JP2008126834A - 車両の後部車体構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】後部荷室の利用性が阻害される等の問題を生じることなく、車体の剛性を維持して車両の走行安定性等を効果的に向上させる。
【解決手段】車室の底部を形成するフロアパネル1と、このフロアパネル1に沿って車体の前後方向に延びるように設置された左右一対のシートレール8と、このシートレール8に沿ってスライド可能に支持された乗員用シート3とを具備した車両において、上記乗員用シートには車幅方向に延びる補強部材41が設けられるとともに、上記乗員用シート3の左右両側方にはリヤホイールハウス5が設けられ、このリヤホイールハウス5の設置部に、上記補強部材41の左右両端部を移動可能に支持する支持部材42が設けられた。
【選択図】図5
【解決手段】車室の底部を形成するフロアパネル1と、このフロアパネル1に沿って車体の前後方向に延びるように設置された左右一対のシートレール8と、このシートレール8に沿ってスライド可能に支持された乗員用シート3とを具備した車両において、上記乗員用シートには車幅方向に延びる補強部材41が設けられるとともに、上記乗員用シート3の左右両側方にはリヤホイールハウス5が設けられ、このリヤホイールハウス5の設置部に、上記補強部材41の左右両端部を移動可能に支持する支持部材42が設けられた。
【選択図】図5
Description
本発明は、車室の底部を形成するフロアパネルと、このフロアパネルに沿って車体の前後方向に延びるシートレールと、このシートレールに沿ってスライド可能に支持された乗員用シートとを具備した車両の後部車体構造に関するものである。
従来、下記特許文献1に示されるように、左右のリヤサスペンションタワー間にタワーバーを横架し、このタワーバーによってリヤサスペンション相互を結合するとともに、上記タワーバーに、リヤフロア側に結合する補助バーを設け、この補助バーをリヤフロアのクロスメンバと結合することにより、リヤサスペンション周り剛性を大幅に高め、車両の走行安定性を向上させることが行われている。
また、下記特許文献2に示されるように、フロアパネルに沿って車体の前後方向に延びるように設置された左右一対のシートレールを有する車両において、このシートレールに沿って第1後部座席および第2後部座席等からなる複数の乗員用シートをスライド自在に支持することにより、この乗員用シートの配列パターンを多様に変化させ得るように構成された自動車のシートスライド装置が知られている。
特開2001−233237号公報
特開2003−146120号公報
上記特許文献1に開示されているように、左右のリヤサスペンションタワー間にタワーバーを横架し、このタワーバーによってリヤサスペンション相互を結合するように構成した場合には、リヤサスペンションの内倒れ等を防止することにより、車両の走行安定性が低下するのを効果的に防止できるという利点がある。しかし、車体の後部に設けられた荷室内に上記タワーバーが配設されることにより、後部荷室の利用性が阻害されることが避けられないという問題がある。
特に、上記特許文献2に開示されているように、車体の後端部近傍まで乗員用シートを移動可能に配設することにより、乗員用シートの配列パターンを多様に変化させ得るように構成された車両において、左右のリヤサスペンションタワー間を横架する上記タワーバーを設けた場合には、このタワーバーにより後列シートの前後移動が阻害されるため、上記タワーバーを設けることによる走行安定性の向上効果と、乗員用シートの配列パターンを多様化する効果とを両立させることが困難であるという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、後部荷室の利用性が阻害される等の問題を生じることなく、車体の剛性を維持して車両の走行安定性を効果的に向上させることができる車両の後部車体構造を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、車室の底部を形成するフロアパネルと、このフロアパネルに沿って車体の前後方向に延びるように設置されたシートレールと、このシートレールに沿ってスライド可能に支持された乗員用シートとを具備した車両において、上記乗員用シートには車幅方向に延びる補強部材が設けられるとともに、上記乗員用シートの左右両側方にはリヤホイールハウスが設けられ、このリヤホイールハウスの設置部に、上記補強部材の左右両端部を移動可能に支持する支持部材が設けられたものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両の後部車体構造において、車体の前後方向に延びるガイド部材により上記支持部材が構成され、補強部材の側端部に設けられたスライド部材が上記ガイド部材に沿って摺動可能に支持されたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両の後部車体構造において、上記乗員用シートのシートクッションがその後端部に設けられた支持軸を支点にして起立可能に支持されるとともに、この乗員用シートのシートバックに上記補強部材が配設されたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の後部車体構造において、上記リヤホイールハウス内に後輪用のサスペンションダンパーが配設されるとともに、このサスペンションダンパーの取付部を補強する補強部が上記支持部材に設けられたものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の後部車体構造において、車室内の前後に複数列の乗員用シートが配列されるとともに、後列の乗員用シートに上記補強部材が設けられたものである。
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の後部車体構造において、フロアパネルの左右両側辺部に沿って車体の後端部近傍まで延びるように左右一対のロングレールからなるシートレールが設置されるとともに、車幅方向に延びる一体のシートクッションを備えたベンチシートタイプの乗員用シートが上記ロングレールに沿ってスライド自在に支持され、かつこのベンチシートタイプの乗員用シートに上記補強部材が設けられたものである。
請求項7に係る発明は、上記請求項6に記載の車両の後部車体構造において、上記左右一対のロングレールの間に、左右一対のショートレールが配設されるとともに、上記ベンチシートタイプの乗員用シートの前方側に、左右に分割されたセパレートタイプの乗員用シートが配設され、このセパレートタイプの乗員用シートを構成する左右の分割シートが、それぞれ相隣接するロングレールおよびショートレールに沿って個別にスライド自在に支持されたものである。
請求項1に係る発明では、上記補強部材により左右のリヤホイールハウスの設置部を互いに連結してリヤホイールハウス内に配設されたサスペンションダンパーの内倒れ等を防止し、車両の走行安定性を効果的に向上させることができるとともに、車両の側突時に作用する衝撃荷重を上記補強部材により効果的に支持して車両の安全性を向上させることができる。しかも、上記乗員用シートに補強部材を設けたため、この補強部材が後部荷室内に露出してその利用性が阻害される等の問題を生じることなく、上記補強部材により車体の剛性を向上させることができるとともに、上記補強部材の左右両端部を支持部材により移動可能に支持したため、この補強部材とともに乗員用シートをシートレールに沿ってスライド変位させることが許容され、シートの多様な配列パターンが得られるという利点がある。
請求項2に係る発明では、車体の前後方向に延びるガイド部材により上記支持部材を構成し、補強部材の側端部に設けられたスライド部材を、上記支持部材に沿って摺動可能に支持したため、乗員用シートを前後移動させる際に補強部材をスムーズにスライド変位させることができるとともに、この補強部材によりサスペンションダンパーの内倒れ等を効果的に防止できるという利点がある。
請求項3に係る発明では、乗員用シートのシートクッションがその後端部に設けられた支持軸を支点にして起立可能に支持された車両において、上記乗員用シートのシートバックに上記補強部材を配設したため、この補強部材によるサスペンションダンパーの内倒れ防止効果および上記支持部材に沿った補強部材のスライド操作性を阻害することなく、上記シートクッションを起立させた状態で、上記乗員用シートを前列の乗員用シートに近接した位置まで前進させることが可能であり、シートの配列パターンを、より効果的に多様化できるという利点がある。
請求項4に係る発明では、リヤホイールハウス内に後輪用のサスペンションダンパーが配設された車両において、このサスペンションダンパーの取付部を補強する補強部を上記支持部材に設けたため、上記サスペンションダンパーからリヤホイールハウスに入力された荷重を、上記補強部において直接的に支持することができるとともに、上記支持部材等を介して補強部材に上記荷重を効率よく伝達することができ、サスペンションダンパーの内倒れ等を効果的に抑制して車両の走行安定性を向上させることができる。
