JP2008140540A - デジタル情報媒体を用いるエンハンスド・ナビゲーション・システムで用いられる装置および方法 - Google Patents
デジタル情報媒体を用いるエンハンスド・ナビゲーション・システムで用いられる装置および方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】従来のDVDビデオに新たなナビゲーション機能を付加する。
【解決手段】プレーヤ部100は、DVDビデオディスクから、ビデオコンテンツ10、およびビデオコンテンツ10の内容(メニュー、チャプタ)に関連したENAVコンテンツ30を含む記録コンテンツを再生する。前記DVDディスクの記録コンテンツのうちビデオコンテンツ10は、ビデオ再生エンジン200により再生される。前記DVDディスクの記録コンテンツのうちENAVコンテンツ30は、ENAVエンジン300により再生される。ENAVエンジン300は、再生されたENAVコンテンツ30の内容に応じて、ENAVコンテンツ30の再生とビデオコンテンツ10の再生とを連携、連動、あるいは同期させるように構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】プレーヤ部100は、DVDビデオディスクから、ビデオコンテンツ10、およびビデオコンテンツ10の内容(メニュー、チャプタ)に関連したENAVコンテンツ30を含む記録コンテンツを再生する。前記DVDディスクの記録コンテンツのうちビデオコンテンツ10は、ビデオ再生エンジン200により再生される。前記DVDディスクの記録コンテンツのうちENAVコンテンツ30は、ENAVエンジン300により再生される。ENAVエンジン300は、再生されたENAVコンテンツ30の内容に応じて、ENAVコンテンツ30の再生とビデオコンテンツ10の再生とを連携、連動、あるいは同期させるように構成される。
【選択図】 図1
Description
この発明は、DVDビデオ規格等に準拠したデジタル情報媒体を用いるエンハンスド・ナビゲーション・システムに関する。
とくに、DVDビデオディスクの記録内容および/またはインターネット等からナビゲーション情報を獲得し、このナビゲーション情報により従来のDVDビデオよりもよりバラエティに富んだ再生が可能となるDVDビデオ再生システムに関する。
現在、デジタルビデオのパッケージメディアとして、DVDビデオの普及が急速に進んでいる。このDVDビデオはDVDフォーラムから1996年8月に発行された『DVD Specifications for Read-Only Disc: Part 3: VIDEO SPECIFICATIONS: Version 1.0』により規格化されている。
上記DVDビデオ規格では、実際の映像・音声データが記録されたプレゼンテーションデータとこれを管理するためのナビゲーションデータが定義されている。そして、この規格では、ビデオ(動画/静止画)データ、オーディオ(音声)データ、サブピクチャ(副映像)データ等を含むプレゼンテーションデータ(再生情報)が、MPEG2で定められたプログラムストリーム(2048バイト)の仕様に沿って多重化されている。また、ナビゲーションデータ(管理情報)には、再生する映像・音声データの時間構成や再生順序を設定するプログラムチェーン(PGC)およびセル(Cell)が記述されており、マルチアングル再生、マルチストーリ再生、パレンタル管理(年少者等に対する視聴制限管理)といった機能を実現している。背景技術に関連する文献として以下の特許文献がある。
特開平10−136314号公報
特開平11−98467号公報
しかしながら、上記DVDビデオ規格(バージョン1.0)に基づく従来のDVDビデオプレーヤでは、DVDビデオディスク(情報記録媒体)に記録されているMPEG2のプログラムストリームの再生のみが可能となっている。そのため、DVDビデオディスクにMPEG2のプログラムストリーム以外の情報を記録したとしても、これまでのDVDビデオプレーヤでは、MPEG2のプログラムストリーム以外の情報を再生することはできない。
MPEG2のプログラムストリーム(DVDビデオコンテンツ)以外の情報(ハイパーテキスト情報/HTML、プログラム、スクリプトマクロ等)をDVD等の記憶メディアに格納し、このMPEG2プログラムストリーム以外の情報を再生できる従来技術として、例えば特開平10−136314号公報(特許文献1)に開示された「記憶メディアのデータ格納方法及びインタラクティブ映像再生装置」がある。この公報には、光ディスクなどのパッケージメディアやネットワークサーバなどのネットワークメディアからマルチメディア情報を再生するインタラクティブ映像再生方式およびその装置が開示されている。この公報では、記録メディアに特定条件再生データ(プログラムやスクリプトマクロ等)が格納されている。
しかし、この公報には、現DVDビデオ規格(バージョン1.0)のデータ構造に現DVDビデオ規格以外の情報(HTML、スクリプト等)をどのように組み込めばよいのかの具体的な開示がなく、この公報の技術を盛り込んだDVDディスクが現DVDビデオ規格と互換性を取れる保証はない。(この公報では記録メディアの一例としてDVDの名称を単に挙げているに過ぎず、現DVDビデオ規格との互換性に関する配慮が認められない。)とはいえ、現DVDビデオ規格(バージョン1.0)との互換性を無視するなら、前述した「従来のDVDビデオプレーヤでは、MPEG2のプログラムストリーム以外の情報を再生することはできない」という問題を解決できる。すなわち、従来からあるDVD−ROM/DVD−RAMドライブ付きのパーソナルコンピュータでは、MPEG2のプログラムストリーム以外の情報、例えばDVD−ROMに記録されたコンピュータプログラム(MPEGエンコードされていない)の再生が可能となっている。
また、現DVDビデオ規格(バージョン1.0)でも、マルチアングル再生、マルチストーリ再生等、ユーザとの間のインタラクティブ性がある程度確保されている。しかしながら、そのインタラクティブ性はDVDビデオディスクのコンテンツ製作後はある程度固定化されたものとなり、コンテンツ製作済みのDVDビデオディスクに、よりバラエティに富んだインタラクティブ性を追加することは難しい。
コンテンツ製作後に、よりバラエティに富んだインタラクティブ性を追加する方法として、インターネット等からインタラクティブ性を追加するための情報(マークアップ言語やスクリプト言語等の再生制御情報、この再生制御情報が参照するデータ等)をDVDビデオプレーヤに取り込む方法が考えられる。この考え方に近いものは、上記特開平10−136314号公報にも開示がある(この公報にはネットワークメディアからマルチメディア情報を再生するインタラクティブ映像再生方式が記載されている)。
しかしながら、ネットワークメディアからマルチメディア情報を獲得してDVDビデオディスクの再生方法によりバラエティに富んだインタラクティブ性を追加しようとする場合において、この公報の発明では現DVDビデオ規格(バージョン1.0)に対する互換性の具体的な配慮がないから、インターネット等から取り込んだ情報を用いて実際のDVDビデオディスク(コンピュータデータ等を記録したDVD−ROMではなくDVDビデオディスク)をインタラクティブに制御するにあたり、実際のDVDビデオディスクの再生内容(ビデオコンテンツ)をどのように制御すればよいのか、具体的に把握できない。
また、上記特許公報に関連した別の公報として、特開平11−98467号公報(特許文献2)に開示された「複数メディアのデータ同期再生装置」がある。この公報では、インターネットから必要な画像を内部記憶部に記憶させ、この画像と内部ディスクに記憶されているタイミングデータとレイアウト信号に基づいて、ディスク情報に外部メディア情報を同期させて合成し表示させている。
この公報の発明では、内部ディスクの情報とインターネットから取得した情報を同期させて表示することができるが、ディスク情報のみを表示させたりインターネット取得情報のみを表示させたり、両者を異なるタイミングで表示させたりといった、種々な表示方法を適宜選択実行する機能は持たない。特に、この特開平11−98467号公報には、DVDディスクの再生状態に応じてインターネット取得情報を制御することについては、何等開示がない。また、これら種々な表示方法の切換タイミングを、ユーザ指示あるいはディスクに予め記録された再生制御情報(若しくはインターネットから取り込んだ再生制御情報)により与える機能も持たない。
さらに、この公報の発明でも現DVDビデオ規格(バージョン1.0)に対する互換性の具体的な配慮がないから、インターネット等から取り込んだ情報を用いて実際のDVDビデオディスクをインタラクティブに制御するにあたり、実際のDVDビデオディスクの再生内容(ビデオコンテンツ)をどのように制御すればよいのか(具体的にはどのような制御信号を何処から何処へどんなタイミングで与えれば良いのか)分からない。
この発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的は、現DVDビデオ規格との互換性(少なくとも上位互換)を確保しつつ、製作後のビデオコンテンツの再生に、よりバラエティに富んだインタラクティブ性を追加できるエンハンスド・ナビゲーション・システムを提供することである。
上記システムを構成するこの発明の一実施の形態に係る情報媒体は、リードインエリア、ボリュームスペース、およびリードアウトエリアを持ち、前記ボリュームスペース内にボリューム/ファイル構造情報エリアと、ビデオエリアと、他の記録エリアとを含んでいる。この情報媒体(図30の1)において、前記ビデオエリアはDVDビデオ規格に準拠したビデオコンテンツ(10)を含み、前記他の記録エリアは前記ビデオコンテンツ(10)の内容(メニュー、チャプタ)に関連して(図5、図9)再生可能なナビゲーションコンテンツ(30)を含むことができるようになっている。そして、前記ナビゲーションコンテンツ(30)が、前記ビデオコンテンツ(10)の再生と前記ナビゲーションコンテンツ(30)の再生とを連携、連動、あるいは同期させる内容を持つようになっている。
あるいは、上記システムを構成するこの発明の一実施の形態に係る装置は、DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペースを持つデジタルビデオディスク(図30または図31の1)から、ビデオコンテンツ(10)、およびこのビデオコンテンツ(10)の再生内容(メニュー、チャプタ)に関連して(図5、図9)再生可能なナビゲーションコンテンツ(30)を含む記録コンテンツを再生するプレーヤ部(100)と、前記デジタルビデオディスク(1)の記録コンテンツのうち前記ビデオコンテンツ(10)を再生するビデオ再生エンジン(200)と、ナビゲーションエンジン(300)とを備えている。このナビゲーションエンジン(300)は、前記デジタルビデオディスク(1)の記録コンテンツのうち前記ナビゲーションコンテンツ(30)を再生し、このナビゲーションコンテンツ(30)の内容に応じて、前記ナビゲーションコンテンツ(30)の再生と前記ビデオコンテンツ(10)の再生とを連携させるように構成されている。
あるいは、上記システムを構成するこの発明の他の実施の形態に係る装置では、前記ナビゲーションエンジン(300)が、前記ナビゲーションコンテンツ(30)を前記DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペースを持つデジタルビデオディスク(1)から受け取る第1のインターフェイス(400)と、別のナビゲーションコンテンツ(30W)を通信回線(インターネット)から得る第2のインターフェイス(400W)を持っている。ここで、前記プレーヤ部(100)に前記デジタルビデオディスク(1)が装填されており前記第2のインターフェイス(400W)が前記通信回線から切り離されている(ネット切断)状態をオフラインモード(図25のM1)とし、前記プレーヤ部(100)から前記デジタルビデオディスク(1)が排出されており前記第2のインターフェイス(400W)が前記通信回線に接続されている(ネット接続)状態をオンラインモード(図25のM2)とし、前記プレーヤ部(100)に前記デジタルビデオディスク(1)が装填されており前記第2のインターフェイス(400W)が前記通信回線に接続されている(ネット接続)状態を混在モード(図25のM3)としたときに、所定の切換トリガ(ディスクの挿入/排出またはネットの接続/切断によるトリガ;モード切換イベントE01〜E06に対応)がかかると、所定の移行ルール(例えば図29)に従い、前記オフラインモード、オンラインモード、および混在モードの間で、モード遷移が自動的に行われる。
あるいは、上記システムを構成するこの発明の一実施の形態に係る方法では、DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペースを持つデジタルビデオディスク(図30または図31の1)からビデオコンテンツ(10)およびナビゲーションコンテンツ(30)を含む記録コンテンツが再生される。この方法では、前記デジタルビデオディスク(1)から再生された記録コンテンツのうち前記ビデオコンテンツ(10)が獲得され(図10のST40、図22のST180等)、前記デジタルビデオディスク(1)から再生された記録コンテンツのうち前記ナビゲーションコンテンツ(30)が獲得される(図10のST50、図22のST210等)。そして、前記獲得されたビデオコンテンツ(10)の内容に対応した所定のイベント(図10のST46の出力、図22のST182の出力等)に応じて、前記獲得されたナビゲーションコンテンツ(30)の内容が実行される(図10のST62、図22のST194〜ST220)。
あるいは、上記システムを構成するこの発明の他の実施の形態に係る方法では、プレーヤ部(100)を用いて、DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペースを持つデジタルビデオディスク(図30または図31の1)からビデオコンテンツ(10)およびナビゲーションコンテンツ(30)の少なくとも一方が獲得され、また通信インターフェイス(400W)を用いて通信回線(インターネット)から別のナビゲーションコンテンツ(30W)が獲得される。この方法においては、前記プレーヤ部(100)に前記デジタルビデオディスク(1)が装填されており前記通信インターフェイス(400W)が前記通信回線から切り離されている(ネット切断)状態をオフラインモード(図25のM1)とし、前記プレーヤ部(100)から前記デジタルビデオディスク(1)が排出されており前記通信インターフェイス(400W)が前記通信回線に接続されている(ネット接続)状態をオンラインモード(図25のM2)とし、前記プレーヤ部(100)に前記デジタルビデオディスク(1)が装填されており前記通信インターフェイス(400W)が前記通信回線に接続されている(ネット接続)状態を混在モード(図25のM3)としたときに、前記デジタルビデオディスク(1)の装填/排出または前記通信回線の接続/切断によるトリガ(モード切換イベントE01〜E06に対応)がかかると、所定の移行ルール(図29)に従い、前記オフラインモード、オンラインモード、および混在モードの間で、(自動的に)モード遷移が自動的に行なわれる(図28のST530〜ST538)ように構成される。
DVDビデオコンテンツの再生に、よりバラエティに富んだインタラクティブ性を付加することができる。
以下、図面を参照して、この発明の種々な実施の形態に係る「デジタル情報媒体を用いるエンハンスド・ナビゲーション・システム」を説明する。ここでは、このシステムが、DVDビデオ規格に準拠したDVDビデオディスクの再生装置および再生方法に適用される場合を前提として、説明を行う。
まず最初に、既存のDVDビデオ規格(バージョン1.0)との互換性を考慮したディスクのデータ構造から説明する。
図30は、後述する図1のDVDビデオプレーヤ100で再生可能なDVDビデオディスク1のデータ構造の一例を示す。この例では、DVDビデオエリアに従来のDVDビデオ規格(バージョン1.0)と同じデータ構造のDVDビデオコンテンツ10(MPEG2プログラムストリーム構造を持つ)が格納され、このDVDビデオ規格でも存在が認められている他の記録エリアに、ビデオコンテンツ10の再生をバラエティに富んだものにできるエンハンスド・ナビゲーション(以下ENAVと略記する)コンテンツ30を記録できるようになっている。
ここで、DVDビデオエリアの内容は(DVDビデオプレーヤの製造業者等の当業者において)従来から知られているものであるが、その内容を簡単に説明しておく。
すなわち、DVDビデオディスク1の記録エリアは内周から順にリードインエリア、ボリュームスペース、およびリードアウトエリアを含んでいる。ボリュームスペースは、ボリューム/ファイル構造情報エリアおよびDVDビデオエリア(DVDビデオゾーン)を含み、さらにオプションで他の記録エリア(DVDアザーゾーン)を含むことができるようになっている。
上記ボリューム/ファイル構造情報エリアは、UDF(Universal Disk Format)ブリッジ構造のために割り当てられたエリアである。UDFブリッジフォーマットのボリュームは、ISO/IEC13346のパート2に従って認識されるようになっている。このボリュームを認識するスペースは、連続したセクタからなり、図30のボリュームスペースの最初の論理セクタから始まる。その最初の16論理セクタは、ISO9660で規定されるシステム使用のために予約されている。既存のDVDビデオ規格(バージョン1.0)との互換性を確保するには、このような内容のボリューム/ファイル構造情報エリアが必要となる。
また、上記DVDビデオエリアには、ビデオマネージャVMGという管理情報と、ビデオタイトルセットVTS(VTS#1〜VTS#n)というビデオコンテンツが1以上記録されている。VMGは、DVDビデオエリアに存在する全てのVTSに対する管理情報であり、図示しないが、制御データVMGI、VMGメニュー用データVMGM_VOBS(オプション)、およびVMGのバックアップデータを含んでいる。また、各VTSは、図示しないが、そのVTSの制御データVTSI、VTSメニュー用データVTSM_VOBS(オプション)、そのVTS(タイトル)の内容(映画等)のデータVTSTT_VOBS、およびVTSIのバックアップデータを含んでいる。既存のDVDビデオ規格(バージョン1.0)との互換性を確保するには、このような内容のDVDビデオエリアも必要となる。
各タイトル(VTS#1〜VTS#n)の再生選択メニュー等はVMGを用いてプロバイダ(DVDビデオディスク1の制作者)により予め与えられ、特定タイトル(例えばVTS#1)内での再生チャプタ選択メニューや記録内容(セル)の再生手順等は、VTSIを用いてプロバイダにより予め与えられている。従って、ディスク1の視聴者(DVDビデオプレーヤのユーザ)は、予めプロバイダにより用意されたVMG/VTSIのメニューやVTSI内の再生制御情報(プログラムチェーン情報PGCI)に従ってそのディスク1の記録内容を楽しむことができる。しかし、従来のDVDビデオ規格(バージョン1.0)では、視聴者(ユーザ)が、プロバイダが用意したVMG/VTSIと異なる方法でVTSの内容(映画や音楽)を再生することはできない。
プロバイダが用意したVMG/VTSIと異なる方法でVTSの内容(映画や音楽)を再生したり、プロバイダが用意したVMG/VTSIとは異なる内容を付加して再生したりする仕組みのために用意したのが、図30のENAVコンテンツ30である。このENAVコンテンツ30は、従来のDVDビデオ規格(バージョン1.0)に基づき製造されたDVDビデオプレーヤではアクセスできない(仮にアクセスできたとしてもその内容を利用できない)が、この発明の実施に係るDVDビデオプレーヤ(図1のプレーヤ100等)ではアクセスでき、その再生内容を利用できるようになっている。
ENAVコンテンツ30は、論理的にみれば、ENAV再生情報と、ENAVコンテンツのデータ本体とに区分できる。ENAVコンテンツのデータ本体は、音声、静止画、テキスト、動画等のデータを含むように構成される。また、ENAV再生情報は、ENAVコンテンツデータ本体および/またはDVDビデオコンテンツ10の再生方法(表示方法、再生手順、再生切換手順、再生対象の選択等)を記述したマークアップ言語やスクリプト言語等を含むように構成される。
例えば、再生制御情報に用いられる言語としては、HTML(Hyper Text Markup Language)/XHTML(eXtensible Hyper Text Markup Language)やSMIL(Synchronized Multimedia Integration Language)といったマークアップ言語、あるいはECMA(European Computer Manufacturers Association)ScriptやJava(登録商標)Scriptのようなスクリプト言語などを組み合わせながら用いることができる。これらの言語で記述されたENAV再生情報の記述内容は、後述する図1のENAV解釈部330により構文解析され、その解析内容が解釈されるようになっている。
上記ENAV再生情報は、より具体的には、ENAVコンテンツのファイル情報(参照するファイルの情報、および参照するファイルが存在しない場合あるいはファイルが存在してもそのファイルをデコードする機能を再生機器が持たない場合は、その代わりに参照するファイルの情報)、配置情報(表示されるオブジェクトの表示スクリーン上の座標、および他のオブジェクトと重なるときはその前後関係を示す情報)、サイズ情報(表示される各オブジェクトのサイズを示す情報)、同期情報(DVDビデオコンテンツの再生とENAVコンテンツの再生とを所定のタイミングで互いに連携させあるいは連動させるための情報)、継続時間情報(ENAVコンテンツが何時から何時まで表示されるか、あるいはどのタイミングからどのタイミングまで表示されるかを示す情報)を含んで構成することができる。
前記ENAV再生情報を用いれば、例えば、ビデオコンテンツ10またはENAVコンテンツ30に含まれるメニュー、映像、および/または音声の出力方法を記述することができる(メニュー出力方法の例としては後述する図7、図8、図11参照;映像出力方法の例としては後述する図2、図3、図12参照;音声出力方法の例としては後述する図4参照)。
図30のDVDビデオディスク1は、他の記録エリア以外の内容が現DVDビデオ規格(バージョン1.0)に従っているので、従来のDVDビデオプレーヤを用いても、DVDビデオエリアに記録されたビデオコンテンツ10を再生できる(つまり従来と互換性がある)。
他の記録エリアに記録されたENAVコンテンツ30は従来のDVDビデオプレーヤでは再生できない(あるいは利用できない)が、この発明の実施に係るDVDビデオプレーヤ(図1)では再生でき利用できる。従って、この発明の実施に係るDVDビデオプレーヤを用いENAVコンテンツ30を再生すれば、プロバイダが予め用意したVMG/VTSIの内容だけに限定されることなく、よりバラエティに富んだビデオ再生が可能になる(このバラエティに富んだビデオ再生の具体例については、図1〜図29を適宜参照しながら後述する)。
図30の構成において、前述したENAV再生情報は、物理的には、ENAVコンテンツのデータ本体と混在してディスク1に記録することも、個別に記録することもできる。
前者の方法としては、例えばアクセス単位(現DVDビデオ規格におけるビデオオブジェクトユニットVOBU相当)の先頭(またはVOBU内で先頭にあるナビゲーションパックNV_PCKの後)にENAV専用パックENV_PCKを設け、このENV_PCKにENAV再生情報を小分けに記録する方法がある。
後者の方法としては、例えばDVDビデオエリアにおけるVMG(あるいはVTSI)のように、ENAVコンテンツのデータ本体とは別の領域を設け、この別領域にENAV再生情報を記録する方法がある。この方法では、この発明の実施に係るDVDビデオプレーヤ(図1)が、ENAVコンテンツのデータ本体よりも先にENAV再生情報を読み取るように構成することが望ましい(予めENAV再生の制御方法を読み取っておきメモリに記憶しておけば、その後にENAVコンテンツのデータ本体を読み取った際に遅滞無くその処理に入ることができる)。
纏めると、図30のディスク1は、次のように構成された情報媒体といえる。すなわち、この情報媒体は、リードインエリア、ボリュームスペース、およびリードアウトエリアを持ち、前記ボリュームスペース内に、DVDビデオ規格に準拠して、ボリューム/ファイル構造情報エリアと、ビデオエリアと、他の記録エリアとを含む。そして、前記ビデオエリアがDVDビデオ規格に準拠したビデオコンテンツ10を含み、前記他の記録エリアが前記ビデオコンテンツ10の内容(メニュー、チャプタ等)に関連して(後述する図5、図9等参照)再生可能なナビゲーションコンテンツ30を含み、前記ナビゲーションコンテンツ30が、前記ビデオコンテンツ10の再生と前記ナビゲーションコンテンツ30の再生とを連携、連動、あるいは同期させる内容(図21〜図23の破線矢印参照)を持つ。
図31は、後述する図1のDVDビデオプレーヤ100で再生可能なDVDビデオディスク1のデータ構造の他の例を示す。この例では、DVDビデオエリアに従来のDVDビデオ規格(バージョン1.0)と同じデータ構造のDVDビデオコンテンツ10(MPEG2プログラムストリーム構造を持つ)が格納され、このDVDビデオエリアの末尾側(ビデオコンテンツ10の記録終了位置の後)に、ビデオコンテンツ10の再生をバラエティに富んだものにできるENAVコンテンツ30を記録できるようになっている。
