長は、100μmより長いことが好ましい。
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法において、プリプレグシートを構成するセラミックス粉体としては、例えば、炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、及びムライトなどがある。これらのセラミックス粉体としては、一般的にセラミックスの焼結体の製造に用いられる粉体を用いることができる。特に制限はないが、炭化ケイ素や窒化ケイ素においては、Al2 3、Y2 3、SiO2、CaO、B及びC等の焼結を促進させる焼結助剤を配合した物がより好ましく用いられる。また、このセラミックス粉体としては、ガラスセラミックスのように、液相あるいは粘性領域を介して焼結、緻密化を進行させるセラミックス粉体も好ましい。この場合、熱処理によって高耐熱性の結晶相を析出させ、耐熱性を向上させられるものが好ましく、アルカリ土類元素を含むアルミノ珪酸ガラス系のガラスセラミックスがより好ましく用いられる。このようなガラスセラミックスとしては、例えば灰長石(CaO・Al2 3 ・2SiO2)、きん青石(2MgO・2Al2 3 ・5SiO2 )、バリウムオスミライト(BaO・2MgO・3Al2 3 ・9SiO2 )、及びセルシアン(Ba(orSr)・Al2 3 ・2SiO2 )などが好ましい。
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法において、プリプレグシートは、通常の方法によって製造することができる。具体的には、例えば、PREWOらが、J.MATER.SCI. 17(1982)P1201〜1206で紹介しているように、開繊した無機繊維をセラミックス粉体と有機バインダーと分散剤とからなるスラリー中を通過させ、巻き取り、乾燥させることにより容易に製造できる。この際に使用する有機バインダー及び分散剤としては、通常、繊維強化セラミックス複合材料に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。必要に応じて、使用する無機繊維の表面にあらかじめ、炭素、窒化ホウ素、炭化ケイ素等を化学気相蒸着法(CVD法)等によりコーティングしておくことが望ましい。この処理によって、HIP処理時の無機繊維とマトリックスとなるセラミックス粉末との反応を防止し、さらに、繊維強化セラミックス複合材料の破壊時に、無機繊維とマトリックスとの界面で亀裂を偏向、分散させ、無機繊維の引き抜けを促進して破壊エネルギーを大きくすることができる。
上記無機繊維の強化材としての使用形態については、特別の制限はなく、連続繊維等として用いることができる。上記プリプレグシートにおいては、連続繊維から製織された平織、繻子織、多軸織、三次元織あるいは連続繊維を一方向に引き揃えたシート状物として用いることができる。
また、本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法においては、内面層と表面層とからなる特定の無機繊維を所定の形状に配することによって、プリフォームを得ることもできる。このような無機繊維を用いてプリフォームを得る場合、前述のようなセラミックス粉体を配合したプリプレグシートを作製する必要はない。
前記の内面層と表面層とからなる無機繊維は、下記(a)、(b)又は(c)によって構成される内面層と、下記(d)、(e)又は(f)によって構成される表面層とからなる。
(a)実質的にSi、M、C及びOからなる非晶質物質(但し、MはTi又はZrである。)
(b)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCとの固溶体及びMC1−xの少なくとも1以上、及びCからなる結晶質超微粒子と、SiO及びMOからなる非晶質物質との集合体(但し、Xは0以上1未満の数である。)
(c)上記(a)の非晶質物質と上記(b)の集合体との混合物
(d)実質的にSi、M及びOからなる非晶質物質
(e)結晶質のSiO及びMOからなる結晶質集合体
(f)上記(d)の非晶質物質と上記(e)の結晶質集合体との混合物