請求項5に係る発明では、後列の乗員用シートに上記補強部材を設けたため、この後列の乗員用シートを車体の前後方向にスライド変位させることにより、シートの配列パターンを効果的に多様化できるとともに、リヤホイールハウスの近傍に上記乗員用シートを位置させることにより、この乗員用シートに設けられた補強部材を利用してコンパクトな構成で上記サスペンションダンパーの内倒れ等を効果的に抑制できる等の利点がある。
請求項6に係る発明では、フロアパネルの左右両側辺部に沿って車体の後端部近傍まで延びるように左右一対のロングレールが設置されるとともに、車幅方向に延びる一体のシートクッションを備えたベンチシートタイプの乗員用シートを上記ロングレールに沿ってスライド自在に支持し、かつこのベンチシートタイプの乗員用シートに上記補強部材を設けたため、この補強部材により容易かつ効果的に左右のリヤホイールハウスを連結してサスペンションダンパーの内倒れ等を効果的に抑制できる等の利点がある。
請求項7に係る発明では、左右一対のロングレールの間に、左右一対のショートレールを配設するとともに、上記ベンチシートタイプの乗員用シートの前方側に、左右に分割されたセパレートタイプの乗員用シートを配設したため、このセパレートタイプの乗員用シートを構成する左右の分割シートを、それぞれ上記ロングレールおよびショートレールに沿って個別にスライド変位させることにより、さらにシートの多様な配列パターンが得られるという利点がある。
図1および図2は、本発明に係る車両の後部車体構造の実施形態を示している。この車両の車室底部を形成するフロアパネル1上には、互いに独立した左側シート2aおよび右側シート2bからなる中列の乗員用シート2が配設されているとともに、その後方側には、車幅方向に延びる一体のシートクッションを備えたいわゆるベンチシートタイプからなる後列の乗員用シート3が配設されている。上記中列の乗員用シート2は、図示を省略した運転席シートおよび助手席シートからなる前列シートの後方側に配設されている。
上記フロアパネル1の下面には、その左右両側辺部に沿って前後方向に延びるようにリヤサイドフレームからなる車体フレーム4が設置されている。図3は、上記乗員用シート2,3等を取り外した状態におけるフロアパネル1を上側から見たものである。この図3に示すように、後部車体の側方部には、車室内側に膨出するリヤホイールハウス5が設けられるとともに、その前方側には、車体の前後方向に延びるサイドシル6が設置されている。また、上記フロアパネル1の後方部には、下方に向けて凹入する荷室空間部7が形成されている。
上記フロアパネル1上には、左右一対の外側レール(ロングレール)8,8と、この外側レール8,8の間において前後方向に延びる左右一対の内側レール9,9(ショートレール)とからなるシートレールが設置されている。上記外側レール8および内側レール9は、図4および図5に示すように、上面が開口した所定の強度を有する断面C字状の溝型鋼等からなり、これらの外側レール8および内側レール9に沿って上記乗員用シート2,3が、それぞれ前後方向の所定範囲に亘りスライド可能に支持されている。
上記外側レール8は、前列シートの設置部に近接した位置から車体の後端部、具体的にはリヤバンパーレインフォースメント11の設置部まで延設され、上記外側レール8の後端部に設けられた取付プレート8aが、リヤバンパーを構成するリヤバンパーレインフォースメント11の上方部に取付ボルトを介して固定されている(図1および図3参照)。一方、上記内側レール9は、前列シートの設置部に近接した位置から荷室空間部7の前方部まで延設され、その全長が上記外側レール8よりも短く設定されている。
また、上記外側レール8および内側レール9は、後上がりに傾斜した状態で設置されることにより、略水平に設置された上記フロアパネル1との離間距離が、後方に至るに従い大きくなるように設定されている。そして、中列の乗員用シート2を構成する左側シート2aが、車体左側の外側レール8およびこれに隣接した内側レール9に沿ってスライド可能に支持されるとともに、右側シート2bが、車体右側の外側レール8およびこれに隣接した内側レール9に沿ってスライド可能に支持され、かつ後列の乗員用シート3が、左右一対の外側レール8,8に沿ってスライド可能に支持されている。上記車体フレーム4は、図4に示すように、上面が開口した断面コ字状のフレーム本体4aと、その内側辺部および外側辺部の上端に突設された上部フランジ4b,4cとを有し、上記外側レール8の設置部に対応する側方位置でフロアパネル1の下面に沿って車体の前後方向に延びるように設置されている。