あるいは、図示しないが、あるビデオタイトルセット(VTS#i)と別のビデオタイトルセット(VTS#j≠VTS#i)との間に、従来のDVDプレーヤではアクセスできないがこの発明の実施に係るDVDプレーヤではアクセスできるようにしたENAVコンテンツ30を記録するような構成も可能である。従来のDVDプレーヤではアクセスできないようにする具体的な方法の例としては、従来のDVDビデオ規格(バージョン1.0)では定義されていないコマンド(特別なオペレーションコードを持つジャンプコマンド、ゴーツーコマンド等)でのみENAVコンテンツ30にアクセスできるようにするものがある。
図30を参照して前述したVMGあるいはVTSIがDVDビデオコンテンツ10の記録領域(アドレス)だけを参照するように記載されておれば、従来のDVDビデオプレーヤがVMGあるいはVTSIによりENAVコンテンツ30にアクセスすることはない。一方、この発明の実施に係るDVDビデオプレーヤ(図1)において、ENAVをアクティブにするENAVモードを設け、このENAVモードではDVDビデオエリアの末尾までアクセスできるようにしておくことができる。そうすれば、この発明の実施に係るDVDビデオプレーヤは、DVDビデオエリアの末尾側に記録されたENAVコンテンツ30にアクセスすることができ、その内容を利用することができるようになる。
纏めると、図31のディスク1は、次のように構成された情報媒体といえる。すなわち、この情報媒体は、リードインエリア、ボリュームスペース、およびリードアウトエリアを持ち、前記ボリュームスペース内にボリューム/ファイル構造情報エリアとビデオエリアを含む。そして、前記ビデオエリアが、DVDビデオ規格に準拠したビデオコンテンツ10と、このビデオコンテンツ10の内容(メニュー、チャプタ等)に関連して再生可能なナビゲーションコンテンツ30を含み、前記ナビゲーションコンテンツ30が、前記ビデオコンテンツ10の再生と前記ナビゲーションコンテンツ30の再生とを連携、連動、あるいは同期させる内容を持つ。
なお、図30または図31のディスク1に記録されたENAVコンテンツ30を再生する具体的な方法としては、例えば、DVDメニュー(VMGのメニューまたはVTSのメニュー)にENAVコンテンツ30の選択ボタンを設け、ユーザがリモコンのカーソルキーとエンターキーの操作でENAVコンテンツボタンを選択する方法と、DVDビデオプレーヤの内部コマンド(GoToコマンドやJumpコマンド等のナビゲーションコマンド)により自動的にENAVコンテンツ30にアクセスする方法とがある。
前者の選択ボタンを用いる場合は、例えば次のようにすればよい。すなわち、メニュー表示されたボタン(ここではENAVコンテンツ選択ボタン)を選択(セレクション)し決定(アクション)することでそのボタンに対応する内容(ここではENAVコンテンツ30)を再生する。この方法は、既存のDVDビデオプレーヤで採用されている方法と同様である。
後者の内部コマンドを用いる場合、例えばGoToコマンドはオペレーションコードと予約領域とGoToオペランドからなっている。従来のDVDビデオ規格(バージョン1.0)と互換性を保つためにこのコマンドの構成はそのままとするが、オペレーションコードおよびオペランドの内容は、この発明の実施に沿ったものに変更できる。例えば、オペレーションコード“0000h”〜“0003h”はDVDビデオ規格(バージョン1.0)で既に定義済みの内容なので、この発明の実施では、GoToコマンドのオペレーションコードとして、ENAVコンテンツ30に移動するオペレーションコード“0004h”を新たに定義する。そして、そのGoToコマンドのオペランドにENAVコンテンツ30の記録位置を示す情報を書き込んでおけばよい。
また、JumpコマンドはオペレーションコードとJumpオペランドと予約領域からなっている。従来のDVDビデオ規格(バージョン1.0)と互換性を保つためにこのコマンドの構成はそのままとするが、オペレーションコードおよびオペランドの内容は、この発明の実施に沿ったものに変更できる。例えば、オペレーションコード“3001h”〜“3008h”はDVDビデオ規格(バージョン1.0)で既に定義済みの内容なので、この発明の実施では、Jumpコマンドのオペレーションコードとして、ENAVコンテンツ30にジャンプするオペレーションコード“3009h”を新たに定義する。そして、そのJumpコマンドのオペランドにENAVコンテンツ30の記録位置を示す情報を書き込んでおけばよい。
なお、図30あるいは図31に例示されたDVDビデオディスク1のDVDビデオコンテンツ10は、映画、マルチストーリ展開型ドラマ、マルチアングル映像付き音楽プログラム等に限られることはなく、その他に、コンピュータゲームのようなより高いインタラクティブ性が求められるソフトウエアを含むこともできる。
図1は、この発明の一実施の形態に係る「エンハンスド・ナビゲーション・システム(ENAVシステム)が組み込まれたDVDビデオプレーヤ100」の構成例を説明する図である。このDVDビデオプレーヤ100は、図30あるいは図31に示すような「従来のDVDビデオ規格(バージョン1.0)と互換性を持った」エンハンスドDVDビデオディスク1からその記録内容(DVDビデオコンテンツ10および/またはENAVコンテンツ30)を再生し処理するものであり、また、インターネット等の通信回線からENAVコンテンツ(一種のWebコンテンツ)30Wを取り込み処理するものである。
なお、図1のブロック構成において、DVD再生制御部220、ユーザイベント制御部310、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320、ENAV解釈部330等は、図示しない組込プログラム(ファームウエア)により各ブロック構成の機能を果たすマイクロコンピュータ(および/またはハードウエアロジック)により実現できる。具体的には、後述する図6その他のフローチャート図の処理は、上記ファームウエアを実行するマイクロコンピュータ(図示せず)により実行することができる。このファームウエアを実行する際に使用するワークエリアは、各ブロック構成内の図示しない半導体メモリ(および必要に応じてハードディスク)を用いて得ることができる。
図1のプレーヤ100により再生されるディスク1には、MPEG2プログラムストリーム構造を持つDVDビデオコンテンツ10と、MPEG2プログラムストリーム構造以外の情報(動画、静止画、アニメーション等の映像情報、音声情報、テキスト情報等)を含むENAVコンテンツ30が記録されている。また、インターネット等から取得した映像情報、音声情報、テキスト情報等のWebコンテンツは、ENAVコンテンツ30Wとしてプレーヤ100に取り込まれる。
ここでは、ディスク1上に記録されたMPEG2プログラムストリーム以外の全ての映像・音声・テキスト情報を“ENAVコンテンツ(Enhanced Navigation contents)”と呼ぶことにする。このENAVコンテンツには、映像・音声・テキスト情報以外に、これらの情報をDVDビデオコンテンツ10に同期(あるいは連携もしくは連動)させて再生するための情報(ENAV再生情報)も含まれている。
図1のDVDビデオプレーヤ100は、ディスク1上に記録されたMPEG2プログラムストリーム(DVDビデオコンテンツ10)を再生し処理するためのDVDビデオ再生エンジン200と、ENAVコンテンツ30(および/または30W)を再生し処理するためのENAVエンジン300を備えている。このプレーヤ100はさらに、ディスク1に記録されたDVDビデオコンテンツ10および/またはENAVコンテンツ30を読み出すディスク部(通常はDVDディスクドライブとして構成される:従来技術で構成できるもので、その具体的な構成の図示は省略する)、プレーヤ100のユーザによる入力(ユーザオペレーション/ユーザ操作40)を伝達するユーザ操作部(プレーヤ100の操作パネルおよび/またはリモコン:その具体的な構成の図示は省略する)、およびインターネット等の通信回線に接続するためのインターネット接続部を備えている。
DVDビデオ再生エンジン200は、既存のDVDビデオ規格(バージョン1.0)に基づくDVDビデオコンテンツ10を再生するための装置であり、ディスク部より読み込んだこんだDVDビデオコンテンツ10をデコードするデコーダ部210およびDVDビデオコンテンツ10の再生制御を行うDVDビデオ再生制御部220を含んで構成される。
デコーダ部210は、既存のDVDビデオ規格に基づく映像データ、音声データ、および副映像データをそれぞれデコードし、デコードされた映像・音声データD210を出力する機能を持っている。これにより、DVDビデオ再生エンジン200は、既存のDVDビデオ規格(バージョン1.0)に基づいて製造される通常のDVDビデオプレーヤの再生エンジンと同じ機能を持つようになる。つまり、図1のプレーヤ100は、MPEG2プログラムストリーム構造を持つ映像、音声等を通常のDVDビデオプレーヤと同様に再生することができ、これにより既存のDVDビデオディスク(DVDビデオ規格バージョン1.0のディスク)の再生が可能となる。
これに加えて、DVDビデオ再生制御部220は、ENAVエンジン300から出力される“DVD制御信号”に応じて、DVDビデオコンテンツ10の再生を制御することもできるように構成されている。具体的には、DVDビデオ再生制御部220は、DVDビデオ再生時に、あるイベント(例えばメニューコールやタイトルジャンプ)が発生した際に、ENAVエンジン300に対して、DVDビデオコンテンツ10の再生状況を示す“DVDイベント信号”を出力することができる。その際(DVDイベント信号の出力と同時に、あるいはその前後の適当なタイミングで)、DVDビデオ再生制御部220は、DVDビデオプレーヤ100のプロパティ情報(例えばプレーヤ100に設定されている音声言語、副映像字幕言語、再生動作、再生位置情報、時間情報、ディスク1の内容等)を示す“DVDステータス信号”をENAVエンジン300に出力することができる。
ENAVエンジン300は、ユーザイベント制御部310と、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320と、ENAV解釈部330と、エレメントデコーダ340と、映像・音声出力部350を含んで構成されている。
ユーザイベント制御部310は、ユーザオペレーション40に基づく制御を行うためのもので、ユーザ操作(メニューコール、タイトルジャンプ、再生スタート、再生停止、再生ポーズ、その他)に対応したユーザイベントをユーザ操作部から受け取り、あるいはユーザイベント制御信号をイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320から受け取って、ユーザ操作あるいはユーザイベント制御信号の内容に対応したユーザイベント(A)〜(C)を発生するように構成されている。
図1の構成において、ユーザイベント制御部310は、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320より出力された“ユーザイベント制御信号”に基づき、ユーザオペレーション40によって伝達されたユーザイベント信号を、
[01]DVDビデオ再生エンジン200のDVDビデオ再生制御部220に伝達したり(ユーザイベント信号(A))、
[02]伝達を禁止(“×”)したり(ユーザイベント信号(B))、
[03]イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320に伝達したり(ユーザイベント信号(C))する。
[01]DVDビデオ再生エンジン200のDVDビデオ再生制御部220に伝達したり(ユーザイベント信号(A))、
[02]伝達を禁止(“×”)したり(ユーザイベント信号(B))、
[03]イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320に伝達したり(ユーザイベント信号(C))する。
このとき、上記ユーザイベント信号の伝達には以下に示すような制御が行なわれる。
[11]DVDビデオ再生エンジン200の映像D210を出力する場合(フルビデオモード)において、ユーザイベント信号(A)はDVDビデオ再生エンジン220に直接出力される。これは、フルビデオモードにおけるユーザオペレーション40が通常のDVDビデオ再生時のものと同じものであるからである。
[12]ENAVエンジン300の映像D340を出力する場合(フルENAVモード)、あるいはDVDビデオ再生エンジン200の映像D210とENAVエンジン300の映像D340を合成して同時に出力する場合(ミクスドフレームモード)においては、以下のような制御が行なわれる。
[121]ユーザイベント信号がイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320に出力されると(ユーザイベント信号(C))、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、そのイベント(メニューコール等)に対応するファンクション・コールを、DVD制御信号として、DVDビデオ再生エンジン200のDVDビデオ再生制御部220に出力する。
[122]ユーザイベントをDVDビデオ再生エンジン200とイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320の両方に同時に出力する(ユーザイベント信号(A)とユーザイベント信号(C))。
[123]システムが意図しないDVDビデオの再生(例えば現在稼働中のDVDビデオ再生エンジン200で対応できない再生方法であったり、現在のDVD規格で定められているユーザオペレーションコントロールUOPによって操作が禁止されたもの)が行われる可能性がある場合、ユーザイベント信号の伝達をブロック(禁止または阻止)する(ユーザイベント信号(B)の“X”)。
なお、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320に伝達されたユーザイベント信号(C)の内容は、ENAVイベント(および/またはENAVプロパティ)の形で、適宜、ENAV解釈部330に送るように構成することもできる。すると、ENAV解釈部330は、ユーザイベント信号(C)の内容を参照してレイアウト制御信号を作成することができるようになる。
例えば後述する図3(c)において、ユーザが図示しないリモコンのカーソルキーでコンテンツ10または30のウインドウサイズを変更したりその表示位置をシフトさせる操作をした場合に、この操作をユーザイベント信号(C)としてユーザイベント制御部310からイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320に送り、それを対応するENAVイベント(ウインドウサイズ変更イベント等)および/またはENAVプロパティ(変更後のウインドウサイズを示す変数/パラメータ等)に変換し、それを対応するレイアウト制御信号に変換して、映像出力制御部352に送ることができる。
その他、ユーザイベント信号(A)〜(C)については、図14以降のフローチャート図を適宜参照して後述する。
イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、DVDビデオ再生制御部220との間でDVDステータス信号、DVDイベント信号および/またはDVD制御信号の送受信を行い、あるいはユーザイベント制御部310との間でユーザイベントおよび/またはユーザイベント制御信号の送受信を行う。イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320はさらに、ENAV解釈部330とENAVイベント、ENAVプロパティおよび/またはENAVコマンドの送受信を行うように構成されている。すなわち、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、入力されたDVDステータス信号をENAVプロパティとして出力し、入力されたDVDイベント信号をENAVイベント信号として出力し、あるいは入力されたENAVコマンドを対応するDVD制御信号に変換して出力することで、DVDビデオ再生エンジン200とENAVエンジン300との間のインターフェイスの役割を担うように構成されている。そして、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、DVDビデオ制御部220からのDVDステータス信号やDVDイベント信号、ユーザイベント制御部310からのユーザイベント、および/またはENAV解釈部330からのENAVコマンドの内容に応じて、映像および/または音声の出力状態を制御する信号を、映像・音声出力部350に送るようになっている。
イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、別の言い方をすると、ENAV解釈部330で解釈された内容(コマンド)または入力装置からのユーザイベントに基づいて、DVDビデオ再生制御部220との間でDVDビデオディスク1の再生状況に関する第1信号(DVD制御信号、DVDイベント信号、DVDステータス信号)の交換を行うとともに、ENAV解釈部330との間でENAVコンテンツ30(および/または30W)の内容(スクリプト)に関する第2信号(ENAVイベント、ENAVコマンド、ENAVプロパティ)の交換を行うように構成され、交換された第1信号および第2信号の少なくとも一方に基づいて、映像・音声出力部350による信号出力状態を制御するものであるとも言える。
イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、さらに別の言い方をすると、ENAVコンテンツ30(30W)を解釈してから、DVDビデオ再生エンジン200とENAVエンジン300との間で制御信号等の変換を行う。具体的には、処理部320は例えば以下のような信号出力/信号変換を行う:
<イ>ENAVコンテンツ30(30W)を解釈してから、(a)ユーザ操作部より入力されたユーザオペレーション40に対応するユーザイベントを制御するための“ユーザイベント制御信号”、(b)DVDビデオ再生エンジン200におけるDVDビデオコンテンツ10の再生を制御する“DVD制御信号”、および/または(c)DVDビデオ再生エンジン200からの映像・音声出力とENAVエンジン300からの映像・音声出力を切り換えるための“映像・音声出力制御信号”を出力する。また、
<ロ>DVDビデオ再生エンジン200から送られてくるDVDビデオコンテンツ10の再生状況を示す“DVDイベント信号”の内容(メニューコールなのか、タイトルジャンプなのか等)を解釈し、解釈したDVDイベント信号の内容を、ENAVコンテンツ30(30W)において定義されている対応イベント信号に変換する(例えばメニューコールのDVDイベント信号をENAVにおけるメニューコールのイベント信号に変換する)。
<イ>ENAVコンテンツ30(30W)を解釈してから、(a)ユーザ操作部より入力されたユーザオペレーション40に対応するユーザイベントを制御するための“ユーザイベント制御信号”、(b)DVDビデオ再生エンジン200におけるDVDビデオコンテンツ10の再生を制御する“DVD制御信号”、および/または(c)DVDビデオ再生エンジン200からの映像・音声出力とENAVエンジン300からの映像・音声出力を切り換えるための“映像・音声出力制御信号”を出力する。また、
<ロ>DVDビデオ再生エンジン200から送られてくるDVDビデオコンテンツ10の再生状況を示す“DVDイベント信号”の内容(メニューコールなのか、タイトルジャンプなのか等)を解釈し、解釈したDVDイベント信号の内容を、ENAVコンテンツ30(30W)において定義されている対応イベント信号に変換する(例えばメニューコールのDVDイベント信号をENAVにおけるメニューコールのイベント信号に変換する)。
<ハ>DVDビデオ再生エンジン200から送られてくるDVDビデオプレーヤ100のプロパティを示す“DVDステータス信号”の内容(音声言語が何語なのか、現在ディスク再生動作中なのか等)を解釈し、ENAVコンテンツ30(30W)において定義されている対応プロパティ信号に変換する(例えば現在使用中の音声言語が日本語であることを示すDVDステータス信号を、ENAVでの使用言語を日本語に指定するプロパティ信号に変換する)。
ENAV解釈部330は、概括的に言えば、DVDビデオディスク1から得たENAVコンテンツ30またはインターネット等から得たENAVコンテンツ30Wに含まれる再生制御情報(ENAV再生情報)の構文解析を行いその解釈を行なって、ENAVエンジン300を動かす機能を持っている。このENAV再生情報に用いられるスクリプト言語としては、前述したHTML/XHTMLやSMILといったマークアップ言語を用いてもよいし、あるいは前述のマークアップ言語とともにECMAScriptのようなスクリプト言語を用いてもよい。
マークアップやスクリプトの構文解析およびその解釈を行う具体的な方法は、例えばHTML/XHTMLやSMILあるいはECMAScriptやJavaScriptのような公知技術における構文解析・解釈と同様な手法でよい(使用するハードウエアは図1の説明の冒頭で述べたマイクロコンピュータ)。ただしスクリプト中に記載されるコマンドや変数については、制御対象が異なるので違いが生じる。この発明を実施する際に用いるENAV再生情報では、DVDビデオディスクおよび/またはENAVコンテンツの再生に関連した特有のコマンドや変数が用いられる。例えば、あるイベントに応答してDVDビデオまたはENAVコンテンツの再生内容を切り換えるといったコマンドは、ENAV再生情報におけるマークアップやスクリプトに特有のものとなっている。
ENAV再生情報におけるマークアップやスクリプトに特有なコマンドや変数の他例として、DVDビデオ再生エンジン200および/またはENAVエンジン300からの映像の大きさを変更(サイズ変更を命令するコマンドと変更後のサイズを指定する変数)したり、その配置を変えたりするもの(表示位置の変更を命令するコマンドと変更後の座標等を指定する変数:表示対象が後述する図3(c)に示すように画面上でオーバーラッピングするときは、重なりの上下位置関係を指定する変数も加わる)がある。あるいは、DVDビデオ再生エンジン200および/またはENAVエンジン300からの音声レベルを変えたり(音声レベルの変更を命令するコマンドと変更後の音声レベルを指定する変数)、使用音声言語を選択するもの(使用音声言語の変更を命令するコマンドと変更後の言語の種類を指定する変数)もある。また、ユーザイベント制御部310においてユーザイベントを制御する(ユーザイベント信号(A)とユーザイベント信号(B)とユーザイベント信号(C)の切り換え)ものもある。
上記で例示したようなENAV再生情報のマークアップやスクリプトのコマンド/変数に基づいて、図示しない外部モニタ装置等で表示すべき映像(映像データD352)の画面上のレイアウト、映像のサイズ、映像の出力タイミング、映像の出力時間、および/または図示しない外部スピーカから再生すべき音声(音声データD354)の音量レベル、音声の出力タイミング、音声の出力時間を制御する“レイアウト制御信号”が、ENAV解釈部330から映像・音声出力部350に送られるようになっている。
エレメントデコーダ340は、ENAVコンテンツに含まれる音声、静止画、テキスト、動画等のデータをデコードするもので、デコード対象に対応して音声デコーダ、静止画デコーダ、テキストデコーダ、および動画デコーダを含んでいる。例えばMPEG1でエンコードされたENAVコンテンツ中の音声データは音声デコーダによりデコードされて非圧縮の音声データに変換される。また、MPEGまたはJPEGでエンコードされた静止画データは静止画デコーダによりデコードされて非圧縮の画像データに変換される。同様に、例えばMPEG2でエンコードされた動画データは動画デコーダによりデコードされて非圧縮の動画データに変換される。また、ENAVコンテンツに含まれるテキストデータはテキストデコーダによりデコードされて、動画または静止画の画像にスーパーインポーズ可能なテキスト画像データに変換される。これらデコードされた音声データ、画像データ、動画データ、およびテキスト画像データを適宜含む映像・音声データD340は、エレメントデコーダ340から映像・音声出力部350に送られる。
映像・音声出力部350は、エレメントデコーダ340によりデコードされた映像・音声データD340と、DVDビデオ再生エンジン200から出力される映像・音声データD210を切り換え選択し、あるいは両者(D340とD210)を適宜混合したりするもので、映像出力制御部352および音声出力制御部354を含んで構成されている。
映像出力制御部352は、DVDビデオ再生エンジン200からの映像(D210の映像部分)またはENAVエンジン300からの映像(D340の映像部分)を選択する機能と、それぞれの映像(D210とD340)の大きさ変更および/または配置の移動を行い、両方の映像(D210とD340)を同時に(映像データD352として)出力する機能を持つ。具体的には、デジタル映像ミキサ・スイッチャ等により構成できる。
ENAVエンジン300における映像出力制御部352は、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320から出力される“映像・音声出力制御信号”、および/またはENAV解釈部330から出力される“レイアウト制御信号”に基づいて、DVDビデオ再生エンジン200からの映像D210を出力(フルビデオモード)するか、ENAVエンジン300からの映像D340を出力(フルENAVモード)するか、またはDVDビデオ再生エンジン200からの映像D210とENAVエンジン300からの映像D340の両方を合成して出力(ミクスドフレームモード)するかの、いずれかを行うように構成される。
