JP2008097392A - 電磁輻射ノイズの解析方法 - Google Patents

電磁輻射ノイズの解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】EMIノイズの予測、検証、対策に有効であり、ゲート・レベルのシミュレーションに比して大幅に解析時間を短縮することができるEMIノイズの解析方法を提供する。
【解決手段】電源/グラウンド・パッド間に接続する回路を抽出し、パッド・グループを作る。次に、パッド・グループ毎に周波数fで分類する。次に、分類された周波数毎にシフト量sで分類する。最後に、同じ周波数fとシフト量sからなる複数の回路を1つのスイッチング・セル12に束ねる。こうして、1つのパッド・グループに属する複数のスイッチング・セル12が構成される。そして、これらのスイッチング・セル12を用いてシミュレーションを行う。
【選択図】図8

Description

本発明は、電磁輻射ノイズ(以下、EMIノイズと略す)の解析方法、特に、LSI(大規模集積回路)から抽出し、モデル化した回路を用いてシミュレーションを行うことにより、LSIから発生するEMIノイズの解析を行う方法に関する。
半導体技術の進化に伴い、LSIの動作周波数はますます高くなってきている。入出力バッファや、コアを含むチップを構成する回路が同時にスイッチングすること(以下、同時スイッチングと略す)によって生じるノイズは幾つかの問題を引き起こす。
従来、LSIチップ設計者にとっての主要な問題は、電圧降下か、グラウンド・バウンスによるタイミングずれによる回路の誤動作を防止することであった。最近では、同時スイッチングによって生じるEMIノイズがLSIの動作、信頼性等に悪影響を及ぼすことが判明し、深刻な問題となっている。そこで、そのようなEMIノイズの原因となるファクターを明かにして、LSIの設計上、EMIノイズの削減することが重要である。
そのため、EMIノイズを回路シミュレーションによって予測、解析するモデルが研究されている。EMIノイズを正確に再現するには、LSIのトランジスタ・レベルでの回路シミュレーションを行うことが理想的であるが、LSIを構成しているトランジスタの数は膨大であるため、現実的ではない。
そこで、従来は、1)EMIノイズの実測から等価モデルを作成する手法、2)全てのセルの電流を求め、テーブル又は三角波の近似を行い、ゲート・レベルでのシミュレーションを行い、EMIノイズを算出する。3)インピーダンスを求めることによってモデル化を行う、等の解析手法が提案されていた。これらの解析手法の詳細については、特許文献1〜3に記載されている。
特開2001−22813号公報 特開2002−164434号公報 特開2003−30273号公報 T. Murayama, K. Ogawa, and H. Yamaguchi, "Estimation of peak current through CMOS VLSI circuit supply lines", in Proc. ASP-DAC, pp.295-298, Jan. 1999. K. H. Kim and S. B. Park, "CMOS delay time model based on weighted peak current", Electronics Letters, vol.24, no.18, pp.1128-1129, Sep. 198.
