JP2008118191A - 画像処理装置及びその画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】色材量制限に応じて合計色材量を決める方法を変え、任意のカラープリンタごとの特性の違いを吸収して高精度な色再現が可能な変換テーブルを作成する。
【解決手段】墨を含む4次元の色空間を持つカラーデバイスによって出力されるカラーパッチの測色結果から、デバイス色空間の色をデバイスに非依存な色空間の色に変換する順変換テーブル、及び、デバイスに非依存な色空間の色をデバイス色空間の色に変換する逆変換テーブルを作成する場合に、デバイスに依存する3次元色空間の色を墨を含む4次元のデバイス色空間の色に変換する墨版生成では、デバイスに依存する3次元色空間の入力色を黒へのグラデーションに基づき、色材量制限値に対応する色材量合計値を算出し、該色材量合計値が前記色材量制限値を越えないように4次元のデバイス色空間の色要素に色分解を行い、色分解された色要素に対して墨量に応じた彩度アップ変換を行う。
【選択図】図16
【解決手段】墨を含む4次元の色空間を持つカラーデバイスによって出力されるカラーパッチの測色結果から、デバイス色空間の色をデバイスに非依存な色空間の色に変換する順変換テーブル、及び、デバイスに非依存な色空間の色をデバイス色空間の色に変換する逆変換テーブルを作成する場合に、デバイスに依存する3次元色空間の色を墨を含む4次元のデバイス色空間の色に変換する墨版生成では、デバイスに依存する3次元色空間の入力色を黒へのグラデーションに基づき、色材量制限値に対応する色材量合計値を算出し、該色材量合計値が前記色材量制限値を越えないように4次元のデバイス色空間の色要素に色分解を行い、色分解された色要素に対して墨量に応じた彩度アップ変換を行う。
【選択図】図16
Description
本発明は画像処理装置及びその画像処理方法に関する。例えば、出力デバイスによって出力されたカラーパッチの測色結果から、デバイスに非依存な色をデバイス色空間の色に変換する変換テーブルを作成する画像処理に関するものである。
プリンタの色再現処理を向上させる方法として、入出力デバイスの色特性をテーブル化したプロファイルを利用して色変換する方法が用いられている。この方法では、入力デバイス空間からデバイスに非依存な空間、及びデバイスに非依存な空間から出力プリンタ空間への変換テーブル(いわゆる、ルックアップテーブル:LUT)を利用し、LUT演算により入出力間の色再現を図っている。つまり、これらの変換テーブルの精度がプリンタの色再現性能を大きく左右し、特に後者のLUT(デバイスに非依存な色空間→プリンタデバイス色空間)をいかに精度良く作成できるかが重要となっている。
変換テーブルの作成には、プリンタのCMYK信号とデバイスに非依存な信号との対応関係を表すデータ(測色テーブル)が必要である。一般に、このデータは、プリンタで出力した複数個のカラーパッチを測色することにより得ることが可能である。
しかしながら、カラープリンタで用いられるCMYK色空間は出力するカラープリンタの特性に依存することが多いため、測色テーブルだけを利用する変換テーブル作成方法で、様々なデバイスに柔軟に対応することは困難である。特に、デバイス非依存空間からプリンタ空間への変換テーブルは、カラープリンタの出力非線形特性の影響を強く受けるため難しい。そこで、測色データ以外に、カラープリンタの出力特性を表す他のパラメータ(例えば濃度特性)を利用することにより、色再現精度の向上が図られている。
また、プリンタはCMYK4色で最大400%の色材量を利用可能であるが、400%でプリントすることはほとんどなく、制限範囲内の色材量(色材量制限)でプリントを行う。例えば、電子写真プリンタでは200%程度での利用が一般的である。その場合、400%の色材を利用する場合と比較して、プリンタの色再現範囲(色域)は大幅に縮小される。
図41は、色材量制限値が400%の場合と211%の場合での、プリンタの色再現範囲をLab空間上のL-b平面で比較した図である。211%のように、利用可能な色材量が少ない(色材量制限が強い)場合は、シャドウ部の色再現範囲が狭く、階調性が悪いことがわかる。
また、出力CMYKの合計色材量が色再現や階調性に問題を与える場合がある。例えば、特許文献1では、ハイライトからシャドウに向けて線形に増加させる方法である。
特開2003-125223公報
しかしながら、合計色材量のこうした決め方では、色材量が十分に使える場合(色材量制限300%以上)は問題ないが、色材量制限が強い場合(色材量制限300%未満)、シャドウ部で十分な色材を使うことができない。このため、プリンタの色再現範囲が狭くなってしまう。例として、図14に青から黒にかけてのグラデーションに関して、合計色材量を線形に増加させた場合の合計色材量の変化を示す(図14の(1))。このときの色材量制限は、2次色200%、4次色250%とする。しかし、この方法ではシャドウ部で使用する色材量が不十分なため、色再現範囲が狭くなってしまう。
そこで、出力CMYKの合計色材量を入力CMYの合計色材量と等量になるように増加させ、色材量制限でクリップする方法が考えられる(図14の(2))。しかし、この方法では、図15のように色材量制限値が200%未満の場合(図15は150%)、白から2次色(図15の例は青)のグラデーションにおいて、途中から合計色材量が変化しないため階調変化がなくなってしまうという問題が起こる(図15の(1))。そこで、少しでも階調性を出すために、図15の(2)のように、合計色材量を非線形的に変化させる方法が考えられる。
本発明は,上述の問題を解決するためのもので、色材量制限に応じて合計色材量を決める方法を変える。これにより、任意のカラープリンタに対して、カラープリンタが持つ出力濃度特性等の情報を利用せずに、測色データからカラープリンタごとの特性の違いを吸収して高精度な色再現が可能な変換テーブルを作成することを目的とする。また、利用可能な色材量の制限が強い場合でも、色再現範囲を極力維持し、階調性悪化を防ぐことが可能な色変換処理を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の画像処理方法は、墨を含む4次元の色空間を持つカラーデバイスによって出力されるカラーパッチの測色結果から、デバイス色空間の色をデバイスに非依存な色空間の色に変換する順変換テーブル、及び、デバイスに非依存な色空間の色をデバイス色空間の色に変換する逆変換テーブルを作成する逆変換テーブル作成工程を有する画像処理方法であって、前記逆変換テーブル作成工程は、デバイスに依存する3次元色空間の色を、墨を含む4次元のデバイス色空間の色に変換する墨版生成工程を含み、前記墨版生成工程は、前記デバイスに依存する3次元色空間の入力色を黒へのグラデーションに基づき、色材量制限値に対応する色材量合計値を算出し、該色材量合計値が前記色材量制限値を越えないように4次元のデバイス色空間の色要素に色分解する色分解工程と、色分解された色要素に対して、墨量に応じた彩度アップ変換を行う彩度アップ変換工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の画像処理装置は、墨を含む4次元の色空間を持つカラーデバイスによって出力されるカラーパッチの測色結果から、デバイス色空間の色をデバイスに非依存な色空間の色に変換する順変換テーブル、及び、デバイスに非依存な色空間の色をデバイス色空間の色に変換する逆変換テーブルを作成する逆変換テーブル作成手段を有する画像処理装置であって、前記逆変換テーブル作成手段は、デバイスに依存する3次元色空間の色を、墨を含む4次元のデバイス色空間の色に変換する墨版生成手段を含み、前記墨版生成手段は、前記デバイスに依存する3次元色空間の入力色を黒へのグラデーションに基づき、色材量制限値に対応する色材量合計値を算出し、該色材量合計値が前記色材量制限値を越えないように4次元のデバイス色空間の色要素に色分解する色分解手段と、色分解された色要素に対して、墨量に応じた彩度アップ変換を行う彩度アップ変換手段とを含むことを特徴とする。
更に、上記画像処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
以上説明したように、本発明によれば、色材量制限に応じて合計色材量を決める方法を変える。そのため、任意のカラープリンタに対して、カラープリンタが持つ出力濃度特性等の情報を利用せずに、測色データからカラープリンタごとの特性の違いを吸収して高精度な色再現が可能な変換テーブルを作成することが可能となる。また、利用可能な色材量の制限が強い場合でも、色再現範囲を極力維持し、階調性悪化を防ぐことが可能な色変換処理を提供することが可能となる。
以下、本発明にかかる実施形態の画像処理装置を、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明にかかる実施形態は、特に図16から図19を参照して記載されているが、これに限定されない。
<本実施形態の画像処理装置のカラーマッチング処理の構成例>
