JP2008104517A - 高周波治療器 - Google Patents
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Abstract
【課題】導子と装置本体との間のインピーダンスマッチングを容易かつ迅速に行うことができる高周波治療器を提供する。
【解決手段】従来の超短波治療器では、所定時間毎に治療対象からの反射電力を測定し、測定結果に基づき、マッチング回路105a、105bのインピーダンスを所定の変化量ずつ増減する第1の調整方法を使用していた。一方、本発明の高周波治療器では、第1の調整方法に加えて、第2の調整方法を使用する。この第2の調整方法では、マッチング回路105a、105bのインピーダンス(バリコンの静電容量)を最小から最大まで連続的に変化させ、その時々の反射電力を測定記録し、記録した反射電力の測定値から最小の変化点(最良の整合点)を求め、マッチング回路105a、105bのインピーダンス(バリコンの静電容量)を前記変化点になるように初期設定する。
【選択図】図1
【解決手段】従来の超短波治療器では、所定時間毎に治療対象からの反射電力を測定し、測定結果に基づき、マッチング回路105a、105bのインピーダンスを所定の変化量ずつ増減する第1の調整方法を使用していた。一方、本発明の高周波治療器では、第1の調整方法に加えて、第2の調整方法を使用する。この第2の調整方法では、マッチング回路105a、105bのインピーダンス(バリコンの静電容量)を最小から最大まで連続的に変化させ、その時々の反射電力を測定記録し、記録した反射電力の測定値から最小の変化点(最良の整合点)を求め、マッチング回路105a、105bのインピーダンス(バリコンの静電容量)を前記変化点になるように初期設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、医療機関や一般家庭等において温熱治療に用いられる高周波治療器に関する。
高周波を生体に放射する高周波治療器が従来よりある。このような高周波治療器は高周波信号発生手段と、高周波信号放射手段(導子)からなり、高周波信号発生手段で発生させた高周波信号を高周波信号放射手段(導子)介して、生体に放射するものである。
図11は、高周波治療器について説明するための図である。図11において、OSC(OSCillator、発振回路)は、高周波治療器の出力となる超短波の基本周波数での発振を行っている。出力アンプは、OSCで出力された信号を規定電力に増幅する。また、出力制御回路は、導子のインピーダンスと出力アンプの出力インピーダンスとのインピーダンスマッチング(インピーダンス整合)をとり、出力基本周波数に対する高調波成分を除外すると共に、導子に対し最大効率で電力を供給する。
マッチング回路は、バリュアブルコンデンサ(バリコン)等を用いて、高周波治療器本体のインピーダンスを調整する。導子は、渦巻きコイルを形成した1個の電極板を有し、渦電流によるジュール熱の作用により患部の深いところまで温熱作用を発揮する。また、導子が2つの電極を備え、この電極で患部を両側からはさみ、当該2つの電極間に超短波を印加させ、誘電効果による高周波加熱で温熱治療を行う方法もある。
また、従来技術の超短波治療器(超短波の発振信号を用いる高周波治療器)には、高周波信号発生手段と高周波信号放射手段(導子)間にインピーダンスマッチ手段を介添させ放射特性の向上を図るものもある(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1の従来技術の超短波治療器においては、インピーダンスマッチ手段は、導子からの反射電力を検出し、その検出信号でインピーダンス変換素子の一つであるバリコンの静電容量を可変するものである。
しかしながら、上記特許文献1の超短波治療器を実際の治療器として具現化した場合には、2つの問題が生じる。第1の問題は、最良のインピーダンスマッチが行われない場合がある点であり、第2の問題は、バリコンの回転角(容量)が最良に調整されるまでに時間がかかる点である。
第1の問題は、反射電力の特性が図12に示すような場合に発生する。すなわち反射特性が暴れて反射電力が複数箇所で減少する(複数の極小点を持つ)ような場合に、最も反射電力の少ないA点、すなわち、本来の整合点(共振点)ではなく、擬似共振点Bを目標として、バリコンの回転角(容量)が調整されてしまう問題である。
また、第2の問題は、バリコンの回転角を所定時間毎に所定の変化量で調整していくために、最良点に達するまでに時間を要する点である。図13(A)に示すように、最初のインピーダンスの整合点がA点にあり、患者の身体の移動により導子のインピーダンス特性が変わり、整合点がB点に移動した場合は、図13(B)から図13(F)に示すように、バリコンの回転角度を所定ステップ(角度)ずつ変化させ、最終的に図13(F)に示すに整合点Bにバリコンの回転角に調整する。図13に示す例では、5ステップでインピーダンス整合が完了する例を示しており、この場合、各ステップごとの処理時間がn秒であるとすると、合計n×5秒の時間を要することになる。なお、本明細書では、図13に示すような、インピーダンスマッチングの方法を、第1のインピーダンス調整方法と呼ぶ。
