JP2008099362A - Δς変調器回路及びδς変調回路を備えたスイッチング電源 - Google Patents

Δς変調器回路及びδς変調回路を備えたスイッチング電源 Download PDF

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Abstract

【課題】 ΔΣ変調回路を備えた電気・電子回路、特にΔΣ変調回路を備えたスイッチング電源に関して、部品点数削減により、実装面積の削減と低コスト化を実現する。
【解決手段】 ΔΣ変調回路1を、入力信号と基準信号23との差分を積分した差分積分信号を出力する差分積分器2と、量子化基準信号24で前記差分積分信号の信号レベルを判定し1ビットの量子化信号10を出力する量子化器14を備え、前記量子化信号を帰還して前記1ビットの量子化信号10に同期した矩形波の前記基準信号23と前記量子化基準信号24を生成する構成とすることで、ΔΣ変調回路及び前記ΔΣ変調回路を備えたスイッチング電源の部品点数を従来のΔΣ変調回路よりも削減し、実装面積の削減と低コスト化を可能とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ΔΣ変調回路を備えた電気・電子回路、特にスイッチング電源の部品点数削減によるローコスト化、及び実装面積削減に関するものである。
近年の電子機器は小型でありながらも高性能化、多機能化が進み、大電流による駆動を必要とする機器や、異なった複数の電圧を必要とする機器が増加している。これらの電子機器の電源は入力電圧変動および負荷変動などの外乱に対する高い出力電圧安定性や、高速な電圧変調などといった高い性能が求められることが多く、従来からスイッチング電源が用いられている。
しかし性質の異なる負荷(機械・回路類)に応じて複数のスイッチング電源を備えた電子機器の電源回路は大規模化、複雑化する傾向があり、部品点数及び専有面積が大きくなる、コストアップするといった問題がある。このことから、より簡素な構成で、高性能なスイッチング電源の要求が高まっている。
このような要求に対しΔΣ変調方式のDC/DCコンバータが注目されている。
ΔΣ変調は、アナログ信号、多bitで表現された信号を量子化する手法の1つであり、サンプリング周波数を上げる事によりアナログに近い制御ができるので、通信・音響関係の高性能なA/D、D/Aに使われている変調方式である。
Σ変調がスイッチング電源の制御方式として注目される理由として以下の2点が挙げられる。
(1)電源の制御としてΔΣ変調を適用した場合、電源の高速応答と効率を両立するための制御方式として優れた特徴を持っている。
ΔΣ変調を用いたDC-DCコンバータは、電気情報通信学会論文「ΔΣ変調制御を用いたDC−DCコンバータの特性について」今村康秀、田中哲郎、吉田宏、信学技報EE2002−78(非特許文献1)、に記載されているように、電源の出力に応じてスイッチング周波数が変化する性質がある。この特徴を生かして電源の設計をすることで、スイッチング電源の出力状態に変化のない定常状態のときには、スイッチング電源の平均スイッチング周波数fswは低くなりスイッチングロスが低減される。一方、電源の出力が変化する過渡状態のとき、スイッチング電源の平均スイッチング周波数fswは高くなり、負荷や出力電圧の急激な変化に対して高速な応答が可能となるといった動作が可能である。
また、特に軽負荷時にスイッチング周波数が低下し電源効率が高くなる特徴がある。近年の電子機器・装置、例えば、ファクシミリ、電話機、コピー機、その他OA機器や家電製品などは、本来の動作時以外の待機時にも電源を供給する必要のあるものが多くなってきている。このような電子機器の低消費電力化に対してもΣ変調方式のスイッチング電源は有効である。ここで挙げた制御上の特徴はSFM制御と類似しているが、ΔΣ変調方式のスイッチング電源の制御頻度はサンプリング周波数であり、一般にサンプリング周波数>平均スイッチング周波数なるためSFM制御に比べて過渡時の応答性が良いことが期待できる。