図1は、本実施形態の画像処理装置により得られた色変換テーブルを用いて、カラーマッチング処理を行いプリンタ出力する際の構成例を示すブロック図である。
図1は、本実施形態の画像処理装置により得られた色変換テーブルを用いて、カラーマッチング処理を行いプリンタ出力する際の構成例を示すブロック図である。
入力機器11からカラーマッチング処理部12に送られる入力信号は、何らかのデバイスに依存する色空間の画像信号で、例えば、あるスキャナにより原稿から読み取られた画像を示すRGB信号であったり、あるプリンタに出力すべきCMYK信号であってもよい。本実施形態を複写機に適用する場合は、入力信号はスキャナで読み取られた画像を示すRGB信号である。また、プルーフ(試し刷り、校正刷り)を目的とする場合は、ターゲットである印刷機へ出力されるCMYK信号である。
このような入力信号は、カラーマッチング処理部12に入力され、まず入力色→Lab変換LUT13を利用したLUT変換によりデバイスに独立な色空間であるLab色空間の信号に変換される。次に、Lab→CMYK変換LUT14を利用したLUT変換により、プリンタのデバイスCMYKの信号に変換される。このCMYK信号がプリンタ15に送られることにより、入力機器とのカラーマッチングが行われた結果をプリンタ15で出力することが可能となる。
<本実施形態の画像処理装置の制御部のハードウエア構成例>
図2は、本実施形態の画像処理装置の制御部のハードウエア構成例を示すブロック図である。なお、図2には、本実施形態に関連の深い要素のみが記載され、汎用の要素などは省略してある。
図2は、本実施形態の画像処理装置の制御部のハードウエア構成例を示すブロック図である。なお、図2には、本実施形態に関連の深い要素のみが記載され、汎用の要素などは省略してある。
図2で、201は、本実施形態の画像処理装置の制御部を司る演算制御用のCPUである。202は、CPU201が使用する立ち上げプログラムや固定パラメータなどを格納するROMである。203は、他の制御部との通信を制御する通信制御部である。なお、図2には、本実施形態に関連する色変換テーブルを作成する制御を中心に図示しているが、かかる制御部が画像形成全体の制御を兼任する集中システムでもよい。あるいは、個々の制御を行うCPUを設けて、それらを通信で結ぶ分散システムであってもよい。
204は、CPU201がプログラムの実行中にパラメータや計算結果を一時記憶するRAMである。205は、本制御部が実行するアプリケーションプログラムやLUTなどの不揮発性データを記憶するディスクなどの外部記憶部である。206は、周辺機器やユニットとのデータのやり取りをインタフェースする入出力インタフェースである。入出力インタフェース206には、本実施形態の関連する機器として、表示部やタッチパネル、キーボードなどの入出力ユニット206a、画像形成を実行するプリントエンジン15、カラーパッチ画像の測色を行う測色センサ206bが接続されている。
RAM204には、本実施形態に関連する以下のデータの記憶領域が確保されている。204aは、カラーパッチをプリントエンジン15に形成させるためのデータ領域である。204bは、測色センサ206bにより測色されたカラーパッチの測色データを記憶する領域である。204cは、本実施形態のデバイスRGB→CMYK変換部で処理を行う入力RGB値を記憶する領域である。204dは、入力RGB値を変換した変換CMY値を記憶する領域である。204eは、変換CMY値から生成されたデバイスRGB→CMYK変換部からの出力CMYK値を記憶する領域である。
204fは、CMYK,デバイスRGB,Labの各グリッド数を記憶する領域である。204gは、特にユーザが入出力ユニットを介して設定したデバイスパラメータを記憶する領域である。本例で使用するパラメータとしては、色材量の制限値に関するパラメータや墨生成カーブに関するパラメータなどが含まれる。かかるユーザインタフェースについては、図3や図25,図26に示されている。
204hは、本実施形態のグラデーションを考慮した色分解に使用される出力CNYK色材量合計値SumPなどのパラメータを記憶する領域である。204iは、本実施形態の彩度アップ変換に使用される彩度アップ係数Cupなどのパラメータを記憶する領域である。204jは、外部記憶部205からCPU201が実行するプログラムをロードするプログラムロード領域である。なお、本実施形態のデバイスRGB→CMYK変換部で使用されるパラメータ204hや204iの詳細は、以下の図7を参照して説明する。
外部記憶部205には、次のようなデータとプログラムを記憶する領域が確保される。205aは、カラーパッチ生成データ204aとカラーパッチ測色データ204bから作成されるCMYK→Lab測色値デーブルを記憶する領域である。205bは、本実施形態で作成されたCMYK→Lab変換LUTを記憶する領域である。205cは、本実施形態で作成されたデバイスRGB→Lab変換LUTを記憶する領域である。205dは、本実施形態で作成されたLab→CMYK変換LUTを記憶する領域である。205eは、本実施形態で使用される墨生成カーブデータを記憶する領域である。かかる墨生成カーブデータとしては、ユーザが入力したもの、装置に用意されているもの、新たに作成されたものが含まれる。
以下の205f〜205wはプログラム及びその一部を構成するモジュールを示し、例えば、各プログラムは以下の図5及び図6の各作成部に相当し、一方、各モジュールは各作成部を構成する構成ブロックに相当する。
205fは、本画像形成装置が画像形成する場合のカラーマッチングを行うカラーマッチング処理プログラムを記憶する領域である。205gは、カラーパッチ生成データを生成してプリントエンジンに画像形成させ、測色センサによる測色データとに基づきCMYK→Lab測色値デーブル205aを作成して記憶するパッチ発生/測色プログラムを記憶する領域である。205hは、CMYK→Lab変換LUTを作成するCMYK→Lab変換LUT作成プログラムを記憶する領域である。205iは、デバイスRGB→Lab変換LUTを作成するデバイスRGB→Lab変換LUT作成プログラムを記憶する領域である。205jは、Lab→CMYK変換LUTを作成するLab→CMYK変換LUT作成プログラムを記憶する領域である。205kは、入出力ユニット206aを介してユーザとインタフェースを取るためのユーザインタフェース・プログラムを記憶する領域である。ユーザインタフェース・プログラム205kには、表示部に表示する画面を作成する表示画面作成モジュールやユーザの入力したデータを取得して対応する処理をしたり所定の領域に記憶するデータ入力モジュールを含む。
以下のモジュール205m〜205wは、パッチ発生/測色プログラム205g、CMYK→Lab変換LUT作成プログラム205h、デバイスRGB→Lab変換LUT作成プログラム205i、Lab→CMYK変換LUT作成プログラム205jを構成する各モジュールを示す。
205mは、カラーパッチを生成するカラーパッチ生成モジュールである。205nは、カラーパッチを測色するカラーパッチ測色モジュールである。205pは、記憶されたグリッド数204fに基づいてCMYKグリッドを発生するCMYKグリッド発生モジュールである。205qは、記憶されたグリッド数204fに基づいてデバイスRGBグリッドを発生するデバイスRGBグリッド発生モジュールである。205rは、記憶されたグリッド数204fに基づいてLabグリッドを発生するLabグリッド発生モジュールである。205sは、色空間を圧縮する色空間圧縮モジュールである。205tは、CMYKデータをLabデータに変換するCMYK→Lab変換モジュールである。205uは、デバイスRGBデータをCMYKデータに変換するデバイスRGB→CMYK変換モジュールである。205wは、LabデータをデバイスRGBデータに変換するLab→デバイスRGB変換モジュールである。
なお、本実施形態の特徴は、特にデバイスRGB→CMYK変換部に相当するデバイスRGB→CMYK変換モジュール205uにかかるものである。
(入出力ユニット206aのユーザインタフェース例)
図3は、色変換LUT作成の際のパラメータを設定するためのユーザインタフェース(UI)の一例を示す図である。
図3は、色変換LUT作成の際のパラメータを設定するためのユーザインタフェース(UI)の一例を示す図である。
LUT作成パラメータ設定ウィンドウ1000の中に、CMYK→Lab変換LUT設定1001及び、Lab→CMYK変換LUT設定1003を行うフィールドが存在する。
CMYK→Lab変換LUT設定1001では、グリッド数を設定することができる(1002)。ここに9を指定した場合は、9×9×9×9のCMYK→Lab変換LUTが作成される。
Lab→CMYK変換LUT設定1003では、グリッド数(1004)及びデバイス特性を設定可能である。グリッド数に17を指定した場合は、17×17×17のLab→CMYK変換LUTが作成される。
Lab→CMYK変換LUT設定1003では、グリッド数(1004)及びデバイス特性を設定可能である。グリッド数に17を指定した場合は、17×17×17のLab→CMYK変換LUTが作成される。
