JP2008103389A - アクティブミラー構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大面積のレーザー媒体でも万遍なく励起光を導入できるアクティブミラー構造を提供する。
【解決手段】 裏面21に増幅するべきレーザー光5を反射し励起光6を透過するダイクロイックミラー面を形成した薄板状のレーザー媒体2と、レーザー媒体2の裏側に密接して設けたヒートシンク3と、励起光6を発生するレーザー装置4を備えたもので、レーザー装置4は励起光6を放出する多数の分布した発光部を備えたレーザーダイオードスタック(LDスタック)で形成され、LDスタック4はヒートシンク3の裏面に密接して配置され、ヒートシンク3には発光部に対応する位置にヒートシンク3を貫通する光ファイバー31が埋め込まれて、光ファイバー31から放出される励起光6がレーザー媒体2に入射した後に少なくとも一部がレーザー媒体2の表面で全反射する方向角を持つように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザー媒体として使用されるアクティブミラーに関し、特に太陽光を利用してレーザー増幅するアクティブミラーの構造体に関する。
レーザー増幅を行うアクティブミラーは、板状のレーザー媒質の片面を反射面とし、他の面から入射したレーザー光が再び出射するまでの間に励起光と作用して光増幅する反射型の増幅素子である。この反射鏡を出力鏡に対向するように配置してレーザー共振器を構成することができる。また、共振器を形成する全反射鏡と出力鏡の間にアクティブミラーを1枚以上配置して、全反射鏡と出力鏡の間を往復するレーザーがアクティブミラーで反射して増幅するようにすることもできる。
また、多段に連結したアクティブミラーを1パスの増幅器として使用するMOPA方式は高出力で指向性のよいレーザー光を発生させる場合に適している。
アクティブミラー型固体レーザー装置は、光−光エネルギー変換をするレーザー装置で、特に、宇宙空間に人工衛星を浮かばせて、太陽光を利用して発電し、レーザーによって地上に搬送するシステムなどにおいて、太陽光により励起するアクティブミラー方式のレーザー装置が想定されている。
たとえば、地球近傍の宇宙空間に打ち上げた人工衛星で、太陽光を励起光としてレーザー増幅し、生成したレーザーを地上に送ることによりエネルギーを伝送する方式の開発が行われている。地上に到達したレーザーエネルギーは電力に変換して使用したり、水素に変換して蓄積する。
アクティブミラーは、励起光の存在下で増幅作用を行うので、レーザー媒体に万遍なく光が浸透することが好ましい。このため、励起光を媒体の側面から注入する方式があった。しかし、レーザー媒体は励起光をよく吸収するので、レーザー媒体の中心部分までは十分の励起光が存在しないため、全体としての変換効率が高くならない。
高出力のアクティブミラー型レーザー発生装置を構成するためには、できるだけ大きなアクティブミラーにできるだけ大量の励起光を注入する必要がある。
一方、変換効率が1でないため熱エネルギーが蓄積するので、常に昇温により出力が不安定になったり、甚だしくは装置が破損したりする危険がある。このため、高い能力のヒートシンクを備える必要がある。
特許文献1には、ヒートシンクの上に反射鏡を挟んで配置されたレーザー媒体の側面から励起光が入射するようにしたアクティブミラーが開示されている。側面から入射した励起光はレーザー媒体の境界面で全反射して媒体内部に広がる。しかし、レーザー媒体は励起光をよく吸収するので、レーザー媒体中に充満させるためには励起光光源を媒体の周囲に高密度に配置する必要がある。また側面に多数の光源を配置しても、媒体の中心まで励起光を到達させるためには、レーザー媒体の径を大きくすることができない。
特許文献2にも、アクティブミラー型レーザー装置が開示されている。開示されたレーザー装置は、ヒートシンク部上に薄い板状のマイクロチップレーザー媒体を貼り付けその上に同心状に平板の導波光学系を備えたもので、導波光学系の外周部から励起光を入射し、励起光が導波光学系内で全反射を繰り返す間にレーザー媒体に吸収させるようにして、励起光をレーザー媒質まで効率よく伝搬させるようにしたものである。
