本発明は、航空機の巡航時の前進方向を基準にした場合の機体の側面や側壁に取り付けて、格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼と、展帳した状態のシュラウド付回転翼をもって空中を自在に飛行することのできる航空機の実現方法に関する。
ヘリコプターの歴史はいつからをもってはじめとするかは異論があるが、現在使用されているヒンジ(関節)を有し、サイクリックコントロールとコレクティブピッチコントロールを可能にした1923年のパステラ・ペスカラの同軸反転式ヘリコプター3号機をもってすれば、発明されてから約80年を経過する。この間、回転翼の翼端からガスを噴出したり、翼端にラムジェットの取り付けや、ターボジェットそのものを取り付けて、翼端での力の発生を試みた機体も存在するが、多くは、駆動のための動力を回転翼の翼心部の回転軸に接続して飛行してきた。このため、以下、動力を回転翼の翼心部の回転軸に接続し、回転翼で発生した揚力は、回転軸を経由して機体に伝達するタイプを、従来型のヘリコプターと呼称する。
回転翼を駆動する動力を翼心部の回転軸に接続する方式は、動力を回転翼の翼端部で発生させる方式に比べると、てこの原理によって、トルク発生の効率が悪い。このため、翼端からガスを噴射したり、直径60m(回転半径30m)の回転翼の翼端にターボジェットを取り付けて回転させる英国での実験や、ラムジェットを取り付ける構想や、特許文献5のように翼端とそれを覆うシュラウドの間に電磁石と永久磁石とを配設してリニアモーターの駆動原理を形成し、効率が最も良い翼端での駆動力の発揮を追求した試みもある。しかしながら、翼端において力の作用点を求める試みでは、回転翼の枚数によって作用点の数が制限を受け、例えば、2枚羽根では2カ所、5枚羽根では5カ所、8枚羽根では8カ所だけで全揚力を得るための力を発生することを求められる。このため、ターボジェットやラムジェット、あるいは電磁石と永久磁石のセットでは、著しく大きな力の発生を必要とするため、所要の力を得ることができず実現ができなかった。
回転翼の翼心部の回転軸に動力を接続する従来型のヘリコプターは、回転翼の翼端を空中に浮遊させる開放翼端で、回転翼が発生した揚力は、回転軸を経由して機体に伝達される。
この際の回転翼の翼幅が同じ幅で、かつ回転面に対する回転翼の角度(以下、ピッチ角)が、翼端から翼心まで一定であった場合、回転翼の翼端部と翼心部では大気との相対速度(以下、対気速度)が異なるので、発生する揚力は、対気速度の速い翼端では、著しく大きく、対気速度の遅い翼心では、著しく小さい。よって、従来型のヘリコプターの翼端部の揚力が翼心部に比べ著しく差が大きな場合には、回転翼のブレードが反り曲がって揚力を減じたり、欠損するおそれが生じる。このため、従来型のヘリコプターにおいては、回転翼の翼端の翼幅を狭くするか、ピッチ角を寝かせて限りなく0°に近づけて(翼端が−2°や−3°のマイナスとなるピッチ角もある)、翼端で発生する揚力を抑制したり、逆に翼心のブレード幅を増し、ピッチ角は立たせて15°前後にして、翼心で発生する揚力を増強して、図49で示すように回転翼の全体で均一な揚力を発生することを理想的な形態とした。
したがって、回転翼がその発生する揚力を最も効率的に発生するためには、相対風に対する回転翼の角度(以下、迎角)が、10〜7°といわれているのであるが、従来型のヘリコプターの回転翼では、迎角のもとになるピッチ角が、10〜7°になっている部分は、図49で示す通り回転翼の一部分であって、しかも、対気速度が速く最も効率的に揚力を発生できる翼端には、ピッチ角の10〜7°を適用することはできないから、効率の良い揚力の発生を不可能とするところの構造を本質的に有していることになる。
てこの原理から最も効率の良い翼端部で、力の作用点を求めるに際し、特許文献2及び特許文献4は、回転翼の枚数の制限を受けない方式として、回転翼の翼端を回転ダクトや円環で繋ぎ、回転翼を覆う回転ダクトや円環の外周部の全周においてリニアモーターの駆動原理を適用して回転させる方式を提案した。これによって、リニアモーターの駆動原理を構成する電磁石と永久磁石の配置は、ブレードの枚数による制限を脱して回転翼の全周となり、駆動のための力の作用点を数多くもつことを可能とした。作用点を全周とすることによって、リニアモーターを構成する電磁石と永久磁石との1個セットが発生すべき力の大きさは、これまでの翼端で電磁石と永久磁石とのセットが発生すべき力の大きさに比べて飛躍的に小さくできる。これによって、電磁石と永久磁石の大きさや流すべき電流量及び電線の太さの選択度は増し、計算が容易となって、実現可能となった。
ただし、特許文献4の電磁力利用のダクテッドファンは、電磁力を含む他の請求項においても、回転翼の伸縮を5mm以内であることを想定し、回転翼のブレードの大きな伸縮に対応する仕組みを欠いている。中でも、請求項6のローターブレードの翼端に接合し固着された突部付円環は、特許文献6の他の方式では持つ小さな収縮に対応するための孔や突起の仕組みも有さない。突部付円環の外周部とシュラウド側の内周部は、ボールベアリングで接触しているが、回転翼が直径20m(回転半径10m)の長大なものとなると、回転翼は、回転時の遠心力の影響で大きく伸張する。このため、回転翼の翼端は、円環によって繋がれている分その影響を軽減できたとしても、ブレード長及び円環の径は拡張してシュラウドとの接触が避けられず回動不能となる。仮に、円環とシュラウドの間に、新たにベアリングを挿入したとしても、そのベアリングを圧し回転不能にしたり、破砕してしまうことも考えられる。また、温度上昇・下降による伸縮の方は、回転翼のブレードのみならず円環そのものも伸縮するので、さらに深刻な影響を与える可能性が高い。また、回転翼のブレードが長大になると、回転時における振動や、振動から派生する定常波が生まれることもあり、最悪の場合には、円環とブレードの接合部を破壊したり、円環そのものを破砕することも考えられる。したがって、特許文献4の請求項6に基づく電磁力利用のダクデッドファンは、その明細書の段落0014で想定している通り、直径1.2m(回転半径0.6m)以下の場合に使用できても、大きな直径(回転半径)をもつ回転翼で使用することはできない。
翼端にリアモーターの駆動原理を適用した特許文献5や、翼端部(回転ダクトや円環を含む)にリニアモーターの駆動原理を適用した特許文献2及び特許文献4は、発生した揚力を回転翼を覆うシュラウドを経由して機体に伝達する。このため、図50で示すように揚力が回転翼のブレードの翼端付近に偏って著しく大きく発生しても支障がない。したがって、従来型のヘリコプターでは、対気速度の速い翼端のピッチ角を限りなく0°に近づけ、逆に、対気速度の遅い翼心のピッチ角を15°前後として、回転翼全域の揚力を均一化するためブレードをねじって作成(ねじり下げ)していたが、特許文献2、特許文献4及び特許文献5では、その必要がなく、翼端を含め回転翼のブレード全域で最も効率的に揚力が発生できるピッチ角を採用することができる。このため、ピッチ角は、図50で示す通り一定でも良く、例えば、全域を7°で作成することが可能である。このように、回転翼の全域を最適な迎角を得られるピッチ角にすることによって、従来型のヘリコプターの回転翼が発生する同じ大きさの揚力を、はるかに小さな直径(回転半径)の回転翼で実現することができる。
特許文献2は、リニアモーターの駆動原理による作用点を翼端部の全周で得ることができることや、長大なブレードを持つ大きな回転翼においても、遠心力や温度変化によるブレードの伸縮に対応でき、かつ駐機時のブレードの垂れ下がりや回転時の振動や定常波の発生を抑えることができる仕組みを持ち、小さな直径(回転半径)でも大きな揚力や推力を発生できる優れた効果を有する。しかしながら、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼にフェザリングヒンジを付けずに航空機の機体の両側面に取り付けて、揚力発生装置として運用した場合には、離陸して間もない頃の回転翼の揚力不均衡を原因として生じるところの振動を伴う横方向への動きとなる貫流速効果(誘導流効果)は、機体の両側の対称的な位置に回転ダクト方式シュラウド付回転翼を取り付けることによって機体を介して相殺され影響が出ないが、揚力不均衡のもう一つの効果である転移揚力は、機体の前進速度が約30km/h(約12kt)頃から顕著に現れる。この転移揚力は、機体前方を持ち上げる(ノーズアップ)方向に作用するので機体の頭を上げて、速度の増加を阻害する。このため、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼にフェザリングヒンジを取り付けずに揚力発生装置として用いた場合には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼全体を前方に傾ける(水平を基準とした場合にマイナス方向の俯角をとる)ことができるティルト装置とともに使用する必要がある。ティルト装置によって回転ダクト方式シュラウド付回転翼全体を傾けて転移揚力を抑える場合は、最大でブレードのピッチ角までのティルトが必要になる。したがって、ピッチ角を7°として作成した回転ダクト方式シュラウド付回転翼の場合には、最大で7°まで、回転ダクト方式シュラウド付回転翼全体を前方にティルトできるティルト装置を必要とし、ティルト装置を伴わない回転ダクト方式シュラウド付回転翼の使用は、前進飛行において大きなエネルギーロスを生じる。
特許文献4及び特許文献5は、翼端もしくは翼端部にリニアモーターの駆動原理を適用した回転翼を、従来型のシングルローターのヘリコプターのテールローターに適用した実施例である。また、特許文献1は、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼を急速風向変更装置に取り付けて一体化し急速風量発生風向変更装置としたものを、機体の側面や側壁に取り付けた航空機の実施例である。特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼は、フェザリングヒンジを付けずに揚力装置として水平にして使用する場合には、転移揚力の影響を除去もしくは軽減できる分の角度で前方に傾けることができるティルト装置が必要であるが、特許文献1では、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼を任意のティルトが可能な急速風向変更装置に取り付けて運用するので、速度や相対風に応じたティルト(図上算定では、水平面を基準とした場合に−2〜−7°の俯角)を回転ダクト方式シュラウド付回転翼に与えることができる。よって、特許文献1では、前進時の転移揚力によるノーズアップを抑えることができるので、速度を阻害する要因を除去して高速で飛行することができる。