デバイス特性には、K色材量(1005)、2次色色材量(1006)、4次色色材量(1007)及び、墨生成カーブ設定フィールド(1008)により作成可能な墨生成カーブ(1009)が存在する。上記色材量はそれぞれ%で最大量(色材量制限値)を指定可能である。また、墨生成カーブ設定フィールド1008では、ユーザが墨の入り方を自由に調節することが可能である。例えば、ユーザが図中の黒丸のマークを自由に動かし、それを所定の方法、例えばスプライン関数等で結ぶことで自由曲線による墨生成カーブ1009が作成される。
(墨生成カーブの一例)
ここで、墨生成カーブの一例を図4に示す。
ここで、墨生成カーブの一例を図4に示す。
これは横軸が変換前の墨量、縦軸が変換後の墨量であり、入力墨量をx、出力墨量をyとすると、y=f(x)の関数で表される。このときの関数fは例えば、べき関数であったり、自由曲線を描くスプライン関数等様々である。図4のカーブは、低濃度部における墨量を抑え、高濃度部(シャドウ部)で急激に墨量を増やしている例である。このように、前記の方法によりユーザは所望する墨入れを自由に調整可能となる。
<本実施形態の色変換LUT作成部の構成及び作成例>
以下、図1のカラーマッチング処理に用いられる色変換LUT作成部の構成及び作成方法に関して説明する。図5及び図6に、前記Lab→CMYK変換LUT14を作成するための作成部の動作を示す。
以下、図1のカラーマッチング処理に用いられる色変換LUT作成部の構成及び作成方法に関して説明する。図5及び図6に、前記Lab→CMYK変換LUT14を作成するための作成部の動作を示す。
(CMYK→Lab変換LUTの作成)
まず、図5は、パッチ発生/測色部201及びCMYK→Lab変換LUT作成部202の動作を説明するための図である。
まず、図5は、パッチ発生/測色部201及びCMYK→Lab変換LUT作成部202の動作を説明するための図である。
パッチ発生/測色部201では、まずカラーパッチ生成部21でCMYKのカラーパッチを作成する。このカラーパッチを、プリンタ15でカラーマネジメントを行わないで出力し、パッチ画像の出力22を得る。次に、これをカラーパッチ測色部23で測色し、Lab値を得る。最後に、カラーパッチ生成部21で生成したCMYK値とカラーパッチ測色部23で得られたLab値を対応させることでCMYK→Labの測色値テーブル24を得る。この測色値テーブルは、CMYK→Lab変換LUT作成部202及びデバイスRGB→Lab変換LUT作成部301で利用される。
CMYK→Lab変換LUT作成部202では、まずCMYKグリッド発生部25でCMYKのグリッドデータを発生させる。このときのグリッド数は、図3のUIのCMYK→Lab変換LUT設定フィールド1001のグリッド数1002の値によって決まる。例えば、グリッド数に9が指定された場合は、9×9×9×9のCMYKグリッドを作成する。これをCMYK→Lab変換部26に入力し、前記CMYK→Lab測色値テーブル24を利用して、対応するLab値を補間計算により算出する。以上の流れにより、CMYK→Lab変換LUT27が作成される。
このCMYK→Lab変換LUTは、図1の入力機器11がプリンタ15である場合は入力色→Lab変換LUT13として利用可能である。
(デバイスRGB→Lab変換LUT及びLab→CMYK変換LUTの作成)
図6は、デバイスRGB→Lab変換LUT作成部301及びLab→CMYK変換LUT作成部302の動作を説明するための図である。
図6は、デバイスRGB→Lab変換LUT作成部301及びLab→CMYK変換LUT作成部302の動作を説明するための図である。
デバイスRGB→Lab変換部LUT作成部301では、まずデバイスRGBグリッド発生部31により、RGBのグリッド値を発生させる。このときのグリッドは、例えば17×17×17のデータでよい。このデバイスRGB値を、デバイスRGB→CMYK変換部32でデバイスCMYK値に変換する。その際、図3のUIのLab→CMYK変換LUT設定フィールド1003のデバイス特性を入力パラメータとして利用する。その後、CMYK→Lab変換部33において、パッチ発生/測色部201により作成されたCMYK→Lab測色値テーブル24を参照して、Lab値に変換する。このときの変換方法は前記CMYK→Lab変換部26と同様とする。または、CMYK→Lab変換部33は、CMYK→Lab変換部26を利用してもよい。得られたLab値をデバイスRGBグリッド発生部31で発生させたRGB値に対応させることにより、デバイスRGB→Lab変換LUT34を得る。
Lab→CMYK変換LUT作成部302では、まずLabグリッド発生部35により、Labのグリッド値を発生させる。このときのグリッドは、例えば17×17×17のデータでよい。このLab値を、色空間圧縮部36で出力するプリンタ15の色再現範囲内に圧縮する。次に、前記デバイスRGB→Lab変換LUT34を参照し、Lab→デバイスRGB変換部37でLab値をデバイスRGB値に変換する。このデバイスRGB値を、デバイスRGB→CMYK変換部で38プリンタのCMYK値に変換する。このときの変換方法は、前記デバイスRGB→CMYK変換部32と同様とする。または、デバイスRGB→CMYK変換部38は、デバイスRGB→CMYK変換部32を利用してもよい。得られたCMYK値をLabグリッド発生部35で発生させたLab値に対応させることにより、Lab→CMYK変換LUT39が作成される。
<本実施形態のデバイスRGB→CMYK変換部の構成例>
本発明は、特に、前記デバイスRGB→CMYK変換部の構成及び動作に関して特徴を有するため、以下にその詳細を述べる。ここでは、デバイスRGB→CMYK変換部(32及び38)の詳細について述べる。
本発明は、特に、前記デバイスRGB→CMYK変換部の構成及び動作に関して特徴を有するため、以下にその詳細を述べる。ここでは、デバイスRGB→CMYK変換部(32及び38)の詳細について述べる。
デバイスRGB→CMYK変換部では、墨生成カーブ及び色材量制限値を考慮して、デバイスRGBをプリンタのCMYK値に変換する。なお、RGB、CMY、CMYK各色の値は%で表すものとする(レンジは0〜100である)。
(デバイスRGB→CMYK変換部を実現する図2のメモリ構成の詳細例)
図7は、図2のRAM204及び外部記憶部205の構成のうち、デバイスRGB→CMYK変換部に関連する部分をさらに詳細に示した図である。なお、図7において、図2と同様のデータ及びプログラムには、同一の参照番号が付与されており、これらについては重複説明を避ける。
図7は、図2のRAM204及び外部記憶部205の構成のうち、デバイスRGB→CMYK変換部に関連する部分をさらに詳細に示した図である。なお、図7において、図2と同様のデータ及びプログラムには、同一の参照番号が付与されており、これらについては重複説明を避ける。
RAM204において、204kは、以下の図10に示すCMY色立体を構成するパラメータを記憶する領域である。204mは、本実施形態における処理中に作成あるいは変形されたグラデーション・テーブルを記憶する領域である。
また、図7には、図2のグラデーション色分解用パラメータ204hと彩度アップ変換用パラメータ204iの詳細が示されている。
グラデーション色分解用パラメータ204hとしては、以下のパラメータが含まれる。例えば、CMYKの合計値(SumP)、色材量のしきい値(例えば300%)、白黒のグレイライン(White-Black)、変形例で使用されるプライマリ6色カーブ、ユーザ入力墨生成カーブ、自動作成墨生成カーブなどである。
彩度アップ変換用パラメータ204iとしては、以下のパラメータが含まれる。例えば、拡散パラメータ(Sp)、強調パラメータ(em)、変形例で使用されるグレイライン距離パラメータ(gc1)、点Black距離パラメータ(gc2)、色材量パラメータ(tac)などである。
外部記憶部205においては、本実施形態の特徴部分であるデバイスRGB→CMYK変換モジュール205uの構成が更に詳細に図示されている。
2051は、CMY色立体パラメータを生成するCMY色立体生成モジュールである。2052は、グラデーション・テーブルを生成するグラデーション・テーブル生成モジュールである。2053は、RGBデータからCMYデータへの変換を行なうRGB→CMY変換モジュールである。
2054は、本実施形態の特徴部分であるグラデーションを考慮した色分解を実行するグラデーション色分解モジュールである。かかるグラデーション色分解モジュール2054は、CMYK色材量算出モジュール、墨生成カーブ補正モジュール、出力K算出モジュール、CMY振り分けモジュールを含んでいる。これらのモジュールは、以下のフローチャートの各ステップに相当する。
2055は、本実施形態の特徴部分である彩度アップ変換を実行する彩度アップ変換モジュールである。かかる彩度アップ変換モジュール2055は、拡散パラメータ算出モジュール、強調パラメータ算出モジュール、グレイライン・パラメータ算出モジュール、点Blackパラメータ算出モジュール、色材量パラメータ算出モジュール、CMY値修正モジュールを含んでいる。これらのモジュールは、以下のフローチャートの各ステップに相当する。
