JP2008096316A - 電磁波測定システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地下からの2次磁場情報を取得するための電磁波測定器Aと、電磁波測定器からの送信データを受信し記憶するデータ処理装置Bとを備え、調査対象エリア外からの異なる複数の周波数の1次磁場によって引き起こされる地下の電磁誘導作用を利用し、電磁波測定器を調査対象エリア内において移動させることで、該調査対象エリア内の2次磁場情報を異なる周波数ごとに取得すると共に、電磁波測定器に備えられたGPSナビゲーションシステムによって測定点の位置情報を取得し、それらの取得した2次磁場情報及び測定点の位置情報を、電磁波測定器から送信してデータ処理装置によって受信することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
このような従来の電磁探査装置を用いた探査方法においては、先ず、受信アンテナが送信源に対して最大結合となるように、直交アンテナの1次磁場測定用アンテナを水平にして、測定点と信号源とを結ぶ線の直交方向に合致するよう方位を調整し、2次磁場測定用アンテナを鉛直方向に保持する。その後、それぞれのアンテナについて利用電磁波の周波数の相成分を測定し、1次磁場強度で正規化した2次磁場強度を求め、1次磁場と2次磁場との強度比の場所による変化から、相対的な比抵抗の大きさを探査していた。
このような従来の電磁探査装置による探査法では、受信機を移動した後、測定の都度所定の姿勢を保つようにしなければならず、作業効率の低下をもたらしていた。
このため、上記のような測定の煩雑さ解消のため、特許文献1には、受信アンテナを互いに直交する3方向に設け誘導される3方向の成分について所定の周波数信号処理を行う電磁探査方法が開示されている。
また、3方向のアンテナを有することから測定者が持ち運びする受信機は大型化であり、測定点の経度や緯度、高度の記録も煩雑であった。
さらに、利用可能な電磁波の周波数が限定され、深度方向の比抵抗変化に対する探査精度は低いという問題もあった。
さらに、通常のVLF電磁場法で分析した場合、電磁波が侵入した深度までの地表から200m深度までの全ての大地応答を均質一様の大地解析がなされ、深度による差が厳密に定義解析できないという問題もあった。
そこで、本発明は、電磁波の周波数によって探査可能な深度が異なることを利用して、
複数の周波数を使用して広範囲の深度の探査をし、測定点のアンテナ方位と伏角、位置情報等も同時に記録することによって、幅広い深度の探査と測定作業の効率化ができる電磁波測定システムを提供することを目的とする。
(2)本発明の電磁波測定システムは、前記(1)において、電磁波測定器は、電磁波発信源から発信された電磁波2を受信する受信アンテナと、該受信アンテナによって受信した電磁波を増幅する増幅部と、電磁波の強さを出力する電磁波強度出力部とを備え、測定点の電磁波強度及び受信周波数などの測定データを記録するための記録ボタンと、アンテナ方位角及びアンテナ伏角を取得し記憶する角度取得機構と、測定点の緯度、経度などの測定点位置情報を取得し記憶するGPSアンテナ及びGPS装置を備えたGPSナビゲーションシステムとを備えたものであることを特徴とする。
(3)本発明の電磁波測定システムは、前記(1)又は(2)において、電磁波測定器は、異なる周波数を受信するように受信電磁波を切り替えする周波数切替部を備えることを特徴とする。
本発明の電磁波測定システムを用いる地下の電磁波測定においては、電磁波測定器を測定線に沿って移動させて、平面波と仮定できるほど遠方にある送信源から発信された1次磁場が地中に侵入し、地下に発生する2次磁場の電磁波強度を測定する。
一方、長い波長を使用する電磁波発信源1bから発信される長波長電磁波2bは波長が長いため深層の探査を行うことができ、この場合の測定は長波長に同調させた受信アンテナ3を用いて2次電磁波60bを受信する。本発明では、1の測定点において、探査しようとする深さに応じて、受信する2次電磁波を切り替えて2次電磁波の強さを測定する。
