JP2008132338A - 架橋生体物質組成物を調製するための疎水性架橋剤の使用 - Google Patents

架橋生体物質組成物を調製するための疎水性架橋剤の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】疎水性架橋剤を使用して、種々の治療用途で用いる注入可能なまたは移植可能な架橋生体物質組成物の提供。
【解決手段】生体物質(例えば、コラーゲン)に2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有する疎水性架橋剤(例えば、ジスクシンイミジルスベレート、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレートまたはジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート))を用いて調製される、架橋生体物質組成物。また、生体物質、疎水性架橋剤および親水性架橋剤を含有する不均質的に架橋した生体物質組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般に、種々の治療用途で用いる注入可能なまたは移植可能な架橋生体物質組成物を調製するために、疎水性架橋剤を使用することに関する。具体的には、本発明は、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有する疎水性架橋剤(例えば、ジスクシンイミジルスベレート、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレートまたはジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート))を用いて調製される、架橋生体物質組成物に関する。本発明はまた、疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を用いて調製した、独特の架橋生体物質組成物を提供する。本発明の組成物は、種々の医学用途のための成形インプラントの調製に、特に有用である。
1992年11月10日にRheeらに発行された米国特許第5,162,430号は、本願と同じ譲渡人が所有しており、コラーゲン−合成重合体の結合体、およびコラーゲンを合成の親水性重合体に共有結合する方法を開示している。1994年7月12日にRheeらに発行された米国特許第5,328,955号(この特許も、同じ譲渡人が所有している)は、種々の活性化形態のポリエチレングリコールおよび種々の結合を開示しており、これらは、一定範囲の物理的および化学的特性を有するコラーゲン−合成重合体の結合体を生成するのに使用可能である。1994年6月28日にRheeらに発行された米国特許第5,324,775号(この特許も、同じ譲渡人が所有している)は、生物学的に不活性で生体適合性の重合体を合成の親水性重合体に共有結合することにより調製した、生体適合性重合体の結合体を開示している。
1993年11月3日に出願された米国特許出願第08/146,843号(この出願は、同じ譲渡人が所有しており、本願出願時には、係属中である)は、合成の親水性重合体に共有結合した種々のグリコサミノグリカン種を含有する結合体(これはまた、必要に応じて、コラーゲンとも結合している)を開示している。1993年11月3日に出願された米国特許出願第08/147,227号(この出願は、同じ譲渡人が所有しており、本願出願時には、係属中である)は、眼科用途または他の医学用途に使用する光学的に透明な物質を生成するための、合成の親水性重合体に共有結合した化学変性コラーゲン(例えば、スクシニル化コラーゲンまたはメチル化コラーゲン)を含有するコラーゲン−重合体結合体を開示している。
疎水性架橋剤(例えば、ジスクシンイミジルスベレート、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート、およびジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート))は、1992年のPierce(ロックフォード、イリノイ)のカタログに記述されているように、古くから、生物学的に活性なペプチドを架橋するために使用されている。
上でおよび本明細書で引用する全ての文献の内容は、引用した課題を記述し開示するために、本明細書中で参考として援用されている。
本発明の目的は、疎水性架橋剤を使用して、種々の治療用途で用いる注入可能なまたは移植可能な架橋生体物質組成物を提供することにある。本発明のさらなる目的は、疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を用いて、独特の架橋生体物質組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、種々の医学用途のための成形インプラントの調製に特に有用な組成物を提供することにある。
以下では、種々の疎水性架橋剤を用いて調製した架橋生体物質組成物、および疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を用いて調製した架橋生体物質組成物を含めて、本発明の好ましい実施態様の詳細な説明を開示する。
発明の要旨
本発明者らの以前の特許および特許出願において、合成の親水性重合体、好ましくは官能的に活性化されたポリエチレングリコール(PEG)を架橋剤として使用して調製した、種々の架橋生体物質組成物を開示した。本発明によれば、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を有する種々の疎水性重合体(例えば、ジスクシンイミジルスベレート、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート、またはジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート))を、コラーゲンおよびグリコサミノグリカンのような種々の生体物質を架橋するために使用し得ることを、本発明者らは見いだした。本発明者らは、また、ポリ酸のようなある種の重合体を、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有するように誘導体化し得、そしてその誘導体化された形態で、コラーゲンおよびグリコサミノグリカンを架橋するために使用し得ることも見いだした。さらに、本発明者らは、疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を用いて、独特の架橋生体物質組成物組成物を調製し得ることを発見した。
本発明は、疎水性重合体に共有結合した生体物質を含む結合体に関し、ここで、この疎水性重合体は、生体物質に結合する前には2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を有している。疎水性重合体に共有結合した生体物質を含む結合体であって、この疎水性重合体が、生体物質に結合する前に、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を有するように化学的に誘導体化されている結合体も、本発明に包含される。生体物質(または生体物質の異なる種の混合物)、疎水性架橋剤、および親水性架橋剤を含有する、不均質な架橋生体物質組成物もまた開示される。さらに、本発明によれば、本発明の結合体および組成物を用いて成形インプラントが調製される。
