JP2008146735A - 光学ピックアップ、光記録再生装置及びトラッキングエラー信号検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】戻り光に4次の収差を付加して対物レンズシフトを検出し、可動部の重量化、光利用効率の低下を抑制する。
【解決手段】光源部、受光部、対物レンズ、対物レンズを介して光記録媒体の所定の位置に光源部からの出射光を導く光学系、対物レンズを介して光記録媒体からの戻り光を受光部に集光する光学系、受光部にて検出された光出力を基に対物レンズを駆動する対物レンズ駆動部を有する。光記録媒体と受光部との間に4次の収差を付加する収差付加部8を設け、その第1及び第2の領域81a及び81b、82a及び82bを、回折方向が異なる領域とする。
【選択図】図2
【解決手段】光源部、受光部、対物レンズ、対物レンズを介して光記録媒体の所定の位置に光源部からの出射光を導く光学系、対物レンズを介して光記録媒体からの戻り光を受光部に集光する光学系、受光部にて検出された光出力を基に対物レンズを駆動する対物レンズ駆動部を有する。光記録媒体と受光部との間に4次の収差を付加する収差付加部8を設け、その第1及び第2の領域81a及び81b、82a及び82bを、回折方向が異なる領域とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、光ディスクや光カード等の光記録媒体に対して光学的に情報を記録再生する際に用いる光学ピックアップ、光記録再生装置及びトラッキングエラー検出方法に関する。
近年、光記録媒体において、記録密度が異なる種々のタイプの光記録媒体が開発されており、例えばディスク状の光記録媒体では、レーザ光の使用波長が780nm付近であるCD(Compact Disc)、使用波長が660nm付近であるDVD(Digital Versatile Disc)、使用波長が405nm付近である光ディスク(光磁気ディスクを含む)等が挙げられる。
これらの光記録媒体においてはその構造がそれぞれ異なり、記録密度を上げるために、CD型光記録媒体では1.6μmであったトラックピッチがDVD型光記録媒体においては0.74μmと小さくなり、また使用波長が405nm付近、対物レンズの開口数を0.85程度とするより高密度の光記録媒体では0.3〜0.35μm程度にトラックピッチが微小化されている。
このように幅が微細化された記録トラックに対し、光源から出射された光を目的とする記録トラック上に精度良く位置させることが必要である。
従来のトラッキング方法としては、プッシュプル法における対物レンズのオフセット、すなわち光軸ずれに対する補正は、DPP(Differential Push-Pull)法が広く用いられている(例えば特許文献1参照。)。
このDPP法は、光源から光記録媒体に向かう光を3分割し、真ん中のメインビームに対して両側のサブビームを、光記録媒体の盤面上における半径方向に、記録トラックのトラックピッチの2分の1だけずらした位置に精度良く照射し、これらの光を受光部において検出して、対物レンズのオフセットをキャンセルしようとするものである。
このように幅が微細化された記録トラックに対し、光源から出射された光を目的とする記録トラック上に精度良く位置させることが必要である。
従来のトラッキング方法としては、プッシュプル法における対物レンズのオフセット、すなわち光軸ずれに対する補正は、DPP(Differential Push-Pull)法が広く用いられている(例えば特許文献1参照。)。
このDPP法は、光源から光記録媒体に向かう光を3分割し、真ん中のメインビームに対して両側のサブビームを、光記録媒体の盤面上における半径方向に、記録トラックのトラックピッチの2分の1だけずらした位置に精度良く照射し、これらの光を受光部において検出して、対物レンズのオフセットをキャンセルしようとするものである。
しかしながらこのDPP法によるトラッキングエラー検出方法では、光源から光記録媒体に向かういわゆる光の往路において光を3分割するので、以下の不都合が生じる。すなわち、
(a)光を往路上で3分割するため、記録再生を行うような光記録媒体において、光源からの光の光利用効率は、分割しない場合と比べて低下する。
(b)光記録媒体のトラックに対して、高精度に3分割したビームを配置しなければならない。
(c)光記録媒体のシーク軸上(半径方向)に高精度にメインビームを配置しなければならない。
(d)複数の層を有する光記録媒体において、記録再生を行っていない層からの不要光が増える。
(e)トラックピッチの異なる光記録媒体に対する互換性がない。
などの問題である。
(a)光を往路上で3分割するため、記録再生を行うような光記録媒体において、光源からの光の光利用効率は、分割しない場合と比べて低下する。
(b)光記録媒体のトラックに対して、高精度に3分割したビームを配置しなければならない。
(c)光記録媒体のシーク軸上(半径方向)に高精度にメインビームを配置しなければならない。
(d)複数の層を有する光記録媒体において、記録再生を行っていない層からの不要光が増える。
(e)トラックピッチの異なる光記録媒体に対する互換性がない。
などの問題である。
これに対し、光記録媒体の記録面からの戻り光束を回折し受光素子に導くためのホログラム素子と対物レンズとが一体的に駆動される光ピックアップ装置が提案されている(例えば特許文献2参照。)。
これによれば、対物レンズがトラッキング方向にシフトしても、検出されるトラッキングエラー信号に対物レンズのオフセット成分が含まれることがなく、しかも光源からの出射光束が分割されずに光記録媒体の記録面に照射されるため、上述した(a)〜(e)の不都合を回避することができる。
しかしながら、この光ピックアップ装置では、受光素子の出力信号から対物レンズのトラッキング方向に関する位置を検出できないという不都合がある。
これによれば、対物レンズがトラッキング方向にシフトしても、検出されるトラッキングエラー信号に対物レンズのオフセット成分が含まれることがなく、しかも光源からの出射光束が分割されずに光記録媒体の記録面に照射されるため、上述した(a)〜(e)の不都合を回避することができる。
しかしながら、この光ピックアップ装置では、受光素子の出力信号から対物レンズのトラッキング方向に関する位置を検出できないという不都合がある。
このため、ホログラム素子を対物レンズと一体的に駆動するとともに、ホログラム素子によって戻り光を分割し、トラッキングエラー信号に加えて対物レンズのトラッキング方向に関する位置をも検出する光ピックアップ装置が提案されている(例えば特許文献3参照。)。
特許第1756739号公報
特許第2675555号公報
特開2003−203367号公報
しかしながら、上記特許文献3に開示の光ピックアップ装置においては、ホログラム素子を可動部に搭載する必要があるので、可動部の重量が重くなるという問題がある。またこの場合、光源から光記録媒体へ向かう光の往路と光記録媒体から受光部へ向かう光の復路とが重複する共通の光路に偏光ホログラム素子を配置する。このため、特に往路における光量損失が問題となる。往路の光は光記録媒体に集光する光であり、その光量は情報を記録又は再生するために必要な量が物理的に決まっているため、光量損失は大きな問題となり、光利用効率が低下するという不都合が生じる。
一方、本出願人は先に出願した特願2006−309402号(平成18年11月15日出願、特願2005−332093号出願(平成17年11月16日出願)の国内優先出願)において、
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin4θ ・・・(1)
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin4θ ・・・(2)
(但し、Zは収差量を表す係数、(ρ,θ)は光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)
で表わされる4次の収差を発生させる収差付加部(例えば回折素子)を用いることにより、光を往路上で分割せずに、精度良く対物レンズのトラッキング方向に関する位置、すなわちオフセットを検出し、このオフセットを補正したトラッキングエラー信号が得られる光学ピックアップを提案した。以下この4次の収差を付加する収差付加部の作用について説明する。
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin4θ ・・・(1)
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin4θ ・・・(2)
(但し、Zは収差量を表す係数、(ρ,θ)は光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)
で表わされる4次の収差を発生させる収差付加部(例えば回折素子)を用いることにより、光を往路上で分割せずに、精度良く対物レンズのトラッキング方向に関する位置、すなわちオフセットを検出し、このオフセットを補正したトラッキングエラー信号が得られる光学ピックアップを提案した。以下この4次の収差を付加する収差付加部の作用について説明する。
