JP2008129805A - メンタルヘルス支援装置及びメンタルヘルス支援システム - Google Patents

メンタルヘルス支援装置及びメンタルヘルス支援システム Download PDF

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Abstract

【課題】従業員の精神的疾患の発生を未然に防止する。
【解決手段】従業員の主観で、その日の気分を5段階表示で入力し、逐次蓄積するデータベースシステムを用意する。そして、蓄積されたデータに対し、所定の条件で危険状態を検出する閾値の判定式を適用し、従業員のメンタルヘルスの危機を早期に検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、会社内或は所定のネットワーク上のサイトに設置される、会社の従業員の精神的疾患の発生、或は精神的疾患の発生の可能性を早期に検知し、適切な処置を施すためのシステムに関する。
今日、日本は未だ厳しい経済環境と日本型雇用制度の変革期にある。好景気と言われてはいるものの、その好景気の恩恵を感じる割合が非常に少ないことが、各種報道等で示されている。このような状況において、会社の従業員の心理負担は増大している。また、職場以外に起因するストレスも少なくない。
日本は、一時間に一人が自殺するというストレス大国であり、鬱病による通院や入院患者が増大している。
なお、本発明と関係すると思われる先行技術文献として、特許文献1を示す。
特開2005−4398号公報
これまでは、規模の大きい会社は産業医を契約して、会社に常駐して貰い、従業員の健康を診断して貰っている。
しかし、痛み等が明確に判る身体的疾患とは異なり、精神的疾患は発病してからではもう手遅れである場合が極めて多い。
更に、精神的疾患は発病してしまうと、本人だけでなく、家族や会社にとっても大きな問題を抱えることとなる。
一方、メンタルヘルスに関しては、客観的な測定方法が十分に確立されていない。更に、精神的疾患が発生する過程には大きな個人差がある。このため、疾患発生に至る原因の把握が困難である。
また、今日の社会ではメンタルヘルスケアに対する意識や認識が未だ不足している。鬱病、不安障害、統合失調症等は、周囲の人々によって理解されない。このため、往々にして「気合不足」「精神論」等の、却って疾患を悪化させる論理で片付けられてしまう傾向がある。これは患者にとって極めて不幸なことである。
更に、メンタルヘルスに関する問題は、全ての人に関わることであるにもかかわらず、その人自身の人格を否定する形で評価される傾向が強い。この点も、非常に憂慮すべき問題である。
翻って、従来の常駐産業医の仕組みでは、前述のような社会的認識不足が災いし、よほどのことにならない限り診察を受け辛いので、精神的疾患の診断には不適切である。また、精神的疾患が発生してしまったらもう手遅れになってしまう、という、極めて憂慮すべき問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、産業医の常駐を不要にし、精神的疾患の発生を未然に防ぐ、メンタルヘルス支援システム、及びメンタルヘルス支援装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、社員番号フィールドと、日時区分フィールドと、社員の気分を表す信号気フィールドを備える信号気テーブルに、社員がその日の気分を主観的に示す値を随時記入してデータを蓄積するサーバを用意する。
当該サーバはクライアントに入力画面を表示させ、入力が完遂すると、所定の閾値条件にて精神的疾患の可能性を判定する。
判定の結果、条件に合致した場合は、所属長や産業医等にその旨のメッセージを送信するものである。
発明者は、精神科医のカウンセリングが、基本的に患者本人の自己申告であることに目をつけた。
従業員の主観で、その日の気分を5段階表示で入力し、逐次蓄積するデータベースシステムを用意する。そして、蓄積されたデータに対し、所定の条件で危険状態を検出する閾値の判定式を適用し、従業員のメンタルヘルスの危機を早期に検知するものである。
本発明により、産業医が常に会社に常駐する必要がなく、従業員が周囲の風評等に惑わされることなく、精神面の健康状態を的確に把握し、精神的疾患の発病を未然に防ぐことができ、また精神的疾患の発生が予測される場合には産業医に連絡が行く、メンタルヘルス支援システムを提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の、メンタルヘルス支援システムの全体を概略的に示すブロック図である。
最初に、メンタルヘルス支援システムの概要を説明する。