<本実施形態のデバイスRGB→CMYK変換部の動作手順例>
図8は、デバイスRGB→CMYK変換部(32及び34)の詳細処理手順例を示すメインフローチャートである。
図8は、デバイスRGB→CMYK変換部(32及び34)の詳細処理手順例を示すメインフローチャートである。
まず、初期設定として、パラメータをセットする(S100)。ここでいうパラメータとは、図3のUIのLab→CMYK変換LUT設定フィールド1003のデバイス特性に示されるもので、これらを以下のようにセットする。
・LimK:K(ブラック)単色の色材量制限値←K色材量1005の値
・Lim2:2次色の色材量制限値←2次色色材量1006の値
・Lim4:4次色の色材量制限値←4次色色材量1007の値
・墨生成カーブ(関数):墨生成カーブ設定フィールド1008で設定した墨生成カーブ1009
次に、以下の式で、RGB値をCMY値に変換する(S101)。
・C=100-R
・M=100-G
・Y=100-B
次に、入力色が白または黒かの判定を行う(S102)。判定基準は、以下の方法による。
・白・・・C=M=Y=0
・黒・・・C=M=Y=100
入力色が白または黒の場合は、以下のようなCMY→CMYK変換を行い(S103)、S107の処理に移る。
・白・・・(C, M, Y, K)=(0, 0, 0, 0)
・黒・・・(C, M, Y, K)=(LimCMY, LimCMY, LimCMY, LimK)
ここで、LimCMYはLimCMY=(Lim4-LimK)/3で表される値であり、色材量制限値を考慮して変換後の出力CMYK4色でブラック(合計色材量=Lim4%)を表したときの、CMY各色の色材量である。
・LimK:K(ブラック)単色の色材量制限値←K色材量1005の値
・Lim2:2次色の色材量制限値←2次色色材量1006の値
・Lim4:4次色の色材量制限値←4次色色材量1007の値
・墨生成カーブ(関数):墨生成カーブ設定フィールド1008で設定した墨生成カーブ1009
次に、以下の式で、RGB値をCMY値に変換する(S101)。
・C=100-R
・M=100-G
・Y=100-B
次に、入力色が白または黒かの判定を行う(S102)。判定基準は、以下の方法による。
・白・・・C=M=Y=0
・黒・・・C=M=Y=100
入力色が白または黒の場合は、以下のようなCMY→CMYK変換を行い(S103)、S107の処理に移る。
・白・・・(C, M, Y, K)=(0, 0, 0, 0)
・黒・・・(C, M, Y, K)=(LimCMY, LimCMY, LimCMY, LimK)
ここで、LimCMYはLimCMY=(Lim4-LimK)/3で表される値であり、色材量制限値を考慮して変換後の出力CMYK4色でブラック(合計色材量=Lim4%)を表したときの、CMY各色の色材量である。
入力が白でも黒でもない場合は、グラデーションを考慮した色分解を行い(S104)、更にシャドウ部の色再現範囲拡大を狙って彩度アップ変換(S105)を行う。かかるグラデーションを考慮した色分解(S104)と彩度アップ変換(S105)については、以下に更に詳細な手順をその変形例と共に説明する。
その後、S105の出力CMYK値の値を調整する(S106)。ここでは、出力CMYKが各色材量制限値の範囲内に収まっていない場合は、制限値に収まるように値を調整する。また、CMYKの合計が計算された値(後述)になるように調整する(ただし、Kの値は不変)。このようにして、最終的な出力CMYK値を得る。
その後、処理対象の入力RGBが残っていれば、次の入力RGB値に対して再びS101の処理を適用する。入力RGB値を全てCMYK値に変換し終わったら終了する(S107)。
<グラデーションを考慮した色分解(S104)の例>
(色分解の第1例)
図9は、グラデーションを考慮した色分解(S104)の詳細処理手順の第1例を示すフローチャートである。
(色分解の第1例)
図9は、グラデーションを考慮した色分解(S104)の詳細処理手順の第1例を示すフローチャートである。
まず、色材量制限値(Lim2、Lim4、LimK)及び前記LimCMYを基に、図10に示すCMY色立体を作成する(S200)。この色立体の8つの頂点(White、Red、Green、Blue、Cyan、Magenta、Yellow、Black)は、以下のような入力CMY/出力CMYKの対応関係を保持している。
・White :(C, M, Y)=(0, 0, 0) /(C, M, Y, K)=(0, 0, 0, 0)
・Red :(C, M, Y)=(0, 100, 100) /(C, M, Y, K)=(0, Lim2/2, Lim2/2, 0)
・Green :(C, M, Y)=(100, 0, 100) /(C, M, Y, K)=(Lim2/2, 0, Lim2/2, 0)
・Blue :(C, M, Y)=(100, 100, 0) /(C, M, Y, K)=(Lim2/2, Lim2/2, 0, 0)
・Cyan :(C, M, Y)=(100, 0, 0) /(C, M, Y, K)=(100, 0, 0, 0)
・Magenta:(C, M, Y)=(0, 100, 0) /(C, M, Y, K)=(0, 100, 0, 0)
・Yellow :(C, M, Y)=(0, 0, 100) /(C, M, Y, K)=(0, 0, 100, 0)
・Black :(C, M, Y)=(100, 100, 100)/(C, M, Y, K)=(LimCMY, LimCMY, LimCMY , LimK)
次に、入力のグラデーションを作成する(S201)。入力CMYを点P(C, M, Y)とし、点Blackと点Pを結ぶ直線と色立体との交点を点P'(C', M', Y')とする。また、点P、P'に対応するCMYKをそれぞれ(C1, M1, Y1, K1)及び(C'1, M'1, Y'1, K'1)とする。このようにして、点P'(CMYのうち少なくとも1色は値0)から入力点Pを通り、点Black(黒)までのグラデーションを考えることができる(図11参照)。
・White :(C, M, Y)=(0, 0, 0) /(C, M, Y, K)=(0, 0, 0, 0)
・Red :(C, M, Y)=(0, 100, 100) /(C, M, Y, K)=(0, Lim2/2, Lim2/2, 0)
・Green :(C, M, Y)=(100, 0, 100) /(C, M, Y, K)=(Lim2/2, 0, Lim2/2, 0)
・Blue :(C, M, Y)=(100, 100, 0) /(C, M, Y, K)=(Lim2/2, Lim2/2, 0, 0)
・Cyan :(C, M, Y)=(100, 0, 0) /(C, M, Y, K)=(100, 0, 0, 0)
・Magenta:(C, M, Y)=(0, 100, 0) /(C, M, Y, K)=(0, 100, 0, 0)
・Yellow :(C, M, Y)=(0, 0, 100) /(C, M, Y, K)=(0, 0, 100, 0)
・Black :(C, M, Y)=(100, 100, 100)/(C, M, Y, K)=(LimCMY, LimCMY, LimCMY , LimK)
次に、入力のグラデーションを作成する(S201)。入力CMYを点P(C, M, Y)とし、点Blackと点Pを結ぶ直線と色立体との交点を点P'(C', M', Y')とする。また、点P、P'に対応するCMYKをそれぞれ(C1, M1, Y1, K1)及び(C'1, M'1, Y'1, K'1)とする。このようにして、点P'(CMYのうち少なくとも1色は値0)から入力点Pを通り、点Black(黒)までのグラデーションを考えることができる(図11参照)。
次に、点Pの出力CMYKの色材量合計値SumP=(C1+M1+Y1+K1)を算出する(S202)。
図10のCMY色立体は、以下のような頂点を持つ6つの四面体に分けられる。
・White-Cyan-Green-Black
・White-Blue-Cyan-Black
・White-Magenta-Blue-Black
・White-Red-Magenta-Black
・White-Yellow-Red-Black
・White-Green-Yellow-Black
図11の例では、点Pが属する四面体の頂点は、White-Green-Yellow-Blackであり、これをもとに四面体補間により得られたCMYK値の合計をSumPとする。
・White-Cyan-Green-Black
・White-Blue-Cyan-Black
・White-Magenta-Blue-Black
・White-Red-Magenta-Black
・White-Yellow-Red-Black
・White-Green-Yellow-Black
図11の例では、点Pが属する四面体の頂点は、White-Green-Yellow-Blackであり、これをもとに四面体補間により得られたCMYK値の合計をSumPとする。