本発明は、疎水性重合体に共有結合した生体物質を含有する結合体を提供する。ここで、該疎水性重合体は、この生体物質と結合する前に、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有している。
1実施態様において、前記疎水性重合体は、ジスクシンイミジルスベレート、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)、ビス(2-スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチルスルホン、3,3'-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)、およびそれらのアナログおよび誘導体からなる群から選択される。
他の実施態様において、前記疎水性重合体は、2個またはそれ以上、好ましくは、2個、3個または4個のスクシンイミジル基を含有するように化学的に誘導体化されている。好ましい実施態様において、前記疎水性重合体は、ポリ酸であり、このポリ酸は、好ましくは、トリメチロールプロパン-ベースのトリカルボン酸、ジ(トリメチロールプロパン)-ベースのテトラカルボン酸、ヘプタンジオン酸、オクタンジオン酸およびヘキサデカンジオン酸からなる群から選択される。
他の実施態様において、前記生体物質は、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカンおよびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、コラーゲンである。このコラーゲンは、繊維状コラーゲンまたは非繊維状コラーゲンであり得、好ましくは、この非繊維状コラーゲンは、スクシニル化コラーゲンおよびメチル化コラーゲンからなる群から選択される。
さらに他の実施態様において、前記生体物質は、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ケラト硫酸、キチン、キトサン、ヘパリンおよびそれらの誘導体からなる群から選択されるグリコサミノグリカンである。
さらに他の実施態様において、前記疎水性重合体は、コラーゲンおよび1種またはそれ以上のグリコサミノグリカン種の両方と共有結合している。
さらに他の実施態様において、前記疎水性重合体は、2種またはそれ以上のグリコサミノグリカン種と共有結合している。
本発明はまた、疎水性重合体に共有結合した生体物質を含有する結合体を提供する。ここで、この疎水性重合体は、該生体物質と結合する前に、2個またはそれ以上、好ましくは2個、3個または4個のスクシンイミジル基を含有するように化学的に誘導体化されている。
1実施態様において、前記疎水性重合体は、ポリ酸であり、このポリ酸は、好ましくは、トリメチロールプロパン-ベースのトリカルボン酸、ジ(トリメチロールプロパン)-ベースのテトラカルボン酸、ヘプタンジオン酸、オクタンジオン酸およびヘキサデカンジオン酸からなる群から選択される。
さらに他の実施態様において、前記生体物質は、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカンおよびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、コラーゲンである。このコラーゲンは、繊維状コラーゲンまたは非繊維状コラーゲンであり得、好ましくは、この非繊維状コラーゲンは、スクシニル化コラーゲンおよびメチル化コラーゲンからなる群から選択される、化学的に誘導体化されたコラーゲンである。
さらに他の実施態様において、前記生体物質は、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ケラト硫酸、キチン、キトサン、ヘパリンおよびそれらの誘導体からなる群から選択されるグリコサミノグリカンである。
さらに他の実施態様において、前記疎水性重合体は、コラーゲンおよび1種またはそれ以上のグリコサミノグリカン種の両方と共有結合している。
さらに他の実施態様において、前記疎水性重合体は、2種またはそれ以上のグリコサミノグリカン種と共有結合している。
本発明はまた、生体物質、疎水性架橋剤および親水性架橋剤を含有する不均質的に架橋した生体物質組成物を提供する。
1実施態様において、前記疎水性架橋剤は、2個またはそれ以上、好ましくは2個、3個または4個のスクシンイミジル基を含有し、好ましくは、この疎水性架橋剤は、ジスクシンイミジルスベレート、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)、ビス(2-スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチルスルホン、3,3'-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)、およびそれらのアナログおよび誘導体からなる群から選択される。
他の実施態様において、前記疎水性架橋剤は、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有するように化学的に誘導体化された疎水性重合体を含有する。好ましい実施態様において、前記疎水性重合体は、ポリ酸であり、このポリ酸は、トリメチロールプロパン-ベースのトリカルボン酸、ジ(トリメチロールプロパン)-ベースのテトラカルボン酸、ヘプタンジオン酸、オクタンジオン酸およびヘキサデカンジオン酸からなる群から選択される。
他の実施態様において、前記親水性架橋剤は、合成の親水性重合体であり、好ましくは、この合成の親水性重合体は、官能的に活性化されたポリエチレングリコールである。好ましくは、この官能的に活性化されたポリエチレングリコールは、多官能的、好ましくは二官能的に活性化されたポリエチレングリコールである。
さらに他の実施態様において、前記生体物質は、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカンおよびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、コラーゲンである。このコラーゲンは、繊維状コラーゲンまたは非繊維状コラーゲンであり得、好ましくはこの非繊維状コラーゲンは、スクシニル化コラーゲンおよびメチル化コラーゲンからなる群から選択される、化学的に誘導体化されたコラーゲンである。
さらに他の実施態様において、前記生体物質は、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ケラト硫酸、キチン、キトサン、ヘパリンおよびそれらの誘導体からなる群から選択されるグリコサミノグリカンである。
さらに他の実施態様において、前記生体物質は、コラーゲンおよび1種またはそれ以上のグリコサミノグリカン種の混合物を含有する。
さらに他の実施態様において、前記生体物質は、2種またはそれ以上のグリコサミノグリカン種の混合物を含有する。
本発明はまた、前記結合体または前記組成物を含有する、成形インプラントを提供する。
本発明の組成物は、以前に開示された親水性架橋剤のみを用いて調製された架橋生体物質組成物と比べて、独特かつ予期せぬ多くの特徴を有する。本発明の組成物の(従来の架橋生体物質組成物と比較した)重要な特徴は、分解が遅いことであり、その結果、より高い化学的安定性が得られ、これはインビボでの持続性の増大を導き得る。本発明のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明を読むことによって明らかになる。