また、映像出力制御部352は、(1)DVDビデオ再生エンジン200からのみ映像D210が出力されておりENAVエンジン300の映像D340が出力されない場合はDVDビデオ再生エンジン200の映像出力D210をDVDビデオプレーヤ100の映像D352として選択したり、(2)ENAVエンジン300からのみ映像D340が出力されておりDVDビデオ再生エンジン200の映像D210が出力されない場合はENAVエンジン300の映像出力D340をDVDビデオプレーヤ100の映像D352として選択したり、(3)ユーザ操作部よりユーザが選択した出力方法に従ってDVDビデオ再生エンジン200の映像出力D210および/またはENAVエンジン300の映像出力D340を切り換え選択する機能も有している。
更に、レイアウト制御信号にて、指定されたタイミングで映像の出力を開始・終了したり、指定された時間だけ映像の出力を継続したり、指定された位置(例えばチャプタ番号や時間情報)から映像の出力を行ったりすることができる。
図32は、レイアウト制御信号に基づいて、3つのチャプタから構成されるDVDビデオコンテンツの映像を、ENAVコンテンツのENAV再生情報に従って出力した例を示す。この例においては、チャプタ1の映像の一部をまずは再生し、次にチャプタ3の映像の一部を再生し、さらにENAVコンテンツの動画、静止画、および/またはテキストを再生し、最後にチャプタ2の映像とENAVコンテンツの動画等を合成して再生している。
音声出力制御部354は、DVDビデオ再生エンジン200からの音声(D210の音声部分)またはENAVエンジン300からの音声(D340の音声部分)を選択する機能と、それぞれの音声(D210とD340)の音量レベル変更および/またはミキシングを行い、両方の音声(D210とD340)を合成したものを(音声データD354として)出力する機能を持つ。具体的には、デジタル音声ミキサ・スイッチャ等により構成できる。
ENAVエンジン300における音声出力制御部354は、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320から出力される“映像・音声出力制御信号”、および/またはENAV解釈部330かR出力される“レイアウト制御信号”に基づいて、DVDビデオ再生エンジン200からの音声出力D210、ENAVエンジン300からの音声出力D340、またはDVDビデオ再生エンジン200からの音声D210とENAVエンジン300からの音声D340の両方を合成して出力するかの、いずれかを行うように構成される。例えば、音声出力制御部354は、DVDビデオ再生エンジン200からの音声D210とENAVエンジン300からの音声D340の両方を合成して出力する場合には、ENAVコンテンツ30(30W)の記述に従って、図4を参照して後述するように、各々の音声(D210の音声データ部分とD340の音声データ部分)のレベルを調整しミキシングして、音声データD354の出力を行う。
また、音声出力制御部354は、(1)DVDビデオ再生エンジン200からのみ音声D210が出力されておりENAVエンジン300の音声D340が出力されない場合はDVDビデオ再生エンジン200の音声出力D210をDVDビデオプレーヤ100の音声データD354として選択したり、(2)ENAVエンジン300からのみ音声D340が出力されておりDVDビデオ再生エンジン200の音声D210が出力されない場合はENAVエンジン300の音声出力D340をDVDビデオプレーヤ100の音声データD354として選択したり、(3)ユーザ操作部よりユーザが選択した出力方法に従ってDVDビデオ再生エンジン200の音声出力D210および/またはENAVエンジン300の音声出力D340を切り換え選択する機能も有している。
更に、レイアウト制御信号にて、指定されたタイミングで音声の出力を開始・終了したり、指定された時間だけ音声の出力を継続したり、指定された位置(例えばチャプタ番号や時間情報)から音声の出力を行ったりすることができる。
図33は、レイアウト制御信号に基づいて、1つのチャプタから構成されるDVDビデオコンテンツの音声を、ENAVコンテンツのENAV再生情報に従って出力した例を示す。この例においては、チャプタ1の音声の一部をまずは再生し、次に無音区間が存在したあとさらにチャプタ1の音声の一部とENAVコンテンツの音声を合成して再生してから、ENAVコンテンツの音声を再生している。
なお、図1のDVDビデオプレーヤ100内のENAVエンジン300は、DVDビデオディスク1から読み取られたENAVコンテンツ30中のENAV再生情報をENAV解釈部330に送るためのインターフェイス400、および読み取られたENAVコンテンツ30中のデータ本体(音声データ、静止画データ、テキストデータ、動画データ等)をエレメントデコーダ340に送るためのインターフェイス400*を備えている。これらのインターフェイス400および400*は、図1のインターフェイス接続部とは別のインターフェイス(第1のインターフェイス)を構成している。
また、図1のDVDビデオプレーヤ100は、インターネット等の通信回線からENAVコンテンツ30Wを受け取り、受け取ったコンテンツ30W中のENAV再生情報をENAV解釈部330に送るためのインターフェイス400W、および受け取ったENAVコンテンツ30W中のデータ本体(音声データ、静止画データ、テキストデータ、動画データ等)をエレメントデコーダ340に送るためのインターフェイス400W*を備えている。これらのインターフェイス400Wおよび400W*が、図1のインターフェイス接続部(第2のインターフェイス)を構成している。
図1のENAVエンジン300の構成要素は、表現を変えると、次のように纏めることができる。すなわち、ENAVエンジン300は、
*ENAVコンテンツ30(または30W)に含まれる再生制御情報(ENAV再生情報)の内容を構文解析し、解釈する言語解釈部(ENAV解釈部)330と、
*ENAV解釈部330で構文解析し、解釈された再生制御情報(ENAV再生情報)に含まれるコマンド(ENAVコマンド)を実行する情報処理部(イベント生成・コマンド/プロパティ処理部)320と、
*ENAVコンテンツ30(または30W)に含まれるその他のコンテンツ(音声、静止画、テキスト、動画等のデータ)に対応した映像・音声データD340を生成するエレメントデコーダ340と、
*情報処理部320におけるENAVコマンドの実行結果に基づいて、エレメントデコーダ340で生成された映像・音声データD340をDVDビデオ再生エンジン200で再生された映像・音声データD210に合成して出力し、あるいは映像・音声データD210および映像・音声データD340の一方を選択して出力する出力部(映像・音声出力部)350と、
*DVDビデオ再生装置のユーザ操作(ユーザオペレーション)40に対応したユーザイベントを生成するユーザイベント制御部310とを備えている。
*ENAVコンテンツ30(または30W)に含まれる再生制御情報(ENAV再生情報)の内容を構文解析し、解釈する言語解釈部(ENAV解釈部)330と、
*ENAV解釈部330で構文解析し、解釈された再生制御情報(ENAV再生情報)に含まれるコマンド(ENAVコマンド)を実行する情報処理部(イベント生成・コマンド/プロパティ処理部)320と、
*ENAVコンテンツ30(または30W)に含まれるその他のコンテンツ(音声、静止画、テキスト、動画等のデータ)に対応した映像・音声データD340を生成するエレメントデコーダ340と、
*情報処理部320におけるENAVコマンドの実行結果に基づいて、エレメントデコーダ340で生成された映像・音声データD340をDVDビデオ再生エンジン200で再生された映像・音声データD210に合成して出力し、あるいは映像・音声データD210および映像・音声データD340の一方を選択して出力する出力部(映像・音声出力部)350と、
*DVDビデオ再生装置のユーザ操作(ユーザオペレーション)40に対応したユーザイベントを生成するユーザイベント制御部310とを備えている。
ここで、情報処理部320が、ユーザイベント制御部310により生成されたユーザイベントに対応した処理を実行する(例えば後述する図14のST92〜ST116等)ように構成されている。そして、出力部350が、ユーザイベントに対応した処理の実行結果に基づいて、エレメントデコーダ340で生成された映像・音声データD340をDVDビデオ再生エンジン200で再生された映像・音声データD210に合成して出力し、あるいは映像・音声データD210および映像・音声データD340の一方を選択して出力するように構成される。
図2は、図1の構成においてDVDビデオコンテンツ側の再生映像とENAVコンテンツ側の再生映像とがマルチフレーム出力される場合の表示例を説明する図である。
図1のDVDビデオ再生エンジン200におけるデコーダ部210は、従来のDVDビデオプレーヤにおけるデコーダ部と同様に、DVDビデオディスク1からDVDビデオコンテンツ10中の動画、音声、副映像等の情報をデコードして出力する機構を持っている。図2(a)はこのDVDビデオコンテンツ10中の動画および/または副映像部分(D210)を例示している。
また、ENAVエンジン300におけるエレメントデコーダ340は、図30(または図31)のDVDビデオディスク1に記録されているENAVコンテンツ30、および/またはインターネット等から取得されるENAVコンテンツ(Webコンテンツ)30W中の動画(アニメーションを含む)、静止画、音声、テキストといった情報を、それぞれデコードして出力する機能を持っている。図2(b)はこのENAVコンテンツ30(または30W)中に含まれる複数の動画および/または静止画部分30A〜30C(D340)を例示している。
図2(a)のDVDビデオコンテンツ画像10と図2(b)のENAVコンテンツ画像30A〜30Cを合成して出力する場合、図1の映像出力制御部352は、ENAV解釈部330からレイアウト制御信号を受け取り、受け取ったレイアウト制御信号に基づいて、DVDビデオコンテンツ10の画面サイズを調整(ここでは縮小)する。具体的には、図2(b)の余白エリア(ENAVコンテンツ30A〜30Cがないエリア)の縦横画素サイズに収まるように、図2(a)のDVDビデオコンテンツ10の画素を間引きすればよい。
こうしてDVDビデオコンテンツ10の画面サイズを調整(縮小)したあとのコンテンツ10を図2(b)の余白エリアにはめ込む(ビデオミキシング)操作を映像出力制御部352で行えば、図2(c)に示すような、DVDビデオコンテンツ再生画像とENAVコンテンツ再生画像とが合成されたマルチフレーム映像出力D352が得られる。
図3は、図1の構成においてDVDビデオコンテンツ側の再生映像とENAVコンテンツ側の再生映像とがマルチウインドウ(オーバーラッピングウインドウ)出力される場合の表示例を説明する図である。
DVDビデオ再生エンジン200からの映像D210とENAVエンジン300からの映像D340の両方を出力する方法は、ENAVコンテンツ30(または30W)中のENAV再生情報の記述に従って図2(c)のように各々の画像のサイズを調整し分割された画面に対して各々をマルチ・フレーム出力するものに限られない。ENAV再生情報の記述に従って、DVDビデオコンテンツ10(図3(a))およびENAVコンテンツ30(図3(b))各々の画像のサイズを調整し、図3(c)に例示されるように、サイズ調整されたコンテンツ10および30各々をオーバーラッピングウィンドウ(マルチウインドウ)として出力することも可能である。このようなオーバーラッピングウィンドウ(マルチウインドウ)の表示は、パーソナルコンピュータにおいて周知の技術を利用すれば実現できる。
図4は、図1の構成においてDVDビデオコンテンツ側の再生音声とENAVコンテンツ側の再生音声とが合成(ミキシング)される場合の例を説明する図である。
いま、DVDビデオ再生エンジン200からの音声出力D210がアナログ波形でみると図4(a)に示すような波形を持ち、ENAVエンジン300からの音声出力D340がアナログ波形でみると図4(c)に示すような波形を持つものとする。この場合、DVDビデオ音声D210の音量レベルとENAV音声D340の音量レベルが異なるため、そのまま両者を合成すると音量レベルの小さい側が聞き取り難くなる。そのため、DVDビデオ音声D210の例えば平均音量レベルとENAV音声D340の平均音量レベルとが同程度となるように、図1の音声出力制御部354において、音量レベル調整が行われる(デジタル領域で行うときは、音声データのビットシフトでレベル調整を行うことができる。また、アナログ領域でレベル調整を行うときは、アナログテープレコーダ等で公知の自動音量調整回路を用いて行うことができる)。
上記音量レベル調整の結果、図4(a)の音声出力D210は図4(b)のようになり、図4(c)の音声出力D340は図4(d)のようになる。こうして音量レベルが揃えられたDVDビデオ再生音(図4(b))とENAVコンテンツ再生音(図4(d))とが合成されると、図4(e)のような波形の音声出力D354となる。
図4の例において、合成される音声の一方(例えばD210)が音楽なしの朗読等であるときに、音声の他方(D340)をバックグラウンド音楽(BGM)とするような応用例がある。
なお、図4(a)のDVDビデオ再生音D210の音量レベル調整には所定の減衰係数ATT−1(=0〜1の間)を掛け算すればよく、また図4(c)のENAVコンテンツ再生音D340の音量レベル調整には所定の減衰係数ATT−2(=0〜1の間)を掛け算すればよい。これらの減衰係数ATT−1および/またはATT−2は、ENAV再生情報中で定義された「音量変更コマンド」の変数として与えればよい。
図5は、DVDビデオ再生出力(DVDビデオメニュー)およびENAV再生出力(ENAVメニュー)が内部コマンドによりどのように変化するかの例を説明する図である。また、図6は、コマンドによるメニューコールに関して、DVDビデオ再生エンジンの処理とENAVエンジンの処理の例を説明するフローチャート図である。さらに、図7はビデオコンテンツ側のメニュー表示例(フルビデオモード)を示し、図8はENAVコンテンツ側のメニュー表示例(フルENAVモード)を示し、図11はビデオコンテンツとENAVコンテンツの合成メニューの表示例(ミクスドフレームモード(混合モード))を示している。
いま、DVDビデオコンテンツ10に含まれるタイトル(例えば図30あるいは図31のVTS#1)の最後にポストコマンドとしてメニューコールの実行が設定されていた場合を想定してみる。この場合、DVDビデオ再生エンジン200は、タイトル再生終了時にメニューコールを実行するとともに、ENAVエンジン300に対して、メニューコールが実行されること(あるいはメニューコールが実行されたこと)を、DVDイベント信号として出力する。このとき、待機状態にあるENAVエンジン300は、DVDビデオ再生エンジン200から送られてくるDVDイベント信号を受信すると、ENAVコンテンツ30の中のENAV再生情報に従って、ENAVエンジン動作を行う。
上述したENAV再生情報には、例えば、メニューコール実行を意味するDVDイベント信号が送られてきた場合に実行するENAVコンテンツ(ENAVメニュー)や、このときのモード(フルフレームモード/フルビデオモード、フルENAVモードまたはミクスドフレームモード)の切り換えについて記述されている。
以下、図5〜図8および図11を参照して、図1のDVDビデオプレーヤ100におけるメニューコール(DVDビデオプレーヤの内部コマンドによるもの)に関連した動作の一例を詳細に説明する。ここでは、プレーヤ100の内部コマンド(プリコマンドやポストコマンド等)によりメニューコールが実行される場合を例にとって説明する。
DVDビデオ再生エンジン200側では、タイトル再生が実行されている(ステップST10、ステップST12のノー;図5で最上段の「DVDビデオ再生」に対応)。タイトル再生が終了すると(ステップST12のイエス)、ポストコマンド(プレーヤ100の内部コマンド)によりメニューコールが実行される(ステップST14;図5で最上段の「下向き矢印」に対応)。すると、DVDビデオ再生制御部220からイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320へ、メニューコールを示すDVDイベント信号が送られ(ステップST16)、映像出力制御部352から図示しないTVモニタへメニューの映像データD352が送られて、例えば図7に示すようなメニュー表示が、TVモニタの表示スクリーン上で行われる(ステップST18;図5で最上段の「DVDビデオメニュー表示」に対応)。
一方、ENAVエンジン300側では、ENAV解釈部330がENAVコンテンツ30を取り込み(ステップST20)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320との間でコマンド/イベント/プロパティを交換する準備が整った後、何らかのイベントが生じるのを待っている(ステップST22、ステップST24のノー;図5で2段目の「イベント待ち」に対応)。ここで、ステップST16において“メニューコールを示すDVDイベント信号”が出力され、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320がこのDVDイベント信号を受け取ると(ステップST24のイエス;図5で2段目の「下向き矢印」に対応)、ENAV解釈部330は、取り込んだENAVコンテンツ30中にENAVメニューのコンテンツが存在するかどうかチェックする。
もし、ENAVコンテンツ30中にENAVメニューコンテンツが存在しないときは(ステップST26のノー)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、“DVDビデオ再生エンジンの映像と音声を出力することを意味するフルビデオモード”として、映像・音声出力制御信号を出力する(ステップST28)。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)として、DVDビデオ再生エンジン200の映像・音声を出力する。そして、ENAVエンジン300は、イベント待ちの待機状態に戻る(ステップST30)。
一方、ENAVコンテンツ30中にENAVメニューコンテンツが存在するときは(ステップST26のイエス)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、ENAV解釈部330からのENAVコマンドに従って、ENAVメニューの処理を実行する(ステップST32)。このとき、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、“ENAVエンジンの映像と音声を出力することを意味するフルENAVモード”として、映像・音声出力制御信号を出力する(ステップST34)。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)として、ENAVエンジン300の映像(ENAVメニュー)・音声を出力する。
ENAVコンテンツ30中のENAVメニューは、例えば図8に示されるように、動画(アニメーションを含む)、静止画、音声、テキストといったデータから構成されている。そして、それぞれのデータはエレメントデコーダ340内の各対応デコーダに送られてデコードされ、それが映像データD352として図示しないモニタTVに送られて、そのモニタTVの表示スクリーン上でENAVメニューとして表示される(ステップST36;図5で2段目の「ENAVメニュー表示」に対応)。そして、ENAVエンジン300は再び待機状態に戻る(ステップST30)。
なお、DVDビデオ再生エンジン200からDVDビデオメニューのデータD210が出力され、かつ、ENAVエンジン300からENAVメニューのデータD340が出力されている場合では、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320からの映像・音声出力制御信号により映像出力切換が行われる際(図5で3段目の「下向き矢印」に対応)には、ENAVエンジン300は、以下のいずれかを機器の設定、ユーザ操作、ENAV再生情報等に従って切換選択できる(図5の下段参照):
(1)フルビデオモードでのDVDビデオ再生からフルENAVモードでのENAVメニュー表示、または
(2)フルビデオモードでのDVDビデオ再生からフルビデオモードでのDVDビデオメニュー表示。
(1)フルビデオモードでのDVDビデオ再生からフルENAVモードでのENAVメニュー表示、または
(2)フルビデオモードでのDVDビデオ再生からフルビデオモードでのDVDビデオメニュー表示。
また、DVDビデオ再生エンジン200からDVDビデオメニューのデータD210が出力され、かつ、ENAVエンジン300からENAVメニューのデータD340が出力されているときは、ステップST32〜ST36の処理において、DVDビデオコンテンツ(動画等)10およびENAVコンテンツ(動画等)30の双方で構成されるメニューを、ミクスドフレームモードで表示するようにしてもよい。その場合の表示例を図11に示す。
DVDビデオメニュー(図7)では一つの動画しか表示できなくても、ENAVメニュー(図8)では、メニュー画面や選択ボタンに対してそれぞれ動画(アニメーションを含む)を用いることが可能となる。さらに、DVDビデオ再生エンジン200による映像出力D210とENAVエンジン300による映像出力D340を用いて、DVDビデオコンテンツ10の動画のみならずENAVコンテンツの動画も含むENAVメニュー(図11)を表示することも可能となる。
図6の処理は、次のように纏めることができる。すなわち、DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペースを持つDVDビデオディスク(図30または図31の1)からDVDビデオコンテンツ10およびENAVコンテンツ30を含む記録コンテンツを再生するものにおいて、DVDビデオディスク1から再生された記録コンテンツのうちDVDビデオコンテンツ10を獲得し(ステップST10)、DVDビデオディスク1から再生された記録コンテンツのうちENAVコンテンツ30を獲得し(ステップST20)、獲得されたDVDビデオコンテンツ10の内容に対応した所定のイベント(ステップST16)に応じて、獲得されたENAVコンテンツ30の内容を実行する(ステップST32)。
ここで、図1のシステム構成において用いられるモード(DVDビデオコンテンツを用いるビデオモードとDVDコンテンツおよび/またはENAVコンテンツを用いるインタラクティブモード)および表示モードについて説明しておく。ビデオモードにおける表示モードはフルビデオモード(図7等)だけであるが、インタラクティブモードにおける表示モードには、フルビデオモード(図7等)とフルENAVモード(図8等)とミクスドフレームモード(図11等)の3種類がある。これらの表示方法の使い分けは、例えば以下のようにして行うことができる。すなわち、
ビデオモードにおいて純粋にDVDビデオ再生だけを行うときは、フルビデオスモードが用いられる。
ビデオモードにおいて純粋にDVDビデオ再生だけを行うときは、フルビデオスモードが用いられる。
一方、インタラクティブモードでは、DVDビデオのみが表示されている(しかしその裏でENAVエンジンが稼働している)場合は、フルビデオモードが用いられる。また、ENAVコンテンツが表示されている(しかしその裏でDVDビデオ再生も行われている)場合では、フルENAVモード(フルナビゲーションモード)が用いられる。更に、ENAVエンジンが稼働しつつDVDビデオ再生が行われている場合において、DVDビデオ再生画像とENAVコンテンツの再生画像が混在して表示される場合では、ミクスドフレームモード(混合モード)が用いられる。
図9はDVDビデオ再生出力(DVDビデオチャプタ再生)およびENAV再生出力(ENAVコンテンツ再生)が内部コマンドによりどのように変化するかの例を説明する図である。また、図10はチャプタ再生に関して、DVDビデオ再生エンジンの処理とENAVエンジンの処理の例を説明するフローチャート図である。さらに、図12はビデオコンテンツとENAVコンテンツの合成映像の表示例(ミクスドフレームモード)を示している。
いま、DVDビデオコンテンツ10のチャプタA(例えば、図30あるいは図31のVTS#1〜VTS#nのいずれかに含まれる、あるパートオブタイトルPTTをこのチャプタAとする)の最後にポストコマンドとしてタイトルジャンプの実行が設定されていた場合を想定してみる。この場合、DVDビデオ再生エンジン200は、チャプタAの再生終了時に他のチャプタXへタイトルジャンプを実行するとともに、ENAVエンジン300に対して、タイトルジャンプが実行されること(あるいはタイトルジャンプが実行されたこと)を、DVDイベント信号として出力する。このとき、待機状態にあるENAVエンジン300は、DVDビデオ再生エンジン200から送られてくるDVDイベント信号を受信すると、ENAVコンテンツ30の中のENAV再生情報に従って、ENAVエンジン動作を行う。
上記ENAV再生情報では、例えば、チャプタXへのタイトルジャンプ実行を意味するDVDイベント信号が送られてきた場合に実行すべきENAVコンテンツについての記述や、このときのモード(フルフレームモード/フルビデオモード、フルENAVモードまたはミクスドフレームモード)の切り換えについての記述がなされている。
