JP2008094819A - 浸透性化粧料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚に対し保湿成分及び美白成分の浸透性に優れた化粧料組成物を提供することにある。
【解決手段】シラス多孔質ガラス膜を用いて処理した水を用いて化粧料組成を行うことにより保湿成分及び美白成分の浸透性に優れた化粧料組成物を提供する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は保湿成分、有用成分の角質への浸透性が高く、すなわち角層において有用成分の保持、効果の発揮に寄与する化粧料組成物。その目的は、その配合しうる成分特徴により保湿効果の増大、美白効果増大、抗炎症効果の増大、抗酸化効果の増大が認められ、以ってそれが皮膚老化を抑え、伴って美白効果をたかめる化粧料組成物の提供にある。
化粧料において、使用される水は、常水、逆浸透膜、若しくはイオン交換樹脂を用いた精製水が繁用される。それは化粧料の構成成分の一部若しくは大半を占める原料であるがその多くは単に不純物を取り除いた水である。
繁用される水はHO分子が数十個集まった構造になっており化粧料に用いたとき、角質への浸透性が低く皮膚表面を湿潤さすにとどまる。すなわち、化粧品組成物の表皮に対する有効な効果を得ることができない。
又、そのほかの技術により皮膚への浸透を増大する手法が提案されているがこれらは微量金属やミネラルを含有するものであり、化粧品組成に用いた場合エマルション若しくは高分子の崩壊などが見られる場合があり必ずしも適しているとは限らない。(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)
特開2005−112808号広報 特開2004−155701号広報
発明が解決しようとする課題
本発明は、専ら化粧品組成に用いられる常水若しくは精製水をシラス多孔質ガラス膜を用い生成する事により不純物質を添加することなく水分子の集合体(クラスター)を小さくする事ができ、その生成された水を用た化粧品組成物は角質に浸透し、効果的に化粧品組成物の有用性を発揮できる浸透性化粧料組成物を提供する。
課題を解決するための手段
即ち請求項1にかかわる発明は、シラス多孔質ガラス膜(特開2005−279327号広報)を用い、処理した水(以下、SPG処理水という)に保湿成分を添加した化粧料組成物に関する。また
請求項2にかかわる発明は、SPG処理水に界面活性剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、キレート剤、殺菌剤、pH調整剤、ビタミン類、香料、色素及びこれらの混合物からなる群より選択される1種又は2種以上を更に含む化粧料組成物に関する。
以下本発明にかかわるSPG処理水に保湿成分を添加した化粧料組成物、およびまたはSPG処理水に界面活性剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、キレート剤、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、ビタミン類、鉱石類、香料、色素及びこれらの混合物からなる群より選択される1種又は2種以上を更に含む化粧料組成物について説明する。
本発明に用いる水は、常水、精製水何れでも良い
本発明に用いる保湿剤若しくは有用成分は水溶性成分、油溶性成分、何れでも良い。とくに日本薬局方、化粧品原料配合基準、食品添加物公定書、JIS規格等収載品目などとの共存を好適とする。
水溶性成分としては、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール;グルコース、マンニトール、ソルビトール、デキストリン、トレハロース、キシリトール、乳糖等の糖類及びその誘導体;コラーゲン誘導体、トリメチルグリシン等のアミノ酸類及びその誘導体;カルボキシビニルポリマー、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等の水溶性高分子;アロエエキス、黒砂糖エキス、海藻エキス、酵母エキス、コメヌカエキス、ダイズエキス、エイジツエキス、クララエキス、クチナシエキス、オタネニンジンエキス、カワラヨモギエキス、ローズマリーエキス、ビフィズス菌発酵エキス、ヒトオリゴペプチド等保湿作用を有する各種動植物エキス;又はこれらの混合物等が挙げられる。油溶性成分としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、グレープシード油、カカオ油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、アボガド油等の植物油脂類;ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン、スクワラン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、パルミトレイン酸等の脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の高級アルコール;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、エルカ酸オクチルドデシル、オレイン酸コレステリル等のエステル類;各種植物精油又はこれらの混合物等が挙げられる。保湿剤を使用する場合の配合割合は、化粧料の種類及び形態に応じて適宜選択することができるが、通常、化粧料全量に対して、0.001〜99重量%、好ましくは0.01〜50重量%である。
本発明の化粧料組成物には、本発明の目的を損ねない範囲において、他の所望な目的等に応じて、化粧水、乳液、皮膚外用クリーム、美容液、パック剤、洗浄料、メイクアップ料又は入浴剤等の公知の形態とするために、通常使用しうる安全な各種成分を適宜組み合わせて配合することができる。