この内面層と表面層とからなる無機繊維は、例えば、特開昭62−289641号公報に記載の方法に従って、上記(a)、(b)又は(c)から構成される無機繊維を、酸化性雰囲気下、500〜1600℃で加熱することによって調製することができる。なお、この(a)、(b)又は(c)から構成される無機繊維(但し、MはTiである。)は、宇部興産(株)から「チラノ繊維」(登録商標)として市販されている。前記の酸化性雰囲気の具体例としては、空気、純酸素、オゾン、水蒸気及び炭酸ガスを挙げることができる。この加熱処理によって、(a)、(b)又は(c)から構成される無機繊維の表面が酸化され、上記(d)、(e)又は(f)から構成される表面層が形成される。すなわち、内面層が、(a)、(b)又は(c)によって構成され、表面層が、(d)、(e)又は(f)によって構成されている無機繊維を得ることができる。
上記内面層と表面層とからなる無機繊維の使用形態については、特別の制限はなく、連続繊維又は連続繊維を切断したチョップ状短繊維であってもよい。また、連続繊維から製織された平織、繻子織、多軸織、三次元織あるいは連続繊維を一方向に引き揃えたシート状物として用いることもできる。
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法に用いられるプリフォームは、上記の方法で製造したプリプレグシート、又は上記の内面層と表面層とからなる無機繊維を所定の形状を有する成形型により所定の形状に成形することによって得ることができる。
プリフォームの気孔率は、特に制限はないが、その見かけ密度が、得られる繊維強化セラミックス複合材料の密度に対して20%以上であるのが好ましく、50〜80%であるのが更に好ましい。見かけ密度が、得られる繊維強化セラミックス複合材料の密度に対して20%未満であると、所望の性能を満足する複合材料とならない場合があるので、好ましくない。プリプレグシートを用いたプリフォームにおいて、見かけ密度を上述の範囲内に調節するには、例えば、下記の如くして行うことができる。すなわち、プリフォームの開気孔は、(a)マトリックスであるセラミックス粉体の充填時に生成するセラミックス粉末間のすき間や、(b)強化繊維とマトリックス粉末との間のすき間、に起因する。従って、強化繊維に含浸させるスラリーの濃度を上げることによって上記(a)を減少させプリフォームの見かけ密度を上述の範囲内に調節することができる。また、マトリックススラリーの含浸時に強化繊維の開繊幅を大きくすることにより、スラリーの繊維周りへの含浸を容易にし、上記(b)を減少させ、プリフォームの見かけ密度を上述の範囲内に調節することができる。
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法は、HIP処理の前に、HIP処理の高温高圧下においてプリフォーム及びガラスの何れとも反応せず安定で、且つガラスを透過させない物質によって、上記のように成形したプリフォームの表面を覆う。この物質により、HIP処理時に気孔率の大きいプリフォーム中へのガラスの進入を防止して、ガラスを圧力媒体として機能させるとともに、HIP処理後のガラス除去を容易にすることができる。上記物質としては、上述の必要な特性を満足し、入手が容易で、厚さ等種類が豊富で、離形性に優れたカーボンが特に好ましく、シート状に形成されていることが好ましい。カーボンシートは、上記無機繊維及びセラミックス粉体のいずれの組み合わせにも有効である。また、無機繊維として上記アルミナ繊維を使用し、セラミックス粉体としてアルミナ、ムライト又はガラスセラミックスを使用する場合には、前記物質として、タンタル、モリブデン、ニオブ及びタングステンなど高融点金属の箔を使用することができる。
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法は、続いて、上記物質によって表面を覆ったプリフォームをガラスカプセルに真空封入してHIP処理を行う。HIP処理の際のガラスカプセルの粘度は、103〜107.5P(ポアズ)であることが望ましい。ガラスカプセルの粘度が、107.5Pより大きいと緻密化に伴うプリフォームの収縮に追随できず、ガラスは破損して圧力媒体として機能しなくなる。また、ガラスカプセルの粘度が103Pより小さいと粘性低下により、溶融したガラスがプリフォームから流れ落ち、プリフォームが露出して圧力伝達が行われなくなる。さらに、粘性低下により溶融したガラスが、プリフォームと表面を覆った前記物質とのすき間からプリフォーム内に流れ込み、圧力媒体として機能しなくなる。HIP処理の際のガラスカプセルの粘度を103〜107.5Pとすることにより、溶融したガラスが緻密化に伴うプリフォームの収縮に追随し、プリフォームから流れ落ちず、さらに、プリフォームと表面を覆った上記物質とのすき間に進入することもなく、圧力媒体として機能させることができる。その結果、緻密化した繊維強化セラミックス複合材料が得られる。