次に、出力のK値(変換後の最終値)を決定する(S203)。点Pにおける出力のK値(=K1)は、墨生成カーブの横軸(入力)を、図12のように点P'から点Blackまでのグラデーションに対応させる(点P'が入力0、点Blackが入力100)ことにより算出される。具体的には、((P'とPの距離)/(P'とBlackの距離))×100を墨生成関数の入力としたときの出力値がK1となる。
次に、点PのCMY値を入力CMYそれぞれの比率に応じて、下記のように振り分ける(S204)。
・C1=(SumP-K1)×(C/(C+M+Y))
・M1=(SumP-K1)×(M/(C+M+Y))
・Y1=(SumP-K1)×(Y/(C+M+Y))
図13は、CMY振り分け後のグラデーションの色分解例である。
・C1=(SumP-K1)×(C/(C+M+Y))
・M1=(SumP-K1)×(M/(C+M+Y))
・Y1=(SumP-K1)×(Y/(C+M+Y))
図13は、CMY振り分け後のグラデーションの色分解例である。
色分解の第1例では、以上のようにして、グラデーションを考慮した色分解を行い、C1、M1、Y1、K1を得る。
尚、図11〜図13では、説明を分かりやすくするためグラデーション全体を示したが、実際はグラデーション全体を算出する必要はなく、入力点Pに対してのみ計算すればよい。
(色分解の第2例)
さて、出力CMYKの合計色材量が色再現や階調性に問題を与える場合がある。例えば、ハイライトからシャドウに向けて線形に増加させる方法がある。合計色材量のこうした決め方は、色材量が十分に使える場合(色材量制限300%以上)は問題ない。しかし、色材量制限が強い場合(色材量制限300%未満)にはシャドウ部で十分な色材を使うことができないため,プリンタの色再現範囲が狭くなってしまう。
さて、出力CMYKの合計色材量が色再現や階調性に問題を与える場合がある。例えば、ハイライトからシャドウに向けて線形に増加させる方法がある。合計色材量のこうした決め方は、色材量が十分に使える場合(色材量制限300%以上)は問題ない。しかし、色材量制限が強い場合(色材量制限300%未満)にはシャドウ部で十分な色材を使うことができないため,プリンタの色再現範囲が狭くなってしまう。
例として、図14に青から黒にかけてのグラデーションに関して、合計色材量を線形に増加させた場合の合計色材量の変化を示す(図14の(1))。このときの色材量制限は、2次色200%、4次色250%とする。しかし、この方法ではシャドウ部(図14の円内)で使用する色材量が不十分なため,色再現範囲が狭くなってしまう。そこで、出力CMYKの合計色材量を入力CMYの合計色材量と等量になるように増加させ、色材量制限でクリップする方法が考えられる(図14の(2))。しかし、この方法では、図15のように色材量制限値が200%未満の場合(図15は150%)、白から2次色(図15の例は青)のグラデーションにおいて、途中から合計色材量が変化しない。そのため階調変化がなくなってしまうという問題が起こる(図15の(1))。そこで、少しでも階調性を出すために,図15の(2)ように、合計色材量を非線形的に変化させる方法が考えられる。
本色分解の第2例では、色材量制限に応じて合計色材量を決める方法を変えることで、カラープリンタごとの特性の違いを吸収し,任意のカラープリンタに対して測色データから高精度な色再現が可能な変換テーブルの作成を行う。また,色材量制限が強い場合でも色再現範囲を極力維持し、階調性悪化を防ぐことが可能な色変換処理を提供する。
(出力CMYKの合計色材量算出(S202)の手順例)
図16は、本実施形態の出力CMYKの合計色材量を算出する処理(S202)の詳細手順例を示すフローチャートである。
図16は、本実施形態の出力CMYKの合計色材量を算出する処理(S202)の詳細手順例を示すフローチャートである。
最初に、4次色色材量制限値Lim4の値により場合分けする(S2020)。Lim4が300%以上の場合は、四面体補間により合計色材量を算出する(S2021)。
色分解の第1例と同様に、図10のCMY色立体は、以下のような頂点を持つ6つの四面体に分けられる。
・White-Cyan-Green-Black
・White-Blue-Cyan-Black
・White-Magenta-Blue-Black
・White-Red-Magenta-Black
・White-Yellow-Red-Black
・White-Green-Yellow-Black
図11の例では、点Pが属する四面体は,White-Green-Yellow-Blackであり、これを利用して四面体補間を行って得られたCMYK値の合計値を、点Pの出力CMYKの色材量合計値SumPとする。
・White-Cyan-Green-Black
・White-Blue-Cyan-Black
・White-Magenta-Blue-Black
・White-Red-Magenta-Black
・White-Yellow-Red-Black
・White-Green-Yellow-Black
図11の例では、点Pが属する四面体は,White-Green-Yellow-Blackであり、これを利用して四面体補間を行って得られたCMYK値の合計値を、点Pの出力CMYKの色材量合計値SumPとする。
この時に、本色分解の第2例では、Lim4が300%未満の場合は、図17のように、点Whiteと入力点Pを結ぶ直線を作成し、その直線とCMY色立体との交点をP"(C", M", Y")とする(S2022)。ここで、点P"の入力色材量合計値(=C"+M"+Y")とLim4の値とを比較して、場合分けする(S2023)。
C"+M"+Y"≦Lim4なら、線形関数によりSumPを算出する(S2024)。これは、図18の状態であり、SumPは点Pの入力CMYの合計値に等しい。
C"+M"+Y">Lim4なら、非線型の圧縮関数によりSumPを算出する(S2025)。これは、図19の状態であり、SumPは非線形関数により算出される値である。これにより、WhiteからP"まで合計色材量は非線形に増加し続けるため、色材量制限が強くても色再現性と階調性を両立可能である。この非線形関数は、例えばスプライン関数や楕円関数等を使えばよい。
本色分解の第2例では、以上の処理を行い、点Pの出力CMYK合計色材量SumPを得る。
以下、色分解の第1例と同様に、出力のK値(変換後の最終値)を決定する(S203)。次に、点PのCMY値を入力CMYそれぞれの比率に応じて、下記のように振り分ける(S204)。
尚、図18,図19では、説明を分かりやすくするためグラデーション全体を示したが、実際はグラデーション全体を算出する必要はなく、入力点Pに対してのみ計算すればよい。
(色分解の第3例)
印刷において人物の肌色には墨が多く入ってしまうことは、粒状感やざらつき等の問題から好ましくないという背景がある。そのため,肌色に対しては墨量を減らすといった対応が望まれる。しかし、色変換の際に一定の墨生成カーブを利用していると、こうした要望に対応できない。
印刷において人物の肌色には墨が多く入ってしまうことは、粒状感やざらつき等の問題から好ましくないという背景がある。そのため,肌色に対しては墨量を減らすといった対応が望まれる。しかし、色変換の際に一定の墨生成カーブを利用していると、こうした要望に対応できない。
本色分解の第3例では、更に、色相ごとに異なる墨入れを実現することにより、望ましい色再現を実現可能にすることを目的とする。
図20は、グラデーションを考慮した色分解(S104)の第3例の詳細処理手順を示すフローチャートである。尚、色分解の第1例の手順と同様のステップには、同じ番号を付与し、詳細な説明は省く。
まず、色材量制限値(Lim2,Lim4,LimK)及び前記LimCMYを基に、図10に示すCMY色立体を作成する(S200)。次に、入力のグラデーションを作成する(S201)。入力CMYを点P(C, M, Y)とし、点Blackと点Pを結ぶ直線と色立体との交点を点P'(C', M', Y')とする。また、点P,P'に対応するCMYKをそれぞれ(C1, M1, Y1, K1)及び(C'1, M'1, Y'1, K'1)とする。このようにして、点P'(CMYのうち少なくとも1色は値0)から入力点Pを通り、点Black(黒)までのグラデーションを考える。次に、点Pの出力CMYKの色材量合計値(C1+M1+Y1+K1)SumPを算出する(S202)。
本色分解の第3例では、次に、グラデーションの墨生成カーブを作成する(S205)。図3でUIにより指定された墨生成カーブ1009は、グレイライン(図10の色立体のWhite-Black間)に対するものである。本例では、hite-Black間の墨生成カーブだけではなく、プライマリ6色(Red,Green,Blue,Cyan,Magenta,Yellow)とBlack間の墨生成カーブも個々に設定する。
図21の例では、Green,Blue,Cyanの墨生成カーブはグレイラインと同じ物を使用し、Red,Magenta,Yellowに関しては墨量を減らした別の墨生成カーブを利用している。これは、人物の肌色になるべく墨を入れたくないという考えに基づく一例である。これらプライマリ-Black間の墨生成カーブは、システム側であらかじめ最適なものを用意しても良いし、ユーザが個別に設定したものを用いても良い(本例では,システム側が用意したものを利用する)。