用いる2次電磁波の周波数としては、例えば、
浅層域(深さ20mまで)用として1000khz〜200khz、
中層域(深さ50mまで)用として200khz〜60khz、
深層域(深さ200mまで)用として60khz〜1khz、
のものが適用でき、周波数切替部において受信周波数を切り替えて用いる。
なお、周波数切替部においてはこの中の特定周波数に固定して(例えば、200kHz、60kHz、10kHz)、2次電磁波を受信できるようにしてもよい。
ここで、比抵抗値は、地層の種類(例えば、ローム層、粘度層、砂層など)によってその値が知られており、一般に低周波数の電磁波ほど深部へ侵入することが知られており、前述した式(70)に既知の値を代入すれば侵入深度を算出することができる。
また、電磁波測定器Aには、アンテナ3の向きを変更できるアンテナ向き調整操作部21が備えられており、測定者20は、増幅装置10を介して電磁波強度出力部60に出力されたメーター4の表示とイヤホン12の音を観測しながら、手動又は自動でアンテナ3の向きを電磁波強さが強い向きに合わせ、アンテナ3の向きの調整を完了した時点で記録ボタン6を押し下げて測定点の電磁波強度及び受信周波数などの測定データを記録する。
測定者20によって記録ボタン6が押し下げられると、その時点でのアンテナ3のアンテナ方位角32及びアンテナ伏角42を角度取得機構7が取得し記憶するとともに、その測定点の緯度、経度などの測定点位置情報を、電磁波測定器Aに備えられたGPSアンテナ8及びGPS装置9を備えたGPSナビゲーションシステムが取得し記憶する。
測定者20の記録ボタン6の押し下げをトリガーにして記録されたデータ(測定点の電磁波強度、受信周波数、経度・緯度、アンテナ方位角、アンテナ伏角)をデータ送信部11内のメモリーに一次的に記憶させる。
ここでアンテナ向き30とは、AMラジオなどに用いられている導線をコイル状に巻回したバーアンテナを例にとれば、電磁波の強さが強い方向に同調した測定時のアンテナ長手方向を含む鉛直面Vに対する直角方向をいい、
ここで、GPS方位31とは、GPSナビゲーションシステムによって規定される絶対方位をいう。
B:データ処理装置
1:電磁波発信源
2:電磁波
3:受信アンテナ
4:電磁波強度出力部(メーター)
6:記録ボタン
7:角度取得機構
8:GPSアンテナ
9:GPS装置
10:増幅部
11:データ送信部
12:電磁波強度出力部
13:伝送データ
14:データ受信部
15:インターフェース
16:記録部
20:測定者
21:アンテナ向き調整操作部
22:数値地図
23:計測データ
24:周波数切替部
30:アンテナ向き
31:GPS方位
32:アンテナ方位角
40:アンテナ傾き
41:水平線
42:アンテナ伏角
50:鉛直位置
51:角度目盛位置
52:鉛直方向指示針
1b:長い波長を使用する電磁波発信源
2a:短波長電磁波
2b:長波長電磁波
60:電磁波強度出力部
60a:2次電磁波
60b:2次電磁波
70:算出式
V:鉛直面
前記電磁波測定器は、電磁波発信源から発信された電磁波を受信する受信アンテナと、
該受信アンテナによって受信した電磁波を増幅する増幅部と、
該増幅部によって増幅された電磁波を出力する電磁波強度出力部と、を有するとともに、
異なる周波数を受信するように受信電磁波を切り替えする周波数切替部を有し、
調査対象エリア外にある送信源から発信された異なる複数の周波数の1次磁場によって引き起こされる地下の電磁誘導作用を利用して、該電磁波測定器を調査対象エリア内において移動させることにより、該調査対象エリア内の2次磁場情報を異なる周波数ごとに取得するとともに、
前記電磁波測定器に備えられたGPSナビゲーションシステムによって測定点の位置情報を取得し、
それらの取得した2次磁場情報及び測定点の位置情報を、前記電磁波測定器から送信して前記データ処理装置によって受信させることを特徴とする。
