JP2008118909A - プローブ、プローブセット、プローブ固定担体及び遺伝子検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感染症起炎菌であるフラボバクテリウム属菌の遺伝子を検出するために、複数の特定の配列からなる塩基配列及びこれらの相補配列のいずれか、あるいはその2以上の組み合わせをプローブとして使用する。また、プローブ固定担体を用いた検体中でのフラボバクテリウム属菌の遺伝子の検出方法。
【選択図】なし
Description
[名]
Flavobacterium(フラボバクテリウム)
本発明の第1の目的は、対象となる菌の遺伝子を正確に同定することのできるプローブ及びプローブセットを提供することを目的とする。
(1)GGAAGTAACTAGAATATGTAGTGTAGCGGTG(配列番号35)またはその相補配列、
(2)GCCAGTGCAAACTGTGAGGAAGGT(配列番号36)またはその相補配列、
(3)GGGTAGGGGTCCTGAGAGGGAGATC(配列番号37)またはその相補配列、
(4)配列番号35から37の配列またはこれらの相補配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ。
(A)GGAAGTAACTAGAATATGTAGTGTAGCGGTG(配列番号35)で表される塩基配列からなるプローブ、
(B)GCCAGTGCAAACTGTGAGGAAGGT(配列番号36)で表される塩基配列からなるプローブ、
(C)GGGTAGGGGTCCTGAGAGGGAGATC(配列番号37)で表される塩基配列からなるプローブ、
(D)配列番号35の塩基配列の相補配列からなるプローブ、
(E)配列番号36の塩基配列の相補配列からなるプローブ、
(F)配列番号37の塩基配列の相補配列からなるプローブ、
(G)配列番号35の塩基配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(H)配列番号36の塩基配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(I)配列番号37の塩基配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(J)配列番号35の塩基配列の相補配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(K)配列番号36の塩基配列の相補配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、及び
(L)配列番号37の塩基配列の相補配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ。
(i)上記のプローブ固定担体と検体とを反応させる工程と、
(ii)前記プローブ固定担体上にプローブと前記検体中の核酸との反応の有無を検出する工程と、
を有することを特徴とする感染症起炎菌遺伝子の検出方法である。
[菌名]
Flavobacterium属
すなわち、本発明のプローブは、上記菌の遺伝子のうち16S rRNA遺伝子配列を検出し得るものであり、以下の各塩基配列からなるものが含まれる。
(A)GGAAGTAACTAGAATATGTAGTGTAGCGGTG(配列番号35)で表される塩基配列からなるプローブ、
(B)GCCAGTGCAAACTGTGAGGAAGGT(配列番号36)で表される塩基配列からなるプローブ、
(C)GGGTAGGGGTCCTGAGAGGGAGATC(配列番号37)で表される塩基配列からなるプローブ、
(D)配列番号35の塩基配列の相補配列からなるプローブ、
(E)配列番号36の塩基配列の相補配列からなるプローブ、
(F)配列番号37の塩基配列の相補配列からなるプローブ、
(G)配列番号35の塩基配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(H)配列番号36の塩基配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(I)配列番号37の塩基配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(J)配列番号35の塩基配列の相補配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(K)配列番号36の塩基配列の相補配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、及び
(L)配列番号37の塩基配列の相補配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ。
上記の変異配列は、プローブとしての機能を損なわない範囲内、すなわち、検出対象としての標的核酸配列にハイブリダイズしてこれを検出可能な範囲内での変異を有するものである。なかでも、ストリンジェントな条件で検出対象としての標的核酸配列にハイブリダイズし得る範囲での変異を有することが好ましい。変異の範囲を既定するハイブリダイゼーションの好ましい条件としては、後述する実施例における条件を挙げることができる。なお、ここでいう検出対象は、ハイブリダイゼーションを行う試料中に含まれるもので、感染症起炎菌に特有な塩基配列そのものであってもよいし、この特有な塩基配列の相補配列であってもよい。更に、かかる変異としては、1から数個の塩基の欠失、置換または付加がプローブ機能を保持する範囲内で行われた変異配列を挙げることができる。
(a)16S rRNA遺伝子検出用に設計されたPCR反応用プライマーを用いて調製された増幅検体。
(b)PCR増幅物を元にさらにPCR反応等を行なって調製された検体。
(c)PCR以外の増幅方法により調製された検体。
(d)可視化のために各種標識方法により標識された検体。
相−液相反応を行なうことができる特性を満たすものであればよい。例えば、ガラス基板、プラスチック基板、シリコンウェハー等の平面基板、凹凸のある三次元構造体、ビーズのような球状のもの、棒状、紐状、糸状のもの等を担体として用いることができる。さらに、その担体の表面はプローブの固定化が可能なように処理されたものであってもよい。特に、表面に化学反応が可能となるように官能基を導入したものは、ハイブリダイゼーション反応の過程でプローブが安定に結合している為に、再現性の点で好ましい形態である。