(2)単一の閾値(1ビット)のΔΣ変調回路は非常にシンプルな構成であり、PWM制御の代わりにΔΣ変調を用いる場合、ΔΣ変調信号を直接制御信号として使用できる。(例えばDC/DCコンバータではΔΣ変調信号をスイッチングの駆動信号として使用できるのである。)コスト・サイズな電源回路にとって、精度の高いアナログ部品を減らせる、アナログ部品点数そのものを減らすことができる、信号処理の回路を簡単することができるといったメリットがある。
ΔΣ変調回路は積分回路と量子化誤差のフィードバック回路からなる。一般的なΔΣ変調回路の回路構成ブロック図を図2に示す。この図2を1ビットのΔΣ変調で置き換えると図1のA/Dコンバータ20としてはコンパレータが使え、またD/Aコンバータ21は不要である。加えて先に述べたようにコンバータの制御に使用する場合は1ビットΔΣ変調の出力を直接コンバータの駆動信号とすることができるのである。このような構成の1ビットΔΣ変調回路で制御を行ったスイッチング電源の回路構成は、特許文献1にスイッチング電源の従来例として、ΔΣ変調器ブロック図、ΔΣ変調器をダウンコンバータに適用したブロック図、に示されている。また、ΔΣ変調回路で制御を行ったスイッチング電源ブロック図を図3に示す。また図3のΔΣ変調回路のブロック図を回路記号で表したものを図4に示す。図4よりΔΣ変調回路1は、3つの増幅器と1つのラッチ回路で設計できることがわかる。
特開2002−300772号公報(2頁、図8、図9参照) 電気情報通信学会論文「ΔΣ変調制御を用いたDC−DCコンバータの特性について」今村康秀、田中哲郎、吉田宏、信学技報EE2002−78
しかしながら、電子機器の高性能化、多機能化に伴う、電子機器の負荷電流の増大や、構成デバイスの各特性を引き出すための使用電圧数の増加は今後もすすんでいくことが予想される。電源系統の規模の増大に対して、スッチング電源の部品点数削減、実装面積の削減、ローコスト化などの対策は今後も重要な課題である。もちろん、図4に示したΔΣ変調方式のDC/DCコンバータにおいても、電源性能を低下させずに回路をさらに簡素かし、部品点数削減、実装面積の削減、ローコスト化をすすめることが望まれる。
上記目的を達成するため本発明の一態様としてのΔΣ変調器回路は、入力信号と基準信号との差分を積分した差分積分信号を出力する差分積分器と、量子化基準信号で前記差分積分信号の信号レベルを判定し量子化信号を出力する量子化器と、前記量子化信号を帰還して前記基準信号と前記量子化基準信号を生成する機構を備え、前記入力信号に対する量子化誤差を抑制するように構成されている。
このような構成にすると図3のΔΣ変調器回路の構成より差分器のブロックを削除できる。差分回路分の部品点数の削減により、実装面積の削減、ローコスト化に効果がある。
上記目的を達成するため本発明の別の態様としてのΔΣ変調器回路は、前記ΔΣ変調回路において、前記量子化器は前記差分積分信号を1ビットに量子化し1ビット量子化信号を出力し、前記基準信号と前記量子化基準信号として、前記1ビット量子化信号に同期した矩形波を用いることを特徴とするΔΣ変調回路。
このような構成にすると、従来の1ビットのΔΣ変調回路を構成するためには、差分器、積分器、比較器で増幅器が最低3つ必要だったのに対し、増幅器2つで1ビットΔΣ変調回路を設計できる。この増幅器の削減により、実装面積の削減、ローコスト化に対して効果がある。
また、前記ΔΣ変調回路において、前記基準信号と前記量子化基準信号が同一矩形波とすると、従来の1ビットのΔΣ変調回路の制御動作と原理的に等価の制御を行うことができる。
上記目的を達成するため本発明の別の態様としてのスイッチング電源は、誤差増幅器のアナログ信号を前記ΔΣ変調回路によって変調し、得られた前記量子化信号に応答してパワースイッチ素子を駆動することによって電力を供給するように構成されている。
このような構成にすると、スイッチング電源の制御回路を誤差増幅器を含めて増幅器3つとラッチ回路だけで構成でき、スイッチング電源の実装面積の削減、ローコスト化に効果がある。
ΔΣ変調回路を備えた電気・電子回路、特にΔΣ変調回路を備えたスイッチング電源に関して、部品点数削減により、実装面積の削減と低コスト化することができる。