本実施形態のメンタルヘルス支援システムは、クライアントサーバ型システムである。
クライアントは職場環境にいる社員のパソコンである。
社員は職場内のパソコンからサーバにログインし、後述する「信号気」という情報を、一日4回(午前2回、午後2回)入力する。
入力された信号気データはシグナルデータベースに蓄積されると共に、データ入力をトリガとして、チェックプログラムが起動し、当該社員の精神面の健康が危険な状態にあるか否かを判定する。
判定の結果、精神面の健康が危ういと判定された場合には、部長クラスの所属長、そして必要に応じて社外の契約産業医にアラームメッセージが届く。
メンタルヘルス支援システム101は、主に社内LAN102に接続されているアプリケーションサーバ103とクライアントのパソコン(以下「クライアントPC」)104、105、106よりなる。このクライアントサーバシステムは、所定のソフトウェアにて構成される。例えばインターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションのロータス・ノーツ(「ロータス」及び「ノーツ」共に登録商標)である。
アプリケーションサーバ103は、複数のアプリケーションソフトウェアにて構成されている。
ユーザ認証部107は、クライアントPCの要求に応答して、ユーザデータベース(以下「ユーザDB」)108を検索し、認証を行う。
データ入力及び編集部109は、後述するデータ入力画面をクライアントPCに表示させ、社員のデータ入力を受け付ける。受け付けたデータはシグナルデータベース(以下「シグナルDB」)116に記録する。
判定部110は、データ入力及び編集部109がクライアントPCからデータを受信したことに呼応して起動され、閾値ルールファイル111を読み込んで、後述する判定処理を行う。
集計部112は、部長クラスのクライアントPCの要求にしたがって、後述する統計処理を行い、表示する。
判定部110による判定処理の結果、社外の産業医にアラームメッセージを送信する必要があると判断したら、判定部110はアラームメッセージを作成し、所定のプロトコルにて産業医に向けて送信する。送信されるメッセージは、ファイアウォール113を潜り、インターネット114経由で産業医のパソコン115に到達する。メッセージの種類としては、メールや、幾つかのポータルサイト企業が構築してサービスを行っている、インスタントメッセージと呼ばれるメッセージサービスを利用することができる。
図2は、クライアントPCに表示される、信号気入力画面である。
クライアントPCはアプリケーションサーバ103に接続して認証を行うと、データ入力及び編集部109によってこのような画面が表示される。
図2の信号気入力画面中、「部」項目202は、社員が所属する部門名を示す。
「課所名」項目203は、部門を区分する課、或はこれに相当する小部門名を示す。
「氏名」項目204は、社員の氏名である。
「年月」項目205は、現在入力可能に表示している年月を示す。「年月」項目205の記述の右側にあるプルダウンボタン206は、表示年月を変更する際に用いる。
図2の右上に表示されている、0から100までの5段階表示は、シグナルの凡例207を表す。
シグナルとは、社員自身の主観で、今の自分自身の気分の状態を示す値である。
シグナルはその値に応じて色分けして表示される。例えば、1は青、2は紫、3は黄、4は赤、5は黒である。
シグナルの一例を示す。
ある社員は大口の契約に成功して営業成績が上がったため、気分が高揚し、仕事のやる気がみなぎっている状態である。この社員は、シグナルとして5段階の5を、今の時点に入力する。「今」が2006年7月12日の午前の昼前であれば、2006年7月前半が表示されている入力欄208の「12」の列の、「午前入」の箇所のプルダウンボタンをマウスでクリックし、「5」を選択する。
また、別の社員は仕事上のミスによって上司に注意を受けた。このため、気分が沈み、仕事のやる気が減退している状態である。この社員は、シグナルとして5段階の2を、今の時点に入力する。「今」が2006年7月5日の午後の前半であれば、2006年7月前半が表示されている入力欄208の「5」の列の、「午後出」の箇所のプルダウンボタンをマウスでクリックし、「2」を選択する。
入力が終わったら、「保存」ボタン209をクリックする。
「保存」ボタンのクリックに呼応して、データ入力及び編集部109は、シグナルDB116にデータの追加或は変更を行う。
図3(a)、(b)及び(c)は、各種テーブルのデータ構造とサンプルのデータを示す。
図3(a)は信号気テーブル302を表す。信号気テーブル302はシグナルDB116の中に格納されている。