特許文献3は、2重にしたラックピニオン形シリンダ装置の内側にファンエンジンを取り付け、2軸でティルトさせる機構を有し、ファンエンジンの向きは全周の360°としている。ラックピニオン形シリンダ装置は、回動速度を速くできる反面、ラックギアの長さによる作動範囲の限界がある。したがって、狭い範囲において高速でティルトさせる場合に有効であっても、全周の360°や360°を越える広い範囲での使用は、回動速度を遅くしたり、力不足を生じさせる可能性が高いので使用には適さない。
特許文献6は、巡航時の前進方向を基準にした場合の機体の前方に1基、後方に1基の合計で2基の回転翼を取り付けたものであるが、翼心部の回転軸に駆動力を作用させ、発生した揚力は翼心部の回転軸を介して機体に伝達して飛行する従来型のヘリコプターであって、従来から飛行しているタンデムタイプのヘリコプター、例えば、V−107(バートル)やCH−47(チヌーク)等の多ローター機と、飛行特性において変わるものではなく、特に優れた効果を有するものではない。しかしながら、特許文献6の従来型の回転翼を、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼に換装し、特許文献3や特許文献7の2軸のティルト装置と組み合わせて作成することによって、特許文献6は、本発明とは飛行方式を異にする新たな航空機を構成することができる。
特許第3677748号(請求項1、請求項2、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図15、図16)
特許第3595988号(請求項1、図1、図3、図5、図8)
特開2003−137192号公報(請求項1、請求項2、請求項5、図1、図2、図5、図6、図8、図9、図10、図11、図12)
特開2001−097288号公報(請求項6、0042、0043、0044、0045、図7、図8)
特開平7−205897号公報(請求項1、0001、0008、図1、図2、図3)
特開平7−125696号公報(請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、0015、0021、0026、0031、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8)
特願2004−227323号(請求項2、図5、図6、図7、図8、図9、図12)
シュラウド付回転翼を機体に取り付けて揚力や推力を発生して飛行する航空機は、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼と急速風向変更装置を組み合わせた急速風量発生風向変更装置を機体の側面に取り付けた特許文献1としてあるが、特許文献1の航空機は、その急速風量発生風向変更装置が機体の側方に大きく伸びて場所を占有し、たたむことも困難であった。本発明は、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板に収めることを可能にし、航空機が地上に降りて回転ダクト方式シュラウド付回転翼を停止した場合には、たたんで場所の占有を最小限とすることができ、底板から出して展帳すると機体に対し回転ダクト方式シュラウド付回転翼が機体に対して直立し、揚力もしくは推力を出し得る状態となって、航空機を飛行可能とすることが課題である。
本発明では、機体と回転ダクト方式シュラウド付回転翼とを繋ぐ底板内に特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納可能とすることによって、地上駐機時の機体の占有面積を減ずるとともに、底板から引き出して展帳すると回転ダクト方式シュラウド付回転翼が機体に対して容易に直立し、揚力や推力を発生できる仕組みを作って、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を機体に取り付けた航空機の運用を容易にすることができる。
本発明では、回転翼の翼端部において効率よく駆動力を発生できる回転ダクト方式シュラウド付回転翼を用いるので、従来型のヘリコプターの回転翼に比べて、著しく小さな直径(回転半径)でも、同様の揚力を発生できる。回転翼の直径(回転半径)が小さなサイズで充分な揚力もしくは推力を発生できる回転ダクト方式シュラウド付回転翼は、航空機の機体側面にたたむことを容易にするサイズとすることができるので、これに油圧ピストン装置や電動ウォームギア装置、またはパンタグラフの機構によって、機体と回転ダクト方式シュラウド付回転翼とを繋ぐ底板の中に格納したり、底板の中から展帳したりすることが可能になって、地上に駐機した場合や、他の交通機関、例えば、特許文献1の空中フェリーに積載する場合や、あるいは海上フェリーや陸上輸送の際の占有面積を少なくすることに益がある。特に、小さなもので自律航法装置を積んだ小型無線操縦機を作成したような場合には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼をたたんで底板に格納することによって、例えばワンボックスカーのような手近な車両での運搬も可能となる。
本発明には、翼端部の全周において効率よく駆動力を作用させることができる特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼もしくは特許文献4の請求項6の電磁力利用のダクテッドファンを使用する。このうち、一方の特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼は、回転翼のブレードの伸張や回転ダクトそのものの膨張に際しても対応できる仕組みを、翼端部のシュラウドと回転ダクトとの接触部に有し、また、回転翼のブレードの途中途中には、回転支持部を有して、ブレードの振動や定常波の発生を抑え、かつ駐機時に停止した場合の回転翼のブレードの垂れ下がりを抑えることもできるので、シュラウドの内周部に配設された電磁石と回転ダクトの外周部に配設された永久磁石との間隙(ギャップ)を一定に保って、電磁石と永久磁石との間に発生する吸引力と反発力を安定して発生できるので、あらゆる直径(回転半径)において使用することができる。したがって、本発明は、原則として、あらゆる直径(回転半径)で、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼の方を採用する。他方の特許文献4の電磁力利用のダクテッドファンは、長大なブレードを水平位置で使用することには適さないので、その明細書の段落0014で想定している通り、直径1.2m(回転半径0.6m)以下の場合において使用することがある。
本発明は、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納と展帳を可能にした底板を介して航空機の機体に取り付けてある。よって、回転ダクト方式シュラウド付回転翼は、駐機時には底板内に格納し、底板から引き出して展帳すると、機体に対して直立する位置となって、揚力や推力の発生が可能となり、自在に飛行することができる航空機となる。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼(3又は4)を格納したり、展帳できる底板(ティルト装置有)(ティルト装置無)(6又は7)は、航空機の機体(1)に取り付けた状態で機体(1)の側面方向から見ると、底板(ティルト装置有)(6)の背後の上部には、底板取付軸(8)を有する。底板(ティルト装置有)(6)の下部には、底板取付軸(8)を中心に底板(ティルト装置有)(6)そのものをティルトできるティルト装置(9)が付いている。ティルト装置(9)は、油圧ピストンもしくはウォームギアのロッド(10)を機体(1)の側面に平行する形で有し、ロッド(10)の端部は、機体(1)の突起部(図面は省略)に接触している。このロッド(10)を伸縮することによって、底板(ティルト装置有)(6)全体を前方に15°(俯角15°、もしくは−15°)程度、後方に15°(仰角15°、もしくは+15°)程度まで、ティルトすることができる。
本発明の底板(ティルト装置有)(6)で用いるティルト装置(9)のティルト可能範囲は、−15°〜+15°程度である。この値は、転移揚力対処だけの場合には、必要以上の大きな値であるが、推力発生専用の格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)を有さない実施例の場合に、離陸時に格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)を前方に倒して前進速度を獲得できるまでの間、当初−12°程度の俯角を必要とするので、−15°程度までのティルトとする。また、急停止においては、仰角15°程度まで用いることこともあるので、+15°程度とする。なお、ティルト装置(9)は、格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)を揚力装置として使用する場合に必要となるもので、推力専用として使う場合には、不要な装置であって、取り外しても良い。また逆に、必要に応じ、揚力にも推力にも両用で使用する場合には、全周に対して迅速な回動を必要とする。よって、この場合には、特許文献1の急速風向変更装置上に取り付けて使用する。