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、図面の説明において同一又は類似する部分には同じ符号を用いる。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係るΔΣ変調方式のスイッチング電源の第1の実施形態の構成を示す図である。図1において、ΔΣ変調器1に入力される誤差増幅器16の出力電圧は、差分増幅器2に入力される。差分増幅器2は、誤差増幅器16の出力と基準信号23の差を積分した信号を出力する。前記差分積分器2の出力信号は比較器5へ入力される。比較器5とDフリップフロップ17とサンプリングCLK13は、差分積分器2の出力電圧を1ビット量子化する量子化器14を構成している。比較器5は、量子化基準信号24を基準に差分積分器2の出力電圧のレベルを判定し、ハイレベル、またはローレベルの2値の信号をDフリップフロップ17に出力する。Dフリップフロップ17はサンプリングCLK13の立ち上りのタイミングで比較器5の出力電圧をラッチし、次のサンプリングクロック13の立ち上りまで同じ電圧レベルの信号を出力する。このDフリップフロップ17の出力信号が、誤差増幅器16の出力電圧をΔΣ変調回路1で変調した量子化信号10となる。
1ビットの量子化信号10はスイッチングドライバ回路8に入力され、スイッチングドライバ回路8はパワースイッチ素子を駆動する電圧、電流をもつパワースイッチ駆動信号25をコンバータ部9内部に供給する。電圧コンバータ部9はパワースイッチ駆動信号25により、内部にあるパワースイッチを駆動し、その出力を整流、平滑化することで、入力電圧端子11に入力される入力電圧Vinputから、所望の出力電圧Voutputを出力電圧端子12に供給する。また、出力電圧Voutputは、出力電圧検出回路19で分圧され、誤差増幅器16に入力される。誤差増幅器16は、出力電圧検出回路19で検出した電圧値と基準電圧15の電圧値の誤差を増幅し、ΔΣ変調回路1の入力段にある差分積分器2に出力する。
一方、ΔΣ変調回路1から出力される量子化信号10はΔΣ変調回路1にも帰還され、信号調整回路22に入力される。信号調整回路22は量子化信号10電圧レベルを変更する。例えば、1ビットの量子化信号10がVh1とVl1の2値の値で変化する矩形波信号であるとしたとき、信号調整回路22によりVh1をVh2の電圧値に変更し、Vl1をVl2の電圧値に変更する。つまり、信号変換回路22はVh2をVl2の2値で量子化信号10と同期して切り替わる矩形波を出力する。このような矩形波のとる2値の電圧レベルの変換は、図1の信号調整回路22のように抵抗の分圧などの構成で簡単に実現できる。信号変換回路22の出力は、基準信号23、量子化基準信号24として、比較器5と差分積分器2に入力される。
このように構成したΔΣ変調方式のスイッチング電源は、入力電圧の変動や、負荷急変などの外乱が加わったときも、出力電圧検出回路19と基準電圧15で決まる一定の電圧を出力するように動作する。
また、図1では基準信号23、量子化基準信号24を同一信号にしているが、量子化信号10と同期して切り替わる矩形波であれば異なった電圧レベルの矩形波信号としてもよい。この場合、信号変換回路23は、Vh1とVl1の2値の値で変化する矩形波の量子化信号10から、Vh3とVl3の2値の値で量子化信号10と同期して切り替わる矩形波信号生成し基準信号23に出力する。さらに信号変換回路23は、Vh4とVl4の2値の値で量子化信号10と同期して切り替わる矩形波信号を生成し量子化基準信号24に出力する構成となる。
ここで、本発明に係るΔΣ変調方式のスイッチング電源のΔΣ変調回路の動作を、従来の一般的なΔΣ変調回路の構成と比較し、説明する。
まず従来の1ビットのΔΣ変調回路の一般的な構成を図5に示し動作を説明する。
図5で、ΔΣ変調回路に入力された電圧Veは差分器3で量子化信号Voと引算される。差分器3の出力電圧Vd(=Ve-Vo)は、積分器4で積分されるVsが出力される。
比較器5の出力電圧Vcは、Vth≧VsのときVc=VcHの電圧を出力し、Vth<VsのときVc=VcLの電圧を出力する。ここではVcL=ゼロ電圧とする。