上記式(1)及び(2)に示す4次の収差をもつ収差付加部により回折された±1次回折光は、光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向と、これとは略直交する延長方向とをそれぞれx軸、y軸としたときに、x−y座標の各象限に一つの凸領域を有するいわば四葉型の強度分布に変換される。この様子を図31に示す。
図31に示すように、このような収差を加えることによって、±1次回折光は四葉型のビームスポット形状として受光部9aにおいて受光される。図31においては、光記録媒体の記録トラックの並ぶx軸方向を矢印x、これとは略直交する記録トラックの延長するy軸方向を矢印yで示す。このとき、光記録媒体の案内溝により回折された±1次回折光によるプッシュプル信号領域P1及びP2は、x−y座標の第1象限(x>0、y>0の領域)及び第3象限(x<0、y<0の領域)のみに分布する。
図31に示すように、このような収差を加えることによって、±1次回折光は四葉型のビームスポット形状として受光部9aにおいて受光される。図31においては、光記録媒体の記録トラックの並ぶx軸方向を矢印x、これとは略直交する記録トラックの延長するy軸方向を矢印yで示す。このとき、光記録媒体の案内溝により回折された±1次回折光によるプッシュプル信号領域P1及びP2は、x−y座標の第1象限(x>0、y>0の領域)及び第3象限(x<0、y<0の領域)のみに分布する。
ここで受光部9aの受光領域から得られる信号を、第1象限から右回りにA11〜A14とすると、(A11−A13)を演算すれば、プッシュプル信号が得られることとなる。
一方、第2象限(x<0、y>0の領域)及び第4象限(x>0、y<0の領域)の受光領域にはプッシュプル信号成分は入っていない。このため、(A12−A14)から、対物レンズのオフセットによるシフト量が検出される。
したがって、対角線上の受光領域の差信号を検出し、更にこれらの差を検出することによって、対物レンズのオフセットを補正したトラッキングエラー信号を得ることができる。
一方、第2象限(x<0、y>0の領域)及び第4象限(x>0、y<0の領域)の受光領域にはプッシュプル信号成分は入っていない。このため、(A12−A14)から、対物レンズのオフセットによるシフト量が検出される。
したがって、対角線上の受光領域の差信号を検出し、更にこれらの差を検出することによって、対物レンズのオフセットを補正したトラッキングエラー信号を得ることができる。
これに対し、図32に通常の光学ピックアップの受光部における光スポットの強度分布を示す。図32において、図31と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図32において、受光部9bをトラックの延長方向及びトラックの並ぶ方向に4分割して、各受光領域から得られる信号を右回りにC11〜C14とすると、通常のプッシュプル信号、すなわち(C11+C12)−(C13+C14)には、対物レンズのオフセットが加味されてしまう。
図33においては、上述の4次の収差を加えることによって得られる信号A11〜A14を利用して、対物レンズシフト及びこれを補正したトラッキングエラー信号を解析した結果を示す。
なお、上記式(1)又は式(2)に定義される収差を収差付加部に与える場合、得られる信号量は殆ど同じであり、この解析においては、上記式(1)で定義される収差を収差付加部に与えた場合を示す。すなわちこの解析結果は、上記式(2)で定義される収差を収差付加部に与える場合においても同様となる。
図33において、実線d1及びd2は、上述の図31に示す受光部からの信号(A11−A13)、k×(A12−A14)(kは受光部に入射される光の強度分布や収差付加部の回折光量比などを補正する係数)をそれぞれ示し、実線d3は、これらの差信号、すなわち(A11−A13)−k×(A12−A14)より得られるトラッキングエラー信号TESを示す。
図33から明らかなように、この光学ピックアップによれば、対物レンズシフトが補正されたトラッキングエラー信号が得られることがわかる。
このような4次の収差を付加する構成を利用して、対物レンズのオフセットのみを検出することができれば、通常のプッシュプル信号を利用して対物レンズのオフセットを補正したトラッキングエラー信号を検出することが可能となる。
なお、上記式(1)又は式(2)に定義される収差を収差付加部に与える場合、得られる信号量は殆ど同じであり、この解析においては、上記式(1)で定義される収差を収差付加部に与えた場合を示す。すなわちこの解析結果は、上記式(2)で定義される収差を収差付加部に与える場合においても同様となる。
図33において、実線d1及びd2は、上述の図31に示す受光部からの信号(A11−A13)、k×(A12−A14)(kは受光部に入射される光の強度分布や収差付加部の回折光量比などを補正する係数)をそれぞれ示し、実線d3は、これらの差信号、すなわち(A11−A13)−k×(A12−A14)より得られるトラッキングエラー信号TESを示す。
図33から明らかなように、この光学ピックアップによれば、対物レンズシフトが補正されたトラッキングエラー信号が得られることがわかる。
このような4次の収差を付加する構成を利用して、対物レンズのオフセットのみを検出することができれば、通常のプッシュプル信号を利用して対物レンズのオフセットを補正したトラッキングエラー信号を検出することが可能となる。
以上の問題に鑑みて、本発明は、光学ピックアップにおける可動部の重量の増加を伴うことなく、また、光の利用効率を低下させることなく、対物レンズのオフセットを検出することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による光学ピックアップは、光源部と、受光部と、対物レンズと、この対物レンズを介して光記録媒体の所定の位置に前記光源部からの出射光を導く機能を有する光学系と、対物レンズを介して光記録媒体からの戻り光を受光部に集光する機能を有する光学系と、受光部において検出された光出力をもとに対物レンズを駆動する対物レンズ駆動部と、を有して成る。そして対物レンズから受光部までの間に、収差付加部を設ける。この収差付加部は、光束の通過する領域が4分割されて、4分割された領域のうち、斜めに対向する一組の領域同士を第1及び第2の領域とする。第1の領域は、第1の方向に回折する領域とする。第2の領域は、この第1の方向とは異なる第2の方向に回折する領域とする。そしてこれら第1及び第2の領域は、その回折光が、
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin4θ
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin4θ
(但し、Zは収差量を表す係数、(ρ,θ)は光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)で表わされる4次の収差を有する構成とする。
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin4θ
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin4θ
(但し、Zは収差量を表す係数、(ρ,θ)は光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)で表わされる4次の収差を有する構成とする。
上述の本発明による光学ピックアップにおいて、収差付加部の第1の領域において回折する第1の方向としては、例えば光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向をx軸方向、記録トラックの延長する方向をy軸方向とすると、x軸方向又はy軸方向のいずれか一方、例えばx軸方向としてもよい。また、第2の領域において回折する第2の方向としては、y軸方向又はx軸方向のうち第1の領域の回折方向とは異なる方向、例えばy軸方向とすることができる。
また、本発明の光記録再生装置は、上述の本発明構成の光学ピックアップを有し、その受光部において検出された光出力に基づいて記録及び/又は再生がなされる構成とする。
更に、本発明のトラッキングエラー信号検出方法は、光源から少なくとも対物レンズを介して光記録媒体に入射した光を受光部により検出して、光記録媒体のトラック位置を検出するもので、対物レンズから受光部までの間に、上述の本発明構成の光学ピックアップに設ける収差付加部と同様の構成の収差付加部を設ける。そして受光部を、少なくともこの収差付加部の第1及び第2の領域により回折される±1次回折光を受光する受光素子より構成し、±1次回折光から、対物レンズのオフセット信号を検出し、このオフセット信号を基に、対物レンズのオフセットが補正されたトラッキングエラー信号を検出する。