底板(ティルト装置有)(ティルト装置無)(6又は7)の構造は、内部の上部には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を取り付ける回転翼展帳軸(12)を有し、内部の下部には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板内に格納する際と、展帳する際に必要となる、油圧ピストン装置(13)、電動ウォームギア装置(14)、あるいはパンタグラフ(15)の底部を取り付けるための作用点底部軸(16)を有する。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)の格納と展帳を油圧ピストン装置(13)によって行う場合と、電動ウォームギア装置(14)によって行う場合には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)(3)を、格納した状態で機体(1)の側方から見た場合には、そのシュラウド外周部の上部に展帳支持部(5)を有し、中央部に作用点握把軸(央部用)(17)を有する。この場合には、油圧ピストン装置(13)もしくは電動ウォームギア装置(14)の底部が、作用点底部軸(16)に、作用点となる部分が、作用点握把軸(央部用)(17)に摺動可能な状態で接続されて、油圧ピストン装置(13)もしくは電動ウォームギア装置(14)が収縮すると、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)(3)を底板(ティルト装置有)(6)内に格納し、伸張すると回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)(3)を機体(1)に直交する位置まで展帳して、航空機を飛行可能な状態とする。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)の格納と展帳を、人員とパンタグラフをもって行う場合には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)(4)を、格納した状態で、機体(1)の側方から見た際には、そのシュラウド外周部の上部に展帳支持部(5)を有し、下部に作用点握把軸(端部用)(18)を有する。この格納と展帳に用いられるパンタグラフ(15)は、一方の底部を作用点底部軸(16)に、他方の作用する部分を作用点握把軸(端部用)(18)に摺動可能な状態で接続する。回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)(4)の格納、展帳する際は、作用点握把軸(端部用)(18)を持つ人員と、パンタグラフ(15)を格納位置にたたんだり、展帳位置に取り出したりする人員を適切に配置して行う。人力をもって、展帳した場合にも、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)(4)は、機体(1)に直交する位置となって、航空機が飛行可能な状態となる。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)を機体(1)の側面や側壁に取り付けて飛行する航空機は、機体(1)側面の左右対称な位置に1基ずつ、左右両側面の合計で2基あれば、作成できる。しかしながら、充分に自在な飛行を可能とする場合には、片方の側面に揚力を発生できる本発明を2基以上、推力を発生できる本発明を1基以上、左右両側面では、揚力発生のための本発明を4基以上、推力発生のための本発明を2基以上の左右両側面合計で6基以上取り付けて作成することが望ましい。
図22〜図30は、本発明の格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置として機体の片方の側面(壁)に2基ずつ、方向変更と推力装置として機体の片方の側面(壁)に1基ずつの左右両側面(壁)合計で6基を用いた航空機の実施例である。
図31〜図39は、本発明の格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進速度と方向変更に用いる装置として、機体の片方の側面(壁)に1基ずつ左右両側面(壁)合計で2基取り付け、この2基をティルト装置で運用して飛行する航空機の実施例である。
図40〜図48は、本発明の格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進速度と方向変更に用いる装置として、機体の片方の側面(壁)に2基ずつ左右両側面(壁)合計で4基取り付け、この4基をティルト装置で運用して飛行する航空機の実施例である。
本発明の格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼は、構造が簡単で、駐機時の占有場所も少ないので、格納や、他の輸送手段を用いて運搬する際に、有効である。特に、中型のものは、地上のトラックに代えて本発明を空中トラックとして使用する運送業者が保有すべきターミナルのスペースを節用でき、小型のものは、個人の家庭の庭先やガレージに格納できたり、無人機では、ワンボックスカーのようなスペースにも格納できるので、使用場所の拡大が可能となる。
本発明の底板を機体に取り付けた場合に、機体の側方から見た図である。
本発明の底板の裏側を、機体内部側から見た構成品の図である。
本発明の底板を機体に取り付け、下部にあるティルト装置のロッドを一方に伸張し、本発明の底板を一方へ傾けた図である。
本発明の底板を機体に取り付け、下部にあるティルト装置のロッドを図3と反対側の他方に伸張し、本発明の底板を他方へ傾けた図である。
本発明を、推力装置として使用する場合に、不要となるティルト装置を除去した図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置にも推力装置にもいずれにも軽易に切り替えて使うため、特許文献1の急速風向変更装置に底板を取り付けて作成した場合の図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を、油圧ピストン装置もしくは電動ウォームギア装置を用いる場合の回転ダクト方式シュラウド付回転翼の正面図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を、パンタグラフの仕組みによって人力で行う場合の回転ダクト方式シュラウド付回転翼の正面図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を行う油圧ピストン装置の図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を行う電動ウォームギア装置の図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を油圧ピストン装置で行う場合の全体を、格納した状態で機体の側方から見た場合の図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を電動ウォームギア装置で行う場合の全体を、格納した状態で機体の側方から見た場合の図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼のうち、格納や展帳を人力とパンタグラフとをもって行う場合のパンタグラフの図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を人力とパンタグラフとをもって行う場合の全体を、格納した状態で機体の側方から見た場合の図である。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納した状態で機体の上方から見た図である。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の上方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、油圧ピストン装置を使用している。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の上方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、電動ウォームギア装置を使用している。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の上方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、パンタグラフを使用している。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の前方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、油圧ピストン装置を使用している。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の前方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、電動ウォームギア装置を使用している。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の前方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、パンタグラフを使用している。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推力装置として2基の合計6基を使用して飛行する場合において、展帳した状態の航空機を機体の前方正面から見た図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推力装置として2基の合計6基を使用して飛行する場合において、展帳した状態の航空機を機体の上方から見た図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推力装置として2基の合計6基を使用して飛行する場合において、展帳した状態の航空機を機体の側方から見た図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推力装置として2基の合計6基を使用して水平飛行している図である。この航空機が水平飛行する際には、本発明の揚力装置として用いる格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼には、転移揚力からくるノーズアップを抑えて前進速度を高めるために、−2〜−7°の俯角を与えて飛行する。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推力装置として2基の合計6基を使用して水平飛行するに際し、前進している航空機が停止するためや旋回するためには、主として推力専門に発生する装置の方を使用して行う。しかしながら、急停止や急旋回を行う場合には、揚力を発生する装置の方も、最大15°程度まで仰角を与えて、推力専用の装置と一体となって、急停止もしくは急旋回を行う。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推力装置として2基の合計6基を使用して飛行している際に、急に前方に地上の障害物が出現した場合に、上方に回避する有効な手段として、最前方の両側の2基に仰角を与え最大出力とする。すると、機体は転移揚力の効果もあって、急激にノーズアップして上昇に転じ回避できることがある。