(実施形態1)
以下、住宅設備の監視だけでなく制御も行う住宅設備監視制御システムに本発明の技術思想を適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の住宅設備監視制御システムは、図3に示すように住宅内に設置されたコントローラC1,C2,C3が住宅設備の制御並びに監視を行う複数(図示例では3つ)のサブシステムSS1,SS2,SS3と、各サブシステムSSnのコントローラCn(n=1,2,3)と伝送路(エンハンスト・カテゴリ5若しくはカテゴリ6のLANケーブル)を介して接続される統合管理装置TMと、統合管理装置TMにLANケーブルを介して接続される複数(図示例では、2つ)の表示装置(画像表示付きの端末装置であって、例えば、パーソナルコンピュータPC並びに表示制御装置CV)とを備え、これら複数のコントローラCと統合管理装置TMと表示装置とが汎用の通信プロトコル(TCP/IP、UDP、HTTP、HTTPSなど)を利用した宅内ネットワークを構成している。
この宅内ネットワークは、100BASE-TX(IEEE 802.3u)規格に準拠したローカルエリアネットワーク(LAN)であって、ハブに相当する統合管理装置TMに、ネットワーク端末に相当する各サブシステムSSnのコントローラCnや表示装置(パーソナルコンピュータPC並びに表示制御装置CV)などがスター配線で接続されている。さらに統合管理装置TMは、インターネットに接続するための回線の種類(電話回線、CATV回線、光ファイバ回線など)に応じてADSLモデムやケーブルモデムあるいはONU(Optical Network Unit)などのインターネット接続装置MDと通信ケーブル(通常、LANケーブル)によって接続され、インターネット接続装置MDが介在することで宅内ネットワークが宅外ネットワーク(外部ネットワーク)たるインターネットに接続される。なお、この種のインターネット接続装置MDは従来周知であるから詳細な構成についての図示並びに説明は省略する。
また、宅内ネットワークには住宅から離れた遠隔地に設置されたセンタ装置(センタサーバ)SVがインターネットを通じて接続されており、後述するようにインターネットに接続可能なノート型のパーソナルコンピュータ、携帯電話機MP、PDA(Personal Digital Assistance)等からなる携帯型の表示装置とセンタ装置SVとの間でインターネットを介したデータ通信を行うことにより、例えば、携帯電話機MPを使って外出先から住宅設備の制御や監視を行うことができる。
センタ装置SVは、ネットワーク機能を有する汎用のコンピュータ装置で構成されており、携帯電話機MP等の表示装置からインターネットを通じて送信されるコントローラCn宛のメッセージやコントローラCnから宅内ネットワークに属さない表示装置に宛て送信されるメッセージを中継する機能を有している。但し、上述のようなインターネット接続機能を有する携帯型の表示装置やセンタ装置SVは従来周知であるから、詳細な構成についての図示並びに説明は省略する。
統合管理装置TMは、図5に示すように、例えばそれぞれにLANケーブルを介してサブシステムSSnのコントローラCnが接続される複数の通信ポート20i(i=1,2,…)と、LANケーブルを介してインターネット接続装置MDが接続される通信ポート21と、通信ポート20iと通信ポート21との間の伝送経路を切り換えるとともに通信ポート20i,21間で転送されるパケットの破棄や通信ポート20i又は通信ポート21の遮断若しくは制限等の処理(以下、パケット処理と呼ぶ。)を実行するパケット処理部22と、CPUを主構成要素としパケット処理部22を制御して伝送経路を切り換えさせる機能(経路切換機能)やパケットに対するウイルスチェックやフィルタリング等を実行する機能(ネットワークセキュリティ機能)、サブシステムの構成管理機能(後述する)等を有する制御部23と、コントローラCnやインターネット接続装置MDのMAC(Media Access Control:媒体アクセス制御)アドレスやネットワークアドレス(プライベートのIPアドレス)、各サブシステムSSnに関する制御情報や監視情報を記憶するための記憶部24とを備えている。
通信ポート20i,21は、LANケーブルの先端に設けられているRJ−45のモジュラプラグが挿抜自在に接続されるモジュラジャックを具備している。
パケット処理部22は多数のスイッチ要素を具備し、制御部23の経路切換機能によってスイッチ要素が駆動されることにより任意の1つの通信ポート20i又は通信ポート21と他の1乃至複数の通信ポート20i又は通信ポート21との間の伝送経路を切り換えたり、あるいは制御部23のネットワークセキュリティ機能によって異常(例えば、不正なパケットやネットワークに支障を来すほど大量のパケットの流入または流出)が生じている通信ポート20i又は通信ポート21を遮断若しくは制限したりするものである。
記憶部24は不揮発性メモリからなり、各通信ポート20iに接続されているコントローラCnや表示装置並びに通信ポート21に接続されているインターネット接続装置MDのMACアドレスやネットワークアドレスを各通信ポート20i及び通信ポート21と対応させて記憶している。但し、通信ポート20i及び通信ポート21に接続されているコントローラCnや表示装置並びにインターネット接続装置MDのMACアドレスを取得する方法については従来周知であるから詳細な説明は省略する。また、各コントローラCnや表示装置のネットワークアドレス、すなわち、プライベート(あるいはローカルとも言う。)のIPアドレスについては、制御部23がDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を用いて自動的に割り当てるようになっている。但し、DHCPを用いたネットワークアドレスの自動割り当てについても従来周知であるから詳細な説明は省略する。
制御部23は、通信ポート20i及び通信ポート21からパケット処理部22に入ってくるパケットの送信先のアドレス(MACアドレス)を監視しており、例えば、通信ポート21から入ってきたパケットの送信先のアドレスを記憶部24に記憶しているMACアドレスと照合し、送信先のアドレスと一致するMACアドレスのコントローラCnや表示装置(例えば、表示制御装置CV)が接続されている通信ポート20iと通信ポート21との間にのみ伝送経路が形成されるようにパケット処理部22を制御し、形成された伝送経路を介してパケットを通信ポート20iに送り出させている(経路切換機能)。
また、制御部23では、通信ポート20i及び通信ポート21を通過するパケットを常時監視し、異常なパケットを破棄したり、あるいは上述のようにパケット処理部22を制御して異常が生じている通信ポート20i又は通信ポート21を遮断若しくは制限させている(ネットワークセキュリティ機能)。
さらに、制御部23はUPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)のコントロールポイントの機能を実装しており、後述するようにUPnPにおいてデバイスの検出を行うSSDP(Simple Service Discovery Protocol)を利用してUPnPのデバイスに相当する各コントローラCnを自動的に検出するようになっている。
ところで、統合管理装置TMは、合成樹脂成形品からなる箱形のハウジング(図示せず)に上述した各部を収納して構成されているが、当該ハウジングは住宅内の壁面に設置されている住宅用分電盤(住宅盤)に収納可能となっている。但し、当該ハウジングの構造は一例であって、必ずしも住宅盤に収納される必要はない。
次に、個々のサブシステムSSnについて説明する。
サブシステムSS1は、照明器具や空調機器(エアコン)並びに電気錠等の住宅設備(設備機器)Xm(m=1,2,…)と、設備機器Xmの制御並びに監視を行う住宅設備(宅内機器)であるコントローラ(以下、設備機器コントローラと呼ぶ。)C1と、住宅における使用電流を計測する電流計測装置Dとを備えている。
設備機器コントローラC1は、図6に示すように、例えばマイコンを主構成要素とする設備機器コントローラ制御部30と、宅内ネットワークのLANケーブルが接続され設備機器コントローラ制御部30と宅内ネットワークのインタフェースを行うLANインタフェース部31と、日本電機工業会(JEMA)の統一規格に適合した設備機器X1(エアコンや給湯器など)と設備機器コントローラ制御部30のインタフェースを行うHA(ホームオートメーション)インタフェース部32と、前記JEMA規格に適合したHA端子(図示せず)を有するHA端子部33と、当該JEMA規格に適合しない設備機器X2(照明器具)への給電経路に挿入されるリレー(図示せず)を有するリレー端子部35と、設備機器コントローラ制御部30の制御下でリレー端子部35が有するリレーを駆動する照明器具インタフェース部34と、マイコンで実行するプログラムや設備機器X1,X2の動作状態などの制御情報及び監視情報を記憶するメモリ部36と、電流計測装置Dとの間でデータ通信を行うためのローカルインタフェース部37と、現在時刻を計時する計時部38とを備えている。また、図示は省略しているが、設備機器コントローラCは、商用電源から所望の直流電源を作成して設備機器コントローラ制御部30やその他の各部に動作電源を供給するための電源回路(図示せず)とを備えている。