S205では,これら7つ(グレイライン+プライマリ6色)の墨生成カーブの内、点Pが属する四面体に関係する3つの墨生成カーブを利用し、補間処理によりグラデーション(点P'〜点P〜点Black)の墨生成カーブを作成する。図11の例では、点PはWhite-Green-Yellow-Blackの四面体に属するため、図22のように、White-Black,Green-Black,Yellow-Blackの3つの墨生成カーブから補間により算出する。
次に、出力のK値(変換後の最終値)を決定する(S203)。これは,S205で作成したグラデーションの墨生成カーブ(図23)より求める。具体的には,((P'とPの距離)/(P'とBlackの距離))×100を図23の墨生成関数の入力としたときの出力値が点Pにおける出力K値(=K1)となる。次に、点PのCMY値を入力CMYそれぞれの比率に応じて振り分ける(S204)。
図24は,CMY振り分け後のグラデーションの色分解例である。本色分解の第3例では、以上のようにして、グラデーションを考慮した色分解を行い、C1,M1,Y1,K1を得る。
尚、図21〜図24では、説明を分かりやすくするためグラデーション全体を示したが、実際はグラデーション全体を算出する必要はなく、入力点Pに対してのみ計算すればよい。
(墨生成カーブ設定の他例)
上記墨生成カーブ設定では、ユーザが指定する墨生成カーブはグレイラインのものだけで、プライマリの墨生成カーブはシステム側で用意していた最適なカーブを利用していた。本墨生成カーブ設定の他例では、ユーザがプライマリの墨生成カーブも設定可能とする。
上記墨生成カーブ設定では、ユーザが指定する墨生成カーブはグレイラインのものだけで、プライマリの墨生成カーブはシステム側で用意していた最適なカーブを利用していた。本墨生成カーブ設定の他例では、ユーザがプライマリの墨生成カーブも設定可能とする。
例えば,図25のようなUIを考える。図3のUIとの違いは,墨生成カーブ設定フィールド1008に,個別設定ボタン1010が加わっただけである。ユーザが未習熟者の場合は、グレイラインの墨生成カーブだけを指定し、プライマリの墨生成カーブについてはあらかじめ用意されたものを利用する。熟練ユーザは、個別設定ボタン1010から、プライマリ各色の墨生成カーブを個別にカスタマイズ可能である。
図26は、個別設定ボタン1010をクリックすると作成されるプライマリ墨生成カーブ設定ウィンドウ1100の例である。このウィンドウには、カラー設定フィールド1101及び墨生成カーブ設定フィールド1102、墨生成カーブ1103が含まれる。カラー設定フィールド1101では、ラジオボタンによりカスタマイズしたい墨生成カーブのカラーを選択する。墨生成カーブ設定フィールド1102では、カラー設定フィールド1101で設定されたカラーの墨生成カーブ1103が表示され、カスタマイズが可能となる。墨生成カーブの調整方法は、図3のUIにおける墨生成カーブ1009と同様である。
以上の方法により、ユーザ側で墨生成カーブをどこまで設定するかが選択可能である。このように設定した墨生成カーブ(グレイライン+プライマリ6色)を図8のS100の初期設定でセットする。
(墨生成カーブの自動補正例)
本例は,プライマリ墨生成カーブの自動補正に関する。
本例は,プライマリ墨生成カーブの自動補正に関する。
画像処理システムは、あらかじめ基準となるグレイラインの墨生成カーブ(グレイライン基準カーブ)、及びそれに対応する基準となるプライマリの墨生成カーブ(プライマリ基準カーブ)を用意しておく。ユーザは、図3のUIの墨生成カーブ設定フィールド1008でグレイラインの墨生成カーブ1009を設定する。このユーザ指定のグレイライン墨生成カーブとグレイライン基準カーブとを比較して、その差分量をプライマリ基準カーブに反映させて補正することにより、プライマリの墨生成カーブを自動的に作成する。
プライマリ墨生成カーブの自動補正の一例として、Redの墨生成カーブの例を図27に示す。例えば,図3のUIでユーザが指定する墨生成カーブは、制御点をいくつか設定することでスプライン補間等により生成されるものとする(図3,図25,図26は、5点スプラインの例を示す)。この制御点の位置について,ユーザ指定のカーブとグレイライン基準カーブとの差分を取る(dW(0)〜dW(4))。この差分量(dW(0)〜dW(4))を、プライマリ基準カーブの補正に利用する。例えば,補正量dR(n)を以下のように設定する。
・dR(n)=dW(n)×α
ここで、nは制御点番号、αは補正パラメータである。α=1のときdR(n)=dW(n)で、グレイラインの差分量と同じだけRedのカーブを補正すれば良い。同様にして、他のプライマリ基準カーブも補正する。
・dR(n)=dW(n)×α
ここで、nは制御点番号、αは補正パラメータである。α=1のときdR(n)=dW(n)で、グレイラインの差分量と同じだけRedのカーブを補正すれば良い。同様にして、他のプライマリ基準カーブも補正する。
このようにして,ユーザが指定する任意の墨生成カーブに合わせて、基準カーブを補正することで自動的にプライマリの墨生成カーブを生成することができる。また、ユーザがプライマリの墨生成カーブを意識する必要はないため、負担も少ない。
なお、上記色分解の例をそれぞれ独立に説明したが、これらの処理を組合せたもの、その一部を組合せたものなども、さらに効果的であり、これらも本発明に含まれるものである。
<彩度アップ変換(S105)の例>
(彩度アップ変換の第1例)
図28は、彩度アップ変換(S105)の詳細処理手順の第1例を示すフローチャートである。
(彩度アップ変換の第1例)
図28は、彩度アップ変換(S105)の詳細処理手順の第1例を示すフローチャートである。
図8で、グラデーションを考慮した色分解(S104)までの処理で得られたCMYK値では、Blackに近いシャドウ部においてCMY3色で作られる有彩色成分が減少することに加えて、Kが急激に増加する。このため、有彩色と無彩色のバランスが崩れ彩度が急激に低下してしまう。それにより、シャドウ部の色再現範囲が減少し、階調性が悪化する。これは特に色材量制限が強い場合に顕著である。彩度アップ変換の狙いは、シャドウ部の有彩色減少をできるだけ抑制することで、色再現範囲を確保し、階調性の悪化を防ぐことである。
彩度アップ変換処理では、最初に基本となる拡散パラメータspを算出する(S300)。拡散パラメータspは、出力のK値(K1)を基に、以下の式で定義される。
・sp=(K1/100)×(1-K1/100)
図29は、K(墨生成カーブ)と拡散パラメータの関係をグラフにしたものである。拡散パラメータは、K=0及びK=LimK(=100)のときは0、K=LimK/2(=50)の時に最大となるパラメータであることが分かる。このように墨量を利用して基本パラメータを定義することで、墨量による彩度低下部分にフォーカスすることができる。
・sp=(K1/100)×(1-K1/100)
図29は、K(墨生成カーブ)と拡散パラメータの関係をグラフにしたものである。拡散パラメータは、K=0及びK=LimK(=100)のときは0、K=LimK/2(=50)の時に最大となるパラメータであることが分かる。このように墨量を利用して基本パラメータを定義することで、墨量による彩度低下部分にフォーカスすることができる。
次に、強調パラメータemを算出する(S301)。強調パラメータemは、点P'のCMYのうち最小のカラーが、グラデーションのK=LimK/2の位置、つまりspが最大値をとるときに、emを利用した彩度アップ変換後に値0となるように調整されたパラメータである。
図13や図24の例では、点P'においてCMYのうち最小の色はマゼンタであるため、グラデーションのK=50(=LimK/2)の位置で彩度アップ変換後のマゼンタを0としたときに、そのときのemの値を逆算して求める(図30)。K=50(=LimK/2)のとき、sp=0.25であり、具体的な算出方法は以下のようになる(下式は、マゼンタが最小の例)。
・M(K=LimK/2)+(Min(C', M', Y') -LimCMY)×(sp×em)=0
・em=-M(K=LimK/2)/((Min(C', M', Y') -LimCMY)×0.25)
ただし、M(K=LimK/2)はK=Lim/2の位置でのマゼンタの値。
・M(K=LimK/2)+(Min(C', M', Y') -LimCMY)×(sp×em)=0
・em=-M(K=LimK/2)/((Min(C', M', Y') -LimCMY)×0.25)
ただし、M(K=LimK/2)はK=Lim/2の位置でのマゼンタの値。
次に、上記のパラメータをもとに、点Pにおける彩度アップ係数Cupを算出する(S302)。彩度アップ係数は、拡散パラメータspに強調パラメータemを乗算したものである。
・Cup=sp×em
最後に、彩度アップ係数Cupを基に、CMY値(C1、M1、Y1)を修正し、CMYK値(C2、M2、Y2、K1)を得る(S303)。
