JP2008141577A - 再符号化装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】DVD/HDDレコーダ等の再符号化装置において、比較的単純な構成で、メモリを削減する。
【解決手段】再符号化装置は、動画像データを符号化した第1符号化データを、第1の動き補償を伴う復号化方式で復号化して復号化データを生成する復号化手段(50)と、生成された復号化データを、第2の動き補償を伴う符号化方式で符号化して第2符号化データを生成する符号化手段(60)と、生成された復号化データを一時的に格納する格納手段(500)と、格納された復号化データから、第1及び第2の動き補償のための参照画素データを抽出して一時的に格納し、格納された参照画素データを、復号化手段に対し、第1の動き補償で使用するタイミングで順次供給すると共に、符号化手段に対し、第2動き補償で使用するタイミングで順次供給する第1記憶手段(210)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばDVD/HDD(Hard Disc Drive)レコーダ、符号化方式変換装置等の一部又は全部をなす再符号化装置及び方法の技術分野に関する。
この種の方法として、例えば符号化したデータを一旦復号化し、復号化したデータを所望の符号化方式で再度符号化し直すという方法がある。この方法では、例えば、符号化の際に動き補償による圧縮が行われ、それに用いる参照用のデータを格納するために、フレームメモリ等を用いる。しかしながら、格納されるデータは復号化された比較的サイズの大きいデータであるため、フレームメモリの容量及び帯域は増大してしまう。そのため、フレームメモリの容量及び帯域を削減すべく様々な技術が提案されている。
例えばフレームメモリにデータを格納する際に、データを直交変換や量子化等の方法で圧縮し、フレームメモリから出力する際に伸張するという技術が提案されている(特許文献1及び2参照)。
特開2000− 13801号公報 特開2004−254344号公報
しかしながら上述した技術によれば、通常の機能に加え、新たにデータを圧縮及び伸張するという機能を追加するため、装置が複雑化してしまうおそれがあるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、比較的単純な構成であり、メモリを削減できる再符号化装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明に係る請求項1記載の再符号化装置は上記課題を解決するために、動画像データを符号化した第1符号化データを、第1の動き補償を伴う復号化方式で復号化して復号化データを生成する復号化手段と、該生成された復号化データを、第2の動き補償を伴う符号化方式で符号化して第2符号化データを生成する符号化手段と、前記生成された復号化データを一時的に格納する格納手段と、該格納された復号化データから、前記第1及び第2の動き補償のための参照画素データを抽出して一時的に格納し、該格納された参照画素データを、前記復号化手段に対し、前記第1の動き補償で使用するタイミングで順次供給すると共に、前記符号化手段に対し、前記第2動き補償で使用するタイミングで順次供給する第1記憶手段とを備える。
本発明に係る請求項8記載の再符号化装置は上記課題を解決するために、動画像データを符号化した第1符号化データを、第1の動き補償を伴う復号化方式で復号化して復号化データを生成する復号化工程と、該生成された復号化データを、第2の動き補償を伴う符号化方式で符号化して第2符号化データを生成する符号化工程と、前記生成された復号化データを一時的に格納する格納工程と、該格納された復号化データから、前記第1及び第2の動き補償のための参照画素データを抽出して一時的に格納し、該格納された参照画素データを、前記復号化手段に対し、前記第1の動き補償で使用するタイミングで順次供給すると共に、前記符号化手段に対し、前記第2動き補償で使用するタイミングで順次供給する第1記憶工程とを備える。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、発明を実施するための最良の形態として、本発明の再符号化装置及び方法に係る実施形態の説明を進める。
(再符号化装置の実施形態)