導波光学系がレーザー媒体全体を覆っているため、増幅すべきレーザー光は導波光学系を透過した後にアクティブミラーに入射しなければならないので、増幅効率が低下する。また、導波光学系に蓄積する熱エネルギーを放散する放熱装置を設ける必要があるが、出力が大きくなると、このヒートシンクが困難な問題となる。
なお、特許文献3には、レーザー媒体からなるアクティブミラーの列に対向するように、反射鏡の列を互いに一定の角度を有する2つの平面上に配置することによって、複数のレーザー媒体を均等に通過するようにして、できる限り均質なポンピング出力を与えるようにしたレーザー増幅装置が開示されている。開示されたレーザー増幅装置は、アクティブミラーを多段に連結したMOPA方式の例であり、高出力レーザーを生成することができる。
開示発明において、アクティブミラーは裏側から支持する冷却用フィンガーを介して放熱され、励起光はレーザー光と同じ側から入射するようになっている。
米国特許第5,553,088号公報 特開2004−152817号公報 特表2002−524838号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、大面積のレーザー媒体でも万遍なく励起光を導入できるアクティブミラー構造を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明のアクティブミラー構造は、裏面に増幅するべきレーザー光を反射し励起光を透過するダイクロイックミラー面を形成した薄板状のレーザー媒体と、レーザー媒体の裏側に密接して設けたヒートシンクと、励起光を発生するレーザー装置を備えたもので、レーザー装置は励起光を放出する多数の分布した発光部を備えたレーザーダイオードスタック(LDスタック)で形成され、LDスタックはヒートシンクの裏面に密接して配置され、ヒートシンクには発光部に対応する位置にヒートシンクを貫通する光ファイバーが埋め込まれて、光ファイバーから放出される励起光がレーザー媒体に入射した後に少なくとも一部がレーザー媒体の表面で全反射する方向角を持つようになることを特徴とする。
本発明のアクティブミラー構造は、アクティブミラー内に発生する熱とLDスタック内に発生する熱がいずれも密着接続されたヒートシンクで効率よく搬出される。
また、励起光はアクティブミラーのレーザー入射面の裏側から供給され、レーザー入射面前方には別段の部材が存在しないので、レーザー光の減衰を防止して、レーザー光へのエネルギー転換効率を高く維持することができる。
レーザー媒体には多数の分布した発光部から励起光が注入され、注入された励起光は少なくとも一部がレーザー媒体の表面で全反射するような角度を持って進行するため、励起光はレーザー媒体中に閉じ込められて注入位置から離れたところまで到達する。多数の分布した発光部から多数の励起光が入射するので、レーザー媒体中に励起光が充満するため、入射するレーザー光はレーザー媒体中の大きな部分で励起光と反応して増幅される。
なお、レーザー媒体の裏面にレーザー光を透過しない加工を施すのは、レーザー光が透過して光ファイバに照射し光ファイバを損傷することを防ぐためである。
レーザー媒体には、光ファイバーの中心軸の方向に入射する励起光が反対側の表面に当たる位置に円錐型のミラーを配置してもよい。また、励起光の入射位置に円錐型の凹みを形成してもよい。
光ファイバの先端には、励起光を拡散する光学系を備えてもよい。このような光学系として凹面レンズや円錐状の凹みを持つ円錐レンズなどが利用できる。
ヒートシンクのレーザー媒体に当接する表面は励起光を反射するように形成されていることが好ましい。レーザー媒体から漏洩する励起光をレーザー媒体に戻すことにより、増幅効率を向上させることができる。
レーザー媒体Nd:YAGおよびYb:YAGの励起光源として、それぞれ波長が808nmと941nm近傍のLDを使用することが好ましい。またNd/Cr:YAGは励起光吸収波長領域が広いのでLD光源選択の自由度が高い。さらに、レーザー媒体をセラミック化することにより大型のレーザー媒体を形成すること可能である。また、熱伝導率も高く熱の放出能力が大きいので、高密度実装が可能となり、結局レーザー媒質が軽量化される。特に、宇宙空間に設置する場合には装置軽量化の効果が大きい。