設備機器コントローラ制御部30は、LANインタフェース部31を通じて表示装置から制御要求のメッセージを受け取ったときにHAインタフェース部32或いは照明器具インタフェース部34を介して各設備機器X1,X2を個別に制御して運転(照明器具X2の場合は点灯)と停止(照明器具X2の場合は消灯)を切り換え、LANインタフェース部31を通じて表示装置から監視要求のメッセージを受け取ったときにHAインタフェース部32或いは照明器具インタフェース部34を介して各設備機器X1,X2の動作状態(運転<点灯>又は停止<消灯>)を個別に取得するとともに、制御要求や監視要求に対する応答(各設備機器X1,X2の動作状態)のメッセージをLANインタフェース部31より要求メッセージの送信元である表示装置に向けて送信させる機能(制御監視機能)を有する。また、設備機器コントローラ制御部30は、自己の配下にある設備機器X1〜X4の名称並びに動作状態を文字や記号で表示するための多数のウェブページ(ウェブページ群)を保持しており、表示装置からの要求メッセージに応じて当該ウェブページ群の中から適切なウェブページ(例えば、表示装置から宅内ネットワークを通じて伝送される要求メッセージに基づいて行った設備機器X1,X2の監視又は制御の結果を示す応答メッセージとして監視又は制御に関わる内容を含んだウェブページ)を選んでLANインタフェース部31より宅内ネットワークを通じて表示装置に提供(配信)するウェブサーバ手段30aを備えている。
電流計測装置Dは、図7に示すように、例えばマイコンを主構成要素とするマイコンブロック40と、住宅盤に収納されている主幹ブレーカ(図示せず)の電源側に設けられて電源線PLより主幹ブレーカに流れ込む電流を検出する電流センサ(カレントトランス)CTと、電流センサCTで検出する電流から住宅における使用電流量を計測する電流計測部41と、設備機器コントローラC1の設備機器コントローラ制御部30との間でデータ通信を行うためのローカルインタフェース部42と、日本電機工業会の統一規格に適合した設備機器X3,X4(エアコンや給湯器など)とマイコンブロック40のインタフェースを行うHAインタフェース部43と、前記JEMA規格に適合したHA端子(図示せず)を有するHA端子部44とを備えている。
マイコンブロック40は、電流計測部41で計測する使用電流の計測値が予め決められている上限値を超えた場合、電流計測装置Dと設備機器コントローラC1それぞれのローカルインタフェース部42,37を通じて設備機器コントローラC1の設備機器コントローラ制御部30に機器停止(電源オフ)指令を送信するか、或いはHAインタフェース部43を制御してHA端子部44に接続されている設備機器X3又はX4の電源をオフさせて電力の使い過ぎを防止する機能(デマンド制御機能)と、ローカルインタフェース部42を介して設備機器コントローラ制御部30から与えられる指令に応じて設備機器X3,X4の動作制御や状態監視を行う機能とを有している。
ここで、マイコンブロック40にはサブシステムSS1に含まれる設備機器X1〜X4のデマンド制御における優先順位が登録されており、使用電流の計測値が上限値を超えた場合、前記優先順位の高い設備機器X1,…から順番に電源がオフされる。但し、必ずしも電流計測装置Dに設備機器X3,X4の制御及び監視機能を持たせる必要はなく、設備機器コントローラC1の設備機器コントローラ制御部30が上記デマンド制御機能を搭載してもよい。また、電流計測装置Dは必須の構成要件ではなく、電流計測装置Dを含まないサブシステムSS1であっても構わない。
また、サブシステムSS2は、図3に示すように、住宅設備(設備機器)として住宅内における異常発生を検知する1乃至複数種類のセキュリティ機器Y1,Y2と各セキュリティ機器Y1,Y2の検知情報を収集するセキュリティ受信器SRとを備えるとともに、これら住宅設備の監視並びに制御を行う住宅設備(宅内機器)としてセキュリティ受信器SRが収集した検知情報を受け取るとともに受け取った当該検知情報を応答メッセージにより宅内ネットワークを通じて伝送するコントローラ(以下、セキュリティコントローラと呼ぶ。)C2を備えて構成されるセキュリティシステムである。
セキュリティ機器Y1は、例えば、人体から放射される熱線を検出することによる監視領域内への人の侵入検知や、窓に設置されているクレセント錠の施解錠検知、窓の開閉検知等を行う防犯用のセンサを具備し、センサで異常(人の侵入やクレセント錠の解錠等)を検知したときに当該検知情報を無線信号(若しくは有線信号)でセキュリティ受信器SRに送信する機能を有している。また、セキュリティ機器Y2は、煙や熱を検出することによる火災検知や都市ガスあるいはLPガスを検出することによるガス漏れ検知等を行う防災用のセンサを具備し、センサで異常(火災発生やガス漏れ等)を検知したときに当該検知情報を無線信号(若しくは有線信号)でセキュリティ受信器SRに送信する機能を有している。但し、上述のような機能を有するセキュリティ機器Y1,Y2については従来周知であるから、詳細な構成についての図示並びに説明は省略する。
セキュリティ受信器SRは、セキュリティ機器Y1,Y2から送信された無線信号(若しくは有線信号)を受信することで検知情報を収集し、さらに当該検知情報に対応した処理、例えば、火災やガス漏れあるいは不審者の侵入等の異常発生を家人に知らせるために警報音を鳴動する処理を行うとともに検知された異常の種類や場所等の検知情報を無線信号(若しくは有線信号)でセキュリティコントローラC2に送信する処理を行う。ここで、セキュリティ機器Y1,Y2には固有の識別符号(ID)が割り当てられており、セキュリティ受信器SRでは当該識別符号によって個々のセキュリティ機器Y1,Y2の検知情報を識別可能となっている。また、セキュリティ受信器SRは、上述のようにセキュリティ機器Y1,Y2から検知情報を収集する警戒状態と検知情報を収集しない非警戒状態の2つの動作状態があり、例えば、ワイヤレス送信機(図示せず)から送信されるワイヤレス信号によって警戒状態と非警戒状態の2つの動作状態が択一的に切り換えられる。但し、ワイヤレス送信機にも固有の識別符号が割り当てられており、予め登録されている識別符号以外の識別符号が割り当てられたワイヤレス送信機では動作状態の切換が行えないようになっている。なお、上述のような機能を有するセキュリティ受信器SRについては従来周知であるから、詳細な構成についての図示並びに説明は省略する。
セキュリティコントローラC2は、図8(a)に示すように、例えばマイコンを主構成要素とするセキュリティコントローラ制御部50と、宅内ネットワークのLANケーブルが接続されセキュリティコントローラ制御部50と宅内ネットワークのインタフェースを行うLANインタフェース部51と、セキュリティ受信器SRとの間で無線(若しくは有線)によるデータ通信を行う通信部52と、LED等の発光素子で電源のオン/オフ状態や通信状態等を表示する表示部53と、押釦スイッチ等を有する操作部54と、マイコンで実行するプログラムやセキュリティ機器Y1,Y2から収集した検知情報を記憶するメモリ部55とを備えている。また、図8(a)では図示を省略しているが、セキュリティコントローラC2は、商用電源から所望の直流電源を作成してセキュリティコントローラ制御部50やその他の各部に動作電源を供給するための電源回路(図示せず)とを備えている。
セキュリティコントローラ制御部50は、セキュリティ受信器SRから通信部52を介して受け取った検知情報を応答メッセージとして宅内ネットワーク(あるいは宅内ネットワークと外部ネットワーク)を通じて表示装置に送信する機能(警報機能)や、表示装置から制御要求のメッセージを受け取ったときに通信部を介してセキュリティ受信器SRにコマンド(切換指令)を送信してセキュリティ受信器SRの動作状態(警戒状態又は非警戒状態)を切り換えたり、あるいはセキュリティ受信器SRによる警報音の鳴動を停止させたり、表示装置から監視要求のメッセージを受け取ったときに通信部52を介してセキュリティ受信器SRにコマンドを送信してセキュリティ受信器SRの動作状態(警戒状態又は非警戒状態)を通知させるとともに、制御要求や監視要求に対する応答(セキュリティ受信器SRの動作状態や警報音の鳴動状況等)のメッセージをLANインタフェース部より要求メッセージの送信元である表示装置に向けて送信させる機能(制御監視機能)を有する。また、セキュリティコントローラ制御部50は、自己の配下にあるセキュリティ受信器SRの動作状態等を文字や記号で表示するための多数のウェブページ(ウェブページ群)を保持しており、表示装置からの要求メッセージに応じて当該ウェブページ群の中から適切なウェブページ(例えば、表示装置から宅内ネットワークを通じて伝送される要求メッセージに基づいて行ったセキュリティ機器Y1,Y2の監視又は制御の結果を示す応答メッセージとして監視又は制御に関わる内容を含んだウェブページ)を選んでLANインタフェース部51より宅内ネットワークを通じて表示装置に提供(配信)するウェブサーバ手段50aを有している。