上記リヤホイールハウス5の設置部には、図5および図6に示すように、その車室内側縦壁部と、フロアパネル1の車室内側面(上面)とを接続する補強ガセット部材12が設けられ、この補強ガセット部材12に上記外側レール8が取り付けられている。上記補強ガセット部材12は、リヤホイールハウス5の車室内側縦壁部に接合される上部フランジ17と、その下端部から車体の内方側に延びる上壁部18と、その車内側部位に設けられたレール設置用の段部19と、その内側端部から下方に延びる側壁部20と、その下端部から車内側に向けて突設された内部フランジ21と、上記上壁部18および側壁部20の前面および後面を覆うように設置された前後の縦壁部22と、この縦壁部22の下端部に突設された下部フランジ23とを有している。
そして、上記補強ガセット部材12の上部フランジ17が、取付ボルト24を介してリヤホイールハウス5の車室内側縦壁部に固定されるとともに、上記内部フランジ21が、取付ボルト25を介して荷室空間部7の設置部に近接したフロアパネル1の部位および車体フレーム4の上部フランジ4bに固定され、かつ上記下部フランジ23が、取付ボルト26を介してフロアパネル1の外側端部に固定されることにより、リヤホイールハウス5の車室内側縦壁部と、フロアパネル1の車室内側面(上面)とが上記補強ガセット部材12を介して接続されている。また、上記外側レール8が、補強ガセット部材12の段部19上に載置されてボルト止めまたは溶接等の手段で補強ガセット部材12に固定されることにより、後上がりに傾斜した状態で設置された上記外側レール8と、略水平に設置された上記フロアパネル1との間に、補強ガセット部材12が配設されるようになっている。
上記外側レール8および内側レール9の前端部近傍部位と、外側レール8および内側レール9の前端部から所定距離だけ後方側に位置する部位(中央部)との下方には、図1および図3に示すように、フロアパネル1の車室内側面(上面)に沿って車幅方向に延びるNo.3クロスメンバ、つまり車体の前方側から数えて3番目のクロスメンバ13およびNo.4クロスメンバ、つまり車体の前方側から数えて4番目のクロスメンバ14が設置され、このNo.3,No.4クロスメンバ13,14の左右両端部がサイドシル6または車体側壁部に接合されている。また、上記No.3,No.4クロスメンバ13,14の前方側には、レールブラケット15,16がそれぞれ設置され、このレールブラケット15,16を介して外側レール8および内側レール9の前端部近傍部位と中央部とが上記No.3,No.4クロスメンバ13,14にそれぞれ接続されている。
上記外側レール8および内側レール9の前端部近傍部位をNo.3クロスメンバ13に接続するレールブラケット15は、図3および図7に示すように、平面から見て後端部が後拡がりの台形状に形成された上壁部28と、その左右両側辺部から下方に延びる側壁部29と、その後端部に設けられた後部フランジ30と、上記側壁部29の下端部に設けられた下部フランジ31と、左右側壁部29の前面を覆うように設置された前壁部32とを有し、上記レールブラケット15の上壁部28に外側レール8および内側レール9がボトル止めまたは溶接等の手段で固定されるようになっている。
そして、上記レールブラケット15の後部フランジ30が、No.3クロスメンバ13の前壁面に取付ボルト33を介して固定されるとともに、上記下部フランジ31の前方部が取付ボルト34を介してフロアパネル1の上面に固定されることにより、外側レール8および内側レール9の前端部近傍部位をNo.3クロスメンバ13に接続する所定長さのレールブラケット15が、上記No.3クロスメンバ13の前方側に配設されるようになっている。なお、上記外側レール8および内側レール9の中央部をNo.4クロスメンバ13に接続するレールブラケット16は、上記レールブラケット15と略同様の構成を有しているため、その説明を省略する。また、上記荷室空間部7の前端部に近接したフロアパネル1の部位には、その上面に取付ボルトを介して固定される底壁部と前後一対の縦壁部とを有する支持ブラケット38が設置され、この支持ブラケット38により、上記内側レール9の後端部近傍部位が支持されるように構成されている(図1および図3参照)。
また、図5および図8に示すように、上記乗員用シート3のシートバック40には、車幅方向に延びるパイプ材等からなる補強部材41が設けられるとともに、上記乗員用シート3の左右両側方に設けられたリヤホイールハウス5の設置部には、上記補強部材41の左右両端部を移動可能に支持する支持部材42が車体の前後方向に延びるように設けられている。この支持部材42は、車幅方向の内側面側が開口したC型鋼等からなり、上記リヤホイールハウス5の上面において上記外側レール8と平行に設置されている。