定義本明細書および添付の請求の範囲で用いるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈にて他に明らかに指示がなければ、複数物の指示物を包含することを記しておく。例えば、「結合体(aconjugate)」との表示は、1種またはそれ以上の結合体分子を含み、「製品(an article)」との表示は、当業者に周知の1種またはそれ以上の異なるタイプの製品を含み、そして「コラーゲン(thecollagen)」との表示は、異なるタイプの複数のコラーゲンの混合物を含むなど。
本発明の記述に特に重要な特定の専門用語を、以下に定義する:「アテロペプチドコラーゲン」との用語は、テロペプチド領域(これは、ヒトにおいて、他の動物(例えば、ウシ)に由来のコラーゲンに対し免疫応答を引き起こす原因となることが知られている)を除去するように、化学的に処理するかまたは加工したコラーゲンを意味する。
ここで使用する「生体物質」との用語は、一般に、コラーゲン、ゼラチンおよび多糖類(例えば、グリコサミノグリカン)を含めて、天然由来の生体適合性の重合体を意味する。
ここで使用する「化学的に結合した」および「結合した」との用語は、化学的な共有結合を介して結合したことを意味する。本発明を実施する際に、疎水性重合体および生体物質は、この疎水性重合体上の反応性スクシンイミジル基によって、互いに共有結合し得る。
ここで使用する「化学的な架橋剤」とは、生体物質(例えば、コラーゲン、グリコサミノグリカンおよびそれらの混合物)を共有結合して、架橋した生体物質の網目構造を形成できる任意の化学試薬を意味する。
ここで使用する「コラーゲン」との用語は、全てのタイプおよび形状のコラーゲンを意味し、これらには、組み換えで生成したもの、天然由来の原料(例えば、ウシ真皮またはヒト胎盤)から抽出したもの、処理したもの、または変性したものが含まれる。
「コラーゲン懸濁液」との用語は、水性担体(例えば、水またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液)中の架橋したまたは架橋していないコラーゲン繊維の懸濁液を意味する。
「コラーゲン−合成重合体」との用語は、合成の親水性重合体に共有結合したコラーゲンを意味する。例えば、「PEG−コラーゲン」は、コラーゲン分子がポリエチレングリコール(PEG)分子に共有結合した本発明の組成物を示す。
「二官能的に活性化された」との用語は、生体適合性の重合体分子(例えば、コラーゲンまたはジアセチル化グリコサミノグリカン)上の第一級アミノ基と反応できる2個の官能基を有するように、化学的に誘導体化された合成の親水性重合体分子を意味する。二官能的に活性化された合成の親水性重合体上の2個の官能基は、一般に、この重合体鎖の対向している末端に位置している。二官能的に活性化された合成の親水性重合体分子上の官能的に活性化した各基は、生体適合性の重合体分子と共有結合でき、それにより、これらの生体適合性の重合体分子間で架橋が起こる。
「乾燥した」との用語は、結合していない水の実質的に全てが、物質から除去されていることを意味する。
「繊維状コラーゲン」との用語は、その中で、三重らせん状の分子が、分子間電荷および疎水性相互作用により凝集して、濃密な繊維を形成しているコラーゲンを意味する。
「官能的に活性化した」との用語は、生体適合性の重合体分子上の第一級アミノ基と反応できる1個またはそれ以上の官能基を有するように、化学的に誘導体化した合成の親水性重合体分子を意味する。
ここで使用する「インサイチュ」との用語は、「投与部位にて」との意味である。
ここで使用する「インサイチュでの架橋」との用語は、ヒトまたは動物の被験体上の組織部位への移植の後、生体適合性の重合体インプラントを架橋することを意味し、ここで、この合成重合体上の少なくとも1個の官能基は、このインプラント内の生体適合性の重合体分子に共有結合しており、そしてこの合成重合体上の少なくとも1個の官能基は遊離であり、このインプラント内の他の生体適合性の重合体分子または患者自身の組織内のコラーゲン分子と共有結合できる。
ここで使用する「分子量」との用語は、当該技術分野で通常用いられるように、任意の所定の試料中の多くの分子の重量平均分子量を意味する。それゆえ、PEG2000の試料は、例えば、1500〜2500の重量範囲の重合体分子の統計的な混合物を含有し、1個の分子は、一定範囲にわたって、隣の分子と僅かに異なっている。分子量範囲の特定とは、その平均分子量が、指定した範囲内のある値であるが、これらの範囲外の分子を包含し得ることを意味する。それゆえ、約800〜約20,000の分子量範囲は、少なくとも約800から約20,000までの範囲の平均分子量を示す。
「多官能的に活性化された」との用語は、生体適合性の重合体分子上の第一級アミノ基と反応できる2個またはそれ以上の官能基(これは、その重合体鎖に沿った種々の部位に位置している)を有するように、化学的に誘導体化した合成の親水性重合体分子を意味する。多官能的に活性化された親水性の合成重合体上の各官能基は、生体適合性の重合体分子と共有結合でき、それにより、これらの生体適合性の重合体分子間で架橋が起こる。多官能的に活性化された合成の親水性重合体のタイプには、二官能的に活性化された重合体、四官能的に活性化された重合体、および星形に分枝した重合体が挙げられる。
「非架橋コラーゲン」との用語は、化学的な架橋剤を用いてあらかじめ架橋されていないコラーゲンを意味する。このような非架橋コラーゲンには、繊維状コラーゲンおよび非繊維状コラーゲンの両方が挙げられる。
「非繊維状コラーゲン」とは、その中で、三重らせん状の分子が濃密な繊維を形成するようには凝集していないコラーゲンを意味し、その結果、非繊維状コラーゲンを含有する組成物は、光学的に透明である。
「合成の親水性重合体」または「合成重合体」との用語は、合成的に生成した親水性の重合体を意味するが、必ずしも水溶性ではない。本発明を実施する際に使用し得る合成の親水性重合体の例には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレン、ポリメチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック重合体および共重合体、およびそれらの誘導体がある。天然由来の重合体(例えば、タンパク質、デンプン、セルロース、ヘパリン、ヒアルロン酸、およびそれらの誘導体)は、明らかに、この定義の範囲から除外される。
ここで使用する「組織増強」との用語は、ヒトの体内の柔軟な組織または堅い組織の欠陥を置き替えるか修復することを意味する。
上で定義したもの以外、ここで使用する全ての科学技術用語は、本発明が属する当業者が通常理解する意味と同じ意味を有する。本発明の実施または試験においては、ここで記述のものと類似または同等の方法および物質が有用であるものの、その好ましい方法および物質のみを以下で記載する。
本発明の好ましい実施態様の詳細な説明
本発明に従って、疎水性架橋剤、または疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を使用して、独特の架橋生体物質組成物が調製される。本発明の架橋生体物質組成物を調製するためには、まず、1種またはそれ以上の生体物質および疎水性架橋剤を用意することが必要である。
好ましい生体物質