サブシステムSS3は、住宅設備(設備機器)として、例えば住戸外に設置されるカメラ付きドアホン子器(以下、ドアホン子器と略す。)DSと人体から放射される熱線を検出することで監視領域内への人の侵入を検知するとともに当該侵入検知時に監視領域を撮像するセンサカメラSCと、住戸内に設置されてドアホン子器DSとの間で通話する通話機能並びにドアホン子器DS並びにセンサカメラSCで撮像された画像を表示する機能を有するインターホン親機IMとを備えるとともに、これら住宅設備の監視並びに制御を行う住宅設備(宅内機器)として、インターホン親機IMよりドアホン子器DSやセンサカメラSCで撮像された画像を受け取るとともに受け取った当該画像を宅外ネットワーク(外部ネットワーク)を通じてセンタ装置SVに伝送するコントローラ(以下、画像転送コントローラと呼ぶ。)C3を備えて構成されるインターホンシステムである。
ドアホン子器DSは、通話用のマイクロホン並びにスピーカや来訪者を撮像するためのカメラを具備し、マイクロホンで集音した通話音声を通話線を介してインターホン親機IMに伝送し且つインターホン親機IMから通話線を介して伝送される通話音声をスピーカから鳴動させる通話機能と、呼出釦が押操作されたときに通話線を介してインターホン親機IMに呼出信号を送信する呼出機能と、カメラ(例えば、動画像を出力するCCDカメラ)で撮像された画像を周波数変調して通話音声に多重化することで通話線を介してインターホン親機IMに伝送する画像伝送機能とを有している。また、センサカメラSCは、人体から放射される熱線を検出することで監視領域内への人の侵入を検知する熱線センサや動画像を出力するCCDカメラ等を具備し、信号線を介して監視領域の画像をドアホン子器DSに伝送する機能を有している。なお、ドアホン子器DSに伝送された画像は通話線を介してインターホン親機IMに転送される。
一方、インターホン親機IMは、全体の制御を行うマイコンや音声処理用のDSP、通話用のマイクロホン並びにスピーカや画像表示用の液晶ディスプレイ、画像や通話音声を記録する不揮発性の半導体メモリ等を具備し、呼出信号を受信したときにスピーカから呼出音を鳴動する機能と、呼出音の鳴動中又は鳴動後の一定時間内に応答釦が押操作されたときにドアホン子器DSとの間に通話線を介した通話路を形成して通話音声を授受する通話機能と、通話中にドアホン子器DSで撮像され且つ伝送される画像(通話相手を撮像した画像)を周波数復調して液晶ディスプレイに表示する機能と、通話中以外でドアホン子器DS又はセンサカメラSCで撮像され且つドアホン子器DSから伝送される画像を周波数復調して液晶ディスプレイに表示する機能(画像モニタ機能)と、留守録設定中に呼出信号を受信した場合に通話線を介してドアホン子器DSから伝送される画像並びに通話音声を不揮発性の半導体メモリに記録する機能(留守録機能)と、センサカメラSCで撮像され且つドアホン子器DSより通話線を介して伝送された画像を不揮発性の半導体メモリに記録する機能(センサカメラ録画機能)と、ドアホン子器DSで特定の操作(例えば、呼出釦の長押し)が行われた場合に通常の呼出音と区別可能な通知音で家人の帰宅を通知する機能(帰宅通知機能)とを有している。
而して、来訪者がドアホン子器DSの呼出釦を押操作すると、常時有効である呼出機能によってインターホン親機IMに通話線を介して呼出信号が伝送され、インターホン親機IMにおいてスピーカから呼出音が鳴動されるとともに、通話線を介してインターホン親機IMから電源が供給されることでドアホン子器DSの画像伝送機能が有効になり、ドアホン子器DSのカメラで撮像された画像がインターホン親機IMの液晶ディスプレイに表示される。そして、液晶ディスプレイに表示された画像で来訪者を確認した家人がインターホン親機IMの応答釦を押操作すれば、通話機能によりドアホン子器DSとの間に通話線を介した通話路が形成されてインターホン親機IMとドアホン子器DSとの間においてスピーカとマイクロホンを使った拡声通話(ハンズフリー通話)が可能になるとともに、通話中においてはインターホン親機IMの液晶ディスプレイにドアホン子器DSから伝送される画像を表示させることが可能になる。但し、インターホン親機IMとドアホン子器DSとの間の拡声通話並びに画像伝送は、応答釦が押操作されてから所定時間が経過するか若しくは再度応答釦が押操作されたときに終了する。また、監視領域における不審者の侵入を検知するとセンサカメラSCが撮像した監視領域の画像がドアホン子器DS経由でインターホン親機IMに伝送されて液晶ディスプレイに表示される。但し、上述のような機能を有するインターホン親機IM、ドアホン子器DS、センサカメラSCについては、従来周知であるから詳細な構成についての図示並びに説明を省略する。
画像転送コントローラC3は、図8(b)に示すように、例えばマイコンを主構成要素とする画像転送コントローラ制御部60と、宅内ネットワークのLANケーブルが接続され画像転送コントローラ制御部60と宅内ネットワークのインタフェースを行うLANインタフェース部61と、インターホン親機IMとの間で信号線を介したデータ通信を行う通信部62と、LED等の発光素子で電源のオン/オフ状態や通信状態等を表示する表示部63と、押釦スイッチ等を有する操作部64と、マイコンで実行するプログラムやインターホン親機IMから信号線を通じて伝送されるデータ(画像データ及び通話音声データ)を記憶するメモリ部65とを備えている。また、図8(b)では図示を省略しているが、画像転送コントローラC3は、商用電源から所望の直流電源を作成して画像転送コントローラ制御部60やその他の各部に動作電源を供給するための電源回路も備えている。
画像転送コントローラ制御部60は、ドアホン子器DS並びにセンサカメラSCからインターホン親機IMに伝送された画像データ及び通話音声データを通信部62を介してインターホン親機IMから受け取るとともに受け取ったデータを所定の圧縮方式(例えば、動画像であればMPEG4、静止画像であればJPEG、音声であればMP3など)で圧縮した後に応答メッセージとして宅内ネットワーク及び宅外ネットワークを通じてセンタ装置SVに転送する機能(転送機能)と、インターホン親機IMの留守録機能が有効であるときにインターホン親機IMが画像及び通話音声を記録した旨を宅内ネットワーク並びに宅外ネットワークを通じてセンタ装置SVに通知する機能(来客通知機能)と、帰宅通知機能によってインターホン親機IMに家人の帰宅が通知されたときに宅内ネットワーク並びに宅外ネットワークを通じてセンタ装置SVに帰宅通知の応答メッセージを転送する機能(帰宅通知転送機能)とを有する。また、画像転送コントローラ制御部60は、メモリ部65に記録している画像の一覧等を開示する多数のウェブページ(ウェブページ群)を保持しており、表示装置からの要求メッセージに応じて適切なウェブページを選んでLANインタフェース部61より宅内ネットワークを通じて表示装置に提供(配信)するウェブサーバ手段60aを有している。
次に、表示装置として用いられている表示制御装置CVについて説明する。表示制御装置CVは住宅内の壁面に埋込配設されるものであって、図1に示すようにマイコンを主構成要件とする制御部10と、宅内ネットワークのLANケーブルが接続され制御部10と宅内ネットワークのインタフェースを行うLANインタフェース部11と、液晶ディスプレイ12a(図2参照)並びにLED(図示せず)とそれらのドライバ回路を有し液晶ディスプレイ12aにウェブページを表示する表示手段となる表示部12と、押釦スイッチ13a〜13dや液晶ディスプレイ12aの画面上に配設されるタッチパネル(図示せず)を有して操作入力を受け付ける操作部13と、制御部10で実行するプログラムや種々のデータを記憶する記憶手段となる記憶部14と、スピーカ(図示せず)とスピーカの駆動回路(図示せず)を有する音発生手段であるスピーカ部15とを備えている。また、図示は省略しているが、商用電源から所望の直流電源を作成して制御部10やその他の各部に動作電源を供給するための電源回路も備えている。
制御部10は、LANインタフェース部11を介して接続された宅内ネットワークを通じてデータ通信を行う通信手段10aと、通信部10aを介して受け取ったウェブページを表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示させるウェブブラウザ手段10bと、記憶部14に記憶しているウェブページ(以下、内蔵ウェブページと呼ぶ。)の中からウェブブラウザ手段10bからの要求に応じて適切な内蔵ウェブページを選んで提供(配信)するウェブサーバ手段10cとを有している。