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推力装置として2基の合計6基を使用した航空機が、底板の中に回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納して駐機している場合の前方から見た正面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推力装置として2基の合計6基を使用した航空機が、底板の中に回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納して地上に駐機している場合の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推力装置として2基の合計6基を使用した航空機が、底板の中に回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納して地上に駐機している場合の側面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態の航空機を、機体の前方から見た正面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態の航空機を、機体の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した側面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳し、航空機が水平飛行を行っている側面図である。この場合には、本発明を前進方向に傾けることによって、揚力転移を抑えるとともに、前進のための推力を得て飛行する。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳し、航空機が飛行するに際し、本発明を後方に傾けることによって、停止や方向変換を行っている場合の図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行するに際に、左側面の本発明を前方に傾け、右側面の本発明を後方に傾け、機体を右へ回転しているところを、機体の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板に格納し、地上に駐機している際の前方から見た正面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板に格納し、地上に駐機している際の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板に格納し、地上に駐機している際の側面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態の航空機を、機体の前方から見た正面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態の航空機を、機体の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した側面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳し、航空機が水平飛行を行っている側面図である。この場合には、本発明を前方に傾けることによって、揚力転移を抑えるとともに、前進のための推力を得て飛行する。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳し、航空機が飛行する際に、本発明を後方に傾けることによって、停止や方向変換を行っている場合の図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳し、航空機が飛行する際に、急に地上の障害物が出現した場合に、上方に回避する有効な手段として、最前方の両側の2基に仰角を与え、最大出力とする。すると、機体は転移揚力の効果もあって、急激にノーズアップして上昇に転じ回避できることがある。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納し、地上に駐機している際の前方から見た正面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納し、地上に駐機している際の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納し、地上に駐機している際の側面図である。
従来型のヘリコプターの回転中の回転翼を側方から見た図である。従来型のヘリコプターの回転翼は、非常に重いブレードを用い、飛行中のブレード形状が逆円錐形を維持できることによって揚力を得る。この際に、翼端において著しく大きな揚力を発生するとブレードが反り曲がって揚力を減ずるので、ねじり下げともいうブレードにねじりを入れて作成して、翼端から翼心まで各所で発生する揚力が、均一であることを理想的な形態とする。また、ブレードは、回転中の重しの役割もあって、重量が非常に嵩むので、揚力を増すために枚数を増加することは、機体の重量増加やエンジン能力上、著しく困難を生じる。
本発明に使用した回転ダクト方式シュラウド付回転翼を側方から見た一部断面の図である。回転ダクト方式シュラウド付回転翼は、翼端部の回転ダクトをベアリングを介してシュラウドに接触させ、回転翼で発生した揚力は、翼端部の回転ダクトからシュラウドを経由して機体に伝達される。このため、翼端部に偏って極端に大きな揚力が発生してもブレードがそり曲がる等の悪影響はない。また、ブレードの重量には、従来型ヘリコプターのように重しとしての役目がないので、非常に軽い材料を用いることができる。したがって、ブレードのピッチ角では、飛行中に最も効率的に揚力を発生でき得る迎角を作れるピッチ角をブレード全域で選択できる上に、ブレードの枚数においても、数を増加しても問題を生じないので、小さな直径(回転半径)で大きな揚力を発生できる。
符号の説明
1 機体
2 格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼
3 回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)
4 回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)
5 展帳支持部
6 底板(ティルト装置有)
7 底板(ティルト装置無)
8 底板取付軸
9 ティルト装置
10 ロッド
11 急速風向変更装置
12 回転翼展帳軸
13 油圧ピストン装置
14 電動ウォームギア装置
15 パンタグラフ
16 作用点底部軸
17 作用点握把軸(央部用)
18 作用点握把軸(端部用)
19 スウォッシュプレート
20 ブレード
21 回転ダクト
22 シュラウド
23 揚力の向きと大きさ
本発明は、格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼と、その格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、航空機の巡航時の前進方向を基準にした場合の機体の側面や側壁に取り付けて、展帳した状態のシュラウド付回転翼をもって、空中を自在に飛行することのできる航空機の実現方法に関する。
ヘリコプターの歴史はいつからをもってはじめとするかは異論があるが、現在使用されているヒンジ(関節)を有し、サイクリックコントロールとコレクティブピッチコントロールを可能にしたスペインのバルセロナで1923年に作られ1924年1月に約10分間の飛行をしたペスカラ(Marquis Raul Pateras Pescara)の同軸反転式ヘリコプター3号機をもってすれば、発明されてから約80年を経過する。この間、回転翼の翼端からガスを噴出したり、翼端にラムジェットの取り付けや、ターボジェットそのものを取り付けて、翼端での力の発生を試みた機体も存在するが、多くは、駆動のための動力を回転翼の翼心部の回転軸に接続して飛行してきた。このため、以下、動力を回転翼の翼心部の回転軸に接続し、回転翼で発生した揚力は、回転軸を経由して機体に伝達するタイプを、従来型のヘリコプターと呼称する。
回転翼を駆動する動力を翼心部の回転軸に接続する方式は、動力を回転翼の翼端部で発生させる方式に比べると、てこの原理によって、トルク発生の効率が悪い。このため、翼端からガスを噴射したり、直径60m(回転半径30m)の回転翼の翼端にターボジェットを取り付けて回転させる英国での実験や、ラムジェットを取り付ける構想や、特許文献5のように翼端とそれを覆うシュラウドの間に電磁石と永久磁石とを配設してリニアモーターの駆動原理を形成し、効率が最も良い翼端での駆動力の発揮を追求した試みもある。しかしながら、翼端において力の作用点を求める試みでは、回転翼の枚数によって作用点の数が制限を受け、例えば、2枚羽根では2カ所、5枚羽根では5カ所、8枚羽根では8カ所だけで全揚力を得るための力を発生することを求められる。このため、ターボジェットやラムジェット、あるいは電磁石と永久磁石のセットでは、著しく大きな力の発生を必要とするため、所要の力を得ることができず実現ができなかった。
回転翼の翼心部の回転軸に動力を接続する従来型のヘリコプターは、回転翼の翼端を空中に浮遊させる開放翼端で、回転翼が発生した揚力は、回転軸を経由して機体に伝達される。この際の回転翼の翼幅が同じ幅で、かつ回転面に対する回転翼の角度(以下、ピッチ角)が、翼端から翼心まで一定であった場合、回転翼の翼端部と翼心部では大気との相対速度(以下、対気速度)が異なるので、発生する揚力は、対気速度の速い翼端では、著しく大きく、対気速度の遅い翼心では、著しく小さい。よって、従来型のヘリコプターの翼端部の揚力が翼心部に比べ著しく差が大きな場合には、回転翼のブレードが反り曲がって揚力を減じたり、欠損するおそれが生じる。このため、従来型のヘリコプターにおいては、回転翼の翼端の翼幅を狭くするか、ピッチ角を寝かせて限りなく0°に近づけて(翼端が−2°や−3°のマイナスとなるピッチ角もある)、翼端で発生する揚力を抑制したり、逆に翼心のブレード幅を増し、ピッチ角は立たせて15°前後にして、翼心で発生する揚力を増強して、図49で示すように回転翼の全体で均一な揚力を発生することを理想的な形態とした。
したがって、回転翼がその発生する揚力を最も効率的に発生するためには、相対風に対する回転翼の角度(以下、迎角)が、10〜7°といわれているのであるが、従来型のヘリコプターの回転翼では、迎角のもとになるピッチ角が、10〜7°になっている部分は、図49で示す通り回転翼の一部分であって、しかも、対気速度が速く最も効率的に揚力を発生できる翼端には、ピッチ角の10〜7°を適用することはできないから、効率の良い揚力の発生を不可能とするところの構造を本質的に有していることになる。
てこの原理から最も効率の良い翼端部で、力の作用点を求めるに際し、特許文献2及び特許文献4は、回転翼の枚数の制限を受けない方式として、回転翼の翼端を回転ダクトや円環で繋ぎ、回転翼を覆う回転ダクトや円環の外周部の全周においてリニアモーターの駆動原理を適用して回転させる方式を提案した。これによって、リニアモーターの駆動原理を構成する電磁石と永久磁石の配置は、ブレードの枚数による制限を脱して回転翼の全周となり、駆動のための力の作用点を数多くもつことを可能とした。作用点を全周とすることによって、リニアモーターを構成する電磁石と永久磁石との1個セットが発生すべき力の大きさは、これまでの翼端で電磁石と永久磁石とのセットが発生すべき力の大きさに比べて飛躍的に小さくできる。これによって、電磁石と永久磁石の大きさや流すべき電流量及び電線の太さの選択度は増し、計算が容易となって、実現可能となった。