以下、図9〜図12を参照して、図1のDVDビデオプレーヤ100におけるタイトルジャンプ/チャプタ切換(DVDビデオプレーヤ100の内部コマンドによるもの)に関連した動作の一例を詳細に説明する。ここでは、プレーヤ100の内部コマンド(プリコマンドやポストコマンド等)によりタイトルジャンプが実行される場合を例にとって説明する。
DVDビデオ再生エンジン200側では、あるタイトル内のチャプタAの再生が実行されている(ステップST40、ステップST42のノー;図9で最上段の「DVDビデオ再生(チャプタA)」に対応)。そのタイトルのチャプタAの再生が終了すると(ステップST42のイエス)、ポストコマンド(プレーヤ100の内部コマンド)によりタイトルジャンプが実行される(ステップST44;図9で最上段の「下向き矢印」に対応)。すると、DVDビデオ再生制御部220からイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320へ、タイトルジャンプを示すDVDイベント信号が送られ(ステップST46)、映像出力制御部352から図示しないTVモニタへ、ジャンプ先タイトルのチャプタXの映像データD352が送られて、そのチャプタXの映像が、TVモニタの表示上で行われる(ステップST48;図9で最上段の「DVDビデオ再生(チャプタX)」に対応)。
一方、ENAVエンジン300側では、ENAV解釈部330がENAVコンテンツ30を取り込み(ステップST50)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320との間でコマンド/イベント/プロパティを交換する準備が整った後、何らかのイベントが生じるのを待っている(ステップST52、ステップST54のノー;図9で2段目の「イベント待ち」に対応)。ここで、ステップST46において“タイトルジャンプを示すDVDイベント信号”が出力され、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320がこのDVDイベント信号を受け取ると(ステップST54のイエス;図9で2段目の「下向き矢印」に対応)、ENAV解釈部330は、取り込んだENAVコンテンツ30中にENAVメニューのコンテンツが存在するかどうかチェックする。
もし、ENAVコンテンツ30中に“タイトルジャンプ”に対応したコンテンツが存在しないときは(ステップST56のノー)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、“DVDビデオ再生エンジンの映像と音声を出力することを意味するフルビデオモード”として、映像・音声出力制御信号を出力する(ステップST58)。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)として、DVDビデオ再生エンジン200からのチャプタXの映像・音声を出力する。そして、ENAVエンジン300は、イベント待ちの待機状態に戻る(ステップST60)。
一方、ENAVコンテンツ30中に“タイトルジャンプ”に対応したコンテンツが存在するときは(ステップST56のイエス)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、ENAV解釈部330からのENAVコマンドに従って、上記“タイトルジャンプ”に対応したコンテンツの処理(例えばチャプタXがドラマのあるシーンである場合に、そのシーンの脚本のテキストを表示する処理など)を実行する(ステップST62)。このとき、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、“ENAVエンジンの映像と音声を出力することを意味するフルENAVモード”として、映像・音声出力制御信号を出力する(ステップST64)。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)として、ENAVエンジン300の映像(上記例では脚本テキストなど)・音声(例えばそのドラマを製作した監督または脚本家の解説音声など)を出力する。
ENAVコンテンツ30中の各データは、例えば図12に示されるように、映画情報(テキスト、静止画、動画、あるいはアニメーション)30A、絵コンテ(静止画)30B、脚本(テキスト)30C、その他(音声等)から構成されている。そして、それぞれのデータはエレメントデコーダ340内の各対応デコーダに送られてデコードされ、それが映像データD352として図示しないモニタTVに送られて、そのモニタTVの表示スクリーン上でENAVコンテンツ30A〜30Cとして表示される(ステップST66;図9で2段目の「ENAVコンテンツ再生」に対応)。そして、ENAVエンジン300は再び待機状態に戻る(ステップST60)。
なお、DVDビデオ再生エンジン200からDVDビデオのチャプタX再生データD210が出力され、かつ、ENAVエンジン300からENAVコンテンツの再生データD340が出力されている場合では、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320からの映像・音声出力制御信号により映像出力切換が行われる際(図9で3段目の「下向き矢印」に対応)には、ENAVエンジン300は、以下のいずれかを機器の設定、ユーザ操作、ENAV再生情報等に従って切換選択できる(図9の下段参照):
(1)フルビデオモードでのDVDビデオ(チャプタA)再生からフルENAVモードでのENAVコンテンツ再生、または
(2)フルビデオモードでのDVDビデオ(チャプタA)再生からフルビデオモードでのDVDビデオ(チャプタX)再生。
(1)フルビデオモードでのDVDビデオ(チャプタA)再生からフルENAVモードでのENAVコンテンツ再生、または
(2)フルビデオモードでのDVDビデオ(チャプタA)再生からフルビデオモードでのDVDビデオ(チャプタX)再生。
また、DVDビデオ再生エンジン200からDVDビデオ(チャプタX)の再生データD210が出力され、かつ、ENAVエンジン300から(チャプタXに対応した)ENAVコンテンツの再生データD340が出力されているときは、ステップST62〜ST66の処理において、DVDビデオコンテンツ(動画等)10およびENAVコンテンツ(テキストや静止画等)30の双方で構成される表示画面を、ミクスドフレームモードで表示するようにしてもよい。その場合の表示例を図12に示す。ここでは、図2(c)のDVDビデオコンテンツ10に対応する位置にDVDビデオ再生画像(映画あるいはドラマのワンシーン等)10Aを表示させ、図2(c)のENAVコンテンツ30A〜30Cに対応する位置それぞれに、種々なENAVコンテンツとして、映画情報30A、絵コンテ30Bおよび脚本30Cを表示させている。
なお、図12のミクスドフレームモードにおける表示(混合モード)では、DVDビデオコンテンツ10として映画やドラマのシーンを再生しながら、DVDビデオコンテンツ10の内容変化(各シーンの切り換わり)と同期(あるいは連動もしくは連携)させて、ENAVコンテンツ30として、脚本、絵コンテ、映画の情報、出演者の情報といった情報を切り換え表示するようになっている。これらの情報(DVDビデオの再生映像に同期あるいは連動もしくは連携させる脚本等の情報)としては、DVDビデオディスク1に記録されているENAVコンテンツ30だけでなく、インターネット等を用いて外部から取得したENAVコンテンツ30Wを用いることもできる。
すなわち、DVDビデオディスク1のコンテンツ再生に連携/連動/同期させて種々に変化し得るENAVコンテンツは、同じディスク1から再生したENAVコンテンツ30だけに限られることはなく、外部(インターネット等)から取得したENAVコンテンツ(Webコンテンツ)30Wを利用することができる。さらにディスク1からのENAVコンテンツ30および/または外部から取得したENAVコンテンツ30Wを適宜併用して、DVDビデオコンテンツ10の再生方法により多彩な変化をもたらすこともできる。
なお、図6のメニュー処理と図10のタイトルジャンプ処理を組み合わせれば、図10のステップST64において、図11に示すようなDVDビデオ/ENAV混成メニューを、図12の表示エリアの一部(例えばビデオコンテンツ10Aの表示エリア)こともできる。
図10を参照して説明したタイトルジャンプに対応するENAVコンテンツ30は、動画(アニメーションを含む)、静止画、音声、テキストといったデータから構成することができ、それぞれのデータはエレメントデコーダ340の各対応デコーダに送られてデコードされる。そして、デコードされた内容が、図示しないモニタTVの表示スクリーン上で、ENAVコンテンツとして表示される。
このとき、ENAVコンテンツ30の中のENAV再生情報に、例えばDVDビデオコンテンツ10およびENAVコンテンツ30により画面を構成するような記述がある場合は、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、映像・音声出力部350へ、映像・音声出力制御信号をミクスドフレームモードとして出力する。すると、映像出力制御部352および音声出力制御部354からは、DVDビデオ再生エンジン200からの映像・音声D210とENAVエンジン300からの映像・音声D340とがそれぞれミックスされた映像データD352および音声データD354が出力される。その際、ENAVコンテンツ30のENAV再生情報に従い、映像出力制御部352は、映像データD210およびD340それぞれの画面のサイズ/位置を調整して、マルチフレーム(図2(c)あるいは図12)として出力したり、あるいはマルチウィンドウ(図3(c))として出力したりする。また、音声出力制御部354は、音声データD210およびD340それぞれのレベルを調整してから、適宜ミックスさせて出力する。
図10の処理は、次のように纏めることができる。すなわち、DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペースを持つDVDビデオディスク(図30または図31の1)からDVDビデオコンテンツ10およびENAVコンテンツ30を含む記録コンテンツを再生するものにおいて、DVDビデオディスク1から再生された記録コンテンツのうちDVDビデオコンテンツ10を獲得し(ステップST40)、DVDビデオディスク1から再生された記録コンテンツのうちENAVコンテンツ30を獲得し(ステップST50)、獲得されたDVDビデオコンテンツ10)の内容に対応した所定のイベント(ステップSTST46)に応じて、獲得されたENAVコンテンツ30の内容を実行する(ステップST62)。
図13はDVDビデオ再生出力(DVDビデオメニュー)およびENAV再生出力(ENAVメニュー)がユーザ操作(ユーザイベント)によりどのように変化するかの例を説明する図である。また、図14はユーザによるメニューコールに関して、DVDビデオ再生エンジンの処理とENAVエンジンの処理の例を説明するフローチャート図である。
以下、図13〜図14を参照して、図1のDVDビデオプレーヤ100におけるメニューコール(ユーザからの要求によるもの)に関連した動作を説明する。ここでは、図1のDVDビデオプレーヤ100のユーザが、図示しないリモコンから、あるいはDVDビデオプレーヤ100の図示しないフロントパネルから、メニューボタンを押してメニューを表示させ、再度メニューボタンを押してリジューム再生(DVDビデオディスク1の再生途中でメニューボタンが押された場合において、ビデオ再生が中断され、メニュー操作が終了したらディスク1の再生中断箇所から再生が自動的に再開される操作)が行われる場合の処理例を示す。
DVDビデオ再生エンジン200側では、例えばある映画のタイトル再生が実行されている(ステップST70、ステップST72のノー;図13で最上段および3段目の「最初のDVDビデオ再生」に対応)。タイトル再生の途中でユーザからメニューコールがあると、そのユーザイベント信号(A)がDVDビデオ再生制御部220に送られる(ステップST72イエス;図13で最上段の「最初の下向き矢印」に対応)。すると、DVDビデオ再生制御部220は、このメニューコールにより中断されたタイトル再生箇所の再生時間(あるいはアドレス)の情報を一時記憶してから、このメニューコールに対応した処理を行う(ステップST74)。その結果、例えば音声選択ボタンおよび字幕言語選択ボタンを含むDVDビデオメニュー(図示せず)が、モニタTV(図示せず)のスクリーン上に表示される(ステップST76;図13で最上段の「DVDビデオメニュー再生」に対応)。このメニュー表示は、ユーザが次の操作(音声/字幕の選択や本編再生ボタンの選択など)を行うまで、継続する(ステップST78のノー)。
ユーザが手元の図示しないリモコンにより、表示中のメニューから、例えば英語音声と日本語字幕を選択し、再びリモコンのメニューボタン(あるいは表示されたメニュー中の本編再生ボタン)を押したとする。すると、このユーザ操作に対応したユーザイベント信号(A)がDVDビデオ再生制御部220に送られる(ステップST78イエス;図13で最上段の「2度目の下向き矢印」に対応)。すると、DVDビデオ再生制御部220はこのユーザイベントに対応して、前記一時記憶した再生時間情報(あるいはアドレス情報)に基づきリジュームを実行する(ステップST80)。その結果、それまで再生中断されていたタイトルのメニューコール直前の場面から、DVDビデオディスク1の再生が、自動的に再開される(ステップST82;図13で最上段および3段目の「2度目のDVDビデオ再生」に対応)。
一方、ENAVエンジン300側では、ENAV解釈部330がENAVコンテンツ30を取り込み、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320との間でコマンド/イベント/プロパティを交換する準備が整った後、何らかのイベントが生じるのを待っている(ステップST92、ステップST94のノー;図13で2段目の「最初のイベント待ち」に対応)。
ここで、ユーザが、例えば手元のリモコン(図示せず)のメニューボタンを押すと(ステップST94イエス;図13で2段目の「最初の下向き矢印」に対応)、ユーザイベント制御部310は、メニューコールのユーザイベント信号(A)および(C)を出力する(ステップST96)。これにより、DVDビデオ再生制御部220はメニューコールのユーザイベント信号(A)を受け取り(ステップST72のイエス)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320はメニューコールのユーザイベント信号(C)を受け取る。
ステップST92以前に取り込んでいるENAVコンテンツ30(および/または30W)内にENAVメニューが存在しないときは(ステップST98のノー)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、“DVDビデオ再生エンジンの映像と音声を出力することを意味するフルビデオモード”として、映像・音声出力制御信号を出力する(ステップST100)。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)として、DVDビデオ再生エンジン200の映像・音声を出力する。そして、ENAVエンジン300は、イベント待ちの待機状態に戻る(ステップST102)。
一方、ENAVコンテンツ30(および/または30W)中にENAVメニューコンテンツが存在するときは(ステップST98のイエス)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、ENAV解釈部330からのENAVコマンドに従って、ENAVメニューの処理を実行する(ステップST104)。このとき、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、“ENAVエンジンの映像と音声を出力することを意味するフルENAVモード”として、映像・音声出力制御信号を出力する(ステップST106)。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)として、ENAVエンジン300の映像(ENAVメニュー)・音声を出力する。
ENAVコンテンツ30(および/または30W)中のENAVメニューは、例えば図8に示されるように、動画(アニメーションを含む)、静止画、音声、テキストといったデータから構成されている。そして、それぞれのデータはエレメントデコーダ340内の各対応デコーダに送られてデコードされ、それが映像データD352として図示しないモニタTVに送られて、そのモニタTVの表示スクリーン上でENAVメニューとして表示される(ステップST108;図13で2段目および3段目の「ENAVメニュー再生」に対応)。そして、ENAVエンジン300は再び待機状態に戻る(ステップST102)。この状態で、ENAVエンジン300は、次のイベント(ここではユーザのリモコン操作等)を待っている(ステップST110のノー;図13で2段目の「2度目のイベント待ち」に対応)。
ここで、ユーザが、例えば手元のリモコン(図示せず)のメニューボタンを押すと(ステップST110イエス;図13で2段目の「2度目の下向き矢印」に対応)、ユーザイベント制御部310は、リジュームのユーザイベント信号(A)および(C)を出力する(ステップST112)。これにより、DVDビデオ再生制御部220はリジュームのユーザイベント信号(A)を受け取り(ステップST78のイエス)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320はリジュームのユーザイベント信号(C)を受け取る。
すると、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、“DVDビデオ再生エンジンの映像と音声を出力することを意味するフルビデオモード”として、映像・音声出力制御信号を出力する(ステップST114)。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)として、DVDビデオ再生エンジン200の映像・音声を出力する(その処理はステップST82;図13で3段目の「2度目のDVDビデオ再生」に対応)。
図14の処理の要点を纏めると、次のようになる。すなわち、DVDビデオコンテンツ10のタイトル再生中(ステップST70)に、ユーザがユーザ操作部(図示しないリモコンまたはDVDビデオプレーヤ100のフロントパネル)のメニューボタンを押した場合(ステップST94のイエス)、ENAVエンジン300はユーザイベント制御部310にてこのメニューボタン操作の信号を受信する(ステップST72のイエス)。ユーザイベント制御部310は、この信号を、DVDビデオ再生エンジン200のDVDビデオ再生制御部220にはユーザイベント信号(A)として出力し、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320にはユーザイベント信号(C)として出力する(ステップST96)。
これにより、DVDビデオ再生エンジン200は、メニューコールを意味するユーザイベント信号(A)を受信し、DVDビデオメニューを再生する(ステップST76)。
一方、待機状態(ステップST92)にあったENAVエンジン300は、メニューコールを意味するユーザイベント信号(C)を受信すると(ステップST96)、ENAVコンテンツ30(および/または30W)の中のマークアップやスクリプトといった再生制御情報に従って動作を行う。この再生制御情報には、例えば、メニューコールの実行を意味するユーザイベント(C)信号が送られてきた場合に実行する「ENAVコンテンツ(ENAVメニュー)」や、このときの「モード(フルフレームモード/フルENAVモードまたはミクスドフレームモード)の切り換え」について記述されている。
ENAVコンテンツ30(および/または30W)の中のENAVメニューは、動画(アニメーションを含む)、静止画、音声、テキストといったものから構成されており、それぞれのデータはエレメントデコーダ340の各デコーダに送られデコードされ、ENAVメニューとして表示される(ステップST108)。このとき、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、ENAVエンジンの映像・音声を出力を意味するフルENAVモードとして映像・音声出力制御信号を出力する。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)としてENAVエンジン300の映像・音声(D340)を出力する。もし、ENAVコンテンツ30(および/または30W)中に、ENAVメニューコンテンツが存在しないときには(ステップST98のノー)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320はDVDビデオ再生エンジンの映像を出力を意味するフルビデオモードとして映像・音声出力制御信号を出力し、映像・音声出力部350は映像・音声出力(D352、D354)としてDVDビデオ再生エンジンの映像・音声(D210)を出力する。このとき、ENAVエンジンは再び待機状態に戻る(ステップST102)。
続いて、メニュー再生中(ステップST76、ST108;フルビデオモードのときはDVDビデオメニュー、フルENAVモードのときはENAVメニューをそれぞれ表示している)に、ユーザがユーザ操作部(リモコンまたはDVDビデオプレーヤ100のフロントパネル)のメニューボタンを押した場合(ステップST110のイエス)、ENAVエンジン300はユーザイベント制御部310にてこの信号を受信する。ユーザイベント制御部310は、この信号を、DVDビデオ再生エンジン200のDVDビデオ再生制御部220へユーザイベント信号(A)として出力し、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320へユーザイベント信号(C)として出力する(ステップST112)。
これにより、DVDビデオ再生エンジン200は、リジュームを意味するユーザイベント信号(A)を受信し、先ほど再生していたDVDビデオタイトルに戻る(ステップST80〜ST82)。
一方、ENAVメニュー実行中のENAVエンジン300では、リジュームを意味するユーザイベント信号(C)を受信すると、ENAVコンテンツ30(および/または30W)の中のマークアップやスクリプトといった再生制御情報に従って、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320が映像・音声出力制御信号をフルビデオモードとして出力し、映像・音声出力部350が映像・音声出力としてDVDビデオ再生エンジン200の映像・音声(D210)を出力する(ステップST114)。このとき、ENAVエンジン300自体は待機状態に戻る(ステップST116)。つまり、ENAVメニューを実行していたDVDビデオプレーヤ100はDVDビデオタイトルの再生に戻る(リジューム)。
図15はDVDビデオ再生出力(DVDビデオメニューまたは再生ポーズ)およびENAV再生出力(ENAVメニュー)がユーザ操作(ユーザイベント)によりどのように変化するかの例を説明する図である。また、図16および図17はユーザによるメニューコールまたは再生ポーズに関して、DVDビデオ再生エンジンの処理とENAVエンジンの処理の例を説明するフローチャート図である。
以下、図15〜図17を参照して、図1のDVDビデオプレーヤ100におけるメニューコール(ユーザからの要求によるもの)に関連した動作の他の例を説明する。ここでは、図1のDVDビデオプレーヤ100のユーザが、図示しないリモコンから、あるいはDVDビデオプレーヤ100の図示しないフロントパネルから、メニューボタンを押してメニューを表示させ、再度メニューボタンを押して再生再開(DVDビデオディスク1の再生途中でメニューボタンが押された場合において、ビデオ再生が一時停止され、メニュー操作が終了したらディスク1の一時停止箇所から再生が自動的に再開される操作)が行われる場合の処理例を示す。
DVDビデオ再生エンジン200側では、例えばある映画のタイトル再生が実行されている(図16のステップST120、ステップST122のノー;図15で最上段および3段目の「最初のDVDビデオ再生」に対応)。タイトル再生の途中でユーザからメニューコールの操作があると、その操作に対応するDVD制御信号がENAVエンジン300からDVDビデオ再生制御部220に送られる(ステップST122イエス;図15で最上段の「最初の下向き矢印」に対応)。すると、DVDビデオ再生制御部220は、このメニューコールあるいはポーズ・オンを意味するDVD制御信号によりタイトル再生を一時停止してから、このメニューコールあるいはポーズ・オンに対応した処理を行う(ステップST124)。その結果、DVDビデオメニュー(図示せず)がモニタTV(図示せず)のスクリーン上に表示され、あるいは再生が一時停止された瞬間の静止画像がスクリーン上でスチル再生される(図17のステップST126;図15で最上段の「DVDビデオ再生<ポーズまたはメニュー>」に対応)。このメニュー表示あるいはスチル再生は、ユーザが次の操作(メニューボタン操作、ポーズボタン操作など)を行うまで、継続する(ステップST128のノー)。
ここで、ユーザが図示しないリモコンによりメニューボタンを押すと、このユーザ操作に対応したDVD制御信号がENAVエンジン300からDVDビデオ再生制御部220に送られる(ステップST128イエス;図15で最上段の「2度目の下向き矢印」に対応)。すると、DVDビデオ再生制御部220は、このユーザイベントに対応したDVD制御信号(ステップST124にてメニューが実行された場合はリジューム、あるいはステップST124にてポーズ・オンが実行された場合はポーズ・オフ)により、ポーズ(再生の一時停止状態)を解除し、あるいは図14を参照して前述したようなリジュームを実行する(ステップST130)。その結果、それまで再生が一時停止されていた場面から、DVDビデオディスク1の再生が自動的に再開される(ステップST132;図15で最上段および3段目の「2度目のDVDビデオ再生」に対応)。
