JP2008110311A - 植毛成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に変色傷が生じることを抑制することができる植毛成形品を提供する。
【解決手段】基層12a上に弾性変形可能な軟質層13を設けるとともに、その軟質層13上に接着層14を設ける。その接着層14上にパイル15を植毛して、植毛層10を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】基層12a上に弾性変形可能な軟質層13を設けるとともに、その軟質層13上に接着層14を設ける。その接着層14上にパイル15を植毛して、植毛層10を形成する。
【選択図】図1
Description
この発明は、硬質の基層を備えた基材の表面に植毛を施してなる植毛成形品に関するものである。
従来、自動車におけるピラーガーニッシュ等の内装部品では、例えば、図4に示すように、ポリプロピレン等の硬質の合成樹脂よりなる基材21の表面に、接着剤を塗布して接着層22を形成した後、その接着層22上に短繊維等のパイル23により植毛を施すことにより、植毛層20形成し、その植毛層20によって表面を加飾していた。この場合、植毛用のパイル23としては、通常パイル径1.5デシテックス(以下dxという)程度のものが使用されていたが、最近ではパイル径0.8dx程度の細いパイル23が開発されて、それが使用されることにより柔らかな感触の植毛成形品が得られるようになった。
また、特許文献1には、基層上に設けられた発泡体層上の接着剤にパイルを投下する技術が開示されている。
特開昭61−167475号公報
ところが、硬質の基材21に植毛を施した植毛成形品においては、以下の理由により植毛層20上に爪等による変色傷が付きやすいという問題があり、前記のように細く、かつ柔らかいパイル23を植毛した場合には、この問題が顕著に現れるものであった。
すなわち、図5(a)に示すように、基材21の表面の植毛層20にパイル23が植毛されている状態で、例えば矢印の方向にこの植毛層20が指先の爪等で掻かれたりすると、図5(b)に示すように、パイル23が倒伏する。この場合、基材21が硬質であるために、基材21はパイル23に作用する圧力を吸収し得ず、パイル23には高い圧力が直接作用する。このパイル23は永久変形のように変形して、到伏状態から起立状態にほとんど復元することなく倒伏変形状態が維持される。そして、この状態では、図5(b)に矢印で示すように、この倒伏変形状態のパイル23の表面が光の反射により変色したように見えて、変色傷が形成されてしまい、植毛成形品の外観品質低下を招いている。
また、前記特許文献1においては、発泡体層について、柔軟性を有する旨が記載されているが、その硬度が示されておらず、まして変色傷に関することについては全く記載されていない。従って、この特許文献1の記載内容からは変色傷を解消するための示唆を得ることはできない。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、表面に変色傷が生じることを抑制することができる植毛成形品を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基材の表面に接着剤を塗布するとともに、その接着剤の上に植毛を施した植毛成形品であって、前記基材は、基層の植毛側の表面に同基層より硬度の低い軟質層が一層のみ一体に設けられ、植毛成形品の植毛側の表面硬度を30〜75度の範囲内に設定したことを特徴とする。
なお、この発明における植毛層の硬度は、日本工業規格(JIS)のK7215タイプAデュロメータ測定方法で測定した結果を指す。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、植毛前における前記基材の植毛側の表面硬度を10〜80度の範囲内に設定したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、植毛前における前記基材の植毛側の表面硬度を10〜80度の範囲内に設定したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記基材は、2層構造であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記基材は、二色射出成形またはインサートインジェクション成形されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記基材は、二色射出成形またはインサートインジェクション成形されたことを特徴とする。