本発明の方法に従って、疎水性架橋剤または親水性架橋剤を用いて結合できる第一級アミノ基(−NH2)を有する生体物質か、またはこのような基を有するように化学的に誘導体化され得る生体物質は、本発明の架橋生体物質組成物を調製するために使用され得る。本発明を実施する際に使用する好ましい生体物質には、全てのタイプのコラーゲンおよびグリコサミノグリカン、およびそれらの混合物が挙げられる。
本発明を実施する際には、一般に、任意の原料に由来のコラーゲンが使用され得る。例えば、コラーゲンは、ヒトまたは他の哺乳類源から抽出され精製され得るか、または組み換えまたは他の方法により、生成され得る。タイプI、II、III、IVまたはそれらの組み合わせ(これらに限定されないが)を包含する任意のタイプのコラーゲンが使用可能であるが、タイプIが、一般に、好ましい。アテロペプチドコラーゲンまたはテロペプチド含有コラーゲンのいずれもが使用可能であるが、異種移植源に由来のコラーゲン(例えば、ウシコラーゲン)を用いるときには、アテロペプチドコラーゲンが一般に好ましい。アテロペプチドコラーゲンは、テロペプチド含有コラーゲンと比較して、その免疫原性が低いからである。このコラーゲンは、いずれの著しい免疫応答も生じることなくヒトの体内に取り込まれ得るように、薬学的に純粋な形態であるべきである。
本発明で使用するコラーゲンは、繊維状または非繊維状形態であり得る。繊維状コラーゲンは、それがインビボでの耐久性が高いことから、組織増強の用途には、一般に、好ましい。化学変性コラーゲン(例えば、スクシニル化コラーゲンまたはメチル化コラーゲン)を包含する非繊維状コラーゲンは、ある状況(例えば、光学的に透明な物質を必要とする眼科用途)には好ましい。スクシニル化コラーゲンおよびメチル化コラーゲンは、米国特許第4,164,559号(この特許の内容は、本明細書中で参考として援用されている)に記述の方法に従って、調製され得る。本発明で使用する非架橋コラーゲンは、通常、水性懸濁液中にて、約20mg/mlと約120mg/mlの間の濃度、好ましくは、約30mg/mlと約80mg/mlの間の濃度で存在している。懸濁液中の種々のコラーゲン濃度の繊維状コラーゲンは、Zyderm(登録商標)Iコラーゲン(35mg/ml)およびZydermIIコラーゲン(65mg/ml)の商標で、CollagenCorporationから市販されている。
天然状態のコラーゲンは、本発明の疎水性架橋剤および親水性架橋剤と共有結合できる第一級アミノ基を有するリシン残基を含有し、従って、本発明の方法に従った所望の架橋剤との反応前に、何らかの様式で化学的に変性する必要はない。
未変性(intact)コラーゲンは好ましいものの、変性コラーゲン(これは、通常、ゼラチンとして知られている)もまた、本発明の組成物の調製に使用され得る。
本発明で使用するグリコサミノグリカンには、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ケラト硫酸、キチン、キトサン、ヘパリンならびにそれらの誘導体および混合物が挙げられるが、これらに限定されない。グリコサミノグリカンは、本発明に方法に従って、疎水性架橋剤および親水性架橋剤上の官能基と結合できる第一級アミノ基を有するように、一般に、例えば、脱アセチル化または脱硫酸化により、変性しなければならない。脱アセチル化および/または脱硫酸化によるグリコサミノグリカンの化学的な変性方法は、1993年11月3日に出願された係属中の米国特許出願第08/146,843号(この出願は、本願と同じ譲渡人が所有している)に記述されている。一般に、グリコサミノグリカンは、そこに強塩基(例えば、水酸化ナトリウム)を添加することにより、脱アセチル化、脱硫酸化またはその両方の処理がなされ得る。脱アセチル化および/または脱硫酸化することにより、このグリコサミノグリカン上にて、本発明の方法に従って疎水性架橋剤または親水性架橋剤と共有結合できる第一級アミノ基が得られる。
種々のグリコサミノグリカン種の混合物、種々のコラーゲン、または種々のグリコサミノグリカンとコラーゲンとの混合物は、本発明の架橋生体物質組成物を調製するために使用され得る。
最終生成物を、ヒトまたは動物の被験体の体内に取り込むことを意図しているなら、本発明で使用する生体物質は、薬学的に純粋な形状であるか、または薬学的に純粋な形状に精製できなければならない。
疎水性架橋剤の調製本発明の架橋生体物質組成物を調製するためには、まず、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有する疎水性重合体か、またはそれらを含有するように誘導体化できる疎水性重合体を用意する必要がある。ここで使用する「疎水性重合体」との用語は、比較的に少量の割合の酸素原子または窒素原子を含有する重合体を意味する。ここで使用する「2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有する」との用語は、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有する市販の疎水性重合体だけでなく、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有するように化学的に誘導体化しなければならないものを包含することを意味している。ここで使用する「スクシンイミジル基」との用語は、スルホスクシンイミジル基、または「一般の」スクシンイミジル基の他の変形物を包含することを意味している。このスルホスクシンイミジル基上に亜硫酸ナトリウム部分が存在すると、この重合体の溶解性を高めるのに役立つ。
本発明で使用する疎水性重合体は、好ましくは、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基、最も好ましくは、2個、3個または4個のスクシンイミジル基を含有するか、それらを含有するように誘導体化され得る。これらのスクシンイミジル基は、第一級アミノ基(−NH2)を含有する生体物質(例えば、コラーゲンおよび種々のグリコサミノグリカンおよびグリコサミノグリカン誘導体)との反応性が高い。
既に2個またはそれ以上の反応性スクシンイミジル基を含有している疎水性重合体には、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS3)、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DPS)、ビス(2-スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチルスルホン(BSOCOES)および3,3'-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、およびそれらのアナログおよび誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。上記重合体は、それぞれ、Pierce(ロックフォード、イリノイ)からカタログ番号21555、21579、22585、21554および21577で入手できる。上記重合体の構造式、およびこれらの各重合体とコラーゲンとを反応させることにより得られる一般的な反応生成物を、それぞれ、以下の式1〜5に示す。
Figure 2008132338
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Figure 2008132338
Figure 2008132338