ただし、特許文献4の電磁力利用のダクテッドファンは、電磁力を含む他の請求項においても、回転翼の伸縮を5mm以内であることを想定し、回転翼のブレードの大きな伸縮に対応する仕組みを欠いている。中でも、請求項6のローターブレードの翼端に接合し固着された突部付円環は、特許文献6の他の方式では持つ小さな収縮に対応するための孔や突起の仕組みも有さない。突部付円環の外周部とシュラウド側の内周部は、ボールベアリングで接触しているが、回転翼が直径20m(回転半径10m)の長大なものとなると、回転翼は、回転時の遠心力の影響で大きく伸張する。このため、回転翼の翼端は、円環によって繋がれている分その影響を軽減できたとしても、ブレード長及び円環の径は拡張してシュラウドとの接触が避けられず回転不能となる。仮に、円環とシュラウドの間に、新たにベアリングを挿入したとしても、そのベアリングを圧し回転不能にしたり、破砕してしまうことも考えられる。また、温度上昇・下降による伸縮の方は、回転翼のブレードのみならず円環そのものも伸縮するので、さらに深刻な影響を与える可能性が高い。また、回転翼のブレードが長大になると、回転時における振動や、振動から派生する定常波が生まれることもあり、最悪の場合には、円環とブレードの接合部を破壊したり、円環そのものを破砕することも考えられる。したがって、特許文献4の請求項6に基づく電磁力利用のダクデッドファンは、その明細書の段落0014で想定している通り、直径1.2m(回転半径0.6m)以下の場合に使用できても、大きな直径(回転半径)をもつ回転翼で使用することはできない。
翼端にリアモーターの駆動原理を適用した特許文献5や、翼端部(回転ダクトや円環を含む)にリニアモーターの駆動原理を適用した特許文献2及び特許文献4は、発生した揚力を回転翼を覆うシュラウドを経由して機体に伝達する。このため、図50で示すように揚力が回転翼のブレードの翼端付近に偏って著しく大きく発生しても支障がない。したがって、従来型のヘリコプターでは、対気速度の速い翼端のピッチ角を限りなく0°に近づけ、逆に、対気速度の遅い翼心のピッチ角を15°前後として、回転翼全域の揚力を均一化するためブレードをねじって作成(ねじり下げ)していたが、特許文献2、特許文献4及び特許文献5では、その必要がなく、翼端を含め回転翼のブレード全域で最も効率的に揚力が発生できるピッチ角を採用することができる。このため、ピッチ角は、図50で示す通り一定でも良く、例えば、全域を7°で作成することが可能である。このように、回転翼の全域を最適な迎角を得られるピッチ角にすることによって、従来型のヘリコプターの回転翼が発生する同じ大きさの揚力を、はるかに小さな直径(回転半径)の回転翼で実現することができる。
特許文献2は、リニアモーターの駆動原理による作用点を翼端部の全周で得ることができることや、長大なブレードを持つ大きな回転翼においても、遠心力や温度変化によるブレードの伸縮に対応でき、かつ駐機時のブレードの垂れ下がりや回転時の振動や定常波の発生を抑えることができる仕組みを持ち、小さな直径(回転半径)でも大きな揚力や推進力を発生できる優れた効果を有する。しかしながら、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼にフェザリングヒンジを付けずに航空機の機体の両側面に取り付けて、揚力発生装置として運用した場合には、離陸して間もない頃の回転翼の揚力不均衡を原因として生じるところの振動を伴う横方向への動きとなる貫流速効果(誘導流効果)は、機体の両側の対称的な位置に回転ダクト方式シュラウド付回転翼を取り付けることによって機体を介して相殺され影響が出ないが、揚力不均衡のもう一つの効果である転移揚力は、機体の前進速度が出始めるとともに発生し、約22km/h(約12kt)頃には顕著に現れる。この転移揚力は、機体前方(機首)を持ち上げる(ノーズアップ)方向に作用するので機体の頭を上げて、速度の増加を阻害する。このため、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼にフェザリングヒンジを取り付けずに揚力発生装置として用いた場合には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼全体を前方に傾ける(水平を基準とした場合にマイナス方向の俯角をとる)ことができるティルト装置とともに使用する必要がある。ティルト装置によって回転ダクト方式シュラウド付回転翼全体を傾けて転移揚力を抑える場合は、最大でブレードのピッチ角までのティルトが必要になる。したがって、ピッチ角を7°として作成した回転ダクト方式シュラウド付回転翼の場合には、最大で7°まで、回転ダクト方式シュラウド付回転翼全体を前方にティルトできるティルト装置を必要とし、ティルト装置を伴わない回転ダクト方式シュラウド付回転翼の使用は、前進飛行において大きなエネルギーロスを生じる。
特許文献4及び特許文献5は、翼端もしくは翼端部にリニアモーターの駆動原理を適用した回転翼を、従来型のシングルローターのヘリコプターのテールローターに適用した実施例である。また、特許文献1は、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼を急速風向変更装置に取り付けて一体化し急速風量発生風向変更装置としたものを、機体の側面や側壁に取り付けた航空機の実施例である。特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼は、フェザリングヒンジを付けずに揚力装置として水平にして使用する場合には、転移揚力の影響を除去もしくは軽減できる分の角度で前方に傾けることができるティルト装置が必要であるが、特許文献1では、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼を任意のティルトが可能な急速風向変更装置に取り付けて運用するので、速度や相対風に応じたティルト(図上算定では、水平面を基準とした場合に−2〜−7°の俯角)を回転ダクト方式シュラウド付回転翼に与えることができる。よって、特許文献1では、前進時の転移揚力によるノーズアップを抑えることができるので、速度を阻害する要因を除去して高速で飛行することができる。
特許文献3は、2重にしたラックピニオン形シリンダ装置の内側にファンエンジンを取り付け、2軸でティルトさせる機構を有し、ファンエンジンの向きは全周の360°としている。ラックピニオン形シリンダ装置は、回動速度を速くできる反面、ラックギアの長さによる作動範囲の限界がある。したがって、狭い範囲において高速でティルトさせる場合に有効であっても、全周の360°や360°を越える広い範囲での使用は、回動速度を遅くしたり、力不足を生じさせる可能性が高いので使用には適さない。
特許文献6は、巡航時の前進方向を基準にした場合の機体の前方に1基、後方に1基の合計で2基の回転翼を取り付けたものであるが、翼心部の回転軸に駆動力を作用させ、発生した揚力は翼心部の回転軸を介して機体に伝達して飛行する従来型のヘリコプターであって、従来から飛行しているタンデムタイプのヘリコプター、例えば、V−107(バートル)やCH−47(チヌーク)等の多ローター機と、飛行特性において変わるものではなく、特に優れた効果を有するものではない。しかしながら、特許文献6の従来型の回転翼を、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼に換装し、特許文献3や特許文献7の2軸のティルト装置と組み合わせて作成することによって、特許文献6は、本発明とは飛行方式を異にする新たな航空機を構成することができる。
特許第3677748号(請求項1、請求項2、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図15、図16)
特許第3595988号(請求項1、図1、図3、図5、図8)
特開2003−137192号公報(請求項1、請求項2、請求項5、図1、図2、図5、図6、図8、図9、図10、図11、図12)
特開2001−097288号公報(請求項6、0042、0043、0044、0045、図7、図8)
特開平7−205897号公報(請求項1、0001、0008、図1、図2、図3)
特開平7−125696号公報(請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、0015、0021、0026、0031、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8)
特願2004−227323号(請求項2、図5、図6、図7、図8、図9、図12)
Michael J. Hirschberg、Thomas Muller、Alexis Rocher、"FRENCH LOW−SPEED V/STOL CONCEPS OF THE TWENTIETH CENTURY"、[online]、[平成17年8月8日検索]、インターネット<URL:http://www.vtol.org/pdf/stovl−58.pdf:>
Michael J. Hirschberg、"The American Helicopter"、[online]、[平成17年8月8日検索]、インターネット<http://www.iasa.com.au/ffoldersPublications/pdf_library/ospreypdfs/The%20American%20Helicopter.pdf>
シュラウド付回転翼を機体に取り付けて揚力や推進力を発生して飛行する航空機は、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼と急速風向変更装置を組み合わせた急速風量発生風向変更装置を機体の側面に取り付けた特許文献1としてあるが、特許文献1の航空機は、その急速風量発生風向変更装置が機体の側方に大きく伸びて場所を占有し、たたむことも困難であった。本発明は、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板に収めることを可能にし、航空機が地上に降りて回転ダクト方式シュラウド付回転翼を停止した場合には、たたんで場所の占有を最小限とすることができ、底板から出して展帳すると回転ダクト方式シュラウド付回転翼の回転面が機体に対して直立し、揚力もしくは推進力を出し得る状態となって、航空機を飛行可能とすることが課題である。