Dフリップフロップ7は、比較器5の出力をサンプリングCLKの立ち上りのタイミングでラッチして次のサンプリングCLKの立ち上りまで一定電圧を出力する。サンプリングCLKの周期をTsとおくと、サンプリング間隔はTsとなる。
比較器の出力電圧VcHをラッチしたときのDフリップフロップ7の出力電圧をVoH、比較器の出力電圧がゼロをラッチしたときのDフリップフロップ7の出力電圧をVoLとすると、入力電圧VeをΔΣ変調回路1で変調した量子化信号Voは、VoHとVoLの2値の矩形波となる。
量子化信号Voが、VoHとVoLに切り替わる条件を以下に示す。
積分器4の出力初期値をVf1とすると単位時間ts後の積分器4の出力電圧Vsは、
Vs=(-Vd・ts)/(Cs・Rs)+Vf1・・・(式1.1)
と表せる。
Voの値がVo=VoLからVo=VoHに代わる条件は、Vth<Vsの状態からVth≧Vsになるので
Vth+(Ve−VoL)・ts/(Cs・Rs)≧Vf1・・・(式1.2)
Voの値がVo=VoHからVo=VoLに代わる条件は、Vths≧Vdsの状態からVths<Vdsになるので
Vth+(Ve−VoH)・ts/(Cs・Rs)<Vf1・・・(式1.3)
となる。
この従来型のΔΣ変調回路の積分器4の出力Vsと量子化信号Voの動きを図7に示す。図7の(a)は量子化信号Voであり、(b)は積分器4の出力Vsである。
動作を考えやすくするためにVe=一定でVoH≧Ve≧VoLとする。また、図7中の時刻t1、t2、t3はDフリップフロップ7のサンプリングのタイミングである。
以下、時刻tのときの積分器4の出力VsをVs(t)として説明する。
図7で時間t1のサンプリング直前のVsの値をV1とすると、Vth≧Vs(t1)(=V1)よりt=t1でVo= VoHになる。時刻t2のVsの値をVs(t2)とするとVs(t2)はVs(t2)=(VoH-Ve)・Ts/(Cs・Rs)+V1となる。ここで、図7(b)でVth<Vs(t2)なのでt=t2でVo= VoLとなる。次に時刻t3のVsの値をVs(t3)とするとVs(t3)はVs(t3)=(VoL-Ve)・Ts/(Cs・Rs)+ Vs(t2)となる。ここで、図7(b)でVth≧Vs(t3)なのでt=t3でVo= VoHとなる。このように積分器4の出力電圧は量子化基準電圧Vthを跨ぐ三角波を描くように変化する。
また、図7の(b)のΔVsOn(b)とΔVsOff(b)は
ΔVsOn(b)=(VoH-Ve)・Ts/(Cs・Rs)・・・(式1.4)
ΔVsOff(b)=(VoL-Ve)・Ts/(Cs・Rs)・・・(式1.5)
で表せる。
次に本発明のΔΣ変調回路の動作について図6を用いて説明する。図6は本発明のΔΣ変調回路の差分積分器2と比較器の部分を抜きだしたものである。図6の差分積分器2は入力電圧Vinと基準電圧Vrefとの差を積分した信号Vdsを比較器5に出力する。図5の従来型のΔΣ変調回路と同様に、比較器5はVths≧VdsのときVc=VcH、Vths<VdsのときVc=VcL(=ゼロ電圧)を出力するとする。
また、Dフリップフロップ7も、図5の従来型のΔΣ変調回路と同様にサンプリング間隔TsでVc電圧をラッチし、比較器の出力電圧がVcHのときVoHを出力し、比較器の出力電圧がゼロのときVoLを出力する。以上より、図6のΔΣ変調回路で入力電圧VinをΔΣ変調回路1で変調した量子化信号Voは、図5の従来型のΔΣ変調回路と同様にVoHとVoLの2値の矩形波となる。
次に量子化信号Voが、VoHとVoLに切り替わる条件を以下に示す。
図6において、差分積分器2の出力電圧Vdsの初期電圧値をVf2とする。このとき単位時間ts後の差分積分器2の出力電圧Vdsは
Vds=Vref+(Vref−Vin)・t/(Cs・Rs)+V2・・・(式2.1)
と表せる。
信号調整回路22は、Vo=VoHのときVref=VrefH、Vths=VthsHを出力し、Vo=VoLのときVref=VrefL、Vths=VthsLを出力するとすると、
Voの値がVo=VoLからVo=VoHに代わる条件は、Vths<Vdsの状態からVths≧Vdsになるので