しかしながら、ゲート・レベルのシミュレーションでは依然としてシミュレーション時間が長いという問題があり、EMIノイズの実測結果から等価モデルを作成する手法では、実測を行わなければならないため手間がかかるという問題があった。
そこで、本発明の電磁輻射ノイズの解析方法は、LSIから発生する電磁輻射ノイズの解析方法において、共通の電源/グラウンド間に接続された複数の回路を抽出し、前記複数の回路を、それらの出力電流の周波数及びそのシフト量が同じである複数のグループに分類し、前記グループ毎に、それに属する複数の回路を1つのスイッチング・セルに束ねて、複数のスイッチング・セルを構成し、前記複数のスイッチング・セルを用いてシミュレーションを行うことを特徴とする。
本発明によれば、回路の出力電流の周波数及びその波形のシフト量が電磁輻射ノイズを決定する支配的なファクターであることに着目し、出力電流の周波数及びシフト量が同じである複数の回路を1つのスイッチング・セルに束ねることでモデリングを行っているので、モデル化された回路は非常に小規模であり、しかも、このモデル化された回路を用いたシミュレーションによれば、実測結果に近い結果が得られる。
また、前記スイッチング・セルは、インバータとそのインバータの出力が印加された負荷を備えることが好ましい。
また、前記シミュレーションにより、LSIの内外のノードにおける電流の時間変化を求め、この時間領域の電流変化をフーリエ変換することにより、周波数領域における電流スペクトラムを得ることが好ましい。
本発明の電磁輻射ノイズの解析方法は、電磁輻射ノイズの予測、検証、対策に有効であり、特に、トランジスタ・レベルやゲート・レベルのシミュレーションに比して大幅に解析時間を短縮することができる。また、電磁輻射ノイズの実測を必要としないという利点もある。
以下、本発明の実施の形態について、(1)EMIノイズ解析のための新しい回路モデルの基礎となるノイズ波形とスペクトラムの関係、(2)EMIノイズ解析のための新しい回路モデルとそれを用いた解析方法、(3)EMIノイズの実測結果と提案モデルを使ったシミュレーションとの比較、の順に説明する。
(1)EMIノイズ解析のための回路モデルの基礎となるノイズ波形とスペクトラムの関係
A.電圧源/電流源を使った解析
電圧/電流波形がサイン波なら、それをフーリエ変換したスペクトラムは基本高調波のみからなる。クロック信号のような台形波は複数の高調波からなる。電圧台形波のスペクトラムの中で、第n次の高調波の大きさは以下で表される。
Figure 2008097392
但し、Vpeakはピーク電圧、Tは周期、はパルス幅、trは立上り/立下り時間である。もしクロックのデューティが0.5ならば、その波形は奇数の高調波のみからなり、偶数の高調波はゼロとなる。
視覚的に理解するために、図1に台形波のスペクトラムを示す。図1(a)は、電流源と抵抗からなる回路、図1(b)は、tr=0.2 nsの時のスペクトラム、図1(c)は、tr=1 nsの時のスペクトラムを示している。その特性はFFT(Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換)を使った回路シミュレータによって得られた。EMIノイズの大きさは一般にdB(デシベル)の単位で表現されるが、ここでは支配的な周波数をより明確にするために線形軸で表現する。
図1の例で示すように、奇数次の高調波、例えば、基本周波数の100 MHz、その3倍、5倍、7倍の周波数が図から読み取れる。図1(b)と図1(c)で示されるように、立上り/立下り時間が急峻になるに従って、高次の高調波が増加する。これらは数1からも計算できる。例えば、図1に示されるように、Vpeak=1 Vの台形波の基本周波数の電圧の大きさは以下となる。
Figure 2008097392
台形波のスペクトラムは信号線のEMIノイズ解析のために重要である。
次に、三角波の電流スペクトラムを調査する。図2は1つの電流源からなる回路の三角波のスペクトラム解析の結果を示している。三角波のFFT結果は、正整数倍の高調波を持っている。