ある種の重合体(例えば、ポリ酸)は、2個またはそれ以上の反応性スクシンイミジル基を含有するように、誘導体化され得る。本発明で使用するポリ酸には、トリメチロールプロパン-ベースのトリカルボン酸、ジ(トリメチロールプロパン)-ベースのテトラカルボン酸、ヘプタンジオン酸、オクタンジオン酸(スベリン酸)、およびヘキサデカンジオン酸(サプシン酸(thapsicacid))が挙げられるが、これらに限定されない。これらのポリ酸の多くは、DuPontChemicalCompanyから市販されている。
一般的な方法に従って、ポリ酸は、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下にて、適当なモル量のN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)との反応により、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有するように化学的に誘導体化され得る。
多価アルコール(例えば、トリメチロールプロパンおよびジ(トリメチロールプロパン))は、反応式1および2に示すように、種々の方法を用いてカルボン酸形状に転化され、次いで、スクシンイミジル基の添加により、さらに誘導体化され得る。
トリメチロールプロパンは、以下の反応式1に示すように、トリカルボン酸形に誘導体化され、次いで、DCCの存在下でのNHSとの反応により、さらに誘導体化されて、三官能性の架橋剤(すなわち、種々の生体物質との反応に利用できる3個のスクシンイミジル基を有する化合物)を生成する。
Figure 2008132338
ジ(トリメチロールプロパン)は、以下の反応式2に示すように、テトラカルボン酸形に誘導体化され、次いで、DCCの存在下でのNHSとの反応により、さらに誘導体化されて、四官能性の架橋剤を生成する。
Figure 2008132338
他のポリ酸も、それぞれ、トリメチロールプロパン-ベースのトリカルボン酸およびジ(トリメチロールプロパン)-ベースのテトラカルボン酸について、反応式1または2に示した方法と類似の方法を用いて、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有するように、化学的に誘導体化され得る。ヘプタンジオン酸(HOOC-(CH2)5-COOH)、オクタンジオン酸(HOOC-(CH2)6-COOH)、およびヘキサデカンジオン酸(HOOC-(CH2)14-COOH)のようなポリ酸は、スクシンイミジル基の添加により誘導体化されて、二官能性の架橋剤を生成する。
エチレンジアミン(H2N-CH2CH2-NH2)、テトラメチレンジアミン(H2N-(CH2)4-NH2)、ペンタメチレンジアミン(カダベリン)(H2N-(CH2)5-NH2)、ヘキサメチレンジアミン(H2N-(CH2)6-NH2)、ビス(2-ヒドロキシエチル)アミン(HN-(CH2CH2OH)2)、ビス(2-アミノエチル)アミン(HN-(CH2CH2NH2)2)、およびトリス(2-アミノエチル)アミン(N-(CH2CH2NH2)3)のようなポリアミンは、ポリ酸に化学的に誘導体化され得、次いで、ポリ酸に関して上で記述の一般方法に従って、DCCの存在下で適当なモル量のN-ヒドロキシスクシンイミドと反応させることにより、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有するように誘導体化され得る。これらのポリアミンの多くは、DuPontChemicalCompanyから市販されている。
本発明での使用に好ましい疎水性重合体は、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有して市販されていようと、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基を含有するように化学的に誘導体化すべきであろうと、一般に、約14個またはそれより短い炭素長の炭素鎖を有する。炭素鎖が14個の炭素長より実質的に長い重合体は、水溶液中の溶解度が非常に低く、それだけでは、生体物質(例えば、コラーゲン)の水溶液と混合したとき、反応時間が非常に長くなる。
疎水性架橋剤を用いた架橋生体物質組成物の調製
本発明の架橋生体物質組成物を調製する一般方法では、第一級アミノ基を含有する生体物質か、またはこのような基を含有するように化学的に誘導体化されている生体物質は、2個またはそれ以上のスクシンイミジル基(これは、この生体物質上の求核的な第一級アミノ基と反応させることにより、この生体物質を架橋できる)を含有する疎水性重合体か、またはこのような基を含有するように誘導体化されている疎水性重合体と混合される。この疎水性架橋剤は、乾燥形状か溶液形状のいずれかで保存され使用され得るが、好ましくは、乾燥形状で使用される。この架橋剤は、この生体物質と混合する前に、水性溶媒または疎水性溶媒のいずれかと混合され得る。水性溶媒を用いるなら、このスクシンイミジル基は、ニュートロフィル(例えば、酸素および水)と反応性であるので、この架橋剤は、使用のすぐ前に、この溶媒と混合すべきである。水性溶媒に長期間晒すと、この架橋剤の加水分解により、その架橋能力が失われる。
これらの生体物質および疎水性架橋剤(乾燥形状)は、別々の注射器に保存し得、次いで、以下のようにして、注射器−注射器混合方法を用いて、混合し得る。生体物質を含有する注射器を、注射器接続器(例えば、三路ストップコック)を用いて、架橋剤を含有する注射器に接続し、そしてこれらの物質が充分に混合されるまで、これらの物質を2個の注射器間で前後に移動させることにより(通常、最低で約20回のパスが必要であり、ここで、これらの物質の全体量が、この注射器接続器を通過するたびに、1回のパスと数える)、この生体物質および架橋剤は、混合される。この混合工程中に、この生体物質と架橋剤との分子間で、架橋が開始する。
本発明を実施する際に使用する疎水性架橋剤の濃度は、多くの要因に依存して変わり、これらの要因には、用いる架橋剤のタイプおよび分子量、用いる生体物質のタイプおよび濃度、および所望の架橋度が含まれる。一般に、本発明者は、本発明の架橋生体物質組成物を調製するためには、最終組成物の約0.1〜約2重量%の範囲の疎水性架橋剤の濃度が好ましいことを発見した。
疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を用いた不均質な架橋生体物質組成物の調製
本発明の不均質な架橋生体物質組成物を調製する一般方法では、第一級アミノ基を含有する生体物質か、またはこのような基を含有するように化学的に誘導体化されている生体物質は、疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物と配合され、共有結合される。好ましくは、疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物は、加水分解による架橋能力の損失を防止するために、乾燥形状で保存され使用される。この疎水性架橋剤および親水性架橋剤は、一般に、互いには反応しない。両架橋剤は、種々の生体物質(例えば、コラーゲンおよび誘導体化したグリコサミノグリカン)上の第一級アミノ基と優先的に結合する同じ反応基(すなわち、スクシンイミジル基)を含有するからである。
別の方法では、この生体物質は、まず、この疎水性架橋剤または親水性架橋剤のいずれかと混合され、次いで、(好ましくは、ゲル化が起こる前に、迅速に連続して)、他のタイプの架橋剤と混合される。