本発明では、機体とシュラウド付回転翼とを繋ぐ底板内に特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納可能とすることによって、地上駐機時の機体の占有面積を減ずるとともに、底板から引き出して展帳すると回転ダクト方式シュラウド付回転翼の回転面が機体に対して容易に直立し、揚力や推進力を発生できる仕組みを作って、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を機体に取り付けた航空機の運用を容易にすることができる。
本発明では、回転翼の翼端部において効率よく駆動力を発生できる回転ダクト方式シュラウド付回転翼を用いるので、従来型のヘリコプターの回転翼に比べて、著しく小さな直径(回転半径)でも、同様の揚力を発生できる。回転翼の直径(回転半径)が小さなサイズで充分な揚力もしくは推進力を発生できる回転ダクト方式シュラウド付回転翼は、航空機の機体側面にたたむことを容易にするサイズとすることができるので、これに油圧ピストン装置や電動ウォームギア装置、またはパンタグラフの機構によって、機体と回転ダクト方式シュラウド付回転翼とを繋ぐ底板の中に格納したり、底板の中から展帳したりすることが可能になって、地上に駐機した場合や、他の交通機関、例えば、特許文献1の空中フェリーに積載する場合や、あるいは海上フェリーや陸上輸送の際の占有面積を少なくすることに益がある。特に、小さなもので自律航法装置を積んだ小型無線操縦機を作成したような場合には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼をたたんで底板に格納することによって、例えばワンボックスカーのような手近な車両での運搬も可能となる。
本発明には、翼端部の全周において効率よく駆動力を作用させることができる特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼もしくは特許文献4の請求項6の電磁力利用のダクテッドファンを使用する。このうち、一方の特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼は、回転翼のブレードの伸張や回転ダクトそのものの膨張に際しても対応できる仕組みを、翼端部のシュラウドと回転ダクトとの接触部に有し、また、回転翼のブレードの途中途中には、回転支持部を有して、ブレードの振動や定常波の発生を抑え、かつ駐機時に停止した場合の回転翼のブレードの垂れ下がりを抑えることもできるので、シュラウドの内周部に配設された電磁石と回転ダクトの外周部に配設された永久磁石との間隙(ギャップ)を一定に保って、電磁石と永久磁石との間に発生する吸引力と反発力を安定して発生できるので、あらゆる直径(回転半径)において使用することができる。したがって、本発明は、原則として、あらゆる直径(回転半径)で、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼の方を採用する。他方の特許文献4の電磁力利用のダクテッドファンは、長大なブレードを水平位置で使用することには適さないので、その明細書の段落0014で想定している通り、直径1.2m(回転半径0.6m)以下の場合において使用することがある。
本発明は、特許文献2の回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納と展帳を可能にした底板を介して航空機の機体に取り付けてある。よって、回転ダクト方式シュラウド付回転翼は、駐機時には底板内に回転面を機体に対し並行になるようにして格納し、底板から引き出して展帳すると、回転面を機体に対して直立する位置となって、揚力や推進力の発生が可能となり、自在に飛行することができる航空機となる。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼(3又は4)を格納したり、展帳できる底板(ティルト装置有)(ティルト装置無)(6又は7)は、航空機の機体(1)に取り付けた状態で機体(1)の側面方向から見ると、底板(ティルト装置有)(6)の背後の上部には、底板取付軸(8)を有する。底板(ティルト装置有)(6)の下部には、底板取付軸(8)を中心に底板(ティルト装置有)(6)そのものをティルトできるティルト装置(9)が付いている。ティルト装置(9)は、油圧ピストンもしくはウォームギアのロッド(10)を機体(1)の側面に平行する形で有し、ロッド(10)の端部は、機体(1)の突起部(図面は省略)に接触している。このロッド(10)を伸縮することによって、底板(ティルト装置有)(6)全体を前方に15°(俯角15°、もしくは−15°)程度、後方に15°(仰角15°、もしくは+15°)程度まで、ティルトすることができる。
本発明の底板(ティルト装置有)(6)で用いるティルト装置(9)のティルト可能範囲は、−15°〜+15°程度である。この値は、転移揚力対処だけの場合には、必要以上の大きな値であるが、推進力発生専用の格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)を有さない実施例の場合に、離陸時に格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)を前方に倒して前進速度を獲得できるまでの間、当初−12°程度の俯角を必要とするので、−15°程度までのティルトとする。また、急停止においては、仰角15°程度まで用いることこともあるので、+15°程度とする。なお、ティルト装置(9)は、格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)を揚力装置として使用する場合に必要となるもので、推進力専用として使う場合には、不要な装置であって、取り外しても良い。また逆に、必要に応じ、揚力にも推進力にも両用で使用する場合には、全周に対して迅速な回動を必要とする。よって、この場合には、特許文献1の急速風向変更装置上に取り付けて使用する。
底板(ティルト装置有)(ティルト装置無)(6又は7)の構造は、内部の上部には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を取り付ける回転翼展帳軸(12)を有し、内部の下部には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板内に格納する際と、展帳する際に必要となる、油圧ピストン装置(13)、電動ウォームギア装置(14)、あるいはパンタグラフ(15)の底部を取り付けるための作用点底部軸(16)を有する。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)の格納と展帳を油圧ピストン装置(13)によって行う場合と、電動ウォームギア装置(14)によって行う場合には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)(3)を、格納した状態で機体(1)の側方から見た場合には、そのシュラウド外周部の上部に展帳支持部(5)を有し、中央部に作用点握把軸(央部用)(17)を有する。この場合には、油圧ピストン装置(13)もしくは電動ウォームギア装置(14)の底部が、作用点底部軸(16)に、作用点となる部分が、作用点握把軸(央部用)(17)に摺動可能な状態で接続されて、油圧ピストン装置(13)もしくは電動ウォームギア装置(14)が収縮すると、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)(3)を底板(ティルト装置有)(ティルト装置無)(6又は7)内に格納し、伸張すると回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)(3)の回転面を機体(1)に対し直立する位置まで展帳して、航空機を飛行可能な状態とする。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)の格納と展帳を、人員とパンタグラフをもって行う場合には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)(4)を、格納した状態で、機体(1)の側方から見た際には、そのシュラウド外周部の上部に展帳支持部(5)を有し、下部に作用点握把軸(端部用)(18)を有する。この格納と展帳に用いられるパンタグラフ(15)は、一方の底部を作用点底部軸(16)に、他方の作用する部分を作用点握把軸(端部用)(18)に摺動可能な状態で接続する。回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)(4)の格納、展帳する際は、作用点握把軸(端部用)(18)を持つ人員と、パンタグラフ(15)を格納位置にたたんだり、展帳位置に取り出したりする人員を適切に配置して行う。人力をもって、展帳した場合にも、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)(4)は、回転面を機体(1)に対し直立する位置となって、航空機が飛行可能な状態となる。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)を機体(1)の側面や側壁に取り付けて飛行する航空機は、機体(1)側面の左右対称な位置に1基ずつ、左右両側面の合計で2基あれば、作成できる。しかしながら、充分に自在な飛行を可能とする場合には、片方の側面に揚力を発生できる本発明を2基以上、推進力を発生できる本発明を1基以上、左右両側面では、揚力発生のための本発明を4基以上、推進力発生のための本発明を2基以上の左右両側面合計で6基以上取り付けて作成することが望ましい。
図22〜図30は、本発明の格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置として機体の片方の側面(壁)に2基ずつ、方向変更と推進力装置として機体の片方の側面(壁)に1基ずつの左右両側面(壁)合計で6基を用いた航空機の実施例である。
図31〜図39は、本発明の格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進速度と方向変更に用いる装置として、機体の片方の側面(壁)に1基ずつ左右両側面(壁)合計で2基取り付け、この2基をティルト装置で運用して飛行する航空機の実施例である。
図40〜図48は、本発明の格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進速度と方向変更に用いる装置として、機体の片方の側面(壁)に2基ずつ左右両側面(壁)合計で4基取り付け、この4基をティルト装置で運用して飛行する航空機の実施例である。
本発明の格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼は、構造が簡単で、駐機時の占有場所も少ないので、格納や、他の輸送手段を用いて運搬する際に、有効である。特に、中型のものは、地上のトラックに代えて本発明を空中トラックとして使用する運送業者が保有すべきターミナルのスペースを節用でき、小型のものは、個人の家庭の庭先やガレージに格納できたり、無人機では、ワンボックスカーのようなスペースにも格納できるので、使用場所の拡大が可能となる。