上述したように、本発明の光学ピックアップ、光記録再生装置及びトラッキングエラー信号検出方法においては、4次の収差を付加する収差付加部を対物レンズと受光部との間に設けるものであり、特に収差付加部の光束が通過する領域を4分割して、斜めに対向する一組の領域同士を第1及び第2の領域とする。そしてこれら第1及び第2の領域がそれぞれ異なる回折方向をもち、例えばx軸方向(光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向)か、又はy軸方向(光記録媒体の記録トラックの延長する方向)のどちらか一方の互いに異なる方向を回折方向とする。このように、回折方向の異なる第1及び第2の領域を設けて、それぞれ4次の収差を付加することによって、得られる±1次回折光から、対物レンズのオフセットを精度良く検出することができる。
本発明によれば、光記録媒体からの戻り光に4次の収差を付加する構成とすることにより、光学ピックアップにおける可動部の重量の増加を伴うことなく、また、光の利用効率の低下を招くことなく、対物レンズのオフセットを検出することが可能となる。
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
図1においては、本発明によるトラッキングエラー信号検出方法を実現する光学ピックアップを有する光記録再生装置の一実施形態例の要部の概略構成図を示す。
この光記録再生装置100は、半導体レーザ等より成る光源部2と、光源部2から出射される光を光記録媒体10、例えば光ディスクに入射させる光学系、すなわちこの場合コリメートレンズ等より成るレンズ3、偏光ビームスプリッタ4、4分の1波長板5と、対物レンズ6とを有する。また、光記録媒体10から反射された光を受光部9又は19に導く光学系を有し、この場合対物レンズ6、4分の1波長板5、偏光ビームスプリッタ4、ビームスプリッタ17、このビームスプリッタ17を透過する光路上の受光部9との間にレンズ7、収差付加部8を配置し、ビームスプリッタ17により反射される光路上の受光部19との間にレンズ18を配置する構成とする。収差付加部8は、回折素子や自由曲面(非球面)レンズ、液晶素子等を用いることができる。なお、回折素子や非球面レンズ、液晶素子のうち1種以上を2個以上組み合わせた構成としてもよい。
対物レンズ6には、2軸アクチュエータ等のアクチュエータ12を有する対物レンズ駆動部9が接続される。また、光記録媒体10は、スピンドルモータ等の回転駆動部16上に載置固定されて、記録再生時には所定の速度で回転される。
受光部9及び19において検出された信号は演算回路15に出力される。本発明の光学ピックアップ1に破線を付して示す。
図1においては、本発明によるトラッキングエラー信号検出方法を実現する光学ピックアップを有する光記録再生装置の一実施形態例の要部の概略構成図を示す。
この光記録再生装置100は、半導体レーザ等より成る光源部2と、光源部2から出射される光を光記録媒体10、例えば光ディスクに入射させる光学系、すなわちこの場合コリメートレンズ等より成るレンズ3、偏光ビームスプリッタ4、4分の1波長板5と、対物レンズ6とを有する。また、光記録媒体10から反射された光を受光部9又は19に導く光学系を有し、この場合対物レンズ6、4分の1波長板5、偏光ビームスプリッタ4、ビームスプリッタ17、このビームスプリッタ17を透過する光路上の受光部9との間にレンズ7、収差付加部8を配置し、ビームスプリッタ17により反射される光路上の受光部19との間にレンズ18を配置する構成とする。収差付加部8は、回折素子や自由曲面(非球面)レンズ、液晶素子等を用いることができる。なお、回折素子や非球面レンズ、液晶素子のうち1種以上を2個以上組み合わせた構成としてもよい。
対物レンズ6には、2軸アクチュエータ等のアクチュエータ12を有する対物レンズ駆動部9が接続される。また、光記録媒体10は、スピンドルモータ等の回転駆動部16上に載置固定されて、記録再生時には所定の速度で回転される。
受光部9及び19において検出された信号は演算回路15に出力される。本発明の光学ピックアップ1に破線を付して示す。
このような構成において、光源2から出射された例えばレーザ光は、コリメートレンズ等より成るレンズ3によって平行光とされ、偏光ビームスプリッタ4に入射され、その偏光面において反射されて、4分の1波長板5を通過して対物レンズ6を介して光記録媒体10の記録トラック上に所定の強度分布をもって照射される。
光記録媒体10から反射された光は、対物レンズ6を介して4分の1波長板5を通過する。4分の1波長板を2回通過した光は偏光方向が変換されて偏光ビームスプリッタ4の偏光面を通過し、検出用のレンズ7及び収差付加部8を介して受光部9の受光面上に入射される。図1の例においては、収差付加部8による0次光、±1次回折光をそれぞれ受光する3つの受光素子により受光部9を構成した例を模式的に示す。
なお、収差付加部を配置する位置は、光源部2から光が光記録媒体10に向かう往路と重なる光路を除き、かつビームスプリッタ17により分割された後の光路に配置すればよい。したがって図1に示す例においてはビームスプリッタ17と受光部9との間であればよく、例えば破線8´で示すようにビームスプリッタ17とレンズ7との間に配置してもよい。
光記録媒体10から反射された光は、対物レンズ6を介して4分の1波長板5を通過する。4分の1波長板を2回通過した光は偏光方向が変換されて偏光ビームスプリッタ4の偏光面を通過し、検出用のレンズ7及び収差付加部8を介して受光部9の受光面上に入射される。図1の例においては、収差付加部8による0次光、±1次回折光をそれぞれ受光する3つの受光素子により受光部9を構成した例を模式的に示す。
なお、収差付加部を配置する位置は、光源部2から光が光記録媒体10に向かう往路と重なる光路を除き、かつビームスプリッタ17により分割された後の光路に配置すればよい。したがって図1に示す例においてはビームスプリッタ17と受光部9との間であればよく、例えば破線8´で示すようにビームスプリッタ17とレンズ7との間に配置してもよい。
受光部9及び19において検出された光出力は演算回路15に出力され、演算回路15において受光部9からの光出力に基づき対物レンズシフト信号が演算され、また受光部19からの光出力を基にRF(高周波)信号、TE(トラッキングエラー)信号、FE(フォーカスエラー)信号がそれぞれ演算される。なお、TE信号は受光部9に上述したように0次光を受光する受光素子を設けてここからの光出力より演算してもよい。RF信号は例えば演算回路においてアナログ/デジタル変換、エラー訂正などの処理がなされて記録再生信号として出力され、対物レンズシフト信号によって対物レンズのオフセットが補正されたTE信号は光ヘッド駆動部13に、またFE信号は対物レンズ駆動部11に出力されて、フォーカスサーボ、トラッキングサーボがなされる。
そして本発明においては、収差付加部8を図2に示すように4分割し、斜めに対向する一組の領域同士を第1の領域81a及び81b、第2の領域82a及び82bとする。図示の例においては、光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向(ディスク状の光記録媒体の場合はラディアル方向)に対応する方向をx軸、記録トラックの延長方向(ディスク状の光記録媒体の場合はタンジェンシャル方向)に対応する方向をy軸として示す。各領域の分割線は、x軸から角度α、y軸から角度βを成す方向とする。そしてx−y平面の略第1及び第3象限に対応する領域を第1の領域81a及び81bとし、第2及び第4象限に対応する領域を第2の領域82a及び82bとする。更に、第1の領域81a及び81bの回折方向を第1の方向、例えば略x軸方向とし、第2の領域82a及び82bの回折方向を第1の方向とは異なる第2の方向、例えば略y軸方向として構成する。
なお、これらの回折方向はx軸方向及びy軸方向に限定されるものではなく、互いに異なる方向であればよい。特に受光部において、第1及び第2の領域から回折される±1次回折光を受光する受光素子を十分な間隔をもって互いに配置構成できる程度に回折方向が異なればよく、互いに直交する方向であることが望ましい。また回折方向をx軸方向及びy軸方向とする場合は、これら以外の方向とする場合と比べて、各受光素子の配置組み立て作業の煩雑化を抑えることができる。
そして第1及び第2の領域81a及び81b、82a及び82bはそれぞれ、上記式(1)又は(2)、すなわち、
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin4θ・・・(1)
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin4θ・・・(2)
(但し、Zは収差量を表す係数、すなわち収差量及び収差の方向(焦線方向)を決定する係数、ρ及びθは光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)
で表わされる4次の収差を付加する構成とする。このとき、4次の収差は第1及び第2の領域でそれぞれ連続的であり、またデフォーカス成分は全面に対して連続的である。
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin4θ・・・(1)