ウェブブラウザ手段10bは、ウェブサーバ等と所定の通信プロトコルに基づいて通信して、指定されたURLに対応する情報を取り寄せるウェブクライアント機能と、取り寄せた情報をその種類(HTML、XHTML、XML、画像、テキスト等)に応じて解析するパーサ機能と、パーサ機能による解析結果を元に文字や画像を適切に配置したり文字のサイズを調整したり色を付けたりして最終的に人間のための表示を行うレンダラ機能とを有するものであって、各コントローラC1,C2,C3のウェブサーバ手段30a,50a,60a等から提供されるウェブページ並びに予めウェブサーバ手段10cより提供される内蔵ウェブページをウェブブラウザで再生して表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示するとともに、操作部13のタッチパネルが操作された位置と液晶ディスプレイ12aに表示されているアイコン等との位置関係に応じた操作入力を受け付けるように構成されている。
ところで、ウェブブラウザ手段10cによるウェブページの表示は、当該ウェブページのソースファイルに基づいて行われる。ソースファイルは、例えばHTML等で記述された言語を使用して記載したファイルであり、HTMLでソースファイルを作成するにあたっては、ルール(記述方法)としてタグが用いられる。例えばHTMLで使用されるタグとしては、文字のフォントやサイズ等を設定するためのタグ(例えば<Font>等)や、レイアウトを設定するためのタグ(例えば改行を行わせる<Br>タグや、文書を分割して個別のセクションに分けてセクションをひとまとまりとして表示せるための<div>タグ等)、画像を表示させるためのタグ(例えば<Img Src=”ファイル名”>等)等、様々なタグがある。このようなタグは全てのウェブブラウザで使用できるようになっているわけではなく、一部のブラウザでのみ使用可能なタグも存在する。この種のタグとしては<BGSOUND>タグがあり、<BGSOUND>タグは、このタグがソースファイルに記述されたウェブページの表示が行われた際に、スピーカ等を鳴動させるために使用される鳴動用タグである。
そこで、本実施形態におけるウェブブラウザ手段10bは、表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示させるウェブページのソースファイルに<BGSOUND>タグのようなスピーカ部15を鳴動させる(スピーカ部15のスピーカを鳴動させる)鳴動用タグが含まれていた際に、当該鳴動用タグに基づいてスピーカ部15のスピーカを鳴動させるように構成されている。
また、ウェブページのソースファイルに含まれている鳴動用タグが、スピーカ部15の鳴動方法に関する情報を有している場合には、ウェブブラウザ手段10bは、鳴動用タグが有する鳴動方法に則してスピーカ部15を鳴動させるように構成されている。一方、ウェブブラウザ手段10bは、表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示させるウェブページのソースに鳴動用タグが含まれていない場合には、スピーカ部15の動作を停止させるように構成されている。
以下、本実施形態におけるウェブブラウザ手段10bで採用する鳴動用タグについて説明する。鳴動用タグは、スピーカ部15のスピーカを鳴動させるための音データ(スピーカ部15に出力する音データ)を指定する音データ指定情報と、スピーカ部15の鳴動方法に関する情報とを持たせることができるようになっている。このような鳴動用タグとしては、HTML形式のウェブページであれば、上述した<BGSOUND>タグや、<EMBED>タグ、<OBJECT>タグ等を使用することができる。尚、鳴動用タグとしては<BGSOUND>タグ等のように、一部のウェブブラウザではサポートされていないタグを用いるようにしてもよく、また、本実施形態におけるウェブブラウザ手段10bでのみ有効な(つまり、ウェブブラウザ手段10bのために新たに定義した)鳴動用タグを用いるようにしてもよい。
音データ指定情報により指定される音データは、例えば表1に示すような音や、「火災が発生しました。すぐに避難してください」、「不審者が侵入しました」等の音声メッセージのデータ(例えばWAVEデータ)であって、記憶部14に予め記憶されている。尚、音データは圧縮した状態で記憶部14に記憶させてもよく、この場合、記憶部14から読み出した音データを伸長してからスピーカ部15に出力すればよい。
ここで、鳴動用タグに音データ指定情報が存在しない、又は音データ指定情報により指定された音データが記憶部14に存在しない場合には、ウェブブラウザ手段10bは、鳴動用タグにエラーがあるとして鳴動用タグがなかったものとみなすように構成されている。尚、鳴動用タグに音データ指定情報が存在しない場合は、デフォルトで設定されている音をスピーカ部15から発するようにしてもよい。
前記鳴動方法は、例えば、鳴動回数、鳴動間隔、音量等であって、本実施形態では、鳴動用タグとして、鳴動させる音データと、鳴動回数と、鳴動間隔とを指定することが可能な鳴動用タグを用いている。この場合、鳴動用タグで使用されるフォーマットは、「<データ名(音データのファイル名)>_<鳴動回数>_<鳴動間隔>」で構成される(ここでアンダーバー”_”は区切り記号として用いられている)。
例えば、ウェブブラウザ手段で表示するウェブページのソースに、「keihou_0_0」を有する鳴動用タグがあれば、「ピーポー」という音がスピーカ部15から出力され続ける。また、ウェブページのソースに「houchi_4_0」を有する鳴動用タグがあれば、「ポロロン」という音が4回連続してスピーカ部15から出力される。また、「oshirase_1_0」を有する鳴動用タグがあれば、「ポン」という音がスピーカ部15から一回だけ出力され、「oshirase_3_5」を有する鳴動用タグがあれば、「ポン」という音がスピーカ部15から5秒間隔で3回出力され、「osirase_6_10」を有する鳴動用タグがあれば、「ポン」という音がスピーカ部15から10秒間隔で6回出力される。一方、スピーカ部15の鳴動を停止したい際には、鳴動用タグをソースに有していないウェブページをウェブブラウザ手段10bにより表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示させるようにすればよい。
このような鳴動用タグは、ウェブページのソースファイルに予め記述されるものであるから、各コントローラC1〜C3が製品として販売された後には、ユーザーが鳴動用タグの内容を変更することはできないようになっている。そのため、子供のいたずら等によって音データの種類が変更されて、イベントの種類と音データの種類とが一致せずに誤解を与えたりしてしまうことがない。しかしながら、鳴動回数や、鳴動間隔等の鳴動方法については音データ程の影響はないため、ユーザーが購入後でも鳴動方穂を変更できるように各コントローラC1〜C3を構成してもよい。
以下に、ウェブブラウザ手段10bの動作について図4を参照して説明する。ステップS1において、ウェブブラウザ手段10bは、LANインタフェース部11を介して宅内ネットワークからウェブページのデータ(ファイル)を取得し、次のステップS2において、ウェブページのソースに鳴動用タグが存在するかどうかを判定する。
ステップS2において鳴動用タグが存在すると判定した際には、ステップS3に進み、鳴動用タグの音データ指定情報で指定された音データが記憶部14に記憶されているかどうかを判定する。ステップS3において音データ指定情報で指定された音データが記憶部14に記憶されていると判定した際にはステップS4へ進み、音データが記憶部14に記憶されていないと判定した際にはステップS6に進む。
ステップS4では、鳴動用タグの音データ指定情報、及び鳴動方法に関する情報に基づいてスピーカ部15の鳴動処理を行う。一方、ステップS6では、スピーカ部15の停止処理(スピーカ部15が鳴動していればスピーカ部15の鳴動を停止させ、スピーカ部15が鳴動していなければその状態を維持する)を行う。
また、ステップS4又はステップS6が実行される際には、並行してステップS5が実行される。ステップS5では、ステップS1で取得したウェブページを表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示させる処理が行われる。
ところで、表示制御装置CVは、図2に示すように矩形箱形の合成樹脂成形品からなるハウジング16の内部に上述した各部10〜15が収納されて構成されており、表示部12が有する液晶ディスプレイ12aの画面がハウジング16前面の左寄りに配置されている。なお、液晶ディスプレイ12aの画面には操作部13が有するタッチパネル(透明であるから番号は付さない)が一体に設けられている。ハウジング16前面の右寄り上部には、スピーカ部15から鳴動する音をハウジング16の外に放射するための多数の孔16aがマトリクス状に並べて貫設されている。また、ハウジング16前面の右寄り下部には、操作部13が具備する複数の押釦スイッチ(図示せず)を押操作するための操作釦13a,13b,13c,13dが縦横2列に並べて配設されている。さらに、ハウジング16前面の右寄り中央部には、蓋体16bによって開閉自在に閉塞される凹所(図示せず)が設けられており、凹所の底面に電源入/切や制御部10をリセットするための押釦スイッチ(図示せず)、表示部12のLEDなどが配設されている。なお、図示は省略するが、ハウジング16の背面にはLANインタフェース部11が有するモジュラジャックの差込口と、商用電源からの電源線が接続される端子部の電線挿入孔とが露出している。