本発明の再符号化装置の実施形態は上記課題を解決するために、動画像データを符号化した第1符号化データを、第1の動き補償を伴う復号化方式で復号化して復号化データを生成する復号化手段と、該生成された復号化データを、第2の動き補償を伴う符号化方式で符号化して第2符号化データを生成する符号化手段と、前記生成された復号化データを一時的に格納する格納手段と、該格納された復号化データから、前記第1及び第2の動き補償のための参照画素データを抽出して一時的に格納し、該格納された参照画素データを、前記復号化手段に対し、前記第1の動き補償で使用するタイミングで順次供給すると共に、前記符号化手段に対し、前記第2動き補償で使用するタイミングで順次供給する第1記憶手段とを備える。
本実施形態に係る再符号化装置によれば、その動作時には、符号化された動画像データを復号化手段によって一旦復号化し、符号化手段によって再度符号化を行う。これらにより、例えば動画像データの符号化方式の変換や、符号化における圧縮レートの変更等が行える。また、符号化を行う際には、動き補償を利用した圧縮が行われる。具体的には、例えば、入力された動画像データと、参照画素データとから動きベクトルを検出する。その動きベクトルにより参照画素データが動き補償され、予測画像データが生成される。そして、この予測画像データと入力された動画像データとの差分データ及び動きベクトルデータが、夫々可変長符号化及び多重化され、符号化データが出力される。
本実施形態では特に、第1及び第2の動き補償の際に使用される参照画素データとして、復号化手段において復号化された復号化データを用いる。かかる参照画素データは第1記憶手段に一時的に格納され、適切なタイミングで復号化手段及び符号化手段に対して夫々、順次供給される。よって、復号化データを効率良く参照画素データとして使用することができる。
仮に、参照画素データに復号化データを用いない場合は、例えば符号化手段において再符号化されたデータに対し更に復号化(以下、再復号化という。)を行い、そのデータを参照画素データとして用いることになる。しかしながら、その場合においては、再復号化データを格納するために別途フレームメモリ容量及び帯域を使用するため、フレームメモリ容量及び帯域は増大してしまう。
しかるに本実施形態では特に、復号化手段において復号化されたデータを参照画素データとして用いるため、再符号化されたデータを再度復号化しなくともよい。そのため、復号化データを格納するためのフレームメモリ容量及び帯域の増大を防止することができる。更に、再復号化に使用される回路等を別途設けなくともよいため、装置の複雑化を防止できる。
このように本実施形態によれば、再符号化装置において、構成の単純化を図れると共に、必要なメモリを削減できる。
尚、第1符号化データは、前記符号化方式と同じ符号化方式で、符号化されていない場合に、以上説明したような本実施形態の効果がより顕著に発揮される。即ち、前記復号化方式は、符号化方式に対応していないことが好ましい。但し、第1符号化データは、前記符号化方式と同じ符号化方式で、符号化されていてもよい。即ち、前記復号化方式は、符号化方式に完全に対応しているものであってもよく、この場合、第1の動き補償と第2の動き補償とは完全に対応していることになる。
本実施形態の再符号化装置の一態様では、前記第2符号化データは、前記第1符号化データと比べて高い圧縮率で、圧縮されている。
この態様によれば、符号化手段によって再符号化される際に、第1符号化データと比べて高い圧縮率で圧縮された形で、第2符合化データは生成される。このような再符号化によって動画像データのサイズをより小さくすることができる。例えば、異なる符号化方式への変換や、同じ符号化方式であっても圧縮レートを変更することでサイズを小さくすることが可能である。
再符号化により動画像データを小さくできることで、例えばDVD/HDDレコーダにおいて、HDDに録り溜めた動画像データをDVDに保存し直す場合等に、DVD1枚あたりにより長時間又は高精細の画像データが保存可能となる。
上述したように、符号化された動画像データのサイズを再符号化によって更に小さくすることで、記憶媒体に実質的に多くのデータを保存できるという実践上有益な効果を得ることができる。
本実施形態の再符号化装置の他の態様では、前記第1符号化データは、前記符号化方式と異なる符号化方式で符号化されている。