図2(b)の結果は他の解析の基準として使われる。図2(c)はピーク電流2 A、立上り/立下り時間1nsの時の結果である。FFT後の基本周波数の電流は図2(b)の2倍となる。図2(d)はピーク電流2 A、立上り/立下り時間0.5 nsの時の結果である。その平均電流は図2(b)と同じである。図2(d)は図2(b)と比較して、高次の高調波がより低くなっていることがわかる。図2(e)はピーク電流0.2 A、立上り/立下り時間5 nsの時の結果である。その波形の傾きがなだらかになるにつれて、全体のノイズはゼロに近づく。これらの解析から、ノイズ・レベルの大きさは、ピーク電流に比例し、立上り/立下り時間がなだらかになるにつれ減少し、そして、平均電流(もしくは消費電力)には直接的に関係ないことがわかる。
図3は2つの電流源を使った時の結果である。図3(b)-(e)は0.5 ns (1/20周期)、1 ns (1/10周期)、2.5 ns (1/4周期)、5 ns (1/2周期)シフトさせた時の結果である。図として示していないが、シフトなしの時の結果は図2(b)と同じである。電流ピークがシフトするにつれて、スペクトラム電流は減少し、半周期シフトで基本周波数はシフトなしの周波数の2倍の200 MHzとなる。更に、図2(b)と図3(b)との比較から、ピーク電流間の少ないシフトではそれらのスペクトラムにさほど影響しないことがわかる。
B.スイッチング・インバータを用いた解析
基本的なスペクトラム解析は前節で記述した。ここではより実際的な回路でのスペクトラムを議論する。図4(a)は駆動能力を可変(基本インバータの1、4、16)した際の結果を示す。図4(b)は時間領域での電流を示し、図4(c)はFFTによって得られた周波数領域での電流スペクトラムを示す。駆動能力が増すにつれて、電流ピークは増加し、電流幅は狭くなる。結果として、より高次の高調波のレベルが駆動能力の増加に伴い上昇する。スペースがないので図は省略するが、入力スルーが急峻になる場合は、上の結果と同様になる。更にもし駆動能力と入力スルーが同じで負荷容量が増加するなら、そのピークは減少し、高次の高調波も減少する。これらの事実はスイッチング・ノイズをモデル化する上で役立つ。
(2)EMIノイズ解析のための新しい回路モデルとそれを用いた解析方法
次に、EMIノイズを解析するための新しいモデルを提示する。モデリングはLSIチップ設計者のためにより簡易であるべきである。LSIチップの外側のモデルはシンプルで特に新規ではないがLSIチップの影響を解析するために必要である。その新規性はLSIチップのモデリングにある。
A.LSIチップ外側のモデリング
図5はLSIチップ10の外側のためのモデルである。PCB基板20はパッケージ30からレギュレータ40までの配線やデカップリング部品の抵抗、インダクタンス、容量から構成される。実際の供給電源電圧はDC/AC電源から来るが、供給電源はレギュレータ30のDC電圧Vinによって表現できると、我々のモデルは仮定する。図5で示される回路のパラメータの意味は以下である。Rpcb, Lpcb, CpcbはPCBの配線の抵抗、インダクタンス、容量である。これらの値は通常、電磁界解析によって得られる。Rdc, Ldc, CdcはPCB基板20やパッケージ30のピンに付加するデカップリング部品の値である。これら値は部品の仕様書に記載されている。Rpkg, Lpkg, Cpkgはパッケージの抵抗、インダクタンス、容量である。パッケージ30のモデルは、リード線やピンの寄生素子が含まれている。これらの値もまたパッケージ30の仕様書か電磁界解析によって得ることができる。
LSIチップ設計者にとって、PCB基板20の正確な情報を得るのは容易ではない。試作品を評価するために使ったPCB基板20は実際の装備とは異なる。更に、PCB基板20上の配置配線はLSIの設計段階では決まっていない。それゆえに、実際に装備される以前にEMIノイズを予測するために、LSIチップ10の外側のモデルはシンプルになるべきである。図5はその一例である。放射に関する電流レベルの知りたい場所に応じて、RLC素子を分割したり、追加するべきである。更に、同じ電圧が異なったパッドに接続されるなら、その等価回路は図5に示されるモデルと同様の回路を追加することで解析できる。
B.LSIチップのモデリング