特開2006−122193号公報
上述したように、従来技術の超短波治療器を実際の治療器として具現化した場合に2つの問題が生じる。第1の問題は、最良のインピーダンスマッチが行われない場合がある点であり、第2の問題は、バリコンの回転角(静電容量)が最良に調整されるまでに時間がかかる点である。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、導子と装置本体との間の最良の整合点へのインピーダンスマッチングを容易かつ迅速に行うことができ、さらに、患者の身体が移動して導子のインピーダンス特性が変わった場合においても、最良の整合点へのインピーダンスマッチングを容易かつ迅速に行うことができる、高周波治療器を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、所定の高周波の発振信号を出力する高周波治療器本体と、治療対象の患部に前記発振信号を放射する導子とを備える高周波治療器であって、前記高周波治療器本体は、前記発振信号を発振する発振部と、前記導子からの反射電力の大きさを計測するマッチング状態検出部と、前記発振部からの発振信号を前記導子へ中継し、前記高周波治療器本体の出力インピーダンスを変更するインピーダンス変更手段を有するマッチング回路と、前記マッチング状態検出部が計測した反射電力の大きさに基づいて前記マッチング回路にインピーダンスの変更を指示する出力制御部と、前記反射電力の大きさを記録する記憶領域と、を備え、前記出力制御部は、前記マッチング状態検出部が計測した前記反射電力の大きさが前記記憶領域中の前回計測された反射電力よりも大きい場合、前記マッチング回路に対して、インピーダンスの増加、または、減少の方向を前回計測時に実行したインピーダンス変更と反転させる指示を出力し、前記マッチング状態検出部が計測した反射電力の大きさが前記記憶領域中の前回計測された反射電力よりも小さい場合、前記マッチング回路に対して、インピーダンスの増加、または、減少の方向を前回計測時に実行したインピーダンス変更と同一とする指示を出力し、前記マッチング状態検出部が計測した反射電力の大きさを前記記憶領域に書き込む第1のインピーダンス調整手段と、前記マッチング回路のインピーダンス変更量を最小から最大まで連続的に変化させ、その時々の反射電力を測定記録し、前記記録した反射電力の測定値が最小の整合点を求め、前記マッチング回路のインピーダンスを上記整合点に設定する第2のインピーダンス調整手段と、前記第1のインピーダンス調整手段と前記第2のインピーダンス調整手段を選択して実行する手段とを備えることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高周波治療器であって、治療開始時に前記第2のインピーダンス調整手段によりインピーダンス整合を行うと共に、治療中は前記第1のインピーダンス調整手段によりインピーダンス整合を随時行うことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の高周波治療器であって、治療中に前記第1のインピーダンス調整手段により所定回数/所定時間内にインピーダンス整合が取れなかった場合は、前記第2のインピーダンス調整手段によりインピーダンス整合を行うことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の高周波治療器であって、前記導子と、前記マッチング回路とは2個以上あり、前記導子と、前記マッチング回路とは1対1に対応し、前記出力制御部からの指示により前記マッチング回路を順次選択すると共に、前記発振部からの発振信号を選択したマッチング回路へ中継するための出力切替回路と、をさらに備え、前記出力制御部は、前記出力切替回路に対し前記マッチング回路の選択を指示する手段と、前記出力切替回路により選択されたマッチング回路のそれぞれに対し、前記第1のインピーダンス調整手段と前記第2のインピーダンス調整手段とを選択して実行する手段と、を備えることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、所定時間毎に反射電力を測定し、測定結果に基づきマッチング回路のインピーダンスを所定の変化量ずつ増減する第1のインピーダンス調整方法(第1のインピーダンス調整手段)に加えて、マッチング回路のインピーダンスを最小から最大まで連続的に変化させ、最小の変化点(整合点)を求め、マッチング回路のインピーダンス(バリコンの静電容量等)を前記最小の変化点に初期設定する第2のインピーダンス調整方法(第2のインピーダンス調整手段)を使用できるようにしたので、これにより、導子と装置本体との間の最良の整合点へのインピーダンスマッチング(インピーダンス整合)を容易かつ迅速に行うことができ、さらに、患者の身体が移動し導子のインピーダンス特性が変わった場合においても、最良の整合点へのインピーダンスマッチングを容易かつ迅速に行うことができるようになる。