この態様によれば、再符号化装置へ入力される第1符号化データは、符号化手段で採用されている符号化方式とは、異なる符号化方式で、動画像データが符号化される。ここで再符号化装置における復号化及び符号化を通して、このような動画像データを異なる符号化方式によって符号化されたデータである、第2符号化データに変換することができる。例えば、MPEG−2(Moving Picture Experts Group phase 2)の規格に基づいて符号化された動画像データ(即ち、第1符号化データ)をH.264の規格に基づいて符号化された動画像データ(即ち、第2符号化データ)に変換することができる。よって、例えば動画像データを再生する装置の規格等に合わせて適宜符号化方式を変更することが可能となり、動画像データを扱う上での自由度が増加する。
本実施形態の再符号化装置の他の態様では、前記生成された復号化データを一時的に格納し、該格納された復号化データを、前記第2の動き補償で使用するタイミングで、前記符号化手段に供給する第2記憶手段を更に備える。
この態様によれば、復号化手段において復号化された復号化データは、符号化手段に出力される前に、一旦第2記憶手段に記憶される。そして、符号化手段における動き補償が行われるタイミングで、復号化データが符号化手段に出力される。
仮に第2記憶手段が備えられていないとすると、復号化手段において復号化されたデータは、復号化が完了するとすぐに再符号化手段に出力される。この場合、復号化データに対応する予測画像データの準備ができていないため、復号化データと予測画像データとの比較がうまくいかず、第2動き補償が正常に行われないというおそれがある。
しかるに本実施形態では特に、復号化データは、上述したようにバッファとして機能する第2記憶手段に一時記憶された後、第2動き補償が行われるタイミング、即ち復号化データと、復号化データに対応する予測画像データとを比較することが可能なタイミングで、符号化手段に供給される。そのため、第2動き補償を正常に行うことができる。よって、符号化手段において確実に符号化を行うことができ、符号化における画質の低下を低減することが可能となる。
本実施形態の再符号化装置の他の態様では、前記第2の動き補償は、前記復号化手段において生成される動きベクトルが指示する指示画素領域、及び該指示される指示画素領域の周囲に位置する所定の画素分の幅を持った周囲画素領域において動き検出を行う検出動作を含む補償である。
この態様によれば、第2動き補償における動き検出を、動きベクトルが指示する指示画素領域、及びその周辺の周囲画素領域で行うことにより、典型的な指示画素領域での動き検出と比較して、広い範囲での動き検出が行われる。
動き検出の範囲を広くすることによって、動き検出はより高い精度で行われる。これにより、動き検出の結果を参照して行われる、第2動き補償の精度も向上する。従って、符号化された動画像データの画質を向上させることができる。
本実施形態の再符号化装置の他の態様では、前記符号化方式は、前記第2の動き補償に加えて、前記符号化手段により前記復号化データが符号化される途中で再度復号化されてなる参照用データに基づくイントラ予測を伴う。
この態様によれば、第2動き補償に加えて、符号化手段における符号化の過程の途中で再度復号化されたデータを、参照画素データとして用いるイントラ予測を行うため、符号化後の第2符号化データによる動画像の画質を向上させることができる。
再復号化データは、符号化手段において一度符号化されている。このため、イントラ予測において予測される予測画像データは、より符号化後の状態に近い。よって、第2動き補償に加えて、イントラ予測を行うことで、より精度の高い符号化が行える。従って、符号化後の第2符号化データによる動画像の画質は向上する。
また、本実施形態では特に、再復号化されるデータはイントラ予測に用いるデータのみであるので、保持する再復号化データの容量は比較的小さく、フレームメモリの容量及び帯域を大幅に増大させない。
上述した第2動き補償に加えて、再復号化による参照用データを用いるイントラ予測を伴う態様では、前記参照用データを一時的に格納し、該格納された参照用データを前記第2の動き補償のタイミングに合わせて順次出力する第3記憶手段を更に備えていてもよい。
この構成によれば、イントラ予測に用いる参照画素データを一時記憶する第3記憶手段を更に備えているため、第2の動き補償が行われるタイミングに合わせて参照データを順次出力することができる。よって、第2動き補償が正確に行われ、動画像データの画質の低下を低減しつつ、確実に符号化できる。