本発明のアクティブミラー構造体は、宇宙空間で太陽光エネルギーをレーザー光に変換しレーザーによりエネルギーを伝送する太陽光利用固体レーザーシステムに利用することができる。受容した太陽光エネルギーはレーザー媒体励起用光源で励起光に変換されて裏面からレーザー媒体に供給され、レーザー媒体の表面から入射して反射するエネルギー伝送用レーザーを増幅することによりレーザーに搬送されるエネルギーに変換されて、例えば地上や宇宙飛翔体などのエネルギー需要部に伝送される。
レーザー媒体励起用光源は、太陽光により起電力を発生する太陽電池から電力の供給を受けて励起光を発生するレーザーダイオードを多数分布させたレーザーダイオードスタックであってもよい。また、太陽光を受けてレーザー媒体用励起光を発生する太陽光直接励起方式レーザーダイオードスタックであってもよい。
以下、本発明について実施例に基づき図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の1実施例に係るアクティブミラー構造体の概念図、図2はその作用を説明する主要部の拡大図、図3は本実施例における反射面の別の態様を示す主要部概念図、図4は本実施例のアクティブミラー構造体の別の態様を示す主要部概念図、図5は本実施例のアクティブミラー構造体のさらに別の態様を示す主要部概念図、図6は本実施例のアクティブミラー構造体のまた別の態様を示す主要部概念図、図7は本実施例のアクティブミラーを使用した構造体の例を示す構成図、図8は別の態様の構造体を示す構成図、図9は本実施例のアクティブミラーを使用した固体レーザー装置の概念図、図10は図9の固体レーザー装置を用いて構成した宇宙太陽レーザー発生装置の概念図である。
図1と図2に示す本発明1実施例のアクティブミラー構造体1は、レーザー媒体により形成されるアクティブミラー2と、熱良導体で形成され多数の光ファイバー31が縦断するように埋め込まれたヒートシンク3と、多数のレーザー発光部が形成されたレーザーダイオードスタック(LDスタック)4で構成される。
LDスタック4のレーザー発光部は発光面上に多数分布しており、光ファイバー31はレーザー発光部のおのおのに対応して多数分布した状態で設けられている。
ヒートシンク3には、LDスタック3の光ファイバー31の先端に当たる位置にすり鉢形のくぼみ34が設けられていて、光ファイバー先端部の収納スペースとなり、かつ光ファイバー31から放出されるレーザー光をアクティブミラー2に導く導光空間33となっている。
アクティブミラー2の増幅するレーザーが入射する側の面に底面を持った円錐型の反射鏡22が設けられる。円錐型反射鏡22は、各光ファイバー31ごとに設けられ、コア32のある中心軸の延長上に頂点が来るように配置される。光ファイバー31から放射されアクティブミラー2に入射したレーザー励起光6は、反射鏡22に反射して進行方向を屈曲し、従来より広い範囲に励起光が到達するようになる。なお、反射後の励起光6は、アクティブミラー2の表面に対する傾きが小さくなるので、表面で全反射する成分が多くなり、アクティブミラー2の中に閉じ込められてレーザー増幅に寄与する割合が大きくなってエネルギー変換効率が向上する。
なお、反射鏡22は、レーザー媒体に円錐状の凹みを形成しその壁面に金属を堆積させて、または誘電体多層膜によるダイクロイックミラーの反射面23とすることによって形成したものであってもよい。
また、図3に示すように、反射面23は、光ファイバー31の光放出位置を焦点とする放物線を光ファイバー31の中心軸を回転軸24として回転させてできる放物線回転面であってもよい。このような放物線回転面で反射した励起光6は、アクティブミラー2の表面とほぼ平行の方向に放射されて、励起光6がアクティブミラー2内を最も遠方まで到達する。なお、実作上の放物線形状は、入射面における屈折を考慮に入れて修正する必要があることはいうまでもない。