6(Glen Research社製)を用いることにより行なうことができる。固定化に利用する官能基の組み合わせとしては、上記したチオール基とマレイミド基の組み合わせ以外にも、例えばエポキシ基(固相上)とアミノ基(核酸プローブ末端)の組み合わせ等が挙げられる。また、各種シランカップリング剤による表面処理も有効であり、該シランカップリング剤により導入された官能基と反応可能な官能基を導入したプローブが用いられる。さらに、官能基を有する樹脂をコーティングする方法も利用可能である。
(i)本発明のかかるプローブを固定したプローブ固定担体と検体とを反応させる工程。
(ii)プローブ固定担体上のプローブと検体中の核酸との反応の有無を検出する工程。
(iii)プローブと検体中の核酸の反応が検出される場合に、検体中の核酸と反応したプローブを特定し、プローブの塩基配列に基づいて検体中に含まれる感染症起炎菌遺伝子を特定する工程。
(1)5’ gcggcgtgcctaatacatgcaag 3’(配列番号1)の塩基配
列からなるオリゴヌクレオチド。
(2)5’ gcggcaggcctaacacatgcaag 3’(配列番号2)の塩基配
列からなるオリゴヌクレオチド。
(3)5’ gcggcaggcttaacacatgcaag 3’(配列番号3)の塩基配
列からなるオリゴヌクレオチド。
(4)5’ gcggtaggcctaacacatgcaag 3’(配列番号4)の塩基配
列からなるオリゴヌクレオチド。
(5)5’ gcggcgtgcttaacacatgcaag 3’(配列番号5)の塩基配
列からなるオリゴヌクレオチド。
(6)5’ gcgggatgccttacacatgcaag 3’(配列番号6)の塩基配
列からなるオリゴヌクレオチド。
(7)5’ gcggcatgccttacacatgcaag 3’(配列番号7)の塩基配
列からなるオリゴヌクレオチド。
(8)5’ gcggcatgcttaacacatgcaag 3’(配列番号8)の塩基配
列からなるオリゴヌクレオチド。
(9)5’ gcggcgtgcttaatacatgcaag 3’(配列番号9)の塩基配
列からなるオリゴヌクレオチド。
(10)5’ gcggcaggcctaatacatgcaag 3’(配列番号10)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(11)5’ gcgggatgctttacacatgcaag 3’(配列番号11)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(12)5’ gcggcgtgcctaacacatgcaag 3’(配列番号12)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(13)5’ gcggcgtgcataacacatgcaag 3’(配列番号13)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(14)5’ gcggcatgcctaacacatgcaag 3’(配列番号14)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(15)5’ gcggcgcgcctaacacatgcaag 3’(配列番号15)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(16)5’ gcggcgcgcttaacacatgcaag 3’(配列番号16)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(17)5’ gcgtcatgcctaacacatgcaag 3’(配列番号17)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(18)5’ gcgataggcttaacacatgcaag 3’(配列番号18)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(19)5’ gcgacaggcttaacacatgcaag 3’(配列番号19)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(20)5’ gctacaggcttaacacatgcaag 3’(配列番号20)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(21)5’ acagaatgcttaacacatgcaag 3’(配列番号21)の塩
基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(22)5’ atccagccgcaccttccgatac 3’(配列番号22)の塩基
配列からなるオリゴヌクレオチド。
(23)5’ atccaaccgcaggttcccctac 3’(配列番号23)の塩基
配列からなるオリゴヌクレオチド。
(24)5’ atccagccgcaggttcccctac 3’(配列番号24)の塩基
配列からなるオリゴヌクレオチド。
(25)5’ atccagccgcaccttccggtac 3’(配列番号25)の塩基
配列からなるオリゴヌクレオチド。
(26)5’ atccagcgccaggttcccctag 3’(配列番号26)の塩基
配列からなるオリゴヌクレオチド。
(27)5’ atccagccgcaggttctcctac 3’(配列番号27)の塩基
配列からなるオリゴヌクレオチド。
(28)5’ atccagccgcacgttcccgtac 3’(配列番号28)の塩基
配列からなるオリゴヌクレオチド。
(実施例1)
以下の実施例では、2 Step PCR法を用いた微生物の検出について説明する。
[1.プローブDNAの準備]