LSIチップ10のモデルは図6に示されるように、電源パッド11やスイッチング・セル12のパラメータから構成される。Rpad, Lpad, Cpadはそれぞれ電源パッド11の負荷となる抵抗、インダクタンス、容量の値である。Rcd, Lcd, Ccdは電源線とグラウンド線間の抵抗、インダクタンス、容量の値である。
Rva Rgaは電源パッド11からスイッチング・セル12までの電源線とグラウンド線の抵抗である。Rvb Rgbはスイッチング・セル12と電源線、グラウンド線との間の接続抵抗である。RLとC Lは負荷の抵抗と容量である。スイッチング・セル12は、インバータINVとその出力が印加されたCR時定数回路で構成することが好ましい。
インバータINVは駆動能力D、周波数f(出力電流が変化する周波数)、シフト量s(出力電流波形のシフト量、例えばピーク電流のシフト量)によって特徴付けられる。
我々のモデルの主要な特徴は、同じ特性の多くのトランジスタやセルを1つに束ねることによって、スイッチング・セル12を構成する点である。図7は電源/グラウンド線13V,13Sと機能ブロック14A,14BでLSIチップ10を図示したものである。一般に、電源とグランドを与えるための電源/グラウンド・パッド15V,15Sはたくさんあり、いくつかは同電位でいくつかは異電位である。電源/グラウンド・パッド15V,15Sはその必要な電圧やその線に流せる最大電流によって各ブロック14A,14Bに接続される。
スイッチング・セル12を構成する方法をより詳細に説明する。図8はそのスイッチング・セル12の生成の流れを視覚的に示したものである。初めに図8(a)に示すように、各電源/グラウンド・パッド15V,15S(例えば、それぞれ電源電位Vdd,1グラウンド電位Vss,1が供給される2つのパッド)の間に接続する回路を抽出し、パッド・グループを作る。次に、図8(b)に示すように、パッド・グループ毎に周波数fで分類する。それから、図8(c)に示すように、その分類された周波数毎にシフト量sで分類する。
最後に、図8(c)に示すように、同じ周波数fとシフト量sからなる複数の回路を1つのスイッチング・セル12に束ねる。この場合、複数の回路のトランジスタ・サイズ、負荷容量Ciが加算されることで、1つのスイッチング・セル12に束ねられる。
具体的には、例えば、複数の回路が複数のCMOSインバータであれば、それらのCMOSインバータを構成するPMOSのトランジスタ・サイズWpi/Lp、NMOSのトランジスタ・サイズWni/Lnを足し合わせる。Wpi、Wniはチャネル幅、Lp、Lnはチャネル長である。複数のCMOSインバータはそれらと等価な1つのインバータ・セルになる。そのようなインバータ・セルのPMOSのトランジスタ・サイズは、(ΣWpi)/Lp、NMOSのトランジスタ・サイズは、(ΣWni)/Lnとなる。但し、Lp、Lnは一定とする。
負荷容量Ciも同様に加算される。スイッチング・セルの負荷容量=ΣCi となる。
このようにして、1つのパッド・グループに属する複数のスイッチング・セル12が構成される。そして、これらのスイッチング・セル12を用いてシミュレーションを行う。
周波数fとシフト量sは、スイッチング・セル12の出力電流の変化によって決定される。スイッチング・セル12を構成するインバータの入力条件は、スルーもしくは平均が使われる。より正確に結果を得るためには、同様の立上り/立下り時間毎に分類することも必要である。
しかしながら、その分類の数は少なくて済む。なぜなら、急峻な入力はステップ入力とみなされ、なだらかな入力はピーク電流のシフトで禁じされるからである。ピークのシフト量を得る方法はいくつかの文献(非特許文献1、2参照)で報告されている。我々が必要な情報はおおよそのシフト量であり、電流の値や波形ではない。一般に周波数グループは最大動作周波数の2n (n=0,1,2,・倍で分割されるであろう。更に、シフト量は各周波数グループの周期と一緒に見積もられる。前述したように、例えシフト量が1/20周期でも、その結果は現実的な精度を得ることができる。シフト量の最大は各周波数グループで半周期である。