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin4θ・・・(2)
(但し、Zは収差量を表す係数、すなわち収差量及び収差の方向(焦線方向)を決定する係数、ρ及びθは光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)
で表わされる4次の収差を付加する構成とする。このとき、4次の収差は第1及び第2の領域でそれぞれ連続的であり、またデフォーカス成分は全面に対して連続的である。
図3及び図4は、このような4次の収差をもつ収差付加部の第1及び第2の領域により回折された±1次回折光を受光する受光部9の受光素子91及び92の概略平面構成図であり、受光されるビームスポット形状を模式的に示す。受光部9の受光素子91及び92は、光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向と、これとはほぼ直交する記録トラックの延長方向をそれぞれx軸、y軸としたときに、x軸及びy軸方向に4分割され、それぞれx−y平面の第1象限から時計周りにA1、B1、C1及びD1、A2、B2、C2及びD2の信号が検出されるものとする。
このよう名構成の受光部9を用いた場合について、デトラック及び対物レンズシフトに対する4種のプッシュプル信号の変化を計算により求めた。すなわち、第1及び第2の領域からの回折光による光記録媒体の記録トラックの延長方向(タンジェンシャル方向)のプッシュプル信号TPP1及びTPP2、光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向(ディスク状の光記録媒体の場合はラディアル方向)のプッシュプル信号(ディスク状の光記録媒体の場合はラディアル・プッシュプル信号)RPP1及びRPP2の4種のプッシュプル信号である。各例共に、4次の収差量がZ=−1であり、デフォーカス量がゼルニケ係数でZ4=−0.4の場合である。また、図2に示す第1及び第2の領域の分割線のx軸方向及びy軸方向に対する角度α及びβを、α=βとし、−25度から+25度まで変化させた。この結果を図5〜図12に示す。なお、図5〜図12において、実線a1〜a11、b1〜b11、e1〜e11、f1〜f11、g1〜g11、h1〜h11、i1〜i11、j1〜j11はそれぞれ、角度α(=β)を−25度から+25度まで5度毎に変化させた場合を示す。
また、第1の領域からの回折光から得られるプッシュプル信号RPP1と第2の領域からの回折光から得られるプッシュプル信号RPP2との差信号(RPP1−RPP2)と、第1の領域からの回折光から得られるプッシュプル信号RPP1と第2の領域からの回折光から得られるタンジェンシャル・プッシュプル信号TPP2との差信号(RPP1−TPP2)、更に、第2の領域からの回折光から得られるプッシュプル信号RPP2と第1の領域からの回折光から得られるタンジェンシャル・プッシュプル信号TPP1との差信号(RPP2−TPP1)について、同様にデトラック及び対物レンズシフトに対する変化を求めた。この結果を図13〜図18に示す。図13〜18において、実線t1〜t11、l1〜l11、m1〜m11、n1〜n11、v1〜v11、w1〜w11はそれぞれ、角度α(=β)を−25度から+25度まで5度毎に変化させた場合を示す。なお、信号(RPP2−TPP1)と、信号(RPP1−TPP2)とは、角度α(β)の符号が反転した信号に対応する。
図5〜図16の結果から、角度α及びβについて、
+5°≦α≦+25° ・・・(3)
及び
+5°≦β≦+25° ・・・(4)
であれば、光記録媒体による変調成分が殆ど存在しないか、変調成分が存在しても極性が反転しているため、対物レンズシフトの補正に十分使用することができることが分かる。4次の収差量がZ=+1であり、デフォーカス量がゼルニケ係数でZ4=+0.4の場合でも同様の振舞いを示す。したがって4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が正の場合であれば、上記式(3)及び(4)の条件の場合に対物レンズシフトを検出することができる。
+5°≦α≦+25° ・・・(3)
及び
+5°≦β≦+25° ・・・(4)
であれば、光記録媒体による変調成分が殆ど存在しないか、変調成分が存在しても極性が反転しているため、対物レンズシフトの補正に十分使用することができることが分かる。4次の収差量がZ=+1であり、デフォーカス量がゼルニケ係数でZ4=+0.4の場合でも同様の振舞いを示す。したがって4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が正の場合であれば、上記式(3)及び(4)の条件の場合に対物レンズシフトを検出することができる。
一方、4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が負の場合、収差の方向がラディアル方向に反転するだけであり、対物レンズシフト信号は(RPP2−RPP1)、又は(RPP2−TPP1)から得られる。したがって、図13及び図14、図17及び図18の結果から、
−25°≦α≦−5° ・・・(5)
及び
−25°≦β≦−5° ・・・(6)
であれば、対物レンズシフトを検出することができることが容易に理解できる。
−25°≦α≦−5° ・・・(5)
及び
−25°≦β≦−5° ・・・(6)
であれば、対物レンズシフトを検出することができることが容易に理解できる。
図19に、本発明の実施形態に係る光学ピックアップの収差付加部の一例の概略平面構成図を示す。図19において、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この例においては、第1の領域81a及び81bにおいては、略y軸方向を回折方向とし、第2の領域82a及び82bにおいては、略x軸方向を回折方向としてそれぞれ4次の収差を付加する領域とする場合を示す。なお、各領域の分割線は、x軸方向及びy軸方向に対してそれぞれ約11°傾斜する方向としている。
この収差付加部8を用いて回折した光を受光する受光部9の概略平面構成図を図20に示す。図20に示すように、この場合図19に示す第1の領域81a及び81bから回折される±1次回折光S1(+1)及びS1(−1)を受光する受光素子91A及び91Bが、光記録媒体の記録トラックの延長する方向に対応するy軸方向に併置配列される。また、図19に示す第2の領域82a及び82bから回折される±1次回折光S2(+1)及びS2(−1)を受光する受光素子92A及び92Bが、光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向に対応するx軸方向に併置配列される。このとき、各受光素子91A及び91B、92A及び92Bはx軸方向、すなわち光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向に2分割されてプッシュプル信号(ディスク状の光記録媒体の場合ラディアル・プッシュプル信号となる)を検出する構成とする。
ここで対物レンズのシフトを示すレンズシフト信号LSの演算式は、
RPP1={(A+D)−k5×(B+C)}/(A+B+C+D)・・・(7)
RPP2={(E+H)−k6×(F+G)}/(E+F+G+H)・・・(8)
としたとき、4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が正の場合、レンズシフト信号をLSとすると、
LS=RPP1−k1×RPP2 ・・・(9)
となる。
また、4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が負の場合は、
LS=RPP2−k2×RPP1 ・・・(10)
となる。
なお、k1及びk2、k5及びk6は受光部に入射される光の強度分布や収差付加部の回折光量比などを補正する係数である。
RPP1={(A+D)−k5×(B+C)}/(A+B+C+D)・・・(7)
RPP2={(E+H)−k6×(F+G)}/(E+F+G+H)・・・(8)
としたとき、4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が正の場合、レンズシフト信号をLSとすると、
LS=RPP1−k1×RPP2 ・・・(9)
となる。
また、4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が負の場合は、
LS=RPP2−k2×RPP1 ・・・(10)
となる。
なお、k1及びk2、k5及びk6は受光部に入射される光の強度分布や収差付加部の回折光量比などを補正する係数である。
このような演算を行う演算回路の一例の概略構成図を図21に示す。受光部9の受光素子91Aにおいて検出された信号A及びB、受光素子91Bにおいて検出された信号C及びDは、図示しない電流−電圧変換増幅器によりそれぞれ電圧変換された検出信号とされ、加算器21において和信号(A+D)、加算器22において和信号(B+C)が演算され、和信号(B+C)には係数乗算器41により係数k5が乗算されて、減算器23により差信号{(A+D)−k5×(B+C)}が演算される。一方、加算器24〜26により和信号(A+B)、(C+D)、(A+B+C+D)がそれぞれ演算されて、除算器27において上記式(7)に示す信号{(A+D)−k5×(B+C)}/(A+B+C+D)が演算されて信号RPP1が出力される。