イントラ予測に用いる参照画素データは、使用する画素領域が限定されているため、再復号化されていても、復号化手段により復号化されたデータと比較してデータサイズが小さい。よって、再復号化された参照画素データを保持しておくために、フレームメモリを使用しなくとも、第3記憶手段のみで保持することが可能である。従って、フレームメモリの容量及び帯域が増大してしまうのを防止することができる。
(再符号化方法の実施形態)
本発明の再符号化方法の実施形態は上記課題を解決するために、動画像データを符号化した第1符号化データを、第1の動き補償を伴う復号化方式で復号化して復号化データを生成する復号化工程と、該生成された復号化データを、第2の動き補償を伴う符号化方式で符号化して第2符号化データを生成する符号化工程と、前記生成された復号化データを一時的に格納する格納工程と、前記格納された復号化データから、前記第1及び第2の動き補償のための参照画素データを抽出して一時的に格納し、該格納された参照画素データを、前記復号化手段に対し、前記第1の動き補償で使用するタイミングで順次供給すると共に、前記符号化手段に対し、前記第2動き補償で使用するタイミングで順次供給する第1記憶工程とを備える。
本実施形態に係る再符号化方法によれば、符号化された動画像データを一旦復号化し、再度符号化を行うことで、例えば動画像データの符号化方式の変換や、符号化における圧縮レートの変更等が行える。本実施形態では特に、第2の動き補償の際に使用される参照画素データとして、復号化工程において復号化されたデータを用いる。かかる参照画素データは第1記憶工程によって一時格納され、その後適切なタイミングで出力されることにより復号化工程が行われる。よって、復号化データを効率良く参照画素データとして使用することができる。また、復号化データを参照画素データとして用いるため、第2動き補償の際に、再符号化されたデータを再度復号化して用いなくともよい。従って、フレームメモリ容量及び帯域の増大を防止し、更に装置の複雑化を防止できる。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る再符号化装置によれば、復号化手段、符号化手段、格納手段及び第1記憶手段を備えるので、装置構成の単純化を図れると共に、必要なメモリを削減できる。本実施形態に係る再符号化方法によれば、復号化工程、符号化工程、格納工程及び第1記憶工程を備えるので、同様に装置構成の単純化を図れると共に、必要なメモリを削減できる。
本実施形態におけるこのような作用及び他の利得は、次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以下では、本発明の実施例について図を参照しつつ説明する。
<第1実施例>
先ず、本発明の第1実施例に係る再符号化装置10の構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、第1実施例に係る再符号化装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係る再符号化装置10は、可変長復号化部110と、逆量子化部120と、逆DCT部130と、DCT部140と、量子化部150と、可変長符号化部160と、第1内部メモリ210と、第2内部メモリ220と、第1動き補償部310と、第2動き補償部320と、動きベクトル変換部330と、加算部410と、減算部420と、フレームメモリ500とを備えて構成されている。
復号化部50は、これらのうち、可変長復号化部110と、逆量子化部120と、逆DCT部130と、第1動き補償部310と、加算部410とを含み、後に詳述するように、入力される第1符号化データを、第1の動き補償を伴う復号化方式で復号化して、復号化データを生成出力するように構成されている。復号化部50は、本発明に係る「復号化手段」の一例である。
他方、符号化部60は、これらのうち、DCT部140と、量子化部150と、可変長符号化部160と、第2動き補償部320と、減算部420とを含み、後に詳述するように、復号化部50で生成された復号化データを、第2の動き補償を伴う符号化方式で符号化して、第2符号化データを生成出力するように構成されている。符号化部60は、本発明に係る「符号化手段」の一例である。
図1において、より具体的には、可変長復号化部110は、例えば演算回路等を有し、外部から入力された第1符号化データを可変長復号化し、量子化された差分値を復元する。
逆量子化部120は、例えば演算回路等を有し、可変長復号化部110において復元された、量子化された差分値を逆量子化することで、離散余弦変換(Discrete Cosine Transform:DCT)された差分値を復元する。
