JP2008105032A - 線状はんだ送出機構 - Google Patents

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紘司 和田
Tsutomu Wada
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Abstract

【課題】ボビンから送給手段までの間にはんだを蛇行させる蛇行ローラを備えた線状はんだ送出機構について、線状はんだのセットを容易に行えるようにする。
【解決手段】本発明による線状はんだ送出機構は、ボビン3に巻かれた線状はんだ1を引っ張り出し且つ筒状通路を通してはんだ付け部位へ送り出す送給手段2と、ボビン3から引き出されて送給手段へ到達するまでの間の線状はんだ1を蛇行させるための蛇行ローラ10と、を含んで構成され、その蛇行ローラ10は、第1のローラ群11と第2のローラ群12とに分割して配置されており、これら第1及び第2のローラ群11,12は、互いに接近して線状はんだ1を両側から挟み込み押圧して蛇行させる閉状態と、互いに離反して線状はんだ1に接しない間隔を保つ開状態と、に移動可能になっていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動はんだ付け装置において、ボビンに巻かれた線状はんだを引き出してはんだ付け部位へ搬送するための送出機構に関する。
自動はんだ付け装置では、線状はんだを巻き溜めたボビンから、ローラなどのステップ動作する送給手段により線状はんだを引き出しつつ筒状通路を通して、こて先近傍のはんだ付け部位へ送り出すようにした、はんだの送出機構をもつ。この送出機構において、ボビンから引き出された線状はんだの波打ち(よれ)を解消するための蛇行ローラを備えた例が、特許文献1に開示されている。ボビンに巻き溜められていることにより、線状はんだには巻き癖がつくので、ボビンから引き出した直後の線状はんだはどうしても波打ってしまう。そこで、蛇行ローラにより蛇行させることでしごき、波打ちを解消する仕組みである。波打ちを解消しておかないと、筒状通路を通すときに詰まりの原因となってしまう。
特許文献1の送出機構は、ボビン(2)から線状はんだを引き出し且つ筒状通路のチューブ(5)を通し送り出す送給手段であるローラ式の引張り装置(3)を備え、そして、そのボビンから引き出された線状はんだが送給手段へ到達するまでの間に、線状はんだを蛇行させて波打ちを解消する蛇行ローラとして、車輪状部材(6)を多数設置したものである。
特開平10−58138号公報
線状はんだの送出機構において蛇行ローラを設ける場合、ボビンを取り付けて線状はんだを送出機構に這わせる際の手間が問題となる。すなわち、特許文献1のような機構では、ボビンから線状はんだの先端を手で引き出し、蛇行ローラの間をぬって送給手段まで引き回していく必要がある。
こて先を多数揃えたはんだ付けラインなどに設置される自動はんだ付け装置においてはボビンも多数セットされるので、ボビンの交換ではんだ引き回しに逐一手間がかかるのは得策ではなく、改善の余地が残されている。
本発明はこのような技術背景に基づいたもので、ボビンから送給手段までの線状はんだのセットを容易に行えるようにした線状はんだ送出機構を提案する。
本発明による線状はんだ送出機構は、ボビンに巻かれた線状はんだを引っ張り出し且つ筒状通路を通してはんだ付け部位へ送り出す送給手段と、ボビンから引き出されて送給手段へ到達するまでの間の線状はんだを蛇行させるための蛇行ローラと、を含んで構成され、その蛇行ローラは、第1のローラ群と第2のローラ群とに分割して配置されており、これら第1及び第2のローラ群は、互いに接近して線状はんだを両側から挟み込み押圧して蛇行させる閉状態と、互いに離反して線状はんだに接しない間隔を保つ開状態と、に移動可能になっていることを特徴とする。
本発明の線状はんだ送出機構によれば、ボビンからつまみ出した線状はんだを送給手段までセットする際、第1及び第2のローラ群を互いに離反させ、線状はんだに接しない間隔を保った開状態とすることができるので、当該開状態とした第1及び第2のローラ群の間を真っ直ぐに通して線状はんだを送給手段まで導くことができ、容易にセットすることが可能となる。