本発明の底板を機体に取り付けた場合に、機体の側方から見た図である。
本発明の底板の裏側を、機体内部側から見た構成品の図である。
本発明の底板を機体に取り付け、下部にあるティルト装置のロッドを一方に伸張し、本発明の底板を一方へ傾けた図である。
本発明の底板を機体に取り付け、下部にあるティルト装置のロッドを図3と反対側の他方に伸張し、本発明の底板を他方へ傾けた図である。
本発明を、推進力装置として使用する場合に、不要となるティルト装置を除去した図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置にも推進力装置にもいずれにも軽易に切り替えて使うため、特許文献1の急速風向変更装置に底板を取り付けて作成した場合の図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を、油圧ピストン装置もしくは電動ウォームギア装置を用いる場合の回転ダクト方式シュラウド付回転翼の正面図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を、パンタグラフの仕組みによって人力で行う場合の回転ダクト方式シュラウド付回転翼の正面図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を行う油圧ピストン装置の図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を行う電動ウォームギア装置の図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を油圧ピストン装置で行う場合の全体を、格納した状態で機体の側方から見た場合の図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を電動ウォームギア装置で行う場合の全体を、格納した状態で機体の側方から見た場合の図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼のうち、格納や展帳を人力とパンタグラフとをもって行う場合のパンタグラフの図である。
本発明で使用する回転ダクト方式シュラウド付回転翼の格納や展帳を人力とパンタグラフとをもって行う場合の全体を、格納した状態で機体の側方から見た場合の図である。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納した状態で機体の上方から見た図である。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の上方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、油圧ピストン装置を使用している。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の上方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、電動ウォームギア装置を使用している。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の上方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、パンタグラフを使用している。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の前方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、油圧ピストン装置を使用している。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の前方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、電動ウォームギア装置を使用している。
本発明の底板を、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態で機体の前方から見た図である。この場合には、格納と展帳は、パンタグラフを使用している。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推進力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推進力装置として2基の合計6基を使用して飛行する場合において、展帳した状態の航空機を機体の前方正面から見た図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推進力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推進力装置として2基の合計6基を使用して飛行する場合において、展帳した状態の航空機を機体の上方から見た図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推進力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推進力装置として2基の合計6基を使用して飛行する場合において、展帳した状態の航空機を機体の側方から見た図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推進力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推進力装置として2基の合計6基を使用して水平飛行している図である。この航空機が水平飛行する際には、本発明の揚力装置として用いる格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼には、転移揚力からくるノーズアップを抑えて前進速度を高めるために、−2〜−7°の俯角を与えて飛行する。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推進力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推進力装置として2基の合計6基を使用して水平飛行するに際し、前進している航空機が停止するためや旋回するためには、主として推進力専門に発生する装置の方を使用して行う。しかしながら、急停止や急旋回を行う場合には、揚力を発生する装置の方も、最大15°程度まで仰角を与えて、推進力専用の装置と一体となって、急停止もしくは急旋回を行う。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推進力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推進力装置として2基の合計6基を使用して飛行している際に、急に前方に地上の障害物が出現した場合に、上方に回避する有効な手段として、最前方の両側の2基に仰角を与え最大出力とする。すると、機体は転移揚力の効果もあって、急激にノーズアップして上昇に転じ回避できることがある。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推進力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推進力装置として2基の合計6基を使用した航空機が、底板の中に回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納して駐機している場合の前方から見た正面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推進力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推進力装置として2基の合計6基を使用した航空機が、底板の中に回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納して地上に駐機している場合の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、片方の側面で揚力装置として2基、推進力装置として1基の計3基、左右両方の側面で揚力装置として4基、推進力装置として2基の合計6基を使用した航空機が、底板の中に回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納して地上に駐機している場合の側面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態の航空機を、機体の前方から見た正面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態の航空機を、機体の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した側面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳し、航空機が水平飛行を行っている側面図である。この場合には、本発明を前進方向に傾けることによって、転移揚力を抑えるとともに、前進のための推進力を得て飛行する。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳し、航空機が飛行するに際し、本発明を後方に傾けることによって、停止や方向変換を行っている場合の図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行するに際に、左側面の本発明を前方に傾け、右側面の本発明を後方に傾け、機体を右へ回転しているところを、機体の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板に格納し、地上に駐機している際の前方から見た正面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板に格納し、地上に駐機している際の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に1基ずつの左右合計で2基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板に格納し、地上に駐機している際の側面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態の航空機を、機体の前方から見た正面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した状態の航空機を、機体の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳した側面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳し、航空機が水平飛行を行っている側面図である。