一方、ENAVエンジン300側では、ENAV解釈部330がENAVコンテンツ30を取り込み、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320との間でコマンド/イベント/プロパティを交換する準備が整った後、何らかのイベントが生じるのを待っている(図16のステップST142、ステップST144のノー;図15で2段目の「最初のイベント待ち」に対応)。
ここで、ユーザが手元のリモコン(図示せず)の例えばメニューボタンを押すと(ステップST144イエス;図15で2段目の「最初の下向き矢印」に対応)、ENAV解釈部330はENAVコンテンツ30(および/または30W)にメニューコールに対応するスクリプトがENAV再生情報中に含まれているかどうかチェックする(ステップST146)。メニューコールに対応するスクリプトがENAV再生情報中に含まれていないときは(ステップST146のノー)、ENAV解釈部330はその旨をイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320に通知する。すると、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、その旨をさらにユーザイベント制御部310に通知する。すると、ユーザイベント制御部310は、そのとき(ENAV再生情報にメニューコール対応のスクリプトがないとき)のユーザイベントをブロック(阻止)するユーザイベント信号(B)を出力し(図1のユーザイベント制御部310から出力される“X”の信号;ステップST148)、イベント待ちの状態に戻る。
一方、ENAVコンテンツ30(および/または30W)にメニューコールに対応するスクリプトがENAV再生情報中に含まれているときは(ステップST146のイエス)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、ENAV解釈部330から受け取ったENAVコマンド(ENAV再生情報中のメニューコール対応コマンド)を、メニューコールからポーズ・オン/メニュー表示に移るためのDVD制御信号に変換する(ステップST150)。こうして得られた「ポーズ・オン/メニュー」用のDVD制御信号が、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320からDVDビデオ再生制御部220に出力される(ステップST152)。
このとき、もしステップST142以前に取り込んでいるENAVコンテンツ30(および/または30W)内にENAVメニューが存在しないときは(ステップST154のノー)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、“DVDビデオ再生エンジンの映像と音声を出力することを意味するフルビデオモード”として、映像・音声出力制御信号を出力する(ステップST156)。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)として、DVDビデオ再生エンジン200の映像・音声を出力する。そして、ENAVエンジン300は、イベント待ちの待機状態に戻る(図17のステップST158)。
一方、ENAVコンテンツ30(および/または30W)中にENAVメニューコンテンツが存在するときは(図16のステップST154のイエス)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、ENAV解釈部330からのENAVコマンドに従って、ENAVメニューの処理を実行する(ステップST160)。このとき、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、“ENAVエンジンの映像と音声を出力することを意味するフルENAVモード”として、映像・音声出力制御信号を出力する(ステップST162)。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)として、ENAVエンジン300の映像(ENAVメニュー)・音声を出力する。
ENAVコンテンツ30(および/または30W)中のENAVメニューは、前述したように、動画(アニメーションを含む)、静止画、音声、テキストといったデータから構成されている。そして、それぞれのデータはエレメントデコーダ340内の各対応デコーダに送られてデコードされ、それが映像データD352として図示しないモニタTVに送られて、そのモニタTVの表示スクリーン上でENAVメニューとして表示される(図17のステップST164;図15で2段目および3段目の「ENAVメニュー再生」に対応)。そして、ENAVエンジン300は再び待機状態に戻る(ステップST158)。この状態で、ENAVエンジン300は、次のイベント(ここではユーザのリモコン操作等)を待っている(ステップST166のノー;図15で2段目の「2度目のイベント待ち」に対応)。
ここで、ユーザが、例えば手元のリモコン(図示せず)から2度目のメニューボタンを押すと(ステップST166イエス;図15で2段目の「2度目の下向き矢印」に対応)、ENAV解釈部330はENAVコンテンツ30(および/または30W)のENAV再生情報にリジュームに対応するスクリプトが含まれているかどうかチェックする(ステップST168)。ENAV再生情報中にリジュームに対応するスクリプトが含まれていないときは(ステップST168のノー)、ENAV解釈部330はその旨をイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320に通知し、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320はその旨をさらにユーザイベント制御部310に通知する。すると、ユーザイベント制御部310は、そのとき(ENAV再生情報中にリジューム対応のスクリプトがないとき)のユーザイベントをブロック(阻止)するユーザイベント信号(B)を出力し(図1のユーザイベント制御部310から出力される“X”の信号;ステップST170)、イベント待ちの状態に戻る。
一方、ENAVコンテンツ30(および/または30W)のENAV再生情報にリジュームに対応するスクリプトが含まれているときは(ステップST168のイエス)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、ENAV解釈部330から受け取ったENAVコマンド(ENAV再生情報中のリジューム対応コマンド)を、それ以前のメニューコール状態からポーズ・オフ/リジューム再生に移るためのDVD制御信号に変換する(ステップST172)。こうして得られた「ポーズ・オフ/リジューム再生」用のDVD制御信号が、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320からDVDビデオ再生制御部220に出力される(ステップST174)。
このとき、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、“DVDビデオ再生エンジンの映像と音声を出力することを意味するフルビデオモード”として、映像・音声出力制御信号を出力する(ステップST176)。すると、映像・音声出力部350は、映像・音声出力(D352、D354)として、DVDビデオ再生エンジン200の映像・音声を出力する。そして、ENAVエンジン300は、イベント待ちの待機状態に戻る(ステップST178)。
図16および図17の処理の要点を纏めると、次のようになる。すなわち、DVDビデオコンテンツ10のタイトル再生中(ステップST120)に、ユーザがユーザ操作部(リモコンまたはDVDビデオプレーヤ100のフロントパネル)のメニューボタンを押した場合(ステップST144のイエス)、ENAVエンジン300はユーザイベント制御部310にてこの信号を受信する。ユーザイベント制御部310は、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320にユーザイベント信号(C)としてこの信号を出力する。このとき、ユーザイベントとして予期されていないユーザオペレーション40がユーザ操作部で実行された場合(ステップST146のノー)、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、「そのときのユーザオペレーションに対応するユーザイベントを阻止する」ためのユーザイベント制御信号(ユーザイベント信号(B))を出力する(ステップST148)。こうすることにより、ユーザイベント制御部310において、「ENAVコンテンツに記述されているスクリプトに従い特定のイベントが伝達されること」を禁止することが可能となる。
つまり、図16のステップST148あるいは図17のステップST170のような処理を適宜設けることにより、ENAVコンテンツ30(または30W)中のENAV再生情報としては正しい記述であっても、そのスクリプトの記述が「現在稼働中の」DVDビデオ再生エンジン200では対応できない内容(コマンド、パラメータ等)を含んでいる場合は、そのスクリプトの記述に対応したイベントをブロック(阻止)することができる。
上記のスクリプトには、例えばメニューコールの実行を意味するユーザイベント信号(C)が送られてきた場合に実行するENAVコンテンツ(ENAVメニュー)や、このときのモード(フルフレームモード/フルENAVモードもしくはミクスドフレームモード)の切り換えや、DVDビデオ再生エンジン200のDVDビデオ再生制御部220に対して“ポーズ・オン”(または“メニュー”)コマンドをDVD制御信号として出力することを記述することができる。
ENAVコンテンツ30(および/または30W)中のENAVメニューは、前述したように、動画(アニメーションを含む)、静止画、音声、テキストといったものから構成されており、それぞれのデータはエレメントデコーダ340の各デコーダに送られデコードされ、ENAVメニューとして表示される。このとき、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320からの映像・音声出力制御信号を、ENAVエンジン300の映像を出力を意味するフルENAVモードとして出力し、映像・音声出力部350からの映像・音声出力(D352、D354)としてENAVエンジン300の映像・音声(D340)を出力する(ステップST162)。もし、ENAVコンテンツ30(および/または30W)中に、ENAVメニューコンテンツが存在しないときには(ステップST154のノー)、映像・音声出力制御信号を、DVDビデオ再生エンジン200の映像を出力を意味するフルビデオモードとして出力し、映像・音声出力(D352、D354)としてDVDビデオ再生エンジン200の映像・音声(D210)を出力する(ステップST156)。このとき、ENAVエンジン300は再び待機状態に戻る(ステップST158)。
一方、“ポーズ・オン”(または“メニュー”)コマンドをDVD制御信号として受信した(ステップST122のイエス)DVDビデオ再生エンジン200は、DVDビデオコンテンツ10の再生状態(ステップST120)から、再生の一時停止を実行する(ステップST124)。(ステップST122で“メニュー”コマンドを受信したときは、ステップST124でDVDビデオメニュー表示を実行する。)
続いて、メニュー再生中(ステップST126、ST164;フルビデオモードのときはDVDビデオメニュー、フルENAVモードのときはENAVメニューを表示している)に、ユーザがユーザ操作部(リモコンまたはDVDビデオプレーヤ100のフロントパネル)のメニューボタンを再度押した場合(ステップST166のイエス)、ENAVエンジン300はユーザイベント制御部310にてこの信号を受信する。すると、ユーザイベント制御部310は、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320にユーザイベント信号(C)としてこの信号を出力する。
続いて、メニュー再生中(ステップST126、ST164;フルビデオモードのときはDVDビデオメニュー、フルENAVモードのときはENAVメニューを表示している)に、ユーザがユーザ操作部(リモコンまたはDVDビデオプレーヤ100のフロントパネル)のメニューボタンを再度押した場合(ステップST166のイエス)、ENAVエンジン300はユーザイベント制御部310にてこの信号を受信する。すると、ユーザイベント制御部310は、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320にユーザイベント信号(C)としてこの信号を出力する。
ここで、ENAVコンテンツ30(および/または30W)中のスクリプトには、例えば、「リジュームを意味するユーザイベント信号(C)が送られてきた場合にENAVエンジン300が待機状態に戻ること」や、このときのモード(フルフレームモード/フルENAVモードもしくはミクスドフレームモード)の切り換えや、DVDビデオ再生エンジン200のDVDビデオ再生制御部220に対して“ポーズ・オフ”コマンド(“メニュー”コマンドを出力していた場合は“リジューム”コマンド)をDVD制御信号として出力することが記述されている。
つまり、リジュームを意味するユーザイベント信号(C)を受信することにより、ENAVエンジン300はメニューの実行を止めて待機状態になることができ(ステップST178)、一方、DVDビデオ再生エンジン200はタイトルの再生を再開することができる(ステップST132)。また、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320がフルビデオモードを意味する映像・音声出力制御信号を出力することにより、映像・音声出力(D352、D354)としてDVDビデオ再生エンジン200の映像・音声(D210)が出力される。
図18は、DVDビデオ再生エンジンがチャプタ1〜4を連続再生する場合において、チャプタ1再生前にENAVコンテント1を再生し、チャプタ1およびチャプタ2の再生に同期してENAVコンテント2が再生され、チャプタ3およびチャプタ4の再生に同期してENAVコンテント3が再生される場合を説明する図である。以下、図18を参照して、ENAVコンテンツ30(または30W)の再生とビデオコンテンツ(チャプタ)の再生がどのように同期(あるいは連動もしくは連携)するかの一例を説明する。
まず、最初に上記が行われる装置(DVDビデオプレーヤ100)のシステムモデルを、簡単に説明しておく。
<システムモデル>
図1を参照して前述したインタラクティブなDVDビデオプレーヤ100は、DVDビデオコンテンツ10を再生するDVDビデオ再生エンジン200と、ENAVコンテンツ30(および/または30W)を再生するENAVエンジン300とで構成されている。DVD再生エンジン200は、DVDビデオ再生エンジン200内のイベントあるいはプロパティを通知するために、“DVDイベント”および“DVDステータス”の信号を、ENAVエンジン300内のイベント/コマンドハンドラ(イベント生成・コマンド/プロパティ処理部に相当)320に出力するようになっている。
図1を参照して前述したインタラクティブなDVDビデオプレーヤ100は、DVDビデオコンテンツ10を再生するDVDビデオ再生エンジン200と、ENAVコンテンツ30(および/または30W)を再生するENAVエンジン300とで構成されている。DVD再生エンジン200は、DVDビデオ再生エンジン200内のイベントあるいはプロパティを通知するために、“DVDイベント”および“DVDステータス”の信号を、ENAVエンジン300内のイベント/コマンドハンドラ(イベント生成・コマンド/プロパティ処理部に相当)320に出力するようになっている。
ENAVエンジン300内のイベント/コマンドハンドラ320は、“DVDイベント”および“DVDステータス”に応答してイベントおよびプロパティを通知するために、“ENAVイベント”および“ENAVプロパティ”を、ENAVエンジン内のENAVインタプリタ(ENAV解釈部に相当)330に出力する。
ENAVインタプリタ330は、ENAVエンジン300内の一部(映像・音声出力部350等)およびDVDビデオ再生を制御するために、“ENAVコマンド”をイベント/コマンドハンドラ320に出力する。“ENAVコマンド”がDVDビデオ再生制御のためのコマンドである場合において、イベント/コマンドハンドラ320は、DVDビデオ再生を制御するために、“DVD制御”の信号を、DVDビデオ再生エンジン200に出力する。
<前提>
この例では、DVDビデオ再生エンジン200が(DVDビデオディスク1から)チャプタ1、チャプタ2、チャプタ3、およびチャプタ4を連続再生する場合を前提としている。他方、ENAVコンテンツ30(30W)については、ENAVコンテント1、ENAVコンテント2およびENAVコンテント3で構成される場合を前提としている。なお、映像コンテンツのプロバイダが作成するチャプタは、DVDビデオ内ではパートオブタイトル(Part of TiTle;略してPTT)として扱われている。
この例では、DVDビデオ再生エンジン200が(DVDビデオディスク1から)チャプタ1、チャプタ2、チャプタ3、およびチャプタ4を連続再生する場合を前提としている。他方、ENAVコンテンツ30(30W)については、ENAVコンテント1、ENAVコンテント2およびENAVコンテント3で構成される場合を前提としている。なお、映像コンテンツのプロバイダが作成するチャプタは、DVDビデオ内ではパートオブタイトル(Part of TiTle;略してPTT)として扱われている。
上記前提の下で、この例では、ENAVエンジン300は、チャプタ1の再生前にENAVコンテント1を再生し(図18(a))、チャプタ1およびチャプタ2の再生に同期してENAVコンテント2を再生し(図18(b))、チャプタ3およびチャプタ4の再生に同期してENAVコンテント3を再生する(図18(c))ようになっている。
すなわち、この例では、ENAVコンテント1は、チャプタ1の開始においてENAVコンテント2にジャンプするイベント記述を持っている(図19のt10、t11、t14参照)。また、ENAVコンテント2は、チャプタ3の開始においてENAVコンテント3にジャンプするイベント記述を持っている(図19のt30、t31、t34参照)。しかし、ENAVコンテント3はイベント記述を持っていない。
一方、DVDビデオ再生エンジン200からの“DVDイベント”信号は、ENAVインタプリタ330が対応するENAVイベントをチェックするまで、イベント/コマンドハンドラ320内に保持される。もしENAVコンテント中のENAV再生情報がイベント記述を含んでいるならば、ENAVインタプリタ330はこの種のイベントを周期的にチェックする(図19のt15〜t17、t25〜t26参照)。
ENAVインタプリタ330がENAVイベントをチェックした際に、もし対応するイベントがイベント/コマンドハンドラ320内に保持されていたならば、ENAVインタプリタ330はそのイベントを“ENAVイベント”として読み取る。すると、イベント/コマンドハンドラ320内のそのイベントはENAVインタプリタ330によりクリア(削除または消去)される。
図19は、DVDビデオ再生エンジンが各チャプタの始まりにおいてDVDイベントとしてチャプタ番号を伴うPTTイベントを出力し、ENAVエンジンが対応するENAVコンテンツの再生を開始する場合(ケース1)を説明する図である。
<ケース1>
このケースでは、DVDビデオ再生エンジン200は、各チャプタの開始(t10、t20、t30、t40、…)において、DVDイベントとして、チャプタ番号付きのPTTイベント(PTT Event(1)〜PTT Event(4))を出力する。イベント/コマンドハンドラ320は、このDVDイベントを受け取ると、チャプタ番号付きのイベントをENAVイベントとして保持する。すると、ENAVインタプリタ330は、PTT(チャプタ)用のENAVイベントおよびイベント/コマンドハンドラ320内に保持されている番号をチェックする(t11、t21、t31、…)。もしチェックされた番号が“1”または“3”であれば、ENAVエンジン300はその番号に対応(ここでの「対応」とは必ずしも番号の一致を意味しない)するENAVコンテント(図19の例ではENAVコンテント2とENAVコンテント3)の再生を開始し(t14、t34)、(イベント/コマンドハンドラ320に保持された)そのイベントはクリアされる。
このケースでは、DVDビデオ再生エンジン200は、各チャプタの開始(t10、t20、t30、t40、…)において、DVDイベントとして、チャプタ番号付きのPTTイベント(PTT Event(1)〜PTT Event(4))を出力する。イベント/コマンドハンドラ320は、このDVDイベントを受け取ると、チャプタ番号付きのイベントをENAVイベントとして保持する。すると、ENAVインタプリタ330は、PTT(チャプタ)用のENAVイベントおよびイベント/コマンドハンドラ320内に保持されている番号をチェックする(t11、t21、t31、…)。もしチェックされた番号が“1”または“3”であれば、ENAVエンジン300はその番号に対応(ここでの「対応」とは必ずしも番号の一致を意味しない)するENAVコンテント(図19の例ではENAVコンテント2とENAVコンテント3)の再生を開始し(t14、t34)、(イベント/コマンドハンドラ320に保持された)そのイベントはクリアされる。
なお、図19ではPTT Event(1)でENAVコンテント2の再生が開始され、PTT Event(2)でENAVコンテント2の再生が継続され、PTT Event(3)でENAVコンテント3の再生が開始され、PTT Event(4)でENAVコンテント3の再生が継続される(ENAVコンテント4の再生は開始しない)場合が例示されているが、これはあくまで説明上の一例である。PTT Event(n)に応答してENAVコンテントmがどのように再生されるかは、種々あり得る。
図22は、図19の場合(ケース1)に対応した、DVDビデオ再生エンジン、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部、およびENAV解釈部の動作例を説明するフローチャート図である。
図30または図31に例示されるような構成のDVDビデオディスク1が装填された図1のDVDビデオプレーヤ100において、DVDビデオ再生エンジン200が、DVDビデオエリアに記録されたあるビデオタイトルセット(VTS)内のチャプタn(最初はn=1)の再生を開始したとする(ステップST180)。すると、DVDビデオ再生エンジン200は、チャプタ1の先頭t10でPTTイベント(1)をイベント/コマンドハンドラ320に出力し(PTT Event(n) = PTT Event(1);ステップST182)、チャプタ1の再生を開始する(ステップST184)。その間、イベント/コマンドハンドラ320はイベント待ちの状態で待機している(ステップST192、ST194のノー)。ここで、PTTイベント(1)は、チャプタ番号“1”を記述した1つの引数(アーギュメント)である。
それまでイベント待ち状態(ステップST192、ST194のノー)で待機していたイベント/コマンドハンドラ(イベント生成・コマンド/プロパティ処理部)320は、上記PTTイベント(1)を受け取ると(ステップST194のイエス)、ENAVイベントとして、チャプタ番号“1”の付いたPTTイベント(ENAVPTTイベント)を保持する(ステップST196)。イベント/コマンドハンドラ320は、ENAVインタプリタ330がイベントを読み込んでいない間は(ステップST198のノー)、このイベント保持状態を維持する。
ここで、チャプタ番号“1”のENAVPTTイベントがイベント/コマンドハンドラ320内に保持されているとき(図19のt11)は、ENAVインタプリタ330は、そのイベントをENAVイベントとして読み取ることができる(後述するステップST216)。ENAVインタプリタ330がイベント読み取りを行った場合(ステップST198のイエス)は、イベント/コマンドハンドラ320は、保持していたイベントをクリアし(ステップST200)、イベント待ちの待機状態に戻る(ステップST202)。
一方、ENAVインタプリタ(ENAV解釈部)330は、あるENAVコンテントm(例えば図19のENAVコンテントm=2)を再生しているときは(ステップST210)、定期的に(例えば図19のt15、t16、t17、…)、イベント/コマンドハンドラ320のイベント保持内容(PTT用のENAVイベントとそのチャプタ番号)をチェックしている(ステップST212)。このイベントチェック時にイベント/コマンドハンドラ320がイベントを保持していないときは(ステップST214のノー)、定期的なイベントチェックがそのまま反復される。
話を図19のt10に戻すと、ENAVインタプリタ330がイベント(ENAVPTTイベント“1”)を読み取った(t11)あと、ENAVエンジン300は対応するENAVコンテント(ここではENAVコンテント2)の再生を開始する(t14〜)。