請求項2に記載の発明によれば、治療開始時に第2のインピーダンス調整方法によりインピーダンス整合を行い、治療中は第1のインピーダンス調整方法によりインピーダンス整合随時行うようにしたので、これにより、例えば、患者が身体を大幅に移動し導子のインピーダンス特性が変わった場合にも、最良の整合点でのインピーダンスマッチングを容易かつ迅速に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、治療中に第1のインピーダンス調整方法により所定回数/所定時間内に整合が取れなかった場合は、第2のインピーダンス調整方法によりインピーダンス整合を行うようにしたので、これにより、患者が身体を大幅に移動し導子のインピーダンス特性が変わった場合にも、最良の整合点でのインピーダンス整合を容易かつ迅速に行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、2チャンネル、即ち、2個以上の導子を使用する超短波治療器の場合にも、それぞれのマッチング回路に対し、第1のインピーダンス調整方法に加えて、第2のインピーダンス調整方法を使用できるようにしたので、これにより、各チャネルごとに、導子と装置本体との間の最良の整合点へのインピーダンスマッチングを容易かつ迅速に行うことができる。
[本発明の概要の説明]
従来技術の超短波治療器では、所定時間毎に導子が受ける治療対象からの反射電力の大きさを測定し、測定結果に基づきマッチング回路のインピーダンス(バリコンの静電容量等)を所定の変化量ずつ増減する第1のインピーダンス調整方法(第1のインピーダンス調整手段)を使用していた。
従来技術の超短波治療器では、所定時間毎に導子が受ける治療対象からの反射電力の大きさを測定し、測定結果に基づきマッチング回路のインピーダンス(バリコンの静電容量等)を所定の変化量ずつ増減する第1のインピーダンス調整方法(第1のインピーダンス調整手段)を使用していた。
一方、本発明の高周波治療器においては、前記第1のインピーダンス調整方法に加えて、第2のインピーダンス調整方法(第2のインピーダンス調整手段)を使用する。この第2のインピーダンス調整方法では、マッチング回路のインピーダンス(バリコンの静電容量等)を最小から最大まで連続的に変化させ、その時々の反射電力を測定記録する。そして、記録した測定値から反射電力が最小の変化点(最良の整合点)を求め、マッチング回路のインピーダンスを前記変化点になるように初期設定する。
また、本発明の高周波治療器では、治療開始時に第2のインピーダンス調整方法を実施し、治療中は第1のインピーダンス調整方法を継続実施する。さらに、第1のインピーダンス調整方法を実施中に、所定回数(例えば10回)のバリコンの回転角の調整によっても最良点(整合点)に達しない(反射電力の増減が反転しない)場合には、患者の身体が大幅に動いて導子のインピーダンス特性が変わったものとして、再度、第2のインピーダンス調整方法を実施する。
なお、本明細書においては、第1のインピーダンス調整方法を、単に「第1の調整方法」と呼び、第2のインピーダンス調整方法を、単に「第2の調整方法」と呼ぶことがある(図面も同じ)。
[本発明の高周波治療器の構成例の説明]
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態における高周波治療器100の構成を表している。図1に示す高周波治療器の構成は、前述した従来技術の超短波治療器(特許文献1)とハードウェア構成が同じであり、CPU内の制御機能が異なるものである。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態における高周波治療器100の構成を表している。図1に示す高周波治療器の構成は、前述した従来技術の超短波治療器(特許文献1)とハードウェア構成が同じであり、CPU内の制御機能が異なるものである。
図1において、CPU(Central Processing Unit)回路110は制御機能である出力制御機能111と、出力制御機能112と、出力制御機能113とからなる制御機能であり、詳細は後述する。
OSC101は発振回路であり、超短波やマイクロ波の基本周波数での発振を行う。出力アンプ102はOSC101の発振した超短波やマイクロ波信号を増幅して出力する。マッチング状態検出部103は出力アンプ102から信号を入力して出力し、また、高周波治療器100が導子107a、または、導子107bから受ける反射電力を検知して反射電力の大きさを出力する。図9はこのマッチング状態検出部103の回路図の例である。