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法において用いられるガラスカプセルの材質として、例えば、HIP処理温度が1800℃付近であれば、コーニング社の高シリカガラスである「バイコール」(登録商標)や東ソー社の石英ガラスである「クウォーツ ESグレード」を、HIP処理温度が1300℃付近であれば、コーニング社のボロシリケイトイガラスである「パイレックス」(登録商標)を用いることができる。
以上のように、本発明は、ガラスカプセルのみで圧力伝達を行い、緻密化を達成することから、形状が長さ10cm以上の棒状あるいはチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料の製造に特に有効である。HIP処理の一方法として、ガラス形成物質中にプリフォームを埋没させて加熱によりガラス質の圧力媒体を形成させる方法があるが、一般に大量のガラス形成物質中に埋没させる必要がある。この方法では、HIP処理の冷却過程において、ガラスよりも熱膨張率の大きい繊維強化セラミックス複合材料に引張の残留応力が発生し、しかも、繊維強化セラミックス複合材料の周りに大量にガラスがあるためガラスの変形による応力緩和が行われない。そのため、製品形状が特に長さ10cm以上の棒状あるいはチューブ状である場合、引張の残留応力により、製品中にクラックが発生したり、割れのため複数個に分割されてしまうといった不具合が発生する。しかし、本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法によれば、ガラスカプセルのみで圧力伝達を行うため、HIP処理後に繊維強化セラミックス複合材料の表面を覆うガラスの厚さは、1〜5mm程度になる。そのため、ガラス側が残留応力によって容易に破損して、繊維強化セラミックス複合材料側の残留応力は開放される。その結果、緻密でクラックや割れの無い棒状又はチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料を製造することが可能となる。
以下に、実施例を挙げて本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法を更に詳しく説明するが、本発明は、下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することができる。
(実施例1)
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法の実施例1について、図面に基づいて説明する。図1は、実施例1で用いた製造装置の概略構成を示す縦断断面図である。まず、炭化ケイ素粉末に合計で15重量%のAl2 3、Y2 3及びSiO2粉末を加え、これらを水と有機バインダー(ポリエチレンオキサイド、以下「PEO」という)からなる分散媒中に分散したスラリー中に、市販の結晶性炭化ケイ素系繊維(宇部興産(株)製、商品名「チラノ繊維SAグレード」)に界面層としてカーボンを化学気相蒸着法によりコーティングした無機繊維を含浸させ、巻き取り、次いで乾燥させることによって、1方向プリプレグシートを製造した。次に、内径10mm、外径12mm、長さ300mmのチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料を製造するため、このプリプレグシートを直径10mm、長さ320mmの黒鉛製の棒に、繊維方向が黒鉛棒の長手方向に対し±30°になるように巻きつけながら10層積層してプリフォーム1を作製した。このプリフォーム1の表面をカーボンシート2によって覆い、内径22mm、外形25mm、長さ360mmの蓋付のコーニング社製の高シリカガラスである「バイコール」(登録商標)製ガラスカプセル3内に設置し、真空中1300℃で真空封入を行った。