逆DCT部130は、例えば演算回路等を有し、逆量子化部120において復元された、離散余弦変換された差分値を逆離散余弦変換する。
第1動き補償部310は、例えば演算回路等を有し、可変長復号化部160から出力された参照画素データを用いて動き補償を行い、参照データを出力する。
動きベクトル変換部330は、例えば演算回路等を有し、第1符号化データの符号化方式と第2符号化データの符号化方式とが異なる場合等に、第1符号化データに対応する動きベクトルを第2符号化データに対応する動きベクトルに変換する。これにより、復号化部50における第1動き補償に使用した参照画素データが符号化部60における第2動き補償にも使用可能となる。
加算部410は、第1動き補償部310で生成された参照データに、逆DCT部130で復号化された差分値を加算することで復号化データを生成する。生成された復号化データは、第2内部メモリ220及びフレームメモリ500に記憶される。
本発明に係る「第1記憶手段」の一例としての第1内部メモリ210は、例えばフリップフロップ等の記憶素子からなり、データの読み書きが可能な、比較的容量の小さいメモリである。この第1内部メモリ210は、フレームメモリ500から復号化データを参照画素データとして取り出し、一時記憶した後に第1の動き補償が行われるタイミングに合わせて、第1動き補償部310に、第2の動き補償が行われるタイミングに合わせて、第2動き補償部320に出力する。
第2動き補償部320は、例えば演算回路等を有し、第1内部メモリ210から出力された参照画素データ、及び動きベクトル変換部330から出力された動きベクトルを用いて参照データを生成し、減算部420に出力する。
減算部420は、復号化データから、第2動き補償部320で生成された参照データを減算し、差分値を算出する。
DCT部140は、例えば演算回路等を有し、算出された差分値に対して、離散余弦変換を行うことで変換係数を得る。この離散余弦変換は、例えば縦横16×16画素のブロック(即ち、マクロブロック)単位で行われる。
量子化部150は、例えば演算回路等を有し、DCT部140において離散余弦変換された差分値(即ち、変換係数)をブロック単位で量子化する。
可変長符号化部160は、例えば演算回路等を有し、量子化部150において量子化された差分値(即ち、変換係数)を可変長符号化する。具体的には、例えば量子化された差分値を、空間周波数の低い側(典型的にはブロックの左上)から、高い側(典型的にはブロックの右下)へとジグザグ状にスキャンして可変長符号化する。
本発明に係る「第2記憶手段」の一例としての第2内部メモリ220は、例えばフリップフロップ等の記憶素子からなり、データの読み書きが可能な、比較的容量の小さいメモリである。この第2内部メモリ220は、復号化部50で復号化された復号化データを一時記憶し、符号化部60における第2の動き補償が行われるタイミングに合わせて、減算部420に復号化データを出力する。
本発明に係る「格納手段」の一例としてのフレームメモリ500は、例えばフリップフロップ等の記憶素子からなり、データの読み書きが可能な、比較的容量の大きいメモリである。このフレームメモリ500は、通常再符号化部100の外部に備えられているため、再符号化部100においてデータの読み書きをする際には、その帯域幅の確保が重要となる。
例えば、伝統的な動画像の符号化おいては、フレームメモリ500に動画像の復号化データを蓄積し、そこから参照画素データを引き出して、動き補償が行われるため、フレームメモリ500からのデータ転送が頻繁に行われる。特に、より高画質の動画を生成するために動き検出を小数画素単位で行う場合は、動き補償で扱うデータ量は増加する。この際、仮に何らの対策も施さねば、フレームメモリ500の帯域幅が処理のボトルネックなってしまうおそれがある。
次に、第1内部メモリ及び第2内部メモリの構成と効果について図2及び図3を参照して詳細に説明する。ここに図2は、第1内部メモリの構成を示す平面図であり、図3は、第2内部メモリの構成を示す平面図である。
図2に示すように、第1内部メモリ210の構成は、時間軸における1つ前の画像を記憶する前方向参照ブロック領域211と、1つ後ろの画像を記憶する後方向参照ブロック領域212とに分かれており、夫々の領域はn個(但し、nは自然数)の記憶領域を有している。