従って、この植毛成形品においては、その基材が硬質の基層と植毛を施す側に基層より硬度の低い軟質層が一層のみ形成されている。このため、爪等によって植毛層のパイルが倒伏されても、同植毛層の弾性変形によりパイルに対する変形圧力が吸収されて、そのパイルが起立状態に復元される。よって、植毛層に変色傷が生じることを抑制することができる。
以上のように、この発明によれば、植毛層に変色傷が生じることを抑制することができて、外観品質を高めることができる。
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の植毛成形品11においては、ポリプロピレン等の硬質の合成樹脂よりなる基層12aの表面に、その基層12aよりも軟質の合成樹脂(例えば、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー:TPO)よりなる弾性変形可能な軟質層13が一層のみインサートインジェクション成形または二色射出成形により一体に成形されて、基材12が構成されている。従って、基材12は、基層12aと軟質層13とにより2層構造に形成されている。軟質層13は、その厚さが1.0〜1.5mm程度である。軟質層13の表面には接着剤(例えば、ポリウレタン系接着剤)を塗布することにより接着層14が形成され、その接着層14上には短繊維等のパイル15が植毛されている。この接着層14及びパイル15により植毛層10が構成されている。
以下に、この発明の第1実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の植毛成形品11においては、ポリプロピレン等の硬質の合成樹脂よりなる基層12aの表面に、その基層12aよりも軟質の合成樹脂(例えば、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー:TPO)よりなる弾性変形可能な軟質層13が一層のみインサートインジェクション成形または二色射出成形により一体に成形されて、基材12が構成されている。従って、基材12は、基層12aと軟質層13とにより2層構造に形成されている。軟質層13は、その厚さが1.0〜1.5mm程度である。軟質層13の表面には接着剤(例えば、ポリウレタン系接着剤)を塗布することにより接着層14が形成され、その接着層14上には短繊維等のパイル15が植毛されている。この接着層14及びパイル15により植毛層10が構成されている。
前記パイル15としては、例えばパイル径0.8dx程度の細いものが用いられて、その長さは0.3〜0.7mmの範囲内である。従って、植毛層10の表面は柔らかな感触が確保されるようになっている。また、植毛前における前記基材12の植毛側の表面硬度が10〜80度の範囲内に形成される。さらに、植毛成形品11の植毛側は、その表面硬度が30〜75度の範囲内となるように設定されている。これらの硬度は、日本工業規格(JIS)のK7215タイプAデュロメータ測定方法で測定されたものである。
次に、前記のように構成された植毛成形品11について作用を説明する。
さて、図2(a)は、基層12a上に軟質層13を設けた基材12上に接着層14が設けられ、接着層14にパイル15が植毛された状態を示している。この状態において、植毛層10の表面が爪等で同図の矢印方向に掻かれると、図2(b)に示すように、パイル15が一時的に倒伏する。この場合、植毛層10が基材12の軟質層13上に形成されているため、その軟質層13の弾性変形によって、パイル15に作用する倒伏方向への力が吸収される。よって、これらのパイル15は倒伏変形状態が維持されることはなく、起立状態に速やかに復元される。その結果、植毛成形品11の表面に変色傷が生じることを抑制することができる。
さて、図2(a)は、基層12a上に軟質層13を設けた基材12上に接着層14が設けられ、接着層14にパイル15が植毛された状態を示している。この状態において、植毛層10の表面が爪等で同図の矢印方向に掻かれると、図2(b)に示すように、パイル15が一時的に倒伏する。この場合、植毛層10が基材12の軟質層13上に形成されているため、その軟質層13の弾性変形によって、パイル15に作用する倒伏方向への力が吸収される。よって、これらのパイル15は倒伏変形状態が維持されることはなく、起立状態に速やかに復元される。その結果、植毛成形品11の表面に変色傷が生じることを抑制することができる。
前記実施形態の効果を列挙すれば以下の通りである。
(1) 植毛のパイル15が到伏状態から速やかに起立復元されるため、植毛層10に変色傷が生じることを抑制でき、良好な外観品質を長期間にわたって維持できる。
(1) 植毛のパイル15が到伏状態から速やかに起立復元されるため、植毛層10に変色傷が生じることを抑制でき、良好な外観品質を長期間にわたって維持できる。
(2) 軟質層13がその弾性変形によって、パイル15に作用する倒伏方向への力を吸収することができるため、パイル15の接着層14からの脱落を防止できる。