出力切替回路104はマッチング状態検出部103から信号を入力し、マッチング回路105aと、マッチング回路105bとへ図6に示す様に順次交互に信号を出力する。図6のチャネル1はマッチング回路105aであり、チャネル2はマッチング回路105bである。また、図8は出力切替回路104の回路図の例である。
マッチング回路105aは、高周波治療器100のインピーダンスを調整するためのバリコンを備える。このバリコンはモータ(ステッピングモータ等)によって容量が変更される。また、マッチング回路105aは出力切替回路104から入力した信号を導子107aへ出力し、患者の患部に温熱治療を行う。マッチング回路105bもマッチング回路105aと同様である。
また、図7はこのマッチング回路105aと、マッチング回路105bとの回路図の例である。図中のCH1マッチング回路がマッチング回路105aに該当し、CH2マッチング回路がマッチング回路105bに該当する。
モータ切替回路106は要求に応じてバリコンの容量変更の対象であるマッチング回路105aと、マッチング回路105bとのいずれかを選択する。
OSC101は治療の目的のために予め定められた周波数の電気信号を発振し、出力アンプ102へ出力する。出力アンプ102はOSC101から電気信号を入力し、この電気信号を増幅してマッチング状態検出部103へ出力する。
マッチング状態検出部103は出力アンプ102から電気信号を入力し、入力した電気信号を出力切替回路104へ出力する。出力切替回路104はマッチング状態検出部103から入力した電気信号を、マッチング回路105aを経由して導子107aへ出力し、患者の患部を治療する。この際に、マッチング状態検出部103は出力切替回路104を経由して反射電力を受ける。
このため、マッチング状態検出部103が出力する電気信号の電圧は、マッチング状態検出部103が入力した電気信号の電圧とは異なる。マッチング状態検出部103は出力アンプ102から入力した電気信号の電圧と、出力切替回路104へ出力した電気信号の電圧との差から反射電力の電圧を得て、この反射電力の電圧から反射電力の大きさを求め、求めた反射電力の大きさを、出力制御機能111、および出力制御機能113へ随時出力する。
次に、図を参照して本実施の形態における高周波治療器の動作について説明する。図2、図3、および図4は本実施の形態における処理の流れを示している。いま、病院の医師は、高周波治療器100の導子107aと、導子107bとを患者の患部に当て、温熱治療を行っている。
図2は出力制御機能111により行われる処理の流れを示したものである。この処理手順では、出力制御機能111は、治療を開始すると(図2のステップA01)、モータ切替回路106に指示を与え、マッチング回路105a(CH1)を選択する(図2のステップA02)。それから、マッチング回路105a内のバリコンのシャフトをモータで回転させ、静電容量(回転角)を最小にする(図2のステップA03)。例えば、図10(A)に示すように、バリコンの回転角を最小にする。
次に、出力アンプ102を制御し、生体(治療を受ける人)が違和感を憶えない(感じない)弱い出力(例えば5W)を発生させ、導子107aにより患者の身体に照射する(図2のステップA04)。それから、バリコンのシャフトをモータで回転させ、静電容量を増加させて行きながら、反射電力を測定する(図2のステップA05)。この際に、静電容量(バリコン回転角)と、これに対応する反射電力の値とをCPU回路110の予め決められたレジスタ(記憶領域)に記憶する。例えば、図10(B)に示すように、バリコンの回転角を増加させながら、反射電力を測定する。
そして、バリコンを最大静電容量(最大回転角)まで回転させた後に、CPU回路110のレジスタ(記憶領域)に記憶されたバリコンの静電容量(回転角)と反射電力の値を
読み出し、反射電力が最小になる点(最良の整合点)を検出し、バリコンの容量(バリコン回転角)をその点に設定する(図2のステップA06)。例えば、図10(C)に示すA点にバリコンの回転を設定する。
読み出し、反射電力が最小になる点(最良の整合点)を検出し、バリコンの容量(バリコン回転角)をその点に設定する(図2のステップA06)。例えば、図10(C)に示すA点にバリコンの回転を設定する。
上記手順をマッチング回路105b(CH2)についても実行する(図2のステップA07〜A11)。以上の手順により、治療開始時のマッチング回路105a、105bにおけるバリコン回転角の初期設定が完了する。なお、上記手順は、前述の第2の調整方法に該当する。
上記、マッチング回路105a、105bにおけるバリコン回転角の初期設定が完了すると、出力制御機能112に対して、高周波治療器が治療のために制御動作を開始するように指示し、出力制御機能112の制御が開始される(図2のステップA12)。