ここで使用する「疎水性重合体」との用語は、比較的に少量割合の酸素原子または窒素原子を含有する重合体を意味する。2個またはそれ以上の反応性スクシンイミジル基を含有する疎水性重合体か、またはこのような基を含有するように化学的に誘導体化されている疎水性重合体は、本発明の不均質な架橋生体物質組成物を調製するのに使用する好ましい疎水性架橋剤である。
ここで使用する「親水性重合体」との用語は、比較的に多量割合の酸素原子および/または窒素原子を含有する重合体を意味し、これらの原子は、水素結合のために水分子を引きつけるのに役立つ。合成の親水性重合体(例えば、官能的に活性化したポリエチレングリコール)は、本発明の不均質な架橋生体物質組成物を調製するのに使用する好ましい親水性架橋剤である。種々の活性化形態のポリエチレングリコールは、米国特許第5,328,955号(この特許は、本願と同じ譲渡人が所有しており、その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている)、および1994年11月3日に出願された米国特許出願第08/344,040号(この出願は、本願出願時には、審査中である)に、詳細に記述されている。
本発明で使用する合成の親水性重合体は、好ましくは、多官能的に活性化されており、さらに好ましくは、二官能的に活性化されている。好ましい合成の親水性重合体は、二官能的に活性化した形状のPEGスクシンイミジルグルタレート(SG-PEG)、PEGスクシンイミジル(SE-PEG;これは、米国特許第5,328,955号では、単に、「S-PEG」と呼ばれている)、PEGスクシンイミジルスクシンアミド(SSA-PEG)、およびPEGスクシンイミジルカーボネート(SC-PEG)である。SG-PEGの生体物質(例えば、コラーゲン)との反応により、エステル結合を含有する共有結合した結合体が得られ、SE-PEG(n=1〜3)またはSC-PEG(n=0)と生体物質との反応により、エーテル結合を含有する結合体が得られ、そしてSSA-PEG(n=1〜10)と生体物質との反応により、アミド結合を含有する結合体が得られる。このアミド結合およびエーテル結合は、一般に、エステル結合よりも加水分解を受けにくく、従って、このインプラント物質を配置する環境に依存して、高い安定性およびインビボ耐久性を有する架橋生体物質組成物が得られ得る。エーテル結合は酸化を受けやすく、遊離ラジカルにより劣化に敏感な場合がある。
上記の活性化形状のポリエチレングリコールの多くは、現在では、ShearwaterPolymers(ハンツビル(Huntsville)、アラバマ)、およびUnionCarbide(サウスチャールストン、ウェストバージニア)から市販されている。
使用および投与
本発明の架橋生体物質組成物は、種々の医学用途に使用する成形インプラント(これには、種々の人工臓器、および血管移植片および/またはステントとして用いる管状インプラントが含まれる)の調製に、特に有用である。成形インプラントを調製する一般方法では、上記のように調製した生体物質/架橋剤反応生成物を、好ましくは、この生体物質と架橋剤(または架橋剤の混合物)との間に著しい架橋が起こる前に、種々の大きさおよび形状の型に押出す。この時間は、用いる生体物質および架橋剤の両方のタイプおよび濃度に依存して変わるが、一般に、約5分間〜約60分間の範囲内である。この物質は、この生体物質と架橋剤との間で平衡的な架橋が起こるのに充分な時間が経過した後においてのみ、この型から除去すべきである。必要なら、このインプラントを患者の体内に入れる前に、結合していない残留架橋剤を、このインプラントから除去してもよい。
この生体物質/架橋剤混合物はまた、(例えば、押出、浸漬、はけ塗または塗装により)、成形した合成インプラント(例えば、人工骨補綴物または合成の血管移植片またはステント)の1つまたはそれ以上の表面に適用し、その場所で架橋して、それにより、このインプラントの表面に、架橋した非免疫原性の生体物質被覆を得ることができる。あるいは、成形した合成インプラントの全てまたは一部を、この生体物質/架橋剤の反応溶液を入れた容器に浸漬してもよい。
この生体物質/架橋剤混合物は、糸形状で押出し、その形態で架橋し得る。この糸が完全に架橋すると、乾燥して、実質的に全ての結合していない水を除去し得る。この乾燥した糸は、軟組織の増強を行うために、針に通して、矯正を必要とする皮膚部位(例えば、押し潰された傷跡、または皺)に挿入し得る。この乾燥した糸をまた、細かい断片に切断し、非水性の担体に懸濁し、そして増強を必要とする組織部位に注入し得る。この組織部位は、皮膚部位または充分に機能していない括約筋のような他の軟組織部位(例えば、尿道括約筋、肛門括約筋または食道括約筋)であり得る。この架橋した糸は、体液に晒されると、その場で再び水和し、その乾燥直径のおよそ5倍にまで膨潤する。この乾燥した糸はまた、縫合物質、または編物、ニットまたは織物として、使用し得、腱または靭帯の修復または置換用の生体物質を提供する。
硬組織の増強(例えば、骨または軟骨の修復または置換)に適当な物質を提供するためには、この生体物質を架橋剤と混合する前に、適当な微粒子物質(例えば、セラミック粒子)を生体物質と混合してもよい。これらの物質は、架橋前に、骨または軟骨の欠陥部位に液体形状で適用し得、その場で架橋されるか、または軟組織の修復用に形成したインプラントの調製について上で記述した方法と同様の方法を用いて、成形した骨または軟骨のインプラントを調製し、次いで、所望の大きさおよび形状に成形するかまたは切断し得る。
本発明の架橋生体物質組成物はまた、体の軟組織または硬組織の増強の際に、注射可能な製剤として使用し得る。この生体物質および架橋剤の混合に続いて、その反応生成物は、架橋組成物による注射針の閉塞を防止するために、著しい架橋が起こる前に、組織部位に注入すべきである。平衡的架橋が起こる前に、この物質を組織部位に注入するなら、この架橋剤上の官能基は、その受容組織内のコラーゲン分子と結合し得、それにより、この生体物質の受容組織への生物学的係留が起こる。受容組織に「生物学的係留した」インプラントは、移動が困難になり、従って、現在利用できる注射可能な生体物質組成物よりも、生体内での耐久性が高くなり得る。
生体活性剤(例えば、サイトカインまたは成長因子)は、単に混合することにより、または架橋剤を生体物質に配合する前に、この活性剤をこの架橋剤に共有結合することにより、本発明の組成物に混合し得る。この活性剤は、このインプラント領域に細胞を補充し、さらに、このインプラントを受容組織に係留するのに役立ち、そして負傷部位に適用したとき、負傷の回復を促進し得る。
以下の実施例は、本発明の結合体、組成物および装置の好ましい実施態様をいかに作成するかの完全な開示および記述を、当業者に提供するために提示しており、本発明者が本発明と見なす範囲を限定することを意図していない。使用する数値(例えば、量、温度、分子量など)に関して、正確を期すべく努力がなされているが、ある程度の実験誤差および偏差は、考慮すべきである。他に指示がなければ、部は重量部、分子量は重量平均分子量、温度は摂氏であり、そして圧力は大気圧またはそれに近い。
実施例1疎水性架橋剤を用いた架橋コラーゲン組成物の調製および特性確認
繊維状コラーゲン(Zyderm(登録商標)Iコラーゲン;CollagenCorporation(PaloAlto、CA)から入手した)およびメチル化(非繊維状)コラーゲン(21℃でおよそ1〜3日間、繊維状コラーゲンとメタノールとを反応させることにより、調製した)を、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS3)、二官能的に活性化したSE-PEG(n=2、Mwは3800)、および二官能的に活性化したSG-PEG(Mwは3800)を用いて、架橋した。