(3) 植毛層10が軟質層13の上に形成されているため、植毛層10に柔らかい風合いを与えることができる。
(3) 植毛層10が軟質層13の上に形成されているため、植毛層10に柔らかい風合いを与えることができる。
表1は、実施例1〜4の植毛成形品と比較例1〜5の植毛成形品が人間の爪によって擦過された後の変色傷の発生状況を目視確認した結果を示すものである。実施例1〜4の植毛成形品は、図1に示す構成であって、植毛成形品11において硬度30〜75度の植毛側の植毛後表面硬度を有している。また植毛を施す前の基材の植毛側表面硬度は、10〜80度になっている。比較例1〜3の植毛成形品は、図4に示す構成であって、植毛前において硬度90度及び100度以上の硬質の基材21上に接着層22により直接植毛層を設けて、その植毛側が硬度85〜100度の表面硬度を有している。比較例4の植毛成形品は、図1に示す構成であって、硬度10度未満の植毛後の植毛側表面硬度を有している。比較例5の植毛形成品は、図3に示す構成のものである。図3は、硬度100度以上の基層100上に軟質の発泡層102を設けるとともに、その発泡層102の上にさらに基層100より軟質の表皮層103を設けて、さらにその上に接着層104とパイル105とよりなる植毛層106を設けたものである。その植毛側の植毛後表面硬度は40度である。そして、植毛を施す前の基材(基層100,発泡層102,表皮層103よりなる)の表面硬度は60度となっている。
植毛層の表面硬度は、前述のように、JIS K7215タイプAデュロメータ測定方法によって測定された。なお、表1において、硬度が「100以上」とあるのは、植毛層の硬度が高すぎて、前記測定方法による測定可能な範囲を越えていることを示し、硬度が「0」とあるのは、硬度が低すぎて測定可能な範囲に達していないことを示している。
比較例5においては、無機フィラー充填ポリプロピレンでインジェクション成形した基層100に、PP(ポリプロピレン)発泡シート(発泡層102)付きTPO表皮(表皮層103)を貼り付けて、基材101を3層構造材にしたものである。この比較例5においては、発泡層の働きにより植毛成形品の表面硬度は40度となり、さらに植毛前の基材の植毛側表面硬度は60度であるが、発泡層の外側の表皮層103の存在による影響で変色傷はクリアできないと考えられる。
(変形例)
・ 基材12の表面に軟質シートを設け、その軟質シート上に接着剤を介してパイルを植毛すること。
・ 基材12の表面に軟質シートを設け、その軟質シート上に接着剤を介してパイルを植毛すること。
・ パイル15として、前記実施形態とは異なる太さや長さのものを用いること。
11…植毛成形品、12…基材、12a…基層、13…軟質層、14…接着層、15…パイル。
Claims (4)
- 基材の表面に接着剤を塗布するとともに、その接着剤の上に植毛を施した植毛成形品であって、前記基材は、基層の植毛側の表面に同基層より硬度の低い軟質層が一層のみ一体に設けられ、植毛成形品の植毛側の表面硬度を30〜75度の範囲内に設定したことを特徴とする植毛成形品。
- 植毛前における前記基材の植毛側の表面硬度を10〜80度の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1に記載の植毛成形品。
- 前記基材は、2層構造であることを特徴とする請求項1または2に記載の植毛成形品。
- 前記基材は、二色射出成形またはインサートインジェクション成形されたことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の植毛成形品。
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Citations (2)
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JPS60106726A (ja) * | 1983-11-11 | 1985-06-12 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 連続式アンローダの撒物掻取り量制御方法 |
JPS63135246A (ja) * | 1986-11-27 | 1988-06-07 | 豊田合成株式会社 | 軟質樹脂成形品 |
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2006
- 2006-10-31 JP JP2006295559A patent/JP2008110311A/ja active Pending
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