その後は、後述する出力制御機能113から、反射電力の無変化の状態が、例えば、10回連続(または所定の時間連続)して検知されたかどうかの通知を待つ(図2のステップA13)。出力制御機能113から反射電力の無変化の状態が連続して検出されたとの通知を受けた場合は(図2のステップA13が“YES”)、出力制御機能112、113の動作を停止させ(図2のステップA14)、ステップA02に戻り、バリコンの回転角の初期設定を再度実行する。
図3は、出力制御機能112により行われる処理の流れを示したものである。
この処理手順では、出力切替回路104はマッチング状態検出部103から入力した電気信号を、マッチング回路105aを経由して導子107aへ出力し、また、マッチング回路105bを経由して導子107bへ出力する。すなわち、図6に示すようにこの電気信号の出力先に関して1秒間隔の切り替えが発生する。
この処理手順では、出力切替回路104はマッチング状態検出部103から入力した電気信号を、マッチング回路105aを経由して導子107aへ出力し、また、マッチング回路105bを経由して導子107bへ出力する。すなわち、図6に示すようにこの電気信号の出力先に関して1秒間隔の切り替えが発生する。
この切り替えのために、出力制御機能112は1秒間隔で、図6に示すようにマッチング回路105aと、マッチング回路105bとの切り替えの直前に起動し(図3のステップS01)、現在電気信号の出力が行われているのがマッチング回路105aであるのか、あるいはマッチング回路105bであるのかの判別を出力切替回路104から得る。
次に、出力制御機能112は、電気信号の出力が現在行われているのがマッチング回路105aである場合には(図3のステップS02が“CH1”)、モータ切替回路106に対して次にコンデンサの容量変更を行う対象はマッチング回路105aであることを通知して認識させる(図3のステップS03)。
次に、出力制御機能112は、出力制御機能113にマッチング回路105aのバリコンの容量調整を要求する(図3のステップS04)。出力制御機能113は出力制御機能112からの要求を受け、図4に示す処理の流れに従って処理を行う。
図4において、まず、出力制御機能113は反射電力の検出のため、マッチング状態検出部103から反射電力の大きさを入力する(図4のステップT01)。そして、出力制御機能113はCPU回路110の予め決められたレジスタ(記憶領域)から前回得た反射電力の大きさを読み出し、先ほど入力した現在の反射電力の大きさと比較する(図4のステップT02)。
出力制御機能113は反射電力の大きさが前回よりも大きくなっていることを検知した場合には(図4のステップT02が“YES”)、高周波治療器100本体の出力インピーダンスと、導子のインピーダンスとの差分が大きくなっていると判断し、現状のバリコンの容量の増加、もしくは減少の方向を逆転させる必要があると判断してモータ切替回路106にモータの1ステップの反転を要求する。
モータ切替回路106は出力制御機能113から指示を受け、マッチング回路105aのバリコンのモータを1ステップ反転させ(図4のステップT03)、出力制御機能113に処理の完了を通知する。出力制御機能113はモータ切替回路106から処理の完了の通知を受ける。
また、出力制御機能113は反射電力の大きさが前回よりも大きくなっていないことを検知した場合には(図4のステップT02が“NO”)、現在の反射電力の大きさが前回よりも小さくなっているか否かのチェックを行う(図4のステップT06)。
出力制御機能113は、反射電力の大きさが前回よりも小さくなっていることを検知した場合(図4のステップT06が“YES”)、高周波治療器100本体の出力インピーダンスと、導子のインピーダンスとの差分が小さくなっているため現状のバリコンの容量変化を更に促進するべきであると判断し、モータ切替回路106にモータの1ステップの正転(現状のバリコンの容量の増加、もしくは減少の方向)を要求する。
モータ切替回路106は出力制御機能113から指示を受け、マッチング回路105aのバリコンのモータを1ステップ正転させ(図4のステップT07)、出力制御機能113に処理の完了を通知する。出力制御機能113はモータ切替回路106から処理の完了の通知を受ける。
また、出力制御機能113は反射電力の大きさが前回よりも小さくなっていないことを検知した場合には(図4のステップT06が“NO”)、反射電力が所定値以上かどうかを判定する(図4のステップT08)。反射電力が所定値以下の場合は(図4のステップT08が“NO”)、反射電力が安定していると判断し、特にバリコンの容量を変化させる必要は無いと判断する。
反射電力が所定値以上である場合は(図4のステップT08が“YES”)、反射電力の無変化の状態が所定回数以上(この例では、10回)連続して検出されたかどうかを判定する(図4のステップT09)。反射電力の無変化の状態が所定回数以上(この例では、10回)連続して検出された場合は(図4のステップT09が“YES”)、何らかの異常(例えば、身体の大幅な移動)が生じたものとして、出力制御機能111に通知する(図4のステップT10)。