アクティブミラー2のヒートシンク3に接する裏面には増幅するレーザー光5に対するレーザー反射膜21が形成されていて、レーザー光5が高い反射率で反射するようになっている。なお、レーザー光5が光ファイバー31に照射すると光ファイバー31が破損する可能性があるため、レーザー反射膜21は光ファイバー31の先端位置に設けられる導光空間33の部分にも存在させることが好ましい。
また、アクティブミラー2の表面はレーザー励起光6に対する反射率が高いことが求められるが、導光空間33の部分はレーザー励起光6が透過する必要がある。このため、アクティブミラー2の裏面には増幅するレーザー光5に対するレーザー反射膜21を形成し、これと貼り合わせるヒートシンク3の表面に励起光に対する反射率が高い励起光反射面35を形成することが好ましい。
アクティブミラー2には、LDスタック4から放射されたレーザー励起光6が光ファイバ31のコア32を透過して端末から放出され、アクティブミラー2中に入射し、反射鏡22で反射してアクティブミラー2の表面に対して浅い角度になってアクティブミラー2の中に拡散する。アクティブミラー2の屈折率と外側の媒体の屈折率の関係で決まる全反射の臨界角より大きな角でアクティブミラー2の表面に入射した励起光6は全反射するので、アクティブミラー2から外部に放散されない。
レーザー光5は、アクティブミラー2に入射してミラーの裏面21で反射し再びミラーから射出して出る間に、レーザー励起光6が充満したレーザー媒体により増幅される。
アクティブミラー2は、励起光のエネルギーがレーザー光に伝達しやすいレーザー媒体で形成され、励起光の吸収率も大きい。したがって、従来手法のようにアクティブミラーの外周から励起光を注入するのでは、励起光はアクティブミラーの中で直ぐに減衰して、レーザー光増幅に対して寄与できるレーザー媒体のボリュームが大きくならない。
これに対して、本実施例のアクティブミラー構造体1では、励起光入射位置に反射鏡を配置して入射した励起光をアクティブミラーの広がり方向に拡散させる上、LDスタックを用いて多数の励起光入射点を設けるので、アクティブミラーの殆どの部分に励起光が拡散してレーザー光増幅が行えるようになり、大面積のアクティブミラーを形成することが可能になり、励起光のエネルギーをレーザー光に伝達するエネルギー変換効率が向上する。
また、本実施例のアクティブミラー構造体1は、励起光をアクティブミラーの裏側から供給し、レーザー光が入射する表側にはレーザー光の走行の障害となるような設備を設けない。したがって、構成上の簡約化ができる上に、エネルギー変換効率も向上する。
なお、アクティブミラー2は、たとえば、Crを添加したNd:YAGのセラミックで形成される。Nd/Cr:YAGは励起光の吸収とレーザーへの変換の効率が比較的高く、セラミック化することにより大型のレーザー媒体を形成すること可能である。また、熱伝導率も高く熱の放出能力が大きいので、高密度実装が可能となり、結局レーザー媒質が軽量化され、特に、宇宙空間に設置する場合には大きな効果が見込まれる。
なお、アクティブミラー2における反射鏡22の代わりに、図4や図5に示した光学的方法を用いることもできる。また、これらは併用してもよい。
図4は、ヒートシンク3に埋め込まれた光ファイバー31の先端部に形成される導光空間33に対峙してアクティブミラー2にレーザー励起光を入射する位置に円錐形の凹み25を形成したものである。レーザー励起光がアクティブミラー2に入射するときは入射角より屈折角の方が小さいので、アクティブミラー2内におけるレーザー励起光の進行方向はアクティブミラー2表面との角度が小さくなり、励起光の浸透領域を広げる効果がある。
また、図5は、光ファイバー31の先端部に形成される導光空間33に凹レンズ36を配置して、レーザー励起光がアクティブミラー2の表面に入射する角度をより大きくしたものを表す。図5に示した構成では、レーザ励起光の進行方向をアクティブミラー2の拡がり方向に近づける手段がアクティブミラー2の外側に配置されるので、アクティブミラー2の内部に障害物がなくレーザー光が円滑に増幅される。また、アクティブミラー2の加工が容易になる。