また本実施形態においては、自ら撮像した画像を宅内ネットワーク経由で配信する機能(ウェブサーバ機能)を有した、いわゆるウェブカメラWCがLANケーブルを介して統合管理装置TMのコントローラ用通信ポートに接続されている(図3参照)。かかるウェブカメラWCは従来周知であって、撮像した画像を所定の圧縮方式(例えば、動画像であればMPEG4、静止画像であればJPEGなど)で圧縮してネットワークを通じて配信したり、ネットワークを通じてパンやチルトの遠隔制御をしたりすることが可能である。
ところで本実施形態においては、統合管理装置TMの制御部23にもウェブサーバ機能が搭載されており、各コントローラCnがウェブサーバ手段30a,50a,60aによって提供するウェブページ(各サブシステムSSnのホームページ)への入り口となるウェブページ(いわゆるポータルサイト)を作成し、宅内ネットワークを通じて住宅内の表示装置(パソコンPCや表示制御装置CV)に提供(配信)している。例えば、表示制御装置CVの液晶ディスプレイ12aには、通常、統合管理装置TMで作成された前記ポータルサイトが表示されている。このポータルサイトでは、各コントローラCnで提供されるウェブコンテンツ(各サブシステムSSnのホームページ)へのリンクがアイコンで表示されており、何れかのアイコン上でタッチパネルが操作されれば、当該アイコンで表示されたリンク先のURL(各コントローラCnが保有するウェブページ群のIPアドレス)に対して表示制御装置CVからウェブコンテンツの送信要求メッセージが送信される。そして、送信要求メッセージを受信したコントローラCnが自己の保有するウェブページ群の中から指定されたウェブページを表示制御装置CVに対して送信すれば、前記ポータルサイトに代わって当該コントローラCnのウェブページ(例えば、各サブシステムSSnのホームページ)が液晶ディスプレイ12aに表示される。
次に、表示制御装置CVを使って設備機器Xmの制御並びに監視を行う場合の動作について説明する。
まず、操作部13の操作釦13aが押操作されると制御部10がLANインタフェース部11より統合管理装置TMに対してポータルサイトの送信要求メッセージを送信する。統合管理装置TMの制御部23は、記憶部24のリストに登録されているサブシステムSS1〜SS3のホームページへのリンクを示すアイコンや個々のサブシステムSS1〜SS3の名称を示す文字等を表示するポータルサイトを予め作成して記憶部24に記憶しており、表示制御装置CVから前記送信要求メッセージを受け取ったときに記憶部24からポータルサイトのデータを読み出して送信要求元の表示制御装置CVへ送信する。
表示制御装置CVでは、統合管理装置TMから受け取ったウェブページのデータ(ファイル)をウェブブラウザ手段10bで開くことにより、液晶ディスプレイ12aにポータルサイトが表示される。このとき、ウェブブラウザ手段10bは図4に示すフローチャートに従って動作する。
そして、サブシステムSS1のアイコン上でタッチパネルが操作されれば、当該アイコンで表示されたリンク先のURL(設備機器コントローラC1が保有するウェブページ群のIPアドレス)に対して、前記ウェブブラウザによってウェブページの送信要求メッセージが送信される。この後に、送信要求メッセージを受信した設備機器コントローラC1の設備機器コントローラ制御部が自己の保有するウェブページのデータを表示制御装置CVに送信すれば、ウェブブラウザ手段10bでウェブページのデータ(ファイル)を開くことによりサブシステムSS1のウェブページ(例えば、ホームページ)が表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示される。
このホームページでは、サブシステムSS1に含まれる設備機器X1〜X4の名称と設置場所(例えば、「リビングのエアコン」,「リビングの照明」など)を示した文字、各設備機器X1〜X4の動作状態を示す文字、各設備機器X1〜X4の動作状態を反転させる操作に対応したボタン等が表示され、これらのボタンに各々他のウェブページがリンクしている。従って、ホームページに表示される情報から各設備機器X1〜X4の動作状態を監視(確認)することができる。
ここで、何れかの設備機器Xmの動作状態を反転させる制御、例えば、現在点灯している照明器具(設備機器X2)を消灯させる制御を行う場合、ホームページにおいて設備機器X4の動作状態を反転させる操作に対応したボタン上でタッチパネルを操作する。すると、ウェブブラウザ手段10bによって当該ボタンが操作されたことを示すメッセージ、つまり、照明器具(設備機器X2)の消灯制御を要求するメッセージ(要求メッセージ)が宅内ネットワークを通じて設備機器コントローラC1のネットワークアドレス宛に送信される。そして、この要求メッセージを受け取った設備機器コントローラC1の設備機器コントローラ制御部30では、照明器具インタフェース部34を介してリレー端子部35のリレーをオフすることで照明器具(設備機器X2)を消灯する。
その後、設備機器コントローラ制御部は照明器具(設備機器X2)の消灯に対応したウェブページのデータを表示制御装置CVに送信し、表示制御装置CVのウェブブラウザ手段10bでウェブページのデータ(ファイル)を開くことによりサブシステムSS1の他のウェブページが表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示される。
このウェブページでは、照明器具(設備機器X2)の動作状態が点灯から消灯に変更されている。ここで、ウェブページのソースに例えば「oshirase_1_0」を有する鳴動用タグを持たせておけば、「ポン」という音をスピーカ部15から一回だけ出力させることができ、これによりユーザーに操作が実行されたことを聴覚的に報知することができる。
また、何らかの原因で設備機器Xmの制御に失敗した場合、設備機器コントローラ制御部30が制御に失敗した旨の応答メッセージ(エラーメッセージ)を有するウェブページを作成してLANインタフェース部31より表示制御装置CVに送信し、表示制御装置CVの表示部12(液晶ディスプレイ12a)にウェブページを表示するようになっており、このときウェブページのソースに、「keihou_1_0」を有する鳴動用タグを持たせておけば、「ピーポー」という音をスピーカ部15から一回だけ出力させることができ、これによりユーザーに操作が失敗したことを聴覚的に報知することができる。
次に、表示制御装置CVを使ってセキュリティ受信器SRの動作状態(警戒状態又は非警戒状態)の制御(切換)並びに監視を行う場合の動作について説明する。
まず、操作部13の操作釦13aが押操作されると制御部10がLANインタフェース部11より統合管理装置TMに対してポータルサイトの送信要求メッセージを送信する。当該送信要求メッセージを受け取った統合管理装置TMの制御部23は、記憶部24から読み出したポータルサイトのデータを送信要求元の表示制御装置CVへ送信する。
表示制御装置CVでは、統合管理装置TMから受け取ったポータルサイトのデータ(ファイル)をウェブブラウザ手段10bで開くことにより、液晶ディスプレイ12aにポータルサイトを表示する。そして、サブシステム(セキュリティシステム)SS2のアイコン上でタッチパネルが操作されれば、当該アイコンで表示されたリンク先のURL(セキュリティコントローラC2が保有するウェブページ群のIPアドレス)に対して、前記ウェブブラウザ手段10bによってウェブページの送信要求メッセージが送信される。
そして、送信要求メッセージを受信したセキュリティコントローラC2のセキュリティコントローラ制御部が自己の保有するウェブページのデータを表示制御装置CVに送信すれば、当該ウェブページのデータ(ファイル)をウェブブラウザ手段10bで開くことによりセキュリティシステムSS2のウェブページ(例えば、ホームページ)が表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示される。
このホームページでは、セキュリティシステムSS2に含まれるセキュリティ受信器SR並びにセキュリティ機器Y1,Y2の名称と設置場所を示した文字、セキュリティ受信器SRの動作状態やセキュリティ機器Y1,Y2の検知状況等を示す文字、セキュリティ受信器SRの動作状態を反転させる操作に対応したボタン等が表示され、これらのボタンに各々他のウェブページがリンクしている。従って、ホームページに表示される情報からセキュリティ受信器SRの動作状態や各セキュリティ機器Y1,Y2の検知状況等を監視(確認)することができる。