次に、出力制御機能113は、先ほどマッチング状態検出部103から入力した反射電力の大きさを、先ほど前回の反射電力の大きさを読み出したレジスタにセットする(図4のステップT04)。そして、出力制御機能113は、処理の完了を出力制御機能112に通知し、再び出力制御機能112から指示を受けるまで待機する(図4のステップT05)。
出力制御機能112は出力制御機能113から処理の完了の通知を受け、出力切替回路104にマッチング回路105aへの電気信号の送信を停止させ(図3のステップS05)、さらに、出力切替回路104にマッチング回路105bへの電気信号の送信を開始させる(図3のステップS06)。
出力制御機能112は出力制御機能113から処理の完了の通知を受け、出力切替回路104にマッチング回路105aへの電気信号の送信を停止させ(図3のステップS05)、さらに、出力切替回路104にマッチング回路105bへの電気信号の送信を開始させる(図3のステップS06)。
これにより、電気信号の出力先が導子107aから導子107bに切り替わった。また、マッチング回路105aのバリコンの容量は最適に近づいたため、再びマッチング回路105aに電気信号の送信先が切り替わるとき、導子と、高周波治療器100本体とのインピーダンスの差はいっそう小さなものとなる。
また、図3のステップS02において、出力制御機能112が、電気信号の出力が現在行われているのがマッチング回路105bであることを検知した場合(図3のステップS02が“CH2”)、モータ切替回路106に対して次にコンデンサの容量変更を行う対象はマッチング回路105bであることを認識させ(図3のステップS08)、図3のステップS03と同様の処理を行う。図3のステップS09も図3のステップS04と同様の処理である。
そして、図3のステップS10において、出力制御機能112は、出力切替回路104にマッチング回路105bへの電気信号の送信を停止させ(図3のステップS10)、さらに、出力切替回路104にマッチング回路105aへの電気信号の送信を開始させる(図3のステップS11)。
次に、出力制御機能112は、図6に示すように次に処理を行うべきタイミングまでの1秒間待機する(図3のステップS07)。
また、図4に示す出力制御機能113における処理の流れの中で、反射電力の無変化の状態が連続して検出された場合は(図4のステップT09が“YES”)、出力制御機能113から出力制御機能111に、その旨の通知が行われ(図4のステップT10)、制御の主体は出力制御機能111に移行し、出力制御機能112および出力制御機能113が待機動作に入った時点で、その動作は停止され(図2のステップA14)、出力制御機能111により前述した第2の調整方法が実施され、バリコンの初期設定が再度行われることになる。
なお、図4のステップT08の処理は省略することもでき、さらに、図4のステップT09において反射電力の無変化状態を検出する際には、検出回数ではなく、無変化状態の経過時間で検出するようにしてもよい。
以上説明した、出力制御機能111、出力制御機能112、および出力制御機能113における処理手順により、治療開始時に第2のインピーダンス調整方法を実施し、治療中は第1のインピーダンス調整方法を継続実施することができる。さらに、第1のインピーダンス調整方法を実施中に、所定回数(例えば10回)のバリコンの回転角の調整によっても最良点(整合点)に達しない(反射電力の増減が反転しない)場合には、患者の身体が大幅に動いて導子のインピーダンス特性が変わったものとして、再度、第2のインピーダンス調整方法を実施することができる。
なお、前述の出力制御部は、出力制御機能111、出力制御機能112、および出力制御機能113が該当し、前述の出力制御部中の第1のインピーダンス調整手段は、出力制御機能113が主に該当し、前述の出力制御部中の第2のインピーダンス調整手段は、出力制御機能111が主に該当するものである。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
100…高周波治療器
101…OSC(発振部)
102…出力アンプ(発振部)
103…マッチング状態検出部
104…出力切替回路
105a、105b…マッチング回路
106…モータ切替回路
107a、107b…導子
110…CPU回路
111…出力制御機能(出力制御部、第2のインピーダンス調整手段)
112…出力制御機能(出力制御部)
113…出力制御機能(出力制御部、第1のインピーダンス調整手段)
101…OSC(発振部)
102…出力アンプ(発振部)
103…マッチング状態検出部
104…出力切替回路
105a、105b…マッチング回路
106…モータ切替回路
107a、107b…導子
110…CPU回路
111…出力制御機能(出力制御部、第2のインピーダンス調整手段)