第1のフィールドは社員番号である。これはユーザDB内の図示しない社員テーブルに含まれている社員番号と同じである。
第2のフィールドは日時区分である。日時区分はデータの入力が行われた日と、午前出、午前入、午後出、午後入の別を表す。8桁の数字の最初の6桁が「西暦下二桁」+「月二桁」+「日二桁」という文字列である。最後の2桁は、「01」が午前出、「02」が午前入、「03」が午後出、「04」が午後入である。
第3のフィールドは信号気である。前述の入力画面において、社員がプルダウンボタンで選択入力した値である。
第4のフィールドは記録日時である。10桁の数字は「西暦下二桁」+「月二桁」+「日二桁」+「時二桁」+「分二桁」という文字列である。
図3(b)は閲覧権テーブル303を表す。閲覧権テーブル303は信号気テーブル302と同様、シグナルDB116の中に格納されている。
第1のフィールドは社員番号である。
第2のフィールドは閲覧権者である。これは所属長や人事部門担当者等、当該社員の信号気データを閲覧する権限を有する者の社員番号が記載される。
ある社員の信号気データは、当該部門の部長が閲覧できると共に、人事部門担当者も閲覧できる。この対応関係が記載されるので、いわゆる「多対多」の関係が記述される。
図3(b)の例では、閲覧権者にある社員番号「2123」と「2234」が部門長であり、社員番号「7567」が人事部門担当者である。人事部門担当者は各部門を広範囲に閲覧し、横断的にデータを観察する。
ところで、閲覧権限を持つ所属長が部長であるのには理由がある。
パワーハラスメントは往々にして直属の上長との人間関係において発生することが多い。
そこで、直接の上長ではなく、更にその上の上長が閲覧することとしている。
しかし、パワーハラスメントは必ずしも直属の上長だけが行うとは限らない。
つまり、その閲覧権限を持つ所属長自身がパワーハラスメントの原因であることもある。
そこで、横断的に閲覧できる別の立場が必要になる。それが人事部門担当者である。
人事部門担当者は閲覧した結果等を閲覧権限を持つ所属長より立場が上の者に報告することで、当該所属長の適性欠如を認識し、配置転換等を行う等、適切な処置を行うことが期待できる。
つまり、閲覧権限者を複数持たせて、公平性を保つために、閲覧権テーブル303が存在する。
なお、閲覧権者を誰にするかはシステムの運用面の問題であるので、場合に応じて適宜変更される要素であることを付記しておく。
図3(c)は閾値ルールテーブル304を現す。閾値ルールファイル111そのものである。
閾値ルールテーブル304は判定部110が判定処理を行う際のルールが列挙されている。
第1のフィールドは期間条件である。期間条件は、現在の日付から何日分のデータを評価するかの値である。図3(c)では理解を容易にするために「直近7日以内」と記載しているが、実際は単に「7」とだけ記入されている。
第2のフィールドは信号気条件である。信号気条件は、期間条件に含まれるデータについて評価する内容が記述されている。図3(c)では理解を容易にするために「黒≧8」と記載しているが、実際はプログラムが読み込んで実行可能なコマンドやプログラムの条件文等が記載される。
第3のフィールドは産業医フラグである。産業医フラグは、期間条件と信号気条件が満たされたときに、産業医へアラームメッセージを送るか否かを示すフラグが記述されている。図3(c)では理解を容易にするために「○」或は「×」と記載しているが、実際はプログラムが読み込み易いように、「1」ないしは「0」である。
図4は判定部110の動作の流れを示すフローチャートである。
社員が信号気入力画面にてデータの入力を完遂すると(S401)、判定部110は信号気入力を行った当該社員の社員番号をキーにして、信号気テーブル302を直近レコードから所定期間まで検索して(S402)、一時的なテーブルを作成する。この所定期間は、閾値ルールテーブル304の期間条件の最大値になる。つまり、期間条件の最大値が14日であれば、14日分の一時的なテーブルを作成することとなる。
次に、閾値ルールテーブル304の最初のレコードを注目する(S403)。
これ以降はループ処理である。
先ず、注目した閾値ルールテーブル304のレコードに記載されている評価条件を見る。つまり、ステップS402にて作成した一時的なテーブルに対し、閾値ルールテーブル304の期間条件フィールドに記載されている期間内で、信号気条件フィールドに記載されている条件を満たすか否か、更に産業医フラグが立っているか否かを検証する(S404)。
期間条件内に信号気条件を満たし、且つ産業医フラグが立っている場合(S404のY)は、産業医にアラームメッセージを送信すると共に、所属長にも送信する(S406)。