このガラスカプセル3を内径50mm、外形60mm、高さ400mmの黒鉛るつぼ4内に設置し、ガラスカプセル3と黒鉛るつぼ4のすき間をカーボンビーズ5によって充填した。カーボンビーズ5は、ガラスカプセル3のHIP処理中の転倒防止のために充填するもので、通気性は良好なため、ガス圧をガラスカプセル3に障害なく伝達させることができる。この黒鉛るつぼ4をHIP処理装置内に設置して、昇温中にアルゴンガスを導入しながら加圧し、温度1800℃、圧力50MPa、保持時間1時間でHIP処理を行った。HIP処理温度1800℃におけるガラスカプセル3の粘度を測定したところ、10Pであった。HIP処理後は、HIP処理の冷却過程で破損された厚さ1〜3mmのガラスがプリフォーム1の表面全体を覆っていたが、カーボンシート2が離形剤と有効に働いているため、容易に除去することができた。心材の黒鉛棒を除去し、内径はそのままで、外形のみを研削することにより、内径10mm、外径12mm、長さ300mmのチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料が得られた。得られた繊維強化セラミックス複合材料の表面にクラックは確認されず、また、相対密度99.5%以上の緻密化が達成されていた。
(比較例1)
次に、ガラスカプセルの材質をコーニング社製のボロシリケイトイガラスである「パイレックス」(登録商標)に変えた以外は、実施例1と同様な方法によりプリフォームのHIP処理を行った。HIP処理温度1800℃におけるガラスカプセルの粘度を測定したところ、102.2Pであった。HIP処理後に確認したところ、溶融したガラスが流れ落ちてプリフォームの上部が露出しており、プリフォームの緻密化は進行していなかった。また、プリフォーム下部のガラスが残っている部分は、ガラスの一部がカーボンシートのすき間からプリフォームの気孔中に進入してプリフォームと一体化しており、緻密なチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料を得ることはできなかった。比較例1においては、1800℃のパイレックスガラスの粘性が103Pよりも小さくなり、粘性が低下しすぎたため、緻密でクラックや割れの無いチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料を得ることができなかったものと考えられる。
(比較例2)
図2は、比較例2で用いた製造装置の概略構成を示す縦断断面図である。比較例2は、実施例1と同様の方法によって作製したプリフォーム1の表面をカーボンシート2で覆い、内径50mm、外形60mm、高さ600mmの黒鉛るつぼ4内に設置し、さらに、ガラスカプセル3と黒鉛るつぼ4のすき間をバイコールガラス粉末6によって充填してHIP処理を行った。HIP処理は、1800℃まで真空中で昇温し、バイコールガラス粉末6を溶融させた後、アルゴンガスを導入して50MPaまで昇圧して、1時間保持した。HIP処理の温度である1800℃におけるバイコールガラスの粘度を測定したところ、実施例1と同じく106Pであった。HIP処理後は、黒鉛るつぼ4内で、繊維強化セラミックス複合材料が溶融したバイコールガラス中に埋没した状態にあった。黒鉛るつぼ4を除去し、外形50mm、高さ400mmの円柱状のバイコールガラスを取り出した。その後、機械加工により直径15mmの円筒状にガラスを加工した後、残りのガラスを破砕して除去し、繊維強化セラミックス複合材料を取り出した。この破砕工程では、実施例1と同様にカーボンシート2が離形剤と有効に働いているため、ガラスを容易に除去することができた。しかしながら、得られたチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料は、相対密度が99.5%以上であったものの、約50mm間隔で5箇所に渡って割れが発生し、6分割された状態であった。これは、バイコールガラスの熱膨張率7.5×10−7/℃に対して、繊維強化セラミックス複合材料の熱膨張率が40×10−7/℃と大きいため、冷却過程で繊維強化セラミックス複合材料中に引張の残留応力が発生し、しかも、繊維強化セラミックス複合材料の周りに厚さ18mm以上のバイコールガラスがあるためガラスの変形による応力緩和が行われず、引張の残留応力によって繊維強化セラミックス複合材料に割れが入ったものと考えられる。
(実施例2)