図6は、光ファイバー31の先端部に形成される導光空間33に円錐型反射鏡38を配置したものを示す。円錐型反射鏡38は、コア32のある中心軸の延長上に頂点が来るように配置される。光ファイバー31から放射されたレーザー励起光6は、反射鏡38に反射して導光空間33の開口からアクティブミラー2に入射する。レーザー励起光6がアクティブミラー2に入射するときの入射角は、円錐型反射鏡38がなかったときと比較すると極めて大きくなり、入射したレーザー励起光は従来より広い範囲に励起光が到達するようになる。
また、アクティブミラー2内に障害物がなくなるので、レーザー光が円滑に増幅されるようになり、また、アクティブミラー2の加工が容易になる。
図7は、本実施例のアクティブミラー2を使用した構造体1の例を示す構成図である。図7のアクティブミラー構造体1は、宇宙空間で太陽光エネルギーをレーザー光に転換して伝送するために構成したものである。
アクティブミラー構造体1は、アクティブミラー2、ヒートシンク3、LDスタック4、さらにレーザー共振器を構成する出力鏡7とから構成される。LDスタック4は、太陽光を直接に励起光に変換する太陽光直接励起方式のLDを多数集積した固体レーザーである。ヒートシンク3には極大面積の放熱板37を接続して、吸収しきれず熱として蓄積する太陽光エネルギーを黒体輻射により宇宙空間に放散させる。
集光系で密度を高めた太陽光8がLDスタック4に入力されると、レーザー励起光が発生し、光ファイバ31を介して、アクティブミラー2に供給される。アクティブミラー2と出力鏡7が対向して配置され共振器を形成していて、レーザー光5が共振器内で発達している。レーザー光5はアクティブミラー2で反射する間に通過するレーザー媒体中でレーザー励起光のエネルギーを受領して増幅され、出力鏡7からレーザー出力光51として射出する。
図7のアクティブミラー構造体1は、LDスタック4で太陽光を直接的にレーザー励起光に変換し、大面積のアクティブミラー2中に広範囲かつ高密度のレーザー励起光を導入してレーザー光のエネルギーに転換するので、比較的簡素な構成で効率のよい太陽光利用を図ることができる。
また、図8は、本実施例のアクティブミラー構造体1の別の例を示す構成図である。図8のアクティブミラー構造体1も、宇宙空間で太陽光エネルギーをレーザー光に転換して伝送するために構成したもので、図7のものと比較すると、LDスタック4として電力により励起光に変換するLDを集積したものを使用するところが異なる。
このため、LDスタック4に電力ケーブル92を介して太陽電池9を接続し、太陽光を太陽電池9で電力変換して、LDスタック4が電力ケーブル92を通して供給される電力でレーザー励起光を発生してアクティブミラー2で出力レーザー光にエネルギー変換して出力鏡7から出力する。
太陽電池9も変換しきれない太陽エネルギーで昇温するのを防ぐため大きな放熱板37を接続して、蓄積する熱エネルギーを宇宙空間に放散させる。
集光系で密度を高めた太陽光8がLDスタック4に入力されると、レーザー励起光が発生し、光ファイバ31を介して、アクティブミラー2に供給される。アクティブミラー2と出力鏡7が対向して配置され共振器を形成していて、レーザー光5が共振器内で発達している。レーザー光5はアクティブミラー2で反射する間に通過するレーザー媒体中でレーザー励起光のエネルギーを受領して増幅され、出力鏡7からレーザー出力光51として射出する。
図9は本実施例のアクティブミラーを使用した固体レーザー装置の概念図、図10はその固体レーザー装置を用いて構成する宇宙太陽レーザー発生装置の概念図である。
図9の固体レーザー装置は、宇宙空間で太陽光エネルギーをレーザーエネルギーに変換するアクティブミラー型レーザー装置である。レーザー5の共振器が、反射鏡72と出力鏡71、および対向して配列されたアクティブミラー2により形成される。共振器内のレーザー光5は、反射鏡72と出力鏡71を往復する間に各アクティブミラー2における反射を繰り返して、励起光のエネルギーを加重して増幅される。
出力鏡71には一部に反射率が小さい部分が形成されていて、内部レーザー5の一部が出力レーザー光51として出力する。