期間条件内に信号気条件を満たし、且つ産業医フラグが立っていない場合(S404のNからS405のY)は、所属長にアラームメッセージを送信する(S407)。
期間条件内に信号気条件を満たしていない場合(S405のN)は、閾値ルールテーブル304の次のレコードを注目する(S408)。次のレコードの有無を確認して(S409)、もしあれば条件判断を繰り返し(S404)、なければ終了する(S410)。
なお、アラームメッセージの作成及び送信は、閾値ルールテーブル304のどれか一つのレコードでのみ実施されるので、一度アラームメッセージを送信したら(S406及びS407)、閾値ルールテーブル304の次のレコードを見ることなく終了する(S410)。
図5(a)、(b)及び(c)は、集計部112が提供する機能によって表示される表示画面の例を列挙するものである。
図5(a)は、所属長がある社員の信号気データを閲覧しているときに表示される、信号気グラフを示す。
横軸は時間軸であり、縦軸は信号気である。
所属長は、このようなグラフを見ることで、社員の精神面の健康状態を把握することができる。
図5(b)は、所属長がある社員の信号気データと、当該社員の営業成績を重ねて表示される、グラフを示す。
社員の営業成績と比較することで、社員の精神面の変化と営業成績の相関性を確認することができる。
もし、相関があり、営業成績が上下しているようであれば、本人の努力次第で十分改善が見込めると判断できる。
もし、相関があり、営業成績が下降したままであれば、職種が本人の適性に合致していないことが考えられる。この場合は、当該社員を別の部門に配置転換する等で改善が見込めると判断できる。
もし、相関がない場合であれば、職種や職務の成績と関係しない、別の要因が考えられる。例えば、家庭内事情、職場内のパワーハラスメント、セクシャルハラスメント、或はいじめ等、人的要因が考えられる。この場合は、十分なリサーチを行い、細心の注意を払って、原因の除去に努める必要がある。
図5(c)は、部門単位で各社員の所定期間内における信号気の平均値をプロットしたグラフの一例である。この図では値が1から2の間に小さなピークがある。この値を示す社員が、精神的に危機的な状態にあり、当該社員に対する精神的なケアを要すると判断できる。
図6は、本発明の第2の実施の形態の、メンタルヘルス支援システム601の全体を概略的に示すブロック図である。
図1と違う点は、アプリケーションサーバがwebサーバになっており、各種機能はcgiにて提供され、クライアントはwebブラウザを用い、複数の会社と複数の産業医を取り扱っている点である。
しかし、提供されるサービスは第1の実施形態と実質的に変わらない。
メンタルヘルス支援システム601は、インターネット614に接続されているwebサーバ603と、クライアントである複数の会社621及び622の各社員のパソコン624、625、626、627、628、629…(以下「クライアントPC」)よりなる。
クライアントPCでは、図示しないwebブラウザが稼動する。各社員はwebブラウザを操作して、webサーバ603にアクセスする。
クライアントPCがwebサーバ603にアクセスすると、最初にログイン画面html文書607がクライアントPCに転送され、webブラウザに表示される。ユーザID及びパスワードを入力して、所定の送信ボタンを押す動作により、webブラウザは認証cgi606にアクセスし、ユーザID及びパスワードを送信する。
認証cgi606はユーザID及びパスワードを受信して、ユーザDB608にアクセスし、ユーザIDとパスワードの照合を行う。照合の結果、正規ユーザであると判定したら、認証cgi606は入力画面cgi609のURI(Uniform Resource Identifier: インターネット614上に存在する情報資源の場所を指し示す記述方式)へ自動的に転送するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)応答ヘッダを含むhtmlメッセージを作成し、クライアントPCへ送信する。
ここで、自動的に入力画面cgi609に移行するHTTP応答ヘッダとは、HTTPのステータスコードの一種である転送機能にて実現する。このステータスコードは、HTTPのバージョンによって若干の差がある。
http ver.1.1の場合は「303 See Other」というステータスコードと、入力画面cgi609のURIを、HTTP応答ヘッダに記す。
http ver.1.0の場合は「302 Found」というステータスコードと、入力画面cgi609のURIを、HTTP応答ヘッダに記す。
認証cgi606は、このように構成したHTTP応答ヘッダを作成し、クライアントへ送信する。