図1〜図4に、本発明に係る線状はんだ送出機構の実施形態を示し、説明する。各図は、自動はんだ付け装置における線状はんだ送出機構に関わる部分を抜粋して示している。
本実施形態の線状はんだ送出機構では、線状はんだ1を適量ずつはんだ付け部位へ送り出す送給ボックス2中に、たとえば特許文献1のようなローラ式でステップ送り動作する送給手段が設けられている。ボビン3から漏斗孔4を通し引き出された線状はんだ1は、送り筒5を通して送給ボックス2内の送給手段に到達し、該送給手段のステップ動作で引っ張り出される。同時に、当該送給手段の動作により、樹脂チューブ等の筒状通路を通してはんだ付け部位へ送り出されていく。
ボビン3から送給ボックス2の送り筒5へ至るまでの間には、線状はんだ1を蛇行させるための蛇行ローラ10が設けられている。本実施形態の蛇行ローラ10は、第1のローラ群11と第2のローラ群12とに分割されており、これら第1及び第2のローラ群11,12は、漏斗孔4から送り筒5へ至るはんだ経路の両側に、それぞれ配置される。
第1及び第2のローラ群11,12は、それぞれ第1及び第2のスライドブロック13,14に取り付けられている。第1のスライドブロック13には第1のローラ群11として従動ローラ15が2個、第2のスライドブロック14には第2のローラ群12として従動ローラ15が2個、それぞれ取り付けられている。これら各2個ずつの従動ローラ15は、第1、第2の各スライドブロック13,14においてそれぞれ、線状はんだ1の引出方向(漏斗孔4から送り筒5へ至るはんだ経路)と略平行に並べられており、且つ、第1のローラ群11における従動ローラ15と従動ローラ15との間に第2のローラ群12の従動ローラ15が位置するように、互い違いに位置をずらしてある。
このローラ配置により、第1のローラ群11と第2のローラ群12とを閉状態としたときに、これら第1及び第2のローラ群11,12に両側から挟み込まれて押圧される線状はんだ1は蛇行し、そして蛇行しながら引っ張り出されていくことによってしごかれ、波打ちが解消される。
第1及び第2のローラ群11,12を取り付けた第1及び第2のスライドブロック13,14は、線状はんだ1の引出方向に対し略直交する方向へ延設された2本の平行なレール16,17に沿ってスライドする。本実施形態においては、引出方向が縦方向なので、レール16,17は横方向へ延設されている。図2に示すように、第1及び第2スライドブロック13,14は、各両端部裏面にスライド片18が突設されており、このスライド片18に開けられた貫通孔19を、レール16,17が貫通している。したがって、レール16,17に通した第1及び第2のスライドブロック13,14は、横方向へスライドし、互いに接近及び離反する。これに伴って、第1及び第2のローラ群11,12が、閉状態(図1,図4)と開状態(図3)とに移動可能になっている。
第1及び第2のスライドブロック13,14において、その各両端部には、ネジ20がそれぞれねじ込まれており、該ネジ20を係止部材として、バネ21が両スライドブロック13,14間に架け渡されている。この、間に架け渡したバネ21により両者は引き合い、したがって第1及び第2のスライドブロック13,14は、互いに近接する方向、すなわち第1及び第2のローラ群11,12を閉状態とする方向へ付勢されている。
また、第1スライドブロック13の裏面には、バネ21による付勢に逆らって第1及び第2のスライドブロック13,14を、互いに離反するようにスライドさせるカム22が軸支されている。このカム22の軸23は、第1スライドブロック13を貫通して表側の操作ノブ24に固定されており、したがって当該操作ノブ24を回すことで、カム22を回転させることができる。相手方の第2スライドブロック14の裏面には、カム22に当接するカムフォロワ(従節)壁25(図2)が設けられており、偏心したカム22の回転に従動するようにしてある。したがって、カム22を回転させることで、該カム22の軌跡に従って、第1及び第2のスライドブロック13,14は付勢に逆らって互いに離反し、また付勢により互いに近接するようスライドする。そしてこれに伴って、第1及び第2のローラ群11,12が閉状態と開状態とに移動することができる。
このようなカム22は、第1及び第2のスライドブロック13,14の間隔を最小(無しも含む)にする位置と、該間隔を最大にする位置と、に180°だけ回転できるよう規制されたもの、あるいは、これら最小位置と最大位置とでそれぞれ所定の係止手段により位置を保持されるものなど、適宜手法により、所定の回転位置(角度)を保持できるものとしてある。