再符号化装置10の動作時には、記憶領域に記憶された参照画素データは、先ず、復号化部50の第1動き補償部310に対して、第1の動き補償で使用されるタイミングで供給される。次に、符号化部60の第2動き補償部320に対して、第2の動き補償で使用されるタイミングで供給される。即ち、同じ参照画素データが第1動き補償部310と、第2動き補償部320との両方で使用される。よって、動き補償に用いる参照画素データを効率的に使用できるため、装置の複雑化を低減しつつ、フレームメモリ500の帯域及び容量を削減することが可能となる。
図3に示すように、第2内部メモリ220は、m個(但し、mは自然数)の記憶領域を有している。ここで、再符号化装置10の動作時には、第2内部メモリ220は、復号化された復号化データを一時記憶し、符号化部60における第2の動き補償のタイミングに合わせて、減算部420に出力するだけでよい。このため、第2内部メモリ220は、上述の第1内部メモリのように、前方向参照ブロック領域211と、後方向参照ブロック領域212とに分かれていない(図2参照)。
復号化部50において復号化された復号化データのサイズは大きく、第2内部メモリ220によって、その全てを記憶することはできない。しかし、第2内部メモリ220では、短い期間記憶した後、出力してすぐに消去してしまうため、一度に記憶しておくデータ量は比較的少ない。よって、比較的容量の小さい内部メモリ220であっても、復号化データを記憶しておくことが可能である。従って、フレームメモリ500を使用せずともよいため、フレームメモリ500の容量及び帯域を削減することが可能である。
以上説明したように、本実施例に係る再符号化装置10では特に、第1内部メモリ210及び第2内部メモリ220を備えているため、復号化部50によって復号化された復号化データを、動き補償の参照データとして使用しつつ、確実に再符号化を行うことができる。よって、装置を複雑化させること無く、フレームメモリ500の帯域及び容量を削減することが可能である。
<第2実施例>
次に、本発明の第2実施例に係る再符号化装置20について、図4及び図5を参照して説明する。ここに図4は、第2実施例に係る再符号化装置の構成を示すブロック図であり、図5は、第2実施例に係る動き検出を行う画素領域を示す平面図である。尚、第2実施例は、第1実施例と比較して、符号化部に動き検出部が更に備えられているという点で異なり、動き検出部周辺の構成及び動き補償における動作以外は第1実施例とほぼ同様である。そのため、ここでは第1実施例と重複する部分の説明を適宜省略し、主に動き検出部及びそれを用いた動き補償について説明する。
図4に示すように、第2実施例に係る再符号化装置20は、可変長復号化部110と、逆量子化部120と、逆DCT部130と、DCT部140と、量子化部150と可変長符号化部160と、第1内部メモリ210と、第2内部メモリ220と、第1動き補償部310と、第2動き補償部320と、動きベクトル変換部330と、動き検出部340と、加算部410と、減算部420と、フレームメモリ500とを備えて構成されている。
動き検出部340は、例えば演算回路等を有し、第2内部メモリ220から出力される復号化データと、第1内部メモリ210から出力される参照画素データと、動きベクトル変換部330で変換された動きベクトルとを用いて動き検出を行う。尚この際、第1内部メモリ210、及び第2内部メモリ220が備えられているため、使用するデータが適切なタイミングで動き検出部340に入力される。よって、確実に動き検出が行える。
図5に示すように、動き検出部340における動き検出は、動きベクトル変換部330で変換された動きベクトルが指す指示画素領域610、及びその周囲に位置するP画素(但し、Pは所定の自然数)分の幅を持った周囲画素領域620において行われる。よって、例えば指示画素領域610のみで動き検出を行う場合と比較して、より高い精度で動き検出が行われる。また更に、検出の範囲を広げることに加えて、Half−pel(半画素精度)又はQ−pel(4分の1画素精度)の動き検出を行うことにより、より精度の高い動き検出を行うことが可能である。
以上説明したように、第2実施例に係る再符号化装置20においては、動き検出の範囲を広げることにより、動き検出の精度を高めている。よって、動き検出の結果を参照して行われる、第2動き補償部320における動き補償も高い精度で行われる。一方、内部メモリ210を備えていることにより、フレームメモリ500の帯域も確保されるため、画素データ等のやり取りがスムーズに行えるようになる。即ち、動き補償等の処理を効率的に行うことができる。従って、再符号化される動画像の画質を向上させることができる。