クライアントPCのwebブラウザは、このHTTP応答ヘッダを解釈し、直ちに記されているURIに基づいて入力画面cgi609をwebサーバに要求する。
すなわち、認証cgi606はwebブラウザによって表示画面に表示されるhtml文書を作成しない。或は、認証cgi606がhtml文書を作成しても、webブラウザの機能により、webブラウザがHTTP応答ヘッダ中の転送ステータスコードを検出して転送を実行するので、当該作成されたhtml文書はwebブラウザには表示されない。
ログイン失敗時にはこの転送機能によって、自動的にログイン画面html文書607に移行する。
入力画面cgi609は、シグナルDB616にアクセスして所定期間内の当該社員のデータを収集して、図2に示したものとほぼ同様のデータ入力画面をクライアントPCのwebブラウザに表示させ、社員のデータ入力を受け付ける。図2と異なる点は、「保存」ボタン209の表記が「送信」になる位である。
データを追記或は変更して、送信ボタンを押すと、判定cgi610にアクセスし、変更したデータを送信する。
送信されたデータは判定cgi610が受信し、シグナルDB616内の図示しない信号気テーブルに記録する。
次に、判定cgi610は閾値ルールファイル611を読み込んで、後述する判定処理を行う。
集計画面cgi612は、各会社の部長クラスのクライアントPC626及び629の要求にしたがって、統計処理を行い、統計画面を表示する。
判定cgi610による判定処理の結果、各会社621及び622が契約している産業医にアラームメッセージを送信する必要があると判断したら、判定cgi610は、アラームメッセージを作成し、所定のプロトコルにて契約対象の産業医に向けて送信する。
なお、判定cgi610は、信号気テーブルにデータの記録を行うと、判定処理をバックグラウンドで実行しつつ、前述の認証cgi606と同様に、入力画面cgi609へ転送するHTTP応答ヘッダを含むhtmlメッセージをクライアントPCに送信する。
送信されるメッセージは、各会社のファイアウォールを潜り、インターネット614経由で担当産業医のパソコンに到達する。ここで、会社621の社員に対しては、産業医Gのパソコン615に送信する。会社622の社員に対しては、産業医Hのパソコン617に送信する。メッセージの形態は第1の実施形態と同様に、メールやメッセージサービス等が利用できる。
本実施形態には、以下のような応用例が考えられる。
(1)図2の画面を見てわかるが、過去に入力したデータについて、社員自身が後から変更が可能なようになっている。しかし、例え冷静さを欠いた結果の入力であったとしても、それは紛れもなくストレスに基づく結果であり、翌日以降になって冷静になって入力したデータを変更すると、却ってストレスがデータに反映されなくなってしまう。そこで、一旦入力を確定したデータについては変更が不可能になるようにしたり、不用意に過去のデータを変更できなくすることもできる。具体的には、入力画面について、ある程度変更を容認する期間を定め、変更不能なデータについてはプルダウンボタンの表示を行わず、単に入力されたデータ(シグナル)の数値のみを表示する、という仕様にする。
(2)前述の二つの実施形態では、所属長が集計等のグラフを表示できる仕様になっていたが、産業医が閲覧できるようにすることもできる。具体的には、閲覧権テーブルに産業医の情報を追記する。産業医のパソコンと会社とをVPN(Virtual Private Network:公衆回線をあたかも専用回線であるかのように利用できるサービス及びその技術。)接続し、産業医も所属長と同様にデータの集計結果等を閲覧できるようにする。社外の中立な立場の人間が観察することにより、社内の人間関係等の束縛に関係なく、公平且つ冷静な視点で会社内の従業員のメンタルヘルスを診察することができる。
(3)集計部はサーバになくてもよい。つまり、部長クラスのパソコン内に備わっていて、当該パソコンから信号気テーブルにアクセスし、集計を行う仕様であってもよい。
(4)日時区分は必ずしも一日4回でなくてもよい。従業員の勤務体系に応じて、一日2回等に変更することもできる。
(5)第2の実施形態では、必ずしも会社内のパソコンからアクセスしなければならない必要はなく、ユーザ認証とデータ入力ができる端末であれば、社外からのアクセスであってもよい。端末もノートパソコンに留まらず、携帯電話を用いることもできる。
本実施形態においては、メンタルヘルス支援システムを開示した。従業員は極めて簡単な、主観に基づく「その時の気分」を継続的に入力し、データベースに蓄積する。そして、入力の度毎にチェックプログラムが実行されることにより、従業員の精神面の健康状態を把握し、鬱病等の発病を未然に防ぐことができる。万が一発病した場合は迅速に産業医に連絡が行くので、産業医が常に会社に常駐する必要がなくなる。