一方、DVD再生エンジン200は、チャプタ1(n=1)の再生を継続している(ステップST184、ステップST186のノー)。チャプタ1(n=1)の再生が終了すると(ステップST186のイエス)、チャプタ2(n+1=2)の再生が開始される(ステップST188)。これにより、DVDビデオ再生エンジン200の処理は(チャプタ番号nが1つインクリメントされたことを除いて)、ステップST180の処理に戻る。
DVD再生エンジン200は、チャプタ2の始まり(図19のt20)で、PTTイベント(2)を出力する(ステップST182)。すると、ENAVインタプリタ330は、イベント/コマンドハンドラ320から、番号“2”のENAVPTTイベントを読み取る(t21;ステップST216)。しかし、この例ではENAVコンテント2がチャプタ2に関して何等イベントの記述を持たないため、ENAVインタプリタ330はそのイベント(番号“2”のENAVPTTイベント)を無視する(これはステップST198のノーの処理に含まれる)。
DVD再生エンジン200は、チャプタ3の始まり(図19のt30)で、PTTイベント(3)を出力する(ステップST182)。すると、ENAVインタプリタ330は、イベント/コマンドハンドラ320から、番号“3”のENAVPTTイベントを読み取る(t31;ステップST216)。この例ではENAVコンテント3がチャプタ3に関してイベントの記述を持つため、ENAVインタプリタ330はそのイベント(番号“3”のENAVPTTイベント)の再生を開始する(ステップST220)。
DVD再生エンジン200は、チャプタ4の始まり(図19のt40)で、PTTイベント(4)を出力する(ステップST182)。すると、イベント/コマンドハンドラ320は、番号“4”のENAVPTTイベントを保持する(ステップST196)。しかし、この例ではENAVコンテント3にイベントの記述がない場合を想定しているため、ENAVインタプリタ330はイベントチェックを行わない(これは、ENAVインタプリタ330の処理がステップST214のノーのループに止まっている場合に含まれる)。
一般的に言えば、イベントチェック時にイベント/コマンドハンドラ320にイベントが保持されておれば(ステップST214のイエス)、そのイベント(番号“n”の付いたENAVPTTイベント)が読み込まれる(ステップST216)。このとき、ENAVコンテンツ30(および/または30W)にイベント(ENAVPTTイベント“n”)に対応するENAVコンテント“m+1”がなければ(ステップST218のノー)、イベントチェック(ステップST212)に戻る。その間、ENAVエンジン300が再生するコンテンツは、この例では、ENAVコンテント“m”となる。一方、ENAVPTTイベント“n”が読み込まれた時点でENAV再生情報中のスクリプトにENAVコンテント“m+1”が記述されておれば(ステップST218のイエス)、そのENAVコンテント“m+1”が再生される(ステップST220)。
図22の処理は、次のように纏めることができる。すなわち、DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペースを持つDVDビデオディスク1からDVDビデオコンテンツ10およびENAVコンテンツ30を含む記録コンテンツを再生する処理において、DVDビデオディスク1から再生された記録コンテンツのうちDVDビデオコンテンツ10を獲得し(ステップST180)、DVDビデオディスク1から再生された記録コンテンツのうちENAVコンテンツ30を獲得し(ステップST210)、獲得されたDVDビデオコンテンツ10の内容に対応した所定のイベント(ステップST182)に応じて、獲得されたENAVコンテンツ30の内容を実行する(ステップST194〜ST220)。
ここで、ENAVエンジン300は、DVDビデオディスク1の記録コンテンツのうちENAVコンテンツ30を再生し、このENAVコンテンツ30の内容に応じて、ENAVコンテンツ30の再生とDVDビデオコンテンツ10の再生とを連携させる(図22の破線矢印)ように構成されている。このENAVエンジン300が、前記DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペース内のDVDビデオコンテンツ10の再生状況の変化に連動、連携あるいは同期してENAVコンテンツ30の内容が変化する(図19〜図21においてDVDビデオのチャプタ1〜3の変化に連動してENAVコンテンツ1〜3が変化する;表現を変えればDVDビデオ再生とENAVコンテンツとの同期)ように構成されている。
図20は、DVDビデオ再生エンジンとENAVエンジンとの間でイベント/ステータスの交換が行なわれ、この交換の結果に基づいてENAVエンジンがENAVコンテンツの再生を行う場合(ケース2)を説明する図である。
<ケース2>
このケースでは、DVDビデオ再生エンジン200は、各チャプタの開始(t10、t20、t30、t40)において、イベント/コマンドハンドラ320にPTTイベントを出力する。イベント/コマンドハンドラ320は、PTTイベントを受信したあと、このイベントを、PTT用のENAVイベントとして保持する。ENAVインタプリタ330は、イベント/コマンドハンドラ320に保持されたこのENAVイベント(ENAVPTTイベント)をチェックする。もし、そのENAVイベントが(そのときに再生可能なENAVコンテントに)対応したイベントであるならば、ENAVインタプリタ330はそのイベントを読み取り、(イベント/コマンドハンドラ320に保持された)そのイベントをクリアする。
このケースでは、DVDビデオ再生エンジン200は、各チャプタの開始(t10、t20、t30、t40)において、イベント/コマンドハンドラ320にPTTイベントを出力する。イベント/コマンドハンドラ320は、PTTイベントを受信したあと、このイベントを、PTT用のENAVイベントとして保持する。ENAVインタプリタ330は、イベント/コマンドハンドラ320に保持されたこのENAVイベント(ENAVPTTイベント)をチェックする。もし、そのENAVイベントが(そのときに再生可能なENAVコンテントに)対応したイベントであるならば、ENAVインタプリタ330はそのイベントを読み取り、(イベント/コマンドハンドラ320に保持された)そのイベントをクリアする。
しかるのち、ENAVインタプリタ330は、(そのイベントに対応した)ENAVコンテント内の記載に従い、ENAVコマンドとして、ENAVリードステータスを出力する(t12、t22、t32)。すると、再生時のチャプタ番号を知るために、イベント/コマンドハンドラ320は、DVD制御信号として、リードステータスを出力する(t12、t22、t32)。
DVDビデオ再生エンジン200は、上記DVD制御信号を受け取ると、イベント/コマンドハンドラ320に、リターンステータスとしてチャプタ番号を返す(t13、t23、t33)。すると、イベント/コマンドハンドラ320は、返ってきたチャプタ番号を、ENAVリターンステータスとして、ENAVインタプリタ330に返す(t13、t23、t33)。
図20の例において、ENAVリターンステータス中のチャプタ番号が“1”または“3”であれば、ENAVエンジン300は対応するENAVコンテント(図20の例ではENAVコンテント2またはENAVコンテント3)の再生を開始する(t14、t34)。もし、ENAVリターンステータス中のチャプタ番号が“1”または“3”でなければ、ENAVエンジン300は他のENAVコンテントの再生を開始しない(図20の例では、もし現在再生中のENAVコンテントが“2”であれば、そのENAVコンテント2の再生を継続する)。
なお、図1の構成において、DVDビデオ再生エンジン200は、DVDビデオディスク1の再生を制御するものであって、以下のように構成されたDVDビデオ再生制御部220を含むことができるようになっている。すなわち、このDVDビデオ再生制御部220は、DVDビデオディスク1の再生状況(メニューコール、タイトルジャンプ、チャプタジャンプ等)に関するDVDイベント信号をイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320に出力するとともに、DVDビデオディスク1のプロパティ(プレーヤ部に設定された音声言語、副映像字幕言語、再生動作(再生中、停止中、一時停止中、早送り中、早戻し中等)、ディスクの内容等)に関するDVDステータス信号をイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320に出力するように構成されている。
ここで、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320は、ENAVコンテンツ(30または30W)に含まれるENAV再生情報による映像・音声出力部350の制御を、DVDビデオ再生制御部220からのDVDイベント信号(例えば図20でt10のPTTイベント)および/またはDVDステータス信号(例えば図20でt13のリターンステータス)に応じて、実行できるように構成される。
また、ENAVコンテンツ(30または30W)は、DVDビデオディスク1から再生された第1のナビゲーションコンテンツ(30)および通信回線(インターネット等)を介して外部から獲得した第2のナビゲーションコンテンツ(30W)を含むことができる。
この場合、DVDイベント信号および/またはDVDステータス信号に応じたイベント生成・コマンド/プロパティ処理部320による制御は、前記第1および第2のナビゲーションコンテンツ(30、30W)による制御の何れに対しても実行できる。
また、DVDイベント信号は、DVDビデオディスク1に記録されたメニューを呼び出すメニューコール、DVDビデオディスク1から再生するタイトルを切り換えるタイトルジャンプ、またはDVDビデオディスク1から再生するチャプタを切り換えるチャプタ(PTT)ジャンプに対応して発生されるように構成することができる。
図23は、図20の場合(ケース2)に対応した、DVDビデオ再生エンジン、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部、およびENAV解釈部の動作例を説明するフローチャート図である。
図30または図31に例示されるような構成のDVDビデオディスク1が装填された図1のDVDビデオプレーヤ100において、DVDビデオ再生エンジン200が、DVDビデオエリアに記録されたあるビデオタイトルセット(VTS)内のチャプタn(最初はn=1)の再生を開始したとする(ステップST230)。すると、DVDビデオ再生エンジン200は、チャプタ1の先頭t10で、PTTイベントをイベント/コマンドハンドラ320に出力し(ステップST232)、チャプタ1の再生を開始する(ステップST234)。その間、イベント/コマンドハンドラ320はイベント待ちの状態で待機している(ステップST252、ST254のノー)。
イベント/コマンドハンドラ320は、上記PTTイベントを受信すると(ステップST254のイエス)、このPTTイベントをENAVイベントとして保持する(ステップST256)。その間、ENAVインタプリタ330はENAVコンテントmを再生している(ステップST280)。
ENAVインタプリタ330は、ENAVコンテントmの再生中、定期的にPTT用のENAVイベント(ENAVPTTイベント)をチェックをしている(t10以前の図示は省略されているが、図20のt15、t16、t17等;ステップST282、ST284のノー)。イベント/コマンドハンドラ320内にENAVPTTイベントが保持されたら(ステップST284のイエス)、ENAVインタプリタ330は、ENAVイベントとしてその保持されたENAVPTTイベントを読み込むようになっている(t10〜t11、t20〜t21、t30〜t31等;ステップST286)。
イベント/コマンドハンドラ320は、保持されたENAVPTTイベントをENAVインタプリタ330が読み込むのを待っている(ステップST258のノー)。ENAVインタプリタ330が保持されたENAVPTTイベントを読み込むと(t11、t21、t31等;ステップST258のイエス)、イベント/コマンドハンドラ320内に保持されたイベントはクリアされる(ステップST260)。
ENAVインタプリタ330は、上記ENAVPTTイベントを読み込んだあと、ENAVコマンドとしてENAVリードステータスを出力する(t12、t22、t32等;ステップST288)。
イベント/コマンドハンドラ320は、ENAVインタプリタ330から上記リードステータスのENAVコマンドが出力されるのを待っている(ステップST262のノー)。イベント/コマンドハンドラ320は、ENAVインタプリタ330からリードステータスのENAVコマンドを受け取ると(ステップST262のイエス)、リードステータスコマンドをDVD制御信号として出力する(t12、t22、t32等;ステップST264)。
DVDビデオ再生エンジン200は、リードステータスコマンド(DVD制御信号)を受け取ると(ステップST236のイエス)、そのリードステータスコマンドに従って、現在再生中のチャプタ番号n(ここではn=1)を読み取り(ステップST238)、イベント/コマンドハンドラ320へ、リターンステータスとしてチャプタ番号“1”を返す(t13、t23、t33等;ステップST240)。なお、リードステータスコマンドが送られてきていないときは(ステップST236のノー)、ステップST238およびST240の処理はスキップされる。
イベント/コマンドハンドラ320は、リードステータスコマンドを出力したあと、DVDビデオ再生エンジン200からのリターンステータスを待っている(ステップST266、ST268のノー)。DVDビデオ再生エンジン200からリターンステータスが送られてくると(t13、t23、t33等;ステップST268のイエス)、イベント/コマンドハンドラ320は、チャプタ番号“1”をENAVリターンステータスとしてENAVインタプリタ330に返し(ここではt13;ステップST270)、次のイベント待ち状態に入る(ステップST272)。
ENAVインタプリタ330は、ENAVリードステータスを出力したあと、イベント/コマンドハンドラ320からのENAVリターンステータスを待っている(ステップST290、ST292のノー)。イベント/コマンドハンドラ320からENAVリターンステータスが送られてくると(t13、t23、t33等;ステップST292のイエス)、ENAVインタプリタ330は、送られてきたリターンステータスから、DVDビデオ再生エンジン200が現在再生処理中のチャプタ番号n(ここではn=1)を読み込む(ここではt13;ステップST294)。そして、ENAVインタプリタ330は、現在実行中のENAV再生情報に、ステップST286で読み込んだイベント(ENAVPTTイベント)に対応するENAVコンテント“m+1”(現在再生中のENAVコンテントmが“m=1”のときは、“m+1”は2)のスクリプトがあるかどうかチェックする(ステップST296)。
図20の例では、現在再生中のENAVコンテント1がチャプタ1のPTTイベント用にイベント記述を持っているものとしている(ステップST296のイエス)。このイベント記述により、ENAVエンジン300は、ENAVコンテント2の再生を開始する(t14;ステップST298)。
一方、DVDビデオ再生エンジン200は、イベント/コマンドハンドラ320からリードステータスが出力されない間(ステップST236のノー)、あるいはイベント/コマンドハンドラ320からリードステータスが出力されたあと(ステップST236のイエス)イベント/コマンドハンドラ320にリターンステータスを出力したら(ステップST240)、現在再生中のチャプタn(最初はn=1)の再生が終了するまで(ステップST242のノー)、ステップST234〜ST240の処理を継続する。そのチャプタn(=1)の再生が終了すれば(ステップST236のイエス)、DVDビデオ再生エンジン200は次のチャプタn+1(=2)の再生を開始する(t20;ステップST244)。
チャプタ1の再生終了後、チャプタ2の開始t20において、DVDビデオ再生エンジン200はPTTイベントを出力する(ステップST232)。すると、イベント/コマンドハンドラ320は、そのPTTイベントをENAVイベントとして保持する(ステップST256)。すると、ENAVインタプリタ330は、このPTT用ENAVイベントをチェックし(ステップST282)、それをENAVイベントとして読み取り(t21;ステップST286)、その後にイベント/コマンドハンドラ320に保持されたイベントをクリアする(ステップST260)。
ENAVインタプリタ330は、ENAVコマンドおよびDVD制御信号を介して(現在再生中の)チャプタ番号を読み取るために、DVDビデオ再生エンジン200にコマンド(ENAVリードステータス)を送る(t22;ステップST288)。すると、ENAVインタプリタ330は、DVDステータス信号およびENAVプロパティを介してDVDビデオ再生エンジン200から(現在再生中のチャプタの番号である)番号“2”を読み取る(t23;ステップST294)。ここで、ENAVコンテント2がチャプタ2に対するイベント記述を含まない場合(ステップST296のノー)は、ENAVインタプリタ330はENAVコンテント2の再生を継続する(t23〜t34)。その間、DVDビデオ再生エンジン200はチャプタ2の再生を継続している(t20〜t30)。
チャプタ2の再生終了後、チャプタ3の開始t20において、DVDビデオ再生エンジン200はPTTイベントを出力する(ステップST232)。すると、イベント/コマンドハンドラ320は、そのPTTイベントをENAVイベントとして保持する(ステップST256)。すると、ENAVインタプリタ330は、このPTT用ENAVイベントをチェックし(ステップST282)、それをENAVイベントとして読み取り(t21;ステップST286)、その後にイベント/コマンドハンドラ320に保持されたイベントをクリアする(ステップST260)。
ENAVインタプリタ330は、ENAVコマンドおよびDVD制御信号を介して(現在再生中の)チャプタ番号を読み取るために、DVDビデオ再生エンジン200にコマンド(ENAVリードステータス)を送る(t32;ステップST288)。すると、ENAVインタプリタ330は、DVDステータス信号およびENAVプロパティを介してDVDビデオ再生エンジン200から(現在再生中のチャプタの番号である)番号“3”を読み取る(t33;ステップST294)。ここでは、ENAVコンテント2がチャプタ3に対するイベント記述を含むので、ENAVインタプリタ330はENAVコンテント3の再生を開始する(t34;ステップST298)。
チャプタ3の再生終了後、チャプタ4の開始t40において、DVDビデオ再生エンジン200はPTTイベントを出力する(ステップST232)。すると、イベント/コマンドハンドラ320は、そのPTTイベントをENAVイベントとして保持する(ステップST256)。ここで、ENAVコンテント3内にイベント記述がないならば(ステップST284のノー)、ENAVインタプリタ330はイベントチェック(ステップST282)を行わない(あるいは形式上チェックしてもそのチェック結果に応答した処理は行わない)。その結果、イベント/コマンドハンドラ320はそれまでのイベント保持(ステップST256)を維持する(ステップST258のノー)。
図23の処理は、次のように纏めることができる。すなわち、DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペースを持つDVDビデオディスク1からDVDビデオコンテンツ10およびENAVコンテンツ30を含む記録コンテンツを再生する処理において、DVDビデオディスク1から再生された記録コンテンツのうちDVDビデオコンテンツ10を獲得し(ステップST230)、DVDビデオディスク1から再生された記録コンテンツのうちENAVコンテンツ30を獲得し(ステップST280)、獲得されたDVDビデオコンテンツ10の内容に対応した所定のイベント(ステップST232)に応じて、獲得されたENAVコンテンツ30の内容を実行する(ステップST254〜ST298)。
ここで、ENAVエンジン300は、DVDビデオディスク1の記録コンテンツのうちENAVコンテンツ30を再生し、このENAVコンテンツ30の内容に応じて、ENAVコンテンツ30の再生とDVDビデオコンテンツ10の再生とを連携させる(図23の破線矢印)ように構成されている。このENAVエンジン300が、前記DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペース内のDVDビデオコンテンツ10の再生状況の変化に連動、連携あるいは同期してENAVコンテンツ30の内容が変化する(図19〜図21においてDVDビデオのチャプタ1〜3の変化に連動してENAVコンテンツ1〜3が変化する;表現を変えればDVDビデオ再生とENAVコンテンツとの同期)ように構成されている。
図21は、DVDビデオ再生エンジンが各チャプタの始まりにおいてDVDイベントとしてチャプタ番号を伴うPTTイベントを出力し、ENAVエンジンが対応するENAVコンテンツの再生を開始する他の場合(ケース3)を説明する図である。
<ケース3>
このケースでは、ENAVインタプリタ330は、イベント/コマンドハンドラ320へPTTイベント用のイネーブルPTT番号を事前に出力している(図21のt01)。これにより、(事前に出力しておいたイネーブルPTT番号に)対応するENAVPTTイベントだけが出力されることが要求されるようになる。
このケースでは、ENAVインタプリタ330は、イベント/コマンドハンドラ320へPTTイベント用のイネーブルPTT番号を事前に出力している(図21のt01)。これにより、(事前に出力しておいたイネーブルPTT番号に)対応するENAVPTTイベントだけが出力されることが要求されるようになる。
DVDビデオ再生エンジン200は、各チャプタの開始(t10、t20、t30、t40)において、DVDイベント信号として、チャプタ番号を伴うPTTイベントを出力する。イベント/コマンドハンドラ320は、このPTT用DVDイベント信号が、(事前に出力しておいたイネーブルPTT番号により)要求されたチャプタに対するものであるか否かをチェックする。もし、このDVDイベント信号が要求されたものであれば、イベント/コマンドハンドラ320はそのチャプタ番号を伴うENAVPTTイベントを保持する(t11、t31等)。そうでなければ、このPTT用DVDイベント信号はイベント/コマンドハンドラ320内に保持されない。
ENAVインタプリタ330は、イベント/コマンドハンドラ320内に保持されたENAVイベントをチェックする(t11、t15、t16、t17、…)。チェックされたENAVイベントが(事前に出力しておいたイネーブルPTT番号に)対応するイベントであるときは(例えばt11でのチェック結果)、ENAVインタプリタ330はそのイベント(例えば番号“1”の付いたENAVPTTイベント)を読み取り、しかる後にイベント/コマンドハンドラ320に保持されていたそのイベントをクリアする。それから、ENAVエンジン300は対応するENAVコンテント(図21の例ではENAVコンテント2)の再生を開始する(t14)。
なお、上述した(事前に出力しておいたイネーブルPTT番号に対応するところの)要求されたPTTイベントの選択は、DVDビデオ再生エンジン200側において行うことができる。そのようにすれば、DVDビデオ再生エンジン200からイベント/コマンドハンドラ320へだけ、“要求されたPTTイベント”を送るように構成できる。
図24は、図21の場合(ケース3)に対応した、DVDビデオ再生エンジン、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部、およびENAV解釈部の動作例を説明するフローチャート図である。
図30または図31に例示されるような構成のDVDビデオディスク1が装填された図1のDVDビデオプレーヤ100において、DVDビデオ再生エンジン200が、DVDビデオエリアに記録されたあるビデオタイトルセット(VTS)内のチャプタn(最初はn=1とする)の再生を開始したとする(ステップST300)。すると、DVDビデオ再生エンジン200は、チャプタ1の先頭t10で、PTTイベント(n=1)をイベント/コマンドハンドラ320に出力し(ステップST302)、チャプタ1の再生を開始する(ステップST304)。このチャプタ再生はそのチャプタ(n=1)の再生が終了するまで継続する。そのチャプタ(n=1)の再生が終了すれば(t20;ステップST306のイエス)、次のチャプタ(n+1=2)の再生が開始される(ステップST308)。
その間、イベント/コマンドハンドラ320はイベント待ちの状態で待機している(ステップST312、ST318のノー)。また、その間、ENAVインタプリタ330は、ENAVコンテントm(最初はm=1とする)を再生しつつ(ステップST330)、そのENAVコンテントm中のENAV再生情報にイベント要求の記述が出てくるのを待っている(ステップST332のノー)。
ENAVにイベント要求の記述がある場合(ステップST332のイエス)、ENAVインタプリタ330は、イベント/コマンドハンドラ320へ、PTTイベント用のイネーブルPTT番号“1”を伴うイネーブルPTTイベントを、適当なタイミングで出力する(t01;ステップST334)。このタイミングは、DVDビデオ再生エンジン200がPTTイベント(1)を発生するよりも前に出力することが望ましい。このイネーブルPTT番号を伴ったイベントが要求されると(ステップST314のイエス)、このイベント要求(イネーブルPTTイベント(1))がイベント/コマンドハンドラ320内に保持される(ステップST316)。そして、イベント/コマンドハンドラ320はDVDビデオ再生エンジン200からPTTイベントが送られてくるまで待機する。