この場合には、本発明を前進方向に傾けることによって、転移揚力を抑えるとともに、前進のための推進力を得て飛行する。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳し、航空機が飛行する際に、本発明を後方に傾けることによって、停止や方向変換を行っている場合の図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を展帳し、航空機が飛行する際に、急に地上の障害物が出現した場合に、上方に回避する有効な手段として、最前方の両側の2基に仰角を与え、最大出力とする。すると、機体は転移揚力の効果もあって、急激にノーズアップして上昇に転じ回避できることがある。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納し、地上に駐機している際の前方から見た正面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納し、地上に駐機している際の上方から見た平面図である。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼を、揚力装置と兼ねて前進と方向変換装置として、機体の片方に2基ずつの左右合計で4基使用して飛行する場合において、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を格納し、地上に駐機している際の側面図である。
従来型のヘリコプターの回転中の回転翼を側方から見た図である。従来型のヘリコプターの回転翼は、非常に重いブレードを用い、飛行中のブレード形状が逆円錐形を維持できることによって揚力を得る。この際に、翼端において著しく大きな揚力を発生するとブレードが反り曲がって揚力を減ずるので、翼端での揚力発生を抑えるためのねじり下げというブレードにねじりを入れて作成して、翼端から翼心まで各所で発生する揚力が、均一であることを理想的な形態とする。また、ブレードは、回転中の重しの役割もあって、重量が非常に嵩むので、揚力を増すために枚数を増加することは、機体の重量増加やエンジン能力上、著しく困難を生じる。
本発明に使用した回転ダクト方式シュラウド付回転翼を側方から見た一部断面の図である。回転ダクト方式シュラウド付回転翼は、翼端部の回転ダクトをベアリングを介してシュラウドに接触させ、回転翼で発生した揚力は、翼端部の回転ダクトからシュラウドを経由して機体に伝達される。このため、翼端部に偏って極端に大きな揚力が発生してもブレードがそり曲がる等の悪影響はない。また、ブレードの重量には、従来型ヘリコプターのように重しとしての役目がないので、非常に軽い材料を用いることができる。したがって、ブレードのピッチ角では、飛行中に最も効率的に揚力を発生でき得る迎角を作れるピッチ角をブレード全域で選択できる上に、ブレードの枚数においても、数を増加しても問題を生じないので、小さな直径(回転半径)で大きな揚力を発生できる。
符号の説明
1 機体
2 格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼
3 回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)
4 回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)
5 展帳支持部
6 底板(ティルト装置有)
7 底板(ティルト装置無)
8 底板取付軸
9 ティルト装置
10 ロッド
11 急速風向変更装置
12 回転翼展帳軸
13 油圧ピストン装置
14 電動ウォームギア装置
15 パンタグラフ
16 作用点底部軸
17 作用点握把軸(央部用)
18 作用点握把軸(端部用)
19 スワッシュプレート
20 ブレード
21 回転ダクト
22 シュラウド
23 揚力の向きと大きさ
ただし、特許文献4の電磁力利用のダクテッドファンは、電磁力を含む他の請求項においても、回転翼の伸縮を5mm以内であることを想定し、回転翼のブレードの大きな伸縮に対応する仕組みを欠いている。中でも、請求項6のローターブレードの翼端に接合し固着された突部付円環は、特許文献4の他の方式では持つ小さな収縮に対応するための孔や突起の仕組みも有さない。突部付円環の外周部とシュラウド側の内周部は、ボールベアリングで接触しているが、回転翼が直径20m(回転半径10m)の長大なものとなると、回転翼は、回転時の遠心力の影響で大きく伸張する。このため、回転翼の翼端は、円環によって繋がれている分その影響を軽減できたとしても、ブレード長及び円環の径は拡張してシュラウドとの接触が避けられず回転不能となる。仮に、円環とシュラウドの間に、新たにベアリングを挿入したとしても、そのベアリングを圧し回転不能にしたり、破砕してしまうことも考えられる。また、温度上昇・下降による伸縮の方は、回転翼のブレードのみならず円環そのものも伸縮するので、さらに深刻な影響を与える可能性が高い。また、回転翼のブレードが長大になると、回転時における振動や、振動から派生する定常波が生まれることもあり、最悪の場合には、円環とブレードの接合部を破壊したり、円環そのものを破砕することも考えられる。したがって、特許文献4の請求項6に基づく電磁力利用のダクデッドファンは、その明細書の段落0014で想定している通り、直径1.2m(回転半径0.6m)以下の場合に使用できても、大きな直径(回転半径)をもつ回転翼で使用することはできない。
特許第3677748号(請求項1、請求項2、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図15、図16)
特許第3595988号(請求項1、図1、図3、図5、図8)
特開2003−137192号公報(請求項1、請求項2、請求項5、図1、図2、図5、図6、図8、図9、図10、図11、図12)
特開2001−097288号公報(請求項6、0042、0043、0044、0045、図7、図8)
特開平7−205897号公報(請求項1、0001、0008、図1、図2、図3)
特開平7−125696号公報(請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、0015、0021、0026、0031、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8)
特願2004−227323号(請求項2、図5、図6、図7、図8、図9、図12)
英国特許第1228469号(明細書、請求項1、請求項2、請求項3)
米国特許第3383074号(明細書)
Michael J. Hirschberg、Thomas Muller、Alexis Rocher、"FRENCH LOW−SPEED V/STOL CONCEPS OF THE TWENTIETH CENTURY"、[online]、[平成17年8月8日検索]、インターネット<URL:http://www.vtol.org/pdf/stovl−58.pdf:>
Michael J. Hirschberg、"The American Helicopter"、[online]、[平成17年8月8日検索]、インターネット<http://www.iasa.com.au/ffoldersPublications/pdf_library/ospreypdfs/The%20American%20Helicopter.pdf>
底板(ティルト装置有)(ティルト装置無)(6又は7)の構造は、内部の上部には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を取り付ける回転翼展帳軸(12)を有し、内部の下部には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼を底板内に格納する際と、展帳する際に必要となる、油圧ピストン装置(13)、電動ウォームギア装置(14)、あるいはパンタグラフ(15)の基底部を取り付けるための作用点底部軸(16)を有する。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)の格納と展帳を油圧ピストン装置(13)によって行う場合と、電動ウォームギア装置(14)によって行う場合には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)(3)を、格納した状態で機体(1)の側方から見た場合には、そのシュラウド外周部の上部に展帳支持部(5)を有し、中央部に作用点握把軸(央部用)(17)を有する。この場合には、油圧ピストン装置(13)もしくは電動ウォームギア装置(14)の基底部が、作用点底部軸(16)に、作用点となる部分(先端部)が、作用点握把軸(央部用)(17)に摺動可能な状態で接続されて、油圧ピストン装置(13)もしくは電動ウォームギア装置(14)が収縮すると、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)(3)を底板(ティルト装置有)(ティルト装置無)(6又は7)内に格納し、伸張すると回転ダクト方式シュラウド付回転翼(油圧ピストン装置又は電動ウォームギア装置使用時)(3)の回転面を機体(1)に対し直立する位置まで展帳して、航空機を飛行可能な状態とする。
本発明である格納と展帳を可能にした底板を伴うところのシュラウド付回転翼(2)の格納と展帳を、人員とパンタグラフをもって行う場合には、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)(4)を、格納した状態で、機体(1)の側方から見た際には、そのシュラウド外周部の上部に展帳支持部(5)を有し、下部に作用点握把軸(端部用)(18)を有する。この格納と展帳に用いられるパンタグラフ(15)は、一方の基底部を作用点底部軸(16)に、他方の作用点となる部分(先端部)を作用点握把軸(端部用)(18)に摺動可能な状態で接続する。回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)(4)の格納、展帳する際は、作用点握把軸(端部用)(18)を持つ人員と、パンタグラフ(15)を格納位置にたたんだり、展帳位置に取り出したりする人員を適切に配置して行う。人力をもって、展帳した場合にも、回転ダクト方式シュラウド付回転翼(パンタグラフ使用時)(4)は、回転面を機体(1)に対し直立する位置となって、航空機が飛行可能な状態となる。