出力レーザー光51は反射鏡73によって進行方向を調整することができる。
アクティブミラー2に補填されるレーザー励起光は、LDスタック4で生成されヒートシンク3内の光ファイバーを通してアクティブミラー2に供給される。
LDスタック4にはそれぞれ、収束された太陽光が照射する複合放物面集光器(CPC)10が入射開口を外側に向けて設けられる。
CPC10は、内壁が反射面になって出口側に徐々に窄まる円形断面を有する筒形であって、中心軸を含む断面を取ったとき、内壁の断面が対向する内壁断面の出口側先端に焦点を有する放物線を描くような回転体でできた非結像集光光学系である。CPCでは、入射開口に入射する光線は、中心軸に対する傾きがたとえば30°など設計上決まる角度以下である限り、全て出射開口に達する。したがって、CPCの集光効率は開口比と等しく、簡単に4〜5の値を持たせることができる。また、入射光の向きが多少変化しても、集光効率は変化しない。
CPC10の入射開口に入射した太陽光は全てLDスタック4の入力部に照射するようになっている。
LDスタック4は、図7のアクティブミラー構造体と同じく、太陽光を直接に励起光に変換する太陽光直接励起方式のレーザーを多数集積した固体レーザーである。
LDスタック4の多数集積され適当な密度で分布する発光部のそれぞれからアクティブミラー2の裏面に励起光を注入し内部で厚み方向に放射するようにするため、アクティブミラー2の面積は十分に広く取ることができる。
LDスタック4とアクティブミラー2に入力したエネルギーのうちエネルギー変換しなかったエネルギーは熱となって装置に蓄積する。熱はレーザーの一様性に大きく影響を及ぼすので、長距離伝送する本発明のレーザー装置の冷却が重要になる。本発明のレーザー装置では、LDスタック4とアクティブミラー2で発生する熱エネルギーをヒートシンク3で集めて、ヒートシンクに接続した巨大フィンから宇宙空間に放出して装置の冷却を行う。
図10に示す宇宙太陽レーザー発生装置では、太陽光16は大面積の凹面鏡を構成する第1集光器11でエネルギー密度を約100倍にして縦長の第2集光器12に集中し、第2集光器12で反射して縦一列に配設されたレーザー増幅器14の両側にそれぞれ設けられたCPC13に入射させる。第2集光器12とCPC13でほぼ10倍に集光すると、受光部におけるエネルギー密度は1000倍になる。
CPC13に入射した太陽光は、レーザー増幅器14でレーザー光エネルギーに変換されて、出力レーザー光17として地上などのエネルギー需要地にある需要施設に伝搬される。
利用できなかったエネルギーは構造支持構造を兼ねる放熱板15の黒体輻射により宇宙空間に放出して、システムの昇温を防止する。
効率の高い太陽エネルギー利用を達成するためには、図中の放熱板を太陽光線に平行に向け、第1集光器11の受光面を太陽の方向に向けて、集光器上に陰を作らず太陽光線に対する受光面の角度を垂直に維持することが必要である。
太陽に対する追尾制御の性能が劣る場合は、受光部への入射角が変化し受光する太陽エネルギーが変動することがある。CPC13を介在させることにより、収束太陽光入射方向の許容範囲を拡大し、エネルギー変動を抑制することができる。
なお、図10に示す宇宙太陽レーザー発生装置は、図8に示す太陽電池を介在させて電気駆動型のレーザーダイオードスタックを利用する方式のアクティブミラー構造体を使用することもできることはいうまでもない。
本発明の1実施例に係るアクティブミラー構造体の概念図である。 本実施例における作用を説明する主要部の拡大図である。 本実施例における反射面の別の態様を示す主要部概念図である。 本実施例のアクティブミラー構造体の別の態様を示す主要部概念図である。 本実施例のアクティブミラー構造体のさらに別の態様を示す主要部概念図である。 本実施例のアクティブミラー構造体のまた別の態様を示す主要部概念図である。 本実施例のアクティブミラーを使用した構造体の例を示す構成図である。 本実施例のアクティブミラーを使用した構造体の別の態様の構造体を示す構成図である。 本実施例のアクティブミラーを使用した固体レーザー装置の概念図である。 図9の固体レーザー装置を用いて構成した宇宙太陽レーザー発生装置の概念図である。