DVDビデオ再生エンジン200は、チャプタ1の開始t10において、イベント/コマンドハンドラ320へ、PTTイベント(1)を出力する(ステップST302)。ここで、PTTイベント(1)は、チャプタ番号“1”を記述した1つの引数(アーギュメント)である。
イベント/コマンドハンドラ320は、上記PTTイベント(1)を受け取ると(ステップST318のイエス)、それが前記“要求されたPTTイベント(イネーブルPTTイベント(1))”なので(ステップST320のイエス)、ENAVイベントとして、チャプタ番号“1”を伴うPTTイベントを保持する(ステップST322)。
ENAVインタプリタ330は、PTT用のENAVイベントおよびそのチャプタ番号をチェックする(ステップST336)。このとき、イベント/コマンドハンドラ320はチャプタ番号“1”のENAVPTTイベント(1)を保持しているので(ステップST338のイエス)、ENAVインタプリタ330はそのイベントをENAVイベントとして読み取る(ステップST340)。ENAVPTTイベント(1)がENAVインタプリタ330に読み込まれると(ステップST324のイエス)、イベント/コマンドハンドラ320は、保持されたイベントをクリアし(ステップST326)、次のイベントを待つ状態で待機する(ステップST328)。
ENAVインタプリタ330は、ENAVPTTイベント(1)を読み取ると(ステップST340)、読み取ったイベント(ここではENAVPTTイベント(1))に対応するENAVコンテント(m+1=2)がそのときのENAV再生情報内にあれば(ステップST342のイエス)、ENAVコンテント2の再生を開始する(t14;ステップST344)。
同様に、ENAVインタプリタ330は、イベント/コマンドハンドラ320へ、PTTイベント用のイネーブルPTT番号“3”を出力する(t03;ステップST334)。
チャプタ1の再生終了後(ステップST306のイエス)、チャプタ2の開始t20において、DVDビデオ再生エンジン200は、イベント/コマンドハンドラ320へPTTイベント(2)を出力する(ステップST302)。しかし、この例では、ENAVインタプリタ330がチャプタ番号“2”のENAVPTTイベントを要求していない(ステップST320のノー)ので、イベント/コマンドハンドラ320はそのイベント(PTTイベント(2))を保持しない。
チャプタ2の再生終了後(ステップST306のイエス)、チャプタ3の再生開始(t30;ステップST308)において、DVDビデオ再生エンジン200はイベント/コマンドハンドラ320へPTTイベント(3)を出力すると(ステップST302)、イベント/コマンドハンドラ320は、チャプタ番号“3”のPTTイベントを保持する(ステップST322)。すると、ENAVインタプリタ330は、PTT用ENAVイベントおよびその番号をチェックする(ステップST336)。しかるのち、ENAVインタプリタ330は、ENAVイベントとして、その(チェックされた)イベントを読み込む(ステップST340)。このイベント読み込み後(ステップST324のイエス)、イベント/コマンドハンドラ320に保持されたイベントはクリアされる(ステップST326)。そして、読み込んだイベントに対応するENAVコンテント(ここではENAVコンテント3)がENAV再生情報に記述されておれば(ステップST342のイエス)、ENAVエンジン300はそのENAVコンテント3の再生を開始する(t34;ステップST344)。
チャプタ3の再生終了後(ステップST306のイエス)、チャプタ4の再生開始(t40;ステップST308)において、DVDビデオ再生エンジン200はイベント/コマンドハンドラ320へPTTイベント(4)を出力する(ステップST302)。しかし、イベント/コマンドハンドラ320は、チャプタ番号“4”のPTTイベントを保持しない。というのも、この例では、ENAVインタプリタ330はチャプタ番号“4”のENAVPTTイベントを要求していない(ステップST320のノー)からである。
図24の処理は、次のように纏めることができる。すなわち、DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペースを持つDVDビデオディスク1からDVDビデオコンテンツ10およびENAVコンテンツ30を含む記録コンテンツを再生する処理において、DVDビデオディスク1から再生された記録コンテンツのうちDVDビデオコンテンツ10を獲得し(ステップST300)、DVDビデオディスク1から再生された記録コンテンツのうちENAVコンテンツ30を獲得し(ステップST330)、獲得されたDVDビデオコンテンツ10の内容に対応した所定のイベント(ステップST302の出力等)に応じて、獲得されたENAVコンテンツ30の内容を実行する(ステップST314〜ST344)。
ここで、ENAVエンジン300は、DVDビデオディスク1の記録コンテンツのうちENAVコンテンツ30を再生し、このENAVコンテンツ30の内容に応じて、ENAVコンテンツ30の再生とDVDビデオコンテンツ10の再生とを連携させる(図24の破線矢印)ように構成されている。このENAVエンジン300が、前記DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペース内のDVDビデオコンテンツ10の再生状況の変化に連動、連携あるいは同期してENAVコンテンツ30の内容が変化する(図19〜図21においてDVDビデオのチャプタ1〜3の変化に連動してENAVコンテンツ1〜3が変化する;表現を変えればDVDビデオ再生とENAVコンテンツとの同期)ように構成されている。
図2〜図24を参照して説明した機能/構成を有する図1のDVDビデオプレーヤ100は、以下のような動作モードと表示モードを持つことができる。すなわち、このプレーヤ100は、その動作に関してビデオモード(ENAVエンジン300の停止またはイベント待ち状態)とインタラクティブモード(ENAVエンジン300の稼働状態)を持ち、その表示に関してフルビデオモード(図7等)とフルナビゲーションモード(図8等)と混合モード(図2、図3、図11、図12等)を持つ。
そして、ビデオモードにおいて、DVDビデオ再生エンジン200がDVDビデオコンテンツ10を再生するとき(例えば図6のST10〜ST18、または図10のST40〜ST48)は、その再生映像を表示するのにフルビデオモードが用いられる。
また、インタラクティブモードにおいて、ENAVエンジン300がENAVコンテンツ30(および/または30W)を再生するとき(例えば図6のST20〜ST36)は、その再生映像を表示するのにフルナビゲーションモードが用いられる(図6のST34〜ST36)。
あるいは、インタラクティブモードにおいて、DVDビデオ再生エンジン200がDVDビデオコンテンツ10を再生しENAVエンジン300がENAVコンテンツ30(および/または30W)を再生するとき(例えば図10のST50〜ST66)は、DVDビデオコンテンツ10の再生映像およびENAVコンテンツ30(および/または30W)の再生映像を表示するのに混合モードが用いられる(図10のST64〜ST66)。
前記混合モードでは、DVDビデオコンテンツ10の映像内容とENAVコンテンツ30(および/または30W)の映像内容とを混ぜ得て(図2、図3、図11、図12)表示することができる。
更に、インタラクティブモードにおいて、DVDビデオ再生エンジン200がDVDビデオコンテンツ10を再生するとき(例えば図6のST10〜ST18、または図10のST40〜ST48)は、その再生映像を表示するのにフルビデオモードが用いられる。
この発明の一実施の形態では、DVDビデオなどパッケージ型メディアとインターネット等を利用したオンライン型メディアとを融合させた新しいコンテンツ提供方法を実現している。この“新しいコンテンツ提供方法”は、特に、オフラインコンテンツとオンラインコンテンツとの同期(または連動もしくは連携)の開始・終了動作の切り替えに関するものである。
オフラインコンテンツとオンラインコンテンツが(ディスプレイスクリーン上の)ユーザインタフェース上に表示される状態としては、大きく分けて、次の3つがある。
(1)オフラインコンテンツ専用レイアウトにて表示するオフラインモード;
(2)オンラインコンテンツ専用レイアウトにて表示するオンラインモード;
(3)両者の混在用レイアウトにて表示する混在モード。
(2)オンラインコンテンツ専用レイアウトにて表示するオンラインモード;
(3)両者の混在用レイアウトにて表示する混在モード。
さらに、それぞれのモードにおいて正常表示状態と異常表示状態が存在するため、次のように状態分けされる。
(1)オフラインモードでは、
[1-1]正常表示;
[1-2]異常表示…オフラインコンテンツのデータが不正または何らかの伝送上の不具合のため入力されない場合。
[1-1]正常表示;
[1-2]異常表示…オフラインコンテンツのデータが不正または何らかの伝送上の不具合のため入力されない場合。
(2)オンラインモードでは、
[2-1]正常表示;
[2-2]異常表示…オンラインコンテンツのデータが不正または何らかの伝送上の不具合のため入力されない場合。
[2-1]正常表示;
[2-2]異常表示…オンラインコンテンツのデータが不正または何らかの伝送上の不具合のため入力されない場合。
(3)混在モードでは、
[3-1]正常表示(同期または同時表示);
[3-2]異常表示…オフまたはオンラインコンテンツのデータが不正または何らかの伝送上の不具合のため入力されない場合。
[3-1]正常表示(同期または同時表示);
[3-2]異常表示…オフまたはオンラインコンテンツのデータが不正または何らかの伝送上の不具合のため入力されない場合。
ここで、例えば、オフラインコンテンツがうまく表示できないのは、
[1-2-1]ディスクが正しく装填されていない、
[1-2-2]ディスクに書かれている情報が欠陥などの理由でうまく読み出せない、
といった場合である。
[1-2-1]ディスクが正しく装填されていない、
[1-2-2]ディスクに書かれている情報が欠陥などの理由でうまく読み出せない、
といった場合である。
また、オンラインコンテンツがうまく表示できないのは、
[2-2-1]オンラインとなっていない(ネット接続されていない)、
[2-2-2]オンライン情報が通信障害などの理由でうまく受信できない、
といった場合である。
[2-2-1]オンラインとなっていない(ネット接続されていない)、
[2-2-2]オンライン情報が通信障害などの理由でうまく受信できない、
といった場合である。
なお、オフライン・オンラインの混在時の異常は、個々の原因の組み合わせによる。
図25は、図1のシステム構成において、複数モード(オフラインモード、オンラインモード、混在モード)の間で遷移可能なパスを説明する図である。ここでは、オフラインモード、オンラインモード、混在モードの各モード内における大枠の処理と、モード間遷移を説明する。
図25に例示するような遷移可能なパスにおける実際の遷移は、ユーザ設定により行うことができる。例えば、オフラインモードM1において、図1のDVDビデオプレーヤ100に装備される図示しないディスクドライブからDVDビデオディスク1が排出された場合(切換イベントE02)に、オンラインモードM2に遷移してオンライン情報を表示することができる。あるいは、オフラインモードM1では、ディスク1やネット(通信回線)から独立して、プレーヤ100が内部に持っている表示情報(プレーヤ自身の動作パラメータを設定するためのオンスクリーンディスプレイ(略してOSD)等)を表示することも可能である。
オンラインモードM2にいる場合には、ディスク1が装填されたこと(切換イベントE01あるいはE03)を検出して、オフラインモードM2に遷移することあるいは混在モードM3に遷移することが可能である。このようなモード遷移機能を(プレーヤ自身のOSDを介したユーザ操作等により)無効にしておけば、上記のような切換イベントが生じた場合においても、オンラインモードM2のまま表示を続けることが可能である。
一般に、DVDビデオプレーヤ100に装填されたDVDビデオディスク1からの情報読出速度の方がインターネット等のネットでの情報のやり取りよりも高速なので、オフラインコンテンツ再生(DVDビデオ再生)の方が表示画像の品質を高めることができる(DVDビデオ再生では10Mbps以上の速度で情報読み出しが可能)。
図25のインタラクティブモード(M3)では、図2、図3、図11あるいは図12に例示されるような表示が可能であるが、その際のENAVコンテンツは、ディスク1からだけでなくインターネットから取り込むこともできる。
図25のように種々なモード間を自由に行き来できるようにしておけば、オフラインコンテンツ(DVDビデオコンテンツ10)とネット上に置かれた最新情報(Webコンテンツ30W)とを組み合わせることにより、コンテンツ全体の魅力を高めることができる。(混在モードM3によりコンテンツ全体の魅力が高まる具体例としては、ネット対戦型のゲームがある。)
このため、ディスク1が装填された時点(切換イベントE03)でオンラインモードM2から混在モードM3に遷移することは、ユーザにとってメリットがある。これはオフラインモードM1からネット接続(切換イベントE05)によって混在モードM3に遷移する場合も同様である。逆に、混在モードM3においてディスク1が排出されてしまった場合(切換イベントE04)に、オンラインモードM2に遷移することも可能であるし、混在モードM3中で決められた処理ルーチンの中で処理を継続することも可能である。また、混在モードM3にいるときにネットが切れてしまった場合(切換イベントE06)に、自動的にオフラインモードM1に戻ることも可能である。
このため、ディスク1が装填された時点(切換イベントE03)でオンラインモードM2から混在モードM3に遷移することは、ユーザにとってメリットがある。これはオフラインモードM1からネット接続(切換イベントE05)によって混在モードM3に遷移する場合も同様である。逆に、混在モードM3においてディスク1が排出されてしまった場合(切換イベントE04)に、オンラインモードM2に遷移することも可能であるし、混在モードM3中で決められた処理ルーチンの中で処理を継続することも可能である。また、混在モードM3にいるときにネットが切れてしまった場合(切換イベントE06)に、自動的にオフラインモードM1に戻ることも可能である。
上記のモード遷移は、プレーヤ100で予め決められた方法(例えば後述する図29の移行ルール1)に従うことも、ユーザの要求通りに行うこともできる。
なお、上記モード遷移にはある程度の時間がかかるため、その間のスクリーン表示をどうするかという問題がある。ここでは、各モード遷移が行われる際は、遷移先のスクリーン表示の準備ができるまでの間、次のような処理を行うことで、上記問題に対応できる。すなわち、それまでスクリーンに表示されていた映像(動画であるか静止画であるかは問わない)の遷移直前の静止画(図1の映像出力制御部352内の図示しないビデオRAMに入っている)フリーズさせてスクリーン表示する。そして、遷移先のスクリーン表示の準備ができたら、それまでスクリーン表示されていたフリーズ画像(静止画)から遷移先のスクリーン表示画像に、シームレスに切り換える。あるいは、各モード遷移が行われる際は、遷移先のスクリーン表示の準備ができるまでの間、ブルーバック映像(適宜プレーヤのOSD画像を含めておいてもよい)をスクリーン表示する。そして、遷移先のスクリーン表示の準備ができたら、それまでスクリーン表示されていたブルーバック映像から遷移先のスクリーン表示画像に切り換える。
図26は、図25に示す複数モードのどれが最初に設定されるかの一例を説明するフローチャート図である。このフローチャートの処理は、図1のDVDビデオプレーヤ100の初期設定プログラム(ファームウエアの一部)として、図示しないプログラムROMに書き込んでおくことができる。ユーザが、例えば図示しないリモコンのセットアップメニューボタン(図示せず)を押すと、映像出力制御部352に接続された外部モニタTV(図示せず)の表示スクリーン上に、例えばオンスクリーンディスプレイ(OSD)により、モード選択メニューが表示される(ステップST400)。
このモード選択メニューには、図示しないが、オフラインモードM1の選択ボタンと、オンラインモードM2の選択ボタンと、混在モードM3の選択ボタンと、決定ボタンとが配置されている。ユーザが図示しないリモコンのカーソルおよび決定キーの操作によりオフラインモードM1、オンラインモードM2、あるいは混在モードM3のいずれかの選択ボタンを選んで決定キーを押すと(ステップST410のイエス)、選択されたモード(例えば混在モードM3)が、図1のプレーヤ100に設定される(ステップST420)。例えばオフラインモードM1がデフォルトモードとされている場合において、もしユーザがいずれの選択もしないときは(ステップST410のノー)、デフォルトモード(この例ではオフラインモードM1)が、図1のプレーヤ100に設定される(ステップST430)。ユーザ選択またはデフォルト選択によりモード設定(ステップST500)が済むと、図26の処理は終了し、図1のプレーヤ100は設定されたモードで動作できる状態(ステップST440)となる。
図27は、図25に示す複数モードのいずれかにおいて、現在のモード(図26のステップST500で設定されたデフォルトモードかユーザ選択モード)における処理内容の一例を説明するフローチャート図である。このフローチャートの処理も、図1のDVDビデオプレーヤ100の初期設定プログラムとして、図示しないプログラムROMに書き込んでおくことができる。
まず、図26のモード設定処理(ステップST500)により設定されたモード(M1、M2、あるいはM3)が、現在のモードで処理できるか否かチェックされる(ステップST510)。処理可能(例えばオンラインモード/インタラクティブモードM2における通常のDVDビデオディスク再生など)な処理であれば(ステップST510のイエス)、その処理が実行される(ステップST520)。その処理中、図27の処理プログラムは状態チェック(ディスク1の装填状態、ディスク1の再生動作状態、インターネット等の通信回線の接続状態、モードM1〜M3間の切換有無など)をしている(ステップST530)。例えばユーザがモードM2からモードM3に切り換えるリモコン操作をしたとすれば、そのモード切換が行われる(ステップST540)。あるいは、ユーザが現在再生中のDVDビデオ作品のチャプタを変更したとすれば、そのユーザイベントに対応して、チャプタ切換を行うとともに、例えば図22のステップST194〜ST220で示すようなENAVコンテント再生の切換を行うことができる(ステップST540)。
もし、現在のモードで処理できないときは(ステップST510のノー)、異常処理に入る(ステップST550)。例えば、モードM2においてユーザが図示しないリモコンの再生開始ボタンを押したときに、プレーヤ100のディスクトレイ(図示せず)が閉まっていないときは、ディスクトレイを閉める処理を行い(ステップST550、ステップST560のノー)、現モードM2で通常処理可能な状態(ステップST510のイエス)に移る。もし、ディスクトレイに装填されたディスク1に大きな傷があり、そのリードインエリア、ボリューム/ファイル構造情報エリア、ないしは管理情報(図30のVMGなど)が読めないときは(ステップST510のノー)、異常処理限界を越えているので(ステップST560のイエス)、プレーヤ100のシステムは異常終了する(ステップST570)。
以上はオンラインモード/インタラクティブモードM2における説明であるが、図27の各モードがオフラインモード/ビデオモードM1でも混在モード/インタラクティブモードM3でも、図27の処理の流れは同様である(処理内容が異なるだけ)。例えばモードM3においてネット上の接続相手が通信接続を切ってしまったとき(これはステップST530のチェックで判る)は異常終了(ステップST570)となる。
図28は、図27の処理内の状態チェック(ステップST530)の内容を説明するフローチャート図である。ここでは、DVDビデオプレーヤ100にDVDディスク1が挿入されているか否かおよびインターネット接続部(400W、400W*)がインターネット等に接続されているか否かに応じて、現在とは異なるモードに自動的に遷移する場合の処理例を説明する。このフローチャートの処理も、図1のDVDビデオプレーヤ100の初期設定プログラムとして、図示しないプログラムROMに書き込んでおくことができる。
この状態チェック処理(ステップST530)に入ると、最初にディスク1の装填状態がチェックされる(ステップST532)。このチェックには、図示しないディスクドライブのディスクトレイが開いているか否か、閉じているならディスクトレイにディスクが正しくセットされているか否か、ディスクが正しくセットされているならそのディスクがプレーヤ100で読み取り可能なディスクであるか否か(DVD規格に準じたディスクなのか、あるいはDVD規格外のディスクなのか)、およびDVD規格に準じたディスクであっても、傷、反り、および/またはひび割れ等のある不良ディスクなのか、といったチェックを含ませることができる。
このチェックにおいてディスク読取不能などの修復不能な問題が発見されれば異常終了(図27のステップST570)となるが、修復可能な不備(正常なディスク1がセットされているがディスクトレイが閉じていない等)であれば、その処理(図27のステップST550)をしてから状態チェック処理(ステップST530)に戻ってくる。
ディスク1の装填状態チェックが済むと、インターネット等の通信回線の接続状態がチェックされる(ステップST534)。このチェックには、図1のインターネット接続部(400W、400W*)が図示しない通信モデムに物理的にも論理的にも正常に接続されているか否か、モデムのハードウエアまたはTCP/IPのソフトウエアに動作異常がないかどうか、通信相手とのネット接続が確立しているかどうか(ネットの接続/切断チェック)、といったチェックを含ませることができる。
このチェックにおいて通信モデム不良などの修復不能な問題が発見されれば異常終了(図27のステップST570)となる。一方、修復可能な一時的問題(外付モデムの電源がチェック時にオフであったが、その後モデム電源が遅れてオンされた等)であれば、モデムを図1のインターネット接続部に論理的に接続する等の処理(図27のステップST550)をしてから状態チェック処理(ステップST530)に戻ってくる。
ディスク1の装填状態チェック(ステップST532)およびネット接続状態のチェック(ステップST534)が済むと、そのチェック結果(例えば図25の切換イベントE01〜E06のいずれかに対応)から、所定の移行ルールに基づいて、モードの遷移先が決定される(ステップST536)。そして、ディスク1の装填状態(ステップST532)およびネット接続状態(ステップST534)のチェック結果を図示しないメモリに一時記憶してから、決定されたモードの処理(処理内容は図27)にジャンプする(ステップST538)。
なお、ステップST538のジャンプによるモード遷移は、プレーヤ100のシステム側で予め決められた方法(移行ルール)に従うことも、ユーザの要求通りに行うこともできる。ユーザの要求通りに行う方法としては、例えば図示しないリモコンのメニューボタンを押して図26のモード選択処理(ステップST400)に入り、その中のステップST420でユーザが希望するモードに移行するものがある。一方、プレーヤ100のシステム側で予め決められた方法(移行ルール)に従うものとしては、次のようなものがある。
図29は、図28の処理内のモード遷移先決定において参照される移行ルール(移行ルール1)の一例を説明する図である。ここでは、相互に移行可能なモードが、図25に示すモードM1〜M3である場合を想定している。すなわち、現在のモードとしては、M1、M2、またはM3があり、各モードに対しては固有の切換イベントがあり、その切換イベントに応じて遷移先のモードが決定されるようなルールとなっている。
具体的には、現モードがオフラインモード(ビデオモード)M1である場合において、切換イベントE02(ディスク排出)があるとオンラインモード(インタラクティブモード)M2に遷移することが指定され、切換イベントE05(ネット接続)があると混在モード(インタラクティブモード)M3に遷移することが指定される。2つの切換イベントE02およびE05が同時に生じたときは、この例では切換イベントE05(ネット接続)の方を優先させている(優先度はE05>E02)。なお、この優先度に拘わらず、切換イベントE05よりも切換イベントE02の方が先に生じたときは、先に生じたイベントに対応するモードへの遷移が行われる(後から生じたイベントに対応するモード遷移はその後に行われる)。
また、現モードがオンラインモード(インタラクティブモード)M2である場合において、切換イベントE01(ディスク挿入/装填)があるとオフラインモード(ビデオモード)M1に遷移することが指定され、切換イベントE03(ディスク挿入/装填)があると混在モード(インタラクティブモード)M3に遷移することが指定される。2つの切換イベントE01およびE03は同じ原因(ディスク挿入/装填)で生じた切換トリガであるが、この例では切換イベントE03の方を優先させている(優先度はE03>E01)。この優先度は、ユーザ設定により逆(優先度はE03<E01)に設定変更ことができる。あるいは、切換イベントE01とE03の一方を予め無効に設定しておくこともできる。