VthsL−VrefL+(Vin−VrefL)・ts/(Cs・Rs)≧Vf2・・・(式2.2)
Voの値がVo=VoHからVo=VoLに代わる条件は、Vths≧Vdsの状態からVths<Vdsになるので
VthsH−VrefH+(Vin−VrefH)・ts /(Cs・Rs)<Vf2・・・(式2.3)
となる。
この本発明のΔΣ変調回路の積分器4の出力Vsと量子化信号Voの動きを図7(a)と図7(c)に示す。図7の(a)は量子化信号Voであり、(c)は差分積分器2の出力Vdsである。図7では、動作を考えやすくするためにVin=一定でVrefH≧Vin≧VrefLとする。また、図7中の時刻t1、t2、t3はDフリップフロップ7のサンプリングのタイミングである。
以下、時刻tのときの差分積分器2の出力VdsをVds(t)として説明する。
図7で時間t1のサンプリング直前のVdsの値をV2+VrefLとすると、VthsL≧Vds(t1)(=V2+VrefL)よりt=t1でVo= VoHになる。VoがVoHになったので、信号調整回路によりVrefはVrefLからVrefHに、VthsはVthsLからVthsHに変化する。時刻t2のVdsの値はVds(t2)=(VrefH-Vin)・Ts/(Cs・Rs)+ΔVref+ Vds(t1)となる。ここでΔVref=|VrefH−VrefL|である。このとき、図7(c)でVthsH<Vds(t2)なのでt=t2でVo= VoLとなる。VoがVoLになったので、信号調整回路によりVrefはVrefHからVrefLに、VthsはVthsHからVthsLに変化する。次に時刻t3のVds値はVds(t3)=(VrefL-Vin)・Ts/(Cs・Rs)-ΔVref + Vs(t2)となる。ここで、図7(c)でVthsL≧Vds(t3)なのでt=t3でVo= VoHとなる。このように差分積分器2の出力電圧は量子化基準信号Vthsを跨ぐように変化する。
また、図7の(c)のΔVsOn(c)とΔVsOff(c)は
ΔVsOn(c)=(VrefH-Vin)・Ts/(Cs・Rs)・・・(式2.4)
ΔVsOff(c)=(VrefL-Vin)・Ts/(Cs・Rs)・・・(式2.5)
と表せる。
ここで、第1の実施形態として示した図1のように基準信号23、量子化基準信号24が同一信号の場合、Vref=Vthとなるので
Vo=VoHのとき VrefH=VthsH=VH とし、
Vo=VoLのとき VrefL=VthsL=VL おくと
(式2.2)は(式2.6)となり、(式2.3)は(式2.7)となる。
Voの値がVo=Vl1からVo=Vh1に代わる条件は、
(Vin−VL)・ts/(Cs・Rs)≧Vf2・・・(式2.6)
Voの値がVo=Vh1からVo=Vl1に代わる条件は、
(Vin−VH)・ts/(Cs・Rs)<Vf2・・・(式2.7)
となる。
また、図7の(c)のΔVsOn(c)とΔVsOff(c)は
ΔVsOn(c)=(VH-Vin)・Ts/(Cs・Rs)・・・(式2.8)
ΔVsOff(c)=(VL-Vin)・Ts/(Cs・Rs)・・・(式2.9)
と表せる。
上記のように従来のΔΣ変調回路と、本発明のΔΣ変調回路の動作について説明してきたが、これまでの両者の計算式を比較より次のことがわかる。
Σ変調方式を用いたスイッチング電源の変調方式のスイッチング電源は、電源の定常状態においてインバータの入力電圧vinputと、インバータの出力電圧voutputの比により、
vinput:voutput = ve-VoL : VoH-Ve =vin-VL : VH-Vin ・・・(式3.1)
の関係になるようにΔΣ変調回路の入力電圧が収束する。つまり、vinputとvoutputの比が同じであれば、(式1.4)(式1.5)のΔVsOn(b)とΔVsOn(b)の比と、と(式2.8)(式2.9)のΔVsOn(c)とΔVsOn(c)の比は等しくなる。
また、量子化信号の切り替わる条件は、(式1.2)(式1.3)と(式2.6)(式2.7)より、従来のΔΣ変調回路は図5の積分器4、本発明のΔΣ変調回路は図1の差分積分器2の出力電圧に対して、ひとつの閾値を基準に量子化信号が切り替わる。