フラボバクテリウム属菌検出用プローブの塩基配列として、表1に示す核酸配列を設計した。具体的には、フラボバクテリウム属菌の16S rRNA遺伝子をコーディングしているゲノム部分より、これらの塩基配列を選択した。これらのプローブ塩基配列群は、当該菌に対して非常に特異性が高く、十分かつそれぞれのプローブ塩基配列でばらつきのないハイブリダイゼーション感度が期待できるように設計されている。なお、プローブとしては、表1に示す塩基配列からなるプローブの他に、各塩基配列を含む20から30程度の塩基長を有するプローブも利用可能である。この場合、表1で規定される塩基配列以外の部分については検出精度に影響のない塩基配列を有していることが必要である。
[2−1.検体増幅用PCRプライマーの準備]
起炎菌検出用の為の16s rRNA遺伝子(標的遺伝子)増幅用PCRプライマーとして以下の表2に示す核酸配列を設計した。これらのプライマーセットは、16s rRNAをコーディングしているゲノム部分を特異的に増幅するためのものである。具体的には、約1400〜1700塩基長の16s rRNAコーディング領域の両端部分から選択された塩基配列に基づき、特異的な融解温度をできるだけ揃えるよう設計されたプライマーを使用した。なお、変異株や、ゲノム上に複数存在する16s rRNA遺伝子も同時に増幅できるように複数種類のプライマーが設計されている。なお、起炎菌の16s rRNA遺伝子に対して共通にほぼ全長を増幅できるプライマーセットであれば、下記の表2に挙げたプライマーセットに限定する必要はないのは言うまでもない。
上述の検体増幅用のプライマーと同様に、以下の表3に示す配列を持つオリゴヌクレオチドを標識用のプライマーとして使用した。
合成後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製し、6種類の標識プライマーを混合し、それぞれの標識プライマー濃度が、最終濃度10pmol/μlとなるようにTE緩衝液に溶解した。
[3−1.微生物の培養 & Genome DNAの抽出]
まず、Flavobacterium属菌である、Flavobacterium aquatile(ATCC 11947)、Flavobacterium hydatis(NBRC 14958)、Flavobacterium johnsoniae(NBRC 14942)の3種(いずれも公的入手可能である)を、定法に従って培養した。この微生物培養液から、核酸精製キット(FastPrep FP100A・FastDNA Kit:フナコシ株式会社製)を用いて、各Genome DNAの抽出と精製を行なった。
回収された微生物(Flavobacterium属菌)のGenome DNAは、定法に従って、アガロース電気泳動と260/280nmの吸光度測定を行い、その品質(低分子核酸の混入量、分解の程度)と回収量を検定した。本実施例では、約10μgのGenome DNA が回収され、Genome DNAのデグラデーションやrRNAの混入は認められなかった。回収したGenome DNAは、最終濃度50ng/μlとなるようにTE緩衝液に溶解し、以下の実施例に使用した。
[4−1.ガラス基板の洗浄]
合成石英のガラス基板(サイズ:25mm×75mm×1mm、飯山特殊ガラス社製)を耐熱、耐アルカリのラックに入れ、所定の濃度に調製した超音波洗浄用の洗浄液に浸した。一晩洗浄液中で浸した後、20分間超音波洗浄を行った。続いて基板を取り出し、軽く純水ですすいだ後、超純水中で20分超音波洗浄をおこなった。次に80℃に加熱した1N水酸化ナトリウム水溶液中に10分間基板を浸した。再び純水洗浄と超純水洗浄を行い、DNAチップ用の石英ガラス基板を用意した。
シランカップリング剤KBM−603(信越シリコーン社製)を、1重量(wt)%の濃度となるように純水中に溶解させ、2時間室温で攪拌した。続いて、先に洗浄したガラス基板をシランカップリング剤水溶液に浸し、20分間室温で放置した。ガラス基板を引き上げ、軽く純水で表面を洗浄した後、窒素ガスを基板の両面に吹き付けて乾燥させた。次に乾燥した基板を120℃に加熱したオーブン中で1時間ベークし、カップリング剤処理を完結させ、基板表面にアミノ基を導入した。次いで、N−マレイミドカプロイロキシスクシイミド(以下EMCSと略す)を、ジメチルスルホキシドとエタノールの1:1混合(容量比)溶媒中に最終濃度が0.3mg/mlとなるように溶解したEMCS溶液を用意した。EMCSは、同仁化学研究所社製のN−マレイミドカプロイロキシスクシイミド(N−(6−Maleimidocaproyloxy)succinimido)である。
実施例1の[1.プローブDNAの準備]で作製した微生物検出用プローブを純水に溶解し、それぞれ、最終濃度(インク溶解時)10μMとなるように分注した後、凍結乾燥を行い、水分を除いた。
グリセリン7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、尿素7.5wt%、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)1.0wt%を含む水溶液を用意した。続いて、先に用意した2種類のプローブ(表1)の夫々を上記の混合溶媒に規定濃度なるように溶解した。得られたDNA溶液をインクジェットプリンタ(商品名:BJF−850 キヤノン社製)用インクタンクに充填し、印字ヘッドに装着した。
30分間のプローブ結合反応後、100mMのNaClを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)により表面に残ったDNA溶液を洗い流し、ガラス基板表面に一本鎖DNAが固定したDNAチップを得た。
[5−1.検体の増幅:1st PCR]
検体となる微生物遺伝子の増幅(1st PCR)、および、標識化(2nd PCR)反応を以下の表4に示す。
[5−2.標識化反応:2nd PCR]
表5の組成の反応液を図2に示すプロトコルに従って、市販のサーマルサイクラーで増幅反応を行なった。
上述の[4.DNAチップの作成]で作成したDNAチップと[5.検体の増幅と標識化]で作成した標識化検体を用いて、検出反応を行なった。
BSA(牛血清アルブミンFraction V:Sigma社製)を1wt%となるように100mM NaCl/10mM Phosphate Bufferに溶解した。次に、この溶液に[4.DNAチップの作製]で作製したDNAチップを室温で2時間浸し、ブロッキングを行った。ブロッキング終了後、以下の洗浄液で洗浄を行った後、純水でリンスしてからスピンドライ装置で水切りを行った。
洗浄液:
0.1wt%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含む2×SSC溶液(NaCl 300mM 、Sodium Citrate (trisodium citrate dihydrate, C6H5Na3・2H2O) 30mM、p.H.7.0)
[6−2.ハイブリダイゼーション]
水切りしたDNAチップをハイブリダイゼーション装置(Genomic Solutions Inc. Hybridization Station)にセットし、以下に示すハイブリダイゼーション溶液、条件でハイブリダイゼーション反応を行った。
6xSSPE / 10% Formamide / Target(2nd PCR Products 全量)/ 0.05wt% SDS
(6xSSPE: NaCl 900mM、NaH2PO4・H2O 50mM、EDTA 6mM、p.H. 7.4)
[6−4.ハイブリダイゼーション条件]
65℃ 3min → 55℃ 4hr → Wash 2xSSC / 0.1% SDS at 50℃ → Wash 2xSSC at 20℃ → (Rinse with H2O : Manual) → Spin dry
[7.微生物Genomeの検出(蛍光測定)]
上記ハイブリダイゼーション反応終了後のDNAチップをDNAチップ用蛍光検出装置(Axon社製、GenePix 4000B)を用いで蛍光測定を行った。その結果、再現性良く、十分なシグナルでFlavobacterium属菌を検出することができた。以下の表6に、Flavobacterium属菌の蛍光測定結果を示す。なお、ATTC番号の菌は米国のAmerican Type Culture Collection (ATCC)に、NBRC番号の菌は、独立行政法人、製品評価技術基盤機構、生物遺伝資源部門(NBRC)に寄託されている。
表1に示すプローブセットが、Flavobacterium属菌のみに特異的にハイブリッド体を形成することを証明するため、Escherichia coli(JCM 1649)とのハイブリダイゼーション反応を行なった結果を、次の表7に示す。なお、JMC番号の菌は理化学研究所微生物系統保存施設(JCM)に寄託されており、公的入手可能である。
以上に説明したように、上記実施例によれば、Flavobacterium属菌のみを特異的に検出可能なプローブセットを固定したDNAチップを作成することができた。更に、このDNAチップを用いて、感染症起炎菌を同定することが可能になり、微生物由来のDNAプローブの問題を解決した。すなわち、オリゴヌクレオチドプローブは化学的に大量合成が可能であり、精製や濃度のコントロールが可能である。また、微生物の属による分類を目的に、同じ属の菌種は一括検出が可能で、しかも、他の属の菌は区別して検出できるようなプローブセットが提供できた。
Claims (7)
- 感染症起炎菌であるフラボバクテリウム属菌の遺伝子を検出するためのプローブであって、下記の(1)乃至(4)のいずれか1つの塩基配列からなることを特徴とするプローブ。
(1)GGAAGTAACTAGAATATGTAGTGTAGCGGTG(配列番号35)またはその相補配列、
(2)GCCAGTGCAAACTGTGAGGAAGGT(配列番号36)またはその相補配列、
(3)GGGTAGGGGTCCTGAGAGGGAGATC(配列番号37)またはその相補配列、
(4)配列番号35から37の配列またはこれらの相補配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ。 - 感染症起炎菌であるフラボバクテリウム属菌の遺伝子を検出するためのプローブセットであって、下記の(A)乃至(L)のいずれかのプローブの2以上を含むことを特徴とするプローブセット。
(A)GGAAGTAACTAGAATATGTAGTGTAGCGGTG(配列番号35)で表される塩基配列からなるプローブ、
(B)GCCAGTGCAAACTGTGAGGAAGGT(配列番号36)で表される塩基配列からなるプローブ、
(C)GGGTAGGGGTCCTGAGAGGGAGATC(配列番号37)で表される塩基配列からなるプローブ、
(D)配列番号35の塩基配列の相補配列からなるプローブ、
(E)配列番号36の塩基配列の相補配列からなるプローブ、
(F)配列番号37の塩基配列の相補配列からなるプローブ、
(G)配列番号35の塩基配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(H)配列番号36の塩基配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(I)配列番号37の塩基配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(J)配列番号35の塩基配列の相補配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、
(K)配列番号36の塩基配列の相補配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ、及び
(L)配列番号37の塩基配列の相補配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ。 - 請求項1に記載のプローブまたは請求項2に記載のプローブセットを構成する複数のプローブの各々が、固相担体上に、互いに隔離して配置されていることを特徴とするプローブ固定担体。
- プローブ固定担体を用いた検体中でのフラボバクテリウム属菌の遺伝子の検出方法において、
(i)請求項3に記載のプローブ固定担体と検体とを反応させる工程と、
(ii)前記プローブ固定担体上にプローブと前記検体中の核酸との反応の有無を検出する工程と、
を有することを特徴とするフラボバクテリウム属菌遺伝子の検出方法。 - 請求項1に記載のプローブまたは請求項2に記載のプローブセットを構成する複数のプローブと、プローブと標的核酸との反応を検出するための試薬と、を有することを特徴とするフラボバクテリウム属菌遺伝子検出用のキット。
- 前記プローブが担体に固定された状態で提供されている請求項5に記載のキット。
- 該試薬として、フラボバクテリウム属菌の遺伝子を増幅するプライマーとして、以下の(1)乃至(21)から選ばれる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドと、以下の(22)乃至(28)から選ばれる少なくとも1つのオリゴヌクレオチドと、を含む請求項5に記載のキット。