ここで、セキュリティ受信器SRの動作状態を反転させる制御、例えば、非警戒状態から警戒状態に切り換える制御を行う場合、ホームページにおいてセキュリティ受信器SRの動作状態を反転させる操作に対応したボタン上でタッチパネルを操作する。すると、前記ウェブブラウザによって当該ボタンが操作されたことを示すメッセージ、つまり、セキュリティ受信器SRを警戒状態に切り換える切換制御を要求するメッセージ(要求メッセージ)が宅内ネットワークを通じてセキュリティコントローラC2のネットワークアドレス宛に送信される。
そして、この要求メッセージを受け取ったセキュリティコントローラC2のセキュリティコントローラ制御部50では、通信部52よりセキュリティ受信器SRに対してコマンド(切換指令)を送信することでセキュリティ受信器SRの動作状態が非警戒状態から警戒状態に切り換わる。その後、セキュリティコントローラ制御部はセキュリティ受信器SRの動作状態(警戒状態)に対応したウェブページのデータを表示制御装置CVに送信し、表示制御装置CVのウェブブラウザ手段10bで当該ウェブページのデータ(ファイル)を開くことによりサブシステムSS2の他のウェブページが表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示される。当該ウェブページでは、セキュリティ受信器SRの動作状態が非警戒状態から警戒状態に変更されている。ここで、ウェブページのソースに例えば「oshirase_1_0」を有する鳴動用タグを持たせておけば、「ポン」という音をスピーカ部15から一回だけ出力させることができ、これによりユーザーに操作が実行されたことを聴覚的に報知することができる。
次に、セキュリティシステムSS2において、セキュリティコントローラC2がセキュリティ受信器SRから異常発生(例えば、火災やガス漏れの発生あるいは不審者の侵入など)を示す検知情報を取得した場合の動作について説明する。
何れかのセキュリティ機器Y1,Y2で異常が検出され、セキュリティコントローラC2のセキュリティコントローラ制御部がセキュリティ受信器SRから異常発生の検知情報を取得すると、セキュリティコントローラ制御部50は当該検知情報を含む応答メッセージ(以下、連携メッセージと呼ぶ。)を作成して宅内ネットワーク内に一斉同報(ブロードキャスト)するとともに、センタ装置SVにも異常発生通報のためのメッセージを送信する。
前記連携メッセージを受け取った表示制御装置CVでは、制御部10が受け取った連携メッセージに含まれる検知情報から発生した異常の内容(例えば、火災やガス漏れの発生あるいは不審者の侵入など)を判断し、その内容に応じた警報音(例えば、「火災が発生しました。すぐに避難してください。」あるいは「不審者が侵入しました。」などの音声メッセージ)をスピーカ部55に鳴動させるとともに、異常の内容に応じた警報表示(例えば、「○○で火災が発生しました。」あるいは「××に不審者が侵入しました。」などのメッセージ)を表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示させる。
また、センタ装置SVでは、セキュリティコントローラC2から受け取った異常発生の通報メッセージを、予め登録されている携帯電話機MPのメールアドレスに送信することで異常の発生を外出中の家人に通知する。
一方、連携メッセージを受け取った他のコントローラ、すなわち、設備機器コントローラC1と画像転送コントローラC3においては、設備機器コントローラ制御部30並びに画像転送コントローラ制御部60が受け取った連携メッセージに含まれる検知情報から発生した異常の内容を判断し、予め決められているルールに則り、必要であれば異常の内容に応じた制御動作を実行する。例えば、火災が発生している場合に設備機器コントローラ制御部30が照明器具を点灯することで避難し易くすることが可能である。但し、ガス漏れが発生している場合、設備機器Xmの動作状態が切り換えられると電源のオン又はオフに伴って発生した火花が漏れたガスに引火する虞があるので、設備機器コントローラ制御部30では、仮に制御要求メッセージを受け取っても全ての設備機器Xmについての制御を無効とする。
次に、インターホンシステム(サブシステムSS3)のドアホン子器DSで撮像した画像をセンタ装置SVに蓄積するとともに、蓄積された画像を表示装置(例えば、携帯電話機MP)で再生する場合の動作について説明する。但し、以下の説明では画像のみを蓄積する場合について説明するが、画像とともに通話音声もセンタ装置SVに蓄積し且つ表示装置で再生することも可能である。
既に説明したように、来訪者が呼出釦を押操作すると、ドアホン子器DSの画像伝送機能が有効になってドアホン子器DSのカメラで撮像された画像(画像データ)がインターホン親機IMに伝送される。インターホン親機IMは、ドアホン子器DSから受け取った画像データを画像転送コントローラC3に伝送する。画像転送コントローラC3においては、インターホン親機IMから受け取った画像データを画像転送コントローラ制御部60にて所定の圧縮方式(例えば、動画像であればMPEG4、静止画像であればJPEGなど)で圧縮処理し、圧縮した画像データを応答メッセージとして宅内ネットワーク及び外部ネットワークを通じてセンタ装置SVに転送する。センタ装置SVでは、画像転送コントローラC3から受け取った画像データをハードディスク等の記録媒体に記録(蓄積)する。
また、表示制御装置CVにより画像転送コントローラC3を介してインターホン親機IMの留守録機能が有効に設定されると、表示制御装置CVからセンタ装置SVに対して留守録設定を通知するメッセージが送信される。そして、留守録機能が有効に設定されているときに来訪者が呼出釦を押操作すると、ドアホン子器DSの画像伝送機能が有効になってドアホン子器DSのカメラで撮像された画像(画像データ)がインターホン親機IMに伝送され、インターホン親機IMは、ドアホン子器DSから受け取った画像データを画像転送コントローラC3に伝送するとともに、当該画像データをメモリ部に記憶(録画)する。また、インターホン親機IMから受け取った画像データを画像転送コントローラ制御部60にて圧縮処理し、圧縮した画像データを応答メッセージとして宅内ネットワーク及び外部ネットワークを通じてセンタ装置SVに転送する。
センタ装置SVでは、画像転送コントローラC3から画像データが転送されると、予め登録されている携帯電話機MPのメールアドレスにメッセージを送信して外出中の家人に来客を通知し、さらに、当該画像データを記録媒体に蓄積する。
前記メッセージを受け取った家人が来訪者を確認したい場合、携帯電話機MPよりセンタ装置SVに対して画像再生の要求メッセージを送信すればよい。当該要求メッセージを受け取ったセンタ装置SVは、記録媒体に蓄積した前記画像データを携帯電話機MPで再生可能なファイル形式に加工(変換)し、加工後の画像データを携帯電話機MPに送信する。その結果、外出中の家人は携帯電話機MPで再生した画像を見て来訪者を確認することができる。
次に、インターホン親機IMの画像モニタ機能を利用し、ドアホン子器DSで撮像した画像を表示装置(例えば、携帯電話機MPや表示制御装置CV)で再生する場合の動作について説明する。
携帯電話機MPからセンタ装置SVに対して画像モニタの要求メッセージが送信されると、センタ装置SVは、インターホンシステムSS3の画像転送コントローラC3からポーリングされたときに、当該要求メッセージを画像転送コントローラC3に送信する。この画像モニタ要求メッセージを受け取った画像転送コントローラC3では、画像転送コントローラ制御部60がインターホン親機IMの画像モニタ機能を有効に設定するための制御信号を通信部62より送信し、この制御信号を受け取ることでインターホン親機IMの画像モニタ機能が有効になる。すると、インターホン親機IMは、通話線を介して電源を供給することでドアホン子器DSの画像伝送機能を有効とし、ドアホン子器DSのカメラで撮像された画像を受け取るとともに当該画像データを画像転送コントローラC3に伝送する。画像転送コントローラC3においては、インターホン親機IMから受け取った画像データを画像転送コントローラ制御部60にて圧縮処理し、圧縮した画像データを応答メッセージとして宅内ネットワーク及び外部ネットワークを通じてセンタ装置SVに転送する。そして、センタ装置SVが転送されてきた画像データを携帯電話機MPに送信し、その結果、ドアホン子器DSで撮像された画像を携帯電話機MPで再生して確認することができる。
また、インターホンシステムSS3のホームページには、インターホン親機IMの画像モニタ機能を有効に設定するためのアイコンが用意されており、表示制御装置CVの操作部13において当該アイコンの操作が受付されると、制御部10がLANインタフェース部11を通じて画像モニタ要求メッセージを画像転送コントローラC3に送信する。この画像モニタ要求メッセージを受け取った画像転送コントローラC3では、画像転送コントローラ制御部60がインターホン親機IMの画像モニタ機能を有効に設定するための制御信号を通信部62より送信し、この制御信号を受け取ることでインターホン親機IMの画像モニタ機能が有効になる。すると、インターホン親機IMは、通話線を介して電源を供給することでドアホン子器DSの画像伝送機能を有効とし、ドアホン子器DSのカメラで撮像された画像を受け取るとともに当該画像データを画像転送コントローラC3に伝送する。画像転送コントローラC3においては、インターホン親機IMから受け取った画像データを画像転送コントローラ制御部60にて圧縮処理し、圧縮した画像データを応答メッセージとして表示制御装置CVに転送する。そして、表示制御部CVでは、受け取った画像データを制御部10で伸長処理して表示部12に出力し、これによりドアホン子器DSで撮像された画像が表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示される。