<第3実施例>
次に、本発明の第3実施例に係る再符号化装置について、図6及び図7を参照して説明する。ここに図6は、第3実施例に係る再符号化装置の構成を示すブロック図であり、図7は、イントラ予測の際に使用される参照画素の範囲を示す平面図である。尚、第3実施例は、第1実施例と比較して、符号化部で符号化されたデータを再度復号化してイントラ予測に用いるという点で異なり、それに関する構成及び動作以外は第1実施例とほぼ同様である。そのため、ここでは第1実施例と重複する部分の説明を適宜省略し、主に符号化データの再復号化によるイントラ予測を用いた符号化について説明する。
図6に示すように、第3実施例に係る再符号化装置30は、可変長復号化部110と、逆量子化部120と、逆DCT部130と、DCT部140と、量子化部150と可変長符号化部160と、第1内部メモリ210と、第2内部メモリ220と、第1動き補償部310と、第2動き補償部320と、動きベクトル変換部330と、ループフィルタ部350と、第2逆量子化部360と、第2逆DCT部370と、第3内部メモリ380と、イントラ予測部390と、加算部410と、減算部420と、第2加算部430と、切替スイッチ440と、フレームメモリ500とを備えて構成されている。
ループフィルタ部350は、例えば演算回路等を有し、第1内部メモリ210から出力される参照画素データの歪み等を緩和することでフレーム間の予測効率を向上させる。
第2逆量子化部360は、例えば演算回路等を有し、量子化部150において量子化された差分値のうち、イントラ予測に用いられるデータのみを逆量子化することで、離散余弦変換された差分値を復元する。
第2逆DCT部370は、例えば演算回路等を有し、第2逆量子化部360において復元された、離散余弦変換された差分値を逆離散余弦変換する。
第3内部メモリ380は、例えばフリップフロップ等の記憶素子からなり、データの読み書きが可能な、比較的容量の小さいメモリである。この第3内部メモリ380では、第2逆DCT部370から出力されるイントラ予測に用いる復号化データを、一時記憶した後イントラ予測のタイミングに合わせて出力する。
イントラ予測部390は、例えば演算回路等を有し、第3内部メモリ380から出力される、再度復号化されたデータを用いてイントラ予測を行う。
第2加算部430は、切替スイッチ440から出力される参照データと、第2逆DCT部370から出力される差分値とから、イントラ予測に用いられる復号化データを生成する。
切替スイッチ440は、第2動き補償部320によって生成された参照データと、イントラ予測部390によって生成された参照データとを適宜選択し、どちらか一方を減算部420に出力する。このため、より効率的な符号化が可能となる。
図7に示すように、例えば複数の画素からなる画素ブロック710に対するイントラ予測を行う場合は、画素ブロック710の左に位置する縦一列の画素720と、上に位置する横一列の画素730とを用いて予測を行う。そのため、イントラ予測に使用する参照画素データのサイズは、復号化されているといえども、復号化部50において復号化された復号化データ全体と比較すると非常に小さい。よって、イントラ予測に用いる参照画素データを記憶しておくために、フレームメモリ500を使用しなくとも、上述した比較的容量の小さい第3内部メモリ380によって記憶することが可能である。従って、フレームメモリ500の帯域及び容量を圧迫することなく、画質の向上を実現することが可能である。
以上説明したように、第3実施例に係る再符号化装置30においては、符号化部60にイントラ予測部390を設けることにより、第2動き補償部320による第2の動き補償に加え、イントラ予測による符号化を行うことができる。このイントラ予測には、一度符号化されたデータを再度復号化して使用するため、予測に用いる参照画素データが、より符号化後の状態に近い。よって、精度の高い予測を行うことができる。従って、符号化部60において符号化される動画像データの画質を向上させることができる。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う再符号化装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施例に係る、再符号化装置の構成を示すブロック図である。 第1内部メモリの構成を示す平面図である。 第2内部メモリの構成を示す平面図である。 第2実施例に係る、再符号化装置の構成を示すブロック図である。 第2実施例に係る、動き検出を行う画素領域を示す平面図である。 第3実施例に係る、再符号化装置の構成を示すブロック図である。 第3実施例に係る、イントラ予測の際に使用される参照画素の範囲を示す平面図である。