また、受光部92Aにおいて検出された信号E及びF、受光素子92Bにおいて検出された信号G及びHは、図示しない電流−電圧変換増幅器によりそれぞれ電圧変換された検出信号とされ、加算器28において和信号(E+H)、加算器29において和信号(F+G)が演算され、和信号(F+G)には係数乗算器42により係数k6が乗算されて、減算器30により差信号{(E+H)−k6×(F+G)}が演算される。一方、加算器31〜33により和信号(E+F)、(G+H)、(E+F+G+H)がそれぞれ演算されて、除算器34において上記式(8)に示す信号{(E+H)−k6×(F+G)}/(E+F+G+H)が演算されて信号RPP2が出力される。
信号RPP2に係数乗算器43により係数k1を乗算して、減算器35において上記式(9)に示す信号(RPP1−k1×RPP2)が演算されて、対物レンズシフト信号LSとして出力される。
なお、上記式(10)に示す信号を演算する場合においても、同様の構成の演算回路を用いて信号を出力することができる。
信号RPP2に係数乗算器43により係数k1を乗算して、減算器35において上記式(9)に示す信号(RPP1−k1×RPP2)が演算されて、対物レンズシフト信号LSとして出力される。
なお、上記式(10)に示す信号を演算する場合においても、同様の構成の演算回路を用いて信号を出力することができる。
このように、±1次回折光の対応する受光領域の和及び差をとってレンズシフト信号を演算することによって、光ビームと受光部との相対的位置ずれに対して許容量が増加する。したがって、受光部の配置位置の調整精度を緩和することができるという利点を有する。
一方、第2の領域から回折される光のタンジェンシャル・プッシュプル信号を用いて対物レンズのレンズシフト信号を得る構成としてもよい。この場合の収差付加部8の概略平面構成図を図22に示す。図22において、図19と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この場合においても、第1の領域81a及び81bは、略y軸方向を回折方向とし、第2の領域82a及び82bにおいては、略x軸方向を回折方向としてそれぞれ4次の収差を付加する領域とする場合を示す。なお、この場合においても各領域の分割線は、x軸方向及びy軸方向に対してそれぞれ約11°傾斜する方向としている。
この収差付加部8を用いて回折した光を受光する受光部9の概略平面構成図を図23に示す。図23において、図20と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図23に示すように、この場合図22に示す第2の領域82a及び82bから回折される±1次回折光S2(+1)及びS2(−1)を受光する受光素子92A及び92Bが、光記録媒体の記録トラックの延長方向、すなわちタンジェンシャル方向に2分割されてそれぞれ信号E及びF、G及びHが検出され、タンジェンシャル・プッシュプル信号が得られる構成とする。
ここで対物レンズのシフトを示すレンズシフト信号LSの演算式は、
RPP1={(A+D)−k7×(B+C)}/(A+B+C+D)・・・(11)
TPP2={(E+H)−k8×(F+G)}/(E+F+G+H)・・・(12)
としたとき、4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が正の場合、レンズシフト信号LSは、
LS=RPP1−k3×TPP2 ・・・(13)
となる。
また、4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が負の場合は、
LS=RPP2−k4×TPP1 ・・・(14)
となる。この場合は、図23に示す例と同様に受光素子91A及び91B、92A及び92Bを配置し、受光素子91A及び91Bの分割線を光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向に沿う方向(x軸方向)とし、受光素子92A及び92Bの分割線を光記録媒体の記録トラックの延長方向に沿う方向(y軸方向)として第2の受光素子92A及び92Bからタンジェンシャル・プッシュプル信号を検出し、第1の受光素子91A及び91Bからプッシュプル信号(ディスク状の光記録媒体の場合はラディアル・プッシュプル信号)を検出して、その差信号を演算すればよい。
なお、k3及びk4、k7及びk8は受光部に入射される光の強度分布や収差付加部の回折光量比などを補正する係数である。
RPP1={(A+D)−k7×(B+C)}/(A+B+C+D)・・・(11)
TPP2={(E+H)−k8×(F+G)}/(E+F+G+H)・・・(12)
としたとき、4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が正の場合、レンズシフト信号LSは、
LS=RPP1−k3×TPP2 ・・・(13)
となる。
また、4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が負の場合は、
LS=RPP2−k4×TPP1 ・・・(14)
となる。この場合は、図23に示す例と同様に受光素子91A及び91B、92A及び92Bを配置し、受光素子91A及び91Bの分割線を光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向に沿う方向(x軸方向)とし、受光素子92A及び92Bの分割線を光記録媒体の記録トラックの延長方向に沿う方向(y軸方向)として第2の受光素子92A及び92Bからタンジェンシャル・プッシュプル信号を検出し、第1の受光素子91A及び91Bからプッシュプル信号(ディスク状の光記録媒体の場合はラディアル・プッシュプル信号)を検出して、その差信号を演算すればよい。
なお、k3及びk4、k7及びk8は受光部に入射される光の強度分布や収差付加部の回折光量比などを補正する係数である。
上記式(11)及び(12)の演算を行う演算回路の一例の概略構成図を図24に示す。受光部9の受光素子91Aにおいて検出された信号A及びB、受光素子91Bにおいて検出された信号C及びDは、図示しない電流−電圧変換増幅器によりそれぞれ電圧変換された検出信号とされ、加算器51において和信号(A+D)、加算器52において和信号(B+C)が演算され、和信号(B+C)には係数乗算器44により係数k7が乗算されて、減算器53により差信号{(A+D)−k7×(B+C)}が演算される。一方、加算器54〜56により和信号(A+B)、(C+D)、(A+B+C+D)がそれぞれ演算されて、除算器57において上記式(11)に示す信号{(A+D)−k7×(B+C)}/(A+B+C+D)が演算されて信号RPP1が出力される。
また、受光部92Aにおいて検出された信号E及びF、受光素子92Bにおいて検出された信号G及びHは、図示しない電流−電圧変換増幅器によりそれぞれ電圧変換された検出信号とされ、加算器58において和信号(E+H)、加算器59において和信号(F+G)が演算され、和信号(F+G)には係数乗算器45により係数k8が乗算されて、減算器60により差信号{(E+H)−k8×(F+G)}が演算される。一方、加算器61〜63により和信号(E+F)、(G+H)、(E+F+G+H)がそれぞれ演算されて、除算器64において上記式(12)に示す信号{(E+H)−k8×(F+G)}/(E+F+G+H)が演算されて信号TPP2が出力される。
信号TPP2に係数乗算器46により係数k3を乗算して、減算器65において上記式(13)に示す信号(RPP1−k3×TPP2)が演算されて、対物レンズシフト信号LSとして出力される。
なお、上記式(14)に示す信号を演算する場合においても、同様の構成の演算回路を用いて信号を出力することができる。
信号TPP2に係数乗算器46により係数k3を乗算して、減算器65において上記式(13)に示す信号(RPP1−k3×TPP2)が演算されて、対物レンズシフト信号LSとして出力される。
なお、上記式(14)に示す信号を演算する場合においても、同様の構成の演算回路を用いて信号を出力することができる。
この場合においても、±1次回折光の対応する受光領域の和及び差をとってレンズシフト信号を演算することによって、光ビームと受光部との相対的位置ずれに対して許容量が増加する。したがって、受光部の配置位置の調整精度を緩和することができるという利点を有する。
このような収差付加部及び受光部の構成として、上述の演算を行うことによって、対物レンズシフト信号を得ることができる。一方、図1に示す光学ピックアップ及び光記録再生装置において、ビームスプリッタ17により分岐した光路上に設ける他の受光部19における光出力からプッシュプル信号を検出して、上記の対物レンズシフト信号LSを差し引くことによって、対物レンズシフトを補正したトラッキングエラー信号を得ることができ、結果として安定したトラッキングサーボを行うことができる。