・C2=C1+(C'-LimCMY)×Cup
・M2=M1+(M'-LimCMY)×Cup
・Y2=Y1+(Y'-LimCMY)×Cup
図31に、彩度アップ変換前後のグラデーションの色分解テーブルの例を示す。Blackに近いシャドウ部でイエローとマゼンタの値の差が大きくなることにより、有彩色成分が増加し無彩色成分が減少していることが分かる。
・Cup=sp×em
最後に、彩度アップ係数Cupを基に、CMY値(C1、M1、Y1)を修正し、CMYK値(C2、M2、Y2、K1)を得る(S303)。
・C2=C1+(C'-LimCMY)×Cup
・M2=M1+(M'-LimCMY)×Cup
・Y2=Y1+(Y'-LimCMY)×Cup
図31に、彩度アップ変換前後のグラデーションの色分解テーブルの例を示す。Blackに近いシャドウ部でイエローとマゼンタの値の差が大きくなることにより、有彩色成分が増加し無彩色成分が減少していることが分かる。
また、図32に、彩度アップ変換前後の色再現範囲の違いを示す。彩度アップ変換により、シャドウ部の色再現範囲が大幅に増大していることが見て取れる。 以上のようにして、彩度アップ変換を行い、C2、M2、Y2、K1を得る。なお、図29〜図31では,説明を分かりやすくするためグラデーション全体を示したが、実際はグラデーション全体を算出する必要はなく入力点Pに対してのみ計算しすればよい。
(彩度アップ変換の第2例)
次に、彩度アップ変換の第2例を説明する。図30からわかるように、第1例の拡散パラメータと強調パラメータのみによる単純な彩度アップ変換では、グラデーションにおいて点Black(黒)ではC=M=Yであるものの、点Blackのすぐ近くではCMYの値に大きな差ができるため,黒に近い色でグレイバランスが悪くなってしまう。そこで、点Black近傍でCMYの値を等量に近づけることにより、グレイバランスを向上させる。
次に、彩度アップ変換の第2例を説明する。図30からわかるように、第1例の拡散パラメータと強調パラメータのみによる単純な彩度アップ変換では、グラデーションにおいて点Black(黒)ではC=M=Yであるものの、点Blackのすぐ近くではCMYの値に大きな差ができるため,黒に近い色でグレイバランスが悪くなってしまう。そこで、点Black近傍でCMYの値を等量に近づけることにより、グレイバランスを向上させる。
図33は,彩度アップ変換(S105)の第2例の詳細処手順を示すフローチャートである。尚、図33のフローチャートにおいて、第1例の図28と同様のステップには同じ参照番号を付与し、詳細な説明は省く。
拡散パラメータspを算出(S300)、強調パラメータemの算出(S301)は、第1例と同様である。
次に、グレイラインとの距離に応じたグレイバランス補正パラメータgc1を算出する(S304)。グレイラインは、図10で点Whiteと点Blackを結ぶ直線に相当し、C=M=Yである。彩度アップ変換は、点P'がプライマリ(Red,Green,Blue,Cyan,Magenta,Yellow)に近いほど、つまり点P'の最大値=Max(C', M', Y')が大きいほど効果を大きくし、グレイラインに近づくにつれその効果を小さくし、グレイライン(Max(C', M', Y')=0)ではその効果を0にする。これにより、グレイバランスを考慮して行うことが可能となる。そのため、グレイバランス補正パラメータgc1を、グレイラインとの距離に応じて例えば以下の式で設定する(図34)。
・gc1=Max(C', M', Y')/100
gc1をS305の彩度アップ係数に乗算してやることにより、上記を考慮した調整が可能となる。
・gc1=Max(C', M', Y')/100
gc1をS305の彩度アップ係数に乗算してやることにより、上記を考慮した調整が可能となる。
次に、黒(点Black)との距離に応じたグレイバランス補正パラメータgc2を算出する(S305)。図10の点Black(CMYKブラック)では、黒色に対する良好なグレイバランスという観点からC=M=Yである必要があり、かつ、点Blackに近づくに従いCMYの値が等しくなるように近づいていくことが望ましい。しかし、図30からわかるように,拡散パラメータと強調パラメータのみによる単純な彩度アップ変換では、グラデーションにおいて点Black(黒)ではC=M=Yであるものの、点Blackのすぐ近くではCMYの値に大きな差ができる。そのため、黒に近い色でグレイバランスが悪くなってしまう。そこで、点Black近傍でCMYの値を等量に近づけることにより、グレイバランスを向上させる。これは、以下の式により実現される(図35)。
・gc2=(d(P)/(d(P')×p_thre))2 0≦d(P)/d(P')<p_thre
・gc2=1.0 p_thre≦d(P)/d(P')
ここで、d(P)は点Pと点Blackとの距離、d(P')は点P'と点Blackとの距離、p_threは、パラメータで点Blackを基準にどの範囲まで補正を行うかを決めるものである。図35では点Blackから点P"までが補正の範囲となる。ここでは、p_thre=1/11としている。上式では二次関数でgc2を減衰させたが、これは例えばコサイン関数など他の関数を使ってもよい。
・gc2=(d(P)/(d(P')×p_thre))2 0≦d(P)/d(P')<p_thre
・gc2=1.0 p_thre≦d(P)/d(P')
ここで、d(P)は点Pと点Blackとの距離、d(P')は点P'と点Blackとの距離、p_threは、パラメータで点Blackを基準にどの範囲まで補正を行うかを決めるものである。図35では点Blackから点P"までが補正の範囲となる。ここでは、p_thre=1/11としている。上式では二次関数でgc2を減衰させたが、これは例えばコサイン関数など他の関数を使ってもよい。
次に、上記のパラメータをもとに、点Pにおける彩度アップ係数Cupを算出する(S302)。彩度アップ係数は、拡散パラメータspに強調パラメータem及びグレイバランス補正パラメータgc1,gc2を乗算したものである。
・Cup=sp×em×gc1×gc2
図36に、グレイバランス補正の有無による彩度アップ変換後のグラデーションの色分解テーブルの例を示す。gc1により、変化の度合いが全体的に緩和され、gc2によりBlack近傍でCMYが等量に近づくように補正されていることが分かる。
・Cup=sp×em×gc1×gc2
図36に、グレイバランス補正の有無による彩度アップ変換後のグラデーションの色分解テーブルの例を示す。gc1により、変化の度合いが全体的に緩和され、gc2によりBlack近傍でCMYが等量に近づくように補正されていることが分かる。
最後に、彩度アップ係数Cupを基にCMY値(C1,M1,Y1)を修正し、CMYK値(C2,M2,Y2,K1)を得る(S303)。
彩度アップ変換前後のグラデーションの色分解テーブルの例を図37に示す。Blackに近いシャドウ部でイエローとマゼンタの値の差が大きくなることにより、有彩色成分が増加し無彩色成分が減少していることが分かる。また、彩度アップ変換によりシャドウ部の色再現範囲が大幅に増大する。
以上のようにして,彩度アップ変換を行い,C2,M2,Y2,K1を得る。なお、図35〜図37では、説明を分かりやすくするためグラデーション全体を示したが、実際はグラデーション全体を算出する必要はなく入力点Pに対してのみ計算しすればよい。
(彩度アップ変換の第3例)
以下に、彩度アップ変換の第3例を説明する。本例では、拡散パラメータや強調パラメータのほかに、色材量パラメータを考慮する。
以下に、彩度アップ変換の第3例を説明する。本例では、拡散パラメータや強調パラメータのほかに、色材量パラメータを考慮する。
図38は、彩度アップ変換(S105)の第3例の詳細処理手順を示すフローチャートである。なお、図38のフローチャートにおいて、第1例の図28と同様のステップには同じ参照番号を付与し、詳細な説明は省く。
最初に基本となる拡散パラメータspを算出する(S300)。次に、強調パラメータemを算出する(S301)。
次に、本第3例では、色材量パラメータtacを算出する(S306)。彩度アップ変換は色材量制限が強い場合には効果が高いが、色材量が十分利用できる場合は彩度アップ変換を行わずS104の出力CMYKのままでも、良好な色再現が得られる。そのため、色材量制限値が大きくなるにつれて、つまり400%に近づくにつれ彩度アップ変換の効果を減少させるように調整する(Lim4=400%のときtac=0)。色材量パラメータtacは、色材量制限値に応じて例えば以下の式のように設定する(図39)。
・tac=1-((Lim4/100-2)/4)2 Lim4>200
・tac=1 otherwise
次に、上記のパラメータをもとに、点Pにおける彩度アップ係数Cupを算出する(S302)。彩度アップ係数は、拡散パラメータspに強調パラメータemと色材量パラメータtacを乗算したものである。
・Cup=sp×em×tac
最後に,彩度アップ係数Cupを基にCMY値(C1,M1,Y1)を修正し,CMYK値(C2,M2,Y2,K1)を得る(S303)。
・tac=1-((Lim4/100-2)/4)2 Lim4>200