上記を図で表したものが図8である。図8(c)は本発明のΔΣ変調方式のスイッチング電源(図1)の差分積分器2の出力信号Vdsであり、図8(d)はVdsを量子化した波形、つまり量子化信号Voである。図8(c)においてΔVths=ΔVrefである。
図8(a)は従来のΔΣ変調回路(図5)の積分器4の出力信号であり、波形の傾きを図8(c)と同じにしている。波形図8(b)は図8(a)をVthを閾値に量子化した波形である。
このとき、図8(b)と図8(d)は等しい信号である。また、図8(c)でΔVths=ΔVref=0とすると図8(c)は図8(a)の波形と同じ波形となる。
つまり、第1の実施形態として示した図1のように基準信号23、量子化基準信号24が同一信号の場合、図5と図6のΔΣ変調回路で原理的に同じ制御である。
次に、本発明のΔΣ変調回路部の構成を抜き出した図6の信号調整回路22の働きについて説明する。
信号調整回路22は、1ビットの量子化信号VoがVo=VoHのとき基準信号VrefをVre=VrefH、量子化基準信号VthsをVths=VthsHとし、Vo=VoLのとき基準信号VrefをVre=VrefL、量子化基準信号VthsをVths=VthsLとして出力する。
このとき、VrefとVthsの電圧変動幅ΔVref(=|VrefH- VrefL|)とΔVths(=|VthsH- VthsL|)の関係によって、ΔΣ変調回路の変調動作が変化する。
ΔΣ変調回路の変調信号の変化の様子を、スイッチング電源の動作で説明する。
図9〜図11は本発明のΔΣ変調方式のスイッチング電源の実施形態図1で、基準電圧15を切り換えスイッチング電源の出力電圧の目標値を変化させたときの、出力電圧応答のシミュレーション波形である。
サンプリングCLK13の周期はTs=1MHzとし、インバータ部9の入力電圧Vinput=20V、出力電圧Voutputを6V→8V→6Vと変化させている。また、信号調整回路22以外の回路部分は、回路構成も、定数もすべて固定としている。
図9はVref=Vths、図10はΔVref>ΔVths、図11はΔVref<ΔVthsである。
先に述べたように本発明のΔΣ変調回路はVref=Vthsのとき、従来のΔΣ変調回路と等価な制御を行う。そこで図7の応答波形を基準に図10(ΔVref>ΔVths)、図11(ΔVref<ΔVths)の動作の特徴を挙げる。
図10はΔVref>ΔVthsとしたときの電圧変調時の電圧波形である。応答性に極端な変化はみられないが、スイッチングの回数が図7のVref=Vthsのときに比べて少なくなっていることがわかる。ΔVref>ΔVthsのときのΔΣ変調回路の動作は、特開2005-040894のスイッチング電源及びスイッチング電源の制御方法に記載されている、ΔΣ変調器の比較器の量子化基準値にヒステリシスを持たせた場合の動作と原理的に同じである。
ヒステリシスの幅を表す変数ΔVhを、本発明のΔΣ変調回路を示した図6のΔVrefとΔVthsを用いて表すと、
ΔVh=(ΔVref-ΔVths)/Vi・・・(式3.2)
Vi=1/(Cs・Rs)・Ts・VrefH・・・(式3.3)
となる。
ここでViは、ΔΣ変調器の積分器出力がサンプリング周期Tsの間における最大変化幅を表し、Viは電源において負荷変動などにより起こりうる出力電圧の変動幅を考慮したもの、あるいは実験結果や電源が使用される機器の電気的仕様から求められる。
ΔVref=ΔVthsのときが、ΔVh=0%にあたる。適切なΔVref-ΔVthsの大きさを選ぶことにより広い出力電圧範囲で効率の高く、応答性の高いスイッチング電源の実現が可能である。
図11はΔVref<ΔVthsとしたときの、電圧変調の応答である。特に6Vから8Vへ電圧を上げるときの応答が遅くなっていることがわかる。ΔVref<ΔVthsの本発明のΔΣ変調回路は、スイッチングのDutyが50%を跨ぐとき、つまりオン時間の割合とオフ時間の割合の大小関係が逆転するときに、サンプリング周期Ts毎に量子化信号のHIとLOWで切り替わる区間が発生する。制御系に大きな外乱が加わり、スイッチング電源が連続オンや連続オフしたいときにも、オンとオフの信号が交互に出力されてしまうので応答性を悪化させる。ΔVths−ΔVrefの値が大きいほどこの区間が長くなるので、高速な応答性を求める制御には適さない。