また、上述したように、トラッキングエラー信号は、図20又は図23に示す受光部9の中央部に0次光を受光する受光素子を配置し、ここから得られる光出力をもとに検出することも可能である。フォーカスエラー信号及びRF信号は、図1に示す受光部19において検出することができる。
また、上述したように、トラッキングエラー信号は、図20又は図23に示す受光部9の中央部に0次光を受光する受光素子を配置し、ここから得られる光出力をもとに検出することも可能である。フォーカスエラー信号及びRF信号は、図1に示す受光部19において検出することができる。
以上説明した収差を定義する上記式(1)及び式(2)においては、θ=0°とする方向を、トラックの並ぶ方向(ディスク状の光記録媒体の場合はラディアル方向)として解析を行った。このとき、トラックの延長方向(ディスク状の光記録媒体の場合は接線方向)に近い焦線方向は、トラックの延長方向に対し22.5°の方向となる。この様子を図25に示す。
図25に示すように、トラックの延長方向(接線方向)をy軸、トラックの並ぶ方向(ラディアル方向)をx軸とする。このような収差を与える上記式(1)又は式(2)で定義される極座標において、x軸方向をθ=0°とすると、焦線方向は、トラックの延長方向であるy軸方向からの角度γが約22.5°の方向となる。この方向を実線x´で示す。焦線方向はこの実線x´で示す方向と、この方向から90°を成す実線y´で示す方向となる。
このような収差を与えることによって、光強度分布がこれら焦線方向にシフトされる。これにより、プッシュプル変調成分が存在する焦線x´と存在しない焦線y´に分離することができる。
図25に示すように、トラックの延長方向(接線方向)をy軸、トラックの並ぶ方向(ラディアル方向)をx軸とする。このような収差を与える上記式(1)又は式(2)で定義される極座標において、x軸方向をθ=0°とすると、焦線方向は、トラックの延長方向であるy軸方向からの角度γが約22.5°の方向となる。この方向を実線x´で示す。焦線方向はこの実線x´で示す方向と、この方向から90°を成す実線y´で示す方向となる。
このような収差を与えることによって、光強度分布がこれら焦線方向にシフトされる。これにより、プッシュプル変調成分が存在する焦線x´と存在しない焦線y´に分離することができる。
極座標のθ=0°がトラックの並ぶ方向から角度δずれた場合のデトラックに対する信号量を解析した結果を図26に示す。図26においては、前述の図31に示す受光部9aから得られる信号(A11−A13)−k×(A12−A14)のデトラックに対する変化を解析した結果を示す。また、図26において、実線o1〜o19は、極座標のθ=0°がトラックの並ぶ方向からずれる角度δを、−22.5度から22.5度まで0.5度毎に変化させた場合を示す。
図26から明らかなように、角度δが±22.5度の場合は殆ど信号が得られないが、その他の角度では十分にデトラックに対する良好なトラッキングエラー信号が得られることがわかる。
このため、本発明においては、収差付加部が有する上記式(1)又は(2)で定義される収差を表す極座標において、θ=0°とする方向を、光記録媒体のトラックの並ぶ方向から±22.5度未満の範囲とすることが望ましいことが分かる。
すなわち、収差付加部に与える収差として、上記式(1)又は(2)を、
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin(4θ+δ)・・・(1´)
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin(4θ+δ)・・・(2´)
(但し、Zは収差量を表す係数、ρ及びθは光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)
と表したときに、
−22.5°<δ<22.5°
とすることが望ましいといえる。
図26から明らかなように、角度δが±22.5度の場合は殆ど信号が得られないが、その他の角度では十分にデトラックに対する良好なトラッキングエラー信号が得られることがわかる。
このため、本発明においては、収差付加部が有する上記式(1)又は(2)で定義される収差を表す極座標において、θ=0°とする方向を、光記録媒体のトラックの並ぶ方向から±22.5度未満の範囲とすることが望ましいことが分かる。
すなわち、収差付加部に与える収差として、上記式(1)又は(2)を、
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin(4θ+δ)・・・(1´)
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin(4θ+δ)・・・(2´)
(但し、Zは収差量を表す係数、ρ及びθは光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)
と表したときに、
−22.5°<δ<22.5°
とすることが望ましいといえる。
次に、収差付加部による±1次回折光を受光する受光部の光軸上の位置について検討した結果を説明する。
上記式(1)又は(2)に定義される収差を与える場合、そのスポット形状は、光軸上の位置によって変化する。この様子を図27A及びBに示す。図27Aにおいては光軸に沿う方向の光ビームLの概略断面図、図27Bにおいては、光軸と直交する面での光ビームのスポット形状を示す。図27Bに示すように、上記式(1)又は(2)に定義される収差を与えられた光ビームLのスポット形状は、前側焦線において四葉型、最小錯乱円において略真円、後側焦線においては、前側焦線とは傾斜する方向が異なる四葉型となる。すなわち、光軸C上において受光部をそれぞれ前側焦線、最小錯乱円、後側焦線に配置すると、それぞれ四葉型のスポットSf、略真円型のスポットSc、スポットSfとは傾きの対称な四葉型のスポットSbとして受光される。
上記式(1)又は(2)に定義される収差を与える場合、そのスポット形状は、光軸上の位置によって変化する。この様子を図27A及びBに示す。図27Aにおいては光軸に沿う方向の光ビームLの概略断面図、図27Bにおいては、光軸と直交する面での光ビームのスポット形状を示す。図27Bに示すように、上記式(1)又は(2)に定義される収差を与えられた光ビームLのスポット形状は、前側焦線において四葉型、最小錯乱円において略真円、後側焦線においては、前側焦線とは傾斜する方向が異なる四葉型となる。すなわち、光軸C上において受光部をそれぞれ前側焦線、最小錯乱円、後側焦線に配置すると、それぞれ四葉型のスポットSf、略真円型のスポットSc、スポットSfとは傾きの対称な四葉型のスポットSbとして受光される。
この受光部の配置位置によって、信号がどのように変化するかを解析した結果を図28に示す。図28においては、前述の図31に示す受光部9aから得られる信号(A11−A13)−k×(A12−A14)のデトラックに対する変化を解析した結果を示す。また、図28において、実線q1は後側焦線、実線q2は後側焦線と最小錯乱円の中間、実線q3は最小錯乱円、実線q4は前側焦線と最小錯乱円との中間、実線q5は前側焦線に、それぞれ受光部を配置した場合を示し、実線q6〜q13は最小錯乱円から前側焦線までの距離を1とし、最小錯乱円から前側焦線を超えてそれぞれその1.5倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍、4.5倍、5.0倍の位置に受光部を配置した場合を示す。
図28から明らかなように、受光部を後側焦線から前側焦線、更に、最小錯乱円から前側焦線を超えて、最小錯乱円と前側焦線との距離の5.0倍の位置まで配置する全ての場合で、十分にデトラックに対する良好なトラッキングエラー信号が得られることがわかる。
次に、光記録媒体の案内溝等の条件により、受光部における光スポット内のプッシュプル変調領域の占める大きさによる影響について検討した結果を説明する。
光記録媒体の種類によって案内溝の周期(トラックピッチ)tp、対物レンズの開口数NA、記録及び/又は再生用の光の波長λが異なる。上述のプッシュプル変調領域の大きさは、これらによって変化する。
図29に示すように、光記録媒体の案内溝によって回折される0次光S(0)と±1次回折光(図29においては+1次回折光のみ示す)S(+1)との中心の間隔をdとすると、
d=λ/(tp×NA) ・・・(15)
となる。
図29において斜線を付して示す領域P1にプッシュプル変調成分が表れる。
この領域P1が光スポット内の中央に接近していると、収差付加部に上記式(1)又は(2)に定義される収差を与えても、焦線方向にプッシュプル変調成分を分離することができない恐れがある。
光記録媒体の種類によって案内溝の周期(トラックピッチ)tp、対物レンズの開口数NA、記録及び/又は再生用の光の波長λが異なる。上述のプッシュプル変調領域の大きさは、これらによって変化する。
図29に示すように、光記録媒体の案内溝によって回折される0次光S(0)と±1次回折光(図29においては+1次回折光のみ示す)S(+1)との中心の間隔をdとすると、