(1)5’ gcggcgtgcctaatacatgcaag 3’(配列番号1)の
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(2)5’ gcggcaggcctaacacatgcaag 3’(配列番号2)の
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(3)5’ gcggcaggcttaacacatgcaag 3’(配列番号3)の
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(4)5’ gcggtaggcctaacacatgcaag 3’(配列番号4)の
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(5)5’ gcggcgtgcttaacacatgcaag 3’(配列番号5)の
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(6)5’ gcgggatgccttacacatgcaag 3’(配列番号6)の
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(7)5’ gcggcatgccttacacatgcaag 3’(配列番号7)の
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(8)5’ gcggcatgcttaacacatgcaag 3’(配列番号8)の
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(9)5’ gcggcgtgcttaatacatgcaag 3’(配列番号9)の
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(10)5’ gcggcaggcctaatacatgcaag 3’(配列番号10
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(11)5’ gcgggatgctttacacatgcaag 3’(配列番号11
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(12)5’ gcggcgtgcctaacacatgcaag 3’(配列番号12
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(13)5’ gcggcgtgcataacacatgcaag 3’(配列番号13
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(14)5’ gcggcatgcctaacacatgcaag 3’(配列番号14
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(15)5’ gcggcgcgcctaacacatgcaag 3’(配列番号15
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(16)5’ gcggcgcgcttaacacatgcaag 3’(配列番号16
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(17)5’ gcgtcatgcctaacacatgcaag 3’(配列番号17
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(18)5’ gcgataggcttaacacatgcaag 3’(配列番号18
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(19)5’ gcgacaggcttaacacatgcaag 3’(配列番号19
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(20)5’ gctacaggcttaacacatgcaag 3’(配列番号20
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(21)5’ acagaatgcttaacacatgcaag 3’(配列番号21
)の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(22)5’ atccagccgcaccttccgatac 3’(配列番号22)
の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(23)5’ atccaaccgcaggttcccctac 3’(配列番号23)
の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(24)5’ atccagccgcaggttcccctac 3’(配列番号24)
の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(25)5’ atccagccgcaccttccggtac 3’(配列番号25)
の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(26)5’ atccagcgccaggttcccctag 3’(配列番号26)
の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
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の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
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の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
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