最後に図1で、信号調整回路22によりVoを分圧してVref、Vthsとしている理由を説明する。図8で従来のΔΣ変調回路の積分器4の出力波形の動作を示す(a)と、本発明のΔΣ変調回路の差分積分器2の出力波形の動作を示す(b)を比較してわかるように、本発明の構成にすると、ΔΣ変調回路の差分積分器2のほうが従来のΔΣ変調回路の積分器4の出力波形に比べてΔVths分、出力の変動が大きくなる。ΔΣ変調回路は積分器4、または差分積分器2の出力電圧が飽和すると、制御もしくは変調が不安定になる。そのため、Vref=Vthsの場合であっても、信号調整回路22を用いて電圧値を変換したほうがよい場合があり、信号調整回路22によりVoを分圧している。
このように、必要とする電源の動作や、他の構成回路の部品の特性に応じて信号調整回路により、基準電圧Vrefと、量子化基準電圧Vthsの電圧レベルを設定するのがよい。
本発明のΔΣ変調回路を用いたスイッチング電源の実施例を示す図である。 一般的なΔΣ変調のブロック図を示した図である。 従来のΔΣ変調変調方式のスイッチング電源のブロック図である 従来のΔΣ変調変調方式のスイッチング電源の制御部を回路記号で示した図である。 従来のΔΣ変調変調方式のスイッチング電源のΔΣ変調回路部を示した図である。 本発明のΔΣ変調変調方式のスイッチング電源のΔΣ変調回路部を示した図である。 従来のΔΣ変調回路の動作と、本発明の従来のΔΣ変調回路の動作を波形で説明した図である。 従来のΔΣ変調回路の変調信号と、本発明の従来のΔΣ変調回路の変調信号を比較した図である。 本発明のΔΣ変調回路を用いたスイッチング電源で、ΔVref=ΔVthsのときの出力電圧波形を示した図である。 本発明のΔΣ変調回路を用いたスイッチング電源で、ΔVref>ΔVthsのときの出力電圧波形を示した図である。 本発明のΔΣ変調回路を用いたスイッチング電源で、ΔVref<ΔVthsのときの出力電圧波形を示した図である。
符号の説明
1 ΔΣ変調回路
2 差分積分器
3 差分器
4 積分器
5 比較器
6 量子化基準電圧
7 サンプリング回路
8 スイッチングドライバ回路
9 電圧コンバータ部
10 量子化信号
11 入力電圧端子
12 出力電圧端子
13 サンプリングCLK
14 量子化器
15 基準電圧
16 誤差増幅器
17 Dフリップフロップ
18 量子化信号
19 出力検出回路
20 A/Dコンバータ
21 D/Aコンバータ
22 信号調整回路
23 基準信号
24 量子化基準信号
25 パワースイッチ駆動信号

Claims (5)

  1. 入力信号と基準信号との差分を積分した差分積分信号を出力する差分積分器と、量子化基準信号で前記差分積分信号の信号レベルを判定し量子化信号を出力する量子化器と、前記量子化信号を帰還して前記基準信号と前記量子化基準信号を生成する機構を備え、前記入力信号に対する量子化誤差を抑制するように構成されたΔΣ変調回路。
  2. 前記ΔΣ変調回路において、前記量子化器は前記差分積分信号を1ビットに量子化、し1ビット量子化信号を出力し、前記基準信号と前記量子化基準信号は、前記1ビット量子化信号に同期した矩形波であること特徴とする請求項1記載のΔΣ変調回路。
  3. 前記ΔΣ変調回路において、前記基準信号と前記量子化基準信号が同一矩形波であることを特徴とする請求項1乃至請求項2記載のΔΣ変調回路。
  4. 誤差増幅器のアナログ信号を請求項1乃至請求項3記載のΔΣ変調回路によって変調し、得られた前記量子化信号に応答してパワースイッチ素子を駆動することによって電力を供給するスイッチング電源。
  5. 前記基準信号と前記量子化基準信号が、前記1ビット量子化信号に同期した矩形波であること特徴とする請求項1乃至請求項3記載のΔΣ変調回路を備えたスイッチング電源において、前記量子化基準信号の矩形波の振幅が、前記基準信号の矩形波の振幅よりも大きいことを特徴とするスイッチング電源。
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