なお、ディスク挿入/装填という切換トリガによりモードM2からモードM1へ遷移したい場合は、図26のステップST420において、ユーザがモードM1を選択する方法もある。このとき、このユーザ選択は、図29の移行ルール1よりも高い優先度を持たせておく。
同様に、現モードが混在モード(インタラクティブモード)M3である場合において、切換イベントE06(ネット切断)があるとオフラインモード(ビデオモード)M1に遷移することが指定され、切換イベントE04(ディスク排出)があるとオンラインモード(インタラクティブモード)M2に遷移することが指定される。2つの切換イベントE06およびE04が同時に生じたときは、この例では切換イベントE06(ネット切断)の方を優先させている(優先度はE06>E04)。なお、この優先度に拘わらず、切換イベントE06よりも切換イベントE04の方が先に生じたときは、先に生じたイベントに対応するモードへの遷移が行われる(後から生じたイベントに対応するモード遷移はその後に行われる)。
図29はあるモードから別のモードへ自動的にモード遷移する場合の移行ルール1の一例であるが、この場合に用いる移行ルールは、複数種類あってもよい。例えば、図29の移行ルール1と適宜併用される移行ルール2として、「“異常事態発生時にシステムが発生するイベント”>“ユーザイベント”>“ENAVイベント”」といった第2の移行ルールを適用することも可能である。
ここで、上記異常事態発生時の例としては、図1の装置全体の動作の制御を司るシステムプログラム実行中にエラーが発生した時とか、インターネットからWebコンテンツをダウンロードする際にコンピュータウィルスが発見された場合などがある。
上記モード遷移と図1で説明したDVDビデオプレーヤ100との関係を纏めると、次のようになる。すなわち、図1のENAVエンジン300は、DVDビデオ規格に準拠したボリュームスペースを持つDVDビデオディスク1からENAVコンテンツ30を受け取る第1のインターフェイス(400、400*)と、別のENAVコンテンツ(Webコンテンツ30W)を通信回線(インターネット)から得る第2のインターフェイス(400W、400W*)を持っている。
ここで、DVDビデオプレーヤ100にDVDビデオディスク1が装填されており、第2のインターフェイス(400W、400W*)が前記通信回線から切り離されている(ネット切断)状態をオフラインモードM1とし、DVDビデオプレーヤ100からDVDビデオディスク1が排出されており前記第2のインターフェイス(400W、400W*)が前記通信回線から切り離されている(ネット切断)状態をオンラインモードM2とし、DVDビデオプレーヤ100にDVDビデオディスク1が装填されており前記第2のインターフェイス(400W、400W*)が前記通信回線に接続されている(ネット接続)状態を混在モードM3としたときに、切換トリガ(ディスクの挿入/排出またはネットの接続/切断によるトリガ;切換イベントE01〜E06に対応)がかかると、(図29に例示されるような所定の移行ルールに従い)オフラインモードM1、オンラインモードM2、および混在モードM3の間で、モード遷移が自動的に行われる。
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、現在または将来の実施の段階では、その時点で利用可能な技術に基づき、その要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
例えば、この発明のENAVエンジンは、近い将来実現されるハイビジョン対応DVDビデオシステム(650nmレーザを利用した準ハイビジョンシステムあるいは405nmレーザを利用した本格ハイビジョンシステム)に、そのシステムの互換性を崩すことなく、組み込むことができる。
また、図1のプレーヤ機能は、DVDディスクドライブと高速CPU/MPUを備えたパーソナルコンピュータにおいて、ソフトウエアで実現することもできる。すなわち、高性能パーソナルコンピュータ上で図1に相当するDVDプレーヤ100を仮想的に作り出すことができる(このようなパーソナルコンピュータ上の仮想DVDプレーヤは、現在市販されているパーソナルコンピュータあるいは一部のゲーム機において実現されている)。この場合、この発明は、既存のパーソナルコンピュータというハードウエアを利用し、そこにインストールされる新規なソフトウエアの形で、実施され得る。
さらに、上記実施の形態には種々な段階の発明が含まれており、この出願で開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。たとえば、実施の形態に示される全構成要件から1または複数の構成要件が削除されても、この発明の効果あるいはこの発明の実施に伴う効果のうち少なくとも1つが得られるときは、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
<実施の形態の要点まとめ>
<01>既存のDVDビデオ規格との互換性を保ちつつよりバラエティに富んだビデオ再生を可能にする仕組みとして、既存のDVDビデオ規格に従った構成を含むディスク1に、ENAVコンテンツ30を記録する。このENAVコンテンツ30は、既存のDVDビデオ規格に従ったDVDビデオプレーヤでは再生できなくてよいが、この発明の実施に係るDVDビデオプレーヤ100では再生できるように構成される(図30、図31の実施形態参照)。
<01>既存のDVDビデオ規格との互換性を保ちつつよりバラエティに富んだビデオ再生を可能にする仕組みとして、既存のDVDビデオ規格に従った構成を含むディスク1に、ENAVコンテンツ30を記録する。このENAVコンテンツ30は、既存のDVDビデオ規格に従ったDVDビデオプレーヤでは再生できなくてよいが、この発明の実施に係るDVDビデオプレーヤ100では再生できるように構成される(図30、図31の実施形態参照)。
<02>この発明の実施に係るDVDビデオプレーヤ100では、ディスク1に記録されたENAVコンテンツ30以外に、インターネット等の通信回線から同様なENAVコンテンツ(Webコンテンツ)30Wも利用できるようにする(図1の実施形態参照)。
<03>ディスク1に記録されたDVDビデオコンテンツ10に含まれるAV情報とENAVコンテンツ30(および/またはENAVコンテンツ30W)に含まれるAV情報は、所定の手順(マークアップやスクリプトで記述されたENAV再生情報)に従い、相互に同期して、または連動して、もしくは連携して、再生できるようにする(図2〜図24の実施形態参照)。
<04>DVDビデオコンテンツ10の再生および/またはENAVコンテンツ30(Webコンテンツ30W)の再生を自在に切り換えできるように、オフラインモード(DVDビデオをそのまま再生するモード)M1と、オンラインモード(インターネット等による通信を介してインタラクティブ性を増したビデオ再生をするモード)M2と、オンラインモードおよびオフラインモードが混在したモード(DVDビデオ再生をしつつ、インターネット等を利用したインタラクティブ性の高い再生もできるモード)M3を、適宜利用できるようにする(図25〜図28の実施形態参照)。
<05>デジタルビデオディスクから、ビデオコンテンツと、再生制御情報およびその他のコンテンツを含むナビゲーションコンテンツとを包含した記録コンテンツを再生するプレーヤ部と;前記プレーヤ部に含まれるものであって、前記デジタルビデオディスクの記録コンテンツのうち前記ビデオコンテンツに対応した第1の映像・音声データを再生するビデオ再生エンジンと;前記プレーヤ部に含まれるものであって、別の再生制御情報を含む別のナビゲーションコンテンツを取り込むことに用いられるところの、通信回線との接続部と;前記プレーヤ部に含まれるものであって、前記デジタルビデオディスクの記録コンテンツのうちの前記ナビゲーションコンテンツに含まれる前記再生制御情報あるいは前記通信回線から取り込んだ別のナビゲーションコンテンツに含まれる前記再生制御情報の内容に応じて、前記プレーヤ部の再生出力を制御するナビゲーションエンジンとを備えた装置において、
前記ナビゲーションエンジンが、前記ナビゲーションコンテンツに含まれる前記再生制御情報の内容を解釈する言語解釈部と;前記言語解釈部で解釈された前記再生制御情報に含まれるコマンドを実行する情報処理部と;前記ナビゲーションコンテンツに含まれる前記その他のコンテンツに対応した第2の映像・音声データを生成するエレメントデコーダと;前記情報処理部における前記コマンドの実行結果に基づいて、前記エレメントデコーダで生成された前記第2の映像・音声データを前記ビデオ再生エンジンで再生された前記第1の映像・音声データに合成して出力し、あるいは前記第1の映像・音声データおよび前記第2の映像・音声データの一方を選択して出力する出力部とで構成され、
前記ビデオ再生エンジンが、前記デジタルビデオディスクの再生を制御するものであって、前記デジタルビデオディスクの再生状況に関するイベント信号を前記情報処理部に出力するとともに、前記デジタルビデオディスクのプロパティに関するステータス信号を前記情報処理部に出力するように構成されたビデオ再生制御部を含み、
前記情報処理部が、前記ナビゲーションコンテンツに含まれる前記再生制御情報による前記出力部の制御を、前記ビデオ再生制御部からの前記イベント信号および/または前記ステータス信号に応じて実行できるように構成され、
前記装置は表示に関して混合モードを持ち、
前記混合モードでは前記ビデオコンテンツの映像内容と前記ナビゲーションコンテンツの映像内容とが混ざって表示されるように構成され、
前記ビデオコンテンツが元の映像を含み、前記ナビゲーションコンテンツが追加の映像を含むときに、前記混合モードにおいては、前記元の映像のサイズが調整され、このサイズ調整された元の映像と前記追加の映像が混ざって表示されるように構成されたデジタルビデオ再生装置。
前記ナビゲーションエンジンが、前記ナビゲーションコンテンツに含まれる前記再生制御情報の内容を解釈する言語解釈部と;前記言語解釈部で解釈された前記再生制御情報に含まれるコマンドを実行する情報処理部と;前記ナビゲーションコンテンツに含まれる前記その他のコンテンツに対応した第2の映像・音声データを生成するエレメントデコーダと;前記情報処理部における前記コマンドの実行結果に基づいて、前記エレメントデコーダで生成された前記第2の映像・音声データを前記ビデオ再生エンジンで再生された前記第1の映像・音声データに合成して出力し、あるいは前記第1の映像・音声データおよび前記第2の映像・音声データの一方を選択して出力する出力部とで構成され、
前記ビデオ再生エンジンが、前記デジタルビデオディスクの再生を制御するものであって、前記デジタルビデオディスクの再生状況に関するイベント信号を前記情報処理部に出力するとともに、前記デジタルビデオディスクのプロパティに関するステータス信号を前記情報処理部に出力するように構成されたビデオ再生制御部を含み、
前記情報処理部が、前記ナビゲーションコンテンツに含まれる前記再生制御情報による前記出力部の制御を、前記ビデオ再生制御部からの前記イベント信号および/または前記ステータス信号に応じて実行できるように構成され、
前記装置は表示に関して混合モードを持ち、
前記混合モードでは前記ビデオコンテンツの映像内容と前記ナビゲーションコンテンツの映像内容とが混ざって表示されるように構成され、
前記ビデオコンテンツが元の映像を含み、前記ナビゲーションコンテンツが追加の映像を含むときに、前記混合モードにおいては、前記元の映像のサイズが調整され、このサイズ調整された元の映像と前記追加の映像が混ざって表示されるように構成されたデジタルビデオ再生装置。
<06>前記ナビゲーションコンテンツは、前記デジタルビデオディスクから再生された第1のナビゲーションコンテンツおよび前記通信回線を介して外部から獲得した第2のナビゲーションコンテンツを含み、
前記イベント信号および/または前記ステータス信号に応じた前記情報処理部による制御が、前記第1および第2のナビゲーションコンテンツによる制御の何れに対しても実行されるように構成された<05>の装置。
前記イベント信号および/または前記ステータス信号に応じた前記情報処理部による制御が、前記第1および第2のナビゲーションコンテンツによる制御の何れに対しても実行されるように構成された<05>の装置。
<07>前記イベント信号が、前記デジタルビデオディスクに記録されたメニューを呼び出すメニューコール、前記デジタルビデオディスクから再生するタイトルを切り換えるタイトルジャンプ、または前記デジタルビデオディスクから再生するチャプタを切り換えるチャプタジャンプに対応して発生されるように構成された<05>または<06>の装置。
<08>前記ナビゲーションエンジンが、前記デジタルビデオ再生装置のユーザ操作に対応したユーザイベントを生成するユーザイベント制御部をさらに備え、
前記情報処理部が、前記ユーザイベント制御部により生成されたユーザイベントに対応した処理を実行するように構成され、
前記出力部が、前記ユーザイベントに対応した処理の実行結果に基づいて、前記エレメントデコーダで生成された前記第2の映像・音声データを前記ビデオ再生エンジンで再生された前記第1の映像・音声データに合成して出力し、あるいは前記第1の映像・音声データおよび前記第2の映像・音声データの一方を選択して出力するように構成され、
前記再生制御情報は音量変更コマンドを含み、
前記前記第2の映像・音声データのうちの音声データを元の音声データとし、前記第1の映像・音声データのうちの音声データを追加の音声データとしたときに、前記元の音声データの音量レベルと前記追加の音声データの音量レベルが前記音量変更コマンドにより調整されるように構成された<05>ないし<07>のいずれか1つに記載の装置。
前記情報処理部が、前記ユーザイベント制御部により生成されたユーザイベントに対応した処理を実行するように構成され、
前記出力部が、前記ユーザイベントに対応した処理の実行結果に基づいて、前記エレメントデコーダで生成された前記第2の映像・音声データを前記ビデオ再生エンジンで再生された前記第1の映像・音声データに合成して出力し、あるいは前記第1の映像・音声データおよび前記第2の映像・音声データの一方を選択して出力するように構成され、
前記再生制御情報は音量変更コマンドを含み、
前記前記第2の映像・音声データのうちの音声データを元の音声データとし、前記第1の映像・音声データのうちの音声データを追加の音声データとしたときに、前記元の音声データの音量レベルと前記追加の音声データの音量レベルが前記音量変更コマンドにより調整されるように構成された<05>ないし<07>のいずれか1つに記載の装置。
<12>オンラインモードM1、オフラインモードM2、および混在モードM3等の複数モード間で、所定のルールに従い、モード遷移を自動的に行えるようにする(図29の実施形態参照)。
<13>この発明の実施に係るDVDビデオプレーヤ100では、イベント生成・コマンド/プロパティ処理部320がDVDビデオ再生制御部220からDVDイベント信号および/またはDVDステータス信号を受け取って動作するようになっている。このため、処理部320から制御部220へDVD制御信号を送るだけの構成と異なり、DVDディスクの再生(イベント/ステータス)に応じたENAV制御が可能となる(図1、図20の実施形態参照)。
この発明によれば、現DVDビデオ規格(バージョン1.0)との互換性(少なくとも上位互換)を確保しつつ、DVDビデオコンテンツの再生に、よりバラエティに富んだインタラクティブ性を付加することができる。
1…エンハンスドDVDビデオディスク(従来のDVDビデオディスクと互換性のある構造をもち、さらに従来DVDプレーヤからみて上位バージョンとなる図1のDVDプレーヤで再生/処理が可能なENAVコンテンツが記録されたディスク);10…DVDビデオコンテンツ(DVDディスク部);30…エンハンスドナビゲーションコンテンツ(DVDビデオディスクに記録されたENAVコンテンツ);30、30A〜30C…エンハンスドナビゲーションコンテンツ(インターネットを介して配信されるENAVコンテンツ/Webコンテンツ);40…ユーザ操作(ユーザ操作部);100…DVDビデオプレーヤ;200…DVDビデオ再生エンジン;210…DVDビデオプレーヤのデコーダ部(MPEGエンコードされた動画デコーダ、圧縮音声デコーダ、副映像デコーダ等);220…DVDビデオ再生制御部(マイクロコンピュータ);300…エンハンスドナビゲーションエンジン(ENAVエンジン);310…ユーザイベント制御部(マイクロコンピュータ);320…イベント生成・コマンド/プロパティ処理部(マイクロコンピュータ);330…ENAV解釈部(言語解釈部:マイクロコンピュータ);340…エレメントデコーダ(ENAVコンテンツに含まれる音声、静止画、テキスト、動画等のデコーダ);350…映像・音声出力部;352…映像出力制御部(デジタル映像ミキサ、映像DAC等);354…音声出力制御部(デジタル音声ミキサ、音声DAC等);400、400*…ENAVエンジンがDVDディスクからENAVコンテンツを受け取るインターフェイス;400W、400W*…ENAVエンジンがインターネットからENAVコンテンツ(Webコンテンツ)を受け取るインターフェイス。
Claims (6)
- デジタルビデオディスクから、ビデオコンテンツ、およびこのビデオコンテンツの再生内容に関連して再生可能なナビゲーションコンテンツを含む記録コンテンツを再生するプレーヤ部と;
前記デジタルビデオディスクの記録コンテンツのうち前記ビデオコンテンツを再生するビデオ再生エンジンと;
前記デジタルビデオディスクの記録コンテンツのうち前記ナビゲーションコンテンツを再生し、このナビゲーションコンテンツの内容に応じて、前記ナビゲーションコンテンツの再生と前記ビデオコンテンツの再生とを連携させるように構成されたナビゲーションエンジンとを備えた装置であって、
前記装置は、動作に関してインタラクティブモードを持ち、表示に関して混合モードを持ち、
前記インタラクティブモードは、前記ビデオコンテンツおよび/または前記ナビゲーションコンテンツを再生するモードであり、
前記混合モードでは前記ビデオコンテンツの映像内容と前記ナビゲーションコンテンツの映像内容とが混ざって表示されるように構成され、
前記ビデオコンテンツが元の映像を含み、前記ナビゲーションコンテンツが追加の映像を含むときに、前記混合モードにおいては、前記元の映像のサイズが調整され、このサイズ調整された元の映像と前記追加の映像が混ざって表示されるように構成され、
前記ビデオ再生エンジンが、前記デジタルビデオディスクの再生を制御するものであって、前記デジタルビデオディスクの再生状況、もしくはユーザオペレーションに関するイベント信号を出力するように構成されたビデオ再生制御部を含み、
前記イベント信号が、前記デジタルビデオディスクに記録された前記ビデオコンテンツおよび/または前記ナビゲーションコンテンツを再生するユーザオペレーションに対応して発生されるように構成され、このユーザオペレーションに対応して発生された前記イベント信号に応じて前記ビデオコンテンツおよび/または前記ナビゲーションコンテンツが再生されるように構成された再生装置。 - 前記ナビゲーションエンジンは、前記ナビゲーションコンテンツを前記デジタルビデオディスクから受け取る第1のインターフェイスと、別のナビゲーションコンテンツを通信回線から得る第2のインターフェイスを持ち、
前記プレーヤ部に前記デジタルビデオディスクが装填されており前記第2のインターフェイスが前記通信回線から切り離されている状態をオフラインモードとし、前記プレーヤ部から前記デジタルビデオディスクが排出されており前記第2のインターフェイスが前記通信回線に接続されている状態をオンラインモードとし、前記プレーヤ部に前記デジタルビデオディスクが装填されており前記第2のインターフェイスが前記通信回線に接続されている状態を混在モードとしたときに、
切換トリガがかかると、前記オフラインモード、オンラインモード、および混在モードの間で、モード遷移が自動的に行われるように構成された請求項1に記載の装置。 - 前記ナビゲーションエンジンが、前記ナビゲーションコンテンツを前記デジタルビデオディスクから受け取る第1のインターフェイスと、前記ナビゲーションコンテンツと同種の内容を持つ別のナビゲーションコンテンツをインターネットから得る第2のインターフェイスを持つように構成された請求項1または請求項2に記載の装置。
- 前記インタラクティブモードにおいて前記ビデオ再生エンジンが前記ビデオコンテンツを再生し前記ナビゲーションエンジンが前記ナビゲーションコンテンツを再生するときは、前記ビデオコンテンツの再生映像および前記ナビゲーションコンテンツの再生映像を表示するのに前記混合モードが用いられるように構成された請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の装置。
- デジタルビデオディスクから、ビデオコンテンツと、マークアップ言語および/またはスクリプト言語等で構成された再生制御情報およびその他のコンテンツを含むナビゲーションコンテンツとを包含した記録コンテンツを再生するプレーヤ部と;
前記プレーヤ部に含まれるものであって、前記デジタルビデオディスクの記録コンテンツのうち前記ビデオコンテンツに対応した第1の映像・音声データを再生するビデオ再生エンジンと;
前記プレーヤ部に含まれるものであって、別の再生制御情報を含む別のナビゲーションコンテンツを取り込むことに用いられるところの、通信回線との接続部と;
前記プレーヤ部に含まれるものであって、前記デジタルビデオディスクの記録コンテンツのうちの前記ナビゲーションコンテンツに含まれる前記再生制御情報あるいは前記通信回線から取り込んだ別のナビゲーションコンテンツに含まれる前記再生制御情報の内容に応じて、前記プレーヤ部の再生出力を制御するナビゲーションエンジンとを備えた装置において、
前記ナビゲーションエンジンが、
前記ナビゲーションコンテンツに含まれる前記再生制御情報の内容を解釈する言語解釈部と、
前記言語解釈部で解釈された前記再生制御情報に含まれるコマンドを実行する情報処理部と、
前記ナビゲーションコンテンツに含まれる前記その他のコンテンツに対応した第2の映像・音声データを生成するエレメントデコーダと、
前記言語解釈部で解釈された前記再生情報および/または前記情報処理部における前記コマンドの実行結果に基づいて、前記エレメントデコーダで生成された前記第2の映像・音声データを前記ビデオ再生エンジンで再生された前記第1の映像・音声データに合成して出力し、あるいは前記第1の映像・音声データおよび前記第2の映像・音声データの一方を選択して出力する出力部とで構成され、
前記装置は表示に関して混合モードを持ち、
前記混合モードでは前記ビデオコンテンツの映像内容と前記ナビゲーションコンテンツの映像内容とが混ざって表示されるように構成され、
前記ビデオコンテンツが元の映像を含み、前記ナビゲーションコンテンツが追加の映像を含むときに、前記混合モードにおいては、前記元の映像のサイズが調整され、このサイズ調整された元の映像と前記追加の映像が混ざって表示されるように構成され、
前記ビデオ再生エンジンが、前記デジタルビデオディスクの再生を制御するものであって、前記デジタルビデオディスクの再生状況、もしくはユーザオペレーションに関するイベント信号を出力するように構成されたビデオ再生制御部を含み、
前記イベント信号が、前記デジタルビデオディスクに記録された前記ビデオコンテンツおよび/または前記ナビゲーションコンテンツを再生するユーザオペレーションに対応して発生されるように構成され、このユーザオペレーションに対応して発生された前記イベント信号に応じて前記ビデオコンテンツおよび/または前記ナビゲーションコンテンツが再生されるように構成されたデジタルビデオ再生装置。 - プレーヤ部を用いて、デジタルビデオディスクからビデオコンテンツおよびナビゲーションコンテンツの少なくとも一方を獲得し、また通信インターフェイスを用いて通信回線から別のナビゲーションコンテンツを獲得する方法において、
前記プレーヤ部に前記デジタルビデオディスクが装填されており前記通信インターフェイスが前記通信回線から切り離されている状態をオフラインモードとし、前記プレーヤ部から前記デジタルビデオディスクが排出されており前記通信インターフェイスが前記通信回線に接続されている状態をオンラインモードとし、前記プレーヤ部に前記デジタルビデオディスクが装填されており前記通信インターフェイスが前記通信回線に接続されている状態を混在モードとしたときに、
前記デジタルビデオディスクの装填/排出または前記通信回線の接続/切断によるトリガがかかると、所定の移行ルールに従い、前記オフラインモード、オンラインモード、および混在モードの間で、モード遷移を行うように構成され、
前記方法は表示に関して混合モードを持ち、
前記混合モードでは前記ビデオコンテンツの映像内容と前記ナビゲーションコンテンツの映像内容とが混ざって表示されるように構成され、
前記ビデオコンテンツが元の映像を含み、前記ナビゲーションコンテンツが追加の映像を含むときに、前記混合モードにおいては、前記元の映像のサイズが調整され、このサイズ調整された元の映像と前記追加の映像が混ざって表示されるように構成され、
前記デジタルビデオディスクの再生状況、もしくはユーザオペレーションに関するイベント信号を出力するように構成され、
前記イベント信号が、前記デジタルビデオディスクに記録された前記ビデオコンテンツおよび/または前記ナビゲーションコンテンツを再生するユーザオペレーションに対応して発生されるように構成され、このユーザオペレーションに対応して発生された前記イベント信号に応じて前記ビデオコンテンツおよび/または前記ナビゲーションコンテンツが再生されるように構成された方法。
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