Si−Ti−C−O 繊維[宇部興産(株)製、商品名「チラノ繊維Fグレード」]を開繊し、ガラスセラミックス粉体(SrO−MgO−Al−SiO)を水と有機バインダー(PEO)とからなる分散媒中に分散したスラリー中で含浸させ、巻き取り、乾燥することによって、1方向プリプレグシートを製造した。外径10mm、長さ300mmの棒状の繊維強化セラミックス複合材料を製造するため、このプリプレグシートを長さ方向に繊維が平行になるように巻きつけて、直径16mm、長さ300mmのプリフォームを作製した。このプリフォームの表面をカーボンシートによって覆い、内径17mm、外形20mm、長さ320mmの蓋付のコーニング社製のボロシリケイトイガラスである「パイレックス」(登録商標)製ガラスカプセル内に設置し、真空中800℃で真空封入を行った。このガラスカプセルを実施例1と同様に内径50mm、外形60mm、高さ400mmの黒鉛るつぼ内に設置し、ガラスカプセルと黒鉛るつぼのすき間をカーボンビーズで充填した。この黒鉛るつぼをHIP装置にセットして、昇温中にアルゴンガスを導入しながら加圧し、温度1300℃、圧力50MPa、保持時間1時間でHIP処理を行った。HIP処理温度の1300℃におけるガラスカプセルの粘度を測定したところ、104Pであった。HIP処理後は、HIP処理の冷却過程で破損された厚さ1〜3mmのガラスが表面全体を覆っていたが、カーボンシートが離形剤と有効に働いているため、容易に除去することができた。外形を研削することで、外径10mm、長さ300mmの棒状の繊維強化セラミックス複合材料が得られた。得られた繊維強化セラミックス複合材料の表面にクラックは確認されず、また、相対密度99.5%以上の緻密化が達成されていた。
(比較例3)
実施例2と同様の方法によって作製したプリフォームの表面をカーボンシートで覆い、内径22mm、外形25mm、長さ360mmの蓋付のコーニング社製の高シリカガラスである「バイコール」(登録商標)製ガラスカプセルにセットし、真空中1300℃で真空封入を行った。このガラスカプセルを実施例1と同様に内径50mm、外形60mm、高さ400mmの黒鉛るつぼにセットし、ガラスカプセルと黒鉛るつぼのすき間をカーボンビーズで充填した。この黒鉛るつぼをHIP装置にセットして、昇温中にアルゴンガスを導入しながら加圧し、温度1300℃、圧力50MPa、保持時間1時間でHIP処理を行った。HIP処理温度の1300℃におけるガラスカプセルの粘度を測定したところ、109.5Pであった。HIP処理後に確認したところ、ガラスカプセルは粉々に割れ、プリフォームが露出しており、緻密化が進行していなかった。これは、バイコールガラスの粘性が1300℃では107.5Pよりも大きくなり、プリフォームの収縮に追随できずに割れ、カーボンシートのみで圧力伝達が行われたためと考えられる。カーボンシートのみでは、プリフォーム中へのガス透過を遮断するほどの緻密性を保ってプリフォームを覆うことはできず、ガスがプリフォーム中に入ってしまうため、プリフォームの緻密化が進行しなかったものと考えられる。
(実施例3)
Si−Ti−C−O 繊維[宇部興産(株)製、商品名「チラノ繊維LoxMグレード」(登録商標)](繊維径11μm)の平織シートを作製し、これを空気中、930℃で4時間加熱処理した。加熱処理後に繊維表面を観察したところ、約150nmの均一な酸化層が形成されていた。次に、内径12mm、外径15mm、長さ300mmのチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料を製造するため、この平織シートを直径12mm、長さ320mmの黒鉛製の棒に、繊維方向が黒鉛棒の長手方向に対し±45°になるように巻きつけながら10層積層してプリフォームを作製した。このプリフォームの表面をカーボンシートによって覆い、内径25mm、外形28mm、長さ360mmの蓋付の東ソー社製の石英ガラスである「クウォーツ ESグレード」製ガラスカプセル内に設置し、真空中1300℃で真空封入を行った。このガラスカプセルを内径56mm、外形66mm、高さ400mmの黒鉛るつぼ内に設置し、実施例1と同様に、ガラスカプセルと黒鉛るつぼのすき間をカーボンビーズによって充填した。この黒鉛るつぼをHIP処理装置内に設置して、昇温中にアルゴンガスを導入しながら加圧し、温度1800℃、圧力50MPa、保持時間1時間でHIP処理を行った。