そのプロセスで、図6に示すように、チップ・デカップリング、負荷容量、トランジスタ・サイズ、電源/グラウンド線の抵抗のような回路パラメータは、等価な値として計算される。パッド・グループ毎に全ての回路をBSCに分配することが等価回路として理想であるが、全てのトランジスタ/セルをBSCに押し込むことは我々の目的を達成するためにかならずしも必要はない。EMIノイズ・スペクトラムは支配的でないトランジスタ/セル(小電流、低スイッチング・アクティビティ)にほとんど影響されないので、EMI放射を評価するには、主要クロック周波数や高い駆動能力のような支配的な周波数と電流からなるトランジスタ/セルを見つけることも重要である。
図9はさまざまな回路をインバータに変換する例を示す。図9(a)は並行トランジスタ、図9(b)は縦積みトランジスタ、図9(c)は多入力セル、図9(d)は非反転セルである。これはBSCを生成する中でのステップである。その目的は回路サイズを縮約することであり、また支配的なトランジスタ/セルを見つけることである。加えて、同様な周波数fとシフト量sからなる回路を束ねる我々のテクニックは他の解析にも拡張できる。例えばチップの正確な場所でのデカップリングの効果を知りたいなら、LSIチップのブロックを小領域に分割し、各領域でそのバンドルのテクニックを使えばよい。図10は電源/グラウンドのグリッドと一緒にブロックがどう分割されるかを示したものである。その方法はユースフル・スキューのようなクロック到達時間を変動させるテクニックの効果を解析するためにも役立つ。
(3)EMIノイズの実測結果と提案モデルを使ったシミュレーションとの比較
次に、我々のモデリングの妥当性を検証する。我々はLSI試作品の評価PCb基板のEMIノイズを測定した。そのPCB基板は、LSIチップを収納するパッケージやレギュレータからなる。測定は表面スキャン法を用い、単位はdBVである。測定領域はパッケージの外側約数mmまでである。パッケージ・サイズは約3 mm角でチップはそのほぼ中央に配置している。その目的はより高いEMIノイズ・レベルを決定し、我々のモデルを使ったシミュレーション結果と比較することである。
図11(a)は実際の動作モードで動作させた時のEMIノイズの測定結果の一例である。その例は150 MHzから1GHzの周波数範囲での各ポイントでの最大値を示している。図11(a)に高い値となる2つの主要な位置を示す。1つは左側のノードP1でクリスタル発振器の電源/グラウンド・ピンに近い。もう1つは右側のノードP1でLSIチップのPLL回路に接続する電源/グラウンド・ピンの近傍である。そのクリスタル発振器とPLLは3.3Vで動作し、LSIコアは1.2V動作である。図11(a)の結果から高い電圧と高い周波数がEMIノイズに危険であるということが読み取れる。図11(b)は測定された電界強度を示す。その周波数の範囲は30 MHzから2 GHzである。100 MHz付近のレベルが高い。
我々はノードP1でのノイズを解析した。使われた電源/グラウンドのピンはクリスタル発振器を含むI/Oブロックに供給する。以下の手順でシミュレーション・モデルを作成した。最初に、LSIチップの外側のモデルとして図5で示される回路の素子の値を見積もった。次にチップ内部のモデリングのために、トランジスタと配線の寄生素子と一緒に回路を抽出した。それから、その電源/グラウンドのピンからチップのパッドを通して接続される回路をトレースした。対象の電源/グラウンド・パッドに接続するトランジスタの数は約500である。動作している回路は主に発振器の周波数とその半分の周波数であった。
図12に回路シミュレータHSPICE(synopsys社製)を用いたシミュレーション結果を示す。このシミュレーション結果は電流の時間変化をフーリエ変換した結果であり、横軸は周波数に変換されている。図12(a)の結果はチップ内部にオリジナル回路を用いた場合の結果である。そのオリジナル回路は対象の電源/グラウンド・パッドに接続するトランジスタ・レベルのネットリストからなる。LSIチップの外側は図5に示す回路でモデル化した。測定結果のスペクトラム(図11(b))とオリジナル回路を用いたシミュレーション結果(図12(a))は同様の傾向を示している。