(2)本発明の電磁波測定システムは、前記(1)において、電磁波測定器は、さらに、記録ボタンと角度取得機構と、を備え、
前記記録ボタンによって測定点の電磁波強度及び受信周波数の測定データを記録するとともに、
該測定点での前記受信アンテナの向きと前記GPSナビゲーションシステムによって規定される絶対方位とのなす角度をアンテナ方位角とし、
前記受信アンテナの傾きと水平線とのなす角度をアンテナ伏角とし、
これらのアンテナ方位角及びアンテナ伏角を前記角度取得機構に記憶させ、
該測定データ、アンテナ伏角及びアンテナ伏角を、併せて送信して前記データ処理装置によって受信させることを特徴とすることを特徴とする。
地下からの2次磁場情報を取得するための電磁波測定器と、
該電磁波測定器からの送信データを受信し記憶するデータ処理装置と、
を備えた電磁波測定システムであって、
該電磁波測定器は、
平面波と仮定できるほど遠方にあってそれぞれ異なる周波数を発信する複数の送信源からの1次磁場の電磁誘導作用によって引き起こされる地下からの2次磁場の電磁波を受信する受信アンテナと、
該受信アンテナによって受信した電磁波を増幅する増幅部と、
電磁波の強さを出力する電磁波強度出力部と、を有し、
前記電磁波測定器を測定線に沿って移動させて、
前記複数の送信源によって引き起こされる地下からの2次磁場の電磁波を周波数切替部によって前記異なる周波数ごとに切り替えて受信し、
測定点ごとに異なる周波数の2次磁場情報を取得し、
前記電磁波測定器に備えられたGPSナビゲーションシステムによって測定点の位置情報を取得し、
それらの取得した2次磁場情報及び測定点の位置情報を、前記電磁波測定器から送信して前記データ処理装置によって受信させるとともに、
さらに、前記電磁波測定器は、記録ボタンと角度取得機構と、を備え、
該記録ボタンによって測定点の電磁波強度及び受信周波数の測定データを記録するとともに、
該測定点での前記受信アンテナの向きと前記GPSナビゲーションシステムによって規定される絶対方位とのなす角度をアンテナ方位角とし、
前記受信アンテナの傾きと水平線とのなす角度をアンテナ伏角とし、
これらのアンテナ方位角及びアンテナ伏角を前記角度取得機構に記憶させ、
該測定データ、アンテナ方位角及びアンテナ伏角を、併せて送信して前記データ処理装置によって受信させることを特徴とする。
Claims (3)
- 地下からの2次磁場情報を取得するための電磁波測定器と、該電磁波測定器からの送信データを受信し記憶するデータ処理装置とを備えた電磁波測定システムであって、
調査対象エリア外からの異なる複数の周波数の1次磁場によって引き起こされる地下の電磁誘導作用を利用して、該電磁波測定器を調査対象エリア内において移動させることにより、該調査対象エリア内の2次磁場情報を異なる周波数ごとに取得するとともに、
前記電磁波測定器に備えられたGPSナビゲーションシステムによって測定点の位置情報を取得し、
それらの取得した2次磁場情報及び測定点の位置情報を、前記電磁波測定器から送信して前記データ処理装置によって受信することを特徴とする電磁波測定システム。 - 前記電磁波測定器は、電磁波発信源から発信された電磁波2を受信する受信アンテナと、
該受信アンテナによって受信した電磁波を増幅する増幅部と、
電磁波の強さを出力する電磁波強度出力部とを備え、
測定点の電磁波強度及び受信周波数などの測定データを記録するための記録ボタンと、
アンテナ方位角及びアンテナ伏角を取得し記憶する角度取得機構と、
測定点の緯度、経度などの測定点位置情報を取得し記憶するGPSアンテナ及びGPS装置を備えたGPSナビゲーションシステムとを備えたものである請求項1に記載の電磁波測定システム。 - 前記電磁波測定器は、異なる周波数を受信するように受信電磁波を切り替えする周波数切替部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波測定システム。
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