112…出力制御機能(出力制御部)
113…出力制御機能(出力制御部、第1のインピーダンス調整手段)
Claims (4)
- 所定の高周波の発振信号を出力する高周波治療器本体と、治療対象の患部に前記発振信号を放射する導子とを備える高周波治療器であって、
前記高周波治療器本体は、
前記発振信号を発振する発振部と、
前記導子からの反射電力の大きさを計測するマッチング状態検出部と、
前記発振部からの発振信号を前記導子へ中継し、前記高周波治療器本体の出力インピーダンスを変更するインピーダンス変更手段を有するマッチング回路と、
前記マッチング状態検出部が計測した反射電力の大きさに基づいて前記マッチング回路にインピーダンスの変更を指示する出力制御部と、
前記反射電力の大きさを記録する記憶領域と、
を備え、
前記出力制御部は、
前記マッチング状態検出部が計測した前記反射電力の大きさが前記記憶領域中の前回計測された反射電力よりも大きい場合、前記マッチング回路に対して、インピーダンスの増加、または、減少の方向を前回計測時に実行したインピーダンス変更と反転させる指示を出力し、
前記マッチング状態検出部が計測した反射電力の大きさが前記記憶領域中の前回計測された反射電力よりも小さい場合、前記マッチング回路に対して、インピーダンスの増加、または、減少の方向を前回計測時に実行したインピーダンス変更と同一とする指示を出力し、
前記マッチング状態検出部が計測した反射電力の大きさを前記記憶領域に書き込む
第1のインピーダンス調整手段と、
前記マッチング回路のインピーダンス変更量を最小から最大まで連続的に変化させ、その時々の反射電力を測定記録し、
前記記録した反射電力の測定値が最小の整合点を求め、
前記マッチング回路のインピーダンスを上記整合点に設定する
第2のインピーダンス調整手段と、
前記第1のインピーダンス調整手段と前記第2のインピーダンス調整手段を選択して実行する手段と、
を備えることを特徴とする高周波治療器。 - 治療開始時に前記第2のインピーダンス調整手段によりインピーダンス整合を行うと共に、
治療中は前記第1のインピーダンス調整手段によりインピーダンス整合を随時行うこと
を特徴とする請求項1記載の高周波治療器。 - 治療中に前記第1のインピーダンス調整手段により所定回数/所定時間内にインピーダンス整合が取れなかった場合は、
前記第2のインピーダンス調整手段によりインピーダンス整合を行うこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の高周波治療器。 - 前記導子と、前記マッチング回路とは2個以上あり、
前記導子と、前記マッチング回路とは1対1に対応し、
前記出力制御部からの指示により前記マッチング回路を順次選択すると共に、前記発振部からの発振信号を選択したマッチング回路へ中継するための出力切替回路と、
をさらに備え、
前記出力制御部は、
前記出力切替回路に対し前記マッチング回路の選択を指示する手段と、
前記出力切替回路により選択されたマッチング回路のそれぞれに対し、前記第1のインピーダンス調整手段と前記第2のインピーダンス調整手段とを選択して実行する手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の高周波治療器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006287832A JP2008104517A (ja) | 2006-10-23 | 2006-10-23 | 高周波治療器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006287832A JP2008104517A (ja) | 2006-10-23 | 2006-10-23 | 高周波治療器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008104517A true JP2008104517A (ja) | 2008-05-08 |
Family
ID=39438382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006287832A Pending JP2008104517A (ja) | 2006-10-23 | 2006-10-23 | 高周波治療器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008104517A (ja) |
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-
2006
- 2006-10-23 JP JP2006287832A patent/JP2008104517A/ja active Pending
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