1.0ccのZydermコラーゲン(35mg/mlのコラーゲン濃度)を含有する1cc注射器の内容物と、以下の架橋剤のうちの1種を下記の量で含有する1cc注射器の内容物とを混合することにより、繊維状コラーゲン製剤を調製した:3mgのDSS;3mgのBS3;5mgのSE-PEG;または5mgのSG-PEG。
1.0ccのメチル化コラーゲン(21mg/mlのコラーゲン濃度)を含有する1cc注射器の内容物と、以下の架橋剤のうちの1種を下記の量で含有する1cc注射器の内容物とを混合することにより、メチル化コラーゲン製剤を調製した:3mgのDSS;3mgのBS3;10mgのSE-PEG;または10mgのSG-PEG。
全ての架橋剤は乾燥形状で使用した。この架橋剤およびコラーゲンは、三路ストップコックを用い、2個の注射器間で約40〜50回のパスを使用して、これらの注射器間に物質を通すことにより、混合した。一旦、このコラーゲンと架橋剤とが充分に混合されると、この物質を一方の注射器に移動し、そして37℃でおよそ16時間インキュベートした。
上記のように調製した架橋コラーゲン物質のそれぞれを、その注射器のプランジャ末端から押出した。得られた架橋円筒状ゲルを、次いで、5mm厚のディスクに分割した。次いで、各処方物を、以下の試験方法の一部または全部に従って、評価した:示差走査熱量測定(DSC)、1mg/mlトリプシン溶液中の可溶性、および3%の過酸化水素水(H2O2)中の酸化劣化。これらの評価結果を、以下の表1に提示する。
Figure 2008132338
示差走査熱量測定(DSC)は、コラーゲンの熱変性転移を測定するために用いられ、これは、得られた架橋の相対強度を評価するために、使用され得る。上記のDSC結果により示されるように、疎水性架橋剤DSSおよびBS3による繊維状コラーゲンの架橋は、親水性架橋剤SG-PEGを用いて得られた架橋と、少なくとも同程度に強固である。メチル化(非原繊維状)コラーゲン処方物については、僅かに低い数値が得られた。
トリプシン溶液中の可溶性は、各架橋物質の5mm厚ディスクを、37℃で、1mlの水中に1mgトリプシンを含む溶液中でインキューベートし、この架橋したコラーゲンゲルを分散するのに必要な期間を測定することにより、決定した。上で示すように、DSS-ZIゲルを溶解するには、SEPEG-ZIゲルおよびSGPEG-ZIゲルを溶解するのに必要な時間(それぞれ、3日間)のおよそ2倍の時間(7日間)を必要とし、このことは、DSSが、SEPEGまたはSGPEGのいずれかよりも、繊維状コラーゲンに強固に架橋した(すなわち、架橋密度が高い)ことを示している。メチル化コラーゲン処方物は、一般に、トリプシン溶液中での安定性が低いことが立証されたが、DSSを用いて架橋したメチル化コラーゲン処方物は、SEPEGまたはSGPEGのいずれかを用いて架橋したものよりも、かなりの安定性の改良を示した。
酸化劣化は、各架橋物質の5mm厚ディスクを、37℃で、3%過酸化水素水溶液中でインキューベートし、この架橋したコラーゲンゲルを分散するのに必要な期間を測定することにより、決定した。上記のトリプシン可溶性の結果と同様に、DSS-ZIゲルを溶解するには、SEPEG-ZIゲル(10日間)およびSGPEG-ZIゲル(7日間)を溶解するのに必要な時間のおよそ2倍の時間(14日間)を必要とし、このことは、DSSが、SEPEGまたはSGPEGのいずれかよりも、繊維状コラーゲンに強固に架橋したことを示している。それゆえ、疎水性架橋剤を用いて架橋したコラーゲン物質は、当該技術分野で以前に記載された親水性架橋剤で架橋したものよりも、トリプシン感受性および酸化劣化に対する感受性に関して、かなりの予期できない改良が見られた。
実施例2架橋コラーゲン組成物のインビボ耐久性
Zyplast(登録商標)コラーゲン(35mg/mlのコラーゲン濃度を有するグルタルアルデヒド架橋コラーゲンであり、CollagenCorporation(PaloAlto、CA)から入手した)およびZyderm(登録商標)コラーゲンの混合物(70:30の重量比)1.0グラムを含有する1cc注射器の内容物を、3mgのDSS、3mgのSE-PEGまたは3mgのSG-PEGのいずれかを含有する1cc注射器の内容物と混合することにより、架橋コラーゲン処方物を新たに調製した。ZyplastおよびZydermコラーゲンの70:30の重量比の非架橋混合物を、対照として用いた。各24匹の雄のSprague-Dawleyラットからなる2群に、以下のスケジュールに従って、4つの処方物うちの2個の各0.5ミリリットルで成るインプラントを注射した。
動物群A:
部位1Zyplast/Zydermコラーゲン混合物(対照)部位2DSSを用いて架橋したZyplast/Zydermコラーゲン混合物動物群B:部位1SG-PEGを用いて架橋したZyplast/Zydermコラーゲン混合物部位2SE-PEGを用いて架橋したZyplast/Zydermコラーゲン混合物。
これらの物質を、このコラーゲンおよび架橋剤の混合後のおよそ5分間以内に、27ゲージの注射針で皮下注射した。
A群およびB群のそれぞれから6匹の動物を選び、移植後7日目、14日目、28日目および90日目の各時点で、屠殺した。インプラントを周辺組織と共に切除し、そして組織学的に検査した。注射した架橋物質は、不連続の楕円形で巨丸剤様の形態を呈したのに対して、非架橋製剤は、それよりも拡散した塊状物として存在していた。各群の4匹の動物からのインプラントを、組織学的研究および湿潤重量実験に使用した。各群の2匹の動物からのインプラントは、このインプラントを受容組織から取り除くのに必要な機械的な力を測定するために、使用した。この組織学的研究および湿潤重量実験の結果を、以下に述べる。
切除したインプラントを、組織学的に検査し、そして炎症性浸潤、繊維芽細胞の内殖および繊維増殖の3つのパラメーターのそれぞれに関して、0から4までの等級で点数化した。4点は、最大量のパラメーターが存在することを示し、0点は、検査したインプラントに関連した特定のパラメーターが観察されなかったことを示す(すなわち、炎症性浸潤に関して0点とは、そのインプラント部位にて、炎症性浸潤が観察されなかったことを示す)。組織学的な検査の結果を、表2、3および4に提示し、以下で説明する。平均点をカッコ内に示した。
Figure 2008132338
DSSを用いて架橋したコラーゲンインプラントは、7日目と14日目では、穏やかな炎症応答を示し、それは、他の(架橋したおよび非架橋の)コラーゲン組成物よりも僅かに高かった。28日目までに、このDSS架橋インプラントへの炎症性浸潤は最小となり、90日目までに、存在しない状態まで減少した。
Figure 2008132338
他の架橋したおよび非架橋のコラーゲン処方物と異なり、DSS架橋インプラントは、この研究の期間全体にわたって、繊維芽細胞の内殖の徴候を全く示さなかった。この原因は、架橋剤としてDSSを用いて得られた非常に堅固な架橋コラーゲン網目による可能性が非常に高い。
Figure 2008132338
繊維増殖は、検査した3種の架橋コラーゲン組成物の全てについて、同様であることが観察された。