ところで、一般に外出する際はエアコンや照明器具の電源を切るとともにセキュリティ受信器SRを警戒状態に切り換え、あるいは、就寝する際は照明器具の電源を切るとともにセキュリティ受信器SRを警戒状態に切り換えるというように、特定の状況においては複数の決まった制御が同時に行われる場合が多いが、このような場合に表示制御装置CVの操作部13(タッチパネル)で一つ一つの制御に対する操作を入力するのは非常に煩わしい作業である。
そこで本実施形態では、統合管理装置TMが提供するポータルサイトの画面に外出、在宅、就寝という3種類の状況に対応したシンボル(例えば、「外出」,「在宅」,「就寝」と表示されたボタン)を表示させ、表示制御装置CVの操作部13において前記ボタン(以下、「一括ボタン」と呼ぶ。)の何れかの選択操作が受け付けられたときに、それぞれの状況に対して予め対応付けられている1乃至複数の制御要求メッセージ、例えば、「外出」の一括ボタンが操作された場合であれば、設備機器コントローラC1に対してエアコンと全ての照明器具をオフ(電源切並びに消灯)するように指示する制御要求メッセージと、セキュリティコントローラC2に対してセキュリティ受信器SRを警戒状態に切り換えるように指示する制御要求メッセージとを表示制御装置CVの制御部10で作成し、作成した2種類の制御要求メッセージを設備機器コントローラC1とセキュリティコントローラC2に対してLANインタフェース部11を介して各々送信する。なお、操作部13で「外出」の一括ボタンの操作を受け付けると、制御部10は「外出モードを受け付けました。」等の文字を表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示する。
一方、設備機器コントローラC1では、表示制御装置CVから受け取った制御要求メッセージに応じてエアコンと全ての照明器具をオフする制御を行い、また、セキュリティコントローラC2では、表示制御装置CVから受け取った制御要求メッセージに応じてセキュリティ受信器SRの動作状態を警戒状態に切り換える制御を行う。つまり、外出する際に表示制御装置CVの操作部13において「外出」の一括ボタンのみを操作するだけで、エアコンと全ての照明器具をオフするとともにセキュリティ受信器SRを警戒状態に切り換えることができるから、表示制御装置CVの操作部13で一つ一つの制御に対する操作を入力する場合に比較して作業効率が高く且つ操作性も向上するという利点がある。
以上述べた本実施形態の住宅設備監視システムによれば、ウェブページのソースファイルに音鳴動用タグが含まれている場合に、音鳴動用タグに基づいてスピーカ部14を鳴動させるウェブブラウザ手段10bを表示制御装置CVに設けているから、表示制御装置CVで画像を表示させる際に所望の音を鳴らすことができるという効果を奏する。また、表示制御装置CVは、ウェブページを受け取った際に、そのウェブページを表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示させるとともに、ウェブページのソースァイルに含まれる鳴動用タグに基づいてスピーカ部15を鳴動させるから、どの画像を表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示させるか或いはどの音をスピーカ部15から出力させるかといった判断を表示制御装置に行わせる必要がなくなり、従来のように表示装置が受け取ったデータに基づいて表示する画面と出力する音との両方を判断するような場合に比べて、表示装置にかかる負荷を軽減できるという効果を奏する。このように本実施形態の住宅設備監視システムでは、従来の表示装置で行っていた処理を、表示装置と、住宅設備(コントローラC1〜C3)に分散しているから、自立分散型の住宅設備監視システムを実現できるという効果を奏する。
また、表示制御装置CVのスピーカ部15の鳴動方法を鳴動用タグによって指定することができるから、例えばサブシステムSS1,SS2,SS3の状況等に応じて効果的な音をスピーカ部15から出力させることが可能になるという効果を奏する。
さらに、鳴動用タグをソースに含んでいないウェブページをウェブブラウザ手段10bによって表示部12の液晶ディスプレイ12aに表示させることによって、スピーカ部15を停止させることが可能となるから、表示制御装置CVを直接操作しなくても、表示制御装置CVから離れた場所にあるコントローラC1,C2,C3等を用いて表示制御装置CVのスピーカ部15を停止させることができるという効果を奏する。
ところで、本実施形態の住宅設備監視システムでは、複数の住宅設備とこれら複数の住宅設備の監視、又は制御を行うコントローラC1〜C3とでサブシステムSS1〜SS3を構成し、コントローラC1〜C3それぞれにウェブサーバ手段30a,50a,60aを設けているから、サブシステムSS1〜SS3を構成する全ての住宅設備それぞれにウェブサーバ手段を設けなくて済むようになって、ウェブサーバ手段用のリソースを削減でき、製造コストを低減できるという効果を奏する。特に、照明機器や空調機器等の一般的な住宅設備のように、ウェブサーバ手段を設けることができるようなハードウェア構成を有しておらず(ウェブサーバ手段を設けることができるような能力に設定されておらず)、ウェブサーバ手段用のリソースを新たに設ける必要がある住宅設備を複数採用する際に有効である。
また、コントローラC1〜C3によって複数の住宅設備の監視結果又は制御結果をまとめたウェブページを表示装置にて表示することができるから、複数の住宅設備それぞれの監視結果又は制御結果をウェブページで個別に表示する場合とは異なり、複数の住宅設備の監視結果又は制御結果を一括して表示でき、使い易さを向上できるという効果を奏する。さらに、住宅設備監視システムに新たな監視又は制御の対象となる住宅設備が追加され、新しいウェブページの追加が必要になった場合でも、追加された住宅設備を監視又は制御の対象とするコントローラを新規なものに換える(交換する)だけでよく、住宅設備監視システムの拡張が容易になるという効果を奏する。
尚、本実施形態では、主にコントローラC1,C2,C3から表示制御装置CVに送られるウェブページのソースに鳴動用タグを持たせる例について説明したが、例えば統合管理装置TMから表示制御装置CVに送られるウェブページのソースに鳴動用タグを持たせるようにしてもよく、またコントローラC1,C2,C3や統合管理装置TMに限らず、ウェブページを表示制御装置CVに送るウェブサーバとしての機能を有する装置から送られるウェブページのソースに鳴動用タグを持たせてもよい。この点は後述する実施形態2,3においても同様である。
尚、本実施形態のコントローラC1,C2,C3は、住宅設備の監視並びに制御を行うように構成されているが、必ずしも監視と制御の両方を行う必要はなく、いずれか一方のみを行うように構成されていてもよい。
(実施形態2)
ところで実施形態1の住宅設備監視システムでは、表示制御装置CVのスピーカ部15から音を出力する際には、表示制御装置CVの記憶部14に記憶されている音データからスピーカ部15で出力する音を選択する必要があるが、例えば住宅設備監視システムに新たなサブシステムを増設した際には、増設したサブシステムのコントローラで使用する音データが表示制御装置CVの記憶部14に記憶されていない場合がある。
このような場合、増設されたサブシステムのコントローラから表示制御装置CVに鳴動用タグをソースに有するウェブページが送信されたとしても、鳴動用タグの音データ指定情報で指定された音データが記憶部14に存在しないために、表示制御装置CVではスピーカ部15が停止されることになり、スピーカ部15からは音が出力されない。
そのため、増設された(又は増設予定の)サブシステムで使用する音データが表示制御装置CVの記憶部14に記憶されていない場合には、表示制御装置CVを増設された(又は増設予定の)サブシステムに対応するものに取り替える作業や、表示制御装置CVのバージョンアップ作業を、サブシステムの増設と合わせて行う必要があった。
そこで、本実施形態の住宅設備監視システムでは、送信されたウェブページのソースに含まれる鳴動用タグの音データ指定情報で指定された音データが記憶部14に記憶されていない場合でも、表示制御装置CVの取替え作業やバージョンアップ作業を行うことなしに、前記音データ指定情報により指定された音データに基づいてスピーカ部15を鳴動できるようにすることを目的としている。