上記支持部材42の上面には、車体の前後方向に延びる長孔43が形成されるとともに、支持部材42の内部には、上記補強部材41の左右両側端部に設けられた直方体状のブロック体等からなるスライド部材44が摺動可能に支持されている。このスライド部材44の上面に形成されたねじ孔47に、ねじ付きノブからなる係止部材45のねじ軸46が螺着されることにより、上記スライド部材44が支持部材42の上壁部底面に圧接され、このスライド部材44が支持部材42を介してリヤホイールハウス5に固定されるようになっている。
また、上記スライド部材44の係止状態を解除する方向に係止部材45のノブを回動操作すると、上記支持部材42に沿ってスライド部材44がスライド変位することが許容されるようになっている。したがって、上記乗員用シート3を外側レール8に沿ってスライド変位させる際には、上記係止部材45によるスライド部材44の係止状態を解除することにより、乗員用シート3の前後移動に応じ、上記スライド部材44が支持部材42に沿って車体の前後方向にスライド変位することが許容されるように構成されている。
上記支持部材42の車外側の壁面には、プレート状の補強部49が設けられ、この補強部49が、上記リヤホイールハウス5内に配設された後輪用のサスペンションダンパー48の取付部に対応する位置に取り付けられることにより、このサスペンションダンパーの取付部が補強されるようになっている。そして、上記サスペンションダンパー48の上端部からリヤホイールハウス5に入力された荷重が、上記補強部49、支持部材42およびスライド部材44を介して上記補強部材41に伝達されるようになっている。
また、上記乗員用シート3のシートバック40に設けられた補強部材41は、このシートバック40の傾動支点となり、この補強部材41を中心にシートバック40を傾動変位させることによりその設置角度が調節されるように構成されている。また、図1に示すように、上記乗員用シート3のシートクッション50は、その後端部に設けられた支持軸51を支点として起立可能に支持され、乗員用シート3の不使用時には、後述するように上記シートクッション50を起立した状態に保持し得るようになっている。
上記のように車室の底部を形成するフロアパネル1と、このフロアパネル1に沿って車体の前後方向に延びるように設置されたシートレール8と、このシートレール8に沿ってスライド可能に支持された乗員用シート3とを具備した車両において、上記乗員用シート3に車幅方向に延びる補強部材41を設けるとともに、上記乗員用シート3の左右両側方に位置するリヤホイールハウス5の設置部に、上記補強部材41の左右両端部を移動可能に支持する支持部材42を設けたため、後部荷室の利用性が阻害される等の問題を生じることなく、車体の剛性を維持して車両の走行安定性を効果的に向上させ、かつ側突時における車体の変形を効果的に防止できるという利点がある。
すなわち、上記補強部材41を介して左右のリヤホイールハウス5の設置部を互いに連結するように構成したため、このリヤホイールハウス5内に配設されたサスペンションダンパー48の内倒れ等を防止することができ、これによって車両の走行安定性を効果的に向上させることができるとともに、車両の側突時に作用する衝撃荷重を上記補強部材41により効果的に支持して車両の安全性を向上させることができる。しかも、上記乗員用シート3に補強部材41を設けたため、この補強部材41が後部荷室内に露出してその利用性が阻害される等の問題を生じることなく、上記補強部材41により車体の剛性を向上させることができる。さらに、上記補強部材41の左右両端部を支持部材42により移動可能に支持したため、上記外側レール8からなるシートレールに沿って乗員用シート3をスライド変位させることが許容される。したがって、上記補強部材41によるサスペンションダンパー48の内倒れ防止効果等を阻害することなく、上記乗員用シート3を前後移動させることにより、シートの多様な配列パターンが得られるという利点がある。
また、上記実施形態では、車体の前後方向に延びるガイド部材により上記支持部材42が構成され、補強部材41の側端部に設けられたスライド部材44を、上記支持部材42に沿って摺動可能に支持したため、上記スライド部材44および補強部材41とともに乗員用シート3をシートレール8に沿ってスライド変位させることが許容され、上記乗員用シート3をスムーズに前後移動させることができるとともに、上記補強部材41によりサスペンションダンパー48の内倒れ等を効果的に防止できるという利点がある。