各インプラントの重量を外殖に続いて測定した。各時点での4種の処方物のそれぞれについて、このインプラントの湿潤重量を、そのインプラントの初期重量に対する割合として、図1に示す。7日目、14日目および28日目では、いずれの処方物間でも、顕著な相違はなかった。しかしながら、90日目では、DSSを用いて架橋したコラーゲン処方物は、他の処方物よりも、湿潤重量の保持が著しく良好であった(100%に近い)。組織学的な検査において、繊維芽細胞の内殖が見られなかったことからみて、このDSS架橋インプラントの湿潤重量は、侵入細胞よりもむしろ、このインプラント物質自体から実質的に成っていると考えられる。この見解は、このDSS架橋コラーゲンインプラントが、おそらく、架橋剤としてDSSを用いて得られた堅固な架橋網目のために、他のコラーゲンインプラント物質ほど速くは、その対象組織に再吸収されなかったことを意味する。
この研究の7日目、28日目および90日目の各時点で、A群およびB群のそれぞれの2匹の動物から、インプラントを含む皮膚の一部を切除した。このインプラントを取り囲んでいる皮膚を、2cm×4cmの寸法の同じ長方形の形状に、形を整えた。このインプラントが、その皮膚の表面に単に載っていると見えるように、このインプラントの表面に成長した被包化組織を取り除いた。
このインプラントを含む皮膚の断片を、この皮膚の4つの角のそれぞれに1個の画鋲を用いて、3cm×5cmの木製の板にピン止めした。図2に示すように、このインプラントの周辺に沿って外側に、つり具(sling)を置いた。インストロン型(Instron)万能試験機のModel4202を使用して、このインストロン試験機の1個のクランプに、この木製の板(これには、皮膚断片が付着している)を固定し、そして他のクランプに、このつり具の末端を固定することにより、この組織からインプラントを取り除くのに必要な機械的な力を測定した。インプラントが、組織から離れて破壊されるまで、このつり具を保持しているクランプを、このインストロン試験機で引っ張った。7日目、28日目および90日目の4種の処方物のそれぞれについて、組織に係留している力を、図3にグラフとして示す。疎水性架橋剤(DSS)を用いて架橋した処方物と、親水性架橋剤(SE-PEG;SG-PEG)のいずれかを用いて架橋した処方物の間では、著しい相違は存在しなかった。
実施例3疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を含有する架橋生体物質組成物の調製および特性確認
繊維状コラーゲン(Zyderm(登録商標)Iコラーゲン、35mg/mlのコラーゲン濃度;CollagenCorporation(PaloAlto、CA)から入手)を、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、二官能的に活性化したSE-PEG(n=2、Mnは3800)、またはDSSと二官能的に活性化したSE-PEGの50:50(重量比)との混合物を用いて、架橋した。Zydermコラーゲン5.0グラムを含有する5cc注射器の内容物を、15mgのDSS、15mgのSE-PEGまたは15mgのDSS/SE-PEG混合物のいずれかを含有する5cc注射器の内容物と混合することにより、架橋コラーゲン処方物を調製した。
全ての架橋剤は乾燥形状で使用した。このDSS/SE-PEG混合物は、DSSおよびSE-PEGの各7.5mgを5cc注射器に入れ、次いで、この注射器を手で振とうして2種の架橋剤を混合することにより、架橋のすぐ前に、調製した。
この架橋剤およびコラーゲンは、三路ストップコックを用い、2個の注射器間で約40〜50回のパスを使用して、これらの注射器間に物質を通すことにより、混合した。一旦、このコラーゲンと架橋剤とが充分に混合されると、この物質を一方の注射器に移動し、そして37℃でおよそ16時間インキュベートした。
上記のように調製した架橋コラーゲン物質のそれぞれを、その注射器のプランジャ末端から押出した。得られた架橋円筒状ゲルを、次いで、5mm厚のディスクに分割した。この3種の処方物を、示差走査熱量測定(DSC)を用いて評価した。各処方物のゲル強度は、インストロン型万能試験機のModel4202を使用して測定した。これら3個の架橋コラーゲン処方物のそれぞれのDSCおよびゲル強度の結果を、以下の表5に提示する。
Figure 2008132338
疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を用いて調製したコラーゲン組成物について、DSCおよびゲル強度の結果が一貫していない事実は、以下の要因のうちのいくつかが原因である可能性がある:コラーゲンと混合する前に、2種の架橋剤を充分に混合しなかった;組成物自体の不均質性;および、おそらく、架橋剤の割合が最適ではなかった。他の要因には、コラーゲン繊維を懸濁した水溶液において、DSSの溶解性が低いために、SE-PEGが、DSSよりも素早くコラーゲンを架橋できることが挙げられ得る。
疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を用いて調製したコラーゲン組成物は、最終組成物の特性に対し、2種の異なるタイプの架橋剤が相対的に寄与する(疎水性架橋剤は安定性の向上に寄与し、親水性架橋剤は弾性の向上および全体的に良好な取り扱い性に寄与する)ために、ある種の治療用途に有用であり得る。
本発明は、疎水性重合体を架橋剤として用いて調製される新規な生体物質組成物を開示する。好ましい疎水性重合体は2個またはそれ以上の反応性スクシンイミジル基を有する疎水性重合体であり、ジスクシンイミジルスベレート、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート、およびジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)が挙げられる。疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を用いて調製される架橋生体物質組成物もまた開示される。本発明の組成物は、種々の医療用途において使用される成形インプラントを調製するために使用され得る。
本発明は、例示の目的で用いた上記実施態様により、限定されることを意図していない。本発明は、添付の請求の範囲に規定の範囲を有することを意図している。
本発明によれば、疎水性架橋剤を使用して調製される、種々の治療用途で用いる注入可能なまたは移植可能な架橋生体物質組成物が提供される。また、本発明によれば、疎水性架橋剤および親水性架橋剤の混合物を用いて、独特の架橋生体物質組成物が提供される。さらに、本発明によれば、種々の医学用途のための成形インプラントの調製に特に有用な組成物が提供される。
本発明の組成物は、以前に開示された親水性架橋剤のみを用いて調製された架橋生体物質組成物と比べて、独特かつ予期せぬ多くの特徴を有する。本発明の組成物の(従来の架橋生体物質組成物と比較した)重要な特徴は、分解が遅いことであり、その結果、より高い化学的安定性が得られ、これはインビボでの持続性の増大を導き得る。
図1は、ラットから回収した種々のインプラントの湿潤重量をその初期重量に対する割合として示すグラフである。 図2は、インプラントを受容組織から取り除くために必要な機械的な力を測定する試験の方法を示す略図である。 図3は、インプラントが受容組織に係留している力を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の架橋生体物質組成物
JP2007328038A 2007-12-19 2007-12-19 架橋生体物質組成物を調製するための疎水性架橋剤の使用 Withdrawn JP2008132338A (ja)

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