本実施形態のメンタルヘルス支援システムは、表面的には産業医の会社常駐の必要性をなくすものではあるが、その真の目的は、従業員の精神疾患の発生を未然に防ぐことにある。
従業員が継続的に業務に従事できるようにするため、リスクを予見し、適切な処置を行うことで、会社の生産性を維持し、向上させるだけでなく、従業員の健康と生活を守ることが、本実施形態のシステムの最終目的である。
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含むことは言うまでもない。
本発明の一実施の形態による、メンタルヘルス支援システムの全体を概略的に示すブロック図である。 クライアントPCに表示される、信号気入力画面である。 各種テーブルのデータ構造とサンプルのデータを示す。 判定部の動作の流れを示すフローチャートである。 集計部が提供する機能によって表示される表示画面の例である。 本発明の一実施の形態による、メンタルヘルス支援システムの全体を概略的に示すブロック図である。
符号の説明
101…メンタルヘルス支援システム、102…社内LAN、103…アプリケーションサーバ、104、105、106…クライアントのパソコン、107…ユーザ認証部、108…ユーザデータベース、109…データ入力及び編集部、110…判定部、111…閾値ルールファイル、112…集計部、113…ファイアウォール、114…インターネット、115…産業医のパソコン、116…シグナルデータベース、202…「部」項目、203…「課所名」項目、204…「氏名」項目、205…「年月」項目、207…シグナルの凡例、208…入力欄、209…「保存」ボタン、302…信号気テーブル、303…閲覧権テーブル、304…閾値ルールテーブル、601…メンタルヘルス支援システム、603…webサーバ、606…認証cgi、607…ログイン画面html文書、608…ユーザDB、609…入力画面cgi、610…判定cgi、611…閾値ルールファイル、612…集計画面cgi、614…インターネット、615、617…産業医のパソコン、616…シグナルDB、621、622…会社、624、625、627、628…社員のパソコン、626、629…部長クラスのパソコン

Claims (5)

  1. 社員番号フィールドと、入力時点を示す日時区分フィールドと、社員の気分を表す信号気フィールドを備える信号気テーブルと、
    前記信号気テーブルに基づいて、所定のクライアントに前記日時区分フィールドと前記信号気フィールドの入力を行う入力画面を表示させるデータ入力及び編集部と、
    前記入力画面における入力の完了に起因して、前記信号気テーブルに蓄積されているデータと所定の閾値とを比較し、所定の条件に至った場合に担当者へ所定のメッセージを送信する判定部と
    よりなることを特徴とする、メンタルヘルス支援装置。
  2. 更に、前記信号気テーブルについて所定期間内における複数の社員のデータの集計及び表示を行う集計部を備えることを特徴とする、請求項1記載のメンタルヘルス支援装置。
  3. 社員番号フィールドと、入力時点を示す日時区分フィールドと、社員の気分を表す信号気フィールドを備える信号気テーブルと、
    前記信号気テーブルに基づいて、前記日時区分フィールドと前記信号気フィールドの入力を行う入力画面を生成するデータ入力及び編集部と、
    前記入力画面における入力の完了に起因して、前記信号気テーブルに蓄積されているデータと所定の閾値とを比較し、所定の条件に至った場合に担当者へ所定のメッセージを送信する判定部と
    よりなるサーバと、
    前記サーバにネットワーク接続して、前記データ入力及び編集部が生成する前記入力画面を表示し、使用者の操作に応じてデータの入力を行い、前記サーバにデータを送信するクライアントと
    よりなることを特徴とする、メンタルヘルス支援システム。
  4. 更に、前記サーバは、
    前記信号気テーブルについて所定期間内における複数の社員のデータの集計及び表示を行う集計部を備えることを特徴とする、請求項3記載のメンタルヘルス支援システム。
  5. 更に、前記クライアントは、
    前記サーバの前記信号気テーブルを読み込み、所定期間内における複数の社員のデータの集計及び表示を行う集計部を備えることを特徴とする、請求項3記載のメンタルヘルス支援システム。
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