特に、図5および図8等に示すように、リヤホイールハウス5の上面において上記外側レール8と平行に設置された支持部材42の上面に、車体の前後方向に延びる長孔43を形成するとともに、支持部材42内に、上記補強部材41の左右両側端部に設けられた直方体状のブロック体等からなるスライド部材44を摺動可能に配設し、このスライド部材44の上面に形成されたねじ孔47に、ねじ付きノブからなる係止部材45のねじ軸46を螺着することにより、上記スライド部材44を支持部材42の上壁部底面に圧接させてスライド部材44を支持部材42に固定するように構成した場合には、上記係止部材45のノブを回動操作することにより、上記スライド部材44をロック状態とアンロック状態とに容易に移行させることができる。このため、必要に応じてスライド部材44をアンロック状態として上記乗員用シート3のスライド変位に追従させて上記スライド部材44をスライド変位させることができるとともに、スライド部材44をロック状態とすることにより、上記補強部材41を介してサスペンションダンパー48の内倒れ等を効果的に防止できるという利点がある。
また、上記実施形態では、乗員用シート3のシートクッション50がその後端部に設けられた支持軸51を支点にして起立可能に支持された車両において、上記乗員用シート3のシートバック40に上記補強部材41を配設したため、この補強部材41によるサスペンションダンパー48の内倒れ防止効果および上記支持部材42に沿った補強部材41のスライド操作性を阻害することなく、図9に示すように、上記シートクッション50を起立させた状態で、上記後列の乗員用シート3を前列の乗員用シート2に近接した位置まで前進させることができ、シートの配列パターンを効果的に多様化することができる。
特に、上記実施形態に示すように、乗員用シート3のシートバック40に設けられた補強部材41を支点にしてシートバック40を傾動変位させることにより、その設置角度を調節可能に構成した場合には、この補強部材41によるサスペンションダンパー48の内倒れ防止効果および上記支持部材42に沿った補強部材41のスライド操作性等を阻害することなく、乗員の好みに応じてシートバック40の設置角度を調節できるという利点がある。なお、上記シートバック40に補強部材41を設けた上記実施形態に代え、上記シートクッション50の後端部に設けられた支持軸51を補強部材として利用するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、リヤホイールハウス5内に後輪用のサスペンションダンパー48が配設された車両において、このサスペンションダンパー48の取付部を補強する補強部49を上記支持部材42に設けた場合には、上記サスペンションダンパー48からリヤホイールハウス5に入力された荷重を上記補強部49において直接的に支持することができるとともに、上記支持部材42およびスライド部材44を介して補強部材41に効率よく伝達することができるため、サスペンションダンパー48の内倒れ等を効果的に抑制して車両の走行安定性を向上させることができる。
さらに、上記のように車室内の前後に複数列の乗員用シート2,3等が配列された車両において、後列の乗員用シート3に上記補強部材41を設けた場合には、この後列の乗員用シート3を車体の前後方向にスライド変位させることにより、シートの配列パターンを効果的に多様化できるとともに、リヤホイールハウス5の近傍に上記乗員用シート3を位置させることにより、この乗員用シート3に設けられた上記補強部材41を利用してコンパクトな構成でサスペンションダンパー48の内倒れ等を効果的に抑制できる等の利点がある。
また、上記実施形態では、フロアパネル1の左右両側辺部に沿って車体の後端部近傍まで延びるように左右一対の外側レール8からなるシートレールが設置されるとともに、車幅方向に延びる一体のシートクッション50を備えたベンチシートタイプの乗員用シート3を上記外側レール8に沿ってスライド自在に支持し、かつこのベンチシートタイプの乗員用シート3に上記補強部材41を設けたため、この補強部材41により容易かつ効果的に左右のリヤホイールハウス5を連結してサスペンションダンパー48の内倒れ等を効果的に抑制できる等の利点がある。