符号の説明
1 アクティブミラー構造体
2 アクティブミラー
21 レーザー反射膜
22 反射鏡
23 反射面
24 回転軸
25 円錐形凹み
3 ヒートシンク
31 光ファイバー
32 コア
33 導光空間
34 すり鉢形くぼみ
35 励起光反射面
36 凹レンズ
37 放熱フィン
38 反射鏡
4 レーザーダイオードスタック(LDスタック)
5 レーザー光
51 出力レーザー光
6 レーザー励起光
7 出力鏡
71 出力鏡
72 反射鏡
73 反射鏡
8 太陽光
9 太陽電池
91 放熱フィン
92 電力ケーブル
10 CPC集光光学系
11 第1集光器
12 第2集光器
13 CPC集光器
14 レーザー増幅器
15 放熱板
16 太陽光
17 出力レーザー光

Claims (11)

  1. 裏面に増幅するべきレーザ光を反射し励起光を透過するダイクロイックミラー面を形成した薄板状のレーザ媒体と、該レーザ媒体の裏側に密接して設けたヒートシンクと、前記励起光を発生するレーザ発生装置を備えたもので、該レーザ発生装置は前記励起光を放出する多数の分布した発光部を備えたレーザダイオードスタック(LDスタック)で形成され、該LDスタックは前記ヒートシンクの裏面に密接して配置され、該ヒートシンクには前記発光部に対応する位置に該ヒートシンクを貫通する光ファイバーが埋め込まれて、該光ファイバーから放出される前記励起光が前記レーザ媒体に入射した後に少なくとも一部が前記レーザ媒体の境面で全反射する方向角を持つことを特徴とするアクティブミラー構造体。
  2. 前記レーザ媒体には、前記光ファイバーの中心軸の方向に入射する前記励起光が反対側の表面に当たる位置に円錐型のミラーを配置することを特徴とする請求項1記載のアクティブミラー構造体。
  3. 前記レーザ媒体には、前記光ファイバーの中心軸の方向に入射する前記励起光の入射位置に円錐型の凹みを形成することを特徴とする請求項1記載のアクティブミラー構造体。
  4. 前記光ファイバの先端と前記レーザ媒体の間に形成される導光空間に、前記励起光を拡散する光学系を備えることを特徴とする請求項1記載のアクティブミラー構造体。
  5. 前記光ファイバの先端と前記レーザ媒体の間に形成される導光空間に、前記励起光を反射する円錐型のミラーを配置することを特徴とする請求項1記載のアクティブミラー構造体。
  6. 前記レーザ媒体は、Nd:YAGのセラミックであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のアクティブミラー構造体。
  7. 前記レーザ媒体は、Yb:YAGのセラミックであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のアクティブミラー構造体。
  8. 前記レーザ媒体は、Crを添加したNd:YAGのセラミックであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のアクティブミラー構造体。
  9. 前記LDスタックは、太陽光により起電力を発生する太陽電池から電力の供給を受けて前記励起光を発生するレーザダイオードを多数分布させたレーザダイオードスタックであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のアクティブミラー構造体。
  10. 前記LDスタックは、太陽光を受けて前記励起光を発生する太陽光直接励起方式レーザダイオードスタックであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のアクティブミラー構造体。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のアクティブミラー構造体を備えて、宇宙空間で太陽光エネルギーをレーザ光に変換し、該レーザ光によりエネルギーを需要場所に伝送することを特徴とする太陽光利用固体レーザシステム。
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