次に、LSIチップを提案方法でモデル化した場合の結果を図12(b)に示す。LSIチップの外側は図12(a)で用いたモデルと同じである。LSIチップ内部は8個のスイッチング・セル12で表現した。周波数fは35 MHzから70 MHz、シフト量sは半周期と少しの遅延である。図8と図9に示すように、これらはブロックの中で使われた回路を併合することによって適切な負荷容量とトランジスタ・サイズと一緒にモデル化される。提案するモデルは非常に少ないBSCで構成されたにも関わらず、オリジナル回路(図12(a))との電流スペクトラムの結果は良く類似する。
正確に述べると、この実測とシミュレーションの比較は正当ではない。なぜなら、実測はその位置での表面空間での電界強度であり、シミュレーションはそのノードでの電流スペクトラムである。しかしながら、シミュレーションされたスペクトラムはアンテナと一緒に放射を引き起こす可能性がある。またスペクトラムの相違はあるが相対的な傾向を決定するために使うことができる。測定とシミュレーションの違いは表面スキャン法を使った実測の電界強度は多くの場所から生じる放射の集合体であること、また回路パラメータの見積もり誤差から来ると推定する。しかしながら、図11(b)と図12(b)はスペクトラム特性として同様の傾向を示している。我々の開発したモデルは測定なしでより高いノイズの位置を予測でき、EMIノイズの解析に有効である。
以上のように、同時スイッチング・ノイズによって引き起こされるEMIノイズを解析するための新しいモデルを提示した。提案モデルと実測の結果はスペクトラムの傾向としてよく一致する。提案した方法は、EMIノイズの予測、検証、対策に有効である。
本発明の実施形態に係る台形波のスペクトラムを示す図である。 本発明の実施形態に係る1つの電流源からなる回路の三角波のスペクトラムを示す図である。 本発明の実施形態に係る2つの電流源からなる回路の三角波のスペクトラムを示す図である。 本発明の実施形態に係るインバータ回路の電流のスペクトラムを示す図である。 本発明の実施形態に係るEMIノイズ解析のためのLSIチップの外側のモデルを示す図である。 本発明の実施形態に係るEMIノイズ解析のためのLSIチップの内部のモデルを示す図である。 本発明の実施形態に係るLSIチップの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るEMIノイズ解析のための手順を示す図である。 本発明の実施形態に係るインバータ・セルへの変換を説明する図である。 本発明の実施形態に係る詳細なLSIチップ解析のためのブロック分割を説明する図である。 本発明の実施形態に係るEMIノイズの測定結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る電流スペクトラムのシミュレーション結果を示す図である。
符号の説明
10 LSIチップ
11 電源パッド
12 スイッチング・セル
13V 電源線
13S グラウンド線
14A,14B 機能ブロック
15V 電源パッド
15S グラウンドパッド
20 PCB基板
30 パッケージ
40 レギュレータ

Claims (3)

  1. LSIから発生する電磁輻射ノイズの解析方法において、
    共通の電源/グラウンド間に接続された複数の回路を抽出し、
    前記複数の回路を、それらの出力電流の周波数及びそのシフト量が同じである複数のグループに分類し、
    前記グループ毎に、それに属する複数の回路を1つのスイッチング・セルに束ねて、複数のスイッチング・セルを構成し、
    前記複数のスイッチング・セルを用いて、シミュレーションを行うことを特徴とする電磁輻射ノイズの解析方法。
  2. 前記スイッチング・セルは、インバータとそのインバータの出力が印加された負荷を備えることを特徴とする請求項1に記載の電磁輻射ノイズの解析方法。
  3. 前記シミュレーションにより、LSIの内外のノードにおける電流の時間変化を求め、この時間領域の電流変化をフーリエ変換することにより、周波数領域における電流スペクトラムを得ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁輻射ノイズの解析方法。
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