なお、上記後列の乗員用シート3と同様に中列の乗員用シートをベンチシートタイプに構成することも可能であるが、上記実施形態に示すように、左右一対の外側レール8からなるロングレールの間に、左右一対の内側レール9からなるショートレールを配設するとともに、上記ベンチシートタイプの乗員用シート3の前方側に、左右に分割された左側シート2aおよび右側シート2bからなるセパレートタイプの乗員用シート2を配設し、上記相隣接するロングレールおよびショートレールに沿って、セパレートタイプの乗員用シート2を構成する上記左側シート2aおよび右側シート2bを、それぞれ個別にスライド自在に支持した場合には、左側シート2aおよび右側シート2bの前後位置を変化させる等により、さらにシートの多様な配列パターンが得られるという利点がある。
また、上記セパレートタイプの乗員用シート2を構成する左側シート2aおよび右側シート2bと、外側レール8および内側レール9との間に、上記左側シート2aおよび右側シート2bを、それぞれ車幅方向にスライド可能に支持する横スライドレールを設けた構造としてもよい。このように構成した場合には、上記横スライドレールに沿って左側シート2aおよび右側シート2bを車幅方向にスライド変位させることにより、必要に応じて左右両シート2a,2bの設置間隔を変化させることができるため、さらにシートの多様な配列パターンが得られるという利点がある。
上記実施形態では、外側レール8が取り付けられる補強ガセット部材12を、所定の剛性を有するリヤホイールハウス5の車室内側縦壁部とフロアパネル1の上面とを接続するように取り付けたため、上記外側レール8の中央後方部に支持剛性を充分に確保することができる。したがって、上記外側レール8を利用して車体の剛性を効果的に向上させることができ、車体重量や製造コストの増大等を防止しつつ、車両の後突時に車体後部に入力された大きな衝撃荷重を、上記外側レール8を介して車体の各部に伝達して分散支持することにより、車体が大きく変形するのを効果的に防止できるとともに、車両の走行時にリヤサスペンション等から入力される荷重に応じて車体が変形することに起因して走行安定性が損なわれること等を効果的に防止できるという利点がある。
また、上記のように車室の底部を形成するフロアパネル1と、このフロアパネル1に沿って車体の前後方向に延びるように設置されたロングレールからなる外側レール8と、ショートレールからなる内側レール9とを具備した車両において、この外側レール8および内側レール9からなるシートレールを後上がりの傾斜状態で設置するとともに、外側レール8および内側レール9に沿って乗員用シート2,3をスライド可能に支持した構成によれば、快適な車室内の居住空間が得られるという利点がある。
例えば、図10および図11に示すように、車室の前面およびルーフ部の前部に、フロントガラス52およびルーフガラス53が連続して設置されたいわゆるパノラマルーフタイプの車両において、上記のように外側レール8および内側レール9からなるシートレールを後上がりの傾斜状態で設置した場合には、運転席および助手席からなる最前列の乗員用シート54の設置高さH1に比べ、その後方側に位置する中列の乗員用シート2および後列の乗員用シート3の設置高さH2およびH3を順次大きく設定することにより、中列および後列の乗員用シート2,3に着座した乗員の視界、つまり上記フロントガラス52およびルーフガラス53等を介して外部を視認する際の視界を充分に確保することができる。
また、上記実施形態では、外側レール8をリヤバンパーレインフォースメント11の設置部まで延出したため、車両の後突時等に、上記リヤバンパーレインフォースメント11に入力された衝撃荷重を上記外側レール8により直接支持することができ、車体の変形を効果的に防止できるという利点がある。特に、上記実施形態に示すように、フロアパネル1の下面に沿って車体の前後方向に延びるように設置された車体フレーム4の後端部を上記外側レール8の後端部よりも所定距離だけ下方側に位置するように配設した場合には、上記外側レール8および車体フレーム4により車体の前後方向に延びる立体的な補強構造が構成されるため、車両の後突時等に入力された衝撃荷重を、より安定して支持できるという利点がある。
1 フロアパネル
2,3 乗員用シート
5 リヤホイールハウス
8 外側レール(シートレール)
9 内側レール(ショートレール)
40 シートバック
41 補強部材
42 支持部材
48 サスペンションダンパー
50 シートクッション
51 支持軸
2,3 乗員用シート
5 リヤホイールハウス
8 外側レール(シートレール)
9 内側レール(ショートレール)
40 シートバック
41 補強部材
42 支持部材
48 サスペンションダンパー
50 シートクッション
51 支持軸
Claims (7)