・tac=1 otherwise
次に、上記のパラメータをもとに、点Pにおける彩度アップ係数Cupを算出する(S302)。彩度アップ係数は、拡散パラメータspに強調パラメータemと色材量パラメータtacを乗算したものである。
・Cup=sp×em×tac
最後に,彩度アップ係数Cupを基にCMY値(C1,M1,Y1)を修正し,CMYK値(C2,M2,Y2,K1)を得る(S303)。
図40に、彩度アップ変換前後のグラデーションの色分解テーブルの例を示す。Blackに近いシャドウ部でイエローとマゼンタの値の差が大きくなることにより、有彩色成分が増加し無彩色成分が減少していることが分かる。また、彩度アップ変換により、シャドウ部の色再現範囲が大幅に増大する。
以上のようにして、彩度アップ変換を行い、C2,M2,Y2,K1を得る。なお、図39〜図40では、説明を分かりやすくするためグラデーション全体を示したが、実際はグラデーション全体を算出する必要はなく入力点Pに対してのみ計算しすればよい。
なお、上記彩度アップ変換の例をそれぞれ独立に説明したが、これらの処理を組合せたもの、その一部を組合せたものなども、さらに効果的であり、これらも本発明に含まれるものである。
以上、従来技術によれば、色材量の制限が強い場合においてシャドウ部の色再現を行うとき、墨への置き換えが多いと彩度方向の色再現範囲が制限され、色変化を表現できる範囲が狭くなるので階調性が悪くなる。これに対して本実施形態では、墨量は変えずにCMYの有彩色材のバランスを変え、有彩色成分を増やし無彩色成分を減らすことにより、色再現範囲を極力維持し、彩度再現性の向上と階調再現の両立を実現した。
このような方法でデバイスRGB→CMYK変換を行うことにより、プリンタの濃度特性等のパラメータを利用せずに測色データのみを用いる汎用的な方法により、色材量制限が強い場合でも高精度な色変換テーブルを作成することが可能となる。
本実施形態では、プリンタの濃度特性等のパラメータを利用しない汎用的な方法でデバイスRGB→CMYK変換を行っている。しかし、プリンタの濃度特性データを利用可能な場合は利用してもよい。その際は、デバイスRGB→CMYK変換部の彩度アップ変換の変わりに、濃度特性データによる濃度補正処理を行ってもよい。
また、デバイス非依存の色空間はLabに限らず、LuvやXYZなど他のデバイス非依存空間でも良い。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、本発明の目的は前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
このプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、DVD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
Claims (18)
- 墨を含む4次元の色空間を持つカラーデバイスによって出力されるカラーパッチの測色結果から、デバイス色空間の色をデバイスに非依存な色空間の色に変換する順変換テーブル、及び、デバイスに非依存な色空間の色をデバイス色空間の色に変換する逆変換テーブルを作成する逆変換テーブル作成工程を有する画像処理方法であって、
前記逆変換テーブル作成工程は、デバイスに依存する3次元色空間の色を、墨を含む4次元のデバイス色空間の色に変換する墨版生成工程を含み、
前記墨版生成工程は、
前記デバイスに依存する3次元色空間の入力色を黒へのグラデーションに基づき、色材量制限値に対応する色材量合計値を算出し、該色材量合計値が前記色材量制限値を越えないように4次元のデバイス色空間の色要素に色分解する色分解工程と、
色分解された色要素に対して、墨量に応じた彩度アップ変換を行う彩度アップ変換工程とを含むことを特徴とする画像処理方法。 - 前記色分解工程は、出力される色要素の色材量の合計値を算出する合計値算出工程を有し、前記合計値算出工程では、前記色材量制限値に応じて墨版生成後の色材量合計値を変化させることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 前記合計値算出工程は、前記デバイスに依存する3次元色空間の入力色と白とのグラデーションに着目し、前記色材量制限値を考慮して墨版生成後の色材量合計値を求めることを特徴とする請求項2記載の画像処理方法。
- 前記墨版生成工程は、ユーザの指定した色材量制限値に応じて行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 前記色分解工程は、墨の色分解カーブを維持して、前記色材量の合計値が前記色材量制限値を超えないように墨を除く残りの3色の色要素に分配することを特徴とする請求項4記載の画像処理方法。
- 前記彩度アップ変換工程は、前記4次元のデバイス色空間の色要素のうち、墨を除く残りの3色の色要素の値を変更することを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 前記彩度アップ変換工程は、前記色分解の結果から有彩色の強度が低下する度合いを表す拡散パラメータを算出する工程と、前記有彩色の強度が急激に低下する部分で彩度を強調するための強調パラメータを算出する工程と、前記拡散パラメータと強調パラメータに基づき彩度アップ係数を算出する工程とを含むことを特徴とする請求項1又6記載の画像処理方法。
- 前記墨版生成工程は、ユーザの指定した墨生成カーブを利用することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
- 請求項9に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
- 墨を含む4次元の色空間を持つカラーデバイスによって出力されるカラーパッチの測色結果から、デバイス色空間の色をデバイスに非依存な色空間の色に変換する順変換テーブル、及び、デバイスに非依存な色空間の色をデバイス色空間の色に変換する逆変換テーブルを作成する逆変換テーブル作成手段を有する画像処理装置であって、
前記逆変換テーブル作成手段は、デバイスに依存する3次元色空間の色を、墨を含む4次元のデバイス色空間の色に変換する墨版生成手段を含み、
前記墨版生成手段は、
前記デバイスに依存する3次元色空間の入力色を黒へのグラデーションに基づき、色材量制限値に対応する色材量合計値を算出し、該色材量合計値が前記色材量制限値を越えないように4次元のデバイス色空間の色要素に色分解する色分解手段と、
色分解された色要素に対して、墨量に応じた彩度アップ変換を行う彩度アップ変換手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。 - 前記色分解手段は、出力される色要素の色材量の合計値を算出する合計値算出手段を有し、前記合計値算出手段では、前記色材量制限値に応じて墨版生成後の色材量合計値を変化させることを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。
- 前記合計値算出手段は、前記デバイスに依存する3次元色空間の入力色と白とのグラデーションに着目し、前記色材量制限値を考慮して墨版生成後の色材量合計値を求めることを特徴とする請求項12記載の画像処理装置。
- 前記墨版生成手段は、ユーザの指定した色材量制限値に応じて行うことを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。
- 前記色分解手段は、墨の色分解カーブを維持して、前記色材量の合計値が前記色材量制限値を超えないように墨を除く残りの3色の色要素に分配することを特徴とする請求項14記載の画像処理装置。
- 前記彩度アップ変換手段は、前記4次元のデバイス色空間の色要素のうち、墨を除く残りの3色の色要素の値を変更することを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。
- 前記彩度アップ変換手段は、前記色分解の結果から有彩色の強度が低下する度合いを表す拡散パラメータを算出する手段と、前記有彩色の強度が急激に低下する部分で彩度を強調するための強調パラメータを算出する手段と、前記拡散パラメータと強調パラメータに基づき彩度アップ係数を算出する手段とを含むことを特徴とする請求項11又は16記載の画像処理装置。
- 前記墨版生成手段は、ユーザの指定した墨生成カーブを利用することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の画像処理装置。
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JP2006296941A JP2008118191A (ja) | 2006-10-31 | 2006-10-31 | 画像処理装置及びその画像処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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