符号の説明
10、20、30…再符号化装置、50…復号化部、60…符号化部、100…再符号化部、110…可変長復号化部、120…逆量子化部、130…逆DCT部、140…DCT部、150…量子化部、160…可変長符号化部、210…第1内部メモリ、220…第2内部メモリ、310…第1動き補償部、320…第2動き補償部、330…動きベクトル変換部、340…動き検出部、350…ループフィルタ部、360…第2逆量子化部、370…第2逆DCT部、380…第3内部メモリ、390…イントラ予測部、500…フレームメモリ

Claims (8)

  1. 動画像データを符号化した第1符号化データを、第1の動き補償を伴う復号化方式で復号化して復号化データを生成する復号化手段と、
    該生成された復号化データを、第2の動き補償を伴う符号化方式で符号化して第2符号化データを生成する符号化手段と、
    前記生成された復号化データを一時的に格納する格納手段と、
    該格納された復号化データから、前記第1及び第2の動き補償のための参照画素データを抽出して一時的に格納し、該格納された参照画素データを、前記復号化手段に対し、前記第1の動き補償で使用するタイミングで順次供給すると共に、前記符号化手段に対し、前記第2動き補償で使用するタイミングで順次供給する第1記憶手段と
    を備えることを特徴とする再符号化装置。
  2. 前記第2符号化データは、前記第1符号化データと比べて高い圧縮率で、圧縮されていることを特徴とする請求項1に記載の再符号化装置。
  3. 前記第1符号化データは、前記符号化方式と異なる符号化方式で符号化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の再符号化装置。
  4. 前記生成された復号化データを一時的に格納し、該格納された復号化データを、前記第2の動き補償で使用するタイミングで、前記符号化手段に供給する第2記憶手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の再符号化装置。
  5. 前記第2の動き補償は、前記復号化手段において生成される動きベクトルが指示する指示画素領域、及び該指示される指示画素領域の周囲に位置する所定の画素分の幅を持った周囲画素領域において動き検出を行う検出動作を含む補償であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の再符号化装置。
  6. 前記符号化方式は、前記第2の動き補償に加えて、前記符号化手段により前記復号化データが符号化される途中で再度復号化されてなる参照用データに基づくイントラ予測を伴うことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の再符号化装置。
  7. 前記参照用データを一時的に格納し、該格納された参照用データを前記第2の動き補償のタイミングに合わせて順次出力する第3記憶手段を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の再符号化装置。
  8. 動画像データを符号化した第1符号化データを、第1の動き補償を伴う復号化方式で復号化して復号化データを生成する復号化工程と、
    該生成された復号化データを、第2の動き補償を伴う符号化方式で符号化して第2符号化データを生成する符号化工程と、
    前記生成された復号化データを一時的に格納する格納工程と、
    該格納された復号化データから、前記第1及び第2の動き補償のための参照画素データを抽出して一時的に格納し、該格納された参照画素データを、前記復号化手段に対し、前記第1の動き補償で使用するタイミングで順次供給すると共に、前記符号化手段に対し、前記第2動き補償で使用するタイミングで順次供給する第1記憶工程と
    を備えることを特徴とする再符号化方法。
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