- 車室の底部を形成するフロアパネルと、このフロアパネルに沿って車体の前後方向に延びるように設置されたシートレールと、このシートレールに沿ってスライド可能に支持された乗員用シートとを具備した車両において、上記乗員用シートには車幅方向に延びる補強部材が設けられるとともに、上記乗員用シートの左右両側方にはリヤホイールハウスが設けられ、このリヤホイールハウスの設置部に、上記補強部材の左右両端部を移動可能に支持する支持部材が設けられたことを特徴とする車両の後部車体構造。
- 車体の前後方向に延びるガイド部材により上記支持部材が構成され、補強部材の側端部に設けられたスライド部材が上記ガイド部材に沿って摺動可能に支持されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の後部車体構造。
- 上記乗員用シートのシートクッションがその後端部に設けられた支持軸を支点にして起立可能に支持されるとともに、この乗員用シートのシートバックに上記補強部材が配設されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の後部車体構造。
- 上記リヤホイールハウス内に後輪用のサスペンションダンパーが配設されるとともに、このサスペンションダンパーの取付部を補強する補強部が上記支持部材に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の後部車体構造。
- 車室内の前後に複数列の乗員用シートが配列されるとともに、後列の乗員用シートに上記補強部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の後部車体構造。
- フロアパネルの左右両側辺部に沿って車体の後端部近傍まで延びるように左右一対のロングレールからなるシートレールが設置されるとともに、車幅方向に延びる一体のシートクッションを備えたベンチシートタイプの乗員用シートが上記ロングレールに沿ってスライド自在に支持され、かつこのベンチシートタイプの乗員用シートに上記補強部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の後部車体構造。
- 上記左右一対のロングレールの間に、左右一対のショートレールが配設されるとともに、上記ベンチシートタイプの乗員用シートの前方側に、左右に分割されたセパレートタイプの乗員用シートが配設され、このセパレートタイプの乗員用シートを構成する左右の分割シートが、それぞれ相隣接するロングレールおよびショートレールに沿って個別にスライド自在に支持されたことを特徴とする請求項6に記載の車両の後部車体構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006314018A JP2008126834A (ja) | 2006-11-21 | 2006-11-21 | 車両の後部車体構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006314018A JP2008126834A (ja) | 2006-11-21 | 2006-11-21 | 車両の後部車体構造 |
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JP2008126834A true JP2008126834A (ja) | 2008-06-05 |
Family
ID=39553110
Family Applications (1)
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JP2006314018A Pending JP2008126834A (ja) | 2006-11-21 | 2006-11-21 | 車両の後部車体構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008126834A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017170988A (ja) * | 2016-03-22 | 2017-09-28 | 株式会社Subaru | 車両の側面衝突時の乗員保護構造 |
-
2006
- 2006-11-21 JP JP2006314018A patent/JP2008126834A/ja active Pending
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