HIP処理温度1800℃におけるガラスカプセルの粘度を測定したところ、106.5Pであった。HIP処理後は、HIP処理の冷却過程で破損された厚さ1〜3mmのガラスがプリフォームの表面全体を覆っていたが、カーボンシートが離形剤と有効に働いているため、容易に除去することができた。心材の黒鉛棒を除去し、内径はそのままで、外形のみを研削することにより、内径12mm、外径15mm、長さ300mmのチューブ状の繊維強化セラミックス複合材料が得られた。得られた繊維強化セラミックス複合材料の表面にクラックは確認されず、また、相対密度99.5%以上の緻密化が達成されていた。
本発明に係る繊維強化セラミックス複合材料の製造方法の実施例1で用いた製造装置の概略構成を示す縦断断面図である。 比較例2で用いた製造装置の概略構成を示す縦断断面図である。
符号の説明
1 プリフォーム
2 カーボンシート
3 ガラスカプセル
4 黒鉛るつぼ
5 カーボンビーズ
6 ガラス粉末

Claims (4)

  1. 無機繊維とセラミックス粉末とからなるプリプレグシートを所定の形状に配して形成したプリフォームをガラスカプセルに封入して、熱間等方加圧処理により繊維強化セラミックス複合材料を製造する繊維強化セラミックス複合材料の製造方法において、
    熱間等方加圧処理の前に、熱間等方加圧処理の高温高圧下において前記プリフォーム及びガラスの何れとも反応せず安定で、且つガラスを透過させない物質によって前記プリフォームの表面を覆う工程を含み、
    熱間等方加圧処理の際の前記ガラスカプセルの粘度が、103〜107.5P(ポアズ)であり、
    熱間等方加圧処理の冷却過程において、前記物質の表面を覆った前記ガラスカプセルのガラスが破損することにより、前記繊維強化セラミックス複合材料の引張の残留応力を開放するように、熱間等方加熱処理に用いるガラス量が調整されていることを特徴とする繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。
  2. 内面層と表面層とからなる無機繊維であって、内面層が、(a)実質的にSi、M、C及びOからなる非晶質物質(但し、MはTi又はZrである。)、(b)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCとの固溶体及びMC1−Xの少なくとも1以上、及びCからなる結晶質超微粒子と、SiO及びMOからなる非晶質物質との集合体(但し、Xは0以上1未満の数である。)、又は(c)上記(a)の非晶質物質と上記(b)の集合体との混合物によって構成され、表面層が、(d)実質的にSi、M及びOからなる非晶質物質、(e)結晶質のSiO及びMOからなる結晶質集合体、又は(f)上記(d)の非晶質物質と上記(e)の結晶質集合体との混合物によって構成されている無機繊維を所定の形状に配して形成したプリフォームをガラスカプセルに封入して、熱間等方加圧処理により繊維強化セラミックス複合材料を製造する繊維強化セラミックス複合材料の製造方法において、
    熱間等方加圧処理の前に、熱間等方加圧処理の高温高圧下において前記プリフォーム及びガラスの何れとも反応せず安定で、且つガラスを透過させない物質によって前記プリフォームの表面を覆う工程を含み、
    熱間等方加圧処理の際の前記ガラスカプセルの粘度が、103〜107.5P(ポアズ)であり、
    熱間等方加圧処理の冷却過程において、前記物質の表面を覆った前記ガラスカプセルのガラスが破損することにより、前記繊維強化セラミックス複合材料の引張の残留応力を開放するように、熱間等方加熱処理に用いるガラス量が調整されていることを特徴とする繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。
  3. 前記物質は、カーボンであることを特徴とする請求項1又は2記載の繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。
  4. 前記繊維強化セラミックス複合材料を棒状又はチューブ状に形成することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。
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