d=λ/(tp×NA) ・・・(15)
となる。
図29において斜線を付して示す領域P1にプッシュプル変調成分が表れる。
この領域P1が光スポット内の中央に接近していると、収差付加部に上記式(1)又は(2)に定義される収差を与えても、焦線方向にプッシュプル変調成分を分離することができない恐れがある。
図30においては、この光記録媒体の案内溝の形状、対物レンズの開口数NA、記録及び/又は再生用の光の波長λで決定される上記式(15)で定義される間隔dを1.0から2.0まで0.1毎に変化させて、それぞれ前述の図31に示す受光部9aから得られる信号(A11−A13)−k×(A12−A14)のデトラックに対する変化を解析した結果を示す。すなわち図30において、実線u1〜u11はそれぞれ上記dを1.0から2.0まで0.1毎に変化させて解析した結果をそれぞれ示す。
図30から明らかなように、d=1.2付近で信号量が略0になり、d<1.2だと極性が反転するので、d>1.2を満足する光記録媒体であれば適用できることがわかる。なお、d=2.0は、光記録媒体によって回折した1次光と0次光とが重ならないことを意味し、信号検出ができない。このため、d<2.0であることが前提条件となる。
因みに、使用波長が405nm程度、対物レンズの開口数が0.85程度、トラックピッチtpが0.32μm程度とされる高密度の光記録媒体ではd=1.49、DVD−ROMではd=1.46、DVD±R及びDVD±RWではd=1.35であり、適用可能である。なお、DVD−RAMではd=0.81、CDではd=1.08、CD−R及びCD−RWではd=0.98となる。
因みに、使用波長が405nm程度、対物レンズの開口数が0.85程度、トラックピッチtpが0.32μm程度とされる高密度の光記録媒体ではd=1.49、DVD−ROMではd=1.46、DVD±R及びDVD±RWではd=1.35であり、適用可能である。なお、DVD−RAMではd=0.81、CDではd=1.08、CD−R及びCD−RWではd=0.98となる。
なお、以上解析した結果は、それぞれ上記式(1)又は(2)における収差係数ZをZ=1とした。
また、極座標のθ=0°となる方向を変化させた図26に示す例以外の解析結果は、全て図25におけるx軸方向(トラックの並ぶ方向に対応する方向)を極座標のθ=0°となる方向とした。
更に、受光部を配置する位置を変化させた図28に示す例以外の解析結果は、全て受光部を前側焦線に配置する場合とした。
更にまた、光記録媒体及び光学系によって決まる図29中の間隔dを変化させた図30に示す例以外の解析結果は、全てd=1.47、すなわち光記録媒体のトラックピッチtpを0.32μm、対物レンズの開口数NAを0.85、記録再生用光の波長λを0.4μmとする光記録媒体に対応させる場合とした。
また、極座標のθ=0°となる方向を変化させた図26に示す例以外の解析結果は、全て図25におけるx軸方向(トラックの並ぶ方向に対応する方向)を極座標のθ=0°となる方向とした。
更に、受光部を配置する位置を変化させた図28に示す例以外の解析結果は、全て受光部を前側焦線に配置する場合とした。
更にまた、光記録媒体及び光学系によって決まる図29中の間隔dを変化させた図30に示す例以外の解析結果は、全てd=1.47、すなわち光記録媒体のトラックピッチtpを0.32μm、対物レンズの開口数NAを0.85、記録再生用光の波長λを0.4μmとする光記録媒体に対応させる場合とした。
以上説明したように、本発明によれば、4次の収差を付与することによって対物レンズのオフセットを補正した安定したトラッキングエラー信号を得ることができると共に、光源部から光記録媒体に向かう光の往路上においては1本のビームのみにて光学系を構成することができることから、次の効果が得られる。
1.光利用効率の低下を抑制できる。
2.光学系の光軸合わせ、ビームの位置合わせ、ビームの移動方向の位置合わせ精度などを緩和して、光学系の構成及びその組み立て工程の簡易化、生産性の向上、更に歩留まりの低下を図ることができる。
3.複数のビームを用いないことから、複数の記録層を有する光記録媒体に対し記録再生を行う場合の不要光の発生を抑制、低減することができる。
4.異なるトラックピッチを有する光記録媒体に対する互換性が得られる。
1.光利用効率の低下を抑制できる。
2.光学系の光軸合わせ、ビームの位置合わせ、ビームの移動方向の位置合わせ精度などを緩和して、光学系の構成及びその組み立て工程の簡易化、生産性の向上、更に歩留まりの低下を図ることができる。
3.複数のビームを用いないことから、複数の記録層を有する光記録媒体に対し記録再生を行う場合の不要光の発生を抑制、低減することができる。
4.異なるトラックピッチを有する光記録媒体に対する互換性が得られる。
そして更に本発明においては、収差付加部を4分割し、斜めに対向する一組の領域同士が4次の収差を付加する連続した収差付加領域であり、互いに異なる回折方向を有する構成とすることから、異なる方向に回折される各±1次回折光のプッシュプル信号を利用して、対物レンズシフト信号を検出することができる。したがって、ホログラム回折素子等を図1に示す対物レンズ駆動部に搭載する必要がないので光学ピックアップの可動部の重量を増加することがなく、対物レンズを駆動する制御系への負荷が増大することを回避できる。また光源部から光記録媒体に向かう光の往路において光を分岐する偏光素子を付加しないので、このような偏光素子を付加することによる光記録媒体に照射する記録又は再生用光の光量損失を回避できる。このため光量損失による光利用効率の低下を伴うことなく、安定して対物レンズシフトを補正したトラッキングエラー信号を得ることができる。
そして光記録媒体から受光部に向かう戻り光路において光路を分岐して、収差付加部を通過しない光路上の受光部からトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、RF信号を検出することができ、また収差付加部を通過した光の0次光からトラッキングエラー信号を検出することも可能である。このように、光記録媒体から受光部へ向かう光の復路上のみで分岐する場合は、往路において光を分岐しないので光記録媒体からの戻り光として十分な光量を得ることができ、復路上での分岐による光量の低下はあるものの、電気的にゲインアップすることによって十分な信号検出を行うことが可能である。
そして光記録媒体から受光部に向かう戻り光路において光路を分岐して、収差付加部を通過しない光路上の受光部からトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、RF信号を検出することができ、また収差付加部を通過した光の0次光からトラッキングエラー信号を検出することも可能である。このように、光記録媒体から受光部へ向かう光の復路上のみで分岐する場合は、往路において光を分岐しないので光記録媒体からの戻り光として十分な光量を得ることができ、復路上での分岐による光量の低下はあるものの、電気的にゲインアップすることによって十分な信号検出を行うことが可能である。
なお、本発明の光学ピックアップ及び光記録再生装置は、上述の実施形態例において説明した構成に限定されることなく、本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
また、本発明の光記録再生装置において、フォーカスエラー検出方法は、非点収差法、ナイフエッジ法、SSD検出法等の全ての方法を用いることが可能である。
更に、本発明の光学ピックアップ、光記録再生装置及びトラッキングエラー信号検出方法は、上述したように、使用波長が405nm程度、対物レンズの開口数が0.85程度、トラックピッチが0.32μm程度とされる高密度の光記録媒体や、DVD−ROM、DVD±R及びDVD±RWに適用可能である。
また、本発明の光記録再生装置において、フォーカスエラー検出方法は、非点収差法、ナイフエッジ法、SSD検出法等の全ての方法を用いることが可能である。
更に、本発明の光学ピックアップ、光記録再生装置及びトラッキングエラー信号検出方法は、上述したように、使用波長が405nm程度、対物レンズの開口数が0.85程度、トラックピッチが0.32μm程度とされる高密度の光記録媒体や、DVD−ROM、DVD±R及びDVD±RWに適用可能である。
1.光学ピックアップ、2.光源部、3.レンズ、4.偏光ビームスプリッタ、5.波長板、6.対物レンズ、7.レンズ、8.収差付加部、81a.第1の領域、81b.第1の領域、82a.第2の領域、82b.第2の領域、9.受光部、10.光記録媒体、11.対物レンズ駆動部、12.アクチュエータ、13.光ヘッド駆動部、15.演算回路、16.回転駆動部、21.加算器、22.加算器、23.減算器、24〜26.加算器、27.除算器、28.加算器、29.加算器、30.減算器、31〜33.加算器、34.除算器、35.減算器、41〜46.係数乗算器、51.加算器、52.加算器、53.減算器、54〜56.加算器、57.除算器、58.加算器、59.加算器、60.減算器、61〜63.加算器、64.除算器、65.減算器、91.受光素子、91A.受光素子、91B.受光素子、92.受光素子、92A.受光素子、92B.受光素子、100.光記録再生装置