かかる目的を達成するために、本実施形態の住宅設備監視システムでは、コントローラの記憶部に、コントローラ自身が保有するウェブページで使用する音データを記憶させている。また、コントローラは、ウェブページとともに当該ウェブページのソースに含まれる鳴動用タグが有する音データ指定情報で指定された音データを表示制御装置CVに伝送するように構成されている。
一方、表示制御装置CVのウェブブラウザ手段10bは、ウェブページと当該ウェブページのソースに含まれる鳴動用タグの音データ指定情報で指定された音データとを通信手段10aを介して受け取った際に、受け取ったウェブページを表示部15の液晶ディスプレイ15aに表示させるとともに、受け取った音データ及び鳴動用タグに基づいてスピーカ部15を鳴動させるように構成されている。尚、その他の構成は実施形態1と同様であるから説明を省略する。
以上述べた本実施形態の住宅設備監視システムによれば、表示制御装置CVにコントローラ等の他の装置からウェブページとともに当該ウェブページの鳴動用タグの音データ指定情報で指定された音データを伝送することによって、前記音データに基づいて表示制御装置CVのスピーカ部15を鳴動させることができるから、例えば宅内ネットワークにサブシステムを増設した際に、増設したサブシステムのコントローラで使用する音データが表示制御装置CVの記憶部14に記憶されていなくても、表示制御装置CVを増設されたサブシステムに対応するものに取り替えたり、バージョンアップ作業を行ったりしなくても、所望の音データに基づいてスピーカ部15を鳴動させることができるという効果を奏し、しかも表示制御装置CVの取替え作業やバージョンアップ作業を行う必要がないから、可用性(障害の発生し難さ)を高めることができるようになるという効果を奏する。
ところで、本実施形態の住宅設備監視システムでは、表示制御装置CVの記憶部14に記憶されていない音データであっても、当該音データを表示制御装置CVに送ることによってスピーカ部15から前記音データに基づく音を出力できるが、そのためには表示制御装置CVの記憶部14に記憶されていない音データをその都度、コントローラから表示制御装置CVに送信する必要があり、コントローラから表示制御装置CVへのデータの送信に時間がかかってしまう。
そこで、鳴動用タグとして、表示制御装置CVに当該鳴動用タグが有する音データ指定情報で指定された音データを記憶するように指示する指示情報を持たせることができるものを用いるようにしてもよい。この場合、表示制御装置CVは、鳴動用タグが前記指示情報を有していれば、当該鳴動用タグの音データ指定情報で指定された音データを記憶部14に記憶するように構成される。ここで、表示制御装置CVが、前記指示情報にしたがって、コントローラから伝送された音データを記憶部14に記憶した後には、その音データの伝送元のコントローラに当該音データを伝送する必要がない旨を通達し、以後、コントローラから同じ音データの伝送を行う必要がないようにすればよい。
このようにすれば、コントローラから表示制御装置CVに伝送した音データを表示制御装置CVの記憶部14に記憶させることができるので、表示制御装置CVの記憶部14に記憶されていない音データをその都度、表示制御装置CVに伝送する必要がなくなって、コントローラから表示制御装置CVにウェブページだけを伝送すれば済むようになるから、音データを伝送するために必要な時間を短縮できるようになるという効果を奏する。
(実施形態3)
本実施形態の住宅設備監視システムは、実施形態2と同様に、増設されたサブシステムのコントローラより伝送されたウェブページのソースに含まれる鳴動用タグの音データ指定情報で指定された音データが表示制御装置CVの記憶部14に記憶されていない場合でも、表示制御装置CVの取替え作業やバージョンアップ作業を行うことなしに、前記音データ指定情報により指定された音データに基づいてスピーカ部15を鳴動できるようにすることを目的としている。尚、実施形態1と同様の構成については説明を省略する。
かかる目的を達成するために、本実施形態の住宅設備監視システムでは、鳴動用タグとして、音データ指定情報と、当該音データ指定情報で指定された音データの保管場所を示す保管場所情報(例えばURL)とを持たせることが可能なものを用いている。
そして、本実施形態の住宅設備監視システムにおける表示制御装置CVは、通信手段10aを介して受け取ったウェブページのソースに含まれる鳴動用タグが記憶部14に記憶されていない音データを指定する音データ指定情報と保管場所情報とを有している場合には、前記保管場所にアクセスして前記保管場所から音データを取得して(ダウンロードして)記憶部14に記憶するように構成されている。
以上述べた本実施形態の住宅設備監視システムによれば、鳴動用タグの音データ指定情報で指定された音データが表示制御装置CVの記憶部14に記憶されていない場合でも、鳴動用タグに音データ指定情報で指定された音データの保管場所を示す保管場所情報を持たせておくことによって、表示制御装置CVが保管場所から音データを取得して記憶部14に記憶するようになっている。
したがって、例えば保管場所となるサーバ等を宅内ネットワークに接続しておき、サーバのメンテナンスを行うことによって当該サーバに記憶されている音データのデータベースをアップデートすれば(サーバに所望の音データをアップロードすれば)、鳴動用タグによって表示制御装置CVにサーバの音データをダウンロードさせることが可能となり、表示制御装置CVを増設されたサブシステムに対応する新しいものに取り替えたり、表示制御装置CVのバージョンアップ作業を行ったりしなくても、所望の音データに基づいてスピーカ部15を鳴動させることができるという効果を奏し、しかも表示制御装置CVの取替え作業やバージョンアップ作業を行う必要がないから、可用性(障害の発生し難さ)を高めることができるようになるという効果を奏する。
また、宅内ネットワークに宅外ネットワークを通じて接続されたセンタ装置SVが、宅内ネットワーク及び宅外ネットワークを通じて表示装置(表示制御装置CV等)にウェブページを提供するウェブサーバ手段(宅外ウェブサーバ手段)を有するようにしてもよい。ここで、センタ装置SVから表示制御装置CVに提供するウェブページとしては、例えば、新しいサブシステムを追加の通知等を行うための新規お知らせ画面を表示するウェブページ等が挙げられる。
この新規お知らせ画面を表示するウェブページのソースファイルには、新しく追加されるサブシステムに関する情報(例えば、機能や、追加する音データの内容)を表示するためのテキスト用のタグと、追加する音データをスピーカ部15から出力させるための鳴動用タグとが含まれている。また、鳴動用タグには音データ指定情報とともに保管場所情報が持たされており、これにより表示制御装置CVの表示部12の液晶ディスプレイ12aに新規お知らせ画面用のウェブページが表示されているときに、新しく追加されるサブシステムで使用される音データが記憶部14に記憶されることになる。尚、新規お知らせ画面用のウェブページの表示は、必要な音データが全て記憶部14に記憶されるまで継続して行わせるようにしてもよいし、必要な音データが全て記憶部14に記憶される前に終了してウェブページの表示終了後は音データを記憶部14に記憶する作業のみを行わせるようにしてもよい。また、追加する音データの保管場所としては、センタ装置SV自体を利用するようにしてもよく、この場合、保管場所情報としてはセンタ装置SVの所定のURLを用いればよい。
つまり、新しくサブシステムを追加する際に、センタ装置SVから表示制御装置CVに新規お知らせ画面用のウェブページを提供することによって、新しく追加されるサブシステムで使用する音データを予め表示制御装置CVの記憶部14に記憶させておくことが可能となる。尚、新規お知らせ画面用のウェブページをセンタ装置SVから表示制御装置CVに提供するタイミングは、実際にサブシステムの追加が行われるときであってもよいし、追加が行われる前であってもよい。また、センタ装置SVから表示制御装置CVに提供するウェブページは、上記のような新規お知らせ画面用のウェブページに限られるものではなく、例えば、センタ装置SVのメンテナンス情報や、災害情報等、様々な情報をユーザに通知するためのウェブページであってもよい。
以上述べたように、宅内ネットワークに宅外ネットワークを通じて接続されたセンタ装置SVに、ウェブページを宅内ネットワーク及び宅外ネットワークを通じて表示装置(例えば、表示制御装置CV)に提供するウェブサーバ手段を設けるようにすれば、宅外ネットワークに接続されているセンタ装置SVから宅内ネットワークに接続されている表示装置(例えば、表示制御装置CV)にウェブページを提供することができるから、例えば、住宅設備監視システムの更新情報や、センタ装置のメンテナンス情報、災害情報等、様々な情報を宅外からユーザに通知できるようになるという効果を奏する。
尚、鳴動用タグに、指定した音データを消去するための音データ消去情報を持たせるようにしてもよく、ウェブブラウザ手段10bが、音データ消去情報を有する鳴動用タグを受け取った際には、音データ消去情報により指定されている音データを表示制御装置CVの記憶手段14より消去するようにしてもよい。