さらに、第2のスライドブロック14には、レール16,17と平行な方向へ当該ブロック14を貫通するボルト26及びその位置留め用のナット27が配設されている。このボルト26が第2のスライドブロック14を貫通して先端が第1のスライドブロック13に当接することにより、閉状態となったときの第1のスライドブロック13と第2のスライドブロック14との隙間を微調整することができる。すなわち、ボルト26を回して第2のスライドブロック14からの先端突出量を調整し、そこでナット27を締め込んで当該調整位置をキープすると、第1及び第2のローラ群11,12による線状はんだ1の蛇行幅が調整され、波打ちを解消するのに最適の状態に調整することができる。
線状はんだ1のセット手法を説明すると、まず、操作ノブ24を回してカム22を回転させることで、第1及び第2のスライドブロック13,14を付勢に逆らって互いに離れるようスライドさせ、両者の間を最大間隔としたところでカム22を止める。これにより、第1及び第2のローラ群11,12は、互いに離反して線状はんだ1に接しない間隔を保つ開状態(図3)に維持される。この開状態で、ボビン3からつまみ出した線状はんだ1を漏斗孔4に通し、そして開状態の第1及び第2のローラ群11,12の間を真っ直ぐに通して送り筒5へ通し、送給手段に把持させる。
送給手段まで線状はんだ1を通した後、操作ノブ24を回してカム22を回転させ、第1及び第2のスライドブロック13,14を付勢に従って互い接近するようスライドさせ、両者の間を最小間隔(接触も含む)としたところでカム22を止める。これにより、第1及び第2のローラ群11,12は、互いに接近して線状はんだ1を両側から挟み込み押圧して蛇行させる閉状態(図4)となる。したがって、この後の線状はんだ1は、送給手段の送りに従って蛇行しつつしごかれ、ボビン3での巻き癖による波打ちが解消されながら送り出されていく。
本発明に係る線状はんだ送出機構を示す正面図。 本発明に係る線状はんだ送出機構を示す側面図。 本発明に係る線状はんだ送出機構の開状態を説明する図。 本発明に係る線状はんだ送出機構の閉状態を説明する図。
符号の説明
10 蛇行ローラ
11 第1のローラ群
12 第2のローラ群
13 第1のスライドブロック
14 第2のスライドブロック
15 従動ローラ
16,17 レール
18 スライド片
19 貫通孔
20 ネジ
21 バネ
22 カム
23 軸
24 操作ノブ
25 カムフォロワ
26 ボルト
27 ナット

Claims (3)

  1. ボビンに巻かれた線状はんだを引っ張り出し且つ筒状通路を通してはんだ付け部位へ送り出す送給手段と、
    前記ボビンから引き出されて前記送給手段へ到達するまでの間の線状はんだを蛇行させるための蛇行ローラと、
    を含んで構成され、
    前記蛇行ローラは、第1のローラ群と第2のローラ群とに分割して配置されており、
    これら第1及び第2のローラ群は、互いに接近して線状はんだを両側から挟み込み押圧して蛇行させる閉状態と、互いに離反して線状はんだに接しない間隔を保つ開状態と、に移動可能になっている
    ことを特徴とする線状はんだ送出機構。
  2. 前記第1及び第2のローラ群は、それぞれ第1及び第2のスライドブロックに取り付けられており、
    該第1及び第2のスライドブロックが、線状はんだの引出方向に対し略直交する方向へ延設されたレールに沿ってスライドすることにより、前記第1及び第2のローラ群が前記閉状態と前記開状態とに移動可能になっている
    ことを特徴とする請求項1記載の線状はんだ送出機構。
  3. 前記第1及び第2のスライドブロックが、前記第1及び第2のローラ群を前記閉状態とする方向へ付勢されていると共に、当該付勢に逆らって前記第1及び第2のスライドブロックを互いにスライドさせるカムが設けられており、
    該カムを回転させることで、前記第1及び第2のローラ群を前記閉状態と前記開状態とに移動させられるようになっている
    ことを特徴とする請求項2記載の線状はんだ送出機構。
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