Claims (9)
- 光源部と、受光部と、対物レンズと、前記対物レンズを介して光記録媒体の所定の位置に前記光源部からの出射光を導く機能を有する光学系と、前記対物レンズを介して前記光記録媒体からの戻り光を前記受光部に集光する機能を有する光学系と、前記受光部において検出された光出力をもとに前記対物レンズを駆動する対物レンズ駆動部と、を有して成る光学ピックアップであって、
前記対物レンズから前記受光部までの間に、収差付加部が設けられ、
前記収差付加部は、光束の通過する領域が4分割され、前記4分割された領域のうち、斜めに対向する一組の領域同士が第1及び第2の領域とされ、
前記第1の領域は、第1の方向に回折する領域とされ、
前記第2の領域は、前記第1の方向とは異なる第2の方向に回折する領域とされ、
前記第1及び第2の領域は、その回折光が、
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin4θ
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin4θ
(但し、Zは収差量を表す係数、(ρ,θ)は光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)で表わされる4次の収差を有する構成とされる
ことを特徴とする光学ピックアップ。 - 前記光記録媒体の記録トラックの並ぶ方向をx軸方向、前記記録トラックの延長する方向をy軸方向とすると、前記第1の領域は、x軸方向又はy軸方向に回折する領域とされ、
前記第2の領域は、y軸方向又はx軸方向のうち前記第1の領域の回折方向とは異なる方向に回折する領域とされることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ。 - 前記第1及び第2の領域の分割線の成す角度が前記x軸に対してα、前記y軸に対してβであるとき、前記4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が正の場合は、
+5°≦α≦+25°
及び
+5°≦β≦+25°
とされ、前記4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が負の場合は、
−25°≦α≦−5°
及び
−25°≦β≦−5°
を満足する角度に選定されて成ることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ。 - 前記収差付加部の前記第1及び第2の領域による回折によって、前記受光部で検出されるビームスポットのうち、前記x軸方向に分割される受光領域の差信号をそれぞれ第1及び第2のプッシュプル信号RPP1及びRPP2とすると、対物レンズのオフセット信号LSとしては、前記4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が正の場合は、
LS=RPP1−k1×RPP2
なる信号が出力され、前記4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が負の場合は、
LS=RPP2−k2×RPP1
(k1及びk2は任意定数)
なる信号が出力されることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ。 - 前記収差付加部の前記第1及び第2の領域による回折によって、前記受光部で検出されるビームスポットのうち、前記x軸方向に分割される受光領域の差信号をそれぞれ第1及び第2のプッシュプル信号RPP1及びRPP2とし、前記y軸方向に分割される受光領域の差信号をそれぞれ第1及び第2のタンジェンシャル・プッシュプル信号TPP1及びTPP2とすると、対物レンズのオフセット信号LSとしては、前記4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が正の場合は、
LS=RPP1−k3×TPP2
なる信号が出力され、前記4次の収差の極性とデフォーカスの極性の積が負の場合は、
LS=RPP2−k4×TPP1
(k3及びk4は任意定数)
なる信号が出力されることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ。 - 前記光記録媒体からの戻り光を前記受光部に集光する機能を有する光学系において、前記対物レンズと前記収差付加部との間で光路が分割され、
前記受光部とは異なる受光部において前記収差付加部を通過しない光により少なくともトラッキングエラー信号が検出されると共に、前記レンズシフト信号によって対物レンズオフセットを補正したトラッキングエラー信号が出力されることを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ。 - 光源部と、受光部と、対物レンズと、前記対物レンズを介して光記録媒体の所定の位置に前記光源部からの出射光を導く光学系と、前記対物レンズを介して前記光記録媒体からの戻り光を前記受光部に集光する光学系と、前記受光部において検出された光出力をもとに前記対物レンズを駆動する対物レンズ駆動部とを有して成る光学ピックアップを有し、前記受光部において検出された光出力に基づいて記録及び/又は再生がなされる光記録再生装置であって、
前記対物レンズから前記受光部までの間に、収差付加部が設けられ、
前記収差付加部は、光束の通過する領域が4分割され、前記4分割された領域のうち、斜めに対向する一組の領域同士が第1及び第2の領域とされ、
前記第1の領域は、第1の方向に回折する領域とされ、
前記第2の領域は、前記第1の方向とは異なる第2の方向に回折する領域とされ、
前記第1及び第2の領域は、その回折光が、
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin4θ
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin4θ
(但し、Zは収差量を表す係数、(ρ,θ)は光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)
の収差を有する構成とされる
ことを特徴とする光記録再生装置。 - 光源から少なくとも対物レンズを介して光記録媒体に入射した光を受光部により検出して、前記光記録媒体のトラック位置を検出するトラッキングエラー信号検出方法であって、
前記対物レンズから前記受光部までの間に、収差付加部が設けられ、
前記収差付加部は、光束の通過する領域が4分割され、前記4分割された領域のうち、斜めに対向する一組の領域同士が第1及び第2の領域とされ、
前記第1の領域は、第1の方向に回折する領域とされ、
前記第2の領域は、前記第1の方向とは異なる第2の方向に回折する領域とされ、
前記第1及び第2の領域は、その回折光が、
W(ρ,θ)=Z×ρ2×sin4θ
又は
W(ρ,θ)=Z×ρ4×sin4θ
(但し、Zは収差量を表す係数、(ρ,θ)は光軸を原点とする極座標の半径と角度を示す)
の収差を有する構成として、
前記受光部を、少なくとも前記収差付加部の前記第1及び第2の領域により回折される±1次回折光を受光する受光素子より構成し、
前記±1次回折光から、対物レンズのオフセット信号を検出し、
前記オフセット信号を基に、対物レンズのオフセットが補正されたトラッキングエラー信号を検出する
ことを特徴とするトラッキングエラー信号検出方法。 - 前記光源から出射される光の波長をλ、前記光記録媒体の記録トラックのトラックピッチをtp、前記対物レンズの開口数をNAとすると、前記光記録媒体が、
d=λ/(tp×NA)>1.2
であることを特徴とする請求項8記載のトラッキングエラー信号検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006332112A JP2008146735A (ja) | 2006-12-08 | 2006-12-08 | 光学ピックアップ、光記録再生装置及びトラッキングエラー信号検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2006332112A Pending JP2008146735A (ja) | 2006-12-08 | 2006-12-08 | 光学ピックアップ、光記録再生装置及びトラッキングエラー信号検出方法 |
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Country | Link |
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- 2006-12-08 JP JP2006332112A patent/JP2008146735A/ja active Pending
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