例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等の各種界面活性剤;酸化防止剤、紫外線防止剤、キレート剤、pH調整剤、殺菌剤、ビタミン類、香料、色素又はこれらの混合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら任意成分の配合割合は、その目的に応じて適宜選択して決定することができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンカリウム、ココイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のN−アシルアミノ酸塩類、POEトリデシルエーテル酢酸、POEトリデシルエーテル酢酸ナトリウム、POEラウリルエーテル酢酸等のPOEアルキルエーテルカルボン酸塩類、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等のN−アシルタウリン塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、又はこれらの混合物等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルアンモニウム塩類、ステアリン酸ジエチルアミノエチル等のアミン類又はこれらの混合物等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、等又はこれらの混合物等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型類、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等のアミドベタイン型類、又はこれらの混合物等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンE、BHA、BHT、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、p−ヒドロキシアニソール、亜硫酸水素ナトリウム等又はこれらの混合物等が挙げられる。
紫外線防止剤としては、例えば、サリチル酸、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ウロカニン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、等又はこれらの混合物等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エデト酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサンメタリン酸塩、グルコン酸塩又はこれらの混合物等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど又はこれらの混合物等が挙げられる。
殺菌剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸塩類、サリチル酸、ソルビン酸、ソルビン酸塩類、パラオキシ安息香酸塩類、イソプロピルメチルフェノール、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリ流トリメチルアンモニウム、感光素類、ヒノキチオール、クロルヘキジン、トリクロサン等又はこれらの混合物等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ナイアシン、ビオチン又はこれらの混合物等が挙げられる。
また本発明における応用化粧料剤型は、クリーム、ローション、パック、ファンデーションなどをはじめ、公知のいかなる剤型を選んでもよい。
以下実施例を示して本発明を説明する。ただし本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(試料1の調整)
化粧品原料基準収載規格の精製水をシラス多孔質ガラス膜を用い処理しSPG水を得る。このSPG処理水に保湿効果をもつ多糖類及び植物抽出エキスを添加し実施例1の試料1とし、表1に示される組成に従い、実施例1の化粧料を調製した。
また別に、シラス多孔質ガラス膜で処理をしない化粧品原料基準収載規格の精製水を、表1の組成において実施例1の試料1に替え、比較例1の化粧料を調製した。
Figure 2008094819
(試料2の調製)
化粧品原料基準収載規格の精製水をシラス多孔質ガラス膜を用い処理しSPG水を得る。このSPG処理水に美白効果をもつ植物抽出エキスを添加し実施例2の試料1とし、表1に示される組成に従い、実施例2の化粧料を調製した。
また別に、シラス多孔質ガラス膜で処理をしない化粧品原料基準収載規格の精製水を、表2の組成において実施例2の試料2に替え、比較例2の化粧料を調製した。
Figure 2008094819
(試験例1)
22才〜50才の体調および皮膚に異常のない女性12名を被験者とし、それぞれの右手背面(甲)に実施例1の化粧料(美容液)を、左手背面(甲)に比較例1の化粧料(美容液)を就寝前0.3mL均一に塗布せしめ、1ヶ月継続して使用後翌日の右手(甲)、左手(甲)の角質層水分保持量を測定した。
判定は高周波伝導度測定装置を用いレベル3を標準にレベル1からレベル5までスコア化した。即ち、角質層水分量0〜27%未満(レベル1)、角質層水分量27〜37%未満(レベル2)、角質層水分量37〜47%未満(レベル3)、角質層水分量47〜57%未満(レベル4)、角質層水分量57%以上(レベル5)
結果を表3に示す。
Figure 2008094819
表3に示した結果の通り、本発明にかかわるSPG処理した水を用いた化粧料組成物は角質層への保湿剤の有用な働きを発揮させ、その配合化粧料の皮膚への浸透性を高める。
(試験例2)
35才〜43才の体調に異常のない女性10名を5名ずつの2グループに分け、うちAグループには実施例2の化粧料(スキンクリーム)を、Bグループには比較例2の化粧料(スキンクリーム)を顔面に塗布せしめ42週後の結果をみた。即ち42週間の試験期間前後の肌状態の比較である。肌状態評価は表4の基準により、2段階以上の改善を有効、1段階改善をやや有効、その他を効果不明とした
。結果を表5に示す。
Figure 2008094819
Figure 2008094819
Figure 2008094819
チロシナーゼ抑制機能をよく発揮して、その化粧料の美白効果をたかめる。
発明の効果
化粧料組成物は、有用成分の皮膚への浸透を促進し、以ってメラニンの生成増や拡散を抑え美白に寄与するすぐれた化粧料組成物と為し得る。

Claims (2)

  1. シラス多孔質ガラス膜を用い生成した水と保湿剤を1種又は2種以上含む化粧料組成物。
  2. 界面活性剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、キレート剤、殺菌剤、pH調整剤、ビタミン類、香料、色素及びこれらの混合物からなる群より選択される1種又は2種以上を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の化粧料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015016441A (ja) * 2013-07-12 2015-01-29 株式会社レドックス 化粧料用電解水

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